JP3306781B2 - 産業用ロボットの手動操作による教示制御装置および教示方法 - Google Patents

産業用ロボットの手動操作による教示制御装置および教示方法

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JP3306781B2 JP35994592A JP35994592A JP3306781B2 JP 3306781 B2 JP3306781 B2 JP 3306781B2 JP 35994592 A JP35994592 A JP 35994592A JP 35994592 A JP35994592 A JP 35994592A JP 3306781 B2 JP3306781 B2 JP 3306781B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、産業用ロボットの手動
操作による教示制御装置および教示方法に係り、詳しく
は、ロボットの手首などに取り付けられたワークの位置
姿勢を変化させることのできるワーク取扱装置と、該ワ
ークに作業を施すツールの位置姿勢を変化させることが
できるツール取扱装置とを備え、ワーク取扱装置による
「ワークの位置姿勢」の変化とツール取扱装置による
「ツールの位置姿勢」の変化とを連動させて教示する際
に、「大地に対するツールの姿勢」および「ワークに対
するツールの相対的な位置」を維持させるように手動操
作できるようになっている教示制御に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般にワーク取扱装置と加工用や溶接用
のトーチなどのツールを設けたツール取扱装置とを有す
る産業用ロボットは、いわゆるティーチングプレイバッ
ク方式によって、実稼働時には同時に再現動作するよう
に協調制御される。ロボットを実稼動させる前には教示
作業を行う必要があり、そのために、ワーク取扱装置に
よる「ワークの位置姿勢」とツール取扱装置による「ツ
ールの位置姿勢」とをそれぞれ「単独の手動操作」によ
って個別に教示する方法と、ワーク取扱装置による「ワ
ークの位置姿勢」の変化に連動してツール取扱装置によ
る「ツールの位置姿勢」を変化させるべく、もしくは、
ツール取扱装置による「ツールの位置姿勢」の変化に連
動してワーク取扱装置による「ワークの位置姿勢」を変
化させるべく、ツール取扱装置とワーク取扱装置とを
「連動する手動操作」によって教示する方法とがある。
しかし、ワーク上に多くの教示点を教示する場合にいず
れか一方のみの方法が採用されることはなく、一般的に
は、「単独の手動操作」と「連動する手動操作」の二つ
の教示方法が教示作業の途中で適宜使い分けられる。上
記した「単独の手動操作」は従前から行われているもの
であり、あえて説明するほどのものではないが、「連動
する手動操作」は、以下のような技術的な背景のもとに
創案されたものである。
【0003】図28の(a)に示すように、まず、ワー
ク取扱装置1の「単独の手動操作」によって、ワーク1
m上の「着目点」B1 が大地64に対して所望する傾き
δwとなるように「ワーク1mの姿勢」を与える。そし
て、ツール取扱装置2の「単独の手動操作」によって、
ツール先端点57をワーク1m上の「着目点」B1 へ移
動させ、かつ、ワーク1m上の「着目点」B1 において
所望する姿勢角δt となるように「ツール2nの位置姿
勢」を与える。このようにして得られるワーク1mとツ
ール2nの最初の位置決め状態から出発して、教示点が
以下の手順で教示されていた。最初の位置決め状態から
ワーク取扱装置1の「単独の手動操作」によってワーク
1mを破線のように動かすと、ワーク1mが静止してい
るツール2nに接触することがある。このようなワーク
1mとツール2nとの干渉を避けるために、最初の位置
決め状態の後に、図28の(b)に示したように、ツー
ル取扱装置2の「単独の手動操作」によってツール2n
をワーク1mから一旦遠ざけている。次に、図28の
(c)のように、ワーク1m上の「次の着目点」B2
大地64に対して所望する傾きδw となるように、ワー
ク取扱装置1の「単独の手動操作」によってワーク1m
を例えば矢印1p方向へ回転させ、新しい「ワーク1m
の位置姿勢」をとらせる。その後に、図28の(d)に
示すように、ツール取扱装置2の「単独の手動操作」に
よってツール先端点57をワーク1m上の「着目点」B
2 へ戻し、かつ、ワーク1m上の「着目点」B2 におい
て所望する姿勢角δt となるように「ツール2nの位置
姿勢」を与える。これによって得られるワーク1mとツ
ール2nの第二の位置決め状態を、「教示点」A2 とし
て教示していた。「次の教示点」A3 を教示するため
に、ワーク1mとツール2nとの干渉を避ける必要があ
れば同じ操作が行われる。なお、ワーク1mを動かすと
きにワーク1mがツール2nに接触することがなけれ
ば、ワーク1mのみを動かした後に、ツール2nを「次
の教示点」A3 へ移動させればよい。このように教示の
