JP3315645B2 - 帯電方法、帯電装置及び該帯電装置を用いた画像記録装置 - Google Patents

帯電方法、帯電装置及び該帯電装置を用いた画像記録装置

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JP3315645B2
JP3315645B2 JP15061098A JP15061098A JP3315645B2 JP 3315645 B2 JP3315645 B2 JP 3315645B2 JP 15061098 A JP15061098 A JP 15061098A JP 15061098 A JP15061098 A JP 15061098A JP 3315645 B2 JP3315645 B2 JP 3315645B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被帯電体を帯電す
る帯電方法と帯電装置に関する。より詳しくは、被帯電
体とニップ部を形成する可撓性の帯電部材により、被帯
電体表面を帯電する帯電方法と帯電装置に関する。
【0002】また該帯電装置を像担持体の帯電処理手段
として使用した、複写機やプリンタ等の画像記録装置
(画像形成装置)に関する。
【0003】
【従来の技術】従来、例えば、電子写真装置や静電記録
装置等の画像記録装置において、電子写真感光体・静電
記録誘電体等の像担持体(被帯電体)を所要の極性・電
位に一様に帯電処理(除電処理も含む)する帯電装置と
してはコロナ帯電器(コロナ放電器)がよく使用されて
いた。
【0004】コロナ帯電器は非接触型の帯電装置であ
り、例えば、ワイヤ電極等の放電電極と該放電電極を囲
むシールド電極を備え、放電開口部を被帯電体である像
担持体に対向させて非接触に配設し、放電電極とシール
ド電極に高圧を印加することにより生じる放電電流(コ
ロナシャワー)に像担持体面をさらすことで像担持体面
を所定に帯電させるものである。
【0005】近時は、中・低速機種の画像記録装置にあ
っては、像担持体等の被帯電体の帯電装置として、コロ
ナ帯電器に比べて低オゾン・低電力等の利点があること
から接触帯電装置が多く提案され、また実用化されてい
る。
【0006】接触帯電装置は、像担持体等の被帯電体
に、ローラ型(帯電ローラ)、ファーブラシ型、磁気ブ
ラシ型、ブレード型等の導電性の帯電部材を接触させ、
この帯電部材(接触帯電部材・接触帯電器、以下、接触
帯電部材と記す)に所定の帯電バイアスを印加して被帯
電体面を所定の極性・電位に帯電させるものである。
【0007】接触帯電の帯電機構(帯電のメカニズム、
帯電原理)には、放電帯電系と直接帯電系の2種類
の帯電機構が混在しており、どちらが支配的であるかに
より各々の特性が現れる。
【0008】.放電帯電系(放電帯電機構) 接触帯電部材と被帯電体との微小間隙に生じる放電現象
により被帯電体表面が帯電する系である。
【0009】放電帯電系は接触帯電部材と被帯電体に一
定の放電しきい値を有するため、帯電電位より大きな電
圧を接触帯電部材に印加する必要がある。また、コロナ
帯電器に比べれば発生量は格段に少ないけれども放電生
成物を生じることが原理的に避けられないため、オゾン
など活性イオンによる弊害は避けられない。
【0010】.直接帯電系(直接注入帯電機構) 接触帯電部材から被帯電体に直接に電荷が注入されるこ
とで被帯電体表面が帯電する系である。直接帯電、ある
いは注入帯電、あるいは電荷注入帯電とも称される。
【0011】より詳しくは、中抵抗の接触帯電部材が被
帯電体表面に接触して、放電現象を介さずに、つまり放
電を基本的に用いないで被帯電体表面に直接電荷注入を
行うものである。よって、接触帯電部材への印加電圧が
放電閾値以下の印加電圧であっても、被帯電体を印加電
圧相当の電位に帯電することができる。この直接帯電系
はイオンの発生を伴わないため放電生成物による弊害は
生じない。
【0012】しかし、直接帯電であるため、接触帯電部
材の被帯電体への接触性が帯電性に大きく効いてくる。
そこで接触帯電部材はより密に構成し、また被帯電体と
の速度差を多く持ち、より高い頻度で被帯電体に接触す
る構成をとる必要がある。
【0013】A)ローラ帯電 接触帯電装置は、接触帯電部材として導電ローラ(帯電
ローラ)を用いたローラ帯電方式が帯電の安定性という
点で好ましく、広く用いられている。
【0014】このローラ帯電はその帯電機構は前記の
放電帯電系が支配的である。
【0015】帯電ローラは、導電あるいは中抵抗のゴム
材あるいは発泡体を用いて作成される。さらにこれらを
積層して所望の特性を得たものもある。
【0016】帯電ローラは被帯電体(以下、感光体と記
す)との一定の接触状態を得るために弾性を持たせてい
るが、そのため摩擦抵抗が大きく、多くの場合、感光体
に従動あるいは若干の速度差をもって駆動される。従っ
て、直接帯電しようとしても、絶対的帯電能力の低下や
接触性の不足やローラ上のムラや感光体の付着物による
帯電ムラは避けられないため、従来のローラ帯電ではそ
の帯電機構は放電帯電系が支配的である。
【0017】図7は接触帯電における帯電効率例を表わ
したグラフである。横軸に接触帯電部材に印加したバイ
アス、縦軸にはその時得られた感光体帯電電位を表わす
ものである。
【0018】従来のローラ帯電の場合の帯電特性はAで
表わされる。即ち凡そ−500Vの放電閾値を過ぎてか
ら帯電が始まる。従って、−500Vに帯電する場合は
−1000Vの直流電圧を印加するか、あるいは、−5
00V直流の帯電電圧に加えて、放電閾値以上の電位差
を常に持つようにピーク間電圧1200Vの交流電圧を
印加して感光体電位を帯電電位に収束させる方法が一般
的である。
【0019】より具体的に説明すると、厚さ25μmの
OPC感光体に対して帯電ローラを加圧当接させた場合
には、約640V以上の電圧を印加すれば感光体の表面
電位が上昇し始め、それ以降は印加電圧に対して傾き1
で線形に感光体表面電位が増加する。この閾値電圧を帯
電開始電圧Vthと定義する。
【0020】つまり、電子写真に必要とされる感光体表
面電位Vdを得るためには帯電ローラにはVd+Vth
という必要とされる以上のDC電圧が必要となる。この
ようにしてDC電圧のみを接触帯電部材に印加して帯電
を行なう方法を「DC帯電方式」と称する。
【0021】しかし、DC帯電においては環境変動等に
よって接触帯電部材の抵抗値が変動するため、また、感
光体が削れることによって膜厚が変化するとVthが変
動するため、感光体の電位を所望の値にすることが難し
かった。
【0022】このため、更なる帯電の均一化を図るため
に特開昭63−149669号公報に開示されるよう
に、所望のVdに相当するDC電圧に2×Vth以上の
ピーク間電圧を持つAC成分を重畳した電圧を接触帯電
部材に印加する「AC帯電方式」が用いられる。これ
は、ACによる電位のならし効果を目的としたものであ
り、被帯電体の電位はAC電圧のピークの中央であるV
dに収束し、環境等の外乱には影響されることはない。
【0023】ところが、このような接触帯電装置におい
ても、その本質的な帯電機構は、接触帯電部材から感光
体への放電現象を用いているため、先に述べたように接
触帯電部材に印加する電圧は感光体表面電位以上の値が
必要とされ、微量のオゾンは発生する。
【0024】また、帯電均一化のためにAC帯電を行な
った場合にはさらなるオゾンの発生、AC電圧の電界に
よる接触帯電部材と感光体の振動騒音(AC帯電音)の
発生、また、放電による感光体表面の劣化等が顕著にな
り、新たな問題点となっていた。
【0025】B)ファーブラシ帯電 ファーブラシ帯電は、接触帯電部材として導電性繊維の
ブラシ部を有する部材(ファーブラシ帯電器)を用い、
その導電性繊維ブラシ部を被帯電体としての感光体に接
触させ、所定の帯電バイアスを印加して感光体面を所定
の極性・電位に帯電させるものである。
【0026】このファーブラシ帯電もその帯電機構は前
記の放電帯電系が支配的である。
【0027】ファーブラシ帯電器は固定タイプとロール
タイプが実用化されている。中抵抗の繊維を基布に折り
込みパイル状に形成したものを電極に接着したものが固
定タイプで、ロールタイプはパイルを芯金に巻き付けて
形成する。繊維密度としては100本/mm2 程度のも
のが比較的容易に得られるが、直接帯電により十分均一
な帯電を行うにはそれでも接触性は不十分であり、直接
帯電により十分均一な帯電を行うには感光体に対し機械
構成としては困難なほどに速度差を持たせる必要があ
り、現実的ではない。
【0028】このファーブラシ帯電の直流電圧印加時の
帯電特性は図7のBに示される特性をとる。従って、フ
ァーブラシ帯電の場合も、固定タイプ、ロールタイプど
