JP3308746B2 - 電子写真感光体及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体及び電子写真装置

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JP3308746B2
JP3308746B2 JP32792794A JP32792794A JP3308746B2 JP 3308746 B2 JP3308746 B2 JP 3308746B2 JP 32792794 A JP32792794 A JP 32792794A JP 32792794 A JP32792794 A JP 32792794A JP 3308746 B2 JP3308746 B2 JP 3308746B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真複写機、レー
ザービームプリンター、CRTプリンター、電子写真製
版システムなどの電子写真応用分野に広く用いることが
できる電子写真感光体に関するものであり、更に詳しく
は、耐久性の優れた電子写真感光体及び電子写真装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真感光体の光導電材料として、近
年、種々の感光体の開発が進み、複写機やプリンターに
搭載されている。しかしながら、これらの感光体は一般
的に耐久性が低いことが1つの大きな欠点であるとされ
てきた。耐久性としては、感度、残留電位、帯電能、画
像ボケ、地カブリなどの電子写真特性の耐久性、及び摺
擦による感光体表面の摩耗やひっかき傷などの機械的耐
久性に大別されるが、特に機械的耐久性に劣ることが、
感光体の寿命を決定する大きな要因となっており、より
機械的耐久性の優れた感光体の開発が望まれている。ま
た、感光体の表面層は特に高湿下、コロナ帯電時に生ず
るオゾンによって生成する低抵抗物質の付着、あるい
は、トナーのクリーニング不良に基づくフィルミング、
融着、低分子である電荷輸送物質の析出などによる画像
劣化を引き起こす要因を持っており、そのため前記の機
械的耐久性と共に、各種の付着物に対する離型性も求め
られている。そして、係る要求のために、すなわち摩耗
やひっかき傷に対する機械的耐久性を向上し、更に離型
性や撥水性も加え、トナー融着などを防止するために、
潤滑剤を感光体表面に分散させると有効であることは公
知である。
【0003】一方、感光体表面はコロナ帯電時発生する
オゾンにより常に劣化作用を受けており、高品位の画像
を得るためには感光体表面を研摩して常に新しい面を出
す必要がある。特にこの研摩作用が不十分であると、耐
久につれ画像がつぶれ、文字が判読できない、いわゆる
画像ボケが起きてくる。従来の感光体は機械的耐久性が
劣る結果、耐久と共に感光体表面が適度に削れ、常に新
しい面が現われるため画像ボケがほとんど問題とならな
かった。しかしながら、前記潤滑剤を分散させた感光体
においては、機械的耐久性が向上した結果、感光体表面
の削れ量が著しく減少するため、劣化した表面層が削ら
れず、耐久につれ画像ボケが発生し、高耐久の感光体の
実用化が難しいのが現状であった。
【0004】逆に、上記研摩作用が過剰であると、表面
層が電荷輸送層である場合は特に、削れることにより、
帯電能の低下、暗減衰の増大、残留電位の上昇など、電
位が不安定となり、感度が低下し、コントラスト電位が
十分にとれなくなり、耐久につれ、画像上に地カブリが
発生するという問題点があり、削れと潤滑性をバランス
良くコントロールすることは極めて難しいのが現状であ
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の要求に
応える高耐久性を有する電子写真感光体及び電子写真装
置を提供するものである。すなわち、本発明の目的は、
摺擦による表面の摩耗やひっかき傷の発生などに対して
耐久性を有し、かつ画像ボケのない高品位の画像が得ら
れる高耐久性を有する電子写真感光体及び電子写真装置
を提供することにある。本発明の他の目的は、クリーニ
ング性が良好で感光体表面層へのトナー付着のない高耐
久性を有する電子写真感光体及び電子写真装置を提供す
ることにある。更に、本発明の他の目的は、繰り返し電
子写真プロセスにおいて帯電能の低下や感度の低下、残
留電位の蓄積がなく、画像ボケ、地カブリのない高品位
の画像が得られる高耐久性を有する電子写真感光体及び
電子写真装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、導
電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体におい
