JP3306924B2 - エポキシ化合物およびその組成物 - Google Patents

エポキシ化合物およびその組成物

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JP3306924B2 JP27175192A JP27175192A JP3306924B2 JP 3306924 B2 JP3306924 B2 JP 3306924B2 JP 27175192 A JP27175192 A JP 27175192A JP 27175192 A JP27175192 A JP 27175192A JP 3306924 B2 JP3306924 B2 JP 3306924B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なエポキシ化合物お
よびその組成物に関する。本発明のエポキシ化合物およ
びその組成物は、低誘電性が必要とされる電気・電子用
途における積層板用樹脂として特に有用であり、封止用
途や成形用樹脂にも応用可能である。
【0002】
【従来の技術】従来、電気・電子用途に用いられるエポ
キシ樹脂組成物のなかで、プリント配線基板用の材料と
しては、主としてビスフェノール型エポキシ樹脂とジシ
アンジアミドの組み合わせが用いられている。近年、プ
リント配線基板の多層化に伴い、主に信号速度向上の目
的から樹脂の低誘電性が要求されてきている。この要求
に応えるための手段として従来のエポキシ樹脂組成物で
は、低誘電性の熱可塑性樹脂の添加が周知であるが、こ
の方法によれば、エポキシ樹脂の耐熱性や接着性を損な
う欠点が指摘され、実用に耐え得る低誘電性樹脂の要求
を十分に満たすことができなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は前記し
た問題を解決しようとするものである。すなわち、エポ
キシ化合物自体をより低誘電性のものとすることによ
り、耐熱性や接着性に優れた低誘電性のエポキシ樹脂組
成物を得ようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、エポキシ
化合物の骨格構造について鋭意研究を続けた結果、下記
の一般式(1)で表されるエポキシ化合物が優れた低誘
電性を示すことを見出し、本発明を完成させるに至っ
た。本発明のエポキシ化合物は、下記一般式(1)で表
されるものである。
【0005】
【化2】 (式中、nは、平均繰返し単位数を示し、1以上20以
下の数値をとる。R1 ,R2 ,R3 ,R4 は、それぞれ
独立に水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数5
〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜12のアリール
基、炭素数7〜20のアラルキル基のいずれかを表す。
但し、R1 ,R2 ,R3 ,R4 全てが水素原子ではな
い。P,Qは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数
1〜8のアルキル基、アルケニル基およびアルキニル
基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜1
4のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素
数1〜8のアルコキシ基、アルケニルオキシ基およびア
ルキニルオキシ基、炭素数6〜14のアリーロキシ基、
ニトロ基、シアノ基のいずれかを表し、iは、n=1の
ときのみ0以上4以下の整数値をとり、それ以外の場合
は0以上3以下の整数値をとる。jは、0以上4以下の
整数値をとる。)上記一般式中で、nの値としては1以
上20以下の数値が挙げられるが、エポキシ化合物の耐
熱性と、操作性に関与する低粘度性とのバランスの上
で、1以上5以下が好ましい。
【0006】本発明のエポキシ化合物は、下記一般式
(2)
【化3】 (但し、式中のn,R1 ,R2 ,R3 ,R4 ,P,Q,
iおよびjの定義は、前記の一般式(1)のエポキシ化