ちらも多くは、高い帯電バイアスを印加し放電現象を用
いて帯電を行っている。
【0029】C)磁気ブラシ帯電 磁気ブラシ帯電は、接触帯電部材として導電性磁性粒子
をマグネットロール等で磁気拘束してブラシ状に形成し
た磁気ブラシ部を有する部材(磁気ブラシ帯電器)を用
い、その磁気ブラシ部を被帯電体としての感光体に接触
させ、所定の帯電バイアスを印加して感光体面を所定の
極性・電位に帯電させるものである。
【0030】この磁気ブラシ帯電の場合はその帯電機構
は前記の直接帯電系が支配的である。
【0031】磁気ブラシ部を構成させる導電性磁性粒子
として粒径5〜50μmのものを用い、感光体と十分速
度差を設けることで、均一に直接帯電を可能にする。
【0032】図7の帯電特性グラフのCにあるように、
印加バイアスとほぼ比例した帯電電位を得ることが可能
になる。
【0033】しかしながら、機器構成が複雑であるこ
と、磁気ブラシ部を構成している導電性磁性粒子が脱落
して感光体に付着する等他の弊害もある。
【0034】特開平6−3921号公報等には感光体表
面にあるトラップ準位または電荷注入層の導電粒子等の
電荷保持部材に電荷を注入して接触注入帯電を行なう方
法が提案されている。放電現象を用いないため、帯電に
必要とされる電圧は所望する感光体表面電位分のみであ
り、オゾンの発生もない。さらに、AC電圧を印加しな
いので、帯電音の発生もなく、ローラ帯電方式と比べる
と、オゾンレス、低電力の優れた帯電方式である。
【0035】D)トナーリサイクルシステム(クリーナ
レス) 転写方式の画像記録装置においては、転写後の感光体
(像担持体)に残存する転写残りの現像剤(トナー)は
クリーナ(クリーニング装置)によって感光体面から除
去されて廃トナーとなるが、この廃トナーは環境保護の
面からも出ないことが望ましい。そこでクリーナをなく
し、転写後の感光体上の転写残トナーは現像装置によっ
て「現像同時クリーニング」で感光体上から除去し現像
装置に回収・再用する装置構成にしたトナーリサイクル
システム(またはトナーリサイクルプロセス)の画像記
録装置も出現している。
【0036】現像同時クリーニングとは、転写後に感光
体上に残留したトナーを次工程以降の現像時、即ち引き
続き感光体を帯電し、露光して潜像を形成し、該潜像の
現像時にかぶり取りバイアス(現像装置に印加する直流
電圧と感光体の表面電位間の電位差であるかぶり取り電
位差Vback)によって回収する方法である。この方法に
よれば、転写残トナーは現像装置に回収されて次工程以
後に再用されるため、廃トナーをなくし、メンテナンス
に手を煩わせることも少なくすることができる。またク
リーナレスであることでスペース面での利点も大きく、
画像記録装置を大幅に小型化できるようになる。
【0037】トナーリサイクルシステムは上記のように
転写残トナーを専用のクリーナによって感光体面から除
去するのではなく、帯電手段部を経由させて現像装置に
至らせて再度現像プロセスにて利用するものであるた
め、感光体の帯電手段として接触帯電を用いた場合にお
いては感光体と接触帯電部材との接触部に絶縁性である
トナーが介在した状態で如何にして感光体を帯電するか
が課題になっている。上記したローラ帯電やファーブラ
シ帯電においては、感光体上の転写残トナーを拡散し非
パターン化するとともに、大きなバアイスを印加し放電
による帯電を用いることが多い。磁気ブラシ帯電におい
ては接触帯電部材として粉体を用いるため、その粉体で
ある導電性磁性粒子の磁気ブラシ部が感光体に柔軟に接
触し感光体を帯電できる利点があるが、機器構成が複雑
であること、磁気ブラシ部を構成している導電性磁性粒
子の脱落による弊害が大きい。
【0038】E)接触帯電部材に対する粉末塗布 接触帯電装置について、帯電ムラを防止し安定した均一
帯電を行なうために、接触帯電部材に被帯電体面との接
触面に粉末を塗布する構成が特公平7−99442号公
報に開示されているが、接触帯電部材(帯電ローラ)が
被帯電体(感光体)に従動回転(速度差駆動なし)であ
り、スコロトロン等のコロナ帯電器と比べるとオゾン生
成物の発生は格段に少なくなっているものの、帯電原理
は前述のローラ帯電の場合と同様に依然として放電によ
る帯電を主としている。特に、より安定した帯電均一性
を得るためにはDC電圧にAC電圧を重畳した電圧を印
加するために、放電によるオゾン生成物の発生はより多
くなってしまう。よって、長期に装置を使用した場合
や、クリーナレスの画像記録装置を長期に使用した場合
において、オゾン生成物による画像流れ等の弊害が現れ
やすい。また、特開平5−150539号公報には、接
触帯電を用いた画像形成方法において、長時間画像形成
を繰り返すうちにトナー粒子やシリカ微粒子が帯電手段
の表面に付着することによる帯電阻害を防止するため
に、現像剤中に、少なくとも顕画粒子と、顕画粒子より
小さい平均粒径を有する導電性粒子を含有することが開
示されている。しかし、この接触帯電は放電帯電機構に
よるもので、直接注入帯電機構ではなく、放電帯電によ
る前述の問題がある。
【0039】
【発明が解決しようとする課題】
1)上記の従来の技術の項に記載したように、従来の接
触帯電において、接触帯電部材として帯電ローラあるい
はファーブラシなどを用いた簡易な構成では直接帯電を
行なうには該接触帯電部材の表面が粗くて被帯電体との
密な接触が確保されず、直接帯電は不可能であった。
【0040】また、接触帯電部材は被帯電体面から異物
を拾って汚れやすく、その付着汚れが絶縁性であると帯
電不良を生じやすい。
【0041】そのため接触帯電においては、接触帯電部
材として帯電ローラやファーブラシ等の簡易な部材を用
いた場合でも、また接触帯電部材の汚染にかかわらず、
より帯電均一性に優れ且つ長期に渡り安定した直接帯電
を実現する、即ち、低印加電圧でオゾンレスの注入帯電
を簡易な構成で実現することが期待されている。
【0042】本発明は、接触帯電について、上記の要望
に応えることを目的とする。
【0043】2)画像記録装置において、像担持体の帯
電手段に接触帯電装置を採択した場合、接触帯電部材と
して帯電ローラあるいはファーブラシなどを用いた簡易
な構成で低印加電圧でオゾンレスの注入帯電を実現する
ことができれば装置構成上・性能上等で極めて有効であ
る。
【0044】また像担持体の帯電手段に接触帯電装置を
採択した転写式画像記録装置の場合の接触帯電部材の汚
染に関して、像担持体に形成担持させた現像剤像(トナ
ー像)を被記録体へ転写した後の像担持体上の転写残ト
ナーを除去する専用のクリーナを具備させている画像記
録装置の場合であっても、像担持体上の転写残トナーを
クリーナで完全に除去することは困難であり、僅かなが
らもクリーナをすり抜けるトナーが像担持体面の移動で
接触帯電部材と像担持体との接触部である帯電部に持ち
運ばれて接触帯電部材に付着・混入して接触帯電部材は
次第にトナーで汚染されていく。
【0045】従来トナーは絶縁体であるため、接触帯電
部材と像担持体との接触部である帯電部にトナーが存在
したり、接触帯電部材がトナーで汚染されることは、帯
電阻害因子であり、帯電不良を生じさせることになる。
【0046】特に、トナーリサイクルシステム(クリー
ナレス)の画像記録装置にあっては、転写後の像担持体
面上の転写残トナーを除去する専用のクリーナを用いな
いため、転写後の像担持体面の転写残トナーが像担持体
と接触帯電部材の接触部である帯電部に像担持体面の移
動でそのまま持ち運ばれるので、接触帯電部材は著しく
トナー汚染される。
【0047】そこで本発明は、接触帯電方式の画像記録
装置、接触帯電方式・転写方式の画像記録装置、さらに
は接触帯電方式・転写方式・トナーリサイクルシステム
の画像記録装置について、接触帯電部材として帯電ロー
のような簡易な部材を用いて、また該接触帯電部材の
トナー汚染にかかわらず、低印加電圧でオゾンレスの直
接帯電とトナーリサイクルシステムを問題なく実行可能
にし、高品位な画像形成を長期に渡り維持させること、
画像比率の高い画像を出力した後でも高品位な画像形成
を長期に渡り維持させること等を目的とする。
【0048】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成を特
徴とする、帯電方法、帯電装置及び該帯電装置を用いた
画像記録装置である。
【0049】(1)被帯電体とニップ部を形成する可撓
性の帯電部材により、被帯電体表面を帯電する帯電方法
であり、帯電部材は被帯電体に対して速度差をもって移
動し、その表面に発泡体を備え、該帯電部材に接触する
帯電促進粒子供給部材を有し、該帯電促進粒子供給部材
は、帯電促進粒子からなり、帯電部材との接触により
らが削れることで帯電促進粒子を該帯電部材に供給する
ことを特徴とする帯電方法。
