JP3311531B2 - 門扉の車輪支持装置 - Google Patents

門扉の車輪支持装置

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JP3311531B2
JP3311531B2 JP33630394A JP33630394A JP3311531B2 JP 3311531 B2 JP3311531 B2 JP 3311531B2 JP 33630394 A JP33630394 A JP 33630394A JP 33630394 A JP33630394 A JP 33630394A JP 3311531 B2 JP3311531 B2 JP 3311531B2
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喜士一 古川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、伸縮式門扉、複連引き
戸式門扉、折り戸式門扉等の門扉の車輪支持装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】伸縮式門扉、複連引き戸式門扉、折り戸
式門扉等の門扉では、門扉本体の下部で且つその内外方
向の両側に、地面上を走行する一対の車輪を備え、出入
り口の開閉時に、各車輪で門扉本体を支持しながら、門
扉本体を伸縮又は移動させるようになっている。
【0003】この種の門扉では、従来、実開平4−27
099号公報に記載されるように、左右一対の脚部と、
この一対の脚部の上端側を連結する連結部とを一体に有
する逆U字状の車輪ブラケットを備え、この車輪ブラケ
ットの一対の脚部間に車輪を配置すると共に、車輪ブラ
ケットの両脚部の下端部間に横方向に架設した車軸で車
輪を回転自在に支持し、車輪ブラケットの上端の連結部
に固定又は縦軸廻りに首振り可能に取り付け部を設けた
車輪装置を用いている。そして、車輪ブラケットの上端
側の取り付け部を介して、車輪装置を門扉本体の下部に
対して固定又は縦軸廻りに首振り可能に装着している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の門扉では、一対
の脚部と連結部とを一体に備えて車輪ブラケットを構成
し、この車輪ブラケットの連結部上に固定又は縦軸廻り
に首振り可能に取り付け部を設けているため、車輪の下
端から取り付け部までの車輪装置自体の高さが大であ
る。このため、この車輪装置を門扉本体の下部に装着し
た時に、地面から門扉本体の下端部までの寸法が大にな
って、門扉本体の下側に大きな空間ができる欠点があ
る。
【0005】また車輪の下端から取り付け部までの車輪
装置自体の高さが大になれば、単に門扉本体の下側の空
間が大になるのみに止まらず、門扉本体の重心がそれだ
け高くなるので、開閉等に際しての車輪の走行時に、門
扉本体の安定性が悪くなると共に、門扉本体を伸長状態
にした時の門扉本体の安定性も悪くなり、強風等によっ
て門扉本体が内外方向に振れる等の問題がある。
【0006】更に、従来の車輪装置でも、その取り付け
部を門扉本体に対して上下調節可能に装着するようにし
たものもあるが、車輪装置自体の上下方向の寸法が大で
あるため、その上下の調整代が僅かになる。このため、
地面が内外方向に傾斜する場合、或いは内外で段差等が
ある場合には、その傾斜、段差等に十分対応し得ないこ
とがある。本発明は、かかる従来の課題に鑑み、門扉本
体の高さを低くできると共に、個々の車輪の門扉本体に
対する相対高さを容易且つ十分に調整できる門扉の車輪
支持装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、門扉本体6の
下部に地面4上を走行する車輪54を備えた門扉におい
て、門扉本体6の下部に、該門扉本体6の内外方向の車
輪枠50を設け、この車輪枠50の前記内外方向の両端
、該車輪枠50よりも下方に突出する板状の支持ブラ
ケット51をネジ58により固定し、この支持ブラケッ
ト51の車輪枠50よりも下側に左右一対のネジ孔60
を設け、支持ブラケット51の外側面に、下部に車輪5
4を支持する車軸53が片持ち状に固定され且つ該車軸
53の両側に支持ブラケット51の各ネジ孔60に対応
する左右一対の長孔59が上下方向に形成された板状の
車輪ブラケット52を当接すると共に、車輪ブラケット
52側の各長孔59に挿入され且つ支持ブラケット51
の各ネジ孔60に螺合する左右一対のボルト61によ
り、車輪ブラケット52を支持ブラケット51に上下調
整自在に装着し、車軸53を車輪ブラケット52のネジ
孔62に螺合するボルトにより構成し、支持ブラケット
51に、車軸53の先端に対応する部分に長孔63を形
成したものである。
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述
する。図1乃至図23は本発明の第1実施例を例示し、
図1及び図2において、1 は吊り元側支柱、2 は戸当た
り側支柱で、これらは出入り口3 の左右両側で地面4に
立設されている。5 はガイドレールで、吊り元側支柱1
と戸当たり側支柱2 間で地面4 に敷設されている。6 は
門扉本体、7 は門扉本体6 を構成する扉体で、この扉体
7 は4個以上の偶数個、例えば6個あり、その各扉体7
はヒンジ手段8 により縦軸心廻りに折り畳み自在に枢着
されている。
【0012】戸当たり側端の扉体7 は、その戸当たり側
のヒンジ手段9 を介して戸当たり側端枠10に枢着され、
また吊り元側の扉体7 は、その吊り元側のヒンジ手段11
を介して吊り元側支柱1 に枢着されている。12は被案内
部材で、戸当たり側から奇数番目(以下、第何番目と言
う場合は、全て戸当たり側からを言うものとする。)、
即ち、第1番目、第3番目及び第5番目の各ヒンジ手段
8 の下部側の近傍に設けられ、且つ門扉本体6 が伸長状
態の時に、各扉体7 が屈折しないようにガイドレール5
により案内されている。
【0013】13はガイドレール5 に沿って走行する車輪
支持装置で、戸当たり側端の扉体7と戸当たり側端枠10
とを枢着するヒンジ手段9 の下部の他、各偶数番目、即
ち、第2番目及び第4番目の各ヒンジ手段8 の下部に夫
々設けられている。14は第3番目の被案内部材12を蹴り
出すための第1蹴出案内手段、15は第1番目及び第2番
