JP3308861B2 - 鋼板コンクリート構造 - Google Patents

鋼板コンクリート構造

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栄 江端
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典秀 遠山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鋼板コンクリート構
造建築物に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼板コンクリート構造で、従来の技術で
は図4のように、その特徴である外側を覆う鋼板1と内
部のコンクリート2との異なる材質の複合構造のため
に、建築物としての耐力を効果的に作用させ外力に対す
るそれぞれの挙動を一致させ座屈等を防ぐことが必要で
ある。そして、鋼板1とコンクリート2との接合の為に
取り付けられる突起物(以下スタッド4)を機械的な作
業のみでスタッド4を鋼板1に接続するものとして図4
を用いて説明する。鋼板構造建築物で、そのため、その
部分の接合方法として、最も確実に且つ、効果的に接合
する方法として外側を覆う鋼板1の内部にスタッド4を
鋼板1に一定の間隔に設け、それをコンクリート2で抱
合する形で接合するものが一般的である。
【0003】なお、この種の構造に関連するものは、例
えば、特開平2−229337 号公報或いは特開平2−282540
号公報などが挙げられるが、いずれも柱と床の各躯体の
接合部分の補強を行うためのものである。その接合部分
は、差し込み或いは、ねじ込み等の機械的な作業のみで
突起物を一方に接続し、それをもう一方のコンクリート
で抱合する形で接合するものであるが、その部分の必要
強度に応じて容易に突起物の大きさ等の変更ができにく
く、建築物の中で比較的一部分に適用される性質のもの
である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の鋼板コンクリー
ト構造ではこのような理由により鋼板1にスタッド4を
接合する方法として、スタッド4を全て溶接により鋼板
1内部へ接合する方法がとられている。その際の外側を
覆う鋼板1と内部のコンクリート2との互いの接合力は
鋼板1とスタッド4の接合強度に追従するため、その部
分の必要強度に応じた強度を確保する方法として、不足
の場合は追加溶接等を行っているのが現状である。ま
た、強度が過剰の場合は溶接作業の手間を考慮し、その
ままとしているため、過剰設計となる部分も生じる。
【0005】すなわち、溶接による接合方法は追加作
業,過剰設計となるということである。更に追加作業で
は、実際の溶接もスタッド4同志の狭隘部の溶接となり
非常に製作が困難で、多大な時間及び、コストがかか
る。或いは、建設の段階でも、工場での製作後の建設現
場でのスタッド4の取り替え等の変更は、大規模な溶接
設備等が必要であり、極めて困難な作業となり建設工程
の増大等の原因にもなる。本発明の目的は、ねじ込み
の機械的な作業のみで鋼板1とスタッド4を接合しか
つ、大きさ等の変更による数種類のスタッド4の接合を
も可能とすることで追加作業,過剰設計を生じない合理
的な鋼板コンクリート構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は鋼板
コンクリート構造におけるコンクリートとの接合の為に
取り付けられる突起物の、鋼板との接合部を着脱可能な
ねじ構造にすること。及び、そのねじ部にアダプタを設
置することにより所期の目的を達成するようにした。
【0007】また、それに伴い多種条件に対応可能とな
ること。そして、溶接等によらないねじ込み等の機械的
な単純な製作となり、同時或いは、短時間接合が可能と
することができる。
【0008】鋼板コンクリート構造におけるコンクリー
トとの接合の為に取り付けられる突起物の、鋼板との接
合部を着脱可能なねじ構造にすることにより、機械的な
作業のみで容易に着脱することができる。
【0009】上記に示すねじ部にアダプタを設置するこ
とにより、多種条件に対応する様々な大きさ,形状のス
タッドに変更が容易にすることができる。
【0010】また、それに伴い多種条件に対応可能とな
ること。そして、溶接等によらないねじ込み等の機械的