【0050】
【0051】(2)該帯電促進粒子の体積抵抗が1012
Ω・cm以下であることを特徴とする(1)または
(2)に記載の帯電方法。
【0052】(3)該帯電促進粒子の体積抵抗が1010
Ω・cm以下であることを特徴とする(1)に記載の帯
電方法。
【0053】(4)帯電部材には電圧が印加されること
を特徴とする(1)ないし(3)の何れか1つに記載の
帯電方法。
【0054】(5)被帯電体とニップ部を形成する可撓
性の帯電部材により、被帯電体表面を帯電する帯電装置
であり、帯電部材は被帯電体に対して速度差をもって移
動し、その表面に発泡体を備え、該帯電部材に接触する
帯電促進粒子供給部材を有し、該帯電促進粒子供給部材
は、帯電促進粒子からなり、帯電部材との接触により
らが削れることで帯電促進粒子を該帯電部材に供給する
ことを特徴とする帯電装置。
【0055】
【0056】(6)該帯電促進粒子の体積抵抗が1012
Ω・cm以下であることを特徴とする(5)に記載の帯
電装置。(7) 該帯電促進粒子の体積抵抗が1010Ω・cm以下
であることを特徴とする(5)に記載の帯電装置。(8) 帯電部材には電圧が印加されることを特徴とする
(5)ないし(7)の何れか1つに記載の帯電装置。(9) 像担持体に、該像担持体を帯電する工程を含む作
像プロセスを適用して画像記録を実行する画像記録装置
であり、像担持体を帯電する工程手段が(5)ないし
(8)の何れか1つに記載の帯電装置であることを特徴
とする画像記録装置。(10) 像担持体と、該像担持体を帯電する帯電手段
と、像担持体の帯電面に静電潜像を形成する潜像形成手
と、その静電潜像を現像剤で可視化する現像手段と、
その現像剤像を被記録体に転写する転写手段と、転写後
の像担持体を清掃するクリーニング手段を有し、像担持
体は繰り返して作像に供される画像記録装置であり、像
担持体を帯電する帯電手段が(5)ないし(8)の何れ
か1つに記載の帯電装置であることを特徴とする画像記
録装置。(11) 像担持体と、該像担持体を帯電する帯電手段
と、像担持体の帯電面に静電潜像を形成する潜像形成手
と、その静電潜像を現像剤で可視化する現像手段と、
その現像剤像を被記録体に転写する転写手段を有し、前
記現像手段が現像剤像を被記録体に転写した後に像担持
体上に残留した現像剤を回収するクリーニング手段を兼
ねており、像担持体は繰り返して作像に供される画像記
録装置であり、像担持体を帯電する帯電手段が(5)な
いし(8)の何れか1つに記載の帯電装置であることを
特徴とする画像記録装置。(12) 像担持体の帯電面に静電潜像を形成する情報書
き込み手段が像露光手段であることを特徴とする(1
0)または(11)に記載の画像記録装置。
【0057】〈作 用〉 a)帯電促進粒子は帯電補助を目的とした導電性の粒子
であり、この粒子を用いたことで均一で安定な直接帯電
を実現している。該帯電促進粒子の体積抵抗は1×10
12Ω・cm以下、更に好ましくは1×1010Ω・cm以
下であることが望ましい。
【0058】即ち、帯電部材は被帯電体に対して速度差
をもって移動し、その表面に発泡体を備え、該帯電部材
に接触する帯電促進粒子供給部材を有し、該帯電促進粒
子供給部材は、帯電促進粒子からなり、帯電部材との接
触により自らが削れることで帯電促進粒子を該帯電部材
に供給することで、被帯電体と接触帯電部材とのニップ
部である帯電部に帯電促進粒子が存在した状態で被帯電
体の接触帯電が行なわれる。
【0059】b)被帯電体と接触帯電部材とのニップ部
である帯電部に帯電促進粒子が存在することで、該粒子
の滑剤効果により、摩擦抵抗が大きくてそのままでは被
帯電体に対して速度差を持たせて接触させることが困難
であった帯電ローラであっても、それを被帯電体面に対
して無理なく容易に効果的に速度差を持たせて接触させ
た状態にすることが可能となると共に、該接触帯電部材
が該粒子を介して被帯電体面に密に接触してより高い頻
度で被帯電体面に接触する構成となる。
【0060】接触帯電部材と被帯電体との間に速度差を
設けることができることで、接触帯電部材と被帯電体の
ニップ部において帯電促進粒子が被帯電体に接触する機
会を格段に増加させ、高い接触性を得ることができ、接
触帯電部材と被帯電体のニップ部に存在する帯電促進粒
子が被帯電体表面を隙間なく摺擦することで被帯電体に
電荷を直接注入できるようになり、接触帯電部材による
被帯電体の接触帯電は帯電促進粒子の介存により直接帯
電(注入帯電)が支配的となる。
【0061】c)速度差を設ける構成としては、接触帯
電部材を回転駆動して被帯電体と速度差を設けることに
なる。接触帯電部材を被帯電体表面の移動方向と同じ方
向に移動させて速度差をもたせることも可能であるが、
注入帯電の帯電性は被帯電体の周速と接触帯電部材の周
速の比に依存するため、逆方向と同じ周速比を得るには
順方向では接触帯電部材の回転数が逆方向の時に比べて
大きくなるので、接触帯電部材を逆方向に移動させる方
が回転数の点で有利である。
【0062】ここで記述した周速比は 周速比(%)=(帯電部材周速−被帯電体周速)/被帯
電体周速×100 である(帯電部材周速はニップ部において帯電部材表面
が被帯電体表面と同じ方向に移動するとき正の値であ
る)。
【0063】d)被帯電体と接触帯電部材とのニップ部
である帯電部に帯電阻害因子である絶縁性の物質が介在
していたり、接触帯電部材がそのような絶縁性の物質で
汚染されている場合でも、帯電促進粒子が被帯電体と接
触帯電部材とのニップ部である帯電部に介存することに
より、接触帯電部材の被帯電体への緻密な接触性と接触
抵抗を維持できるため、低印加電圧でオゾンレスの直接
帯電を長期にわたり安定に維持させることができ、均一
な帯電性を与えることができる。
【0064】e)帯電促進粒子を接触帯電部材に供給す
る供給部材を具備させたことで、装置の使用に伴い被帯
電体と接触帯電部材とのニップ部である帯電部から帯電
促進粒子が脱落しても該帯電部に対する帯電促進粒子の
補充がなされ、帯電促進粒子の帯電部からの脱落・減少
による帯電特性の低下が防止されて、上記の直接帯電性
を長期に渡り安定に維持させることができる。
【0065】f)接触帯電部材に対する帯電促進粒子の
供給は、例えば、ブレードを接触帯電部材に当接させ、
ブレードと接触帯電部材の間に粉末状の帯電促進粒子を
貯留・保持させ、この粉末状の帯電促進粒子をブレード
で接触帯電部材の表面に一定量塗布供給する構成を採る
ことができるが、粉末状の帯電促進粒子は飛散しやす
く、該帯電装置の周辺機器等を飛散帯電促進粒子で汚染
するなどの弊害も考えられる。
【0066】本発明においては、接触帯電部材に対する
帯電促進粒子の供給は、接触帯電部材をその表面に発泡
体を備えるものにし、帯電促進粒子供給部材を例えば白
墨や蝋石のように自らが削れることで帯電促進粒子を接
触帯電部材に供給するものにした、即ち帯電促進粒子を
固形化したチップ状の部材にして、これを表面に発泡体
を備える接触帯電部材との接触により帯電部材の表面の
発泡体を利用して粒子を削り出させることで、帯電促進
粒子を接触帯電部材に供給するものにしたので、粒子を
飛散させることなく、また扱い易く、安定して帯電促進
粒子を接触帯電部材に供給することができる。
【0067】g)かくして、従来のローラ帯電等では得
られなかった高い帯電効率が得られ、接触帯電部材に印
加した電圧とほぼ同等の帯電電位を被帯電体に与えるこ
とができ、接触帯電部材として帯電ローラやファーブラ
シなど簡易な部材を用いた場合でも、また該接触帯電部
材の汚染にかかわらず、該接触帯電部材に対する帯電に
必要な印加バイアスは被帯電体に必要な帯電電位相当の
電圧で十分であり、放電現象を用いない安定かつ安全な
接触帯電装置、即ち低印加電圧・オゾンレスで、帯電均
一性に優れ且つ長期に渡り安定した性能の直接帯電装置
を簡易な構成で実現することができる。
【0068】h)上記の帯電装置を像担持体の帯電手段
として用いることで、接触帯電方式の画像記録装置、接
触帯電方式・転写方式の画像記録装置、さらには接触帯
電方式・転写方式・トナーリサイクルシステムの画像記
録装置について、接触帯電部材として帯電ローラやファ
ーブラシ等の簡易な部材を用いて、また該接触帯電部材
のトナー汚染にかかわらず、低印加電圧でオゾンレスの
直接帯電とトナーリサイクルシステムを問題なく実行可
能にし、高品位な画像形成を長期に渡り維持させるこ
と、画像比率の高い画像を出力した後でも高品位な画像
形成を長期に渡り維持させること等ができる。
【0069】トナーリサイクルシステム(クリーナレ
ス)の画像記録装置にあっては、接触帯電部材が像担持
体に対して速度差を持って接触していることで、転写部
から、接触帯電部材と像担持体のニップ部である帯電部
