JP3562184B2 - 通信端末装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえばファクシミリ装置等の通信端末装置に関し、より詳細には、たとえばITU−T(国際電気通信連合−電気通信標準化部門) の勧告V.34に準拠して、通信実行中に通信速度の変更が可能な変復調装置 (モデム) を使用した通信端末装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ファクシミリ装置等のデータ通信を行なう通信端末装置は一般的には、送信時にはディジタル信号を音声信号に変換して一般公衆電話回線へ送信し、また受信時には一般公衆電話回線から音声信号を受信してディジタル信号に変換する変復調装置(モデム)を備えている。
【0003】
従来の通信端末装置でデータ通信を行なう場合には半二重方式のたとえばITU−T(国際電気通信連合−電気通信標準化部門) の勧告V.17通信手順等に準拠した変復調装置を使用し、現在一般的なG3規格のファクシミリ通信手順でもある同勧告T.30に規定されている手順に従って行なわれている。しかし、同勧告V.34に準拠した最大伝送速度が33.6Kbpsの超高速の通信手順(以下、V.34通信手順と言う) も実用化されており、このV.34通信手順では通信の開始時点及び通信実行中において、受信側でその時点の回線状況、具体的には S/N, 帯域幅に応じて通信速度を指定することが可能であり、送信側ではそのようにして受信側で指定された通信速度で送信を行なうように通信速度を変更する。なお、V.34通信手順でデータ通信を行なう場合には同じく同勧告 V.8通信手順で前手順を行なって実際の通信速度を決定する必要がある。
【0004】
次に、従来のV.34通信手順について、その通信開始時の信号の送受を示す図6の模式図を参照して説明する。但し、V.34通信手順の実行に際しては前述のように V.8通信手順により最初に通信速度が決定されるが、この手順はフェーズ1からフェーズ4までの4段階に別れている。
【0005】
フェーズ1のネットワークインタラクションにおいて送受信両装置間で相互の能力の確認が行なわれる。発信側 (発呼側) 装置は発呼トーンCNG または機能表示信号CIを送出する。これに対して着呼すると、受信側装置は送信側装置に対して V.8通信手順の機能を有していることを示す変形応答トーンANSam を返送する。この変形応答トーンANSam を受信することにより、送信側装置は自身のモデムの能力を示す起呼メニュー信号CMを送出する。この起呼メニュー信号CMを受信すると受信側装置は送受信双方の装置のモデムの能力から最高の能力を選択し、それを示す共通メニュー信号JMを送出する。なお、この共通メニュー信号JMに対する応答として送信側装置はCM終端信号CJを送出する。以上でフェーズ1が終了する。
【0006】
この後、フェーズ2のラインプロービングにおいてラインプロービングが行なわれる。送受信両装置間において信号INFOによりモデム能力, 回線プロービング結果, データモード変調パラメータ等の情報が交換され、トーンA,Bの送受が行なわれた後、ラインプロービングが実行される。これは送信側装置からプロービング信号(L1, L2)を送出することにより受信側装置で回線の状態を検出するためであり、これにより受信側装置ではその時点の回線の S/N及び帯域幅が判明するので、受信側装置から再度信号INFOによりモデム能力, 回線プロービング結果, データモード変調パラメータ等を送出する。
【0007】
次にフェーズ3の等化器トレーニングにおいて、送信側装置からトレーニング信号TRN が送出される。このトレーニング信号TRN を受信することにより受信側装置において通信速度を決定する。そして、フェーズ4の最終トレーニングにおいて両者間で速度変更要求信号PPh が送受され、最終的に速度指定信号MPh が送受されて通信速度が決定される。この後、ITU−T 勧告T30 に準拠したファクシミリ通信が行なわれる。
【0008】
図7は画像データ(Image Data)の通信実行中のページの切れ目において通信速度の変更が行なわれない場合の信号の送受を示す模式図である。
【0009】
1ページの画像データ(Image Data)の送信が終了した時点において、送信側装置からは次ページの画像データ(Image Data)の送信を行なうための通常の手順が開始されて信号Shが送出され、受信側装置からも同様に信号Shが送出され、以下通常の手順で次のページの画像データ(Image Data)が送信側装置から送信される。
【0010】
図8は画像データ(Image Data)の通信実行中のページの切れ目において通信速度の変更を送信側装置から要求した場合の信号の送受を示す模式図である。
