JP3310550B2 - 温度補償水晶発振器およびその特性最適化方法 - Google Patents

温度補償水晶発振器およびその特性最適化方法

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JP3310550B2
JP3310550B2 JP20238196A JP20238196A JP3310550B2 JP 3310550 B2 JP3310550 B2 JP 3310550B2 JP 20238196 A JP20238196 A JP 20238196A JP 20238196 A JP20238196 A JP 20238196A JP 3310550 B2 JP3310550 B2 JP 3310550B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水晶発振器の発振周
波数の温度補償に関する。
【0002】
【従来の技術】電子機器の周波数あるいは時間の基準と
して、従来から水晶振動子を利用した水晶発振器が用い
られている。特に近年は、携帯電話をはじめとする移動
体通信用の水晶発振器の需要がますます増加している。
水晶振動子としては、周波数温度係数がほぼ零となるよ
うな種々の方位を有するものが知られているが、特に、
厚み滑り振動させたときの温度係数がほぼ零となるAT
板(ATカット水晶振動子)が多用されている。
【0003】一方、最近の電子機器では、機器の小型・
軽量化が求められ、高信頼性かつ高精度であることが望
まれている。このため、例えば水晶振動子を用いた水晶
発振器の発振周波数も高度に安定であることが望まれ、
特に温度変化に対して発振周波数が安定なことが要求さ
れている。
【0004】上述したように、水晶振動子としては、周
波数温度係数がほぼ零となるようなものが用いられてい
る。しかし、完全に零ではない。例えば厚み滑り水晶振
動子は、ほぼ3次曲線状の周波数−温度特性を有し、例
えば−30℃〜+70℃の温度変化に対して数十ppm
の周波数変化を呈する。この程度の周波数変化でも、高
精度の電子機器では重大な問題となる。このため、形状
が小型で、消費電力が低く、発振周波数のより安定な水
晶発振器が望まれている。
【0005】小型かつ低消費電力の温度補償水晶発振器
としては、大きく分けて、アナログ制御方式とディジタ
ル方式とが知られている。また、アナログ制御方式に
は、直接補償形のものと、間接補償形のものとが知られ
ている。
【0006】アナログ制御方式のうち間接補償形のもの
は、サーミスタにコンデンサを並列に接続した温度補償
回路を1個または2個、水晶発振子に直列に接続して、
温度変化による温度補償回路の等価直列容量の変化を利
用して温度補償を行う。また、直接補償形のものは、水
晶振動子に直列に接続した可変容量ダイオードに抵抗と
サーミスタとからなる回路網で発生させた制御電圧を与
え、間接補償形の場合と同様に等価直列容量の変化を利
用して温度補償を行う。
【0007】アナログ制御方式では、滑らかな温度特性
が得られ、良好な雑音特性が得られる。しかし、個々の
発振器および水晶振動子毎に電気的な回路定数を決定す
る必要があるため、水晶発振器を実際に恒温槽に入れて
温度を変化させながら発振周波数の変化を測定し、この
測定を回路定数の異なる部品に交換して繰り返す必要が
ある。このため、調整は面倒で、しかも長時間を要す
る。また、いったん実装した回路部品を異なる定数の回
路部品と交換する作業も極めて面倒であった。
【0008】一方、ディジタル制御方式では、温度特性
を補償するためのデータをあらかじめROMに記憶して
おき、温度センサにより測定された周囲温度に応じて、
水晶振動子に直列に接続した可変容量ダイオードに制御
電圧を与える。したがって、調整の自動化は容易であ
る。しかし、周波数がディジタル的に制御されるため、
量子化ノイズが発生する。ディジタル制御方式の温度補
償水晶発振器がディジタル通信の用途に使われたとき
は、位相の不連続な変化によりビットエラーを生じる可
能性がある。
【0009】アナログ制御方式とディジタル制御方式の
長所および短所を考慮し、温度センサの検出温度に対し
て非線形関数を発生し、この関数を制御信号として、水
晶振動子に直列に接続された可変容量素子の静電容量を
調整することが考えられている。例えばATカット水晶
振動子を用いる場合であれば、その発振周波数の温度特