へ至った転写残トナーのパターンが撹乱されて崩され、
中間調画像において、前回の画像パターン部分がゴース
トとなって現れることがなくなる。
【0070】接触帯電部材と像担持体のニップ部である
帯電部に帯電促進粒子が介存することにより、接触帯電
部材の像担持体への緻密な接触性と接触抵抗を維持でき
るため、接触帯電部材の転写残トナーによる汚染にかか
わらず、低印加電圧でオゾンレスの直接帯電を長期に渡
り安定に維持させることができ、均一な帯電性を与える
ことが出来る。
【0071】i)接触帯電部材に付着・混入した転写残
トナーは接触帯電部材から徐々に像担持体上に吐き出さ
れて像担持体面の移動とともに現像部位に至り、現像手
段において現像同時クリーニング(回収)される(トナ
ーリサイクル)。
【0072】
【発明の実施の形態】
〈実施例1〉(図1) 図1は本発明に従う画像記録装置の一例の概略構成模型
図である。
【0073】本実施例の画像記録装置は、転写式電子写
真プロセス利用、接触帯電方式のレーザプリンタであ
る。
【0074】(1)プリンタの全体的概略構成 1は像担持体であり、本実施例はφ30mmの回転ドラ
ム型の負極性OPC感光体(ネガ感光体、以下感光ドラ
ムと記す)である。この感光ドラム1は矢印の時計方向
に周速度50mm/sec(=プロセススピードPS、
印字速度)の一定速度をもって回転駆動される。
【0075】2は感光ドラム1に所定の押圧力をもって
接触させて配設した接触帯電部材としての導電性弾性ロ
ーラ(以下、帯電ローラと記す)である。
【0076】nは感光ドラム1と帯電ローラ2とのニッ
プ部である帯電ニップ部である。
【0077】3は帯電ローラ2に対する帯電促進粒子供
給手段であり、この帯電促進粒子供給手段3により帯電
ローラ2の外周面に帯電促進粒子mが塗布供給されて、
感光ドラム1と帯電ローラ2とのニップ部である帯電ニ
ップ部nに帯電促進粒子mが介在する。
【0078】帯電ローラ2はこの帯電ニップ部nにおい
て感光ドラム1の回転方向と逆方向(カウンター)で回
転駆動され、感光ドラム1面に対して速度差を持って接
触する。Mは該帯電ローラ2の駆動源である。
【0079】また帯電ローラ2には帯電バイアス印加電
源S1から所定の帯電バイアス、本例では−700Vの
直流電圧が印加される。
【0080】これにより、回転感光ドラム1の周面が直
接帯電(注入帯電)方式で帯電ローラ2に対する印加帯
電バイアスと略同じ電位に一様に接触帯電処理される。
【0081】上記の帯電ローラ2、帯電促進粒子供給手
段3、直接帯電等については別項で詳述する。
【0082】4はレーザダイオード・ポリゴンミラー等
を含むレーザビームスキャナ(露光装置)である。この
レーザビームスキャナ4は目的の画像情報の時系列電気
ディジタル画素信号に対応して強度変調されたレーザ光
を出力し、該レーザ光で上記回転感光ドラム1の一様帯
電面を走査露光Lする。
【0083】この走査露光Lにより回転感光ドラム1の
面に目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。
【0084】5は現像器である。回転感光ドラム1面の
静電潜像はこの現像器5により現像部位aにてトナー画
像として現像される。
【0085】本実施例の現像器5は現像剤tとして一成
分磁性トナー(ネガトナー)を用いた反転現像器であ
る。5aはマグネットロール5bを内包させた、現像剤
担持搬送部材としての非磁性回転現像スリーブであり、
現像器5内の現像剤としてのトナーtは回転現像スリー
ブ5a上を搬送される過程において、規制ブレード5c
で層厚規制及び電荷付与を受ける。
【0086】回転現像スリーブ5aにコートされたトナ
ーtはスリーブ5aの回転により、感光ドラム1とスリ
ーブ5aの対向部である現像部位(現像領域部)aに搬
送される。またスリーブ5aには現像バイアス印加電源
S2より現像バイアス電圧が印加される。
【0087】本実施例において、現像バイアス電圧は DC電圧:−500V AC電圧:ピーク間電圧1600V、周波数1.8kH
z、矩形波 の重畳電圧とした。
【0088】これにより、感光ドラム1側の静電潜像が
トナーtにより反転現像される。
【0089】現像剤である一成分磁性トナーtは、結着
樹脂、磁性体粒子、電荷制御剤を混合し、混練、粉砕、
分級の各工程を経て作成し、更に流動化剤等を外添剤と
して添加して作成されたものである。トナーの重量平均
粒径(D4)は7μmであった。
【0090】6は接触転写手段としての中抵抗の転写ロ
ーラであり、感光ドラム1に所定に圧接させて転写ニッ
プ部bを形成させてある。この転写ニップ部bに不図示
の給紙部から所定のタイミングで被記録体としての転写
材Pが給紙され、かつ転写ローラ6に転写バイアス印加
電源S3から所定の転写バイアス電圧が印加されること
で、感光ドラム1側のトナー像が転写ニップ部bに給紙
された転写材Pの面に順次に転写されていく。
【0091】本実施例で使用の転写ローラ6は、芯金に
中抵抗発泡層を形成した、ローラ抵抗値5×108 Ωの
ものであり、+2.0kVの電圧を芯金に印加して転写
を行なった。転写ニップ部bに導入された転写材Pはこ
の転写ニップ部bを挟持搬送されて、その表面側に回転
感光ドラム1の表面に形成担持されているトナー画像が
順次に静電気力と押圧力にて転写されていく。
【0092】7は熱定着方式等の定着装置である。転写
ニップ部bに給紙されて感光ドラム1側のトナー画像の
転写を受けた転写材Pは回転感光ドラム1の面から分離
されてこの定着装置7に導入され、トナー画像の定着を
受けて画像形成物(プリント、コピー)として装置外へ
排出される。
【0093】8は感光ドラムのクリーナ(クリーニング
装置)である。転写材Pに対するトナー画像転写後の回
転感光ドラム1は、ドラム面に残留の転写残トナーがこ
のクリーナ8のクリーニング部材8a、本例では感光ド
ラム1面に当接させたクリーニングブレード(弾性ブレ
ード)によりかき取られて清掃され、繰り返して作像に
供される。感光ドラム1面からクリーニングブレード8
aによりかき取られた転写残トナーはクリーナ容器内に
廃トナーとして蓄積される。
【0094】(2)帯電ローラ2 本実施例における可撓性の接触帯電部材としての帯電ロ
ーラ2は芯金2a上にゴムあるいは発泡体の中抵抗層2
bを形成することにより作成される。
【0095】中抵抗層2bは樹脂(例えばウレタン)、
導電性粒子(例えばカーボンブラック)、硫化剤、発泡
剤等により処方され、芯金2aの上にローラ状に形成し
た。その後必要に応じて表面を研磨して直径12mm、
長手長さ200mmの導電性弾性ローラである帯電ロー
ラ2を作成した。
【0096】本実施例の帯電ローラ2のローラ抵抗を測
定したところ100kΩであった。ローラ抵抗は、帯電
ローラ2の芯金2aに総圧1kgの加重がかかるようφ
30mmのアルミドラムに帯電ローラ2を圧着した状態
で、芯金2aとアルミドラムとの間に100Vを印加
し、計測した。
【0097】ここで、接触帯電部材である帯電ローラ2
は電極として機能することが重要である。つまり、弾性
を持たせて被帯電体との十分な接触状態を得ると同時
に、移動する被帯電体を充電するに十分低い抵抗を有す
る必要がある。一方では被帯電体にピンホールなどの低
耐圧欠陥部位が存在した場合に電圧のリークを防止する
必要がある。被帯電体として電子写真用感光体を用いた
場合、十分な帯電性と耐リークを得るには104 〜10
7 Ωの抵抗が望ましい。
【0098】帯電ローラ2の表面は帯電促進粒子mを保
持できるようミクロな凹凸があるものが望ましい。
【0099】帯電ローラ2の硬度は、硬度が低すぎると
形状が安定しないために被帯電体との接触性が悪くな
り、高すぎると被帯電体との間に帯電ニップ部nを確保
できないだけでなく、被帯電体表面へのミクロな接触性
が悪くなるので、アスカーC硬度で25度から50度が
好ましい範囲である。
【0100】帯電ローラ2の材質としては、弾性体の材
料として、EPDM、ウレタン、NBR、シリコーンゴ
ムや、IR等に抵抗調整のためにカーボンブラックや金
属酸化物等の導電性物質を分散したゴム材を発泡させた
ものがあげられる。また、特に導電性物質を分散せず
に、イオン導電性の材料を用いて抵抗調整をすることも
可能である。
【0101】帯電ローラ2は被帯電体としての感光ドラ
ム1に対して弾性に抗して所定の押圧力で圧接させて配
設し、本実施例では幅数mmの帯電ニップ部nを形成さ
せてある。
【0102】また本実施例では、この帯電ローラ2を帯
電ニップ部nにおいて帯電ローラ表面と感光体表面とが
互いに逆方向に等速で移動するよう凡そ80rpmで矢
印の時計方向に回転駆動させた。即ち接触帯電部材とし
ての帯電ローラ2の表面は被帯電体としての感光ドラム