な単純な製作となり、同時或いは、短時間接合が可能と
することができる。
【0011】上記に示すアダプタで、標準ねじ型に対
し、小さいねじ型が必要な場合は、小さいねじ穴を設け
た単一アダプタを使用し又、標準ねじ型の許容条件をこ
える大きいねじ型が必要な場合は、複数の標準ねじ型に
またがり複数で大きいねじ型1つを支えるアダプタを使
用することにより、機械的な作業のみで様々な接合強度
に対応可能な鋼板コンクリート構造を合理的に構築する
ことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図示した実施例に基づいて
本発明を詳細に説明する。図1には鋼板コンクリート構
造で、その鋼板1とコンクリート2との接合の為に取り
付けられる突起物(以下スタッド4)の、鋼板1との接
合面3を着脱可能なねじ構造にした断面図が示されてい
る。その特徴である躯体の外側を覆う鋼板1と内部のコ
ンクリート2との複合構造からなっている。それぞれを
座屈等の外力に対する挙動を一致させることで、建築物
としての耐力を効果的に作用させるために、互いの接合
面3の接合力を十分確保することを目的とするスタッド
4を取り付ける。
【0013】その際、最も数の多いタイプのものを標準
ねじ型5タイプとして全てに雌ねじ6を鋼板1にあけ、
それに対応するものは、直接にスタッド側の雄ねじ7を
ねじ込むことで接合を行う。これにより、最も数の多い
タイプのスタッド4の手間が最少でかつ、単純な機械的
作業のみとなる。
【0014】ところが、それぞれの建屋部分の様々な条
件の場所に配置される性質上、最も数の多いタイプの標
準ねじ型5とは異なる接合強度が要求されるものもあ
る。その場合について、図2及び、図3で詳細を説明す
る。
【0015】図2は、主に標準以下の接合強度を要求さ
れた場合に用いる単一構造アダプタ11を使用した一例
の断面図が示されている。図中1は鋼板、2はコンクリ
ートを示したものであり、5は最も数の多いタイプの標
準ねじ型5である。標準ねじ型5より小さいねじ型10
を設けた単一構造アダプタ11を標準ねじ型5にねじ込
み、その単一構造アダプタ11に設けられた小さいねじ
型10へ小さい形状のスタッド12をねじ込む形で接合
するものである。これにより、強度が過剰の場合には、
それに見合う小さい形状のスタッド12を使用し、過剰
設計を容易に防止することができる。
【0016】図3は主に標準以上の接合強度を要求され
た場合に用いる複数の標準ねじ型にまたがって大きい
じ型1つを支えるアダプタ(以下複合アダプタ14)を
使用した一例の断面図が示されている。図中、1は鋼
板、2はコンクリートを示したものであり、5は最も数
の多いタイプの標準ねじ型5である。標準ねじ型5より
大きいねじ型13を設けた複合アダプタ14を2個の標
準ねじ型5に設置し、それに設けられた大きいねじ型1
3に大きい形状のスタッド15をねじ込む形で接合す
る。複合アダプタ14は要求接合力に対し、標準ねじ型
5にまたがる形で複数で不足分の接合力を補う。この場
合の接合力は、スタッド15より約45°の角度で分布
しコンクリート2にかかる引張り荷重18及び、複合ア
ダプタ14との引張り荷重の双方に依存することにな
る。前者はコンクリート2に深くまでスタッド15を入
れるほど強度が増す。これは約45°の角度で引張り荷
重18が分布するため、総強度が増すためである。
【0017】複合アダプタ14を使用しなければ、全て
の標準ねじ型5を大きいねじ型13に合わせることが必
要となり、最も数の多いタイプの標準ねじ型5の全てに
アダプタの設置が必要となり、非効率的なものとなる。
【0018】すなわち、図2の小さい形状に対応するア
ダプタと、図3の大きい形状に対応するアダプタの併用
により、機械的な作業のみで様々な接合強度に対応可能
な鋼板コンクリート構造を合理的に構築することができ
る。
【0019】具体的な使用例を図5を用いて説明する。
図5は、標準ねじ型5,単一構造アダプタ11,複合ア
ダプタ14をそれぞれ使用した例の斜視図を示したもの
である。図中1は鋼板、2はコンクリートを示したもの
であり、5は最も数の多いタイプの標準ねじ型5であ
る。最も数量の多いタイプの標準ねじ型5に全て鋼板側
は製作されており効率的な製作を行っている。そして、
壁厚が薄く標準より小さい接合力しか要求されない部分
16には、標準ねじ型5より小さいねじ型10を設けた
