JP3310089B2 - ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法

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JP3310089B2 JP00471294A JP471294A JP3310089B2 JP 3310089 B2 JP3310089 B2 JP 3310089B2 JP 00471294 A JP00471294 A JP 00471294A JP 471294 A JP471294 A JP 471294A JP 3310089 B2 JP3310089 B2 JP 3310089B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化銀写真感光
材料の処理方法に関するものであり、特に、水洗水や安
定液の低補充や閑散処理時においても安定性の優れた処
理方法を提供することにある。
【0002】
【従来の技術】一般にハロゲン化銀写真感光材料(以
降、感光材料と呼ぶ場合がある)は、画像露光の後に、
黒白やカラー現像工程、漂白、定着、安定、水洗、漂白
定着等の各種処理工程にて処理されるが、これらの処理
液とりわけ水洗水や安定浴のような塩濃度の比較的低い
液はカビやバクテリアが発生しやすく、防黴剤(防バイ
剤)添加等の対策がとられている。また、近年の水資源
の不足、上下水道料金の高騰等の経済的理由或いは写真
廃液の環境上の理由より、大量の水洗水を用いた処理方
法に対して、水洗水等の補充量を大幅に低減する節水技
術が各種検討されている。とりわけ、水洗水を大幅に低
減する技術としては、特開昭62−288838号に記
載のカルシウムやマグネシウムを低減させて、腐敗防止
を行いつつ、大幅に水洗水量を低減する技術が開示され
ている。また、安定液を水洗工程の代わりに用い補充量
を大幅に低減する、いわゆる安定化処理工程が特開昭5
7─8543号、同58−14834号、同60─22
0345号等に開示されている。
【0003】なるほど、上記方法にて補充量の大幅低減
は可能となるが、処理タンク内にあるタンク液の滞留時
間は大幅に延びるために、従来にましてカビやバクテリ
アが発生しやすくなり、また、処理液の対流時間が長く
なるために、タンク液が劣化し、いわゆる硫化等の問題
が生じやすくなる。上記のカビやバクテリアの発生問題
を解決するために、各種防黴剤の添加が検討された。た
とえば、特公昭62−62334号記載の4−チアゾー
ル−ベンズイミダゾール類、特開昭61−39047号
記載のハロゲン化フェノール類、同62−75443号
記載のベンゾトリアゾール類、特開平1─26051号
記載の4−イソチアゾリン−3−オン類、特開昭59−
126533号記載の4−チアゾリルベンズイミダゾー
ル類、その他次亜塩素酸や塩素化イソシアヌル酸の様な
活性塩素放出剤が写真処理系に使用することが検討され
た。しかしながら、これらの防黴剤等の添加により、硫
化の発生が促進しされるという問題が発生したり、ある
いは処理済み感光材料の画像保存性を悪化させたりし
て、特に、前述したような節水処理仕様の系において
は、硫化問題がはなはだしく、満足できる結果を得たも
のは無い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、水洗水や安定液の低補充や閑散処理時においても安
定性が優れ硫化が起りにくい処理方法を提供することに
ある。
【0005】
【課題が解決するための手段】上記問題点は、以下の処
理方法を実施することにより、改良されることを見出し
た。即ち、像露光されたハロゲン化銀写真感光材料を現
像処理する方法において、水洗水または安定液として二
酸化塩素および1×10-4〜1モル/リットルのチオ硫
酸塩を含有した水洗水または安定液を用い、かつ、該水
洗水または該安定液の補充量を前記感光材料によって前
浴から持込まれる処理液量の1.0〜20倍量として処
理することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の処
理方法。
【0006】以下本発明の詳細を説明する。本発明の二
酸化塩素は、市販品の物を用いることができるが、一般
に化合物自身が不安定なために、化合物が各種無機塩
(例えば、ボウ硝)や安定化剤にて安定化された安定化
二酸化塩素を用いるのが望ましい。これは市販品を入手
することが可能で、リオリンダ・ケミカル・カンパニー
(RIOLINDA CHEMICAL CO.)(米
国カリフォルニア州)社製のバイオフレッシュ(BIO
FRESH)として入手可能である。これらの化合物は
液体、粉体、顆粒状等の各種形態のものを用いることが
できるが、顆粒状のものが取扱い上好ましい。
【0007】本発明に用いられる二酸化塩素は処理液中
にて、徐々に活性酸素を放出し、殺菌を行う作用を有す
るために、活性ハロゲン系殺菌剤にあるような有害なト
リハロメタン等の生成が無く、また徐放性のために処理
液の安定性が損なわれる事がなく、また、有機防黴剤の
ように感光材料中に残留して、処理後の保存性に悪影響
を及ぼす事がない。更に、少量のチオ硫酸根の存在化に
おいて、活性が高められ、結果として、処理液の硫化が
遅延され、且つ殺菌効果も増幅することは驚くべき発見
である。
【0008】本発明の二酸化塩素の処理液中への添加量
は好ましくは0.5 〜2000ppm 、より好ましくは1〜500p
pm、最も好ましくは2〜50ppm である。添加する場所と
しては、調液水、補充液、タンク液等いすれでも良いが
補充液への添加が好ましい。
【0009】以下本発明の写真処理液について詳細を説
明する。感光材料は露光後,通常は現像処理される。現
像工程は黒白現像とカラー現像の2種に大別される。黒
白現像液には現像主薬や補助現像主薬が添加されるが、
ジヒドロキシベンゼン系現像主薬、ピラゾリドン系現像
主薬やp−アミノフェノール系現像主薬或いはアスコル
ビン酸類が代表的である。ジヒドロキシベンゼン系現像
主薬としては、ハイドキノン、クロロハイドロキノン、
ブロムハイドロキノン、カテコール、ハイドロキノンモ
ノスルフォネート、2,5ージメチルハイドロキノン等
を挙げることができる。
【0010】ピラゾリドン系現像主薬としては、1−フ
ェニル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4,4−ジ
ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン、1,5−ジフェ
ニル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−ヒドロキ
シメチル−4−メチル−3−ピラゾリドン等を挙げるこ
とができる。p−アミノフェノール系現像主薬として
は、N−メチル−p−アミノフェノール、p−アミノフ
ェノール、N−(β−ヒドロキシェチル)−p−アミノ
フェノ−ル、2−メチル−p−アミノフェノール等を挙
げることが出来る。
【0011】次に、本発明において使用されるカラー現
像液について説明する。本発明に使用されるカラー現像
液中には、公知の芳香族第一級アミンカラー現像主薬を
含有する。好ましい例は、p−フェニレンジアミン誘導
体であり、代表例としては、N,N−ジエチル−p−フ
ェニレンジアミン、2−アミノ−5−ジエチルアミノト
ルエン、2−アミノ−5−(N−エチル−N−ラウリル
アミノ)トルエン、2−メトキシ4−〔N−エチル−N
−(β−ヒドロキシエチル)アミノ〕アニリン、2−メ
チル4−〔N−エチル−N−(δ−ヒドロキシブチル)
アミノ〕アニリン、2−メチル−4−〔N−エチル−N
−(β−ヒドロキシエチル)アミノ〕アニリン、2−メ
チル−4−{N−エチル−N−〔β−(メタンスルホン
アミド)エチル〕}−アニリン、N−(2−アミノ−5
−ジエチルアミノフェニルエチル)メタンスルホンアミ
ド、N,N−ジメチル−p−フェニレンジアミン、4−
アミノ−3−メチル−N−エチル−N−メトキシエチル
アニリン、4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−
β−エトキシエチルアニリン、4−アミノ−3−メチル
−N−エチル−N−β−ブトキシエチルアニリン等を挙
げることができる。特に好ましくは4−アミノ−3−メ
チル−N−エチル−N−〔β−(メタンスルホンアミ
ド)エチル〕−アニリン、2−メチル−4−〔N−エチ
ル−N−(β−ヒドロキシエチル)アミノ〕アニリン或
いは2−メチル−4−〔N−エチル−N−(δ−ヒドロ
キシブチル)アミノ〕アニリンである。また、これらの
p−フェニレンジアミン誘導体は、硫酸塩、塩酸塩、亜
硫酸塩、p−トルエンスルホン酸塩などの塩であっても
よい。該芳香族第一級アミン現像主薬の使用量は、カラ
ー現像液1リットル当り約 4ミリモル〜50ミリモル使用
するのが一般的であるが、カラー現像補充液の使用量と
しては、補充液1リットル当り好ましくは約 21 ミリモ
ル〜45ミリモル、より好ましくは約 23 ミリモル〜40ミ
リモルの濃度である。
【0012】本発明の実施にあたっては、防黴剤の性能
をより有効に得るために、実質的にベンジルアルコール
を含有しないカラー現像液を使用することが好ましい。
ここで実質的に含有しないとは、好ましくは2ml/リッ
トル以下、更に好ましくは 0.5ml/リットル以下のベン
ジルアルコール濃度であり、最も好ましくは、ベンジル
アルコールを全く含有しないことである。
【0013】本発明に用いられるカラー現像液は、ヒド
ロキシルアミンや亜硫酸イオンを含有することができる
が、その他有機保恒剤を含有することが好ましい。ここ
で有機保恒剤とは、カラー写真感光材料の処理液へ添加
することで、芳香族第一級アミンカラー現像主薬の劣化
速度を減じる有機化合物全般を指す。即ち、カラー現像
主薬の空気などによる酸化を防止する機能を有する有機
化合物類であるが、中でもヒドロキシルアミン誘導体
(ヒドロキシルアミンを除く。) 、ヒドロキサム酸類、
ヒドラジン類、ヒドラジド類、フェノール類、α−ヒド
ロキシケトン類、α−アミノケトン類、糖類、モノアミ
ン類、ジアミン類、ポリアミン類、四級アンモニウム塩
類、ニトロキシラジカル類、アルコール類、オキシム
類、ジアミド化合物類、縮環式アミン類などが特に有効
な有機保恒剤である。これらは、特公昭48-30496号、特
開昭52−143020号、同63−4235号、同63-30845号、同63
-21647号、同63-44655号、同63-53551号、同63-43140
号、同63-56654号、同63-58346号、同63-43138号、同63
−146041号、同63-44657号、同63-44656号、米国特許第
3,615,503 号、同2,494,903 号、特開平1-97953 号、同
1-186939号、同1-186940号、同1-187557号、同2-306244
号などに開示されている。その他保恒剤として、特開昭
57-44148号及び同57-53749号に記載の各種金属類、特開
昭59-180588 号記載のサリチル酸類、特開昭63−239447