目の被案内部材12を蹴り出すための第2蹴出案内手段
で、これらの各蹴出案内手段14,15 は、門扉本体6 の折
り畳み時に、吊り元側支柱1 の近傍で各扉体7 を吊り元
側に近い側から順次折り畳んで行くように各被案内部材
12をガイドレール5 の外側に蹴り出すためのものであ
る。
【0014】16は第3番目の被案内部材12を蹴り込むた
めの第1蹴込案内手段、17は第1番目及び第2番目の被
案内部材12を蹴り込むための第2蹴込案内手段で、これ
らの蹴込案内手段16,17 は、門扉本体6 の伸長時に、吊
り元側の近傍で各扉体7 を戸当たり側の扉体7 から順次
伸長させるように各被案内部材12をガイドレール5 内に
案内するためのものである。
【0015】18は第1規制手段で、門扉本体6 の伸長時
に、第3番目の被案内部材12が第1蹴込案内手段16を経
てガイドレール5 内に入るように、第3番目の被案内部
材12よりも吊り元側の第6番目の扉体7 が戸当たり側へ
移動しないように規制するためのものである。19は第2
規制手段で、門扉本体6 の伸長時に、第1番目及び第2
番目の被案内部材12が第2蹴込案内手段17を経てガイド
レール5 内に入るように、この各被案内部材12よりも吊
り元側の第2番目、第4番目の扉体7 が戸当たり側へ移
動しないように規制するためのものである。
【0016】20は地面4 上を転動する補助車輪で、各被
案内部材12と共に、ガイドレール5に対して出入り口3
の内側で各奇数番目のヒンジ手段8 の下部近傍に首振り
自在に設けられている。各扉体7 を相互に枢着するヒン
ジ手段8 は、隣り合う一対の扉体7 の上下両端部に固定
されたヒンジブラケット21と、各一対の扉体7 間に上下
方向に配置され且つ各ヒンジブラケット21を縦軸心廻り
に回動自在に連結するヒンジ軸22とを備えている。
【0017】戸当たり側端の扉体7 と戸当たり側端枠10
とを枢着するヒンジ手段9 は、扉体7 及び戸当たり側端
枠10の上下両端部に固定されたヒンジブラケット23と、
扉体7 と戸当たり側端枠10間に上下方向に配置され且つ
各ヒンジブラケット23を縦軸心廻りに回動自在に連結す
るヒンジ軸24とを備えている。
【0018】吊り元側端の扉体7 と吊り元側支柱1 とを
枢着するヒンジ手段11は、上下一対のヒンジブラケット
25を介して扉体7 の吊り元側に固定された縦軸心方向の
ヒンジ軸26と、吊り元側支柱1 の上下両端部に固定され
且つヒンジ軸26をガイドレール5 に沿って所定範囲内で
移動自在に案内する上下一対の案内板27とを備えてい
る。
【0019】各ヒンジ手段8,9,11のヒンジブラケット2
1,23,25は、門扉本体6 の両側の各ヒンジ軸22,24,26が
門扉本体6 の内外方向の反対側に位置するように屈曲状
となっている。即ち、門扉本体6 を折り畳んだ時に、正
面視において両端と偶数番目とのヒンジ手段8,9,11が山
折り状となり、奇数番目のヒンジ手段8 が谷折り状とな
って、各扉体7 を平行状態に折り畳み得るように、両端
と偶数番目とのヒンジ手段8,9,11のヒンジ軸22,24,26が
扉体7 の内側に、奇数番目のヒンジ手段8 のヒンジ軸22
が扉体7 の外側に偏位して夫々配置されている。
【0020】各ヒンジ手段8 のヒンジブラケット21は、
両側の扉体7 の上部側に1個、下部側に2個あり、図5
及び図6に示すように、その扉体7 の上下両端の筒状の
横枠部28にスペーサ29と共に挿入されボルト30で固定さ
れている。ヒンジ手段9 の戸当たり側端枠10側のヒンジ
ブラケット23は、図7及び図8に示すように、上下のヒ
ンジブラケット23間にスペーサ31を介在して戸当たり側
端枠10に固定されている。
【0021】吊り元側端の扉体7 のヒンジ軸26は、図9
乃至図11 に示すように、上下のヒンジブラケット25間
に介在された筒部材32と、この筒部材32の上下でヒンジ
ブラケット25に回動不能に固定された軸部材33とを有す
る。上下の各案内板27には、ガイドレール5 と平行な長
孔34が形成され、この各長孔34にヒンジ軸26の各軸部材
33が摺動及び回動自在に挿入されている。従って、第6
番目の扉体7 は、門扉本体6 の伸縮時に、長孔34の範囲
内でガイドレール5 と平行に移動自在であると共に、ヒ
ンジ軸26廻りに回動自在である。
【0022】ガイドレール5 は、図3に示すように、二
枚のレール板35,36 を結合して構成されており、このガ
イドレール5 には走行用案内溝37と屈折防止用案内溝38
とが平行に設けられている。走行用案内溝37は、二枚の
レール板35,36 の立ち上がり部39,40 の上側を内側に水
平に折り曲げると共に、その各内側を下側に折り曲げた
一対の案内レール部41,42 によって構成され、ガイドレ
ール5 の全長に亘って設けられている。各案内レール部
41,42 はその下側が転倒阻止レール部43,44 となってお
り、この案内レール部41,42 の下側で一対の立ち上がり
部39,40 間に空間が形成されている。
【0023】屈折防止用案内溝38は、図3に示すように
レール板36に折り曲げ形成された凹部45と、図13及び
図15に示すように案内ブロック46に形成された凹部47
とによって構成されている。レール板35,36 は一方のレ
ール板36の凹部45の下面側と他方のレール板35の端部の
上面側とが結合されている。案内ブロック46は、図13
に示すように、門扉本体6 を伸長状態にした時に、その
第5番目のヒンジ手段8 に対応する近傍でレール板36の
途中に形成された切り欠き部36a に設けられている。
【0024】走行用案内溝37と屈折防止用案内溝38は、
図3に示すように、屈折防止用案内溝38がガイドレール
5 全体の幅方向の中央に位置し、この屈折防止用案内溝
38に対して出入り口3 の内外方向の外側、即ち、門扉本
体6 の折り畳み時に各扉体7がガイドレール5 から突出
する突出方向と反対側に走行用案内溝37が位置してい
る。
【0025】第1蹴出案内手段14と第1蹴込案内手段1
6、及び第2蹴出案内手段15と第2蹴込案内手段17は、
図13及び図15に示すように、夫々を一組として案内
ブロック46に設けられている。案内ブロック46には、ガ
イドレール5 の長手方向に対して斜め方向に傾斜する幅
広状の2個の案内凹部48,49 がガイドレール5 の長手方