性は3次関数で近似することができ、それを補償するた
めの関数もまた3次関数で与えられる。このような3次
関数を発生する回路は、半導体集積回路により容易に実
現できる。
【0010】水晶発振器および水晶振動子の温度特性の
バラツキに対しては、温度補償のための関数の各次数の
係数および定数をP−ROM(Programable Read Only
Memory、書き込み可能な読出専用メモリ)に格納してお
き、このP−ROMに格納する値を変更することで対応
する。
【0011】温度特性のバラツキに対し、非線形関数を
発生する半導体回路の回路素子をレーザトリミングによ
って調整したり、外付けの抵抗を調整することも考えら
れる。しかし、レーザトリミングでは調整装置が大がか
りになり、しかも調整は1度しか行うことができない。
また、外付けの抵抗を調整するものでは、作業の自動化
は難しく、可変抵抗などの形状の大きな部品を用いる必
要がある。したがって、これらは実用的ではない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】温度補償のための関数
の各次数の係数および定数を格納するP−ROMとして
は、関数を発生する半導体回路と同一プロセスで同一チ
ップ上に形成することができ、かつチップ面積が小さく
て製造コストが安価であることが望ましい。このような
観点からすると、いったん書き込んだデータを消去して
再びデータを書き込むことができるP−ROMの利用は
困難であり、データの書き込みを1度だけ行うことので
きる、いわゆるワンタイムP−ROMを用いざるを得な
い。
【0013】しかしながら、ワンタイムP−ROMは、
データの書き換えを行うことができないため、発振器を
組み立てた後に充分に温度特性を測定して係数および定
数を書き込むようにしても、必ずしも満足できる温度補
償特性を得られるとは限らない。このため、いったん不
適当なデータを書き込んでしまうと、その発振器は必要
な温度補償特性の得られない不良製品となってしまう。
【0014】本発明は、このような課題を解決し、半導
体集積回路を用いて温度補償のための関数を発生し、そ
の関数の係数および定数を発振回路の温度特性に応じて
P−ROMに書き込むことにより補償特性の調整が容易
で、しかも正確な温度補償を行うことができる温度補償
水晶発振器を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の温度補償水晶発
振器は、水晶振動子を用いた水晶発振回路と、この水晶
発振回路に接続され制御電圧の印加により容量が変化し
て水晶発振回路の発振周波数を調整する可変容量素子
と、この可変容量素子に周囲温度に応じた制御電圧を印
加して温度変化による前記水晶発振回路の発振周波数の
変動を補償する温度補償手段とを備えた温度補償水晶発
振器において、温度補償手段は、周囲温度に対して前記
可変容量素子に印加すべき制御電圧が近似されたあらか
じめ定められた次数の非線形関数を発生する関数発生回
路と、この非線形関数の係数および定数を前記水晶発振
回路およびその使用している水晶振動子に対応して記憶
する記憶手段とを含み、この記憶手段は、限られた回数
のデータの書き込みが可能な読出専用メモリと、この読
出専用メモリと切り替えて選択的に利用されるランダム
・アクセス・メモリとを含むことを特徴とする。
【0016】水晶発振回路にATカット水晶振動子を用
いる場合には、非線形関数として3次関数を用いる。
【0017】関数発生回路、読出専用メモリおよびラン
ダム・アクセス・メモリを同一チップ上に形成すること
が望ましい。
【0018】この温度補償水晶発振器の特性を最適化す
るには、ランダム・アクセス・メモリに非線形関数の係
数および定数を設定して温度補償水晶発振器の周囲温度
を変化させることにより温度補償特性を測定し、この測
定をランダム・アクセス・メモリに設定する係数および
定数を変化させて繰り返し、この繰り返し測定により得
られた最適値を読出専用メモリに書き込む。
【0019】また、温度変化を繰り返すのではなく、ラ
ンダム・アクセス・メモリに複数組の係数および定数を
設定しておき、1回の温度変化で特性を最適化すること
もできる。すなわち、周囲温度を変化させながら係数お
よび定数の組毎に温度補償水晶発振器の発振周波数を測
定し、この測定結果から数値解析を行って最適な係数お
よび定数を求め、得られた最適な係数および定数を読出
専用メモリに書き込んでもよい。