号、特開昭63−128340号、特開平1-186939号や同1-1875
57号に記載されたようなアミン類、特開昭54-3532 号記
載のアルカノールアミン類、特開昭56-94349号記載のポ
リエチレンイミン類、米国特許第3,746,544 号等記載の
芳香族ポリヒドロキシ化合物等を必要に応じて用いても
良い。特にトリエタノールアミンのようなアルカノール
アミン類、N,N-ジエチルヒドロキシルアミンやN,N-ジ
(スルホエチル)ヒドロキシルアミンのようなジアルキ
ルヒドロキシルアミン、N,N-ビス(カルボキシメチル)
ヒドラジンのようなヒドラジン誘導体(ヒドラジンを除
く。)あるいはカテコール−3,5−ジスルホン酸ソー
ダのような芳香族ポリヒドロキシ化合物の添加が好まし
い。
【0014】特に、ジアルキルヒドロキシルアミン及び
/又はヒドラジン誘導体とアルカノールアミン類を併用
して使用することが、カラー現像液の安定性の向上、し
いては連続処理時の安定性向上の点でより好ましい。本
発明に用いられる黒白やカラーの現像液には必要に応じ
て、任意のカブリ防止剤を添加できる。カブリ防止剤と
しては、塩化ナトリウム、臭化カリウム、沃化カリウム
の如きアルカリ金属ハロゲン化物及び有機カブリ防止剤
が使用できる。有機カブリ防止剤としては、例えばベン
ゾトリアゾール、6−ニトロベンズイミダゾール、5−
ニトロイソインダゾール、5−メチルベンゾトリアゾー
ル、5−ニトロベンゾトリアゾール、5−クロロ−ベン
ゾトリアゾール、2−チアゾリル−ベンズイミダゾー
ル、2−チアゾリルメチル−ベンズイミダゾール、イン
ダゾール、ヒドロキシアザインドリジン、アデニンの如
き含窒素ヘテロ環化合物を代表例としてあげることがで
きる。
【0015】本発明に使用される現像液は、好ましくは
pH9〜12、より好ましくは9〜11.0であり、その現像液
には、その他に既知の現像液成分の化合物を含ませるこ
とができる。上記pHを保持するためには、各種緩衝剤を
用いるのが好ましい。緩衝剤としては、炭酸塩、リン酸
塩、ホウ酸塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、グ
リシル塩、N,N−ジメチルグリシン塩、ロイシン塩、
ノルロイシン塩、グアニン塩、3,4−ジヒドロキシフ
ェニルアラニン塩、アラニン塩、アミノ酪酸塩、2−ア
ミノ−2−メチル−1, 3−プロパンジオール塩、バリ
ン塩、プロリン塩、トリスヒドロキシアミノメタン塩、
リシン塩などを用いることができる。特に炭酸塩、リン
酸塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩は、溶解性、
pH 9.0以上の高pH領域での緩衝能に優れ、カラー現像液
に添加しても写真性能面への悪影響(カブリなど)がな
く、安価であるといった利点を有し、これらの緩衝剤を
用いることが特に好ましい。
【0016】これらの緩衝剤の具体例としては、炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カ
リウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン
酸二ナトリウム、リン酸二カリウム、ホウ酸ナトリウ
ム、ホウ酸カリウム、四ホウ酸ナトリウム(ホウ砂)、
四ホウ酸カリウム、o−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム
(サリチル酸ナトリウム)、o−ヒドロキシ安息香酸カ
リウム、5−スルホ−2−ヒドロキシ安息香酸ナトリウ
ム(5−スルホサリチル酸ナトリウム)、5−スルホ−
2−ヒドロキシ安息香酸カリウム(5−スルホサリチル
酸カリウム)などを挙げることができる。該緩衝剤の現
像液への添加量は、 0.1モル/リットル以上であること
が好ましく、特に 0.1モル/リットル〜 0.4モル/リッ
トルであることが特に好ましい。
【0017】その他、現像液中にはカルシウムやマグネ
シウムの沈澱防止剤として、あるいはカラー現像液の安
定性向上のために、各種キレート剤を用いることができ
る。例えば、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五
酢酸、エチレンジアミン四酢酸、N,N,N−トリメチ
レンホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N′,
N′−テトラメチレンホスホン酸、トランスシロヘキサ
ンジアミン四酢酸、1,2−ジアミノプロパン四酢酸、
グリコールエーテルジアミン四酢酸、エチレンジアミン
オルトヒドロキシフェニル酢酸、2−ホスホノブタン−
1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒドロキシエチリデ
ン−1,1−ジホスホン酸、N,N′−ビス(2−ヒド
ロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N′−ジ酢
酸、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸等が挙げられる。こ
れらのキレート剤は必要に応じて2種以上併用しても良
い。これらのキレート剤の添加量は現像液中の金属イオ
ンを封鎖するのに充分な量であれば良い。例えば1リッ
トル当り 0.1g〜10g程度である。
【0018】本発明に用いられる現像液には、必要によ
り任意の現像促進剤を添加できる。現像促進剤として
は、特公昭37-16088号、同37−5987号、同38−7826号、
同44-12380号、同45−9019号及び米国特許第3,813,247
号等に表わされるチオエーテル系化合物、特開昭52-498
29号及び同50-15554号に表わされるp−フェニレンジア
ミン系化合物、特開昭50−137726号、特公昭44-30074
号、特開昭56−156826号及び同52-43429号等に表わされ
る4級アンモニウム塩類、米国特許第2,494,903号、同
3,128,182 号、同4,230,796 号、同3,253,919 号、特公
昭41-11431号、米国特許第2,482,546 号、同2,596,926
号及び同3,582,346 号等に記載のアミン系化合物、特公
昭37-16088号、同42-25201号、米国特許第3,128,183
号、特公昭41-11431号、同42-23883号及び米国特許第3,
532,501 号等に表わされるポリアルキレンオキサイド、
その他1−フェニル−3−ピラゾリドン類、イミダゾー
ル類、等を必要に応じて添加することができる。ベンジ
ルアルコールについては前述した通りである。
【0019】本発明に適用されうるカラー現像液には、
蛍光増白剤を含有するのが好ましい。蛍光増白剤として
は、4,4′−ジアミノ−2,2′−ジスルホスチルベ
ン系化合物が好ましい。添加量は0〜5g/リットル好
ましくは 0.1g〜4g/リットルである。本発明に用い
られる現像液の補充量は、感光材料1m2あたり20〜1
000ml、好ましくは30〜300mlである。また、処
理温度は30℃〜50℃、好ましくは33℃〜45℃で
ある。また、処理時間は5秒〜4分好ましくは10秒〜
3分である。
【0020】本発明の処理方法においては、現像工程の
後は脱銀処理される。以下に本発明の脱銀工程を示す
が、これらに限定されることはない。 (工程1) 漂白−定着 (工程2) 漂白定着 (工程3) 漂白−漂白定着 (工程4) 漂白−漂白定着−定着 (工程5) 定着−漂白定着 (工程6) 定着 また、これらの漂白、漂白定着、定着工程の個々の工程
は、必要により複数浴に仕切られて、カスケード方式を
採用されてもよい。
【0021】本発明に用いられる漂白液や漂白定着液に
は、各種漂白剤を用いることができる。例えば、過酸化
水素、過硫酸塩、赤血塩、重クロム酸塩、塩化鉄塩、ア
ミノポリカルボン酸第二鉄塩等である。特に好ましい漂
白剤はアミノポリカルボン酸第二鉄塩である。とりわ
け、好ましいアミノポリカルボン酸としては、EDT
A、1,3−PDTA、ジエチレントリアミン五酢酸、
1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸、イミノ二酢
酸、メチルイミノ二酢酸、N−(2−アセトアミド)イ
ミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸、N−(2−カルボキシエ
チル)イミノ二酢酸、N−(2−カルボキシメチル)イ
ミノジプロピオン酸、βーアラニンジ、エチレンジアミ
ン−N,N’−ジコハク酸、1,3−プロピレンジアミ
ン−N,N’−ジコハク酸等が挙げられるが、特にこれ
らに限定されるものではない。本発明に用いられる漂白
定着液における第二鉄錯塩の濃度としては、0.005
〜2.0モル/リットルの範囲が適当であり、0.01
〜1.00モル/リットルの範囲が好ましく、より好ま
しくは、0.02〜0.50モル/リットルの範囲であ
る。また補充液中の第2鉄錯塩の濃度としては、好まし
くは、0.005〜2モル/リットル、より好ましくは
0.01〜1.5モル/リットルである。
【0022】漂白液、漂白定着液及び/またはこれらの
前浴には、漂白促進剤として種々の化合物を用いること
ができる。例えば、米国特許第3,893,858 号明細書、ド
イツ特許第1,290,812 号明細書、特開昭53-95630号公
報、リサーチディスクロージャー第17129 号( 1978年7
月号)に記載のメルカプト基またはジスルフィド結合を
有する化合物や、特公昭45−8506号、特開昭52-20832
号、同53-32735号、米国特許3,706,561 号等に記載のチ
オ尿素系化合物、あるいは沃素、臭素イオン等のハロゲ
ン化物が漂白力に優れる点で好ましい。
【0023】その他、本発明に適用されうる漂白液又は
漂白定着液には、臭化物(例えば、臭化カリウム、臭化
ナトリウム、臭化アンモニウム)または塩化物(例え
ば、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウ
ム)または沃化物(例えば、沃化アンモニウム)等の再
ハロゲン化剤を含むことができる。必要に応じ硼砂、メ
タ硼酸ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウム、亜燐酸、燐酸、燐酸ナトリウム、
クエン酸、クエン酸ナトリウム、酒石酸などのpH緩衝能
を有する1種類以上の無機酸、有機酸およびこれらのア
ルカリ金属またはアンモニウム塩または、硝酸アンモニ
ウム、グアニジンなどの腐蝕防止剤などを添加すること
ができる。また漂白液や漂白定着液には、その他各種の
蛍光増白剤や消泡剤あるいは界面活性剤、ポリビニルピ
ロリドン、メタノール等の有機溶媒を含有させることが
できる。
【0024】漂白定着液又は定着液に使用される定着剤
は、公知の定着剤、即ちチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸
アンモニウムなどのチオ硫酸塩;チオシアン酸ナトリウ
ム、チオシアン酸アンモニウムなどのチオシアン酸塩;