【0011】
1ページの画像データ(Image Data)の送信が終了した時点において、まず送信側装置から速度変更要求信号PPh が送出され、それに対して受信側装置も速度変更要求信号PPh を送出し、最終的には両者間で速度指定信号MPh が送受されて通信速度が決定し、次のページの画像データ(Image Data)の送信が行なわれる。
【0012】
図9は画像データ(Image Data)の通信実行中のページの切れ目において通信速度の変更を受信側装置から要求した場合の信号の送受を示す模式図である。
【0013】
1ページの画像データ(Image Data)の送信が終了した時点において、送信側装置からは次ページの画像データ(Image Data)の送信を行なうための通常の手順が開始されて信号Shが送出されるが、受信側装置からは速度変更要求信号PPh が送出され、それに対して送信側装置も速度変更要求信号PPh を送出し、最終的には両者間で速度指定信号MPh が送受されて通信速度が決定し、次のページの画像データ(Image Data)の送信が行なわれる。
【0014】
このように、従来のV.34通信手順及びその前手順としての V.8通信手順においては、通信開始時点及び通信実行中において通信速度の変更が可能である。従って、送信したデータにエラーが検出された場合には通信速度を低下させて再送信することが可能になるため信頼性の向上を図ることが出来るが、通信速度の変更の際の信号の送受に時間を要し、またそのようにして通信速度を低下させて再送信したデータにもエラーが検出された場合には上述の図8,図9に示されているような手順を反復することにより更に通信速度を低下させて再送信する必要が生じる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上述のようなV.34通信手順によりたとえばファクシミリ通信等のデータ通信の実行中に、受信側において受信したデータにエラーが検出された場合には、受信側から要請することによりその時点の通信速度で所定回数再送信してもらい、それでもなおエラーが解消されない場合には、通信速度をより低くしてエラーが解消されるまで再送信を反復してもらうことになる。従って、受信側において受信したデータにエラーが検出された場合には、通信速度を段階的に低下させつつ再送信が反復されるため、エラーが解消されるまでにかなりの時間を要する場合があった。
【0016】
ところで、変復調装置は一般的には、通信実行中においてその時点の通信回線の S/N及び帯域幅をステータスとして出力する機能が備えられており、それらを外部からモニタすることが可能である。
【0017】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、たとえばファクシミリ装置等の通信端末装置において、通信開始時には記憶してある過去の通信実績とその時点の通信回線の状態とに基づいて通信速度を決定し、通信実行中においても変復調装置から得られるそれぞれの時点の通信回線の状態(S/N, 帯域幅)のステータスに従って適切な通信速度を決定し得る通信端末装置の提供を目的とする
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る通信端末装置は、通信の開始時及びデータの通信途中において通信速度の変更が可能な通信端末装置であって、着呼による通信終了時に通信相手と通信終了時点の通信速度及び通信回線の S/N及び帯域幅を記憶する記憶手段と、通信開始時のトレーニング信号の受信に際して受信側で通信回線の S/N及び帯域幅を検出する手段と、該手段が検出した S/N及び帯域幅と、前記記憶手段の記憶内容とに基づいて受信側で通信開始時の通信速度を決定する手段と、通信途中のデータの受信に際して受信側で通信回線の S/N及び帯域幅を検出する手段と、該手段が検出した S/N及び帯域幅を、前回の検出結果と比較する手段と、該手段による比較結果に応じて、送信側で最適なシンボル速度を選択して通信速度を決定する手段とを備え、前記通信速度を決定する手段は、通信回線の帯域幅に基づいてシンボル速度を、通信回線の S/N に基づいてデータ速度をそれぞれ決定すべくなしてあることを特徴とする。
【0019】
このような本発明の通信端末装置では、着呼による通信終了時に通信相手と通信終了時点の通信速度及び通信回線の S/N及び帯域幅が記憶され、次の通信開始時にはトレーニング信号の受信に際して通信回線の S/N及び帯域幅が検出され、この検出と前回の通信時に記憶した通信速度及び通信回線の S/N及び帯域幅とに基づいて送信側で通信開始時の通信速度が決定され、更に、通信途中のデータの受信に際して受信側で通信回線の S/N及び帯域幅が検出され、前回の検出結果との比較結果に応じて、それぞれの時点の最適なシンボル速度を送信側で選択して通信速度が決定されるが、その際に、通信回線の帯域幅に基づいてシンボル速度が、通信回線の S/N に基づいてデータ速度がそれぞれ決定され、最終的な通信速度が決定される
