JP3308652B2

JP3308652B2 - 色空間フィルタリング装置

Info

Publication number: JP3308652B2
Application number: JP14635893A
Authority: JP
Inventors: シー．ストッフェルジェームズ; ジー．マークハムロジャー
Original assignee: ゼロックス・コーポレーション
Priority date: 1992-08-11
Filing date: 1993-06-17
Publication date: 2002-07-29
Anticipated expiration: 2017-07-29
Also published as: DE69316477D1; JPH06113155A; DE69316477T2; EP0583127A2; EP0583127A3; US5428377A; EP0583127B1

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、インク・ジェット・プ
リンタ等の色（カラー）空間フィルタリングに関し、特
に、黒の画像の品質を増大し、色相互間のしみ出し（に
じみ、ブリージング）を減少させる為に黒の画素の着色
を修正する熱インク・ジェット・プリンタに関係する印
刷モードと関連回路の向上に関する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】普通紙
上での高品質の黒のテキストとグラフィクス、並びに、
高品質のカラーテキストのグラフィクスと絵画の必要性
がある。従来技術の熱インク・ジェット・プリンタの現
状は、色急速乾燥CYMK（シアン、黄色、マゼンタ、黒）
のカラーインクと色相互で滲み出しが少ないが、黒の画
像の品質は改良される必要がある（例えば、ラインエッ
ヂの鮮明さ）。

【０００３】印刷に先立ってカラーデータを修正するた
めの様々な方法が知られている。米国特許第4,959,790
号は、色のある原稿画像の色修正された再現を行なうた
めの装置と方法を開示している。この特定の装置は、様
々な着色剤の直線性の欠陥の影響を修正する目的で設計
された。スキャナは原色の読みとりを表現する入力信号
を提供する。メモリは、原色の読み取りの増分と関連要
因を記憶する。この装置は、スキャナから読まれたそれ
ぞれの着色剤からの貢献の量に基づいて、最終的な着色
剤を決定する。この方法は、特定の画素に関する判断基
準がその画素の位置で高い濃度を示す場合には、黒の色
を単に添加する黒色向上モードを備える。この向上は、
その画像における陰の表現を向上させる目的の為であ
る。

【０００４】米国特許第4,724,477 号は、ある画像（イ
メージ）が色画像構成要素によって表現される画像向上
装置を開示している。フリンジ（縞）信号発生器は、複
数のシャープな信号とシャープでない信号を予め決めら
れた方法で引き出し、フリンジ発生器と並列に接続され
ている修正回路が信号を変更して、変更された出力信号
を提供する。黒の定義付け信号もまた、原稿（オリジナ
ル）の画素信号から導出され、オリジナルの信号と総和
されて、黒の出力信号を引き出す。黒の値が予め決めら
れたしきい値より上である時に、黒のフリンジ信号のみ
が総和されることが望ましい。

【０００５】米国特許第5,070,413 号は、バイナリー
（２進）色誤差よりも、むしろ感知された色ベクトルが
伝播される様に可視の色ぼけ（にじみ）機能を含むこと
によって感知された可視色を改良する連続な色調（トー
ン）画像を作り出すためのハーフトーン化（中間化）方
法を開示している。入力色ベクトルは好ましい新たな色
空間へと転送されて、新たな色ベクトルを生じる。出力
ベクトルは、次に新しいベクトル色毎に選択される。人
間の可視系統の滲みフィルタによって重み付けされた、
先に選択された出力ベクトルの付近は、滲んだ出力ベク
トルを生じる。この方法は、連続的な色調の画像を修正
して、ノイズとワーム（傷）を減少させるために使用さ
れる。

