JP3314739B2 - ファクシミリ装置 - Google Patents

ファクシミリ装置

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JP3314739B2 JP32905098A JP32905098A JP3314739B2 JP 3314739 B2 JP3314739 B2 JP 3314739B2 JP 32905098 A JP32905098 A JP 32905098A JP 32905098 A JP32905098 A JP 32905098A JP 3314739 B2 JP3314739 B2 JP 3314739B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、公衆電話回線等に
接続されて使用されるファクシミリ装置であって、特
に、フェーズB手順が短縮化されるファクシミリ装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】ファクシミリ装置間の通信は、一般に、
ITU−T T.30勧告に準拠した通信手順に従って
行われる。T.30通信手順では、呼接続後、CED信
号またはANSam信号によるフェーズA、V.21に
よる300bpsの各信号と高速信号によるTCFでの
フェーズBが実行された後に画信号が送受信される。
【0003】フェーズBでは、送信端末と受信端末との
間で端末情報をやりとりするために、回線状態がよくな
くても信号が通りやすい300bpsの通信速度が使用
される。しかし、回線上で信号に誤りが生じにくいもの
の、伝送速度が遅いために、フェーズBに要する時間は
長い。さらに、近年、各メーカ独自の非標準手順信号の
長さが長くなったりFコードの使用等によって、フェー
ズBの時間は非常に長くなっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】画信号送信のための高
速信号の伝送速度は高速化されてきているが、フェーズ
Bの期間の長時間化によって、結局、全体の通信時間は
長くなってしまう。その分、通信費用が増大してしま
う。また、全体の通信時間が長くなってしまうので、新
たなファクシミリ通信を開始できる状態になるまでに時
間がかかり、他の端末が発呼してもつながらない状況が
多くなる。その結果、他の端末における再発呼が増え、
ひいては最大再発呼回数を越えてしまってファクシミリ
通信が開始されないという事態も生じうる。
【0005】そこで、本発明は、ファクシミリ通信にお
けるフェーズBに要する時間を短縮して、ファクシミリ
通信全体の通信時間を短縮できるファクシミリ装置を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によるファクシミ
リ装置は、少なくともV.21およびV.17変復調機
能を有するモデムを用いて通信を行うファクシミリ装置
であって、所定周波数のトーン信号を送出するトーン信
号送出手段と、所定周波数のトーン信号を検出するトー
ン信号検出手段と、相手端末が呼接続したことを認識す
るとトーン信号送出手段にトーン信号を送出させ、トー
ン信号検出手段が所定周波数のトーン信号を検出した場
合にはDIS信号などの受信端末情報を通知するための
信号をモデムにV.17変調方式で変調させて出力さ
せ、V.17変調方式による受信端末情報を通知するた
めの信号を受信したことを認識したら、DCS信号など
の送信端末情報を指定するための信号をモデムにV.1
7変調方式で変調させて出力させる通信制御手段とを備
えた構成である。
【0007】ファクシミリ装置は、送信端末情報を指定
するための信号と画情報とは、同一データ転送速度で送
信されるように構成され
【0008】送信端末情報を指定するための信号以外の
通信手順信号のデータ転送速度は、送信端末情報を指定
するための信号のデータ転送速度よりも速くないように
構成されていてもよい。
【0009】通信制御手段、ファクシミリ受信時には
V.17変調方式による送信端末情報を指定するための
信号を受信できなかった場合には、画信号送出の中断を
要求する信号をモデムに送出させ、ファクシミリ送信時
には画信号送出の中断を要求する信号を受信したことを
認識したら、画信号送出を止め、直前に送出した送信端
末情報を指定するための信号のデータ転送速度よりも1
段低いデータ転送速度で送信端末情報を指定するための
信号を再度送出させる制御を行うように構成されてい