途中で、ツールをワークから退避させなければならない
ことは極めて煩わしい。とりわけ、教示点が多いと、ツ
ールを退避させる回数も多くなる。したがって、退避に
要する時間も増大することになり、全体として、教示時
間が長くなるという欠点がある。さらには、教示点と次
の教示点との距離が短いときや一連の教示点の配列が整
然としていないときには、退避させていたツールをワー
ク上に戻すとき「前の着目点」の位置を見失ってしまう
と、「次の着目点」すなわち次の教示点がワーク上
のどこにあるのか分からなくなってしまう事態が生じて
いた。
【0004】このようなことを解決するために、ツール
をワークに追従させるようにしたロボット装置が、特開
昭61−42004号公報に記載されている。この装置
は、ツール先端点をワーク上の前の教示点に残したま
ま、「ワークの位置姿勢」を変化させるようにしたもの
である。すなわち、「ワークの位置姿勢」を変えても、
「ワークに対するツールの相対的な位置姿勢」が変わら
ないように、「ツールの位置姿勢」の変化を「ワークの
位置姿勢」の変化に追従させている。このような追従動
作によれば、検出された「ワークの位置姿勢」の変化を
反映した「ツールの位置姿勢」の変化を得るまでに時間
を要することになり、「ワークの位置姿勢」の変化が速
ければ、ワークが追従の遅いツールと干渉する事態が生
じる難点がある。加えて、「ワークの位置姿勢」の演算
に誤差があると、その誤差が「ツールの位置姿勢」の演
算に影響する。それのみならず、「ツールの位置姿勢」
の演算にも誤差があるとますます誤差が集積する。した
がって、「ワークに対するツールの相対的な位置姿勢」
を維持させるための精度が著しく低下する欠点がある。
【0005】ところで、本出願人は、上記した追従制御
とは異なる手法によって、「ワークに対するツールの相
対的な位置姿勢」を維持できるようにした教示制御装置
を、特開平5−16084号公報において提案した。こ
れは、「ワークの位置姿勢」を変化させるための「動作
指示信号」を受けると、「ワークの位置姿勢」が実際に
変化する以前に、「設定微小時間経過後のワークの位置
姿勢」が演算されると共に、「設定微小時間経過後のツ
ールの位置姿勢」も演算される。そして、それぞれの演
算結果に基づき、ワーク取扱装置とツール取扱装置とを
個別に作動させることにより、「ワークの位置姿勢」と
「ツールの位置姿勢」とを独立してほとんど同時に変化
させるようにしている。以下に、それを概略的に述べ
る。図29の(a)に示すように、まず、ワーク取扱装
置1の「単独の手動操作」によって、ワーク1m上の
「着目点」B1 が大地64に対して所望する傾きδw
なるように「ワーク1mの姿勢」を与える。そして、ツ
ール取扱装置2の「単独の手動操作」によって、ツール
先端点57をワーク1m上の「着目点」B1 へ移動さ
せ、かつ、ワーク1m上の「着目点」B1 において、そ
の接線B1sとツール2nとのなす角度がεとなるよう
に、「ツール2nの位置姿勢」を与える。このようにし
て得られるワーク1mとツール2nの最初の位置決め状
態から出発して、教示点が以下の手順で教示される。ワ
ーク取扱装置1とツール取扱装置2の「連動する手動操
作」によって、「着目点」B1 における「ワーク1mに
対するツール2nの相対的な位置姿勢」を維持しなが
ら、ワーク1m上の「次の着目点」B2 の接線B 2s が大
地64に対して所望する傾きδw となるように、ワーク
1mを例えば矢印1p方向へ回転させる。このとき、
図29の(b)に示すように、ツール先端点57は「着
目点」B1上に残っており、しかも、「着目点」B1
接線B1sとツール2nとのなす角度をεに維持するよう
に、「ツール2nの位置姿勢」が変化されるようになっ
ている。次に、図29の(c)のように、ツール取扱装
置2の「単独の手動操作」によって、ツール先端点57
をワーク1m上の「次の着目点」B2 へ移動する。そし
て、図29の(d)に示すように、ツール取扱装置2の
「単独の手動操作」により、ワーク1m上の「着目点」
2 において、その接線B2sとツール2nとのなす角度
がεとなるように「ツール2nの姿勢」を与える。これ
によって得られるワーク1mとツール2nの第二の位置
決め状態を、「教示点」A2 として教示している。な
お、図29の(b)から図29の(d)に示す作動を直
接実行できる場合は、図29の(c)が必要のないこと
は言うまでもない。もちろん、 接線B2sとツール2n
とのなす角度がεとなるように「ツール2nの位置姿
勢」を与える必要のないときは、図29の(d)で所望
する他の姿勢にして位置決めすればよい。「次の教示
点」A3 は、上記したように「連動する手動操作」と
「単独の手動操作」の複合した操作によって教示され
る。なお、ワーク1mを変化させる必要がなければ、
「単独の手動操作」によって教示することができる。こ
のように、図29は、前述した図28の動きと異なって
いることが分かる。すなわち、図29の(a)から図2
9の(b)の間は、ワーク取扱装置1とツール取扱装置
2とが同時に作動している。その間の「連動する手動操