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は本発明に係る通信端末装置(以下、本発明装置と言う) をファクシミリ装置として具体化した場合の実施の形態の一構成例を示すブロック図である。
【0025】
図1において、参照符号1はファクシミリ装置の制御部として機能するCPU(中央処理装置) を示しており、このファクシミリ装置全体の動作を制御するためのプログラム等を予め記憶したROM (Read Only Memory)2と、CPU 1による制御に必要なデータ、たとえば後述する通信設定テーブル31及び通信管理テーブル32等のようなデータ、あるいは動作時に一時記憶が必要なデータ等を記憶する記憶部として機能するRAM(Random Access Memory) 3とが接続されている。
【0026】
また、CPU 1にはNCU (Network Control Unit)4, モデム5が接続されている。NCU 4は、CPU 1により制御されて、回線Lとこのファクシミリ装置との接続を制御すると共に、通信相手の電話番号に応じたダイヤルパルスを送出する機能及び着信を検出する機能を有している。なお、回線Lは図示されていない一般公衆電話回線に接続されている。
【0027】
モデム5は、送受信データの変復調、具体的には送信データを音声信号に変調してNCU 4を介して回線Lへ送出し、また逆に回線LからNCU 4を介して受信した音声信号をディジタル信号に復調する。なお、モデム5としては種々の能力の製品が存在するが、この例ではV.34通信手順が可能なモデムであるとする。V.34通信手順が可能なモデムは一般的には、通信実行中に通信速度の変更が可能であると共に、通信相手から受信した信号からその時点の通信回線の状況、具体的には S/N, 帯域幅のデータをステータスとして外部からモニタ可能である。
【0028】
CPU 1には更に、読取部6, 画像メモリ7, コーデック8, 記録部9, 操作部10, 表示部11等が接続されている。読取部6はたとえば CCDイメージセンサ等を利用して原稿画像の読み取りを行なう。画像メモリ7は、読取部6が読み取った画データを記憶し、また外部から回線L及びモデム5を介して受信した画データを記憶する。コーデック8は、送信すべき画データを符号化し、また受信した画データを復号化する。記録部9は受信画データまたは読取部6が読み取った画データを記録紙(用紙)上に記録する。操作部10は電話番号等の数字を入力するためのテンキー, ワンタッチキー, 短縮キー, 種々の動作を指示するための操作キー等で構成されている。表示部11は、操作部10の操作により入力された電話番号等の種々の情報を表示する CRTディスプレイまたはLCD(液晶表示装置) 等で構成されている。
【0029】
次に、上述のような構成の本発明装置としてのファクシミリ装置の動作について、RAM 3に設定される通信設定テーブル31及び通信管理テーブル32の内容を示す図2及び図3の模式図と、CPU 1の動作手順を示す図4及び図5のフローチャートとを参照して以下に説明する。
【0030】
まず、図2の模式図を参照して通信設定テーブル31について説明する。この通信設定テーブル31はRAM 3内の適宜の記憶領域に設定されており、図2に示されているように、V.34通信手順で規定されている6種類のシンボル速度それぞれに関して S/Nに対応して予め最適データ速度が設定されている。なお、シンボル速度は帯域幅に応じて選択される。従って、ある時点の通信回線の帯域幅に応じてまずたとえばシンボル速度として3200symbols/s が選択され、その時点の S/Nが25H (Hは16進数を表す) であれば最適データとして26400bit/sが選択されることになる。なお、図2には示されていないが、シンボル速度としては他に2800, 2743, 2400の計6種類が選択可能である。
【0031】
また、図3は通信管理テーブル32の内容例を示す模式図である。この通信管理テーブル32には、過去の受信相手の電話番号と、その相手との最後の通信時の S/N及び帯域幅と通信速度(シンボル速度及びデータ速度)とが記憶されている。たとえば、図3に示されている例では、電話番号が”01−234−5678 ”の相手から前回受信した際の最後の S/Nは”26H (dB)”であり、帯域幅は”3000(Hz)”であり、その際の通信速度がシンボル速度は”3439(symbols/s) ”でありデータ速度が”28800(bit/s)”であったことが記録されている。
【0032】