1の面に対して速度差を持たせるようにした。
【0103】そして帯電ローラ2の芯金2aに電源S1
から帯電バイアスとして−700Vの直流電圧を印加す
るようにした。
【0104】(3)帯電促進粒子供給手段3 本実施例において、帯電促進粒子供給手段3は、帯電促
進粒子供給部材31、該帯電促進粒子供給部材の支持体
32、帯電促進粒子供給部材を収容させたハウジング3
3等から構成してあり、帯電ローラ2の上側に配設し
て、ハウジング33内の帯電促進粒子供給部材31の下
面を、帯電促進粒子供給部材31と該部材の支持体32
の自重で帯電ローラ2の上面に常時当接させてある。
【0105】帯電促進粒子供給部材31は、帯電促進粒
子mをチップ状に結着固形化した部材(帯電促進粒子チ
ップ)であり、回転する帯電ローラ2との当接により白
墨や蝋石のように自ら削れることで帯電促進粒子mを帯
電ローラ2の表面に塗布供給する部材である。
【0106】例えば、酸化亜鉛粒子やアルミナ粉等の帯
電促進粒子mを溶剤中にバインダー樹脂で結着したチッ
プ状のものである。具体例処方としては、バインダー樹
脂としてスチレンアクリル樹脂をエタノール中に5wt
%の濃度で溶解し、重量にしてバインダー樹脂1に対し
て7倍の酸化亜鉛粒子等の帯電促進粒子mを混合する。
そしてこの溶液を型にいれて整形し乾燥することで、帯
電促進粒子mをチップ状に結着固形化した形態の帯電促
進粒子供給部材が得られる。
【0107】本実施例では、帯電促進粒子mとして、比
抵抗が106 Ω・cm、平均粒径3μmのアルミナ粉を
用いた。
【0108】帯電促進粒子mの材料としては、他の金属
酸化物などの導電性無機粒子や有機物との混合物、ある
いは、これらに表面処理を施したものなど各種導電粒子
が使用可能である。
【0109】粒子抵抗は粒子を介した電荷の授受を行う
ため比抵抗としては1012Ω・cm以下が必要で、より
好ましくは1010Ω・cm以下が望ましい。
【0110】抵抗測定は、錠剤法により測定し正規化し
て求めた。即ち、底面積2.26cm2 の円筒内に凡そ
0.5gの粉体試料を入れ上下電極に15kgの加圧を
行うと同時に100Vの電圧を印加し抵抗値を計測、そ
の後正規化して比抵抗を算出した。
【0111】粒径は良好な帯電均一性を得るために50
μm以下が望ましい。本発明において、粒子が凝集体を
構成している場合の粒径は、その凝集体としての平均粒
径として定義した。粒径の測定には、光学あるいは電子
顕微鏡による観察から、100個以上抽出し、水平方向
最大弦長をもって体積粒度分布を算出し、その50%平
均粒径をもって決定した。
【0112】帯電促進粒子は、一次粒子の状態で存在す
るばかりでなく二次粒子の凝集した状態で存在すること
もなんら問題はない。どのような凝集状態であれ、凝集
体として帯電促進粒子としての機能が実現できればその
形態は重要ではない。
【0113】帯電促進粒子は特に感光体の帯電に用いる
場合に潜像露光時に妨げにならないよう、無色あるいは
白色の粒子が適切である。また帯電促進粒子は露光の妨
げにならないように白色または透明に近いことが望まし
く非磁性であることが好ましい。
【0114】さらに、帯電促進粒子が感光体上から被記
録体Pに一部転写されてしまうことを考えるとカラー記
録では無色、あるいは白色のものが望ましい。また、画
像露光時に粒子による光散乱を防止するためにもその粒
径は構成画素サイズ以下であることが望ましい。粒径の
下限値としては、粒子として安定に得られるものとして
10nmが限界と考えられる。
【0115】(4)直接帯電 帯電ローラ2に対して帯電促進粒子供給手段3の帯電促
進粒子チップ31で帯電促進粒子mが塗布供給されるこ
とで、感光ドラム1と帯電ローラ2との帯電ニップ部n
に帯電促進粒子mが存在した状態で感光ドラム1の接触
帯電が行なわれる。感光ドラム1と帯電ローラ2との帯
電ニップ部nに帯電促進粒子mが存在することで、該粒
子mの滑剤効果により、摩擦抵抗が大きくてそのままで
は感光ドラム1に対して速度差を持たせて接触させるこ
とが困難であった帯電ローラであっても、それを感光ド
ラム1面に対して無理なく容易に効果的に速度差を持た
せて接触させた状態にすることが可能となると共に、該
帯電ローラ2が該粒子mを介して感光ドラム1面に密に
接触してより高い頻度で感光ドラム1面に接触する構成
となる。
【0116】帯電ローラ2と感光ドラム1との間に速度
差を設けることができることで、帯電ローラ2と感光ド
ラム1のニップ部において帯電促進粒子mが感光ドラム
1に接触する機会を格段に増加させ、高い接触性を得る
ことができ、帯電ローラ2と感光ドラム1のニップ部に
存在する帯電促進粒子mが感光ドラム1表面を隙間なく
摺擦することで感光ドラム1に電荷を直接注入できるよ
うになり、帯電ローラ2による感光ドラム1の接触帯電
は帯電促進粒子の介存により直接帯電(注入帯電)が支
配的となる。
【0117】本実施例の画像記録装置(プリンタ)には
転写後の感光ドラム1面から転写残トナーを除去するク
リーナ8を具備させているが、実際には感光ドラム1面
から転写残トナーを完全に除去することは困難であり、
特に本実施形態で使用している弾性ブレード8aによる
クリーニングでは小粒径の微粉がブレード8aをすり抜
けることによりブレードがめくれることなく当接するこ
とができる。従って、クリーナ8を具備させてある画像
記録装置でもクリーナをわずかではあるが抜けでる帯電
阻害因子であるトナー(絶縁性物質)が帯電ニップ部n
に持ち運ばれて介在した状態になったり、帯電ローラ2
がトナーで汚染された状態になる。
【0118】このような場合でも、帯電促進粒子mが感
光ドラム1と帯電ローラ2との帯電ニップ部nに介存す
ることにより、帯電ローラ2の汚れ防止とトナーによる
接触性低下が補われて帯電ローラ2の感光ドラム1への
緻密な接触性と接触抵抗を維持できるため、低印加電圧
でオゾンレスの直接帯電を長期にわたり安定に維持させ
ることができ、均一な帯電性を与えることができる。
【0119】帯電促進粒子mを帯電ローラ2に供給する
供給部材31を具備させたことで、装置の使用に伴い感
光ドラム1と帯電ローラ2との帯電ニップ部nから帯電
促進粒子mが脱落しても該帯電ニップ部nに対する帯電
促進粒子mの補充がなされ、帯電促進粒子mの帯電ニッ
プ部nからの脱落・減少による帯電特性の低下が防止さ
れて、上記の直接帯電性を長期に渡り安定に維持させる
ことができる。
【0120】帯電ローラ2に対する帯電促進粒子mの供
給は、帯電促進粒子供給部材31を自らが削れることで
帯電促進粒子mを帯電ローラ2に供給する、帯電促進粒
子を固形化したチップ状の部材にして、帯電促進粒子m
を帯電ローラ2に供給するようにしたので、帯電促進粒
子を飛散させることなく、また扱い易く、安定して帯電
促進粒子mを帯電ローラ2に供給することができる。
【0121】かくして、接触帯電装置として従来のロー
ラ帯電等では得られなかった高い帯電効率が得られ、帯
電ローラ2に印加した電圧とほぼ同等の帯電電位を感光
ドラム1に与えることができ、接触帯電部材として簡易
な帯電ローラ2を用いた場合でも、また帯電ローラ2の
汚染にかかわらず、該帯電ローラ2に対する帯電に必要
な印加バイアスは感光ドラム1に必要な帯電電位相当の
電圧で十分であり、放電現象を用いない安定かつ安全な
接触帯電装置、即ち低印加電圧・オゾンレスで、帯電均
一性に優れ且つ長期に渡り安定した性能の直接帯電装置
を簡易な構成で実現することができる。
【0122】接触帯電方式の画像記録装置、接触帯電方
式・転写方式の画像記録装置にあっては、接触帯電部材
として簡易な帯電ローラ2を用いて、また該帯電ローラ
2のトナー汚染にかかわらず、低印加電圧でオゾンレス
の直接帯電を問題なく実行可能にし、高品位な画像形成
を長期に渡り維持させること、画像比率の高い画像を出
力した後でも高品位な画像形成を長期に渡り維持させる
こと等ができる。
【0123】像担持体としての感光ドラム1と接触帯電
部材としての帯電ローラ2との帯電ニップ部nにおける
帯電促進粒子の介在量は、少なすぎると、該粒子による
潤滑効果が十分に得られず、帯電ローラ2と感光ドラム
1との摩擦が大きくて帯電ローラ2を感光ドラム1に速
度差を持って回転駆動させることが困難である。つま
り、駆動トルクが過大となるし、無理に回転させると帯
電ローラ2や感光ドラム1の表面が削れてしまう。更に
該粒子による接触機会増加の効果が得られないこともあ
り十分な帯電性能が得られない。一方、該介在量が多過
ぎると、帯電促進粒子の帯電ローラ2からの脱落が著し
く増加し作像上に悪影響が出る。実験によると該介在量
は103 個/mm2 以上が望ましい。103 個/mm2
より低いと十分な潤滑効果と接触機会増加の効果が得ら
れず帯電性能の低下が生じる。より望ましくは103