エチレンビスチオグリコール酸、3,6−ジチア−1,
8−オクタンジオールなどのチオエーテル化合物および
チオ尿素類などの水溶性のハロゲン化銀溶解剤であり、
これらを1種あるいは2種以上混合して使用することが
できる。また、特開昭55−155354号に記載された定着剤
と多量の沃化カリウムの如きハロゲン化物などの組み合
わせからなる特殊な漂白定着液等も用いることができ
る。本発明においては、チオ硫酸塩特にチオ硫酸アンモ
ニウム塩の使用が好ましい。1リットルあたりの定着剤
の量は、 0.3〜2モルが好ましく、更に好ましくは 0.5
〜1.0 モルの範囲である。
【0025】漂白定着液や定着液は、保恒剤として亜硫
酸塩(例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜
硫酸アンモニウム)、重亜硫酸塩(例えば、重亜硫酸ア
ンモニウム、重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウ
ム)、メタ重亜硫酸塩(例えば、メタ重亜硫酸カリウ
ム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸アンモニウ
ム)等の亜硫酸イオン放出化合物を含有するのが好まし
い。これらの化合物は亜硫酸イオンに換算して約0.02〜
0.05モル/リットル含有させることが好ましく、更に好
ましくは0.04〜0.40モル/リットルである。
【0026】漂白定着液や定着液には保恒剤としては、
亜硫酸塩の添加が一般的であるが、その他、アスコルビ
ン酸やカルボニル重亜硫酸付加物、或いはカルボニル化
合物等を添加しても良く、またベンゼンスルフィン酸類
も有効である。更には漂白定着液や定着液には緩衝剤、
蛍光増白剤、キレート剤、消泡剤、防カビ剤等を必要に
応じて添加しても良い。
【0027】本発明に用いられる漂白液や漂白定着液に
おいて、好ましいpH領域は、3〜10であり、更には
4〜9が好ましい。
【0028】本発明においては、定着又は漂白定着等の
脱銀処理後、水洗処理や安定化処理或いはその双方を行
うのが一般的である。。水洗工程及び/又は安定化工程
においては、前述した二酸化塩素を含有するのが最も好
ましく、好ましい添加量は1〜100ppm、最も好ま
しくは2〜50ppm程度である。
【0029】水洗及び安定化工程の補充量は任意に選択
することができ、感光材料1mあたり50ml〜5リ
ットル程度であるが、前浴からの持ち込み量の1.0倍
〜20倍程度の低補充である。ここで前浴からの持ち込
み量は、感光材料1m2あたり一般に50ml程度であるこ
とから、実際の補充量は50ml〜1000ml程度という
ことになる。より好ましくは2倍〜10倍程度である。
また、本発明の水洗浴或いは安定浴中にはチオ硫酸塩を
1×10-4〜1.0モル/リットル含有する。好ましく
は、1×10-3〜0.5モル/リットル、更に好ましく
は5×10-3〜0.1モル/リットルである。ここで、
1モルをこえると二酸化塩素の効果がそこなわれるだけ
でなく、著しい硫化が発生することとなる。また、1×
10-4モル/リットルを下まわると、二酸化塩素との併
用効果が十分には加速されない。ここで、チオ硫酸塩と
しては、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩な
どを用いるのが好ましい。これらのチオ硫酸塩は直接添
加されてもよいし、前浴にある定着液や漂白定着液が持
ち込まれても良い。
【0030】また、本発明に用いられる水洗又は安定化
浴のタンク液の平均滞留時間が1週間〜2ヶ月におい
て、本発明の効果をより一層顕著に得ることができる。
平均滞留時間とは、タンク液が平均的に経時される期間
を意味する。平均滞留時間はタンクの液量と等量を補充
するのに要した日数に該当する。ここでいうタンクの液
量とは、水洗や安定化浴が複数浴ある場合には、その合
計の浴容量を意味する。総合的な写真特性劣化の観点か
らは、平均滞留時間が長すぎるのも好ましくない。例え
ば2ヶ月をこえた場合などは、性能の維持が困難な場合
がある。本発明においては、二酸化塩素を含有する水洗
及び/又は安定化浴においては、特に液の硫化による沈
殿生成が遅延されるという効果を得るためには、平均滞
留時間が1週間〜2ヶ月の間が最も顕著な効果を得るこ
とができる。更に好ましくは10日〜1ヶ月である。
【0031】補充は連続的に行っても間欠的に行っても
よい。水洗及び/又は安定化工程に用いた液は、更に、
前工程に用いることもできる。この例として多段向流方
式によって削減して水洗水又は安定液のオーバーフロー
を、その前浴の漂白定着浴に流入させ、漂白定着浴には
濃縮液を補充して、廃液量を減らすことがあげられる。
水洗工程での水洗水量または、安定工程の安定液量は、
感光材料の特性(例えばカプラー等使用素材による)や
用途、液温、タンクの数(段数)、向流、順流等の補充
方式、その他種々の条件によって種種の範囲に設定し得
る。通常多段向流方式における段数は2〜6が好まし
く、特に2〜4が好ましい。
【0032】本発明の水洗水又は安定液は、バクテリア
の繁殖防止に特開昭62−288838号に記載のカルシウム、
マグネシウムを低減させた水を用いる方法を、極めて有
効に用いることができる。更に、水洗水には、水切り剤
として界面活性剤や、硬水軟化剤としてEDTAに代表
されるキレート剤を用いることができる。
【0033】以上の水洗工程に続くか、又は水洗工程を
経ずに直接安定液で処理することも出来る。安定液に
は、画像安定化機能を有する化合物が添加され、例えば
ホルマリンに代表されるアルデヒド化合物や、アルデヒ
ド放出化合物、具体的にはヘキサメチレンテトラミン、
N−メチロールピラゾールなどの特願平3−31864
4号記載のN−メチロールアゾール類、N,N’−ビス
(1,2,4−トリアゾール−1−イル)ピペラジン等
の特開平4−313753号記載のアゾリルメチルアミ
ン類等を挙げることができる。また、色素安定化に適し
た膜pHに調製するための緩衝剤や、アンモニウム化合物
があげられる。又、液中でのバクテリアの繁殖防止や処
理後の感光材料に防黴性を付与するため、必要に応じて
各種殺菌剤や防黴剤を併用することができる。
【0034】更に、界面活性剤、蛍光増白剤、硬膜剤を
加えることもできる。本発明の感光材料の処理におい
て、安定化が水洗工程を経ることなく直接行われる場
合、特開昭57−8543号、同58-14834号、同60−220345号
等に記載の公知の方法を、すべて用いることができる。
その他、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホ
ン酸、エチレンジアミン四メチレンホスホン酸等のキレ
ート剤、マグネシウムやビスマス化合物を用いることも
好ましい態様である。
【0035】水洗工程又は安定化工程の好ましいpHは4
〜10であり、更に好ましくは5〜8である。温度は感光
材料の用途・特性等で種々設定し得るが、一般には15〜
45℃好ましくは20〜40℃である。時間は任意に設定でき
るが短かい方が本発明の効果が大きく望ましい。好まし
くは15秒〜1分45秒更に好ましくは15秒〜1分である。
【0036】本発明に適用しうる処理組成物は、各種処
理剤の形態で供給されることができる。処理剤は、単一
または複数のパート構成の濃縮液として供給しても良
く、粉剤として供給しても良い。また、使用液状態で供
給してもよく、濃縮液、粉剤、使用液の組み合せであっ
ても良い。
【0037】本発明に使用される処理液を充填する補充
カートリッジの材質は、紙、プラスチック、金属等いか
なる材質でも用いることができるが、特に酸素透過係数
が50ミリリットル/(m2・atm ・day)以下のプラスチ
ック材料が好ましい。尚、酸素透過係数は「O2 パーミ
エイション オブ プラスチック コンテイナー、モダ
ーン パッキング」(O2 permeation of plastic conta
iner, Modern Packing; N.J.Calyan, 1968)の12
月号第143〜145頁に記載の方法により測定するこ
とができる。好ましいプラスチック材料としては、具体
的には塩化ビニリデン(PVDC)、ナイロン(N
Y)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(P
P)、ポリエステル(PES)、エチレン−酢酸ビニル
共重合体(EVA)、エチレン−ビニルアルコール共重
合体(EVAL)、ポリアクリロニトリル(PAN)、
ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレンテレフ
タレート(PET)等を挙げることができる。
【0038】これらの材料は単一で使用し、成形して使
用されても良いし、フィルム状にし、複数種貼り合せて
使用する方法(いわゆる複合フィルム)を用いても良
い。また、容器の形状としては、瓶タイプ、キュービッ
クタイプ、ピロータイプ等の各種形状を使用することが
できる。また、複合フィルムとして使用する場合は下記
に示す構造が特に好ましいが、これらに限定されるもの
ではない。PE/EVAL/PE、PE/アルミニウム
箔/PE、NY/PE/NY、NY/PE/EVAL、
PE/NY//PE/EVAL/PE、PE/NY/P
E/PE/PE/NY/PE、PE/SiO2 膜/P
E、PE/PVDC/PE、PE/NY/アルミニウム
箔/PE、PE/PP/アルミニウム箔/PE、NY/
PE/PVDC/NY、NY/EVAL/PE/EVA
L/NY、NY/PE/EVAL/NY、NY/PE/
PVDC/NY/EVAL/PE、PP/EVAL/P
E、PP/EVAL/PP、NY/EVAL/PE、N
Y/アルミニウム箔/PE、紙/アルミニウム箔/P
E、紙/PE/アルミニウム箔/PE、PE/PVDC
/NY/PE、NY/PE/アルミニウム箔/PE、P
ET/EVAL/PE、PET/アルミニウム箔/P
E、PET/アルミニウム箔/PET/PE。上記複合
フィルムの厚みは5〜1500ミクロン程度であり、好
ましくは10〜1000ミクロン程度である。また、完
成容器の内容量は100ミリリットル〜20リットル、
好ましくは500ミリリットル〜10リットル程度であ
る。上記容器(カートリッジ)は、ダンボールやプラス
チックの外箱を有してもよく、外箱と一体成形にて作成
されていても良い。本発明に用いうるカートリッジには
各種処理液を充填することができる。例えば、カラー現
像液、黒白現像液、漂白液、調整液、反転液、定着液、
漂白定着液、安定液等を挙げることができるが特に酸素
透過係数の低いカートリッジにはカラー現像液、黒白現
像液、定着液及び漂白定着液を使用するのが好ましい。
【0039】次に本発明に用いうる感光材料について説
明する 本発明は如何なる感光材料にも適用することができる。
本発明において適用されるハロゲン化銀乳剤やその他の
素材(添加剤など)および写真構成層(層配置など)、
並びにこの感材を処理するために適用される処理法や処
理用添加剤としては、下記の特許公報、特に欧州特許E