【0020】このようにして、水晶発振器が組み立てら
れた後に、温度補償特性の調整を正確に行うことができ
る。本発明の温度補償水晶発振器は、温度センサにより
検出された周囲温度に基づいて温度特性を補償するので
正確な補正が可能であり、アナログ非線形関数を用いる
ので量子ノイズの発生もない。また、ランダム・アクセ
ス・メモリを用いることで温度補償特性の調整を自動化
することができ、限られた回数のデータの書き込みが可
能な読出専用メモリ、特にワンタイムP−ROMを用い
ることで、1チップへの集積化が容易である。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施形態を示す図
であり、トランジスタを用いたコルピッツ型の水晶発振
回路に本発明を実施した例を示す。
【0022】この温度補償水晶発振器は、コルピッツ型
の発振回路1と、この発振回路1の入力に接続された水
晶振動子2とを備え、これらが水晶発振回路を構成す
る。ここでは、水晶振動子2としてAT板を用いるもの
とする。水晶発振回路の入力には、水晶振動子2に直列
に、制御電圧の印加により容量が変化してこの水晶発振
回路の発振周波数を調整する可変容量素子3を備える。
この可変容量素子3としては、例えば可変容量ダイオー
ド(バリキャップダイオード)を用いる。この温度補償
水晶発振器はさらに、可変容量素子3に周囲温度に応じ
た制御電圧を印加して温度変化による発振回路1の発振
周波数の変動を補償するため、3次関数発生回路4、温
度センサ5、P−ROM6およびRAM7を備える。
【0023】3次関数発生回路4は、温度センサ5によ
り検出された周囲温度に対し、P−ROM6またはRA
M7から与えられる3次関数の各次数の項の係数および
定数に応じた3次関数を発生し、可変容量素子3に制御
信号Vc として与える。P−ROM6は、レーザトリミ
ング、ツェナーザッピング、電流トリミング等により1
度だけデータの書き込みが可能ないわゆるワンタイムP
−ROMであり、いったん書き込まれたデータは電源の
供給を断たれても保持される。そして、このP−ROM
6と並列に、かつこのP−ROM6と切り替えて選択的
に利用できるように、RAM7が設けられる。このRA
M7はシリアルデータを復調してラッチ回路で固定化し
た出力を取り出す回路であり、I2 L技術あるいはBi
−CMOS技術を用いてリニア集積回路により実現でき
る。このRAM7は、電源が供給されている間はデータ
の書き込みおよび読み出しを任意に行うことができる
が、電源の供給を断たれると書き込んだデータは失われ
てしまう。3次関数発生回路4、P−ROM6およびR
AM7は、コスト、容積等の観点から、同一チップ上に
形成することが望ましい。
【0024】図2は温度補償していない水晶発振回路の
周波数温度特性の一例を示す。横軸は温度、縦軸はこの
特性の変曲点の周波数fに対する周波数偏移の割合Δf
/fを示す。この特性は、理想3次曲線で近似すること
ができる。また、その3次曲線の係数および定数に修正
を加えれば、発振周波数そのものを同様の式で表すこと
ができる。一般にATカット水晶振動子を用いた水晶発
振器の発振周波数fxは、近似的に周囲温度Tの3次関
数により、 fx =αx(T−T0x3 +βx(T−T0x)+γx …(1) と表される。ここで、αx 、βx 、γx は個々のATカ
ット水晶振動子に固有の定数であり、βx は水晶振動子
の切断角度に依存する。また、T0xは変曲点温度であ
り、通常は25℃前後である。
【0025】図3は可変容量素子3に印加する制御電圧
c に対する発振周波数の変化の割合Δf/fを示す。
可変容量素子3として可変容量ダイオードを用いた場
合、印加する制御電圧Vc に対する発振周波数の関係は
ほぼ直線的である。すなわち、定数Fv に対して、発振
周波数の変化Δfと制御電圧変化ΔVc との関係は、 Δf=Fv ・ΔVc …(2) で表される。発振周波数が目標周波数f0 となるように
補償するためには、 fx +Δf=αx(T−T0x3 +βx(T−T0x)+γx +Fv・ΔVc =f0 …(3) の関係が必要である。したがって、必要な補償電圧ΔV
c は、周囲温度Tの3次関数により、 ΔVc =α(T−T03 +β(T−T0)+γ …(4) と表される。ただし、 α=−αx/Fv、β=−βx/Fv、γ=−(γx−f0)/Fv 、 T0 =T0x …(5) である。