向に間隔をおいて設けられ、この各案内凹部48,49 の内
端側が屈折防止用案内溝38に連続している。
【0026】そして、吊り元側に近い案内凹部48の両側
の傾斜面、即ち、吊り元側の傾斜面により第1蹴出案内
手段14が、戸当たり側の傾斜面により第1蹴込案内手段
16が夫々構成されている。また吊り元側に遠い案内凹部
49の両側の傾斜面によっても、同様に第2蹴出案内手段
15と第2蹴込案内手段17とが夫々構成されている。な
お、屈折防止用案内溝38は、第1蹴込案内手段16と第2
蹴出案内手段15との間でガイドレール5 の長手方向に二
つに分断されている。
【0027】車輪支持装置13は、図3乃至図8に示すよ
うに、ヒンジ手段8,9 のヒンジ軸22,24 の下部に固定さ
れ且つ門扉本体6 の内外方向、即ち、ガイドレール5 の
幅方向に配置された車輪枠50と、この車輪枠50の前記内
外方向の両端に固定された支持ブラケット51と、この支
持ブラケット51に上下調整自在に設けられた車輪ブラケ
ット52と、この車輪ブラケット52の下部に車軸53を介し
て支持された車輪54と、車輪枠50からガイドレール5 の
長手方向の両側に突出する一対のストッパー55と、車輪
枠50の両側で各ストッパー55の下側に設けられ且つ車輪
枠50がガイドレール5 に対して略直角になるように走行
用案内溝37に嵌合して案内される一対の走行用の振止部
材56と、転倒阻止レール部43,44 に下側から係合して門
扉本体6の内外方向への転倒を阻止する転倒阻止部材57
とを備えている。
【0028】車輪枠50には、図3に示す如く、門扉本体
6 の折り畳み時に各扉体7 が突出する内側の長さL1が外
側の長さL2に対して長くなるように、その外側に偏位し
た位置でヒンジ軸22,24 が上下に貫通して固定されてい
る。つまり、車輪枠50は、ガイドレール5 に対して折り
畳み時の扉体7 の突出方向側に大きく張り出している。
【0029】各支持ブラケット51は板状であって、車輪
枠50から下方に突出するように、車輪枠50の端面にネジ
58により固定されている。各支持ブラケット51には左右
一対のネジ孔60が形成されている。各車輪ブラケット52
も板状であって、この各車輪ブラケット52には下部に車
軸53が水平に固定されると共に、支持ブラケット51の各
ネジ孔60に対応する左右一対の長孔59が車軸53の両側に
上下方向に形成されている。そして、各車輪ブラケット
52は、各支持ブラケット51の外側面に当接させた状態
で、車輪ブラケット52側から各長孔59に挿入され且つ支
持ブラケット51のネジ孔60に螺合する一対のボルト61に
より、支持ブラケット51に上下調整可能に装着されてい
る。
【0030】車軸53は車輪ブラケット52のネジ孔62に螺
合するボルトにより構成され、車輪ブラケット52に片持
ち状に固定されている。なお、車軸53には、その頭部53
a と車輪ブラケット52との間にカラー89,90 とスプリン
グワッシャ91と平ワッシャ92が套嵌され、そのワッシャ
91,92 間でカラー89上に車輪54が車軸53の軸心廻りに回
転自在に套嵌されている。各車輪54はガイドレール5 の
両側で地面4 上を転動するようになっている。また支持
ブラケット51には、車軸53の先端に対応する部分に長孔
63が形成されている。
【0031】ストッパー55は門扉本体6 を折り畳んだ時
に各扉体7 が略平行になるように、各車輪支持装置13間
の間隔を確保するためのものであって、中央部の切り欠
き部64を介して車輪枠50に下側から十字状に結合されて
いる。振止部材56は、ガイドレール5 の走行用案内溝37
に嵌合するガイドローラにより構成され、車輪枠50の両
側でストッパー55に固定された縦軸65により回動自在に
取り付けられている。
【0032】なお、各縦軸65はボルトからなり、各スト
ッパー55に跨がってその下側に当接する固定板66を介し
て、各ストッパー55に下側からナット67,68 により固定
され、また固定板66はヒンジ軸22,24 の下部に固着され
ている。各ストッパー55の両端にはキャップ69が装着さ
れている。転倒阻止部材57は円板状であって、門扉本体
6 が内外方向に傾斜した時に、一対の転倒阻止レール部
43,44 の何れかに下側から係合するように、一対の走行
用案内溝37内でヒンジ軸22,24 の下端にネジ70により固
定されている。
【0033】被案内部材12は、図3、図13及び図14
に示すように、ガイドレール5 の屈折防止用案内溝38に
嵌合するガイドローラにより構成され、縦軸71の下端部
に回転自在に套嵌されている。縦軸71は上端部が一対の
リンク72の交差部に回動自在に挿入され、この縦軸71に
より各リンク72が屈伸自在に枢支連結されている。各リ
ンク72の基部側は、奇数番目のヒンジ手段8 を挟む両側
の扉体7 の端部近傍で下側に固定されたボス部73に枢軸
74により回動自在に枢支されている。なお、枢軸74はボ
ルト等により構成されている。
【0034】一対のリンク72の内、吊り元側の扉体7 に
枢支されたリンク72は、図13及び図14に示すよう
に、縦軸71を越えて真っ直ぐに延びており、その先端部
に補助車輪20が設けられている。補助車輪20はリンク72
の先端に固定された首振り軸75廻りにブラケット76が回
動自在に支持されたキャスター構造になっており、この
補助車輪20によって門扉本体6 の折り畳み時に、奇数番
目のヒンジ手段8 側で各扉体7 の荷重を受けるようにな
っている。
【0035】第1規制手段18は、図9乃至図12に示す
ように、上下の各案内板27の下側で吊り元側支柱1 に固
定された上下一対の規制板77と、この規制板77に対応し
てヒンジ軸26の各軸部材33に一体に形成された規制突部
78とにより構成されている。各規制板77には、各案内板
27の長孔34と上下に対応し且つヒンジ軸26の軸部材33が
回動自在に挿通される長孔79と、この長孔79から門扉本
体6 の外側に凹入し且つ軸部材33の規制突部78の回動を
許容する回動許容凹部80が形成され、この回動許容凹部
80の戸当たり側に、規制突部78が当接して軸部材33の長
孔79への進入を規制する規制段部81が形成されている。
【0036】そして、この第1規制手段18は、門扉本体
6 の伸長時に、第3番目の被案内部材12が案内凹部48の
