JP3315486B2 - 回転ブラシの高さ調整装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、回転ブラシの高さ調整
装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、育苗箱に床土を供給し、灌水し、
播種した後、覆土を行う播種機或いは床土のみを供給す
る床土入機等にあっては、育苗箱内に床土供給或いは覆
土をする土入装置に、供給した床土等の上面をならす回
転ブラシが設けられている。この回転ブラシは、種種の
育苗箱の高さ（深さ）に応じて或いは播種条件に応じて
床土の深さを調整できるように、また、土入装置を床土
供給と覆土とに兼用できるように、その他覆土深さを調
整できるように、高さ調整自在とされたものがある。

【０００３】この回転ブラシの高さ調整装置として、決
められた高さに迅速に調整できるように段階的に高さ調
整できるようにしたものがあり、この種のものとして、
左右軸廻り回転自在な回転ブラシを上下動自在に支持
し、回転ブラシの左右両側に設けた軸受部材から上方に
向けてネジ杆を突設し、左右各ネジ杆の上部を夫々フレ
ームの上壁に貫通させると共に、各ネジ杆に上端側から
螺合する第１の調整体を備え、フレームの上壁に、該上
壁と第１の調整体との間に介在され且つ第１の調整体が
載置される階段状の載置部を有する第２の調整体を上下
軸廻り回動自在に枢支したものがある。（実願平１−１
０３８５号参照）

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前記従来のものにあっ
ては、回転ブラシの高さを調整するのに、ネジ杆を持上
げてその状態を保持し、第２の調整体を上下軸廻りに回
動して載置部を選択し、その後、第１の調整体を載置す
るという動作を左右別個に行わなければならず、回転ブ
ラシの高さ調整作業の作業性が悪いという問題がある。
そこで本発明は前記問題点に鑑みて、回転ブラシの高さ
調整をワンタッチで行える回転ブラシの高さ調整装置を
提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明が、前記目的を達
成するために講じた技術的手段は、育苗箱２を前後方向
に移送する移送装置３の左右両側に配置されたアーム１
７の基部側を移送装置３に左右方向の軸心廻りに回動自
在に支持することで、左右のアーム１７を上下揺動自在
に支持し、この左右アーム１７間の先端側に、育苗箱２
の移送経路の上方側に配置されていて育苗箱２内の土の
上面をならす回転ブラシ１５を、左右方向の軸心廻りに
回転駆動可能に設け、この回転ブラシ１５の左右方向両
端側に、回転ブラシ１５を跨ぐように形成した杆体２６
の両端を左右方向の軸心廻りに回転自在に取付け、前記
回転ブラシ１５を下方に付勢するバネ２４を備えると共
に、移送装置に立設したフレーム１４に、前記杆体２６
に係合して回転ブラシ１５の下方移動を規制する支持板
２８を固定し、この支持板２８はアーム１７の上方側に
配置されていると共に、支持板２８の上部には、前記杆
体２６が上方から嵌脱自在に嵌合する複数の凹部２９が
形成され、これら凹部２９は、杆体２６を該凹部２９に
選択的に嵌合させることで回転ブラシ１５の上下位置を
段階的に調整できるように、前後方向で且つ上側に凸と
なる円弧線上に配置されて形成されている点にある。

【０００６】

【作用】回転ブラシの高さ調整は、杆体を把持してバネ
の付勢力に抗して持上げて支持板の凹部から離脱させ、
他の凹部を選択すると共に杆体を下ろして選択した凹部
に嵌合させるという動作で行われ、回転ブラシの高さ調
整がワンタッチで行える。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図３は土入装置１の側面概略図を示しており、こ
の土入装置１は、育苗箱２を載置して移送する移送装置
３と、この移送装置３上に、育苗箱２移送経路を跨ぐよ
うに載置される土供給装置４及び土ならし装置５とを備
えてなる。なお、前記土入装置１は単独で使用されても
よいが、前記移送装置３上に播種装置と灌水装置とを設
けて、床土供給、灌水、播種、覆土を行う播種機として
構成される。また、土入装置１は、床土供給と覆土とに
兼用しても、床土供給のみに使用しても、覆土のみに使
用してもよい。