単一構造アダプタ11を標準ねじ型5にねじ込み、その
単一構造アダプタ11に設けられた小さいねじ型10へ
小さい形状のスタッド12をねじ込む形で接合した。
又、鋼板コンクリート構造外側の鋼板1に支持構造物等
17の荷重が掛かり、標準より大きい接合力を要求され
る部分17には標準より大きいねじ型13を設けたアダ
プタ14を複数の標準ねじ型にまたがって設置し、それ
に設けられた大きいねじ型13に大きい形状のスタッド
15をねじ込む形で接合した。アダプタの種類は何段階
かに分かれており、その部分に合ったものを随時使用す
る。
【0020】
【発明の効果】本発明により、ねじ込み等の機械的な作
業のみで鋼板とスタッドの接合を行いかつ、多種条件に
対応可能なスタッドの接合をも可能とすることで追加作
業,過剰設計を生じない合理的な鋼板コンクリート構造
を提供することができる。
【0021】それにより、迅速に且つ、合理的,経済的
な鋼板コンクリート構造建屋を構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋼板コンクリートの断面図。
【図2】小さい形状に対応するアダプタの一例の説明
図。
【図3】大きい形状に対応するアダプタの一例の説明
図。
【図4】従来の技術の説明図。
【図5】実施例の説明図。
【符号の説明】
1…鋼板、2…コンクリート、3…接合面、5…標準ね
じ型、11…単一構造アダプタ、12…小さい形状のス
タッド、13…大きいねじ型、14…複合アダプタ、1
5…大きい形状のスタッド、16…標準より小さい接合
力しか要求されない部分、17…標準より大きい接合力
を要求される部分、18…コンクリート引張り荷重。
フロントページの続き (72)発明者 江端 栄 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式 会社 日立製作所 日立工場内 (72)発明者 荒蒔 孝則 茨城県日立市幸町一丁目20番2号 株式 会社 日立ライフ内 (72)発明者 遠山 典秀 茨城県日立市幸町三丁目2番1号 日立 エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 菊山 朋彦 茨城県日立市幸町三丁目2番1号 日立 エンジニアリング株式会社内 (56)参考文献 特開 平9−105177(JP,A) 特開 昭62−225637(JP,A) 実開 昭56−148409(JP,U) 実開 昭48−12812(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04B 2/86 601 B32B 13/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋼板コンクリート構造において、その鋼板
    内側のコンクリートとの接合の為に取り付けられる突起
    物の、鋼板との接合部を着脱可能なねじ構造にすること
    を特徴とする鋼板コンクリート構造。
  2. 【請求項2】請求項1に示す上記ねじ部にアダプタを設
    置し、鋼板内側のコンクートとの接合の為に取り付けら
    れる突起物が多種条件に対応可能となる鋼板コンクリー
    ト構造。
  3. 【請求項3】請求項2において、最も数の多いタイプの
    突起物をねじ込むのに適合する鋼板に開けられた雌ねじ
    である標準ねじ型に対し、小さいねじ型が必要な場合
    は、小さいねじ穴を設けた単一アダプタを使用し又、標
    準ねじ型の許容条件をこえる大きいねじ型が必要な場合
    は、複数の標準ねじ型に大きいねじ型1つを支えるアダ
    プタを使用することにより、ねじ込みによる機械的な作
    業のみで多種条件に対応が可能な鋼板コンクリート構
    造。
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KR100753108B1 (ko) * 2006-04-05 2007-08-29 김승화 거푸집 겸용 마감재
KR101626710B1 (ko) * 2015-01-27 2016-06-01 한국수력원자력 주식회사 강판콘크리트 슬래브 구조물 및 시공방법

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