P0,355,660A2号(特願平1−107011
号)に記載されているものが好ましく用いられる。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】
【表5】
【0045】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、
沃臭化銀、沃塩化銀、沃塩臭化銀、塩臭化銀、臭化銀、
塩化銀等の各種ハロゲン組成の乳剤を用いることができ
る。とりわけ、90モル%以上が塩化銀からなるハロゲ
ン化銀粒子を含有する乳剤層を少なくとも一層有するこ
とが好ましい。より好ましくは95〜99.9モル%以
上、更に好ましくは98〜99.9モル%以上が塩化銀
からなる乳剤であり、全層が98〜99.9モル%以上
の塩化銀からなる塩臭化銀乳剤であることが特に好まし
い。また、塗布銀量としては、特に制限はなく0.2g
〜15g/m2程度の感光材料に適用するのが好ましい
が、とりわけ、0.4〜5.0g/m2程度が好ましい。
【0046】また、本発明に用いられる感光材料がカラ
ー感光材料である場合には、各種カプラーを含有すこと
ができるが詳細は表2に記載した通りである。更に、シ
アンカプラーとして、特開平2-33144 号に記載のジフェ
ニルイミダゾール系シアンカプラーの他に、欧州特許EP
0,333,185A2 号に記載の3−ヒドロキシピリジン系シア
ンカプラー(なかでも具体例として列挙されたカプラー
(42)の4当量カプラーに塩素離脱基をもたせて2当量
化したものや、カプラー(6)や(9)が特に好まし
い)や特開昭64-32260号に記載された環状活性メチレン
系シアンカプラー(なかでも具体例として列挙されたカ
プラー例3、8、34が特に好ましい)の使用も好まし
い。
【0047】また、本発明に係わる感光材料には、画像
のシャープネス等を向上させる目的で親水性コロイド層
に、欧州特許EP0,337,490A2 号の第27〜76頁に記載
の、処理により脱色可能な染料(なかでもオキソノール
系染料)を感光材料の680nmに於ける光学反射濃度
が0.70以上になるように添加したり、支持体の耐水
性樹脂層中に2〜4価のアルコール類(例えばトリメチ
ロールエタン)等で表面処理された酸化チタンを12重
量%以上(より好ましくは14重量%以上)含有させる
のが好ましい。また、本発明に係わるカラー写真感光材
料には、カプラーと共に欧州特許EP0,277,589A2 号に記
載のような色像保存性改良化合物を使用するのが好まし
い。特にピラゾロアゾールカプラーとの併用が好まし
い。
【0048】即ち、発色現像処理後に残存する芳香族ア
ミン系現像主薬と化学結合して、化学的に不活性でかつ
実質的に無色の化合物を生成する化合物(F)および/
または発色現像処理後に残存する芳香族アミン系発色現
像主薬の酸化体と化学結合して、化学的に不活性でかつ
実質的に無色の化合物を生成する化合物(G)を同時ま
たは単独に用いることが、例えば処理後の保存における
膜中残存発色現像主薬ないしその酸化体とカプラーの反
応による発色色素生成によるステイン発生その他の副作
用を防止する上で好ましい。また、本発明に係わる感光
材料には、親水性コロイド層中に繁殖して画像を劣化さ
せる各種の黴や細菌を防ぐために、特開昭63-271247 号
に記載のような防黴剤を添加するのが好ましい。
【0049】本発明において、ハロゲン化銀カラー写真
感光材料の支持体を除いた乾燥膜厚が25μm以下であ
る場合に、本発明の効果を特に顕著に得ることができ
る。より好ましい膜厚は5μm〜20μmであり、特に
好ましくは6μm〜17μmである。これらの膜厚の低
減はゼラチン量、銀量、オイル量、カプラー量等を減少
させることで達成できるが、ゼラチン量の低減して達成
するのが最も好ましい。ここで、膜厚は、試料を25℃
60RH%2週間放置後、常法により測定することがで
きる。
【0050】本発明に用いられるハロゲン化銀カラー写
真感光材料においては、写真層の膜膨潤度が、1.5〜
4.0であることが、ステインの改良や画像保存性の改
良の点で好ましい。特に、1.5〜3.0において、よ
り一層の効果を得ることができる。本発明の膨潤度と
は、カラー感光材料を33℃の蒸留水に2分間浸漬した
後の写真層の膜厚を乾いた写真層の膜厚で割った値を言
う。
【0051】また、ここで写真層とは、少なくとも1層
の感光性ハロゲン化銀乳剤層を含み、この層と相互に水
浸透性の関係にある積層された親水性コロイド群層をい
う。支持体を隔てて写真感光層と反対側に設けられたバ
ック層は含まない。写真層は写真画像形成に関与する通
常は複数の層から形成され、ハロゲン化銀乳剤層の外に
中間層、フィルター層、ハレーション防止層、保護層な
どが含まれる。
【0052】上記の膨潤度に調整するためにはいかなる
方法を用いても良いが、例えば写真膜に使用するゼラチ
ンの量及び種類、硬膜剤の量及び種類、または写真層塗
布後の乾燥条件や経時条件を変えることにより調節する
ことができる。写真層にはゼラチンを用いるのが有利で
あるが、それ以外の親水性コロイドも用いることができ
る。たとえばゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子と
のグラフトポリマー、アルブミン、カゼイン等の蛋白
質、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース、セルローズ硫酸エステル類等の如きセルロー
ス誘導体、アルギン酸ソーダ、澱粉誘導体等の糖誘導
体;ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール部分
アセタール、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリアクリ
ル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビ
ニルイミダゾール、ポリビニルピラゾール等の単一ある
いは共重合体の如き多種の合成親水性高分子物質を用い
ることができる。ゼラチンとしては石灰処理ゼラチンの
ほか、酸処理ゼラチンを用いてもよく、ゼラチン加水分
解物、ゼラチン酵素分解物も用いることができる。ゼラ
チン誘導体としては、ゼラチンにたとえば酸ハライド、
酸無水物、イソシアナート類、ブロモ酢酸、アルカンサ
ルトン類、ビニルスルホンアミド類、マレインイミド化
合物類、ポリアルキレンオキシド類、エポキシ化合物類
等種々の化合物を反応させて得られるものが用いられ
る。
【0053】前記ゼラチン・グラフトポリマーとして
は、ゼラチンにアクリル酸、メタアクリク酸、それらの
エステル、アミドなどの誘導体、アクリロニトリル、ス
チレンなどの如き、ビニル系モノマーの単一(ホモ)ま
たは共重合体をグラフトさせたものを用いることができ
る。ことに、ゼラチンとある程度相溶性のあるポリマー
たとえばアクリル酸、メタアクリル酸、アクリルアミ
ド、メタアクリルアミド、ヒドロキシアクキルメタアク
リレート等の重合体とのグラフトポリマーが好ましい。
これらの例は米国特許2,763,625号、同2,8
31,767号、同2,956,884号などに記載が
ある。代表的な合成親水性高分子物質はたとえば西独特
許出願(OLS)2,312,708号、米国特許3,
620,751号、同3,879,205号、特公昭4
3−7561号に記載されている。
【0054】硬膜剤としては、例えばクロム塩(クロム
明ばん、酢酸クロムなど)、アルデヒド類(ホルムアル
デヒド、グリオキサール、グリタールアルデヒドな
ど)、N−メチロール化合物(ジメチロール尿素、メチ
ロールジメチルヒダントインなど)、ジオキサン誘導体
(2,3−ジヒドロキシジオキサンなど)、活性ビニル
化合物(1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ
−s−トリアジン、ビス(ビニルスルホニル)メチルエ
ーテル、N,N′−メチレンビス−〔β−(ビニルスル
ホニル)プロピオンアミド〕など)、活性ハロゲン化合
物(2,4−ジクロル−6−ヒドロキシ−s−トリアジ
ンなど)、ムコハロゲン酸類(ムコクロル酸、ムコフェ
ノキシクロル酸など)、イソオキサゾール類、ジアルデ
ヒドでん粉、2−クロル−6−ヒドロキシトリアジニル
化ゼラチンなどを、単独または組合わせて用いることが
できる。特に好ましい硬膜剤としては、アルデヒド類、
活性ビニル化合物及び活性ハロゲン化合物である。
【0055】また、本発明に係わる感光材料に用いられ
る支持体としては、ディスプレイ用に白色ポリエステル
系支持体または白色顔料を含む層がハロゲン化銀乳剤層
を有する側の支持体上に設けられた支持体を用いてもよ
い。更に鮮鋭性を改良するために、アンチハレーション
層を支持体のハロゲン化銀乳剤層塗布側または裏面に塗
設するのが好ましい。特に反射光でも透過光でもディス
プレイが観賞できるように、支持体の透過濃度を0.3
5〜0.8の範囲に設定するのが好ましい。
【0056】本発明に係わる感光材料は可視光で露光さ
れても赤外光で露光されてもよい。露光方法としては低
照度露光でも高照度短時間露光でもよく、特に後者の場
合には一画素当りの露光時間が10-4秒より短いレーザ
ー走査露光方式が好ましい。また、露光に際して、米国
特許第4,880,726 号に記載のバンド・ストップフイルタ
ーを用いるのが好ましい。これによって光混色が取り除
かれ、色再現性が著しく向上する。
【0057】本発明の処理方法は各種感光材料に適用す
ることができる。カラーネガフィルム、カラーネガペー
パー、カラー反転ペーパー、オートポジペーパー、カラ
ー反転フィルム、映画用ネガフィルム、映画用ポジフィ
ルム、レントゲンフィルム、リスフィルムなどの製版用
フィルム、黒白ネガフィルム等を挙げるころができる
が、とりわけ、カラー画像の保存性に悪影響を与えない
点でカラーネガフィルムやカラーネガペーパーへの適用
が好ましい。
【0058】
【実施例】次に実施例にて本発明を具体的に説明する。 実施例1 ポリエチレンで両面ラミネートした紙支持体表面にコロ
ナ放電処理を施した後、ドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウムを含むゼラチン下塗層を設け、さらに種々の写
真構成層を塗布して以下に示す層構成の多層カラー印画
紙を作製した。塗布液は下記の様にして調製した。
【0059】第一層塗布液調製 イエローカプラー(ExY)19.1gおよび色像安定
剤(Cpd−1)4.4g及び色像安定剤(Cpd−
7)0.7gに酢酸エチル27.2ccおよび溶媒(So
lv−3)および(Solv−7)それぞれ4.1gを
加え溶解し、この溶液を10%ドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム8ccを含む10%ゼラチン水溶液185
ccに乳化分散させて乳化分散物Aを調製した。一方、塩
臭化銀乳剤A(立方体、平均粒子サイズ0.88μmの
大サイズ乳剤と0.70μmの小サイズ乳剤との3:7
混合物(銀モル比)。粒子サイズ分布の変動係数はそれ
ぞれ0.08と0.10、各サイズ乳剤とも臭化銀0.