【０００８】移送装置３は、図２及び図３に示すよう
に、左右一対のフレーム６間に、長手方向等間隔をおい
て多数の回転軸７が支持され、各回転軸７上に左右一対
のコロ８が固設され、各回転軸７がスプロケット９及び
チェーン等によって連動連結されると共に、図外のモー
タによって軸心廻り回転駆動されるように構成されてお
り、コロ８上に載置される育苗箱２を一定速度で前後方
向に移送できるようになっている。土供給装置４は、移
送装置３のフレーム６上に固定の支持枠１０に、上部に
ホッパ１１を、下部にベルトコンベヤ１２を設けて成
る。ベルトコンベヤ１２は移送装置３からチェーン伝動
手段１３を介して動力が伝達されるようになっていて、
ホッパ１１内の土を移送装置３上の育苗箱２内に供給す
るようになっている。

【０００９】土ならし装置５は、図１乃至図３に示すよ
うに、移送装置３の各フレーム６上に立設された左右一
対の板状のフレーム１４を備え、このフレーム１４間に
左右方向の軸心を有する回転ブラシ１５を備え、この回
転ブラシ１５は円柱体１６の周面に無数の毛を植毛して
なる。また、各フレーム１４の左右方向外方側にはアー
ム１７が配置され、左右アーム１７の基部側は支軸１８
を介して移送装置３のフレーム６に左右軸廻り回転自在
に支持され、アーム１７の先端側には、フレーム１４を
貫通すると共に左右方向の軸心を有する横軸１９が軸心
廻り回転自在に設けられ、この横軸１９に回転ブラシ１
５が取付けられている。したがって、回転ブラシ１５は
支軸１８廻りに上下揺動自在とされている。なお、フレ
ーム１４の横軸１９貫通孔は、回転ブラシ１５の支軸１
８廻りの上下揺動を許容すべく、支軸１８を中心とする
円弧状長孔に形成されている。

【００１０】そして、左右一方のアーム１７を支持する
支軸１８には、移送装置３の回転軸７から第１チェーン
伝動手段２０を介して回転動力が伝達され、支軸１８か
ら第２チェーン伝動手段２１を介して横軸１９へと回転
動力が伝達されるようになっており、これによって回転
ブラシ１５が回転駆動されるようになっている。回転ブ
ラシ１５の左右両側には横軸１９上に外嵌された軸受部
材２２が設けられ、各軸受部材２２にはロッド２３が上
方突出状に設けられ、ロッド２３はフレーム１４の上部
壁１４ａを貫通している。また、ロッド２３には、上部
壁１４ａと軸受部材２２との間に圧縮状に介在されたコ
イルバネ２４が套嵌されており、回転ブラシ１５が下方
に付勢されている。

【００１１】左右各フレーム１４の左右方向外方側に
は、横軸１９に軸心廻り相対回転自在に外嵌されたカラ
ー、軸受等の筒体２５が設けられ、左右の筒体２５は回
転ブラシ１５を跨ぐように形成された杆体２６によって
連結されている。杆体２６は、下端が筒体２５に固着さ
れた左右の側杆部２６ａと、左右側杆部２６ａの上端を
連結する上杆部２６ｂとからなり、左右の側杆部２６ａ
はターンバックル機構２７によって伸縮自在とされてい
る。また、上杆部２６ｂの左右方向中央側は把持部とさ
れている。

【００１２】左右各フレーム１４の上部壁１４ａ上には
支持板２８が上方突出状に固着され、この支持板２８の
上端には円弧状の凹部２９が多数形成され、各凹部２９
は上方開放状に形成されていて、杆体２６の上杆部２６
ｂの左右外側部が上方から嵌合可能となっており、回転
ブラシ１５の下方への移動規制がなされている。また、
凹部２９は前後方向に設けられていて、杆体２６の上部
杆２６ｂを凹部２９に一端から他端にかけて順次掛けか
えることによって回転ブラシ１５の高さが段階的に変更
調整できるようになっている。また、回転ブラシ１５の
高さの微調整は前記ターンバックル機構２７によって行
う。