第1蹴込案内手段16に入るまで、規制段部81に軸部材33
の規制突部78が当接してヒンジ軸26の戸当たり側への移
動を規制して、第3番目の被案内部材12が第1蹴込案内
手段16に入るように、第6番目の扉体7 をヒンジ軸26廻
りにガイドレール5 側に回動させるようになっている。
各規制板77は、案内板27と共にボルト82により吊り元側
支柱1 に固定されている。
【0037】第2規制手段19は、図1及び図2に示すよ
うに、第2番目及び第4番目の扉体7 に固定された係止
突部83と、この各係止突部83を係脱自在に係止する規制
部材84とから構成されている。各係止突部83は扉体7 の
吊り元側近傍において門扉本体6 の内側で下方に突出し
ている。規制部材84は、図11に示すように、下側の案
内板27と規制板77との間に対応する高さで吊り元側支柱
1 の下部内側にボルト85により固定されている。
【0038】規制部材84は、図9乃至図12に示す如
く、門扉本体6 の伸長時に戸当たり側で各係止突部83を
係脱自在に係止するように、戸当たり側に移るに従って
門扉本体6 側に湾曲する規制案内面86を備えた平面視つ
の字状に形成されており、門扉本体6 の伸長時に係止突
部83よりも戸当たり側の被案内部材12が第2蹴込案内手
段17の案内凹部49に入るまで、各扉体7 の戸当たり側へ
の移動を規制するように構成されている。なお、戸当た
り側端枠10には、把手87と施錠手段88とが設けられてい
る。
【0039】上記構成の折り戸において、出入り口3 を
閉じる時には、図1及び図2に示すように、門扉本体6
を最大伸長状態まで伸ばし、その戸当たり側端枠10を戸
当たり側支柱2 に当接させる。この時、吊り元側のヒン
ジ軸26は、図16に示すように、案内板27の長孔34の戸
当たり側端部に位置し、また第1番目及び第2番目の各
被案内部材12は図3に示すようにレール板36の屈折防止
用案内溝38に、第3番目の被案内部材12は図15に示す
ように案内ブロック46の屈折防止用案内溝38に夫々入っ
ている。
【0040】従って、門扉本体6 に内外方向の外力が作
用しても、門扉本体6 の各扉体7 は各被案内部材12と屈
折防止用案内溝38とによって屈折不能にロックされてお
り、各扉体7 が不安定に屈折することがない。この時、
門扉本体6 を内外方向に転倒させるように、各扉体7 の
上部側等に転倒方向(内外方向)の外力が作用しても、
偶数番目のヒンジ手段8 の下部に車輪支持装置13があ
り、この各車輪支持装置13の車輪54間で車輪枠50の下側
に設けた転倒阻止部材57がガイドレール5 の転倒阻止レ
ール部43,44 に下側から係合するようになっているの
で、門扉本体6 は転倒阻止部材57が転倒阻止レール部4
3,44に係合する角度まで傾くだけであって、内外方向に
転倒することはない。
【0041】また、例えば門扉本体6 が外側に転倒しよ
うとする場合には、外側の車輪54を支点として反対側が
浮き上がろうとするのを転倒阻止部材57がガイドレール
5 の転倒阻止レール部43,44 に係合して阻止する。この
ため、車輪54と転倒阻止レール部43,44 との間隔が変化
して小さくなれば、転倒阻止部材57及び転倒阻止レール
部43,44 に強大な負荷が懸かり、それらが変形又は破損
することになる。
【0042】しかし、各車輪支持装置13の車輪枠50は、
一対の振止部材56によりガイドレール5 に対して略直角
状態にあって、その角度が殆ど変化しないので、車輪枠
50の両端の車輪54とガイドレール5 の各転倒阻止レール
部43,44 との間の間隔が常時略一定になる。従って、内
外何れの場合であっても、門扉本体6 の転倒防止時に、
転倒阻止部材57及び転倒阻止レール部43,44 に懸かる負
荷は一定で変化しないので、転倒阻止部材57及び転倒阻
止レール部43,44 に強大な負荷が懸かって、それらが変
形又は破損するようなことがなく、転倒阻止部材57及び
転倒阻止レール部43,44 の耐久性が向上する。
【0043】門扉本体6 を折り畳んで出入り口3 を開け
る場合は、戸当たり側端枠10の把手87を把持し、門扉本
体6 全体をガイドレール5 に沿って図1のa矢示方向に
押すと、各車輪支持装置13の一対の車輪54がガイドレー
ル5 の両側を転動して、門扉本体6 全体がa矢示方向に
移動する。この移動開始時に、吊り元側のヒンジ軸26の
各軸部材33は、図16に示す位置から図17に示す状態
を経て図18に示す状態まで、案内板27の長孔34に沿っ
てa矢示方向に直線的に移動する。
【0044】そして、門扉本体6 が図17に示す状態ま
で移動する間に、先ず第3番目の被案内部材12が屈折防
止用案内溝38から外れて第1蹴出案内手段14側に移動
し、その後、軸部材33の規制突部78が案内板27の規制段
部81を越えて回動許容凹部80側に達すると共に、第3番
目の被案内部材12が第1蹴出案内手段14側に当接する。
【0045】このため、門扉本体6 が続いてa矢示方向
に移動すると、図18に示すように第3番目の被案内部
材12が第1蹴出案内手段14の傾斜面に沿ってb矢示方向
に移動して、この第3番目の被案内部材12が案内凹部48
から外部へと蹴り出されて行くので、第5番目のヒンジ
手段8 の両側の各扉体7 は、この第5番目のヒンジ手段
8 のヒンジ軸22を支点として谷折り状に屈折し始める。
この時、第6番目の扉体7 は吊り元側のヒンジ軸26を支
点としてc矢示方向に回動し、また第5番目の扉体7 は
第4番目のヒンジ手段8 のヒンジ軸22を支点としてd矢
示方向に回動する。
【0046】しかし、このように第6番目の扉体7 と第
5番目の扉体7 とが屈折を開始しても、戸当たり側のヒ
ンジ手段9 、第2番目及び第4番目の各ヒンジ手段8 の
下部には夫々車輪支持装置13があり、この各車輪支持装
置13がガイドレール5 に沿ってa矢示方向に走行するの
で、第5番目の扉体7 が第4番目のヒンジ手段8 のヒン
ジ軸22廻りに回動するだけであって、第4番目から戸当
たり側の各扉体7 は、依然として直線状態のままであ
る。
【0047】勿論、各被案内部材12が屈折防止用案内溝
38に入っているので、第4番目から戸当たり側の各扉体
7 は内外方向に屈折不能である。門扉本体6 の戸当たり
側端枠10を更に移動させて第3番目の車輪支持装置13が
吊り元側支柱1 の近傍まで達すると、第6番目の扉体7