【０００６】多数の問題が、この向上方法と装置に関連
している。特に、色相互間の滲みを減少させ、或いは、
取り除きながら高い品質の色（カラー）画像を生成する
ことに関係する現行のインク・ジェット・プリンタに固
有の問題を取り上げている装置はない。この色相互間の
滲みは、四色のインク・ジェットに乾燥の遅い黒のイン
クを使用することに起因する。一般的に使われている乾
燥の遅いインクが黒の画像の高品質の再現を提供する一
方では、その他の色を含む隣接する部分へとそれが簡単
に滲むことが出来る。急速乾燥の黒のインクがプリンタ
に使用される場合には、色間の滲みが減少され、或い
は、取り除かれるが、現行の急速乾燥黒インクは、遅く
乾燥する黒のインクよりも画像品質が劣るので、黒の再
現品質が劣ることになる。加えて、黒色は、他の色彩の
組み合わせ、即ち、シアン、イエロ、及び、マゼンタ
（CYM ）の組み合わせによって再現することが出来る。
これもより一層、色相互間の滲みを減少させるが、現行
の色インクCYM が良好な黒のインクを使っての印刷に関
連する高品質の画像を提供しないので、結果的に、低下
した品質の黒の再現となる。

【０００７】従って、色相互間の滲みと高品質との間の
従来の妥協を必要としない様に、画素を取り囲む特性に
基づいて画素毎に黒を再現することの出来るインク・ジ
ェット・プリンタが必要である。将来のインクの方式と
用紙とは、乾燥時間を改良し、広がり、並びに、黒の画
像の品質さえをも改良させることが出来るかも知れない
が、現行のプリンタは、不当にプリンタのコストを上昇
させること無しに、これらの問題を解決する必要があ
る。

【０００８】本発明の一つの目的は、インク・ジェット
・プリンタによって作成される画像の全体的な印刷の外
観を改良するための、簡単で、低価格の方法と装置を提
供することである。本発明のもう一つの目的は、画素毎
に、黒の特定の表現を選択するための方法と装置を提供
することである。

【０００９】本発明の更にもう一つの目的は、色間の滲
み出しを減少させるが、にも拘らず、全体的な黒の画像
の品質を改良する黒の適切な表現を選択する空間カラー
フィルタを提供することである。本発明の更に加えても
う一つの目的は、隣接画素の周囲を検査して、其の周り
の部分をルックアップテーブルと比較して、適切な変更
の値を選択することで、予め決められた組の規則に基づ
いて適切な変更画素値を選定することによって、黒画素
の印刷を最適化する四色のCYMKシステム（系）を用いて
カラー画像を強調（向上）する選択可能な強調モードを
提供することである。

【００１０】

【課題を解決するための手段及び作用】これらの目的、
並びに、その他の目的は、色（カラー）画素空間フィル
タ・モードがカラーインク・ジェット・プリンタに追加
される本発明によって達成される。フィルタは、印刷さ
れるべき各画素を、周囲画素の近隣と共に検査して、1)
滲みの病理を避けるか、或いは、2)黒のテキストの品質
を最適化するために黒画素を生成する、及び／又は、隣
接画素を強調させる適切な方法を選択する。全体とし
て、印刷される画像は、黒部分の高品質の表現を含む一
方では、画像の黒と着色された部分との間の境界部分近
くで色間の滲み出しを最少にしている。

【００１１】本発明には多数の利点がある。フィルタは
簡単で、低価格のゲート・アレイと論理を採用してい
る。フィルタは、アプリケーションと作動システムに依
存しない。このフィルタは、将来のインクの改良を可能
にし、ユーザーのモードの選択を可能にする。フィルタ
は、「ダム・プリンタ（dumb printer）」を使って「マ
ック（Mac ）」と「ドス（DOS ）」の世界と両立でき
る。従来のプリンタの色間の滲み出しに遭遇すること無
しに、普通紙上で四色プリンタを使用して良好な画像の
品質を得ることが出来る。