て、該感光体の表面層がポリ四フッ化エチレン樹脂粉
体、ポリエチレン樹脂粉体、ポリプロピレン樹脂粉体及
びフッ化カーボン粉体から選ばれる潤滑剤、下記一般式
(1)〜(6)で表わされる化合物から選ばれる少なく
とも1種の電荷輸送物質及びポリカーボネート樹脂を含
し、該潤滑剤の含有量が表面層の全固形分に対し1〜
50重量%であり、該電荷輸送物質がポリカーボネート
樹脂100重量部当り10〜200重量部であることを
特徴とする電子写真感光体である。
【0007】
【化3】
【0008】
【化4】
【0009】本発明の電子写真感光体は、特定の潤滑剤
と一般式(1)〜(6)で表わされる化合物から選ばれ
る少なくとも1種の電荷輸送物質とポリカーボネート樹
脂とを併用することにより、感光体表面に潤滑性を付与
させてクリーニングの際の摩耗やひっかき傷などの機械
的損傷を防ぎ、離型性及び撥水性を発現させる。そし
て、これらの材料を併用することにより、潤滑性及び化
学的耐久性が向上し、従来の削れ量よりも少なく、フィ
ルミングや融着が起こらない程度に適度に削れ、かつ滑
るといった適度なバランスを保った感光体と感光体表面
を形成することができた。これにより、飛躍的に耐久性
を向上させることができ、地カブリ及び画像ボケのない
高品位な画像を得ることができた。
【0010】一般式(1)〜(6)で示される化合物
は、バインダー樹脂100重量部当り10〜200重量
であり、最も好ましい割合は30〜150重量部であ
る。
【0011】以下に一般式(1)〜(6)で示される化
合物を示す。
【0012】
【化5】
【0013】
【化6】
【0014】本発明に用いる潤滑剤は、ポリ四フッ化エ
チレン樹脂粉体、ポリエチレン樹脂粉体、ポリプロピレ
ン樹脂粉体及びフッ化カーボン粉体から選ばれる。樹脂
の分子量や粉体の粒径は適宜選択することができるが、
粒径に関しては、特には0.1μm〜10μmが好まし
い。
【0015】これらの潤滑剤を均一に分散するため分散
剤を樹脂に添加してもさしつかえない。
【0016】潤滑剤を分散させた感光層を形成する際
に、成膜性を有する樹脂をバインダーとして使用する。
バインダー樹脂は、単独でも有る程度の硬さを有するこ
と、キャリアー輸送を妨害しないことなどの点から、ビ
スフェノールA型ポリカーボネート、ビスフェノールZ
型ポリカーボネートなどのポリカーボネート樹脂を用い
【0017】これらの樹脂の重量平均分子量は、塗工性
を考慮すると2万〜15万が最適である。
【0018】これらのバインダー中に分散させる潤滑剤
の含有率は表面改質効果、光透過性、キャリアー移動性
などの点から、潤滑剤が含まれている表面層の固形分の
重量分率で1〜50重量%であり、特に2〜15重量%
が好ましい。
【0019】本発明の電子写真感光体の感光層は、電荷
発生物質と電荷輸送物質を同一の層に含有する、いわゆ
る単一層型、及び電荷発生物質を含有する電荷発生層と
電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を有する、いわゆる
積層型に大別される。積層型は、更に、導電性支持体、
電荷発生層及び電荷輸送層をこの順に有するタイプと導
電性支持体、電荷輸送層及び電荷発生層をこの順に有す
るタイプに分けられる。本発明においては、積層型、特
に電荷発生層の上に電荷輸送層を積層したタイプである
ことが好ましい。
【0020】本発明の電子写真感光体を製造する場合、
支持体としては、アルミニウム、アルミニウム合金、
銅、亜鉛、ステンレス、チタン、ニッケル、インジウ
ム、金及び白金などが挙げられる。またこうした金属や
合金を、真空蒸着法によって皮膜形成したプラスチック
(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリエチレンテレフタレート及びアクリル樹脂な
ど)や、導電性粒子を適当なバインダー樹脂と共に上記
のようなプラスチック、金属または合金支持体上に被覆
した支持体、あるいは導電性粒子をプラスチックや紙に
含浸した支持体などを用いることができる。支持体の形
状としてはドラム状及びベルト状などがあげられるが、
適用される電子写真感光体にもっとも適した形状にする
ことが好ましい。
【0021】上記導電性粒子としては、支持体自体が導
電性をもつもの、例えば、金属粉体(例えばアルミニウ
ム、銅、ニッケル及び銀など)、金属単繊維、カーボン
ファイバー、導電性粉体[例えばカーボンブラック、チ
タンブラック、グラファイト、金属酸化物及び金属硫化
物(例えば酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ス
ズ、酸化チタン、酸化亜鉛、チタン酸カリウム、チタン
酸バリウム、チタン酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫
化亜鉛、硫化銅、酸化マグネシウム及び酸化アルミニウ
ムなど)、及びこれらの金属酸化物や金属硫化物を導電
性物質で表面処理したもの、シランカップリング剤やチ
タンカップリング剤で表面処理したもの、及び還元処理
したもの]などが挙げられる。
【0022】上記導電層と感光層の中間に、バリアー機
能と接着機能を持つ下引層を設けることもできる。下引
層はカゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロー
ス、エチレン−アクリル酸コポリマー、ポリビニルブチ
ラール、フェノール樹脂、ポリアミド(ナイロン6、ナ
イロン66、ナイロン610、共重合ナイロン、アルコ
キシメチル化ナイロンなど)、ポリウレタン、ゼラチ
ン、酸化アルミニウム、ポリアミド酸、ポリイミドなど
によって形成することができる。
【0023】下引層の膜厚は0.1〜50μm、好まし
くは0.3〜20μmが適当である。
【0024】電荷発生層は、モノアゾ、ビスアゾ及びト
リスアゾなどのアゾ系顔料;金属フタロシアニン及び無
金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料;イン
ジゴ及びチオインジゴなどのインジゴ系顔料;アントア
ントロン及びピレンキノンなどの多環キノン系顔料;ペ
リレン酸無水物及びペリレン酸イミドなどのペリレン系
顔料;スクワリリウム系色素;ピリリウム及びチアピリ
リウム塩類;及びトリフェニルメタン系色素などの電荷
発生物質を、適当な溶剤を用いて結着樹脂(バインダー
樹脂)、例えばポリビニルアセタール、ポリスチレン、
ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、メタクリル樹脂、アク
リル樹脂、ポリビニルピロリドン及びセルロース系樹脂
などの樹脂中に分散させた溶液を塗布し、乾燥すること
によって形成することができる。電荷発生層の膜厚は通
常5μm以下であることが好ましく、特には0.05〜
2μmであることが好ましい。
【0025】電荷輸送層は、成膜性を有する樹脂の溶液
に前述の電荷輸送物質を溶解した溶液を塗布し、乾燥す
ることによって形成される。
【0026】電荷輸送層の膜厚は、5〜40μmである
ことが好ましく、特には10〜30μmであることが好
ましい。
【0027】単一層型の場合には、前述したような電荷
発生物質、電荷輸送物質及び潤滑剤を分散及び溶解させ
た溶液を塗布し、乾燥することによって形成することが
できる。
【0028】また、本発明ではポリビニルカルバゾー
ル、ポリビニルアントラセンなどの有機光導電性ポリマ
ー層、前述した電荷発生物質の蒸着層、セレン蒸着層、
セレン−テルル蒸着層、アモルファスシリコン層なども
感光層として用いることができる。単一層型の場合、感
光層の膜厚は5〜40μmであることが好ましく、特に
は10〜30μmであることが好ましい。
【0029】上述した各種層の塗布方法としては、浸漬
コーティング法、スプレーコーティング法、ビームコー
ティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコー
ティング法、マイヤーバーコーティング法及びブレード
コーティング法などが挙げられる。
【0030】本発明の電子写真用感光体は、複写機、レ
ーザープリンター、LEDプリンター、液晶シャッター
式プリンターなどの電子写真装置一般に適応し得るが、
更に電子写真技術を応用したディスプレー、記録、軽印
刷、製版及びファクシミリなどの装置にも幅広く適用し
得るものである。
【0031】図1に本発明の電子写真感光体を用いた電
子写真装置の概略構成を示した。
【0032】図において、1は像担持体としてのドラム
型感光体であり軸1aを中心に矢印方向に所定の周速度
で回転駆動される。該感光体1は、その回転過程で帯電
手段2によりその周面に正または負の所定電位の均一帯
電を受け、次いで露光部3にて不図示の像露光手段によ
り光像露光L(スリット露光・レーザービーム走査露光
など)を受ける。これにより感光体周面に露光像に対応
した静電潜像が順次形成されていく。
【0033】その静電潜像は次いで現像手段4でトナー
現像され、このトナー現像像は、不図示の給紙部から感
光体1と転写手段5との間に感光体1の回転と同期取り
されて給送された転写材Pに転写手段5により順次転写
されていく。
【0034】像転写を受けた転写材Pは感光体面から分
離されて像定着手段8へ導入されて像定着を受けて複写
物(コピー)として機外へプリントアウトされる。
【0035】像転写後の感光体1の表面はクリーニング
手段6にて転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され