5×105 個/mm2 の該介在量が好ましい。5×10
5 個/mm2 を超えると、該粒子の感光体1へ脱落が著
しく増加し、粒子自体の光透過性を問わず、感光ドラム
1への露光量不足が生じる。5×105 個/mm2 以下
では脱落する粒子量も低く抑えられ該悪影響を改善でき
る。該介在量範囲において感光ドラム1上に脱落した粒
子の存在量を測ると102 〜105 個/mm2 であった
ことから、作像上弊害がない該存在量としては105
/mm2以下が望まれる。
【0124】該介在量及び感光ドラム1上の該存在量の
測定方法について述べる。該介在量は帯電ローラ2と感
光ドラム1の帯電ニップ部nを直接測ることが望ましい
が、帯電ローラ2に接触する前に感光ドラム1上に存在
した粒子の多くは逆方向に移動しながら接触する帯電ロ
ーラ2に剥ぎ取られることから、本発明では帯電ニップ
部nに到達する直前の帯電ローラ2表面の粒子量をもっ
て該介在量とした。具体的には、帯電バイアスを印加し
ない状態で感光ドラム1及び帯電ローラ2の回転を停止
し、感光ドラム1及び帯電ローラ2の表面をビデオマイ
クロスコープ(OLYMPUS製OVM1000N)及
びデジタルスチルレコーダ(DELTIS製SR−31
00)で撮影した。帯電ローラ2については、帯電ロー
ラ2を感光ドラム1に当接するのと同じ条件でスライド
ガラスに当接し、スライドガラスの背面からビデオマイ
クロスコープにて該接触面を1000倍の対物レンズで
10箇所以上撮影した。得られたデジタル画像から個々
の粒子を領域分離するため、ある閾値を持って2値化処
理し、粒子の存在する領域の数を所望の画像処理ソフト
を用いて計測した。また、感光ドラム1上の該存在量に
ついても感光ドラム1上を同様のビデオマイクロスコー
プにて撮影し同様の処理を行い計測した。該介在量の調
整は、帯電促進粒子チップ31による帯電ローラ2に対
する帯電促進粒子の塗布具合を設定することにより行っ
た。
【0125】〈実施例2〉(図2) 本実施例は前述実施例1のプリンタからクリーナ8をな
くしたトナーリサイクルシステム(クリーナレス)のプ
リンタである。
【0126】また本実施例では、帯電促進粒子チップ3
1を構成させる帯電促進粒子mとして導電性の酸化亜鉛
粒子を用いた。
【0127】その他の装置構成は実施例1のプリンタと
同様であるので再度の説明は省略する。
【0128】クリーナレスの画像記録装置にあっては、
転写後の感光ドラム面上の転写残トナーを除去する専用
のクリーナを用いないため、転写後の感光ドラム面の転
写残トナーが感光ドラム1と帯電ローラ2の帯電ニップ
部nに感光ドラム面の移動でそのまま持ち運ばれるの
で、実施例1のクリーナ8を具備させてあるプリンタよ
りも帯電ニップ部nに介存するトナー量は多くなり、ま
た帯電ローラ2に付着・混入するトナー量は多くなる。
【0129】しかしこのような場合でも、帯電促進粒子
mが感光ドラム1と帯電ローラ2との帯電ニップ部nに
介存することにより、帯電ローラ2の汚れ防止とトナー
による接触性低下が補われて帯電ローラ2の感光ドラム
1への緻密な接触性と接触抵抗を維持できるため、低印
加電圧でオゾンレスの直接帯電を長期にわたり安定に維
持させることができ、均一な帯電性を与えることができ
る。
【0130】帯電ローラ2が感光ドラム1に対して速度
差を持って接触していることで、転写部bから、帯電ロ
ーラ2と感光ドラム1の帯電ニップ部nへ至った転写残
トナーのパターンが撹乱されて崩され、中間調画像にお
いて、前回の画像パターン部分がゴーストとなって現れ
ることがなくなる。
【0131】帯電ローラ2は転写残トナーを一時的に回
収し均すために回転駆動し、さらに、その回転方向は感
光ドラム表面の移動方向とは逆方向に回転するよう構成
することが望ましい。
【0132】帯電ローラ2に対する帯電促進粒子mの供
給は、実施例1のプリンタの場合と同様に、自らが削れ
ることで帯電促進粒子mを帯電ローラ2に供給する、帯
電促進粒子を固形化したチップ状の部材31にして、帯
電促進粒子mを帯電ローラ2に供給するようにしたの
で、帯電促進粒子を飛散させることなく、また扱い易
く、安定して帯電促進粒子mを帯電ローラ2に供給する
ことができるとともに、特に本例のようにトナーリサイ
クルシステム(クリーナレス)の構成において、帯電ロ
ーラ2に転写残トナーを滞らせることなく循環させ、帯
電促進粒子を供給できる大きな効果がある。即ち、帯電
ローラ2に対する帯電促進粒子mの供給と帯電ローラ上
のトナー均しが同時に行なわれる。
【0133】帯電ローラ2に付着・混入した転写残トナ
ーは帯電ローラ2から徐々に感光ドラム上に吐き出され
て感光ドラム面の移動とともに現像部位aに至り、現像
器5により現像同時クリーニング(回収)される(トナ
ーリサイクル)。現像同時クリーニングは前述したよう
に、転写後に感光体1上に残留したトナーを引き続く画
像形成工程の現像時、即ち引き続き感光体を帯電し、露
光して潜像を形成し、その潜像の現像時において、現像
装置のかぶり取りバイアス、即ち現像装置に印加する直
流電圧と感光体の表面電位間の電位差であるかぶり取り
電位差Vbackによって回収するものである。本実施
例におけるプリンタのように反転現像の場合では、この
現像同時クリーニングは、感光体の暗部電位から現像ス
リーブにトナーを回収する電界と、現像スリーブから感
光体の明部電位へトナーを付着させる電界の作用でなさ
れる。
【0134】本実施例においては帯電ローラ2に供給す
る帯電促進粒子mとして酸化亜鉛粒子を使用しており、
この帯電促進粒子mとしての酸化亜鉛粒子はトナーとの
摩擦帯電特性においてトナーをネガに帯電しやすい特性
を有している。つまり、帯電ローラ2上でトナーをネガ
にならす効果があり、トナーの吐き出し性を向上する効
果もある。
【0135】帯電促進粒子チップ31を帯電ローラ2に
当接させて帯電促進粒子mを供給することにより、転写
残トナーを滞らせることなく循環させると同時に帯電促
進粒子を帯電ローラに供給することが可能になる。また
このとき帯電ローラ上のトナーの電荷を正規に摩擦帯電
する効果もある。
【0136】〈参考例〉(図3)本参考例 は上述実施例2のクリーナレスのプリンタにお
いて、帯電ローラ2に対する帯電促進粒子供給手段3
を、図3のように、帯電ローラ2に当接させて帯電促進
粒子塗布ローラ(帯電促進粒子塗布部材)34を設け、
この帯電促進粒子塗布ローラ34の上側に帯電促進粒子
供給部材(帯電促進粒子チップ)31の下面を当接させ
て構成した。
【0137】32は帯電促進粒子チップ31の支持体、
33は帯電促進粒子チップを収容させたハウジングであ
る。
【0138】ハウジング33内の帯電促進粒子チップ3
1はその下面が該チップ31と該チップの支持体32の
自重で帯電促進粒子塗布ローラ34の上面に常時当接す
る。帯電促進粒子塗布ローラ34は矢示の時計方向に回
転駆動される。
【0139】帯電促進粒子チップ31は、帯電促進粒子
mをチップ状に結着固形化した部材であり、回転する塗
布ローラ34との当接により白墨や蝋石のように自ら削
れて帯電促進粒子mを塗布ローラ34の表面に塗布供給
する。
【0140】その他の装置構成は実施例2のプリンタと
同様であるので再度の説明は省略する。
【0141】本例においては帯電促進粒子mは帯電促進
粒子チップ31から帯電促進粒子塗布ローラ34に塗布
供給され、さらにこの帯電促進粒子塗布ローラ34から
帯電ローラ2へと塗布供給される。
【0142】本構成は帯電促進粒子mを帯電ローラ2に
より均一に供給するものであり、転写残トナーに偏りが
ある場合でも一度帯電促進粒子塗布ローラ34を介して
帯電促進粒子を供給することにより、トナーにより帯電
促進粒子の供給ムラが生じること無く、均一に供給で
き、帯電性も安定している。
【0143】〈比較例1〉実施例1のクリーナ8を具備
しているプリンタから、帯電ローラ2に対する帯電促進
粒子供給手段3を取り除いたプリンタである。
【0144】その他の構成は実施例1のプリンタと同様
である。
【0145】〈比較例2〉実施例2のクリーナレスのプ
リンタから、帯電ローラ2に対する帯電促進粒子供給手
段3を取り除いたプリンタである。
【0146】その他の構成は実施例2のプリンタと同様
である。
【0147】〈比較例3〉(図4) 実施例2のクリーナレスのプリンタにおいて、帯電ロー
ラ2に対する帯電促進粒子供給手段3を図4のような手
段構成に変更したプリンタである。
【0148】即ち、帯電促進粒子mを帯電ローラ2上に
均一に供給するために、帯電促進粒子塗布ブレード35
を設けた。このブレード35を帯電ローラ2に当接し該
ブレード35と帯電ローラ2の間に粉末状の帯電促進粒
子mを貯留保持させ、帯電ローラ2の回転に応じてブレ