【0010】また、通信制御手段が、直前に送出した送
信端末情報を指定するための信号のデータ転送速度より
も1段低いデータ転送速度を選定すると、選定されたデ
ータ転送速度が他の通信手順信号のデータ転送速度より
も低いことになる場合にはファクシミリ通信をやめるよ
うに構成されていてもよい。
【0011】そして、ファクシミリ装置は、トーン検出
手段がDTMFトーン検出機能を有し、通信制御手段
が、相手端末が呼接続したことを認識すると、送信端末
情報を指定するための信号および画信号のデータ転送速
度を指示するDTMFトーンを送出させる制御を行うよ
うに構成されていてもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は、本発明によるファクシミ
リ装置の通信に関する部分を示すブロック図である。図
1に示すように、回線は網制御部2に接続され、回線上
を送受信される信号は、網制御部2および通信系アナロ
グ回路30を介してモデム10に接続される。通信制御
部20は、モデム10に、トーン送出指示を与えるとと
もに、低速信号または高速信号で伝送される通信手順信
号を与える。また、トーン検出信号をモデム10から入
力するとともに、回線側から受信された通信手順信号を
モデム10から入力する。さらに、スキャナ部や符号化
回路(ともに図示せず)を介して生成された画情報がモ
デム10に入力され、回線側から受信された高速信号の
画信号はモデム10で復調され復号回路や印刷制御回路
(ともに図示せず)を介して印刷出力される。
【0013】よって、この実施の形態では、モデム10
は、高速変復調回路11、低速変復調回路12、トーン
送信回路13およびトーン受信回路14を有する。高速
変復調回路11は、V.27terおよびV.29に準
拠した変復調機能を有し、さらにV.34に準拠した変
復調機能を有していたりする。また、V.17に準拠し
た変復調機能を有する。また、低速変復調回路12は、
V.21ch2による変復調機能を有する。なお、通信
系アナログ回路30は、変調波を規定のレベル以下で回
線に送出するために、および、回線からの信号をモデム
10に安定したレベルで供給するためにレベル調整を行
う。
【0014】次に、動作について説明する。図2のシー
ケンス図に示すように、呼接続が行われると、受信側の
ファクシミリ装置からCED信号またはANSam信号
が送出される。送信側のファクシミリ装置において、通
信制御部20は、モデム10を介してCED信号または
ANSam信号の受信を認識すると、モデム10のトー
ン送信回路13に所定周波数のトーン信号を送出させ
る。所定周波数のトーン信号は、本発明による短縮手順
を実施するために使用される信号であって、その周波数
は任意の値である。そして、回線上でトーン信号とCE
D信号またはANSam信号とが衝突しても受信側にお
いてトーン信号が検出できるように、通信系アナログ回
路30には、送出信号の受信側への回り込みを減衰させ
るハイブリッド回路が設けられ、トーン受信回路14に
は、所定周波数に応じた入力フィルタ回路が設けられ
る。
【0015】受信側の通信制御部20は、モデム10を
介して所定周波数のトーン信号の受信を認識すると、モ
デム10からのCED信号またはANSam信号の送出
を停止させるとともに、DIS信号をモデム10に出力
し、モデム10の高速変復調回路11にV.17/7.
2kbpsでDIS信号を送出させる。以下、高速信号
によるDIS信号をHDIS信号とする。
【0016】送信側の通信制御部20は、モデム10を
介してDIS信号を受信すると、モデム10にDCS信
号を出力し、モデム10の高速変復調回路11にV.1
7/14.4kbpsでDCS信号を送出させる。以
下、高速信号によるDCS信号をHDCS信号とする。
続いて、通信制御部20は端末制御部(図示せず)にD
CS信号の送出完了を通知する。すると、端末制御部
は、画情報をモデム10に出力する。モデム10は、
V.17/14.4kbpsで画信号(PIX信号)を
送出する。なお、図2において、Trは、モデムトレー
ニング信号を示す。
【0017】PIX信号の送出が完了すると、送信側の
通信制御部20は、EOP信号をモデム10に出力し、
モデム10の高速変復調回路11にV.17/7.2k
bpsでEOP信号を送出させる。以下、高速信号によ
るEOP信号をHEOP信号とする。受信側の通信制御
部20は、モデム10を介してEOP信号を受信する
と、モデム10の高速変復調回路11にV.17/7.