と第5番目の扉体7 は、図19に示すように吊り元側支
柱1 の近傍で鋭角状に屈折する。
【0048】従って、戸当たり側を僅かに開けて出入り
する場合には、吊り元側の2枚の扉体7 を屈折させるだ
けで良く、必ずしも門扉本体6 の全体を折り畳む必要は
ない。またこの状態でも、吊り元側の2枚の扉体7 を除
き、門扉本体6 の殆どは、最大伸長時と同様に直線状態
になっているので、門扉本体6 の全体に亘って各扉体7
が略同時に屈折する従来のものに比較して外観上の体裁
が非常に良好である。
【0049】第3番目の車輪支持装置13が図19に示す
位置まで移動する時、第2規制手段19の係止突部83は規
制部材84と干渉することなくその外側を通過する。即
ち、係止突部83が規制部材84の先端を通過する時点で
は、第2番目の被案内部材12が第2蹴出案内手段15の傾
斜面に到達しておらず、第4番目の扉体7 がガイドレー
ル5 と平行状態のままであるため、係止突部83は規制部
材84と干渉することなく、その先端の外側を吊り元側へ
とa矢示方向に通過する。
【0050】図19に示すように、第2番目の被案内部
材12が第2蹴出案内手段15の傾斜面に到達した後、更に
全体をa矢示方向に押すと、第2番目の被案内部材12が
第2蹴出案内手段15の傾斜面に案内されて案内凹部49か
らガイドレール5 の外部へと蹴り出されるので、その移
動に伴って第4番目の扉体7 と第3番目の扉体7 とが第
2番目のヒンジ手段8 で谷折り状に屈折して行く。この
時、第6番目の扉体7と第5番目の扉体7 とが略平行状
態まで屈折すると共に、第5番目の扉体7 と第4番目の
扉体7 は、第4番目のヒンジ手段8 で山折り状に屈折す
る。
【0051】以下、戸当たり側端枠10を吊り元側へと押
して行くと、同様にして第3番目から戸当たり側の各扉
体7 も順次屈折し、図20に示すように、吊り元側の近
傍に門扉本体6 の全ての扉体7 をジグザグ状に折り畳む
ことができる。
【0052】各扉体7 はガイドレール5 に沿って直線状
態のままで吊り元側の近傍まで移動して、その吊り元側
から順次ジグザグ状に折り畳んで行くので、各扉体7 の
折り畳みに必要なスペースは、吊り元側の近傍でガイド
レール5 の内側に確保すれば十分であり、門扉本体6 の
各扉体7 を同時にジグザグ状に折り畳んで行く従来のも
のに比較して、ガイドレール5 の長手方向の全体に亘っ
てスペースを確保する必要がない。このため、建造物等
の障害物の近傍に近接させて配置することができ、デッ
ドスペースの発生を極力少なくできる。
【0053】また折り畳み状態では、各車輪支持装置13
のストッパー55が互いに当接して、各扉体7 は略平行に
なる。このため、扉体7 同士が互いに接触したり、各ヒ
ンジ手段8 に無理な外力が懸かったりすることがなくな
ると同時に、各扉体7 を整然とコンパクトに折り畳むこ
とができる。
【0054】各被案内部材12は、各奇数番目のヒンジ手
段8 のヒンジ軸22の内側近傍にあり、その両側の各扉体
7 との間隔が略同じである上に、この被案内部材12をリ
ンク72を介して両側の各扉体7 に連結しているので、各
蹴出案内手段14,15 の傾斜面で各被案内部材12を蹴り出
す場合に、その蹴り出し力が両側の各扉体7 に対して略
均等に作用し、奇数番目のヒンジ手段8 の両側の各扉体
7 を円滑に谷折り状に屈折させることができる。
【0055】各門扉本体6 の折り畳み状態では、各扉体
7 は、吊り元側のヒンジ軸26と車輪支持装置13を有する
偶数番目のヒンジ手段8 がガイドレール5 側に位置し、
奇数番目のヒンジ手段8 側がガイドレール5 から最も離
れるように、隣り合うヒンジ手段8 間の間隔分だけガイ
ドレール5 から内側に突出する。
【0056】しかし、各奇数番目のヒンジ手段8 側には
リンク72を介して補助車輪20があり、この補助車輪20で
各扉体7 の荷重を支持しているので、各ヒンジ手段8,9,
11、車輪支持装置13等に大きな荷重が懸からず、各ヒン
ジ手段8,9,11、車輪支持装置13及びガイドレール5 の負
担を軽減することができると共に、各扉体7 の折り畳み
状態での安定性が向上する。
【0057】各扉体7 を折り畳み状態から伸長させて門
扉本体6 を伸長させる場合には、戸当たり側端枠10の把
手87を把持して、この戸当たり側端枠10をe矢示方向に
移動させる。すると戸当たり側の第1番目の車輪支持装
置13がガイドレール5 に沿ってe矢示方向に移動し、こ
の第1番目の車輪支持装置13と第2番目の車輪支持装置
13との間の間隔が広がるので、第1番目の扉体7 と第2
番目の扉体7 とが各ヒンジ手段8,9 のヒンジ軸22,24 廻
りに回動して直線状態へと伸長して行く。そして、この
第1番目の扉体7 と第2番目の扉体7 とが直線状態にな
れば、第2番目のヒンジ手段8 を介して第2番目の車輪
支持装置13がe矢示方向に移動して、同様に第3番目の
扉体7 と第4番目の扉体7 とが直線状態へと伸長して行
く。
【0058】この場合、第1番目及び第3番目の各ヒン
ジ手段8 の両側の扉体7 が直線状態に伸長する前に、第
2番目及び第4番目の各扉体7 に装着された各係止突部
83が吊り元側支柱1 の規制部材84により係止されるの
で、第1番目及び第3番目の各ヒンジ手段8 の近傍にあ
る第1番目及び第2番目の各被案内部材12が第2蹴込案
内手段17の傾斜面に案内されて案内凹部49から屈折防止
用案内溝38内に進入する。
【0059】例えば、図21は第4番目の扉体7 に装着
した係止突部83が規制部材84に係合して、第4番目の扉
体7 がガイドレール5 に沿ってe矢示方向に移動しない
ように係止した状態を示す。伸長時に第4番目の扉体7
は、第5番目の扉体7 との相対角度が大になるに伴っ
て、第4番目のヒンジ手段8 のヒンジ軸22廻りにf矢示
方向に回動しながらe矢示方向に移動する。
【0060】そして、第4番目の扉体7 が或る位置まで
移動すると、規制部材84の先側がガイドレール5 の走行
用案内溝37側につの字状に湾曲しているので、第4番目
の扉体7 の係止突部83が規制部材84の規制案内面86に当
接し、第4番目の扉体7 はe矢示方向に移動しないよう
に係止された状態となる。このため、4番目の扉体7
は、第5番目の扉体7 との相対角度が大になるように、
第4番目のヒンジ手段8 のヒンジ軸22を支点としてf矢