【００１３】前記構成において、育苗箱２は移送装置３
によって土供給装置４へと移送され、ここで土が供給さ
れ、次いで育苗箱２は土ならし装置５へと移送され、こ
こで育苗箱２内の余分な土が回転ブラシ１５によって削
り取られ適正な深さに調整されると共に土の表面がなら
される。なお、前記杆体２６の端部は左右のアーム１７
に枢支されていてもよい。

【００１４】

【発明の効果】本発明によれば、育苗箱を前後方向に移
送する移送装置の左右両側に配置されたアームの基部側
を移送装置に左右方向の軸心廻りに回動自在に支持する
ことで、左右のアームを上下揺動自在に支持し、この左
右アーム間の先端側に、育苗箱の移送経路の上方側に配
置されていて育苗箱内の土の上面をならす回転ブラシ
を、左右方向の軸心廻りに回転駆動可能に設け、この回
転ブラシの左右方向両端側に、回転ブラシを跨ぐように
形成した杆体の両端を左右方向の軸心廻りに回転自在に
取付け、前記回転ブラシを下方に付勢するバネを備える
と共に、移送装置に立設したフレームに、前記杆体に係
合して回転ブラシの下方移動を規制する支持板を固定
し、この支持板はアームの上方側に配置されていると共
に、支持板の上部には、前記杆体が上方から嵌脱自在に
嵌合する複数の凹部が形成され、これら凹部は、杆体を
該凹部に選択的に嵌合させることで回転ブラシの上下位
置を段階的に調整できるように、前後方向で且つ上側に
凸となる円弧線上に配置されて形成されているので、回
転ブラシの高さ調整は、杆体を把持してバネの付勢力に
抗して持上げて支持板の凹部から離脱させ、他の凹部を
選択すると共に杆体を下ろして選択した凹部に嵌合させ
るという動作で行われ、回転ブラシの高さ調整が杆体の
上げ下ろしというワンタッチ動作で行える。

【００１５】また、回転ブラシを下方に付勢するバネを
備えているので、杆体を凹部に上方から嵌脱自在に嵌合
させるという構成であっても、杆体は凹部から容易に離
脱することはない。また、前記凹部は、杆体を該凹部に
選択的に嵌合させることで回転ブラシの上下位置を段階
的に調整できるように、前後方向で且つ上側に凸となる
円弧線上に配置されて形成されているので、回転ブラシ
を上下に長い範囲で且つ小刻みに段階的に調整できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】要部の側面断面図である。

【図２】要部の正面図である。

【図３】土入装置の側面概略図である。

【符号の説明】

２ 育苗箱 １４ フレーム １５ 回転ブラシ ２４ コイルバネ ２６ 杆体 ２９ 凹部

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 育苗箱（２）を前後方向に移送する移送
   装置（３）の左右両側に配置されたアーム（１７）の基
   部側を移送装置（３）に左右方向の軸心廻りに回動自在
   に支持することで、左右のアーム（１７）を上下揺動自
   在に支持し、この左右アーム（１７）間の先端側に、育
   苗箱（２）の移送経路の上方側に配置されていて育苗箱
   （２）内の土の上面をならす回転ブラシ（１５）を、左
   右方向の軸心廻りに回転駆動可能に設け、この回転ブラ
   シ（１５）の左右方向両端側に、回転ブラシ（１５）を
   跨ぐように形成した杆体（２６）の両端を左右方向の軸
   心廻りに回転自在に取付け、前記回転ブラシ（１５）を
   下方に付勢するバネ（２４）を備えると共に、移送装置
   に立設したフレーム（１４）に、前記杆体（２６）に係
   合して回転ブラシ（１５）の下方移動を規制する支持板
   （２８）を固定し、この支持板（２８）はアーム（１
   ７）の上方側に配置されていると共に、支持板（２８）
   の上部には、前記杆体（２６）が上方から嵌脱自在に嵌
   合する複数の凹部（２９）が形成され、これら凹部（２
   ９）は、杆体（２６）を該凹部（２９）に選択的に嵌合
   させることで回転ブラシ（１５）の上下位置を段階的に
   調整できるように、前後方向で且つ上側に凸となる円弧
   線上に配置されて形成されていることを特徴とする回転
   ブラシの高さ調整装置。