合物における定義と同じである。)で表される化合物
に、適当な有機溶媒中、苛性ソーダ等のアルカリ存在下
でエピハロヒドリンを反応させる公知の方法で得ること
ができる。
【0007】上記一般式(2)の化合物は、特開昭58
−121230号、58−121231号、63−30
3939号等に示される方法の他に、公知のいかなる方
法で得られたものでも用いることができる。上記一般式
(2)で示される化合物の一般的な製法としては、ジイ
ソプロペニルベンゼン、ビス(α−ヒドロキシイソプロ
ピル)ベンゼン、1-イソプロペニル−3−α−ヒドロキ
シイソプロピルベンゼン、1−イソプロペニル−2−α
−ヒドロキシイソプロピルベンゼン、1−イソプロペニ
ル−4−α−ヒドロキシイソプロピルベンゼンおよびそ
れらの芳香核置換誘導体に代表される化合物と、フェノ
ール類を、酸触媒存在下で反応することが例示される
が、この限りではない。
【0008】ここでフェノール類とは、フェノール性水
酸基を少なくとも1個有する化合物が該当し、例示する
とフェノールまたは、クレゾール、エチルフェノール、
n−プロピルフェノール、イソプロピルフェノール、n
−ブチルフェノール、イソブチルフェノール、t−ブチ
ルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノー
ル、キシレノール、メチルブチルフェノール、ジ−t−
ブチルフェノール、ジ−t−アミルフェノール等を代表
とするアルキルフェノールの各種o−、m−、p−異性
体、または、ビニルフェノール、アリルフェノール、プ
ロペニルフェノール、エチニルフェノール等を代表とす
るアルケニルあるいはアルキニルフェノールの各種o
−、m−、p−異性体、または、メトキシフェノール、
エトキシフェノール、アリロキシフェノール、プロパル
ギロキシフェノール等を代表とするアルコキシ、アルケ
ニルオキシあるいはアルキニルオキシフェノールの各種
o−、m−、p−異性体、または、シクロぺンチルフェ
ノール、シクロヘキシルフェノール、シクロヘキシルク
レゾール等を代表とするシクロアルキルフェノール、ま
たは、クロロフェノール、ジクロロフェノール、ブロモ
フェノール、ジブロモフェノールに代表されるハロゲン
置換フェノール、あるいはニトロフェノール、シアノフ
ェノール、アリールフェノール、アラルキルフェノー
ル、等の置換フェノールが挙げられる。
【0009】該フェノールのなかでも、低誘電率化のた
めにより好ましいものとして、2,6−キシレノール、
2−ブチル−5−メチルフェノール、2−ブチル−4−
メチルフェノール、2,4−ジブチルフェノール、2,
4−ジ(t−アミル)フェノール、2−シクロヘキシル
−5−メチルフェノール、2−t−ブチルフェノール、
2−(t−アミル)フェノール、2−シクロヘキシルフ
ェノール等を例示することができる。
【0010】本発明にて用いられる硬化剤としては、公
知のものが使用可能であり、例えば、フェノールノボラ
ック、クレゾールノボラック、1,1,1−トリスヒド
ロキシフェニルエタン等の多価フェノール類、芳香族ア
ミン、脂肪族アミン等のアミン系硬化剤、酸無水物、ジ
シアンジアミド、ヒドラジド化合物等が挙げられる。好
ましくは、ジシアンジアミドあるいは多価フェノール類
である。またその配合量についてはエポキシ基に対して
0.3〜1.2当量が好ましい。
【0011】本発明に用いられるフェノール性水酸基を
2個以上有する化合物としては公知のものが使用可能で
あり、例えば、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノ
ン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビフェノー
ル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,
4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、テトラブロモ
ビスフェノールA、ポリビニルフェノール等が挙げられ
る。
【0012】本発明のエポキシ化合物とフェノール性水