ード35で規制した量の帯電促進粒子mが帯電ローラ2
に塗布供給される構成とした。
【0149】その他の構成は実施例2のプリンタと同様
である。
【0150】〈比較例4〉(図5) 実施例2のクリーナレスのプリンタにおいて、帯電ロー
ラ2に対する帯電促進粒子供給手段3を図5のような手
段構成に変更したプリンタである。
【0151】即ち、帯電促進粒子mを帯電ローラ2上に
均一に供給するために、帯電促進粒子塗布ローラ36を
設けた。供給手段としては該塗布ローラ36を帯電ロー
ラ2に当接させ、該塗布ローラ36を帯電ローラ2に対
して150%で早回し回転させることでハウジング37
内に充填されている粉末状の帯電促進粒子mを帯電ロー
ラ2表面に塗布供給する構成をとる。
【0152】その他の構成は実施例2のプリンタと同様
である。
【0153】〈評 価〉 上記の実施例1と2、参考例、及び比較例1〜4の各プ
リンタについて、帯電特性の評価、帯電促進粒子の飛散
発生具合、中間調濃度ムラ評価を行なった。その結果を
表1にまとめて示した。
【0154】a)帯電特性の評価 各例のプリンタにおいて帯電性の評価はゴースト画像の
劣化で評価した。
【0155】各例のプリンタは反転現像系で画像記録を
行っているので、ここで意味するゴーストとは、感光ド
ラム1の1周目において画像露光した部分(トナー画像
部でもある)が、感光ドラム2周目で帯電不足を起こす
ため、感光ドラム上の前回の画像パターンのところがよ
り強く現像され、ゴースト画像が発生することを言う。
【0156】ここでは、その画像評価を以下の基準で行
った。また、これらの評価は全面ベタ黒の画像を1枚印
字し、その後連続して出した次の画像について以下のよ
うに評価した。
【0157】×:ベタ黒後の白地部においてゴーストが
見られる。
【0158】○:ベタ黒後の白地部においてゴーストが
見られないが、中間調部において若干ゴーストパターン
が見られる。
【0159】◎:ベタ黒後の白地部及び中間調部の何れ
においてゴーストが見られない。
【0160】また、評価は印字初期と1000枚(A4
縦方向)の印字を後に行った。
【0161】画像パターンの印字率は5%、長手方向の
印字率に差がないパターンを用いて印字テストを行っ
た。
【0162】b)帯電促進粒子の飛散 帯電促進粒子は粒径が小さく粒子飛散が生じやすい。粒
子が多く飛散した場合には、粒子が露光器の画像露光の
光路を遮り画像不良を生じたり、帯電ローラ周辺の部材
に付着し蓄積した粒子塊が感光ドラムに落下し画像不良
を生じるなどの不具合を生じることがあった。
【0163】上記1000枚の印字テスト後において帯
電器周辺の粒子飛散具合を目視で評価した。
【0164】c)中間調濃度ムラの評価 印字を繰り返すと、印字パターンに応じてトナーが帯電
部位に進入してくるため、パターンに応じてトナーが帯
電器に滞り、記録画像にムラが生じることがある。とく
に、中間調部ではそのムラが顕著に現れる。
【0165】本評価では、画像記録において、中間調を
表す画像データを印字しその均一な画像におけるムラを
生じるかで評価をした。
【0166】評価用の画像としては600dpiと300dpiで1
line毎に白黒を繰り返す画像データを作成し、記録紙一
面に印字して行なった。また、評価は印字初期と100
0枚(A4縦方向)の印字を後に行った。画像パターン
の印字率は5%、長手方向の印字率に差があるパターン
を用いて印字テストを行った。
【0167】×:300dpi中間調画像においてムラが生じ
る。
【0168】△:300dpiでは生じないが、600dpi中間調
画像においてムラが生じる。
【0169】○:300dpi、600dpiいずれの中間調画像に
おいてもムラは見いだせない。
【0170】
【表1】 上記の結果から、各実施例の優位性について述べる。
【0171】.まず、比較例1のプリンタにおいて
は、帯電ローラ2に対する帯電促進粒子mの供給がない
ため、クリーナ8を装備していても帯電ローラ2の帯電
性能を維持することはできなかった。
【0172】.さらに、比較例2のプリンタにおいて
は、クリーナレスであるため帯電ローラ2へのトナー混
入が多く、帯電ローラ2に対する帯電促進粒子mの供給
もないため、さらに帯電性を低下させていた。
【0173】.一方、実施例1のプリンタにおいて
は、帯電ローラ2に対する帯電促進粒子mの塗布供給を
帯電促進粒子チップ31により簡易に供給することで、
良好な帯電特性を得ている。更に帯電促進粒子供給部材
31を長手方向に揺動可能に取りつけ、ローラ2の回転
とともに往復動作させることにより、粒子の供給をより
均一に行い、良好な帯電性を得る。
【0174】.クリーナレスである実施例2のプリン
タにおいては、帯電器にトナーが滞ることなく帯電促進
粒子の供給を簡易な構成で達成している。その結果、直
接帯電の性能を維持しながらトナーリサイクルを可能に
している。
【0175】.また比較例3のプリンタは粉末状の帯
電促進粒子mを用いこれを塗布ブレード35で帯電ロー
ラ2に塗布供給するものであるが、この場合は保持して
いる粉末の帯電促進粒子内にトナーが混入し、帯電ロー
ラ2に帯電促進粒子mを均一に塗布できないという問題
が生じた。その結果、保持している粉末状の帯電促進粒
子内にトナーが溜まり、帯電ムラを生じ中間調濃度画像
において濃度ムラが発生した。
【0176】.また、比較例4のプリンタは塗布ロー
ラ36を介して粉末状の帯電促進粒子mを供給したもの
であるが、構成が複雑であるとともに、比較例3のプリ
ンタの場合と同様に、ハウジング37内に保持の粉末の
帯電促進粒子内にトナーが混入してきて帯電不良や帯電
ムラを生じた。
【0177】.また比較例3、4のプリンタは粉末状
の帯電促進粒子mをストックし帯電ローラ2に塗布する
ため、帯電粒子mの飛散が生じていた。
【0178】一方、実施例1や2のプリンタにおいて
は、帯電促進粒子はチップ化された部材31であるため
粒子の飛散も軽微であり、帯電特性、中間調濃度ムラも
よく構成も簡易で実現できる。
【0179】さらに参考例のプリンタにおいては、帯電
促進粒子はチップ化された部材31を用い、該部材31
の帯電促進粒子を塗布ローラ34を介して帯電ローラ2
に塗布供給することで、粒子飛散もなく、帯電性も良
好、中間調濃度ムラも少なく構成できる。
【0180】〈その他〉 1)可撓性の接触帯電部材としての帯電ローラ2は実施
形態例の帯電ローラに限られるものではない。
【0181】また可撓性の接触帯電部材はフェルト、布
などの材質・形状のものを積層し、より適切な弾性と導
電性を得ることも可能である。
【0182】2)接触帯電部材2や現像スリーブ4aに
対する印加バイアスにAC電圧(交番電圧)を含ませる
場合におけるそのAC電圧の波形としては、正弦波、矩
形波、三角波等適宜使用可能である。また、直流電源を
周期的にオン/オフすることによって形成された矩形波
であっても良い。このように交番電圧の波形としては周
期的にその電圧値が変化するようなバイアスが使用でき
る。
【0183】3)静電潜像形成のための画像露光手段と
しては、実施形態例の様にデジタル的な潜像を形成する
レーザ走査露光手段に限定されるものではなく、通常の
アナログ的な画像露光やLEDなどの他の発光素子でも
構わないし、蛍光燈等の発光素子と液晶シャッター等の
組み合わせによるものなど、画像情報に対応した静電潜
像を形成できるものであるなら構わない。
【0184】4)像担持体としての感光体の表面に電荷
注入層を設けて感光体表面の抵抗を調節することもでき
る。
【0185】図6は表面に電荷注入層16を設けた感光
体1の層構成模型図である。即ち該感光体1は、アルミ
ドラム基体(Alドラム基体)11上に下引き層12、
正電荷注入防止層13、電荷発生層14、電荷輸送層1
5の順に重ねて塗工された一般的な有機感光体に電荷注
入層16を塗布することにより、帯電性能を向上したも
のである。
【0186】電荷注入層16は、バインダーとしての光
硬化型のアクリル樹脂に、導電性粒子(導電フィラー)
としてのSnO2 超微粒子16a(径が約0.03μ
m)、4フッ化エチレン樹脂(商品名テフロン)などの
滑剤、重合開始剤等を混合分散し、塗工後、光硬化法に
より膜形成したものである。
【0187】電荷注入層16として重要な点は、表層の
抵抗にある。電荷の直接注入による帯電方式において
は、被帯電体側の抵抗を下げることでより効率良く電荷
の授受が行えるようになる。一方、感光体として用いる
場合には静電潜像を一定時間保持する必要があるため、
電荷注入層16の体積抵抗値としては1×109 〜1×
1014(Ω・cm)の範囲が適当である。
【0188】また本構成のように電荷注入層16を用い
ていない場合でも、例えば電荷輸送層15が上記抵抗範
囲にる場合は同等の効果が得られる。