【００１２】本発明の一様態では、カラーインク・ジェ
ット・プリンタで黒の品質を改善し、色相互間の滲み出
しを減少させるための色空間フィルタリング装置であっ
て、各々が色空間の各色を表現する色画素平面におい
て、予め決められた色空間で色画像を表現する入力デー
タ信号を受信するための入力信号受信手段と、前記デー
タ信号を記憶するためのバッファと、前記複数の色画素
平面を総和して複合画素平面を形成する総和手段と、複
合画素平面における前記各画素および当該画素に隣接す
る周囲画素により構成される、マトリックスを検査する
検査手段であって、該画素が黒かどうか判断し、さら
に、該画素が黒であれば、該マトリックスが（ａ）隣接
するブランク領域、（ｂ）隣接する黒以外の色領域、も
しくは、（ｃ）隣接する黒領域を有するかどうか、判断
する該検査手段と、各画素の好ましい表現を、黒の絵
画品質を向上し、色相互間の滲み出しを最小にする予め
決められた一組の規則に基づいて、決定するための論理
手段であって、該規則は、（ａ）前記マトリックスが隣
接する黒領域と隣接するブランク領域のグループとの内
１つを含むと判断された場合、所定の滲み特性を有する
第１のインクによって続いて印刷される黒画素を表現す
るようにし、（ｂ）該マトリックスが隣接する黒以外の
色領域を含むと判断された場合は、第１のインクより少
ない滲み特性を有する第２のインクによって引き続いて
印刷される黒画素を表現するようにする、こと、を含
む、該論理手段と、前記論理手段によって決められるよ
うに、バッファにおける前記各画素の予め決められた一
組の規則に基づいて決定された表現を使って、前記色画
素平面を更新するための更新手段と、を有する。

【００１３】

【実施例】図１に関連して、色画像（カラーイメージ）
生成部分１０と印刷部分１２で構成されている印刷シス
テムが示されている。色画像生成部分１０は、モニタ１
６とキーボード１８に接続されたコンピュータ１４を含
むことが出来、或いは、色画像を走査し、予め決めた色
空間にその画像を表現することの出来るスキャナ２０を
含むことが出来る。印刷部分１２は、カラーインク・ジ
ェット・プリンタ２２を含み、RS232C、422 と言った適
切なインターフェイス２４または類似のインターフェイ
スを介して色画像生成部分１０に接続される。コンピュ
ータ１４は更に、アプリケーション・プログラム２８を
実行するマイクロプロセッサ２６と、インターフェイス
２４を介してプリンタ２２へ画像を表現する画像信号を
形成して提供するグラフィクス・ドライバ３０を含む。
画像信号は、RGB, CIELAB, CIELUV, YIQ, CMYKまたはCY
M と言った一般的に使われる色空間構成の何れでも良
い。

【００１４】インク・ジェット・プリンタ２２は、色
（カラー）インクを印刷する為の少なくとも一つのプリ
ントヘッド３２と、印刷に先立って画像を表現する信号
を記憶するためのカラースワス（刈り取り列）・バッフ
ァ３４とを備えていれば、何れの標準のタイプのプリン
タでも良い。本発明による色空間フィルタ３６は、色生
成部分１０からの画像をCYMK色空間に表現するデータ信
号を受信する。カラー生成部分１０がCYMK以外の色空間
の信号を送信する場合には、そのデータ信号を、シア
ン、イエロ、マゼンタ及び黒（CYMK）の四色のカラー画
素平面４０を持つCYMK色空間に変換する為に、変換フィ
ルタ３８を利用することが出来る（図３）。これらの信
号は、その値を強調（向上）するために、色空間フィル
タ３６を介してスクロールされるかラスターされて、色
相互間の滲み出しを減少させ、黒画像の品質を改良す
る。カラー空間フィルタ３６は、単純なブール論理を含
んでいる5×5 のマトリックス・ゲート・アレイと言っ
たゲート・アレイを含むのが望ましい。このフィルタは
更に、論理規則を評価する（数的に表現する）プロセッ
サを含むことが出来る。検査された各画素毎に高い値を
決定するのに使用される比較マトリックス値を記憶して
いるルックアップテーブルを装備しても良い。