酸基を2個以上有する化合物との反応は公知の方法で行
えば良い。例えば、上記の成分をトリフェニルフォスフ
ィンまたはイミダゾール等の塩基性触媒の存在下で反応
させることができる。反応させることにより、架橋点間
距離の変化によるガラス転移温度の制御や含ハロゲン化
合物あるいは含リン化合物を用いた難燃性付与を、硬化
時の低分子量物の揮散なしに行うことができる。
【0013】また、本発明の効果を損なわない程度に、
従来公知の二官能エポキシ樹脂、多官能エポキシ樹脂あ
るいは官能基を有する熱可塑性樹脂等を併用することも
可能である。具体的には、ビスフェノールAのグリシジ
ルエーテル、テトラブロモビスフェノールAのグリシジ
ルエーテル、フェノールノボラックのグリシジルエーテ
ル、クレゾールノボラックのグリシジルエーテル、ブロ
モ化フェノールノボラックのグリシジルエーテル、グリ
シジル修飾ポリブタジエン、無水マレイン酸修飾ポリエ
チレン等である。これらの樹脂はエポキシ樹脂組成物中
に混合されていても良いし、本発明のエポキシ化合物ま
たは本発明のエポキシ化合物とフェノール性水酸基を2
個以上有する化合物との混合物と予め反応させておいて
用いることもできる。
【0014】本発明では、使途により組成物中に硬化促
進剤、難燃剤、離型剤、表面処理剤、充填剤等の公知の
添加剤を加えても良い。硬化促進剤としてはイミダゾー
ル類、三級アミン類、リン系化合物を、難燃剤としては
三酸化アンチモン、赤リン等を、離型剤としてはワック
ス類、ステアリン酸亜鉛等を、さらに表面処理剤として
はシランカップリング剤を挙げることができる。充填剤
としてはシリカ、アルミナ、タルク、クレー、ガラス繊
維等を挙げることができる。
【0015】本発明の樹脂組成物を積層板に用いる場合
には樹脂組成物をメチルエチルケトン、エチレングリコ
ールモノメチルエーテル、1,4−ジオキサン等の溶剤
を用いて均一に溶解させ、ガラス繊維、ポリエステル繊
維、ポリアミド繊維、アルミナ繊維等の有機、無機繊維
からなる織布、マット、紙あるいはこれらの組み合わせ
からなる基材に含浸させ、加熱乾燥して得たプリプレグ
を熱プレス成形する方法が挙げられるが、これらの方法
に限定されない。
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。例中、エポキシ当量と
は、エポキシ基1個あたりのエポキシ樹脂の分子量で定
義される。OH当量は、OH基1個あたりのOH化合物
の分子量で定義される。また、加水分解性塩素とは、エ
ポキシ樹脂をジオキサンに溶解し、水酸化カリウムのア
ルコール溶液を加え、還流状態で30分加熱したときに脱
離する塩素イオンを、硝酸銀水溶液で逆滴定し、該化合
物中の重量百分率で表したものである。
【0016】合成例1 本例は、本発明のエポキシ化合物の原料となる、4,
4’−〔1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデ
ン)〕ビス〔2,6−ジメチル] フェノールの製法に関
するものである。温度計、攪拌装置、還流冷却装置を付
けた3リットル4つ口丸底フラスコに、2,6−キシレ
ノール488.0g(4.0mol)、ビス(α−ヒド
ロキシイソプロピル)ベンゼン51.0g(0.26m
ol)、濃塩酸800gを仕込み、60℃に昇温して1
時間保持する。ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ベ
ンゼン51.0g(0.26mol)をさらに仕込み、
1時間60℃で保持した後、再度ビス(α−ヒドロキシ
イソプロピル)ベンゼン53.2g(0.28mol)
を仕込み、60℃で7時間保持して反応を完結させる。
反応後、トルエンで希釈して濃塩酸層を除き、温重曹水
で中和し、さらに温水で有機層を洗浄した後、減圧下で
濃縮して、ガラス状固体を得る。トルエン/n−ヘプタ
ンで再結晶して結晶を冷トルエンで洗浄し、減圧乾燥す
ることにより、白色結晶249.8gを得る(収率78
%)。融点は、129.5−131.5℃であり、プロ
トン核磁気共鳴吸収スペクトル測定の結果、δ7.24
−7.00(4H,m),6.77(4H,s),4.