示方向に回動し、第2番目の被案内部材12を案内凹部49
内へと進入させて行く。
【0061】この時、規制部材84の規制案内面86は、第
4番目のヒンジ手段8 のヒンジ軸22を中心とする円弧状
に形成されているので、係止突部83と規制部材84との間
で拗れ等が生じるようなこともなく、係止突部83は規制
案内面86に沿って円滑に案内されて行く。そして、この
第2番目の被案内部材12が案内凹部49に入ると、係止突
部83が規制部材84の規制案内面86から外れて係止状態が
解除されるので、第4番目の扉体7 はe矢示方向に移動
し、この移動に伴って第2番目の被案内部材12が第2蹴
込案内手段17の傾斜面に当接した後、屈折防止用案内溝
38へと進入する。
【0062】一方、係止突部83が規制部材84により係止
状態にある時には、図23に仮想線で示すように、吊り
元側のヒンジ軸26の規制突部78が案内板27の規制段部81
に当接しているため、吊り元側のヒンジ軸26が規制段部
81を越えてe矢示方向に移動することはない。
【0063】そして、第4番目の扉体7 の係止突部83が
規制部材84から離脱した後、第4番目の扉体7 がe矢示
方向に移動すれば、第5番目及び第6番目の各扉体7 が
直線状に伸長して行く。しかし、第6番目の扉体7 はe
矢示方向には移動できないので、規制突部78が規制段部
81に当接した状態のままで吊り元側のヒンジ軸26と一体
にg矢示方向に回動し、図22に示すように、第3番目
の被案内部材12を案内凹部48内へと案内して行く。
【0064】第3番目の被案内部材12が案内凹部48内に
入ると、規制突部78が図23に示すように規制板77の長
孔79と平行状態に近くなり、規制段部81による規制が解
除されるので、その長孔79の範囲内で第6番目の扉体7
がe矢示方向に移動し、この移動に伴って第3番目の被
案内部材12が第1蹴込案内手段16の傾斜面に当接した
後、屈折防止用案内溝38へと進入する。
【0065】これで門扉本体6 の各扉体7 が全て伸長し
てガイドレール5 に沿って直線状になり、また各被案内
部材12がガイドレール5 の屈折防止用案内溝38に入って
ロックされるので、各扉体7 は屈折不能になる。このよ
うに、門扉本体6 の屈折状態から各扉体7 を伸長させて
直線状に延ばす場合にも、戸当たり側端枠10の把手87を
もって戸当たり側支柱2 側へと移動させれば、各扉体7
を戸当たり側から順次伸長させることができる。
【0066】各車輪支持装置13の車輪枠50は、偶数番目
のヒンジ手段8 のヒンジ軸22から内側の長さL1が外側の
長さL2よりも大になっており、各扉体7 の折り畳み状態
において、車輪枠50の内側の車輪54が各扉体7 の突出方
向にガイドレール5 から大きく離れているので、折り畳
み状態における全体の重心がガイドレール5 の上方から
内側に離れるにも拘わらず、その重心位置を内側の車輪
54とガイドレール5 との間に設定することができる。こ
のため、折り畳み状態の各扉体7 を安定性良く支持でき
ると共に、転倒阻止部材57をガイドレール5 の転倒阻止
レール部43,44に常時係合させておく必要がなく、各扉
体7 の折り畳み動作を容易且つ円滑にすることができ
る。
【0067】車輪支持装置13の車輪枠50は、その両側の
ストッパー55に設けた各振止部材56がガイドレール5 の
走行用案内溝37内を移動するので、ガイドレール5 に対
して略直角状態に保たれており、不安定に振れ動くこと
がない。従って、各車輪54とガイドレール5 との間の間
隔が常に一定すると同時に、車輪54がガイドレール5か
ら内側に大きく離れるように、車輪枠50の長さが大であ
るにも拘わらず、各車輪54を支持する車軸53の方向が一
定して、各車輪54をガイドレール5 と平行に円滑に転動
させることができる。
【0068】更に、各車輪支持装置13は、車輪枠50の両
端の支持ブラケット51に装着された車輪ブラケット52の
下部に片持ち状で水平に突出させ、その車軸53に車輪54
を套嵌しているので、車輪枠50の地上高を低く抑えるこ
とができる。このため、各扉体7 を含む門扉本体6 の下
側の隙間を小さくでき、しかも門扉本体6 の重心を低く
できるので、門扉本体6 の安定性が向上する。
【0069】また各車輪ブラケット52は、車輪枠50の両
端の支持ブラケット51に上下調整自在に装着しているた
め、ガイドレール5 の両側で地面4 が傾斜する等、地面
4 に高低差がある場合にも、それに応じて両側の車輪54
の高さを上下に調整して、車輪枠50を水平にすることが
できる。
【0070】図24は本発明の第2実施例を例示し、ガ
イドレール5 の内外で地面4 に段差がある箇所に折り戸
を設置したものである。地面4 に段差がある場合には、
各車輪ブラケット52が支持ブラケット51に対して上下調
整自在であるので、設置現場での地面4 側の高低差に応
じて各車輪ブラケット52を支持ブラケット51に対して上
下に調整する。例えば図24に示すような場合であれ
ば、地面4 が低い外側の車輪ブラケット52を支持ブラケ
ット51に対して下げ、高い内側の車輪ブラケット52を支
持ブラケット51に対して上げて、その各位置で車輪ブラ
ケット52をボルト61により支持ブラケット51に固定す
る。
【0071】このように各車輪ブラケット52を地面4 側
の段差に応じて上下に調整すれば、地面4 に段差があっ
ても、門扉本体6 、ヒンジ軸22等を傾斜することなく鉛
直状態にすることができるので、地面4 の段差に関係な
く折り戸を容易に設置することができる。地面4 が内外
方向に傾斜する場合でも同様である。
【0072】図25及び図26は本発明の第3実施例を
例示し、伸縮式門扉に採用したものである。門扉本体6
は多数本の長縦桟93と短縦桟94とを伸縮方向に交互に配
置すると共に、この各長縦桟93と短縦桟94とを伸縮自在
に連結する上下二組のパンタグラフ機構95,96 を備えて
いる。門扉本体6 の吊り元側はヒンジ手段97を介して吊
り元側支柱98に連結され、戸当たり側は施錠手段99を介
して戸当たり側支柱100 に係脱可能になっている。そし
て、この門扉本体6 の途中の長縦桟93には、落とし棒装
置101 と車輪支持装置13とが二組ずつ設けられている。
各縦桟93,94 は下側が開放する逆U字状に構成され、こ
の逆U字状の縦桟93,94 内にパンタグラフ機構95,96 が
