JP3312862B2 - 熱交換器およびその製造方法 - Google Patents

熱交換器およびその製造方法

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彰広 山下
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば、宇宙往
還機、人工衛星等の宇宙機などに使用される平板型の熱
交換器とその製造方法にかかり、特に、高圧流体を流し
て熱交換を行なうのに好適な平板型の熱交換器とその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】平板型の熱交換器では、その用途に応じ
て長さが数10cm〜1mを超えるものまで各種の大き
さのものが要求され、そこに形成される流路穴の径も数
〜10数mmの大きさが要求されている。また、熱交換
効率を向上させるためには流路穴を長くすることが必要
であり、流路穴はその間隔を数mmで形成することが要
求されることがある。さらに、その用途によっては、た
とえば、圧力が20〜30kg/cm2 −Gの高圧流体
を流して熱交換を行なうことも要求されることもある。
【0003】このような平板型熱交換においては、図1
1に示すように、平板状の本体1の内部に流体を流す蛇
行状の流路穴2を直接形成することが理想である。しか
し、このような加工を行なうことはできない。
【0004】このため、一般的には、図12に示すよう
に、平板状の本体1に所定の間隔で直線状の流路穴2を
形成し、各流路穴2の端部をU字管3で接続して蛇行状
の流路を形成している。前記U字管3のを本体1に固定
する方法としては、内部に流れる流体の圧力が、たとえ
ば、数kg/cm2 −G以下の低圧である場合には、ろ
う付けなどの方法を採用することができる。しかし、圧
力が20〜30kg/cm2 −Gのような高圧流体を流
すような場合には、本体1とU字管3を溶接している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図12に示す
構成では、流路穴の間隔が狭くなった場合、本体とU字
管の溶接作業が困難となるため、熱交換効率が低下して
も、溶接作業が可能な間隔を設けることが必要になる。
【0006】上記の事情に鑑み、本発明の目的は、流路
穴の間隔を狭くすることを可能にし、熱交換効率を向上
させることができる平板型の熱交換器とその製造方法を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本出願の第1の発明は、流体を流す直線状の複数の
流路穴が所定の間隔で長さ方向もしくは幅方向の端面か
ら形成されると共に、隣接する流路穴を該流路穴の両端
部にて連通させる複数の連通穴が厚さ方向の端面から流
路穴と直交する方向に形成された単一の本体と、前記流
路穴のうち流体の流入口と流出口となる開口部を残し前
記流路穴と連通穴の開口部を塞ぐ複数の栓とを設け、前
記本体内に蛇行状の流路を形成した。
【0008】
【0009】また、第の発明は、所定の間隔で、流体
を流す直線状の複数の流路穴が形成された単一の本体
と、この本体の両端に接合され、前記流路穴と直交する
方向に、前記流路穴の両端部において隣接する流路穴を
連通させる複数の溝が形成された一対の蓋とを設け、前
記本体に形成された流路穴と蓋に形成された溝とによっ
て、前記本体内に蛇行状の流路を形成した。
【0010】また、第の発明は、長さ方向もしくは幅
方向の端面から所定の間隔で、流体を流す直線状の複数
の流路穴と、これらの流路穴の内の所定の流路穴の端部
に、厚さ方向の端面から流路穴と直交する方向に、前記
流路穴に連通する複数の連通穴が形成された単一の本体
と、この本体の各端面に接合され、流路穴もしくは連通
穴と直交する方向に、隣接する流路穴もしくは連通穴を
接続する溝が形成された複数の蓋と、連通穴が形成され
た流路穴の開口部を塞ぐ複数の栓とを設け、前記本体に
形成された流路穴と連通穴および蓋に形成された溝とに
よって蛇行状の流路を形成した。
【0011】また、第の発明は、単一の平板状の本体
に流体を流す直線状の複数の流路穴を平板状本体の長さ