次に、本発明装置が受信側 (着呼側) 装置になった場合のCPU 1による実際の制御手順について、図4及び図5に示されているフローチャートを参照して説明する。なお、以下の説明では、送信側 (発呼側) 装置も本発明装置と同等の機能を有していることを前提とする。
【0033】
まず、着呼があると (ステップS10)、CPU 1は交換機から通信相手の電話番号を読み込み (ステップS11)、通信が開始される (ステップS12)。
【0034】
通信が開始されると、CPU 1は前述の通信管理テーブル32を検索してその電話番号に対応して記憶されている各データ、即ち S/N, 帯域幅, 通信速度 (シンボル速度及びデータ速度) を読み出す (ステップS13)。なお、このステップS13 で読み出された各データは現時点の通信相手の装置 (送信側装置) と前回通信した際の最後の時点での S/N, 帯域幅, 通信速度 (シンボル速度及びデータ速度) である。また、送信側装置との間ではプロービング処理が行なわれる (ステップS14)。この結果、その時点の回線の S/N及び帯域幅がモデム5からステータスとして出力されるので、CPU 1はそれを読み出す (ステップS15)。
【0035】
次に、CPU 1は今回の帯域幅(上述のプロービング処理により得られた現時点での回線の帯域幅)と前回の帯域幅 (通信管理テーブル32から読み出された帯域幅) とを比較する (ステップS16)。この結果、両者が一致しているかまたは今回の帯域幅が前回の帯域幅より大である場合には、CPU 1はシンボル速度の変更は行なわないこととし、そのままのシンボル速度、即ち通信管理テーブル32に記憶されているシンボル速度をそのまま指定する (ステップS17)。
【0036】
一方、今回の帯域幅が前回の帯域幅より小である場合には、CPU 1はシンボル速度の指定値を変更する (ステップS18)。より具体的には、帯域幅の高域周波数と各シンボル速度の値を比較し、「高域周波数」>「シンボル速度」となるようなシンボル速度を選択する。但しこの場合、最適なシンボル速度がない場合には安全を見込んで一段低いシンボル速度を選択する。
【0037】
なお、通信相手 (送信側装置) の電話番号が通信管理テーブル32に登録されていない場合には、通常の手順に従って通信が行なわれる。
【0038】
次に、CPU 1は今回のS/N(上述のプロービング処理により得られた現時点での回線のS/N)と前回のS/N(通信管理テーブル32から読み出されたS/N)とを比較する(ステップS19)。この結果、両者が一致しているかまたは今回の S/Nが前回の S/Nより大である場合には、CPU 1はデータ速度の変更は行なわないこととし、そのままのデータ速度、即ち通信管理テーブル32に記憶されているデータ速度をそのまま指定する (ステップS20)。一方、今回の S/Nが前回の S/Nより小である場合には、CPU 1はデータ速度の指定値を変更する (ステップS21)。より具体的には、上述のようにして決定されたシンボル速度に対応する通信管理テーブル32の欄からデータ速度を指定する。
【0039】
上述のようにしてシンボル速度とデータ速度が指定されると、CPU 1はその結果を送信側装置へ通知する。
【0040】
以上のようにしてCPU 1が通信速度 (シンボル速度及びデータ速度) を決定して送信側装置へ通知することにより、実際のデータ通信が開始される (ステップS22)。以下、図5のフローチャートを参照して説明する。
【0041】
上述のようにしてデータ通信が開始されると、CPU 1はその間にもモデム5からステータスとして出力される S/N及び帯域幅を読み出しており (ステップS211) 、たとえばページの切れ目等で今回の帯域幅(現時点で行なわれている通信により得られた帯域幅)と前回の帯域幅 (前回の通信により得られた帯域幅) とを比較する (ステップS212) 。
【0042】
このステップS212での比較の結果、両者が一致している場合には、CPU 1はシンボル速度の変更は行なわないこととし、その時点のシンボル速度をそのまま指定する (ステップS213) 。
【0043】
今回の帯域幅が前回の帯域幅より大である場合には、CPU 1はシンボル速度が上がるようにその指定値を変更する (ステップS214) 。より具体的には、帯域幅の高域周波数と各シンボル速度の値を比較し、「高域周波数」<「シンボル速度」となるようなシンボル速度を選択する。但しこの場合、最適なシンボル速度がない場合には安全を見込んで一段低いシンボル速度を選択する。
【0044】
逆に、今回の帯域幅が前回の帯域幅より小である場合には、CPU 1はシンボル速度が下がるようにその指定値を変更する (ステップS215) 。より具体的には、帯域幅の高域周波数と各シンボル速度の値を比較し、「高域周波数」>「シンボル速度」となるようなシンボル速度を選択する。但しこの場合、最適なシンボル速度がない場合には安全を見込んで一段低いシンボル速度を選択する。