【0026】図4は3次関数発生回路4の出力電圧の温
度特性例を示す。3次関数発生回路4は、周囲温度Tに
対して理想3次曲線に近似する電圧を出力する。この電
圧は、 Vc ′=α′(T−T0′)3 +β′(T−T0′)+γ′ …(6) で表される。この式のα′、β′、γ′、T0 ′を
(5)式のα、β、γ、T0に一致させれば、最適な温
度補償が得られる。ただし、3次関数発生回路4は半導
体回路により作られているため、パラメータα′、
β′、γ′、T0 ′にはバラツキが生じる。また、水晶
振動子2についてもバラツキがあり、特にβx は切断角
度により比較的大きく変化する。そこで、3次関数発生
回路4のパラメータα′、β′、γ′、T0 ′をP−R
OM6あるいはRAM7に書き込み、その値によりバラ
ツキを調整する。
【0027】P−ROM6とRAM7とは、この温度補
償水晶発振器の動作モードにしたがって切り替えられ
る。この動作モードには、この温度補償水晶発振器の温
度特性を調整するときに用いられるエミュレーションモ
ードと、この温度補償水晶発振器を出荷した後に用いら
れる通常動作モードとがある。エミュレーションモード
では、最適な温度補償が得られる3次関数の係数および
定数(パラメータα′、β′、γ′、T0 ′)を見出す
ために、RAM7に記憶されたデータを用いる。これに
対して通常動作モードでは、あらかじめP−ROM6に
記憶されたデータを用いる。このデータが最適であれ
ば、最良の温度特性が得られる。
【0028】P−ROM6へのデータの書き込みは、温
度補償水晶発振器を組み立てた状態で、以下のように行
う。すなわち、組み立てられた温度補償水晶発振器を例
えば恒温槽に入れ、RAM7に3次関数の係数および定
数を書き込み、雰囲気温度を変化させて温度補償特性を
測定する。RAM7には任意に書き込みおよび読み出し
ができるので、必要とする温度補償特性が得られるま
で、何度でも係数および定数の変更を行うことができ、
その都度、温度補償特性の測定を行う。そして、最適な
係数および定数が得られたら、それらの係数および定数
をP−ROM6に書き込む。このようにすれば、温度補
償水晶発振器を組み立てた状態で温度補償特性の調整を
行うこときができ、温度特性に影響を与えるすべての要
因を含んで温度補償特性を調整でき、最適な温度補償曲
線を得るための係数および定数を容易に見い出すことが
できる。したがって、正確な温度補償を容易に行うこと
ができ、高性能の製品を安価に提供することができる。
【0029】すなわち、本実施形態では、目的周波数f
0 を発生させる制御電圧Vc および補償回路の出力電圧
c ′を測定する必要なしに、周波数測定のみで温度特
性の調整が可能である。したがって、従来の間接補償法
のように補償電圧を外部から入出力する端子を設ける必
要がなく、量産性を向上させるための多数個取り基板を
導入する場合に都合がよい。
【0030】図5は最適な係数および定数を得るための
作業をコンピュータにより自動化した例を示す。この例
では、温度補償水晶発振器10を恒温槽11に入れ、コ
ンピュータ12から温度補償水晶発振器10内のRAM
に3次関数の係数および定数を書き込み、コンピュータ
12の制御により恒温槽11内の温度を変化させ、周波
数測定器13により温度補償水晶発振器10の発振周波
数を測定する。この構成において、コンピュータ12
に、RAMへの係数および定数の書き込み、温度補償特
性の測定、係数および定数の最適化の手順をプログラム
しておくことにより、まったく人手を介することなく自
動化することができる。
【0031】また、RAMに非線形関数の係数および定
数を複数組設定し、周囲温度を変化させながら係数およ
び定数の組毎に温度補償水晶発振器10の発振周波数を
測定し、この測定結果から数値解析を行って最適な係数
および定数の値を求めることもできる。これについて、
式を用いて説明する。
【0032】温度補償水晶発振器10の発振周波数は、 f=fx+Fv・Vc′ =αx(T−T0x3 +βx(T−T0x)+γx +Fv ・{α′(T−T0′)3 +β′(T−T0′)+γ′} …(7) で表される。ここで、 α′=α0 (1+Δα) β′=β0 (1+Δβ) γ′=γ0 (1+Δγ) T0 ′=T00(1+ΔT0 ) と置くと、(7)式は、 f=a1・Δα+a2・ΔαΔT+a3・Δα・ΔT2 +a4・Δα・ΔT3 +a5・ΔT0 +a6・ΔT0 2 +a7・ΔT0 3 +a8・Δβ+a9・ΔβΔT0 +a10 …(8) という多項式で表現できる。この式から、一温度点につ