47(2H,s),2.17(12H,s),1.59
(12H,s)のシグナルが検出された。さらに赤外吸
収スペクトル、ゲルパーミエイションクロマトグラフィ
ー、質量分析により、目的物であることを確認した。
【0017】合成例2 本例は、本発明のエポキシ化合物の原料となる、4,
4’−〔1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデ
ン)〕ビス〔2−t−ブチル−5−メチル〕フェノール
の製法に関するものである。温度計、攪拌装置、還流冷
却装置を付けた5リットル4つ口丸底フラスコに、2−
t−ブチル−5−メチルフェノール1231.5g
(7.5mol)、ビス(α−ヒドロキシイソプロピ
ル)ベンゼン291.5g(1.5mol)、濃塩酸1
500g、さらにトルエン1000gを仕込み、30℃
で30時間反応させる。反応後、濃塩酸層を除いた後、
10%苛性ソーダ水溶液で中和し、イオン交換水で洗浄
する。減圧濃縮により溶媒を除去後、得られたガラス状
固体をトルエンで再結晶する。結晶をろ別した後、冷ト
ルエンで洗浄し、減圧乾燥することにより、目的物22
9.3gを得る(収率47.1%)。融点は、180.
9−196.5℃であり、実施例1と同様にプロトン核
磁気共鳴吸収スペクトル、赤外吸収スペクトル、ゲルパ
ーミエイションクロマトグラフィー、質量分析により、
目的物であることを確認した。
【0018】合成例3 本例は、本発明のエポキシ化合物の原料となる、o−ク
レゾールが1,3−α, α, α’,α’−テトラメチル
キシリレンで結合した構造を有するo−クレゾールオリ
ゴマーの製法に関する。o−クレゾール108.1g
(1.00mol)、1,3−ビス(α−ヒドロキシイ
ソプロピル)ベンゼン128.2g(0.66mo
l)、トルエン150g、p−トルエンスルホン酸1水
和物5.2g(0.03mol)を、還流冷却器を取付
けた分離管、温度計、攪拌装置を取付けた1リットルの
反応器に仕込み、溶解せしめた後、120℃に昇温し
て、共沸する水を除去しながら8時間保温する。反応後
放冷し、トルエンで希釈後水洗した後、溶媒を減圧留去
することにより、o−クレゾールオリゴマー149.4
gを得る。実施例1と同様にプロトン核磁気共鳴吸収ス
ペクトル、赤外吸収スペクトル、ゲルパーミエイション
クロマトグラフィー、質量分析により、目的物であるこ
とを確認した。さらに液体クロマトグラフィーによる検
量線法で平均のnを求めた結果、1.36であった。ま
たOH当量は245g/eqであった。
【0019】合成例4 本合成例は、本発明におけるエポキシ化合物の原料とな
る、4,4’−〔1,3−フェニレンビス(1−メチル
エチリデン)〕ビス(2−シクロヘキシル−5−メチル
フェノール)の製法に関するものである。温度計、攪拌
装置、還流冷却装置を付けた3リットル4つ口丸底フラ
スコに、2−シクロヘキシル−5−メチルフェノール4
75.0g(2.5mol)、m−ビス(α−ヒドロキ
シイソプロピル)ベンゼン97.0g(0.5mo
l)、濃塩酸417.0gを仕込み、80℃で15時間反
応させる。反応後トルエン1076.0gを仕込んで希
釈し、濃塩酸層を除いた後、10%重曹水溶液で中和
し、イオン交換水で洗浄する。減圧濃縮により溶媒を除
去後、得られたガラス状固体をトルエンで再結晶する。
結晶をろ別した後、冷トルエンで洗浄し、減圧乾燥する
ことにより、目的物127.8gを得る。(収率47.