設けられている。
【0073】車輪支持装置13は、第1実施例と同様に、
車輪枠50、支持ブラケット51、車輪ブラケット52、車軸
53及び車輪54等により構成されている。車輪枠50は逆U
字状に構成された長縦桟93の前後の脚部93a,93b を前後
に連結するように、その各脚部93a,93b の下端に固定さ
れている。このように伸縮式門扉においても、その長縦
桟93の脚部93a,93b の下端に車輪枠50を固定する等の構
造を採用すれば、第1実施例と同様に実施することがで
きる。
【0074】図27及び図28は本発明の第4実施例を
例示し、複連引き戸式門扉に採用したものである。門扉
本体6 は横方向に長い矩形格子状に構成された3個の扉
体102 を伸縮自在に連結し、その各扉体102 の下部に車
輪支持装置13を備え、地面4に敷設されたガイドレール5
に沿って各扉体102 を伸縮移動させるようになってい
る。
【0075】3個の扉体102 の内、その引出し端側の扉
体102 には、長手方向の両端に車輪支持装置13と、この
車輪支持装置13上で扉体102 を支持する門型の支持枠10
3 とが設けられ、また他の2個の扉体102 には、この引
出し端側の扉体102 とは反対の他端側に、同様の車輪支
持装置13と支持枠103 とが夫々設けられている。各扉体
102 は後側が開放するチャンネル状の横枠部材104 を上
下両側又は一方に備え、その横枠部材104 に隣側の扉体
102 の一端側に設けられたガイドローラ105 が転動自在
に嵌合されている。
【0076】各車輪支持装置13は、第1実施例と同様
に、車輪枠50、支持ブラケット51、車輪ブラケット52、
車軸53及び車輪54等により構成されている。そして、各
車輪支持装置13の前後一対の各車輪54は、地面4 側に敷
設された前後一対のガイドレール5 に沿って移動自在で
ある。各車輪支持装置13の車輪枠50は、門型状に構成さ
れた各支持枠103 の前後の脚部103a,103b を前後に連結
するように、その各脚部の下端に固定されている。また
各車輪支持装置13には、ガイドレール5 の溝部に係合し
て扉体102 の転倒を防止するための転倒防止具106 が設
けられている。
【0077】このように複連引き戸式の門扉において
も、その支持枠103 の脚部103a,103bの下端に車輪枠50
を固定する等の構造を採用すれば、第1及び第2実施例
と同様に実施することができる。なお、支持枠103 は省
略しても良い。
【0078】図29は本発明の第5実施例を例示し、車
輪ブラケット52に、2個の支持ブラケット108,109 を門
形状に固定し、車輪ブラケット52と支持ブラケット108,
109とにより車軸53を両持ち状に支持すると共に、この
支持ブラケット108,109 に、車輪54の保護カバー110 を
設けたものである。
【0079】即ち、2個の支持ブラケット108,109 は板
金材を逆L字状に折り曲げてなり、この両支持ブラケッ
ト108,109 は車輪54を内外の両側から挟むように、車輪
54の上側で折り曲げ部108a,109a 同士を上下に重ね合わ
せた状態で、その折り曲げ部108a,109a 同士がネジ111
により固定されている。そして、内側の支持ブラケット
108 は車輪ブラケット52に形成された凹部112 内で、車
軸53とネジ113 とによって車輪ブラケット52の側面に固
定され、また外側の支持ブラケット109 には車軸53が挿
入されて固定されている。
【0080】保護カバー110 は合成樹脂製であって、車
輪54等を前後、上方及び側方から覆うように、支持ブラ
ケット109 に外側から取り付け部114 のネジ115 で着脱
自在に固定されている。この実施例では、車輪ブラケッ
ト52に設けた支持ブラケット108,109 により、車輪54の
外側で車軸53を支持するため、車軸53の前後方向、上下
方向等への傾きを防止することができる。また保護カバ
ー110 で車輪54を覆っているため、車輪枠50の両側に車
輪54があるにも拘わらず安全性が向上し、しかも外観上
の体裁も良くなる。
【0081】以上、本発明の実施例について説明した
が、本発明はこの実施例に限定されるものではない。例
えば、第1実施例では、1本のヒンジ軸22を備えた一点
ヒンジ式のヒンジ手段8 で各扉体102 を屈折自在に連結
した門扉本体6 を例示しているが、ヒンジ手段には2個
の平行な支点を有する二点ヒンジ式のものを用いても良
い。また第1実施例では、その補助車輪20を省略するこ
ともできる。
【0082】更に、各実施例では、本発明を折り戸式門
扉、伸縮式門扉及び引き戸式門扉に採用した場合につい
て説明したが、何れもその一例であって、実施例の構造
の各門扉に限定されるものではないし、その他の形式の
門扉に採用することも可能である。車輪枠50と支持ブラ
ケット51は一体に構成しても良い。支持ブラケット51を
車輪枠50に設ける場合、一体、別体を問わず、支持ブラ
ケット51が車輪枠50の上下両側に突出するように設けて
も良い。
【0083】また各実施例では、支持ブラケット51と車
輪ブラケット52とを共に板状に構成しているが、例えば
支持ブラケット51を筒状に構成し、この支持ブラケット
51に車輪ブラケット52が下側から上下摺動自在に嵌合す
るように、車輪ブラケット52を棒状に構成する等、板状
以外の構造のものを用いても良い。車輪ブラケット52を
支持ブラケット51に固定するボルトは、支持ブラケット
51のネジ孔に螺合させているが、支持ブラケット51に貫
通孔を形成し、この貫通孔にボルトを貫通させ、ボルト
とこれに螺合するナットとによって、車輪ブラケット52
を支持ブラケット51に固定するようにしても良い。
【0084】
【発明の効果】請求項1に記載の本発明によれば、門扉
本体6の下部に地面4上を走行する車輪54を備えた門
扉において、門扉本体6の下部に、該門扉本体6の内外
方向の車輪枠50を設け、この車輪枠50の前記内外方
向の両端に、該車輪枠50よりも下方に突出する板状の
支持ブラケット51をネジ58により固定し、この支持
ブラケット51の車輪枠50よりも下側に左右一対のネ
ジ孔60を設け、支持ブラケット51の外側面に、下部
に車輪54を支持する車軸53が片持ち状に固定され且
つ該車軸53の両側に支持ブラケット51の各ネジ孔6