て、更に、前露光手段7により除電処理されて繰り返し
て像形成に使用される。
【0036】感光体1の均一帯電手段2としてはコロナ
帯電装置が一般に広く使用されている。また転写装置5
もコロナ転写手段が一般に広く使用されている。本発明
においては、上述の感光体、現像手段及びクリーニング
手段などの構成要素のうち、複数のものを装置ユニット
として一体に結合して構成し、このユニットを装置本体
に対して着脱自在に構成してもよい。例えば、帯電手
段、現像手段及びクリーニング手段の少なくとも1つを
感光体と共に一体に支持してユニットを形成し、装置本
体に着脱自在の単一ユニットとし、装置本体のレールな
どの案内手段を用いて着脱自在の構成にしてもよい。
【0037】光像露光Lは、電子写真装置を複写機やプ
リンターとして使用する場合には、原稿からの反射光や
透過光を感光体に照射すること、あるいは、センサーで
原稿を読取り、信号化し、この信号に従ってレーザービ
ームの走査、LEDアレイの駆動、または液晶シャッタ
ーアレイの駆動などを行ない感光体に光を照射すること
などにより行なわれる。
【0038】また、ファクシミリのプリンターとして使
用する場合には、光像露光Lは受信データをプリントす
るための露光になる。図2はこの場合の一例をブロック
図で示したものである。
【0039】コントローラ11は画像読取部10とプリ
ンター19を制御する。コントローラ11の全体はCP
U17により制御されている。画像読取部からの読取デ
ータは、送信回路13を通して相手局に送信される。相
手局から受けたデータは受信回路12を通してプリンタ
ー19に送られる。画像メモリには所定の画像データが
記憶される。プリンタコントローラ18はプリンター1
9を制御している。14は電話である。
【0040】回線15から受信された画像(回線を介し
て接続されたリモート端末からの画像情報)は、受信回
路12で復調された後、CPU17は画像情報の複号処
理を行ない順次画像メモリ16に格納される。そして、
少なくとも1ページの画像がメモリ16に格納される
と、そのページの画像記録を行なう。CPU17は、メ
モリ16より1ページの画像情報を読み出しプリンタコ
ントローラ18に複号化された1ページの画像情報を創
出する。プリンタコントローラ18は、CPU17から
の1ページの画像情報を受け取るとそのページの画像情
報記録を行なうべく、プリンター19を制御する。
【0041】なお、CPU17は、プリンター19によ
る記録中に、次のページの受信を行なっている。
【0042】以上のようにして、画像の受信と記録が行
なわれる。
【0043】
【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明を更に詳細に説
明する。実施例中、部は重量部を示す。 実施例1 アルミニウムシリンダーを支持体とし、これにポリアミ
ド樹脂(商品名:アミランCM−8000、東レ製)の
5%メタノール溶液を浸漬法で塗布し、90℃で10分
間乾燥することによって、膜厚が0.3μmの下引層を
形成した。
【0044】次に、下記式
【0045】
【化7】 で示されるビスアゾ顔料4.5部にテトラヒドロフラン
90部を加え、サンドミルで2時間分散した。この液に
ブチラール樹脂(商品名:BLS、積水化学工業製)
2.5部をテトラヒドロフラン20部に溶かした液を加
え、更に5時間分散した。この分散液にシクロヘキサノ
ン95部及びテトラヒドロフラン105部を加えて希釈
した溶液を、先に形成した下引層の上に塗布し、80℃
で10分間乾燥して、膜厚0.1μmの電荷発生層を形
成した。
【0046】次に、ポリカーボネート樹脂(重量平均分
子量55,000、帝人化成製)20部と電荷輸送物質
として化合物No()20部をクロルベンゼン100
部に溶解して、これに潤滑剤であるポリオレフィン系樹
脂粉体としてポリプロピレン樹脂粉体6部を加え、ステ
ンレス製ボールミルで50時間分散し、更にジクロルエ
タン20部を加えて電荷輸送層塗布液を作成した。この
液を前記電荷発生層上に塗布し、100℃で90分間熱
風乾燥して膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
【0047】このようにして作成した感光体1をブレー
ド侵入量(ブレードが感光体に押し当って曲がる長さ)
1.0mm、スポンジローラー相対速度106%になる
ように改造したキヤノン製複写機NP−3525に装着
し、画像評価及び耐久性評価を行なった。
【0048】感光体1は20万枚の耐久後も画像ボケや
地カブリは発生せず、高画質のコピーが得られた。ま
た、このときの感光体膜厚減少量は1.5μmであっ
た。
【0049】更に、前記感光体1を高温、高湿(32.