【００１５】色空間フィルタ３６は更に、プリンタ２２
に配置され、ONとOFF の位置の間で動くことの出来る色
空間フィルタ・モード・スイッチ４２を含むことが望ま
しい。このスイッチ４２は、フィルタ３６を作動させ、
或いは、作動停止させるのに使うことが出来る。本発明
は、標準の熱インク・ジェット・プリンタと共に使用し
た時には、「マック」と「DOS 」の世界と両立すること
が出来る。

【００１６】図２に関連して、色空間フィルタ３６と関
連のハードウェアを含んでいるプリンタ２２は、下記の
ステップを実施する。画像はグラフィクス・アプリケー
ションプログラム２８を通じて生成されるか、或いは、
コンピュータ１４と関連したスキャナ２０によって走査
される。コンピュータ１４は、RGB と言ったカラー空間
における画像カラー信号をインターフェイス２４（ステ
ップ210 ）を介してプリンタ２２に送信する。これらの
信号は、適切なハードウェアによってCYMK空間に変換さ
れ、シアン、イエロ、マゼンタ、及び、黒（CYMK）の四
色の絵画素の平面４０へと変換される（ステップ220
）。次のステップ230 では、強調（エンハンスメン
ト）印刷モードがOFF である場合には、即ち、スイッチ
４２がOFF である場合には、変換された信号は、カラー
スワス・バッファ３４へ出力される（ステップ240 ）。
これによりエンハンスメント（強調）、互換性のあるに
じみ出しの少ない黒の使用、あるいはコーティング又は
選択された用紙のストックへの印刷を必要としない将来
のインクのグレードアップが可能になる。

【００１７】強調印刷モードがONである場合には、即
ち、スイッチ４２がONである時には、カラー空間フィル
タ３６が作動され、画素平面４０がカラースワス・バッ
ファ３４へ流れるにつれて、その平面を介して増分的に
スクロールし、画素平面を「OR（論理和）」の様式で総
和し、一時的に組み合わされた画素平面４４を形成する
（ステップ215 ）。組み合わされた画素平面４４の各画
素は、画素の近隣部分と共に増分的に検査される（ステ
ップ225 ）。その近隣部分は、その用途、或いは、品質
と効率を最適化する様に意図された使用に最も適する特
定の寸法のマトリックスを含むことができる。5×5 マ
トリックスが望ましい。この場合には、フィルタは五つ
の列の画素の平面を介してスクロールし、画素平面が総
和された後で5x5 のマトリックスにおいて中央の画素と
それに隣接する２４個の周囲画素を検査する。各画素と
近隣の周囲画素は、簡単な論理によって分析され、隣接
する全てのカラー領域への黒のインクの色相互間の滲み
出しを許容すること無しに、その特定の画素を最善に表
現する画素の強調値を最善の方法で見つけ出す（ステッ
プ235 ）。強調値が予め決められた一組の規則に基づい
て決定された後で、画素平面４０は、その値をカラース
ワス・バッファに記憶する前に、その特定の画素の強調
値で更新される（ステップ245 ）。予め決められた一組
の規則は、隣接する空白領域、隣接するカラー領域、及
び、隣接する黒領域の間を区別する単純なしきい値とす
ることが出来、或いは、もっと複雑で、当該の色素とそ
の周囲の隣接画素が比較される複数のマトリックスの値
を表現するデータを備えた一つまたはそれ以上のルック
アップテーブルを含むことも出来る。一般的に、フィル
タ３６は画像データを強調して、その結果、周囲の領域
があるカラーの境界中央画素を表現する予め決めた量の
カラーの値を含む場合には、特定の黒画素はカラーCYM
を使って印刷される。周囲の領域が予め決めた量の黒画
素を含む場合には、この場合のカラー相互間の滲みが隣
接する画素に最少の影響をもたらし、K を使ってのこの
画素の印刷がDmaxを増大する、即ち、画像の品質を増大
するので、Kを使って黒画素が印刷される。この検査と
交換は、画素平面における各画素毎に継続する。ステッ
プ255 は、全ての画素が検査されたか否かをチェックす
る。検査が完了していない場合には、ステップ265 は、
ステップ225 へと戻る。全ての画素平面４０が更新され
た場合には、カラースワス・バッファ３４は更新された
画素平面のデータを含む（ステップ240 ）。これはその
次に、プリンタ２２のプリントヘッド３２によるカラー
スワス・バッファ３４におけるデータを表現する画像の
印刷が続く（ステップ250 ）。