3モル%を粒子表面の一部に局在含有)が調製された。
この乳剤には下記に示す青感性増感色素A、Bが銀1モ
ル当たり大サイズ乳剤Aに対しては、それぞれ2.0×
10-4モル、また小サイズ乳剤Aに対しては、それぞれ
2.5×10-4モル添加されている。また、この乳剤の
化学熟成は硫黄増感剤と金増感剤が添加して行われた。
前記の乳化分散物Aとこの塩臭化銀乳剤Aとを混合溶解
し、以下に示す組成となるように第一層塗布液を調製し
た。
【0060】第二層から第七層用の塗布液も第一層塗布
液と同様の方法で調製した。各層のゼラチン硬化剤とし
ては、1−オキシ−3,5−ジクロロ−s−トリアジン
ナトリウム塩を用いた。
【0061】また、各層にCpd−10とCpd−11
をそれぞれ全量が25.0mg/m2と50.0mg/m2とな
るように添加した。
【0062】各感光性乳剤層の塩臭化銀乳剤には下記の
分光増感色素をそれぞれ用いた。
【0063】
【化1】
【0064】(ハロゲン化銀1モル当たり、大サイズ乳
剤Aに対しては各々2.0×10-4モル、また小サイズ
乳剤Aに対しては各々2.5×10-4モル)
【0065】
【化2】
【0066】(ハロゲン化銀1モル当たり、大サイズ乳
剤Bに対しては4.0×10-4モル、小サイズ乳剤Bに
対しては5.6×10-4モル)および、
【0067】
【化3】
【0068】(ハロゲン化銀1モル当たり、大サイズ乳
剤Bに対しては7.0×10-5モル、また小サイズ乳剤
Bに対しては1.0×10-5モル)
【0069】
【化4】
【0070】(ハロゲン化銀1モル当たり、大サイズ乳
剤Cに対しては0.9×10-4モル、また小サイズ乳剤
Cに対しては1.1×10-4モル)
【0071】赤感性乳剤層に対しては、下記の化合物を
ハロゲン化銀1モル当たり2.6×10-3モル添加し
た。
【0072】
【化5】
【0073】また青感性乳剤層、緑感性乳剤層、赤感性
乳剤層に対し、1−(5−メチルウレイドフェニル)−
5−メルカプトテトラゾールをそれぞれハロゲン化銀1
モル当たり8.5×10-5モル、7.7×10-4モル、
2.5×10-4モル添加した。
【0074】また、青感性乳剤層と緑感性乳剤層に対
し、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−
テトラザインデンをそれぞれハロゲン化銀1モル当た
り、1×10-4モルと2×10-4モル添加した。
【0075】また、イラジエーション防止のために乳剤
層に下記の染料(カッコ内は塗布量を表す)を添加し
た。
【0076】
【化6】
【0077】(層構成)以下に各層の組成を示す。数字
は塗布量(g/m2)を表す。ハロゲン化銀乳剤は銀換算
塗布量を表す。
【0078】支持体 ポリエチレンラミネート紙 〔第一層側のポリエチレンに白色顔料(TiO2)と青味染料
(群青)を含む〕
【0079】 第一層(青感性乳剤層) 前記の塩臭化銀乳剤A 0.30 ゼラチン 1.22 イエローカプラー(ExY) 0.82 色像安定剤(Cpd−1) 0.19 溶媒(Solv−3) 0.18 溶媒(Solv−7) 0.18 色像安定剤(Cpd−7) 0.06
【0080】 第二層(混色防止層) ゼラチン 0.64 混色防止剤(Cpd−5) 0.10 溶媒(Solv−1) 0.16 溶媒(Solv−4) 0.08
【0081】 第三層(緑感性乳剤層) 塩臭化銀乳剤(立方体、平均粒子サイズ0.55μmの大サイズ乳剤と、0. 39μmの小サイズ乳剤との1:3混合物(Agモル比)。粒子サイズ分布 の変動係数はそれぞれ0.10と0.08、各サイズ乳剤ともAgBr0. 8モル%を粒子表面の一部に局在含有させた) 0.12 ゼラチン 1.28 マゼンタカプラー(ExM) 0.23 色像安定剤(Cpd−2) 0.03 色像安定剤(Cpd−3) 0.16 色像安定剤(Cpd−4) 0.02 色像安定剤(Cpd−9) 0.02 溶媒(Solv−2) 0.40
【0082】 第四層(紫外線吸収層) ゼラチン 1.41 紫外線吸収剤(UV−1) 0.47 混色防止剤(Cpd−5) 0.05 溶媒(Solv−5) 0.24
【0083】 第五層(赤感性乳剤層) 塩臭化銀乳剤(立方体、平均粒子サイズ0.58μmの大サイズ乳剤と、0. 45μmの小サイズ乳剤との1:4混合物(Agモル比)。粒子サイズ分布 の変動係数は0.09と0.11、各サイズ乳剤ともAgBr0.6モル% を粒子表面の一部に局在含有させた) 0.23 ゼラチン 1.04 シアンカプラー(ExC) 0.32 色像安定剤(Cpd−2) 0.03 色像安定剤(Cpd−4) 0.02 色像安定剤(Cpd−6) 0.18 色像安定剤(Cpd−7) 0.40 色像安定剤(Cpd−8) 0.05 溶媒(Solv−6) 0.14
【0084】 第六層(紫外線吸収層) ゼラチン 0.48 紫外線吸収剤(UV−1) 0.16 混色防止剤(Cpd−5) 0.02 溶媒(Solv−5) 0.08
【0085】 第七層(保護層) ゼラチン 1.10 ポリビニルアルコールのアクリル変性共重合体(変性度17%) 0.17 流動パラフィン 0.03
【0086】
【化7】
【0087】
【化8】
【0088】
【化9】
【0089】
【化10】
【0090】
【化11】
【0091】
【化12】
【0092】上記感光材料を像様露光後、ペーパー処理
機を用いて、下記処理工程にて、連続処理(ランニング
テスト)を行った。なお、処理量は、1日当たり各々5
m2とし、4週間ランニングテストを行った。なお、水洗
の添加剤は後述したように変更し、その各々についてラ
ンニングテストを行なった。 処理工程 温 度 時 間 補充量* タンク容量 カラー現像 40.0℃ 25秒 73ミリリットル 5リットル 漂白定着 35.0℃ 25秒 60ミリリットル 5リットル 水 洗(1) 35.0℃ 10秒 − 3リットル 水 洗(2) 35.0℃ 10秒 − 3リットル 水 洗(3) 35.0℃ 10秒 − 3リットル 水 洗(4) 35.0℃ 10秒 200ミリリットル 3リットル *感光材料1m2当たりの補充量 (水洗は(4) から(1) への4タンク向流方式とした。) (水洗の平均滞留時間は(3×4)÷(0.2×5)=
12日となる) また、持込量は感光材料1m2当り約40mlであった。
【0093】各処理液の組成は以下の通りである。 〔カラー現像液〕 〔タンク液〕 〔補充液〕 水 800ミリリットル 800ミリリットル エチレンジアミン四酢酸 3.0g 3.0g 4,5−ジヒドロキシベンゼン−1,3−ジスルホン酸2ナトリウム塩 0.5g 0.5g トリエタノールアミン 12.0g 12.0g 塩化カリウム 7.0g − 臭化カリウム 0.03g − 炭酸カリウム 27.0g 27.0g 蛍光増白剤(WHITEX 4住友化学製) 1.0g 3.0g 亜硫酸ナトリウム 0.1g 0.1g ジナトリウム−N,N−ビス(スルホナートエチル)ヒドロキシル アミン 5.0g 10.0g トリイソプロピルナフタレン(β)スルホン酸ナトリウム 0.1g 0.1g N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミドエチル)−3−メチ ル−4−アミノアニリン・3/2硫酸・1水塩 8.0g 15.0g 水を加えて 1000ミリリットル 1000ミリリットル pH(25℃/水酸化カリウム及び硫酸にて) 10.20 11.50
【0094】 〔漂白定着液〕 〔タンク液〕 〔補充液〕 チオ硫酸アンモニウム(75%w/v) 120ミリリットル 240ミリリットル 亜硫酸アンモニウム 20g 40g エチレンジアミン四酢酸鉄(III) 60g 120g アンモニウム・二水塩 エチレンジアミン四酢酸鉄(III) 2.0g 2.0g 硝酸(67%) 30g 45g 水を加えて 1000ミリリットル 1000ミリリットル pH 5.5 4.5
【0095】水洗水は以下のA〜Gの各々を用いた。 〔水洗A〕 (タンク液と補充液は同じ) 脱イオン水(導電率5μs/cm以下) を使用。 〔水洗B〕 (タンク液と補充液は同じ) 水洗Aに塩素化イソシアヌール酸ナトリウムを0.02
g/リットル添加 〔水洗C〕 (タンク液と補充液は同じ) 水洗Aにp−クロロ−m−キシレノールを0.02g/
リットル添加 〔水洗D〕 (タンク液と補充液は同じ) 水洗Aにベンゾトリアゾールを0.02g/リットル添
加 〔水洗E〕 (タンク液と補充液は同じ) 水洗Aに4−イソチアゾリン−3−オンを0.02g/
リットル添加 〔水洗F〕 (タンク液と補充液は同じ) 水洗Aに4−チアゾリルベンズイミダゾールを0.02
g/リットル添加 〔水洗G〕 (タンク液と補充液は同じ) 水洗Aにバイオフレッシュ(安定化二酸化塩素)0.0
2g/リットル添加
【0096】前記塗布試料に感光計(富士写真フイルム
株式会社製、FWH型、光源の色温度3200°K)を
使用し、階段ウエッジ露光を与えた。この時の露光は、
0.1秒の露光時間で250CMSの露光量となるよう
に行った。
【0097】上記試料を前記ランニングテスト終了後
に、同自動現像機にて処理を行い、イエローステイン及
び画像保存性を評価した。 経時ステイン(△DBmin) 処理済試料を80℃/70%RHに30日間経時し、未
露光部のイエロー濃度の上昇量をマクベス濃度計にて測
定し、求めた。 画像保存性(△DB1.5) 処理済試料を80℃/70%RHに30日間経時し、イ
エロー濃度1.5の点の低下量を求めた。また、各ラン
ニングテストの終了時に、第3水洗浴の水洗水を100
ミリリットル試験管に採取し、室温放置にて液が硫化し
て沈殿が生じるまでの日数を求めた。各ランニング液の
第3水洗水中のチオ硫酸塩の濃度は、液体クロマトグラ
フィーにて分析したところ、大略同じで0.005〜
0.006モル/リットルであった。以上の結果をまと
めて第表6に示す。
【0098】
【表6】
【0099】第6表に示すように、本発明の水洗水Gを
用いた処理においては、ステインの上昇や画像保存性の
劣化が少なく、又、水洗水の硫化が起こりにくいことが
わかる。
【0100】実施例2 実施例1の実験No. 1、2、5、7と同じ処理条件にお
いて、但し、一日あたりの感光材料の処理量を下記のよ
うに変更して、その各々のランニングテストを行い、実
施例1と同様に、評価した結果を第7表に示す。また、
各ランニング液の第3水洗水中のチオ硫酸塩の濃度は、
液体クロマリグラフィーにて分析したところ、大略同じ
で0.005〜0.006モル/リットルであった。
【0101】
【表7】
【0102】第7表において、従来、平均滞留時間が長
くなるにつれて、イエローステインや画像保存性や水洗