5℃、90%RH)中にて1万枚の耐久を行なったとこ
ろ、画像流れは全く発生せず高品位の画像が得られた。
【0050】比較例1 実施例1の電荷輸送物質に代えて下記構造式の電荷輸送
物質
【0051】
【化8】 を用い、潤滑剤としてポリ四フッ化エチレン樹脂粉体
(商品名:ルブロンL−2、ダイキン工業)を用いた他
は実施例1と同様な方法で比較感光体1を作成し、画像
評価及び耐久性評価を行った。
【0052】すると、比較感光体1は10万枚で、画像
ボケ及び地カブリが発生した。このときの感光体膜厚減
少量は7.8μmであった。
【0053】実施例2〜5 電荷輸送物質と潤滑剤を表1のように組合せた以外は実
施例1と同様な方法で感光体2〜9を作成し、画像評価
及び耐久性評価を行い、その結果を表2に示す。なお、
電荷輸送物質No.(A)、(B)及び(C)は以下の
通りである。電荷輸送物質(A)
【0054】
【化9】 電荷輸送物質(B)
【0055】
【化10】 電荷輸送物質(C)
【0056】
【化11】
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】比較例2 比較例1のポリ四フッ化エチレン樹脂粉体に代えてポリ
プロピレン樹脂粉体を用いた他は比較例1と同様な方法
で比較感光体2を作成した。
【0060】この比較感光体2を実施例1と同様な方法
で画像評価及び耐久性評価を行った。
【0061】すると、比較感光体2は10万枚で、画像
ボケ及び地カブリが発生した。このときの感光体膜厚減
少量は7.2μmであった。
【0062】比較例3〜4 実施例1でポリプロピレン樹脂粉体を用いず、電荷輸送
物質として電荷輸送物質No.(A)を用いた以外は実
施例1と同様な方法で比較感光体3を作成した。
【0063】また、実施例3でポリ四フッ化エチレン樹
脂粉体を用いない以外は実施例1と同様な方法で比較感
光体4を作成した。
【0064】そして、これらを前記の改造したキヤノン
製複写機NP−3525に装着し、高温高湿(32.5
℃、90%RH)中で耐久試験を行なった。
【0065】すると、これらの感光層には離型性がない
ため、表面に付着した紙粉などがとれにくく、いずれも
1万枚程度から画像流れが発生した。
【0066】実施例6〜8 電荷輸送物質と潤滑剤を表3のように組合せた以外は実
施例1と同様な方法で感光体6〜8を作成し、画像評価
及び耐久性評価を行い、その結果を表4に示す。
【0067】
【表3】
【0068】
【表4】
【0069】比較例5 実施例6の電荷輸送物質に代えて下記構造式の電荷輸送
物質
【0070】
【化12】 を用い、潤滑剤としてフッ化カーボン粉の代わりにポ
リフッ化ビニリデン樹脂粉を用いた他は実施例1と同
様な方法で比較感光体5を作成し、画像評価及び耐久性
評価を行った。
【0071】すると、比較感光体5は9万枚で、画像ボ
ケは発生しなかったが、地カブリが発生した。このとき
の感光体膜厚減少量は4.8μmであった。
【0072】また、この比較感光体5を前記の改造した
キヤノン製複写機NP−3525に装着し、高温高湿
(32.5℃、90%RH)中で耐久試験を行なった。
【0073】すると、3000枚程度から地カブリと画
像流れが発生した。
【0074】実施例9 実施例1で用いたジスアゾ顔料10部、ビスフェノール
A型ポリカーボネート(重量平均分子量20000、三
菱瓦斯化学製)10部及びジクロルメタン50部、テト
ラヒドロフラン50部を1φガラスビーズを用いたサン
ドミル装置で20時間分散した。
【0075】次に、前記ポリカーボネート樹脂20部と
実施例7で用いた電荷輸送物質20部をジクロルメタン