き係数および定数の組(パラメータα′、β′、γ′、
0 ′)10組以上について測定すれば、係数a1 〜a
10を求めることができる。同様にして、周囲温度4点以
上について係数a1 〜a10が求められる。このようにし
て、各温度点についての関数がわかり、さらにこの値が
周囲温度については3次関数であることから、4点での
測定値から周囲温度についての関数形も知ることがで
き、逐次近似による数値解析により最適な3次関数の係
数および定数を求めることができる。
【0033】以上の実施形態において、3次関数発生回
路4、P−ROM6、RAM7を同一チップ上に形成す
ることが困難な場合は、複数チップまたは複数素子に分
割してもよい。また、発振回路としてコルピッツ型を例
に説明したが、インバータを用いた回路や他の形式の回
路を用いても本発明を同様に実施できる。
【0034】
【実施例】図6は本発明の実施例を示す図であり、温度
補償水晶発振器の構造の一例を示す。この温度補償水晶
発振器は、ガラスエポキシ基板21上に、水晶振動子2
2と、3次関数発生回路、P−ROMおよびRAMから
なるLSI23と、可変容量ダイオード、抵抗、コンデ
ンサおよび温度センサとが搭載され、これらがカバー2
4内に収められる。3次関数発生回路の発生する3次関
数の係数および定数については、水晶振動子22とLS
I23とのバラツキを調整するように、その調整範囲
を、 α=−0.7〜−1.4μV/℃3 、4ビット β=0〜9mV/℃、6ビット γ=0.7〜1.9V、8ビット T0 =9〜46℃、5ビット とした。ここで、ビット数は、周囲温度−30℃〜+8
0℃において+−1.5ppmを満たすように決定し
た。
【0035】また、量産性を高めるために、温度補償水
晶発振器を1個ずつ作るのではなく、1枚のガラスエポ
キシ基板上に20個分の温度補償水晶発振器部品を搭載
し、組立、調整、封止、調整および検査まで一括して行
った。すなわち、最適パラメータをP−ROMに書き込
んで温度特性検査を行うまで一括して処理し、その後に
各温度補償水晶発振器に分割して最終検査を行った。
【0036】図7ないし図11は試作した温度補償水晶
発振器の特性例を示す。図7は13MHzにおける周波
数温度特性の代表例であり、従来のものと比較すると広
い温度範囲で良好な特性が得られている。図8は周波数
電源電圧特性を示す。広い範囲にわたって周波数が安定
していることがわかる。図9は消費電源電圧特性、図1
0は出力波形、図11は位相ノイズ特性を示す。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
水晶発振器が組み立てられた後に、温度補償特性の調整
を正確に行うことができる。本発明の温度補償水晶発振
器は、温度センサにより検出された周囲温度に基づいて
温度特性を補償するので正確な補正が可能であり、アナ
ログ非線形関数を用いるので量子ノイズの発生もない。
また、RAMを用いることで温度補償特性の調整を自動
化することができ、限られた回数のデータの書き込みが
可能な読出専用メモリ、特にワンタイムP−ROMを用
いることで、1チップへの集積化が容易である。したが
って、小型かつ軽量で高信頼性かつ高精度の温度補償水
晶発振器を安価に量産できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す図。
【図2】温度補償していない水晶発振回路の周波数温度
特性の一例を示す図。
【図3】可変容量素子に印加する制御電圧Vc に対する
発振周波数の変化の割合Δf/fを示す図。
【図4】3次関数発生回路の出力電圧の温度特性例を示
す図。
【図5】最適な係数および定数を得るための作業をコン
ピュータにより自動化した例を示す図。
【図6】本発明の実施例を示す図であり、温度補償水晶
発振器の構造の一例を示す図。
【図7】試作した温度補償水晶発振器の13MHzにお
ける周波数温度特性を示す図。
【図8】試作した温度補償水晶発振器の周波数電源電圧
特性を示す図。
【図9】試作した温度補償水晶発振器の消費電源電圧特
性を示す図。
【図10】試作した温度補償水晶発振器の出力波形を示
す図。
【図11】試作した温度補償水晶発振器の位相ノイズ特
性を示す図。
【符号の説明】