水の硫化が悪化する傾向にあるのに対し、本発明におい
ては、平均滞留時間が一週間を越える条件において(N
o. 35、36)、より一層、顕著な効果を得ることが
できた。
【0103】実施例3 実施例1と同様にして、但し、水洗水の補充量を10リ
ットル/m2として、水洗A、B及びGを用いてその各々
をランニング試験を行った。但しランニング終了時点で
の第3水洗水のチオ硫酸塩の濃度は1×10-6モル/リ
ットル以下であった。第3水洗水のタンク液を採取し、
第8表に記載したようにチオ硫酸アンモニウムを添加
し、その各々について、水垢の発生及び、硫化日数を実
施例1と同様に求めた。結果を第8表に示す。
【0104】
【表8】
【0105】本発明によれば、硫化が遅延されているの
みならず、特にチオ硫酸塩の存在下において、水垢の発
生も抑制されている。
【0106】実施例4 ポリエチレンで両面ラミネートし、表面をコロナ放電処
理した紙支持体の上に以下に示す層構成の多層カラー印
画紙を作製した。塗布液は下記のようにして調製した。
【0107】第一層塗布液調製 イエローカプラー(ExY)60.0gおよび褪色防止
剤(Cpd−1)28.0gに酢酸エチル150ccおよ
び溶媒(Solv−3)1.0ccと溶媒(Solv−
4)3.0ccを加え溶解し、この溶液をドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウムを含む10%ゼラチン水溶液4
50ccに添加した後、超音波ホモジナイザーにて分散
し、得られた分散液を、下記青感性増感色素を含有する
塩臭化銀乳剤(臭化銀0.7モル%)420gに混合溶
解して第一層塗布液を調製した。第二層から第七層用の
塗布液も第一層塗布液と同様の方法で調製した。各層の
ゼラチン硬化剤としては1,2−ビス(ビニルスルホニ
ル)エタンを用いた。
【0108】また各層の分光増感色素としては下記のも
のを用いた。 青感性乳剤層:アンヒドロ−5,5′−ジクロロ−3,
3′−ジスルホエチルチアシアニンヒドロオキシド 緑感性乳剤層:アンヒドロ−9−エチル−5,5′−ジ
フェニル−3,3′−ジスルホエチルオキサカルボシア
ニンヒドロオキシド 赤感性乳剤層:3,3′−ジエチル−5−メトキシ−
9,11−ネオペンチルチアジカルボシアニンヨージド
【0109】また各乳剤層の安定剤として下記の物を用
いた。 1−(2−アセトアミノ−フェニル)−5−メルカプト
テトラゾール 1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 1−(p−メトキシフェニル)−5−メルカプトテトラ
ゾール の7:2:1の混合物(モル比)
【0110】またイラジエーション防止染料として下記
の物を用いた。 〔3−カルボキシ−5−ヒドロキシ−4−(3−(3−
カルボキシ−5−オキソ−1−(2,5−ビスルホナト
フェニル)−2−ピラゾリン−4−イリデン)−1−プ
ロペニル)−1−ピラゾリル〕ベンゼン−2,5−ジス
ルホナート−ジナトリウム塩 N,N′−(4,8−ジヒドロキシ−9,10−ジオキ
ソ−3,7−ジスルホナートアンスラセン−1,5−ジ
イル)ビス(アミノメタンスルホナト)−テトラナトリ
ウム塩 〔3−シアノ−5−ヒドロキシ−4−(3−(3−シア
ノ−5−オキソ−1−(4−スルホナートフェニル)−
2−ピラゾリン−4−イリデン)−1−ペンタニル)−
1−ピラゾリル〕ベンゼン−4−スルホナート−ナトリ
ウム塩
【0111】(層構成)以下に各層の組成を示す。数字
は塗布量(g/m2)を表す。ハロゲン化銀乳剤は銀換算
塗布量を表す。 支持体 ポリエチレンで両面ラミネートし、表面をコロナ放電処
理した紙支持体 第一層(青感層) 前述の塩臭化銀乳剤 (AgBr 0.7モル%、立方体、平均粒子サイズ 0.9μm) 0.29 ゼラチン 1.80 イエローカプラー(ExY) 0.60 褪色防止剤(Cpd−1) 0.28 溶媒(Solv−3) 0.01 溶媒(Solv−4) 0.03
【0112】 第二層(混色防止層) ゼラチン 0.80 混色防止剤(Cpd−2) 0.055 溶媒(Solv−1) 0.03 溶媒(Solv−2) 0.15
【0113】 第三層(緑感層) 前述の塩臭化銀乳剤 (AgBr 0.7モル%、立方体、平均粒子サイズ 0.45 μm) 0.18 ゼラチン 1.86 マゼンタカプラー(ExM) 0.27 褪色防止剤(Cpd−3) 0.17 褪色防止剤(Cpd−4) 0.10 溶媒(Solv−1) 0.2 溶媒(Solv−2) 0.03
【0114】 第四層(混色防止層) ゼラチン 1.70 混色防止剤(Cpd−2) 0.065 紫外線吸収剤(UV−1) 0.45 紫外線吸収剤(UV−2) 0.23 溶媒(Solv−1) 0.05 溶媒(Solv−2) 0.05
【0115】 第五層(赤感層) 前述の塩臭化銀乳剤 (AgBr 4モル%、立方体、平均粒子サイズ 0.5μm) 0.21 ゼラチン 1.80 シアンカプラー(ExC−1) 0.26 シアンカプラー(ExC−2) 0.12 褪色防止剤(Cpd−1) 0.20 溶媒(Solv−1) 0.16 溶媒(Solv−2) 0.09 発色促進剤(Cpd−5) 0.15
【0116】 第六層(紫外線吸収層) ゼラチン 0.70 紫外線吸収剤(UV−1) 0.26 紫外線吸収剤(UV−2) 0.07 溶媒(Solv−1) 0.30 溶媒(Solv−2) 0.09
【0117】 第七層(保護層) ゼラチン 1.07
【0118】(ExY)イエローカプラー α−ピバリル−α−(3−ベンジル−1−ヒダントイニ
ル)−2−クロロ−5−〔β−(ドデシルスルホニル)
ブチルアミド〕アセトアニリド (ExM)マゼンタカプラー 7−クロロ−6−イソプロピル−3−{3−〔(2−ブ
トキシ−5−tert−オクチル)ベンゼンスルホニル〕プ
ロピル}−1H−ピラゾロ〔5,1−c〕−1,2,4
−トリアゾール (ExC−1)シアンカプラー 2−ペンタフルオロベンズアミド−4−クロロ−5〔2
−(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ)−3−メチ
ルブチルアミドフェノール (ExC−2)シアンカプラー 2,4−ジクロロ−3−メチル−6−〔α−(2,4−
ジ−tert−アミルフェノキシ)ブチルアミド〕フェノー
【0119】(Cpd−1)褪色防止剤
【0120】
【化13】
【0121】(Cpd−2)混色防止剤 2,5−ジ−tert−オクチルハイドロキノン (Cpd−3)褪色防止剤 7,7′−ジヒドロキシ−4,4,4′,4′−テトラ
メチル−2,2′−スピロクロマン (Cpd−4)褪色防止剤 N−(4−ドデシルオキシフェニル)−モルホリン (Cpd−5)発色促進剤 p−(p−トルエンスルンアミド)フェニル−ドデカン
【0122】(Solv−1)溶媒 ジ(2−エチルヘキシル)フタレート (Solv−2)溶媒 ジブチルフタレート (Solv−3)溶媒 ジ(i−ノニル)フタレート (Solv−4)溶媒 N,N−ジエチルカルボンアミド−メトキシ−2,4−
ジ−t−アミルベンゼン
【0123】(UV−1)紫外線吸収剤 2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−アミルフェ
ニル)ベンゾトリアゾール (UV−2)紫外線吸収剤 2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェ
ニル)ベンゾトリアゾール
【0124】これらの試料に実施例1に記載した方法で
露光を与え、別途上記感光材料に像様露光を与えた試料
をペーパー処理機を使用して、下記処理工程で漂白定着
液のタンク容量の2倍補充するまで連続処理(ランニン
グテスト)を行ってから、処理して色像を得た。また、
安定液の組成及び補充量は第9表に示したように変更し
てその各々について、ランニングテストを行なった。
【0125】 処理工程 温 度 時 間 補充量* タンク容量 カラー現像 40℃ 45秒 70ミリリットル 10リットル 漂白定着 30〜36℃ 45秒 60ミリリットル 10リットル 安定 1 30〜37℃ 20秒 − 3リットル 安定 2 30〜37℃ 20秒 − 3リットル 安定 3 30〜37℃ 20秒 − 3リットル 安定 4 30〜37℃ 30秒 第9表参照 3リットル 乾 燥 70〜85℃ 60秒 *感光材料1m2あたりの補充量 (安定4→1への4タンク向流方式とした。また平均滞
留時間は14日となるように処理した。) また感光材料1m2当たりの持ち込み量は50ml/m2であ
った。
【0126】各処理液の組成は以下の通りである。 〔カラー現像液〕 〔タンク液〕 〔補充液〕 水 800ミリリットル 800ミリリットル エチレンジアミン四酢酸 2.0g 4.0g 5,6−ジヒドロキシベンゼン−1,2,4−トリスルホン酸 0.3g 0.5g トリエタノールアミン 8.0g 8.0g 塩化ナトリウム 10.0g − 炭酸カリウム 25 g 25 g N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミドエチル)−3− メチル−4−アミノアニリン硫酸塩 5.0g 13.0g ジエチルヒドロキシルアミン 4.2g 8.0g 蛍光増白剤(4,4′−ジアミノスチルベン系) 2.0g 6.0g 水を加えて 1000ミリリットル 1000ミリリットル pH(25℃) 10.05 11.00
【0127】 〔漂白定着液〕 タンク液 補充液 水 700ミリリットル 400ミリリットル チオ硫酸アンモニウム(70%) 100ミリリットル 200ミリリットル 亜硫酸アンモニウム 30g 50g エチレンジアミン四酢酸鉄(III) アンモニウム・2水塩 60g 120g 硝酸(67%) 30g 50g 臭化アンモニウム 30g 60g 水を加えて 1000ミリリットル 1000ミリリットル pH(25℃) 5.0 4.0
【0128】 〔安定液〕 (タンク液と補充液は同じ) ホルマリン(37%) 0.1g ホルマリン−亜硫酸付加物 0.7g 1−ヒドロキシエチリデン1、1−ジホスホン酸 (60wt%) 2.0g 臭化アンモニウム 1.0g ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホスホン酸 1.0g 添加剤( 第9表参照) 0.020g 水を加えて 1000ミリリットル pH(25℃) 6.0 各々、得られたランニング液に対して実施例1と同様に
して、△DBmin、△D B1.5及び水洗水の安定性を評価し
た結果を第9表に示す。
【0129】
【表9】
【0130】本発明によれば(No. 54〜56)、イエ