5%)融点は、169.0−171.0℃であり、プロ
トン核磁気共鳴吸収スペクトル、赤外吸収スペクトル、
ゲルパーミエイションクロマトグラフィー、質量分析に
より、目的物であることを確認した。
【0020】実施例1 本実施例は、合成例1で得られた原料からの本発明のエ
ポキシ化合物の製法に関するものである。合成例1で得
られた4,4’−〔1,3−フェニレンビス(1−メチ
ルエチリデン)〕ビス〔2,6−ジメチル〕フェノール
100.7g(0.25mol)、エピクロロヒドリン
323.8g(3.5mol)、ジメチルスルホキシド
161.9gを、温度計、攪拌装置、分離管付きコンデ
ンサーを付けた1リットル4つ口平底フラスコに仕込
み、48℃ 41torrの条件下で48.6%苛性ソ
ーダ水溶液41.2g(0.5mol)を5時間かけて
滴下する。この間、温度は48℃に保ちながら、共沸す
るエピクロロヒドリンと水を冷却液化し、有機層を反応
系内に戻しながら反応させた。反応終了後は、未反応の
エピクロロヒドリンを減圧濃縮により除去し、副生塩と
ジメチルスルホキシドを含むエポキシ化物をメチルイソ
ブチルケトンに溶解させ、副生塩とジメチルスルホキシ
ドを温水洗浄により除去した。減圧下で溶媒を除くこと
によりにより、エポキシ化合物125.3gを得た。こ
のようにして得られたエポキシ化合物のエポキシ当量お
よび加水分解性塩素は、それぞれ268.5g/eq、
100ppmであった。赤外吸収スペクトル測定の結
果、フェノール性OHの吸収3200−3500cm-1
は消失し、エポキシドの吸収1220、910cm-1
吸収を有することが確認された。
【0021】実施例2 本実施例は、合成例2で得られた原料からの本発明のエ
ポキシ化合物の製法に関するものである。合成例2で得
られた4,4’−〔1,3−フェニレンビス(1−メチ
ルエチリデン)〕ビス〔2−t−ブチル−5−メチル〕
フェノール121.7g(0.25mol)、エピクロ
ロヒドリン323.8g(3.5mol)、ジメチルス
ルホキシド161.9gを、温度計、攪拌装置、分離管
付きコンデンサーを付けた1リットル4つ口平底フラス
コに仕込み、70℃93torrの条件下で48.6%
苛性ソーダ水溶液41.2g(0.5mol)を5時間
かけて滴下する。この間、温度は70℃に保ちながら、
共沸するエピクロロヒドリンと水を冷却液化し、有機層
を反応系内に戻しながら反応させた。反応終了後は、実
施例1と同様の後処理を行ない、エポキシ化合物14
3.2gを得た。このようにして得られたエポキシ化合
物のエポキシ当量および加水分解性塩素は、それぞれ3
14g/eq、170ppmであった。赤外吸収スペク
トル測定の結果、フェノール性OHの吸収3200−3
500cm-1は消失し、エポキシドの吸収1260、9
00cm-1の吸収を有することが確認された。
【0022】実施例3 本実施例は、合成例3で得られた原料からの本発明のエ
ポキシ化合物の製法に関するものである。合成例3で得
られたo−クレゾールオリゴマー100.0g(0.2
1mol)、エピクロロヒドリン270.0g(2.9
4mol)、ジメチルスルホキシド134.9gを温度
計、攪拌装置、分離管付きコンデンサーを付けた1リッ
トル4つ口平底フラスコに仕込み、48℃ 41tor
rの条件下で48.6%苛性ソーダ水溶液34.6g
(0.42mol)を5時間かけて滴下する。この間、
温度は48℃に保ちながら、共沸するエピクロロヒドリ
ンと水を冷却液化し、有機層を反応系内に戻しながら反
応させた。反応終了後は、実施例1と同様の後処理を行
ない、エポキシ化合物115.5gを得た。このように
して得られたエポキシ化合物のエポキシ当量および加水
分解性塩素は、それぞれ345g/eq、240ppm
であった。赤外吸収スペクトル測定の結果、フェノール
性OHの吸収3200−3500cm-1は消失し、エポ
キシドの吸収1240、910cm-1の吸収を有するこ
とが確認された。
【0023】実施例4 本実施例は、実施例2で得られたエポキシ化合物とテト
ラブロモビスフェノールAとの付加反応により、末端エ
ポキシ樹脂を得る方法に関するものである。実施例2で
得られたエポキシ樹脂90.0g(0.143mo
l)、メチルエチルケトン25.0g、1,4−ジオキ
サン20.0gを、温度計、冷却管および攪拌装置を付
けた500ml4つ口丸底フラスコを仕込み、110℃
で加熱溶解させた後、テトラブロモビスフェノールA2
8.7g(0.0527mol)を加えて、溶解させ
る。2−エチル−4−メチルイミダゾール15.8mg
(0.143mol)を1,4−ジオキサン1.0gに