2kbpsでMCF信号を送出させる。以下、高速信号
によるMCF信号をHMCF信号とする。送信側の通信
制御部20は、モデム10を介してMCF信号を受信す
ると、モデム10にDCN信号を出力し、モデム10の
高速変復調回路11にV.17/7.2kbpsでDC
N信号を送出させる。以下、高速信号によるDCN信号
をHDCN信号とする。なお、複数ページの送信が行わ
れる場合には、HEOP信号に代えて、HMPS信号ま
たはHEOM信号が送出される。
【0018】以上のように、送信側は、PIX信号の伝
送速度度と同一の伝送速度でHDCS信号を送信する。
従って、HDCS信号が正常に受信側において受信され
れば、PIX信号も受信側において正常に受信されるこ
とが期待される。よって、この場合には、TCF信号を
使用しなくてよい。なお、その他の通信手順信号は、回
線の通り易さを考慮してHDCS信号およびPIX信号
の伝送速度よりも低い伝送速度で送受信される。
【0019】図3は、本発明によるファクシミリ装置で
のフォールバックのやり方を示すシーケンス図である。
上述したように、送信側から初めて送出される高速信号
はHDCS信号である。しかし、回線状態によって受信
側においてV.17/14.4kbpsの信号が受信で
ない場合も考えられる。受信側の通信制御部20は、タ
イムアウト等によってHDCS信号未受信を検出する
と、モデム10の低速変復調回路12にV.21/30
0bpsでフラグパターンを連続送出させる。
【0020】送信側の通信制御部20は、モデム10を
介してフラグパターンの受信を認識すると、PIX信号
の送出を中断させる。そして、1段低い伝送速度(この
場合にはV.17/12kbps)で再度HDCS信号
およびPIX信号の送出を行う。受信側では、HDCS
信号が受信できないと、再びV.21/300bpsに
よるフラグパターン連続送出を開始する。送信側は、フ
ラグパターンの受信を認識すると、PIX信号の送出を
中断し、さらに1段低い伝送速度で再度HDCS信号お
よびPIX信号の送出を行う。なお、低速変復調回路1
2には、回線上でPIX信号とフラグパターンが衝突し
てもフラグパターンを受信できるように、V.21変調
波の周波数に対応した入力フィルタ回路が設けられる。
【0021】なお、フォールバックする際に、下限の伝
送速度をHDIS信号の伝送速度と同じV.17/7.
2kbpsとしてもよい。V.17/7.2kbpsの
HDIS信号が通ったのに同一伝送速度でHDCS信号
およびPIX信号が通らない場合には、回線状態が急激
に変化してしまっているのでHEOP信号等も通らない
と考えられる。すなわち、V.17/7.2kbpsで
HDCS信号が通らないような場合には、フェーズD手
順も完結しないと予想されるので、ファクシミリ通信を
止めた方がよいと考えられるからである。
【0022】以下、図4〜図7のフローチャートを参照
して送受信動作について詳しく説明する。図4および図
5は送信側の動作を示すフローチャートである。送信側
は、発呼動作を行い(ステップS11)、次いで、CE
D信号またはANSam信号を受信したか否か確認する
(ステップS12)。CED信号またはANSam信号
を受信する前にタイムアウトした場合には、ファクシミ
リ通信を止める(ステップS13)。すなわち、回線を
切断する。CED信号またはANSam信号を受信する
と、所定周波数のトーン信号を送出する(ステップS1
4)。そして、通信制御部20は、モデム10の高速送
受信回路11をV.17/7.2kbps受信状態に設
定する(ステップS15)。そして、HDIS信号の受
信を待つ。
【0023】HDIS信号が受信されず、モデム10の
低速変復調回路12で通常のDIS信号が受信されたと
きには、通常のT.30による通信シーケンスを実行す
る(ステップS19)。通常のDIS信号が受信された
場合には、受信側のファクシミリ装置において本発明に
よる通信手順実行能力がないと考えられるので、通常の
T.30による通信シーケンスに移行する。また、HD
IS信号または通常のDIS信号受信前にタイムアウト
が生じたら、ファクシミリ通信を止める(ステップS1
8)。
【0024】HDIS信号が受信できたら、通信制御部
20は、モデム10の高速変復調回路11をV.17/
14.4kbps送信状態に設定し(ステップS2
0)、HDCS信号およびPIX信号を送出する(ステ
ップS21)。そして、V.21/300bpsによる
フラグパターンの受信を監視しつつ(ステップS2
2)、PIX信号の送信完了を待つ(ステップS2
3)。
【0025】V.21/300bpsによるフラグパタ
ーンが受信されたら、上述したフォールバックシーケン
スが実行される。すなわち、PIX信号の送出を中断し
(ステップS24)、高速信号の伝送速度を1段低下す
る(ステップS25)。落とし方は、例えば、V.17
/14.4kbps→V.17/12kbps→V.1
7/9.6kbps→V.17/7.2kbps→V.