方向もしくは幅方向の端面から形成し、平板状本体の厚
さ方向の端面から流路穴と直交する方向に、前記流路穴
の両端部にて隣接する流路穴を連通させる複数の連通穴
を形成し、前記本体を洗浄した後、前記流路穴のうち流
体の流入口と流出口となる開口部を残し前記流路穴と連
通穴の開口部を栓で塞ぎ、この栓を前記本体に接合し
て、前記本体内に蛇行状の流路を形成する。
【0012】さらに、第の発明は、単一の本体に流体
を流す直線状の複数の流路穴を形成し、蓋に前記流路穴
と直交する方向に、前記流路穴の両端部において隣接す
る流路穴を連通させる複数の溝を形成し、前記本体およ
び蓋を洗浄した後、前記流路穴のうち流体の流入口と流
出口となる開口部を残し、前記本体の両端に前記蓋を接
合して、前記本体に形成された流路穴と蓋に形成された
溝とによって蛇行状の流路を形成する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は、本発明による熱交換器の
第1の実施の形態を示し、流路穴の中心を通る平面で切
断した正面断面図である。同図において、11は本体
で、その長さ方向の端面から本体11を貫通する複数の
流路穴12と、本体11の厚さ方向の端面から流路穴に
直交し、隣接する流路穴12を接続する複数の連通穴1
3が形成されている。前記流路穴12の両端には、流路
穴12より大径の穴12aが形成され、前記連通穴13
の一端も、連通穴13より大径の穴13aが形成されて
いる。
【0014】14は栓で、流路穴12の開口部を塞ぐよ
うに穴12aに挿入され、溶接等により本体11に固定
されている。15は栓で、連通穴13の開口部を塞ぐよ
うに穴13aに挿入され、溶接等により本体11に固定
されている。そして、本体11の流入口から送りこまれ
た流体が、流路穴12と連通穴13を交互に通る蛇行状
の流路を形成している。
【0015】図2ないし図5は、図1に示す熱交換器の
製造工程を示す工程図である。まず、図2に示すよう
に、たとえば、ガンドリル等を用いた機械加工により、
本体11に複数の流路穴12を形成する。
【0016】ついで、図3に示すように、たとえば、エ
ンドミル等を用いた機械加工により、隣接する流路穴1
2を連通させる連通穴13を形成する。さらに、機械加
工により、図4に示すように、流路穴12の両端および
連通穴13の一端を拡径する穴12a、13aを形成す
る。
【0017】機械加工が終了したら、本体11を十分に
洗浄する。ついで、図5に示すように、穴12aのうち
流体の流入口、流出口を残して、栓14を挿入し本体1
1に溶接して固定する。また、穴13aにも栓15を挿
入し本体11に溶接して固定する。
【0018】この本体11と栓14、15の接合は、熱
交換器内を流れる流体の圧力が高い場合には、溶接等の
接合手段を用い、あるいは、穴12a、13aをねじ穴
として、栓14、15におねじを形成し螺合させるよう
にしてもよい。また、熱交換器内を流れる流体の圧力が
低い場合には、ろう付け、接着などの手段を用いること
もできる。
【0019】また、穴12a、13aを形成しないで、
流路穴12、連通穴13に直接栓14、15を固定する
ようにしてもよい。なお、熱交換器の材料としては、通
常アルミニウム、銅、鉄などを用いるが、熱交換器の用
途によっては、ステンレス鋼、チタン等を用いることも
できる。
【0020】図6は、本発明による熱交換器の第2の実
施の形態を示し、流路穴の中心を通る平面で切断した正
面断面図である。同図において、11は本体で、長さ方
向の端面から長さの異なる複数の流路穴12と、幅方向
の端面から流路穴12に直交し、隣接する流路穴12を
接続する複数の連通穴13が形成されている。
【0021】14は栓で、流体の流入口と流出口を残し
て、流路穴12の開口部を塞ぐよう挿入され、本体11
に接合されている。15は栓で、所要の流路穴11の連
通部を残して連通穴13の開口部を塞ぐように連通穴1
3に挿入され、本体10に接合されている。
【0022】このような構成としても、本体11内に蛇
行状の流路を形成することができる。なお、上記の構成
において、連通穴13の径を流路穴12の径より大きく
してもよい。
【0023】図7は、本発明による熱交換器の第3の実