溶解した液を加えた後、溶媒を除去しながら140℃に
昇温し、5時間保持し、反応物を冷却して取り出すこと
により目的の付加物120.3gを得る。得られた、付
加物のエポキシ当量、軟化点は、それぞれ703.1g
/eq.、104.5℃であった。
【0024】実施例5 本実施例は、合成例4で得られた原料からの本発明にお
けるエポキシ化合物の製法に関するものである。合成例
4で得られた4,4’−〔1,3−フェニレンビス(1
−メチルエチリデン)〕ビス(2−シクロヘキシル−5
−メチルフェノール)148.0g(0.275mo
l)、エピクロロヒドリン356.1g(3.85mo
l)、ジメチルスルホキシド178.1gを、温度計、
攪拌装置、分離管付きコンデンサーを付けた1リットル
4つ口平底フラスコに仕込み、48℃ 42torrの
条件下で48.6%苛性ソーダ水溶液45.27g
(0.55mol)を5時間かけて滴下する。この間、
温度は48℃に保ちながら、共沸するエピクロロヒドリ
ンと水を冷却液化し、有機層を反応系内に戻しながら反
応させた。反応終了後は、合成例2と同様の後処理を行
ない、エポキシ化合物150.8gを得た。このように
して得られたエポキシ化合物のエポキシ当量および加水
分解性塩素は、それぞれ341.1g/eq、80pp
mであった。赤外吸収スペクトル測定の結果、フェノー
ル性OHの吸収3200−3500cm-1は消失し、エ
ポキシドの吸収1260、900cm-1の吸収を有する
ことが確認された。
【0025】実施例6 本実施例は、実施例5で得られたエポキシ化合物とテト
ラブロモビスフェノールAのジグリシジルエーテル、テ
トラブロモビスフェノールAとの付加反応により、末端
エポキシ樹脂を得る方法に関するものである。実施例5
で得られたエポキシ樹脂60.0g(0.0880mo
l)、テトラブロモビスフェノールAのジグリシジルエ
ーテル(住友化学工業(株)製 ESB−400、エポ
キシ当量403g/eq)24.47g(0.0253
mol)を温度計、冷却管および攪拌装置を付けた30
0ml4つ口丸底フラスコに仕込み、110℃で加熱溶
融させた後、テトラブロモビスフェノールA12.30
g(0.0226mol)を加えて溶解させる。トリフ
ェニルホスフィン19.0mg(0.0725mmo
l)をメチルエチルケトン2.0gに溶解した液を加え
た後、溶媒を除去しながら130℃に昇温し、3時間保
持し、反応物を冷却して取り出すことにより目的の付加
物100.0gを得る。得られた付加物のエポキシ当量
は、503.0g/eq.であった。
【0026】参考例1 本参考例は、実施例1で得られたエポキシ化合物の硬化
物作成例に関するものである。実施例1で得られたエポ
キシ化合物に、ジシアンジアミド(当量21)0.7当
量と、2−エチル−4−メチルイミダゾール0.2部と
を加え、メチルセロソルブ/1,4−ジオキサン=1/
1(w/w)50%溶液を作成する。160℃でプレポ
リマー化した後、170℃、50kg/cm2 で30分
間プレスすることにより、厚さ約2mmの硬化物を得
る。
【0027】参考例2 本参考例は、実施例2で得られたエポキシ化合物の硬化
物作成例に関するものである。実施例2で得られたエポ
キシ化合物を用い、参考例1と同様にして、厚さ約2m
mの硬化物を得る。
【0028】参考例3 本参考例は、実施例4で得られたエポキシ樹脂の硬化物
作成例に関するものである。実施例4で得られたエポキ
シ化合物を用い、参考例1と同様にして、厚さ約2mm
の硬化物を得る。
【0029】参考例4 本参考例は、実施例5で得られたエポキシ樹脂の硬化物
作成例に関するものである。実施例5で得られたエポキ
シ化合物を用い、参考例1と同様にして、厚さ約2mm
の硬化物を得る。
【0030】参考例5 本参考例は、実施例6で得られたエポキシ樹脂の硬化物
作成例に関するものである。実施例6で得られたエポキ
シ化合物を用い、参考例1と同様にして、厚さ約2mm
の硬化物を得る。
【0031】比較参考例1 本参考例は、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル
の硬化物作成例に関するものである。商品名スミエポキ
シELA−128(住友化学工業(株)製)を用い、参
考例1と同様にして、厚さ約2mmの硬化物を得る。
【0032】比較参考例2 本参考例は、オルソクレゾールノボラックのグリシジル
エーテルの硬化物作成例に関するものである。商品名ス
ミエポキシESCN−195XL(住友化学工業(株)
製)を用い、参考例1と同様にして、厚さ約2mmの硬
化物を得る。