27ter/4.8kbpsである。ただし、落とした
速度がV.27ter/4.8kbpsであるときには
(ステップS26)、上述した下限の伝送速度を下回る
ので、ファクシミリ通信を終了する。落とした速度が
V.27ter/4.8kbpsでないときには、HD
CS信号およびPIX信号を再送する(ステップS2
1)。
【0026】PIX信号の送出が完了したときには、モ
デム10の高速変復調回路11はV.17/7.2kb
ps送信状態とされ、次ページがない場合にはHEOP
信号を送出し(ステップS31,S32)、HMCF信
号を受信したら(ステップS33)、HDCN信号を送
出する(ステップS34)。なお、HMCF信号を受信
せずHPPR信号を受信したら(ステップS35)、P
IX信号にエラーがあったことになるので、再送シーケ
ンスに移行する(ステップS36)。次ページがある場
合にはHMPS信号またはHEOM信号を送出し(ステ
ップS37)、HMCF信号を受信したら(ステップS
38)、次ページ送信を行う(ステップS39)。
【0027】図6および図7は、受信側の動作を示すフ
ローチャートである。受信側のファクシミリ装置は、着
呼があると(ステップS61)、CED信号またはAN
Sam信号を送出する(ステップS42)。そして、所
定周波数のトーン信号の受信を待つ(ステップS4
3)。トーン信号待ちタイムアウトの発生等によってト
ーン信号が検出されないことを認識したら、通常のT.
30通信シーケンスに移行する(ステップS44)。す
なわち、V.21/300bpsでDIS信号を送出す
る。
【0028】所定周波数のトーン信号が検出されたら、
通信制御部20は、モデム10の高速変復調回路11を
V.17/7.2kbps送信状態に設定する(ステッ
プS45)。そして、HDIS信号を送出する(ステッ
プS46)。次いで、モデム10の高速変復調回路11
をV.17/14.4kbps受信状態に設定し(ステ
ップS47)、HDCS信号の受信を待つ(ステップS
48)。
【0029】HDCS信号が受信できると、続いて送ら
れてくるPIX信号を受信する(ステップS49)。受
信されたPIX信号は、モデム10から復号回路側に送
られる。HDCS信号待ちタイムアウトの発生等によっ
てHDCS信号が正常に受信されないことを検出する
と、通信制御部20は、モデム10の低速変復調回路1
2にV.21/300bpsでフラグパターンを連続送
出させる(ステップS51)。そして、モデム10の高
速変復調回路11を1段速度を落とした受信状態に設定
する(ステップS52)。落とした速度がV.27te
r/4.8kbpsであるときには(ステップS5
3)、上述した下限の伝送速度を下回るので、ファクシ
ミリ通信を終了する。落とした速度がV.27ter/
4.8kbpsよりも上の伝送速度であるときには、H
DCS待ちに移行する。
【0030】PIX信号の受信が完了すると、モデム1
0の高速変復調回路11はV.17/7.2kbps受
信状態とされ、HEOP信号を受信すると(ステップS
61)、受信したPIX信号中にエラーがあったか否か
確認する(ステップS62)。エラーがなければHMC
F信号を送出し、HDCN信号を受信してファクシミリ
通信を終了する。受信したPIX信号中にエラーがあっ
た場合には、HPPR信号を送出し(ステップS6
5)、再送シーケンスを実行する(ステップS66)。
【0031】HMPS信号またはHEOM信号を受信し
たときには(ステップS67)、受信したPIX信号中
にエラーがあった場合にはHPPR信号を送出し(ステ
ップS65)、エラーがなければHMCF信号を送出し
(ステップS69)、次ページ受信状態に移行する(ス
テップS70)。
【0032】以上のように、この実施の形態では、フェ
ーズB通信手順を、V.21/300bpsよりも24
倍速いV.17/7.2kbpsの伝送速度で実行する
ので、フェーズB手順が大幅に短縮される。また、PI
X信号と同一速度のHDCS信号を用いることによっ
て、2秒近くかかるTCF信号の使用をやめることがで
きる。
【0033】図8は本発明によるファクシミリ装置の他
の実施の形態の動作を示すフローチャートである。ただ
し、図8には、送信側のフェーズB,Cの動作のみが示
されている。この実施の形態では、送信側において、C
ED信号またはANSam信号が受信されると、所定周
波数のトーン信号に代えてPBトーン(DTMFトー
ン)が送出される(ステップS84)。PBトーンは、
HDCS信号およびPIX信号の伝送速度を指定する。
なお、回線上でPBトーンとCED信号またはANSa
m信号とが衝突しても受信側においてPBトーンが検出
できるように、トーン受信回路14には、PBトーン周
波数に応じた入力フィルタ回路が設けられる。
【0034】例えば、図8に示されているように、6種
類のPBトーン(N=1〜6)に、V.17/14.4
kbps、V.17/12kbps、V.17/9.6
kbps、V.17/7.2kbps、V.29/9.