ローステインや画像保存性が良化し、安定液の安定性も
向上するが、とりわけ、安定液の補充量が持ち込み量の
20倍以下であり、チオ硫酸塩濃度が0.0001モル
/リットル以上のNo. 54、55、56においては、そ
の効果は一層顕著である。
【0131】実施例5 下塗りを施した三酢酸セルロースフィルム支持体上に、
下記に示すような組成の各層を重層塗布し、多層カラー
感光材料である試料501を作製した。 (感光層組成)各層に使用する素材の主なものは下記の
ように分類されている; ExC:シアンカプラー UV :紫外線吸収
剤 ExM:マゼンタカプラー HBS:高沸点有機
溶剤 ExY:イエローカプラー H :ゼラチン硬
化剤 ExS:増感色素 各成分に対応する数字は、g/m2単位で表した塗布量を
示し、ハロゲン化銀については、銀換算の塗布量を示
す。ただし増感色素については、同一層のハロゲン化銀
1モルに対する塗布量をモル単位で示す。
【0132】(試料401) 第1層(ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 銀 0.09 ゼラチン 1.60 ExM−1 0.12 ExF−1 2.0×10-3 固体分散染料ExF−2 0.030 固体分散染料ExF−3 0.040 HBS−1 0.15 HBS−2 0.02
【0133】第2層(中間層) 沃臭化銀乳剤M 銀 0.065 ExC−2 0.04 ポリエチルアクリレートラテックス 0.20 ゼラチン 1.04
【0134】第3層(低感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤A 銀 0.25 沃臭化銀乳剤B 銀 0.25 ExS−1 6.9×10-5 ExS−2 1.8×10-5 ExS−3 3.1×10-4 ExC−1 0.17 ExC−3 0.030 ExC−4 0.10 ExC−5 0.020 ExC−6 0.010 Cpd−2 0.025 HBS−1 0.10 ゼラチン 0.87
【0135】第4層(中感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤C 銀 0.70 ExS−1 3.5×10-4 ExS−2 1.6×10-5 ExS−3 5.1×10-4 ExC−1 0.13 ExC−2 0.060 ExC−3 0.0070 ExC−4 0.090 ExC−5 0.015 ExC−6 0.0070 Cpd−2 0.023 HBS−1 0.10 ゼラチン 0.75
【0136】第5層(高感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤D 銀 1.40 ExS−1 2.4×10-4 ExS−2 1.0×10-4 ExS−3 3.4×10-4 ExC−1 0.10 ExC−3 0.045 ExC−6 0.020 ExC−7 0.010 Cpd−2 0.050 HBS−1 0.22 HBS−2 0.050 ゼラチン 1.10
【0137】第6層(中間層) Cpd−1 0.090 固体分散染料ExF−4 0.030 HBS−1 0.050 ポリエチルアクリレートラテックス 0.15 ゼラチン 1.10
【0138】第7層(低感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤E 銀 0.15 沃臭化銀乳剤F 銀 0.10 沃臭化銀乳剤G 銀 0.10 ExS−4 3.0×10-5 ExS−5 2.1×10-4 ExS−6 8.0×10-4 ExM−2 0.33 ExM−3 0.086 ExY−1 0.015 HBS−1 0.30 HBS−3 0.010 ゼラチン 0.73
【0139】第8層(中感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤H 銀 0.80 ExS−4 3.2×10-5 ExS−5 2.2×10-4 ExS−6 8.4×10-4 ExC−8 0.010 ExM−2 0.10 ExM−3 0.025 ExY−1 0.018 ExY−4 0.010 ExY−5 0.040 HBS−1 0.13 HBS−3 4.0×10-3 ゼラチン 0.80
【0140】第9層(高感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤I 銀 1.25 ExS−4 3.7×10-5 ExS−5 8.1×10-5 ExS−6 3.2×10-4 ExC−1 0.010 ExM−1 0.020 ExM−4 0.025 ExM−5 0.040 Cpd−3 0.040 HBS−1 0.25 ポリエチルアクリレートラテックス 0.15 ゼラチン 1.33
【0141】第10層(イエローフィルター層) 黄色コロイド銀 銀 0.015 Cpd−1 0.16 固体分散染料ExF−5 0.060 固体分散染料ExF−6 0.060 油溶性染料ExF−7 0.010 HBS−1 0.60 ゼラチン 0.60
【0142】第11層(低感度青感乳剤層) 沃臭化銀乳剤J 銀 0.09 沃臭化銀乳剤K 銀 0.09 ExS−7 8.6×10-4 ExC−8 7.0×10-3 ExY−1 0.050 ExY−2 0.22 ExY−3 0.50 ExY−4 0.020 Cpd−2 0.10 Cpd−3 4.0×10-3 HBS−1 0.28 ゼラチン 1.20
【0143】第12層(高感度青感乳剤層) 沃臭化銀乳剤L 銀 1.00 ExS−7 4.0×10-4 ExY−2 0.10 ExY−3 0.10 ExY−4 0.010 Cpd−2 0.10 Cpd−3 1.0×10-3 HBS−1 0.070 ゼラチン 0.70
【0144】第13層(第1保護層) UV−1 0.19 UV−2 0.075 UV−3 0.065 HBS−1 5.0×10-2 HBS−4 5.0×10-2 ゼラチン 1.8
【0145】第14層(第2保護層) 沃臭化銀乳剤M 銀 0.10 H−1 0.40 B−1(直径 1.7 μm) 5.0×10-2 B−2(直径 1.7 μm) 0.15 B−3 0.05 S−1 0.20 ゼラチン 0.70
【0146】更に、各層に適宜、保存性、処理性、圧力
耐性、防黴・防菌性、帯電防止性及び塗布性をよくする
ために W−1ないしW−3、B−4ないしB−6、F
−1ないしF−17及び、鉄塩、鉛塩、金塩、白金塩、
パラジウム塩、イリジウム塩、ロジウム塩が含有されて
いる。
【0147】
【表10】
【0148】第10表において、 (1)乳剤J〜Lは特開平2-191938号の実施例に従い、
二酸化チオ尿素とチオスルフォン酸を用いて粒子調製時
に還元増感されている。 (2)乳剤A〜Iは特開平3-237450号の実施例に従い、
各感光層に記載の分光増感色素とチオシアン酸ナトリウ
ムの存在下に金増感、硫黄増感とセレン増感が施されて
いる。 (3)平板状粒子の調製には特開平1-158426号の実施例
に従い、低分子量ゼラチンを使用している。 (4)平板状粒子には特開平3-237450号に記載されてい
るような転位線が高圧電子顕微鏡を用いて観察されてい
る。 (5)乳剤Lは特開昭60-143331 号に記載されている内
部高ヨードコアーを含有する二重構造粒子である。
【0149】有機固体分散染料の分散物の調製 下記、ExF−2を次の方法で分散した。即ち、水21.7
ミリリットル及び5%水溶液のp−オクチルフェノキシエトキ
シエトキシエタンスルホン酸ソーダ3ミリリットル並びに5%
水溶液のp−オクチルフェノキシポリオキシエチレンエ
−テル(重合度10) 0.5gとを 700ミリリットルのポットミル
に入れ、染料ExF−2を 5.0gと酸化ジルコニウムビ
−ズ(直径1mm) 500ミリリットルを添加して内容物を2時間
分散した。この分散には中央工機製のBO型振動ボール
ミルを用いた。分散後、内容物を取り出し、12.5%ゼラ
チン水溶液8gに添加し、ビーズを濾過して除き、染料
のゼラチン分散物を得た。染料微粒子の平均粒径は0.44
μmであった。
【0150】同様にして、ExF−3、ExF−4及び
ExF−6の固体分散物を得た。染料微粒子の平均粒径
はそれぞれ、0.24μm、0.45μm、0.52μmであった。
ExF−5は欧州特許出願公開(EP)第549,489A号明細
書の実施例1に記載の微小析出(Microprecipitation)
分散方法により分散した。平均粒径は0.06μmであっ
た。
【0151】
【化14】
【0152】
【化15】
【0153】
【化16】
【0154】
【化17】
【0155】
【化18】
【0156】
【化19】
【0157】
【化20】
【0158】
【化21】
【0159】
【化22】
【0160】
【化23】
【0161】
【化24】
【0162】
【化25】
【0163】
【化26】
【0164】
【化27】
【0165】
【化28】
【0166】
【化29】
【0167】以上の試料を35mm巾に裁断しカメラで
撮影したものを1日1m2 ずつ15日間にわたり下記の
処理を行なった。但し水洗水は以下に示した4種類につ
いてそのおのおのをランニング試験を行った。尚、各処
理は富士写真フイルム社製自動現像機FP−560Bを
用いて以下により行なった。処理工程及び処理液組成を
以下に示す。
【0168】 (処理工程) 工程 処理時間 処理温度 補充量* タンク容量 発色現像 3分 5秒 38.0℃ 23ミリリットル 17リットル 漂 白 50秒 38.0℃ 5ミリリットル 5リットル 漂白定着 50秒 38.0℃ − 5リットル 定 着 50秒 38.0℃ 16ミリリットル 5リットル 水 洗 30秒 38.0℃ 20ミリリットル 3.5リットル 安 定(1) 20秒 38.0℃ − 3リットル 安 定(2) 20秒 38.0℃ 15ミリリットル 3リットル 乾 燥 1分30秒 60℃ *補充量は感光材料35mm巾1.1m当たり(24E
x.1本相当) 安定液は(2)から(1)への向流方式であり、水洗水
のオーバーフロー液は全て定着浴へ導入した。漂白定着
浴への補充は、自動現像機の漂白槽の上部並びに定着槽
の上部に切りかきを設け、漂白槽、定着槽への補充液の
供給により発生するオーバーフロー液の全てが漂白定着
浴に流入されるようにした。尚、現像液の漂白工程への
持ち込み量、漂白液の漂白定着工程への持ち込み量、漂
白定着液の定着工程への持ち込み量及び定着液の水洗工
程への持ち込み量は感光材料35mm巾1.1m当たり
それぞれ2.5ミリリットル、2.0ミリリットル、2.0ミリリットル、
2.0ミリリットルであった。また、クロスオーバーの時間は