1 発振回路 2 水晶振動子 3 可変容量素子 4 3次関数発生回路 5 温度センサ 6 P−ROM 7 RAM 10 温度補償水晶発振器 11 恒温槽 12 コンピュータ 13 周波数測定器 21 ガラスエポキシ基板 22 水晶振動子 23 LSI 24 カバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 誠 埼玉県狭山市大字上広瀬1275番地の2 日本電波工業株式会社 狭山事業所内 (72)発明者 松波 太郎 埼玉県狭山市大字上広瀬1275番地の2 日本電波工業株式会社 狭山事業所内 (72)発明者 渋谷 修寿 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 竹内 久人 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−155312(JP,A) 特開 平7−273546(JP,A) 特開 平3−226103(JP,A) 特開 平6−21720(JP,A) 特開 平2−202719(JP,A) 特開 平1−198807(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03B 5/32

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水晶振動子を用いた水晶発振回路と、 この水晶発振回路に接続され制御電圧の印加により容量
    が変化して前記水晶発振回路の発振周波数を調整する可
    変容量素子と、 この可変容量素子に周囲温度に応じた制御電圧を印加し
    て温度変化による前記水晶発振回路の発振周波数の変動
    を補償する温度補償手段とを備えた温度補償水晶発振器
    において、 前記温度補償手段は、 温度センサにより検出された周囲温度に対して前記可変
    容量素子に印加すべき制御電圧が近似された非線形関数
    を発生する関数発生回路と、 この非線形関数の係数および定数を前記水晶発振回路お
    よびその使用している水晶振動子に対応して記憶する記
    憶手段とを含み、 この記憶手段は、温度特性を調整するときに用いられ、前記非線形関数の
    係数および定数が繰り返しまたは複数組設定されるラン
    ダム・アクセス・メモリと、 限られた回数のデータが書き込み可能であり、前記ラン
    ダム・アクセス・メモリに設定された値を用いて行われ
    た測定により得られた最適な係数および定数が書き込ま
    れる読出専用メモリと を含むことを特徴とする温度補償
    水晶発振器。
  2. 【請求項2】 前記水晶発振回路に用いられる水晶振動
    子はAT板であり、前記非線形関数は3次関数である請
    求項1記載の温度補償水晶発振器。
  3. 【請求項3】 前記関数発生回路、前記読出専用メモリ
    および前記ランダム・アクセス・メモリが同一チップ上
    に形成された請求項1記載の温度補償水晶発振器。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか記載の温度
    補償水晶発振器の特性を最適化する方法において、 前記ランダム・アクセス・メモリに前記非線形関数の係
    数および定数を設定して前記温度補償水晶発振器の周囲
    温度を変化させることにより温度補償特性を測定し、 この測定を前記ランダム・アクセス・メモリに設定する
    係数および定数を変化させて繰り返し、 この繰り返し測定により得られた最適値を前記読出専用
    メモリに書き込むことを特徴とする温度補償水晶発振器
    の特性最適化方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし3のいずれか記載の温度
    補償水晶発振器の特性を最適化する方法において、 前記ランダム・アクセス・メモリに前記非線形関数の係
    数および定数を複数組設定し、 周囲温度を変化させながら前記係数および定数の組毎に
    前記温度補償水晶発振器の発振周波数を測定し、 この測定結果から数値解析を行って最適な係数および定
    数を求め、 得られた最適な係数および定数を前記読出専用メモリに
    書き込むことを特徴とする温度補償水晶発振器の特性最
    適化方法。
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