【００１８】一般的に、好ましいフィルタ３６は、全て
の三色（CYM ）の黒を黒に変換する。黒の画素が実質的
な黒の領域の一部でないと判断された場合には、その画
素は三色の黒と置き換えられる。黒画素が実質的な黒の
領域の一部であると判断された場合には、三画素の半径
の範囲内の全てのカラー画素が消去される。最初の例の
フィルタでは、ラスターとして黒に転換された全ての三
色の黒を持つ入力画像はラスターのフィルタ・スタック
（束）に加えられる。黒のラスターが（左から右へと）
走査されるにつれて、次の判断基準の一つが真実である
場合には、黒の画素が黒の領域に結合されると判断され
る：1)その画素が上側に或いは左側に接続された黒の画
素を持つ：或いは、2)その画素が右側に隣接する黒（画
素）を、並びに、直接下に隣接する黒（画素）を持ち、
これらの隣接する黒画素が隣接する黒画素を有する隣接
する黒画素を持つ。右側と下側に対する四象限のみが、
これらの隣接する黒に関して探索される。この例では、
黒の画素はこの判断基準を満たすように二回使用するこ
とが出来る。

【００１９】条件１は問題の画素に回りの条件２の４回
転を処理して、問題の地点の周りで左右対象であるとい
う条件を排除するので、この特定のフィルタは最大より
も低い複雑性を持つ。この例では、「隣接する黒（画
素）」とは対角線に隣接する画素を排除することを意味
する。結合されると判断することの出来る最も小さな部
分は、非常にコンパクトな形状の中に五つの画素を含
む。

【００２０】第二の例のフィルタ３６は、黒画素が実質
的な領域に結合されると判断するのに使われる条件が完
全に左右対象であることを例外にして、ほぼ第一のフィ
ルタと同じである。この様に、次の事項の一つが事実で
ある場合には、黒画素は結合されると判断される：1)黒
画素が左側に隣接する黒画素を、並びに、上側に隣接す
る黒画素を持ち、これらの画素が隣接する黒画素を持つ
隣接する黒画素を備える：2)最初の二つの隣接する黒画
素が左側と下側に対してであることを除いて上記１）と
同じ：3)最初の二つの隣接する黒画素が右側と下側に対
してであることを除いて上記１）と同じ：4)最初の二つ
の隣接する黒画素が右側と上側に対してであることを除
いて上記１）と同じ：5)最初の二つの隣接する黒画素が
右側と左側に対してであることを除いて上記１）と同
じ：6)最初の二つの隣接する黒画素が上側と下側に対し
てであることを除いて上記１）と同じ。

【００２１】もう一度言うが、「隣接する黒画素」とは
対角線に隣接する画素を除外することを意味する。しか
しながら、フィルタに対して、対角線に隣接する画素を
分析させることは、有益であるかも知れない。この例で
は、結合されると判断することの出来る最少の領域は、
極めてコンパクトな形状の中に五つの画素を含む。この
形状の全ての複数の90°の回転と反射とは、同じである
と判断される。多くの方法で、この第二のアルゴリズム
は、入力ビット・パターンにより均一の反応を与える。