【0045】
次に、CPU 1は今回のS/N(現時点で行なわれている通信により得られたS/N)に従って、上述のようにして決定されたシンボル速度 (シンボル速度が変更されなかった場合にはそのシンボル速度) に対応する通信管理テーブル32の欄からデータ速度を指定する (ステップS216) 。そして、通信速度 (シンボル速度, データ速度の少なくとも一方) が変更された場合には (ステップS217で”YES ”) 、CPU 1は送信側装置へ通信速度の変更要求を行なう (ステップS218) 。
【0046】
ここで通信が終了していない場合にはステップS211へ戻り、通信が終了している場合には図4のステップS22 へ戻る。
【0047】
通信が終了して図4のステップS23 へ戻ると、CPU 1はその通信の終了時点での S/N及び帯域幅と通紙速度 (シンボル速度及びデータ速度) を通信管理テーブル32の対応する欄に記憶させた後に処理を終了する。
【0048】
以上のように本発明の通信端末装置では、通信の開始時点においては前回の通信時の最終の S/N及び帯域幅に基づいて通信速度が決定され、通信実行中には常時各時点の S/N及び帯域幅に基づいて通信速度の変更が行なわれる。
【0049】
【発明の効果】
以上に詳述したように本発明の通信端末装置によれば、着呼による通信終了時に通信相手と通信終了時点の通信速度及び通信回線の S/N及び帯域幅が記憶され、次の通信開始時にはトレーニング信号の受信に際して通信回線の S/N及び帯域幅が検出され、この検出と前回の通信時に記憶した通信速度及び通信回線の S/N及び帯域幅とに基づいて送信側で通信開始時の通信速度が決定され、更に、通信途中のデータの受信に際して受信側で通信回線の S/N及び帯域幅が検出され、前回の検出結果との比較結果に応じて、それぞれの時点の最適なシンボル速度を送信側で選択して通信速度が決定されるので、通信開始時においても通信途中においてもそれぞれの時点での最適な通信速度で通信が行なわれる。更にこの際、通信回線の帯域幅に基づいてシンボル速度が、通信回線の S/N に基づいてデータ速度がそれぞれ決定され、最終的な通信速度が決定されるため、正確な通信速度の決定が可能になる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の通信端末装置をファクシミリ装置として具体化した場合の実施の形態の一構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の通信端末装置の通信設定テーブルの内容を示す模式図である。
【図3】本発明の通信端末装置の通信管理テーブルの内容を示す模式図である。
【図4】本発明に係る通信端末装置の動作手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明に係る通信端末装置の動作手順を示すフローチャートである。
【図6】一般的なV.34通信手順の前手順としての V.8通信手順を説明するための模式図である。
【図7】一般的なV.34通信手順を説明するための模式図である。
【図8】一般的なV.34通信手順を説明するための模式図である。
【図9】一般的なV.34通信手順を説明するための模式図である。
【符号の説明】
1 CPU 、3 RAM 、5 モデム、31 通信設定テーブル、32 通信管理テーブル、L 通信回線。

Claims (1)

  1. 通信の開始時及びデータの通信途中において通信速度の変更が可能な通信端末装置であって、
    着呼による通信終了時に通信相手と通信終了時点の通信速度及び通信回線の S/N及び帯域幅を記憶する記憶手段と、
    通信開始時のトレーニング信号の受信に際して受信側で通信回線の S/N及び帯域幅を検出する手段と、
    該手段が検出した S/N及び帯域幅と、前記記憶手段の記憶内容とに基づいて受信側で通信開始時の通信速度を決定する手段と、
    通信途中のデータの受信に際して受信側で通信回線の S/N及び帯域幅を検出する手段と、
    該手段が検出した S/N及び帯域幅を、前回の検出結果と比較する手段と、
    該手段による比較結果に応じて、送信側で最適なシンボル速度を選択して通信速度を決定する手段と
    備え、
    前記通信速度を決定する手段は、通信回線の帯域幅に基づいてシンボル速度を、通信回線の S/N に基づいてデータ速度をそれぞれ決定すべくなしてあることを特徴とする通信端末装置。
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