6kbps、V.29/7.2kbpsが割り当てられ
る。
【0035】そして、HDISを受信すると、通信制御
部20は、送出したPBトーンの種類に応じた変調方式
および伝送速度をモデム10の高速変復調回路11に設
定する(ステップS90)。その他の動作は、図4およ
び図5に示された第1の実施の形態の場合と同様であ
る。
【0036】図9は、受信側の動作を示すフローチャー
トである。受信側には、PBトーン検出回路が設けら
れ、CED信号またはANSam信号を送出すると、P
Bトーンの検出を待つ(ステップS93)。PBトーン
を受信できるとHDIS信号を送出するが、次いで、こ
の実施の形態では、通信制御部20は、モデム10の高
速変復調回路11に、受信したPBトーンの種類に応じ
た変調方式および伝送速度を設定する(ステップS9
7)。その他の動作は、図6および図7に示された第1
の実施の形態の場合と同様である。
【0037】この実施の形態では、PBトーンによって
HDCS信号およびPIX信号の開始伝送速度を指定で
きるので、ファクシミリ通信の全体の通信時間をさらに
短縮できる可能性がある。例えば、通信終了時に、通信
制御部20は、相手先と使用されたPIX信号伝送速度
を記憶する。そして、その相手先との次回の通信では、
記憶されている伝送速度をPBトーンで指定する。具体
的には、例えば、前回の通信において、フォールバック
によってV.17/9.6kbpsでPIX信号の送信
が行われたような場合に、今回の通信では、PBトーン
でV.17/9.6kbpsを指定する。そのようにす
れば、今回の通信では、14.4kbpsから9.6k
bpsへのフォールバックを行わずにすむ。なお、一般
には、特定の相手先との各通信における回線品質はほぼ
一定であるが、たまたま回線状態が悪化してフォールバ
ックが発生することもあるので、その相手先について、
過去に何回かフォールバックが生じたらPBトーンによ
る開始伝送速度指定を行うようにしてもよい。
【0038】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、ファク
シミリ装置が、相手端末が呼接続したことを認識すると
所定周波数のトーン信号を送出し、所定周波数のトーン
信号を検出した場合には受信端末情報を通知するための
信号をV.17変調方式で変調して出力し、V.17変
調方式による受信端末情報を通知するための信号を受信
したことを認識したら送信端末情報を指定するための信
号をモデムにV.17変調方式で変調させて出力するよ
うに構成したので、ファクシミリ通信におけるフェーズ
Bに要する時間が短縮されファクシミリ通信全体の通信
時間を短縮できる効果がある。
【0039】V.17変調方式による送信端末情報を指
定するための信号に続いて画情報をV.17変調方式で
変調させて出力するように構成されているので、T.3
0通信におけるTCF信号をなくしてさらにフェーズB
に要する時間を短縮できる。
【0040】送信端末情報を指定するための信号と画情
報とが同一データ転送速度で送信されるので、送信端末
情報を指定するための信号をT.30通信におけるTC
F信号の代用として位置づけることができ、受信側で
は、送信端末情報を指定するための信号によって回線状
態を把握できる。
【0041】送信端末情報を指定するための信号以外の
通信手順信号のデータ転送速度が、送信端末情報を指定
するための信号のデータ転送速度よりも速くないように
構成されている場合には、他の通信手順信号の伝送時の
信頼性が確保される。
【0042】ファクシミリ受信時にはV.17変調方式
による送信端末情報を指定するための信号を受信できな
かった場合には画信号送出の中断を要求する信号を送出
し、ファクシミリ送信時には画信号送出の中断を要求す
る信号を受信したことを認識したら画信号送出を止め直
前に送出した送信端末情報を指定するための信号のデー
タ転送速度よりも1段低いデータ転送速度で送信端末情
報を指定するための信号を再度送出するように構成され
ているので、フォールバックシーケンスも実施できる効
果がある。
【0043】また、直前に送出した送信端末情報を指定
するための信号のデータ転送速度よりも1段低いデータ
転送速度を選定すると、選定されたデータ転送速度が他
の通信手順信号のデータ転送速度よりも低いことになる
場合にはファクシミリ通信をやめるように構成されてい
る場合には、他の通信手順信号も回線を通らないと予想
されるときにはファクシミリ通信が停止されることにな
り、ファクシミリ通信の効率向上を図ることができる。