【００２２】第一の実施例によれば、プリンタ２２は、
隣接する画素の中へと滲む遅い乾燥の高品質の黒のイン
ク(K) と乾燥の早い滲みの少ないシアン、イエロ、及
び、マゼンタ（C,Y,M ）を利用する。単純な論理は、各
画素、並びに、例えば、5×5のマトリックスである画素
の隣の画素を検査し、K を使用して、黒と白のテキス
ト、グラフィクス、並びに、絵画を印刷する。カラー領
域はC,Y,M で印刷される。黒の画素によって取り囲まれ
た黒の絵画素は、その絵画のDmaxを豊かにするためにK
で印刷される。隣接する領域、即ち、近隣での黒とその
他のカラーを使った領域は、図4(a)及至4(c)に示される
通り、単純な論理に従って印刷される。近隣部分での周
囲画素が黒以外のカラーを含む場合には、その黒画素は
カラーエッヂの詳細な変遷のために低い滲みのCYM で印
刷される（図4(a)）。隣接部分における周囲画素が主と
して黒である場合には、その黒画素はより密度の濃い、
品質の高い黒で印刷される（図4(b)）。論理は、１か０
である画素を修正値にマッピングするのにブール論理を
実行するゲート・アレイとすることが出来る。ゲート・
アレイは２５の入力と一つの出力を持つ5×5 のマトリ
ックスであり、画素平面４０がカラースワス印刷バッフ
ァ３４へ流れるにつれて、バイナリー画素平面上で働く
のが望ましい。改良された印刷品質と低い色相互間の滲
みでその画素を最善に印刷するには、CYM とK のインク
とグレイスケールの技術の様々な組み合わせを使って黒
画素を印刷するためもっと多くの諧調段階を提供するの
に、ルックアップテーブルを使うことが出来る。

【００２３】所望結果と使用される特定のインクに依存
して、様々な他の代替え的な論理の構成を利用すること
が出来る。例えば、図5(a)及至5(c)に関連して示される
様に、黒画素が片側でそれを取り囲んでいる黒画素と、
もう一方側で着色画素を、即ち、境界の状況を持つ場合
には、一つまたはそれ以上の境界の黒画素は、乾燥の遅
い黒の「下で」乾燥の早いシアン、マゼンタ、または、
イエロのインクで印刷することが出来る（図5(a)）。先
にも記載した通り、境界の黒の画素を使ってのもう一つ
のオプションは、背景の色を削除することによって黒の
境界領域に隣接する一つまたはそれ以上のカラー画素に
おいて白の画素境界を作り出すことであろう（図5
(b)）。これはカラー間の滲みを取り除き、場合によっ
ては、他の方法よりも良好な境界の画像を提供するであ
ろう。もう一つの代替え手段は、先の二つの代替え手段
の組み合わせで、それによって、白い画素境界が黒の境
界領域に隣接する一つまたはそれ以上のカラー画素にお
いて作り出され、黒の境界領域は乾燥の遅い黒の「下
で」乾燥の早い背景の色で先ず印刷される（図5(c)）。

【００２４】第２実施例では、二つの黒印刷インクを有
すプリンタ２２が使われる。黒のインク(K1)の一つは、
急速乾燥であるが、滲みのあるエッヂを残し、幾分低い
Dmaxと限定的な滲みを持つ。もう一つの黒のインク(K2)
はよりシャープなエッヂ、より高いDmax、並びに、滲み
を持つ。この実施例によれば、図6(a)及至6(c)に示され
るとおり、黒白のテキスト、グラフィクス及び絵画は、
K2を使って印刷される。カラー領域はCYM で印刷され
る。周囲がカラー画素で囲まれている黒の画素は、低い
滲みのK1で印刷される（図6(a)）。近隣で主として黒の
周囲画素を持っている黒画素は、高い品質の、より濃い
黒インクで印刷される（図6(b)) 。隔離された、即ち、
着色の無い周囲部分を持つ黒の画素は、滲みが問題でな
いので、K2で印刷される（図6(c)）。中間の値に関して
は、最少の滲みで、更に正確で、高品質の色の再現を提
供する為に、ルックアップテーブルを提供することが出
来る。