0に対応する左右一対の長孔59が上下方向に形成され
た板状の車輪ブラケット52を当接すると共に、車輪ブ
ラケット52側の各長孔59に挿入され且つ支持ブラケ
ット51の各ネジ孔60に螺合する左右一対のボルト6
1により、車輪ブラケット52を支持ブラケット51に
上下調整自在に装着し、車軸53を車輪ブラケット52
のネジ孔62に螺合するボルトにより構成し、支持ブラ
ケット51に、車軸53の先端に対応する部分に長孔6
3を形成しているので、次のような顕著な効果を奏する
ことができる。
【0085】 車輪54を支持する車軸53を下部に備え
た車輪ブラケット52を車輪枠50側の支持ブラケット51に
設けているので、車輪ブラケット52を逆U字状に構成
し、その車輪ブラケット52の上部に取り付け部を設けた
従来の構造に比較して、車輪54に対する車輪枠50の高さ
を低くすることができる。このため、門扉本体6 の高さ
が低くなり、門扉本体6 の下側の隙間を小さくできると
同時に、門扉本体6 の重心を低く下げることができ、門
扉本体6の開閉時は勿論のこと、門扉本体6 により出入
り口を閉じた時にも、門扉本体6 の安定性が向上する。
【0086】 車輪枠50の両端に支持ブラケット51が
あり、この各支持ブラケット51に各車輪ブラケット52を
上下調整自在に設けているので、ガイドレール5 の内外
で地面4 に段差、傾斜等がある場合には、その地面4 の
段差、傾斜等に応じて各支持ブラケット51を上下に調整
すれば良く、段差、傾斜等のある箇所でも、門扉本体6
を傾斜させることなく容易に設置することができる。
【0087】 車輪ブラケット52に車軸53を設け、そ
の車輪ブラケット52を車輪枠50の支持ブラケット51に上
下調整自在に取り付けているので、装置全体が大型化す
ることがなく、その上下調整も容易に行える。
【0088】 各車輪ブラケット52が車輪枠50の両端
の各支持ブラケット51に対して夫々上下調整自在である
ので、各車輪ブラケット52の調整代が少ない場合でも、
両者を調整することにより、その調整代を大きくとるこ
とができる。
【0089】
【0090】
【0091】
【0092】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す折り戸全体の平面図
である。
【図2】本発明の第1実施例を示す折り戸全体の正面図
である。
【図3】本発明の第1実施例を示す車輪支持装置の一部
切り欠き側面図である。
【図4】本発明の第1実施例を示す車輪支持装置の平面
図である。
【図5】図3のA−A線断面図である。
【図6】図3のB−B線断面図である。
【図7】本発明の第1実施例を示す戸当たり側端枠部分
の平面断面図である。
【図8】本発明の第1実施例を示す戸当たり側端枠部分
の正面図である。
【図9】本発明の第1実施例を示す吊り元側部分の平面
図である。
【図10】本発明の第1実施例を示す吊り元側部分の一
部切り欠き正面図である。
【図11】本発明の第1実施例を示す吊り元側部分の一
部切り欠き側面図である。
【図12】本発明の第1実施例を示す吊り元側部分の平
面図である。
【図13】本発明の第1実施例を示す案内手段部分の平
面図である。
【図14】本発明の第1実施例を示す案内手段部分の一
部切り欠き正面図である。
【図15】図13のC−C線断面図である。
【図16】本発明の第1実施例を示す折り畳み開始前の
説明図である。
【図17】本発明の第1実施例を示す折り畳み時の蹴り
出し前の動作説明図である。
【図18】本発明の第1実施例を示す折り畳み時の蹴り
出し中の動作説明図である。
【図19】本発明の第1実施例を示す折り畳み中の動作
説明図である。
【図20】本発明の第1実施例を示す折り畳み状態の説
明図である。
【図21】本発明の第1実施例を示す伸長動作時の説明
図である。
【図22】本発明の第1実施例を示す伸長動作時の蹴り
込み中の説明図である。
【図23】本発明の第1実施例を示す伸長動作時の規制
解除動作の説明図である。
【図24】本発明の第2実施例を示す車輪支持装置の側
面図である。
【図25】本発明の第3実施例を示す伸縮式門扉の正面
図である。
【図26】本発明の第3実施例を示す伸縮式門扉の側面
図である。
【図27】本発明の第4実施例を示す複連引き戸式門扉
の一部切り欠き平面図である。
【図28】本発明の第4実施例を示す複連引き戸式門扉
の側面図である。
【図29】本発明の第5実施例を示す車輪支持部の断面
図である。
【符合の説明】
4 地面 5 ガイドレール 6 門扉本体 13 車輪支持装置 7,102 扉体 8,9 ヒンジ手段 22,24 ヒンジ軸 50 車輪枠 51 支持ブラケット 52 車輪ブラケット 53 車軸 54 車輪 59 長孔 60 ネジ孔 61 ボルト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E06B 11/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 門扉本体6の下部に地面4上を走行する
    車輪54を備えた門扉において、門扉本体6の下部に、
    該門扉本体6の内外方向の車輪枠50を設け、この車輪
    枠50の前記内外方向の両端に、該車輪枠50よりも下
    方に突出する板状の支持ブラケット51をネジ58によ
    り固定し、この支持ブラケット51の車輪枠50よりも
    下側に左右一対のネジ孔60を設け、支持ブラケット5
    1の外側面に、下部に車輪54を支持する車軸53が片
    持ち状に固定され且つ該車軸53の両側に支持ブラケッ
    ト51の各ネジ孔60に対応する左右一対の長孔59が
    上下方向に形成された板状の車輪ブラケット52を当接
    すると共に、車輪ブラケット52側の各長孔59に挿入
    され且つ支持ブラケット51の各ネジ孔60に螺合する
    左右一対のボルト61により、車輪ブラケット52を支
    持ブラケット51に上下調整自在に装着し、車軸53を
    車輪ブラケット52のネジ孔62に螺合するボルトによ
    り構成し、支持ブラケット51に、車軸53の先端に対
    応する部分に長孔63を形成したことを特徴とする門扉
    の車輪支持装置。
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