いずれも6秒であり、この時間は前工程の処理時間に包
含される。
【0169】以下に処理液の組成を示す。 (発色現像液) タンク液(g) 補充液(g) ジエチレントリアミン五酢酸 2.0 2.0 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 2.0 2.0 亜硫酸ナトリウム 3.9 5.1 炭酸カリウム 37.5 39.0 臭化カリウム 1.4 0.4 沃化カリウム 1.3 mg − ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4 3.3 2−メチル−4−〔N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル) アミノ〕アニリン硫酸塩 4.5 6.0 水を加えて 1.0 リットル 1.0 リットル pH(水酸化カリウムと硫酸にて調整) 10.05 10.15
【0170】 (漂白液) タンク液(g) 補充液(g) 1,3−ジアミノプロパン四酢酸第二鉄アンモニウム一水塩 130 195 臭化アンモニウム 70 105 硝酸アンモニウム 14 21 ヒドロキシ酢酸 25 38 酢酸 40 60 水を加えて 1.0 リットル 1.0 リットル pH〔アンモニア水で調製〕 4.4 4.0
【0171】(漂白定着タンク液)上記漂白タンク液と
下記定着タンク液の15対85(容量比)混合液。(p
H7.0)
【0172】 (定着液) タンク液(g) 補充液(g) 亜硫酸アンモニウム 19 57 チオ硫酸アンモニウム水溶液 (700g/リットル) 280 ミリリットル 840 ミリリットル イミダゾール 15 45 エチレンジアミン四酢酸 15 45 水を加えて 1.0 リットル 1.0 リットル pH〔アンモニア水、酢酸で調製〕 7.4 7.45
【0173】(水洗水A)水道水をH型強酸性カチオン
交換樹脂(ロームアンドハース社製アンバーライトIR
−120B)と、OH型強塩基性アニオン交換樹脂(同
アンバーライトIR−400)を充填した混床式カラム
に通水してカルシウム及びマグネシウムイオン濃度を3
mg/リットル以下に処理た。この液のpHは6.5〜
7.5の範囲であった。 (水洗水B)水洗水Aに二塩化イソシアヌール酸ナトリ
ウム20mg/リットルと硫酸ナトリウム150mg/リッ
トルを添加した。この液のpHは6.5〜7.5の範囲
にあった。
【0174】(水洗水C)水洗水Aに4ーイソチアゾリ
ンー3ーオンを20mg/リットルを添加した。この液の
pHは6.5〜7.5の範囲にあった。 (水洗水D)水洗水Aに安定化二酸化塩素を20mg/リ
ットルを添加した 。この液のpHは6.5〜7.5の
範囲にあった。
【0175】 (安定液) タンク液、補充液共通 (単位g) p−トルエンスルフィン酸ナトリウム 0.03 ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニルエーテル (平均重合度10) 0.2 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.05 1,2,4−トリアゾール 1.3 1,4−ビス(1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル) ピペラジン 0.75 水を加えて 1.0 リットル pH 8.5
【0176】水洗水A〜Dのその各々についてランニン
グ試験を行った。前記塗布試料に感光計(富士写真フイ
ルム株式会社製、FWH型、光源の色温度3200°
K)を使用し、階段ウエッジ露光を与えた。この時の露
光は、0.1秒の露光時間で10CMSの露光量となる
ように行った。
【0177】上記試料を前記ランニングテスト終了後
に、同自動現像機にて処理を行い、イエローステイン及
び画像保存性を評価した。 経時ステイン(△DBmin) 処理済試料を60℃/70%RHに30日間経時し、未
露光部のイエロー濃度の上昇量をマクベス濃度計にて測
定し、求めた。 画像保存性(△DB1.5) 処理済試料を60℃/70%RHに30日間経時し、イ
エロー濃度1.5の点の低下量を求めた。また、各ラン
ニングテストの終了時に、水洗浴の水洗水を100ml試
験管に採取し、室温放置にて液に沈殿や浮遊物が生じる
までの日数を求めた。水洗水中のチオ硫酸塩の濃度は各
々約0.15モル/リットルであった。以上の結果をま
とめて第11表に示す。
【0178】
【表11】
【0179】第11表に示すように、本発明の水洗水D
を用いた処理においては、ステインの上昇や画像保存性
の劣化が少なく、又、水洗水の硫化が起こりにくいこと
がわかる。
【0180】実施例6 コダック社製カラーネガフィルム Super Gol
d 400(バッチNo.794L14A)、同じくS
uper Gold 200(バッチNo.119L0
7A)、Super Gold 100(バッチNo.
077G09C)を各々像様露光後、1:1:1の比率
で下記の処理工程にてランニング試験を行った。但し、
安定液の組成は下記の様に変更して、その各々について
ランニング試験を行った。
【0181】 (処理工程) 工程 処理時間 処理温度 補充量 タンク容量 発色現像 3分15秒 37.8℃ 20ミリリットル 6リットル 漂 白 45秒 38.0℃ 5ミリリットル 3リットル 定 着(1) 45秒 38.0℃ − 3リットル 定 着(2) 45秒 38.0℃ 30ミリリットル 3リットル 安 定(1) 20秒 38.0℃ − 3リットル 安 定(2) 20秒 38.0℃ − 3リットル 安 定(3) 20秒 38.0℃ 40ミリリットル 3リットル 乾 燥 1分 55℃ *補充量は35mm巾1.1m当たり(24Ex.1本相
当) *定着は(2)から(1)への向流方式 *安定は(3)から(1)への向流方式 尚、現像液の漂白工程への持ち込み量、及び定着液の安
定工程への持ち込み量は35mm巾の感光材料1m長さ当
たりそれぞれ2.5ミリリットル、2.0ミリリットルであった。
【0182】以下に処理液の組成を示す。 (発色現像液) タンク液(g) 補充液(g) ジエチレントリアミン五酢酸 5.0 6.0 亜硫酸ナトリウム 4.0 5.0 炭酸カリウム 30.0 37.0 臭化カリウム 1.3 0.5 沃化カリウム 1.2 mg − ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.0 3.6 4−〔N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)アミノ〕− 2−メチルアニリン硫酸塩 4.7 6.2 水を加えて 1.0 リットル 1.0 リットル pH(水酸化カリウムと硫酸にて調整) 10.00 10.15
【0183】 (漂白液) タンク液(g) 補充液(g) 1,3−ジアミノプロパン四酢酸第二鉄アンモニウム一水塩 144.0 206.0 1,3−ジアミノプロパン四酢酸 2.8 4.0 臭化アンモニウム 84.0 120.0 硝酸アンモニウム 17.5 25.0 アンモニア水(27%) 10.0 1.8 酢酸(98%) 51.1 73.0 炭酸カリウム 10.0 − 水を加えて 1.0 リットル 1.0 リットル pH(アンモニア水と酢酸にて調整) 4.3 3.4
【0184】 (定着液) タンク液、補充液共通 (単位g) エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 1.7 亜硫酸ナトリウム 14.0 重亜硫酸ナトリウム 10.0 チオ硫酸アンモニウム水溶液 (700g/リットル) 210.0 ミリリットル チオシアン酸アンモニウム 163.0 チオ尿素 1.8 水を加えて 1.0 リットル pH 6.5
【0185】 (安定液A) タンク液、補充液共通 (単位g) 界面活性剤 0.2 〔C10H21-O-(CH2CH2O)10-H〕 ポリマレイン酸(平均分子量2000) 0.1 1,2−ベンツイソチアゾリン−3−オン 0.05 ヘキサメチレンテトラミン 5.5 水を加えて 1.0 リットル pH 8.5
【0186】 (安定液B) タンク液、補充液共通 (単位g) 界面活性剤 0.2 〔C10H21-O-(CH2CH2O)10-H〕 ポリマレイン酸(平均分子量2000) 0.1 塩素化イソシアヌール酸ナトリウム 0.05 ヘキサメチレンテトラミン 5.5 水を加えて 1.0 リットル pH 8.5
【0187】 (安定液C) タンク液、補充液共通 (単位g) 界面活性剤 0.2 〔C10H21-O-(CH2CH2O)10-H〕 ポリマレイン酸(平均分子量2000) 0.1 4−イソチアゾリン−3−オン 0.05 ヘキサメチレンテトラミン 5.5 水を加えて 1.0 リットル pH 8.5
【0188】 (安定液D) タンク液、補充液共通 (単位g) 界面活性剤 0.2 〔C10H21-O-(CH2CH2O)10-H〕 ポリマレイン酸(平均分子量2000) 0.1 安定化二酸化塩素 0.05 ヘキサメチレンテトラミン 5.5 水を加えて 1.0 リットル pH 8.5
【0189】安定液A〜Dのその各々についてランニン
グ試験を行った。ランニング試験終了後、Super
Gold 100に、実施例5と同様に楔形ウエッジを
通じて露光し、同様にイエローステイン、画像安定性及
び安定液の安定性を評価した。結果を第12表に示す。
【0190】
【表12】
【0191】第12表に示すように、本発明の安定液D
を用いた処理においては、ステインの上昇や画像保存性
の劣化が少なく、又、安定液が硫化しずらいことがわか
る。
【0192】
【発明の効果】節水処理ないし閑散処理したときの水洗
水や安定液の硫化を抑制しつつ、良好な画像を得ること
ができた。この効果は、チオ硫酸塩が少量存在する場合
において見られた。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 像露光されたハロゲン化銀写真感光材料
    を現像処理する方法において、水洗水または安定液とし
    て二酸化塩素および1×10-4〜1モル/リットルのチ
    オ硫酸塩を含有した水洗水または安定液を用い、かつ、
    該水洗水または該安定液の補充量を前記感光材料によっ
    て前浴から持込まれる処理液量の1.0〜20倍量とし
    て処理することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料
    の処理方法。
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