【００２５】その様な物を含んでいる本発明のフィルタ
とプリンタは、ゲート・アレイまたはEPLD等のハード配
線論理を使って構成するのが望ましい。理由は、全ての
論理パスが単一のクロック・サイクルで並列に探索され
るので、これらのゲート・アレイ又はEPLD等が直ちにそ
の画像を流すからである。しかしながら、フィルタ・ア
ルゴリズムは、ステップ毎にその画像を通じて循環する
ことの出来る高速のプロセッサを備えたコンピュータの
中に、コンピュータ・プログラムを含むことが出来る。
この種の適切なフィルタは、C 言語のような高いレベル
の言語で書かれたプログラムを含み、25MHz かそれ以上
に早い処理速度の80486 等のプロセッサで実行すること
が出来る。これは、しかしながら、ハード配線よりも長
い処理時間を必要とし、その時間はフィルタ論理の複雑
性に依存する。

【図面の簡単な説明】

【図１】強調モード・スイッチとバッファを備える本発
明によるプリンタを含んでいるパーソナル・コンピュー
ターの概略図である。

【図２】コンピュータと言ったソース（源）から入力デ
ータ値からの強調させた色画像を出力し、印刷するのに
必要な様々なステップを示しているフローチャートであ
る。

【図３】データがどの様に変換フィルタを通してRGB か
ら変換されてCYMKの値を形成し、画素平面で方向付けさ
れ、色彩スワス・バッファへと出力されるかの図表であ
る。

【図４】(a) 及至(c) は、本発明の第一実施例に従って
黒の画素の表現を決定するために使われる論理の例であ
る。

【図５】(a) 及至(c) は、第一実施例の変形例に従って
黒の画素の表現を決定するために使われる論理の例であ
る。

【図６】(a) 及至(c) は、本発明の第二実施例に従って
黒の画素の表現を決定するために使われる論理の例であ
る。

【符号の説明】

１０色画像生成部分１２印刷部分１４コンピュータ２０スキャナ２２カラーインク・ジェット・プリンタ３２プリントヘッド３６色空間フィルタ３８変換フィルタ４０四色画素平面４２色空間フィルタ・モード・スイッチ

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号ＦＩＨ０４Ｎ 1/46 Ｂ４１Ｊ 3/04 １０１Ａ (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) H04N 1/46 - 1/64 G06T 1/00 510 G06T 5/00 100

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】カラーインク・ジェット・プリンタで黒
の品質を改善し、色相互間の滲み出しを減少させるため
の色空間フィルタリング装置であって、各々が色空間の各色を表現する色画素平面において、予
め決められた色空間で色画像を表現する入力データ信号
を受信するための入力信号受信手段と、前記データ信号を記憶するためのバッファと、前記複数の色画素平面を総和して複合画素平面を形成す
る総和手段と、前記複合画素平面における各画素および当該画素に隣接
する周囲画素により構成される、マトリックスを検査す
る検査手段であって、該画素が黒かどうか判断し、さら
に、該画素が黒であれば、該マトリックスが（ａ）隣接
するブランク領域、（ｂ）隣接する黒以外の色領域、も
しくは、（ｃ）隣接する黒領域を有するかどうか、判断
する該検査手段と、各画素の好ましい表現を、黒の絵画品質を向上し、色相
互間の滲み出しを最小にする予め決められた一組の規則
に基づいて、決定するための論理手段であって、該規則
は、（ａ）前記マトリックスが隣接する黒領域と隣接す
るブランク領域のグループとの内１つを含むと判断され
た場合、所定の滲み特性を有する第１のインクによって
続いて印刷される黒画素を表現するようにし、（ｂ）該
マトリックスが隣接する黒以外の色領域を含むと判断さ
れた場合は、第１のインクより少ない滲み特性を有する
第２のインクによって引き続いて印刷される黒画素を表
現するようにする、こと、を含む、該論理手段と、前記論理手段によって決められるように、バッファにお
ける前記各画素の予め決められた一組の規則に基づいて
決定された表現を使って、前記色画素平面を更新するた
めの更新手段と、を有する色空間フィルタリング装置。