【0044】そして、相手端末が呼接続したことを認識
すると送信端末情報を指定するための信号および画信号
のデータ転送速度を指示するDTMFトーンを送出する
ように構成されていている場合には、開始伝送速度直接
指示することによってフォールバックシーケンスの発生
を防止し、ファクシミリ通信の全体の通信時間をさらに
短縮できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるファクシミリ装置の通信に関す
る部分を示すブロック図である。
【図2】 本発明によるファクシミリ装置での通信手順
を示すシーケンス図である。
【図3】 本発明によるファクシミリ装置でのフォール
バックのやり方を示すシーケンス図である。
【図4】 ファクシミリ装置の送信時の動作を示すフロ
ーチャートである。
【図5】 ファクシミリ装置の送信時の動作を示すフロ
ーチャートである。
【図6】 ファクシミリ装置の受信時の動作を示すフロ
ーチャートである。
【図7】 ファクシミリ装置の受信時の動作を示すフロ
ーチャートである。
【図8】 他の実施の形態の送信時の動作を示すフロー
チャートである。
【図9】 他の実施の形態の受信時の動作を示すフロー
チャートである。
【符号の説明】
2 網制御部 10 モデム 11 高速変復調回路 12 低速変復調回路 13 トーン送信回路 14 トーン受信回路 20 通信制御部 30 通信系アナログ回路

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともV.21およびV.17変復
    調機能を有するモデムを用いて通信を行うファクシミリ
    装置であって、 所定周波数のトーン信号を送出するトーン信号送出手段
    と、 前記所定周波数のトーン信号を検出するトーン信号検出
    手段と、 相手端末が呼接続したことを認識すると前記トーン信号
    送出手段にトーン信号を送出させ、前記トーン信号検出
    手段が前記所定周波数のトーン信号を検出した場合には
    受信端末情報を通知するための信号を前記モデムにV.
    17変調方式で変調させて出力させ、V.17変調方式
    による受信端末情報を通知するための信号を受信したこ
    とを認識したら、送信端末情報を指定するための信号を
    モデムにV.17変調方式で変調させて出力させる通信
    制御手段とを備え 送信端末情報を指定するための信号と画情報とは、同一
    データ転送速度で送信され、 前記通信制御手段は、V.17変調方式による送信端末
    情報を指定するための信号が送出されたら、続いて画情
    報を前記モデムにV.17変調方式で変調させて出力さ
    せる制御を行うとともに、ファクシミリ受信時にはV.
    17変調方式による送信端末情報を指定するための信号
    を受信できなかった場合には、画信号送出の中断を要求
    する信号をモデムに送出させ、ファクシミリ送信時には
    画信号送出の中断を要求する信号を受信したことを認識
    したら、画信号送出を止め、直前に送出した送信端末情
    報を指定するための信号のデータ転送速度よりも1段低
    いデータ転送速度で送信端末情報を指定するための信号
    を再度送出させる制御を行う ことを特徴とするファクシミリ装置。
  2. 【請求項2】 通信制御手段は、直前に送出した送信端
    末情報を指定するための信号のデータ転送速度よりも1
    段低いデータ転送速度を選定すると、選定されたデータ
    転送速度が他の通信手順信号のデータ転送速度よりも低
    いことになる場合にはファクシミリ通信をやめる 請求項1記載のファクシミリ装置。
  3. 【請求項3】 送信端末情報を指定するための信号以外
    の通信手順信号のデー タ転送速度は、送信端末情報を指
    定するための信号のデータ転送速度よりも速くない 請求項1または請求項2記載のファクシミリ装置。
  4. 【請求項4】 トーン検出手段はDTMFトーン検出機
    能を有し、 通信制御手段は、相手端末が呼接続したことを認識する
    と、送信端末情報を指定するための信号および画信号の
    データ転送速度を指示するDTMFトーンを送出させる
    制御を行う 請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に 記載のフ
    ァクシミリ装置。
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