施の形態を示し、流路穴の中心を通る平面で切断した正
面断面図である。同図において、13bは連通穴で、本
体11の流路穴12が開口する端面に、隣接する流路穴
12を連通するように長穴状に形成されている。15a
は栓で、連通穴13aに嵌合する長円形に形成され、本
体11に接合されている。
【0024】このような構成とすることにより、加工を
容易にすることができ、かつ、構成部品の数を少なくす
ることができる。また、栓15aの端部を曲線とするこ
とにより、流体の流れを円滑にすることができる。
【0025】図8は、本発明による熱交換器の第4の実
施の形態を示し、流路穴の中心を通る平面で切断した正
面断面図である。同図において、11は本体で、その外
形が所要に形状に形成され、たとえば長さ方向の両端面
から長さの異なる複数の流路穴12と、幅方向の両端面
から流路穴12に直交し、隣接する流路穴12を接続す
る複数の連通穴13が形成されている。
【0026】14、15は栓で、それぞれ流路穴12と
連通穴13の開口部を塞ぐように挿入され、本体11に
溶接されている。
【0027】このように、本願発明による熱交換器は、
その外形が矩形である必要はなく、図示のような形状の
ほか、流路穴12と連通路13を形成できる形状であれ
ば多角形、円形であってもよい。したがって、熱交換器
を配置する空間の形状に合わせて任意の形状の熱交換器
を得ることができる。
【0028】図9は、本発明による熱交換器の第5の実
施の形態を示し、流路穴の中心を通る平面で切断した正
面断面図である。同図において、11は本体で、複数の
流路穴12が形成されている。18は蓋で、隣接する流
路穴12を接続する溝19が形成され、本体11の両端
に固定されている。
【0029】このような構成とすることにより、加工を
容易にすることができ、かつ、構成部品の数を少なくす
ることができる。
【0030】図10は、本発明による熱交換器の第6の
実施の形態を示す斜視図である。同図において、11は
本体で、複数の流路穴12と、本体11の厚さ方向の端
面と流路穴12を接続する接続穴13が形成されてい
る。14は栓で、接続穴13が接続された流路穴12の
端部に挿入され、本体11に固定されている。18は蓋
で、隣接する流路穴12もしくは連通穴13を接続する
ように本体11の各端面に固定されている。
【0031】このような構成にすることによって、流路
穴12の間隔を狭くしても、蓋18の取付けが容易であ
り、流路穴12間の短絡を発生させることなく熱交換器
を構成することができる。
【0032】
【発明の効果】以上述べたごとく、本発明によれば、流
路穴の間隔を狭くして、熱交換効率の高い熱交換器を得
ることができる。また、本体に対する穴明けと栓あるい
は蓋の取付け作業だけで熱交換器を形成することができ
るので、製作が容易であり、安価で信頼性の高い熱交換
器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による熱交換器の第1の実施の形態を示
す正面断面図。
【図2】熱交換器の製造工程を示す工程図で、(a)は
正面図、(b)は側面図。
【図3】熱交換器の製造工程を示す工程図で、(a)は
正面図、(b)は(a)のB−B断面図、(c)は
(b)のC−C断面の拡大図。
【図4】熱交換器の製造工程を示す工程図で、(a)は
正面図、(b)は(a)のB−B断面図、(c)は
(b)のC−C断面の拡大図。
【図5】熱交換器の製造工程を示す工程図で、(a)は
正面図、(b)は(a)のB−B断面図、(c)は
(b)のC−C断面の拡大図。
【図6】本発明による熱交換器の第2の実施の形態を示
す正面断面図。
【図7】本発明による熱交換器の第3の実施の形態を示
す正面断面図。
【図8】本発明による熱交換器の第4の実施の形態を示
す正面断面図。
【図9】本発明による熱交換器の第5の実施の形態を示
す正面断面図。
【図10】本発明による熱交換器の第6の実施の形態を
示す斜視図。
【図11】平板型の熱交換器の正面図。
【図12】従来の熱交換器の正面図。
【符号の説明】
10…本体、11…流路穴、12…連通穴、15、16