【0189】さらに、表層の体積抵抗が約1013Ωcm
であるアモルファスシリコン感光体等を用いても同様な
効果が得られる。
【0190】5)像担持体は静電記録誘電体等であって
も良い。この場合は、該誘電体面を所定の極性・電位に
一様に一次帯電した後、除電針ヘッド、電子銃等の除電
手段で選択的に除電して目的の静電潜像を書き込み形成
する。
【0191】6)現像手段4は実施形態例では一成分磁
性トナーによる反転現像器を例に説明したが、現像器構
成について特に限定するものではない。正規現像器であ
ってもよい。
【0192】7)像担持体からトナー画像の転写を受け
る被記録体は転写ドラム等の中間転写体であってもよ
い。
【0193】8)トナー粒度の測定方法の1例を述べ
る。測定装置としては、コールターカウンターTA−2
型(コールター社製)を用い、個数平均分布、体積平均
分布を出力するインターフェイス(日科機製)及びCX
−1パーソナルコンピュータ(キヤノン製)を接続し、
電解液は一級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶
液を調製する。
【0194】測定法としては、前記電解水溶液100〜
150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくは、
アルキルベンゼンスルホン酸塩0.1〜5ml加え、更
に測定試料を0.5〜50mg加える。
【0195】試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で
約1〜3分間分散処理を行い、前記コールターカウンタ
ーTA−2型により、アパーチャーとして100μアパ
ーチャーを用いて2〜40μmの粒子の粒度分布を測定
して、体積平均分布を求める。これらの求めた体積平均
分布より体積平均粒径を得る。
【0196】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、接触
帯電部材として帯電ローラのような簡易な部材を用いた
場合でも、また接触帯電部材の汚染にかかわらず、該接
触帯電部材に対する帯電に必要な印加バイアスは被帯電
体に必要な帯電電位相当の電圧で十分であり、放電現象
を用いない安定かつ安全な接触帯電装置、即ち低印加電
圧・オゾンレスで、帯電均一性に優れ且つ長期に渡り安
定した性能の直接帯電装置を簡易な構成で実現すること
ができる。
【0197】また帯電促進粒子の飛散などによる弊害も
なく、帯電促進粒子を安定して接触帯電部材に供給する
ことができる。
【0198】そしてこの帯電装置を像担持体の帯電手段
として用いることで、接触帯電方式の画像記録装置、接
触帯電方式・転写方式の画像記録装置、さらには接触帯
電方式・転写方式・トナーリサイクルシステムの画像記
録装置について、接触帯電部材として帯電ローラやファ
ーブラシ等の簡易な部材を用いて、また該接触帯電部材
のトナー汚染にかかわらず、低印加電圧でオゾンレスの
直接帯電とトナーリサイクルシステムを問題なく実行可
能にし、高品位な画像形成を長期に渡り維持させるこ
と、画像比率の高い画像を出力した後でも高品位な画像
形成を長期に渡り維持させること等ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の画像記録装置の概略構成図
【図2】実施例2の画像記録装置の概略構成図
【図3】参考例の画像記録装置の部分図
【図4】比較例3の画像記録装置の部分図
【図5】比較例4の画像記録装置の部分図
【図6】表面に電荷注入層を設けた感光体の一例の層構
成模型図
【図7】帯電特性グラフ
【符号の説明】
1 感光ドラム(像担持体、被帯電体) 2 帯電ローラ(接触帯電部材) 3 帯電促進粒子塗布手段 31 帯電促進粒子供給部材(帯電促進粒子チップ) m 帯電促進粒子 32 チップ支持体 33 ハウジング 34 帯電促進粒子塗布ローラ 35 帯電促進粒子塗布ブレード 36 帯電促進粒子塗布ローラ 37 ハウジング 4 レーザビームスキャナ(露光器) 5 現像器 5a 現像スリーブ t 現像剤(トナー) 6 転写ローラ 7 定着装置 8 クリーナ(感光ドラムクリーニング装置) P 転写材(被記録体) S1〜S3 バイアス印加電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−36322(JP,A) 特開 平6−348106(JP,A) 特開 平7−333973(JP,A) 特開 平9−127778(JP,A) 特開 平3−103878(JP,A) 特開 平6−274010(JP,A) 特開 平7−199600(JP,A) 特開 平7−325490(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/02

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被帯電体とニップ部を形成する可撓性の
    帯電部材により、被帯電体表面を帯電する帯電方法であ
    り、 帯電部材は被帯電体に対して速度差をもって移動し、
    の表面に発泡体を備え、該帯電部材に接触する帯電促進
    粒子供給部材を有し、該帯電促進粒子供給部材は、帯電
    促進粒子からなり、帯電部材との接触により自らが削れ
    ることで帯電促進粒子を該帯電部材に供給することを特
    徴とする帯電方法。
  2. 【請求項2】 該帯電促進粒子の体積抵抗が1012Ω・
    cm以下であることを特徴とする請求項1に記載の帯電
    方法。
  3. 【請求項3】 該帯電促進粒子の体積抵抗が1010Ω・
    cm以下であることを特徴とする請求項1に記載の帯電
    方法。
  4. 【請求項4】 帯電部材には電圧が印加されることを特
    徴とする請求項1ないしの何れか1つに記載の帯電方
    法。
  5. 【請求項5】 被帯電体とニップ部を形成する可撓性の
    帯電部材により、被帯電体表面を帯電する帯電装置であ
    り、 帯電部材は被帯電体に対して速度差をもって移動し、
    の表面に発泡体を備え、該帯電部材に接触する帯電促進
    粒子供給部材を有し、該帯電促進粒子供給部材は、帯電
    促進粒子からなり、帯電部材との接触により自らが削れ
    ることで帯電促進粒子を該帯電部材に供給することを特
    徴とする帯電装置。
  6. 【請求項6】 該帯電促進粒子の体積抵抗が1012Ω・
    cm以下であることを特徴とする請求項5に記載の帯電
    装置。
  7. 【請求項7】 該帯電促進粒子の体積抵抗が1010Ω・
    cm以下であることを特徴とする請求項5に記載の帯電
    装置。
  8. 【請求項8】 帯電部材には電圧が印加されることを特
    徴とする請求項5ないし7の何れか1つに記載の帯電装
    置。
  9. 【請求項9】 像担持体に、該像担持体を帯電する工程
    を含む作像プロセスを適用して画像記録を実行する画像
    記録装置であり、 像担持体を帯電する工程手段が請求項5ないし8の何れ
    か1つに記載の帯電装置であることを特徴とする画像記
    録装置。
  10. 【請求項10】 像担持体と、該像担持体を帯電する帯
    電手段と、像担持体の帯電面に静電潜像を形成する潜像
    形成手段と、その静電潜像を現像剤で可視化する現像手
    段と、その現像剤像を被記録体に転写する転写手段と、
    転写後の像担持体を清掃するクリーニング手段を有し、
    像担持体は繰り返して作像に供される画像記録装置であ
    り、 像担持体を帯電する帯電手段が請求項5ないし8の何れ
    か1つに記載の帯電装置であることを特徴とする画像記
    録装置。
  11. 【請求項11】 像担持体と、該像担持体を帯電する帯
    電手段と、像担持体の帯電面に静電潜像を形成する潜像
    形成手段と、その静電潜像を現像剤で可視化する現像手
    段と、その現像剤像を被記録体に転写する転写手段を有
    し、前記現像手段が現像剤像を被記録体に転写した後に
    像担持体上に残留した現像剤を回収するクリーニング手
    段を兼ねており、像担持体は繰り返して作像に供される
    画像記録装置であり、 像担持体を帯電する帯電手段が請求項5ないし8の何れ
    か1つに記載の帯電装置であることを特徴とする画像記
    録装置。
  12. 【請求項12】 像担持体の帯電面に静電潜像を形成す
    潜像形成手段が像露光手段であることを特徴とする請
    求項10または11に記載の画像記録装置。
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