【0033】参考例1〜5、比較参考例1〜2により得
られた硬化物のガラス転移温度、比誘電率を表1に示
す。
【0034】
【表1】
【0035】測定は、以下の方法で行なった。 ・ガラス転移温度:島津製作所(株)製熱機械分析装置
TMA−40を用いて測定した。 ・比誘電率:参考例および比較参考例の方法によって得
た厚さ約2mmの硬化物の両面に金属塗料により電極を
作成し、横河ヒューレットパッカード(株)製、427
5A Multi−Frequency LCR me
terを用いて得た静電容量の値より算出して求めた。
【0036】
【発明の効果】参考例及び比較参考例から明らかなとお
り、本発明のエポキシ樹脂組成物は、本発明のエポキシ
化合物のみによって、耐熱性に優れ、かつ、低誘電性の
硬化物を与える。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森本 尚 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株 式会社内 (72)発明者 金川 修一 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株 式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−121230(JP,A) 特開 昭58−121231(JP,A) 特開 昭63−303939(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 59/06 - 59/08 C07D 301/28 C07D 303/27 C08L 63/00 - 63/10

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1)で表されるエポキシ化合物。 【化1】 (式中、nは、平均繰返し単位数を示し、1以上20以
    下の数値をとる。R1 ,R2 ,R3 ,R4 は、それぞれ
    独立に水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数5
    〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜12のアリール
    基、炭素数7〜20のアラルキル基のいずれかを表す。
    但し、R1 ,R2 ,R3 ,R4 全てが水素原子ではな
    い。P,Qは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数
    1〜8のアルキル基、アルケニル基およびアルキニル
    基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜1
    4のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素
    数1〜8のアルコキシ基、アルケニルオキシ基およびア
    ルキニルオキシ基、炭素数6〜14のアリーロキシ基、
    ニトロ基、シアノ基のいずれかを表し、iは、n=1の
    ときのみ0以上4以下の整数値をとり、それ以外の場合
    は0以上3以下の整数値をとる。jは、0以上4以下の
    整数値をとる。)
  2. 【請求項2】請求項1で示した一般式(1)において、
    nが1以上20以下であり、R1 ,R2 ,R3 ,R4
    全てメチル基であり、Pがそれぞれ独立に、炭素数1以
    上8以下のアルキル基あるいは炭素数6以上12以下の
    シクロアルキル基で、かつiが2以上3以下の整数であ
    り、jが0であるエポキシ化合物。
  3. 【請求項3】請求項1で示した一般式(1)において、
    nが1以上20以下であり、R1 ,R2 ,R3 ,R4
    全てメチル基であり、Pが炭素数4以上8以下のアルキ
    ル基あるいは炭素数6以上12以下のシクロアルキル基
    で、かつiが1であり、jが0であるエポキシ化合物。
  4. 【請求項4】請求項1、2、または3のエポキシ化合物
    と硬化剤を含むことを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】請求項1、2、または3のエポキシ化合物
    とフェノール性水酸基を2個以上有する化合物とを予め
    反応させて得た付加物と、硬化剤を含むことを特徴とす
    るエポキシ樹脂組成物。
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