…栓。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橘井 昭雄 神奈川県横浜市戸塚区戸塚町216番地 株式会社 日立製作所 宇宙技術推進本 部 内 (72)発明者 清水 唯二 神奈川県横浜市戸塚区戸塚町216番地 株式会社 日立製作所 情報通信事業部 内 (56)参考文献 特開 昭49−103828(JP,A) 特開 平7−314543(JP,A) 実開 昭60−182105(JP,U) 実開 昭63−5278(JP,U) 実公 昭35−4197(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F28F 1/00 F28D 1/047 F28F 3/12

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】流体を流す直線状の複数の流路穴が所定の
    間隔で長さ方向もしくは幅方向の端面から形成されると
    共に、隣接する流路穴を該流路穴の両端部にて連通させ
    る複数の連通穴が厚さ方向の端面から流路穴と直交する
    方向に形成された単一の本体と、前記流路穴のうち流体
    の流入口と流出口となる開口部を残し前記流路穴と連通
    穴の開口部を塞ぐ複数の栓とを設け、前記本体内に蛇行
    状の流路を形成したことを特徴とする熱交換器。
  2. 【請求項2】 所定の間隔で、流体を流す直線状の複数の
    流路穴が形成された単一の本体と、この本体の両端に接
    合され、前記流路穴と直交する方向に、前記流路穴の両
    端部において隣接する流路穴を連通させる複数の溝が形
    成された一対の蓋とを設け、前記本体に形成された流路
    穴と蓋に形成された溝とによって、前記本体内に蛇行状
    の流路を形成したことを特徴とする熱交換器。
  3. 【請求項3】 長さ方向もしくは幅方向の端面から所定の
    間隔で、流体を流す直線状の複数の流路穴と、これらの
    流路穴の内の所定の流路穴の端部に、厚さ方向の端面か
    ら流路穴と直交する方向に、前記流路穴に連通する複数
    の連通穴が形成された単一の本体と、この本体の各端面
    に接合され、流路穴もしくは連通穴と直交する方向に、
    隣接する流路穴もしくは連通穴を接続する溝が形成され
    た複数の蓋と、連通穴が形成された流路穴の開口部を塞
    ぐ複数の栓とを設け、前記本体に形成された流路穴と連
    通穴および蓋に形成された溝とによって蛇行状の流路を
    形成したことを特徴とする熱交換器。
  4. 【請求項4】 単一の平板状の本体に流体を流す直線状の
    複数の流路穴を平板状本体の長さ方向もしくは幅方向の
    端面から形成し、平板状本体の厚さ方向の端面から流路
    穴と直交する方向に、前記流路穴の両端部にて隣接する
    流路穴を連通させる複数の連通穴を形成し、前記本体を
    洗浄した後、前記流路穴のうち流体の流入口と流出口と
    なる開口部を残し前記流路穴と連通穴の開口部を栓で塞
    ぎ、この栓を前記本体に接合して、前記本体内に蛇行状
    の流路を形成することを特徴とする熱交換器の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 単一の本体に流体を流す直線状の複数の流
    路穴を形成し、蓋に前記流路穴と直交する方向に、前記
    流路穴の両端部において隣接する流路穴を連通させる複
    数の溝を形成し、前記本体および蓋を洗浄した後、前記
    流路穴のうち流体の流入口と流出口となる開口部を残
    し、前記本体の両端に前記蓋を接合して、前記本体に形
    成された流路穴と蓋に形成された溝とによって蛇行状の
    流路を形成することを特徴とする熱交換器の製造方法。
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CN113390275B (zh) * 2021-05-20 2022-12-16 延安家安能源科技有限公司 一种管翅式换热器

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