50部とテトラヒドロフラン50部の混合溶剤中に溶解
し、これにポリ四フッ化エチレン樹脂粉体6部を加え、
ステンレスボールミルで50時間分散した。この分散液
を前記ジスアゾ顔料分散液中に入れ、感光材溶液を調製
した。
【0076】この感光材溶液を実施例1と同様な方法で
作成した下引層を設けたアルミニウムシリンダー上に塗
布し、100℃で60分間乾燥させ、膜厚20μmの感
光層を形成した。これを感光体9とする。この感光体を
実施例1と同ようにして画像評価及び耐久性評価を行な
ったところ、18万枚の耐久後も地カブリや画像ボケは
発生せず高画質のコピーが得られた。
【0077】更に、前記感光体9を高温、高湿(32.
5℃、90%RH)中にて1万枚の耐久を行なったとこ
ろ、画像流れや地カブリは全く発生せず高品位の画像が
得られた。
【0078】比較例6 実施例1の電荷輸送物質として電荷輸送物質No.
(A)を用い、潤滑剤としてポリプロピレン樹脂粉体の
代わりにシリコーン樹脂粉体(XC−99−501、東
芝シリコーン製)を用いる以外は実施例1と同様の方法
によって作成した感光体を比較感光体6とする。これら
の感光体を実施例1と同ようにして画像評価及び耐久性
評価を行なった。
【0079】比較感光体6は、6000枚で画像ボケが
発生した。このときの感光体膜厚減少量は0.5μm以
下(検出限界)であった。
【0080】
【発明の効果】本発明の電子写真感光体及び電子写真装
によれば、感光体表面層に潤滑剤、感光層に特定の電荷
輸送物質を添加することにより、表面の摩耗や傷などに
対する機械的耐久性が向上し、クリーニング性が良好で
トナー付着のない、また画像ボケや地カブリのない高品
位の画像を継続して形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真装置の概略構成の例を示す図
である。
【図2】本発明の電子写真装置を用いたファクシミリの
ブロック図の例を示す図である。
【符号の説明】
1 電子写真感光体 1a 軸 2 帯電手段 3 露光部 4 現像手段 5 転写手段 6 クリーニング手段 7 前露光手段 8 像定着手段 L 光像露光 P 転写材 10 画像読取部 11 コントローラ 12 受信回路 13 送信回路 14 電話 15 回線 16 画像メモリ 17 CPU 18 プリンタコントローラ 19 プリンター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 5/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に感光層を有する電子写
    真感光体において、該感光体の表面層がポリ四フッ化エ
    チレン樹脂粉体、ポリエチレン樹脂粉体、ポリプロピレ
    樹脂粉体及びフッ化カーボン粉体から選ばれる潤滑
    剤、下記一般式(1)〜(6)で表わされる化合物から
    選ばれる少なくとも1種の電荷輸送物質及びポリカーボ
    ネート樹脂を含有し、該潤滑剤の含有量が表面層の全固
    形分に対し1〜50重量%であり、該電荷輸送物質がポ
    リカーボネート樹脂100重量部当り10〜200重量
    部であることを特徴とする電子写真感光体。【化1】 【化2】
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電子写真感光体と、帯電
    手段、像露光手段、現像手段、転写手段及びクリーニン
    グ手段を有することを特徴とする電子写真装置。
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