作」は、「ツール2nの位置姿勢」の変化が「ワーク1
mの位置姿勢」の変化に追従して実行されているのでは
なく、ワーク取扱装置1とツール取扱装置2とが、それ
ぞれ予め設定された微小時間の経過後に、独立してほと
んど同時に作動しながら、「ワーク1mに対するツール
2nの相対的な位置姿勢」を常に維持している。以上の
作動から、次のことが理解される。「ワーク1mに対す
るツール2nの相対的な位置」が維持されているので、
すなわち、ツール先端点57が「着目点」B1 に残され
ているので、「教示点」A2 を教示するときに「着目
点」B1 を見失ってしまうということがない。したがっ
て、「着目点」B1 から「教示点」A2 へツール先端点
57を移動させるとき、「教示点」A2 がワーク1m上
のどこにあるのか直ちに判別でき、教示作業の円滑化が
図られる。ところで、「ワーク1mに対するツール2n
の相対的な姿勢」が維持されていなければ、次の問題が
生じる。ワーク1m上の「着目点」B1 の近傍に突起や
壁面が形成されていると、ツール先端点57を「着目
点」B1 に残しているツール2nの側部は突起に接触す
ることがある。しかし、上記したように、「ワーク1m
に対するツール2nの相対的な姿勢」も維持されている
ので、「連動する手動操作」の間にツール2nがワーク
1mの突起などに干渉することがないという利点があ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】溶接作業においては、
溶接線が大地を基準として一定の傾きとなるような「ワ
ークの位置姿勢」を与えることが重要となる。図30に
示すように、溶接線61を左下向きに傾斜しておくと、
溶融池62を重力の作用により矢印63のトーチ2nの
移動方向へ意図的に移動させることができる。この傾斜
角δw は、溶接品質の重要な要素である溶け込み深さに
大きく影響を与える。すなわち、溶接線61を適当に傾
ける場合には、その傾きがない場合に比べて溶接品質を
向上させることできるからである。このため、溶接中に
溶接線61の傾きδw が大地64に対して常に一定とな
るように、「ワーク1mの姿勢」を保持することが望ま
しい。ここで、「ツール2nの姿勢」は溶接線61の傾
きδw により決定されるものであるが、上記の溶接線6
1が大地64に対して常に一定であれば、「ツール2n
の姿勢」も大地64に対して常に一定としておくべきこ
とことは言うまでもない。このように溶接線61を溶接
方向に沿って下方へ傾ける溶接を「下り坂溶接」と呼ぶ
が、ワークが薄い場合に過大な溶け込み深さが回避さ
れ、かつ、均質な溶接が得られる利点がある。一方、溶
接線がトーチの移動方向に沿って上方へ向かう「上り坂
溶接」においては、溶融池の停滞を助長することがで
き、厚いワークなどにおける溶け込み深さを大きくし
て、所望する強度を備えた溶接が達成される。前述した
図29の「連動する手動操作」を採用すると、ツール2
nをワーク1mから退避させる手間を省くことができ
る。この場合、「連動する手動操作」後の「ワーク1m
に対するツール2nの姿勢」は、「連動する手動操作」
前の「ワーク1mに対するツール2nの姿勢」と同じで
ある。しかし、図29(a)と図29(b)とを比べれ
ば分かるように、「連動する手動操作」後の「大地64
に対するツール2nの姿勢」すなわち姿勢角δtbが、
「連動する手動操作」前の「大地64に対するツール2
nの姿勢」すなわち姿勢角δtaと同一になるとは限らな
い。したがって、「着目点」B1 における「大地64に
対するツール2nの姿勢」と、「教示点」A2 における
「大地64に対するツール2nの姿勢」とを同じにした
い場合には、図29の(c)および図29の(d)に示
したような作動が必要となる。すなわち、図29の
(c)において、ツール取扱装置2の「単独の手動操
作」により、「ツール2nの位置」をワーク1m上の
「次の着目点」B2 へ移動させる。その後に、図29の
(d)において、「ツール2nの位置」を維持しながら
「連動する手動操作」前の図29の(a)における姿勢
角δtaが得られるように、ツール取扱装置2の「単独の
手動操作」によって「ツール2nの姿勢」を変化さなけ
ればならない。これもまた煩わしさがつきまとうもので
あり、特に、教示点が多いと「ツール2nの姿勢」を変
化させる回数は増え、それに従い教示に要する時間も長
くなるという問題が生じる。
【0007】本発明は上述の問題に鑑みなされたもの
で、その目的は、教示作業を手動操作によって行う場合
に二基のロボットを連動させ、ツールをワークからその
都度退避させることがないようにして操作の煩雑さを回
避し、手動教示作業の簡素化および迅速化を図ること、
「連動する手動操作」においては、「ツールの位置姿
勢」の変化を「ワークの位置姿勢」の変化に追従させる
ことなく、「ワークの位置姿勢」の変化と「ツールの位
置姿勢」の変化とを同時に実行させること、それによっ
て、「ワークの位置姿勢」の変化と「ツールの位置姿
勢」の変化とを迅速に行わせ、かつ、「連動する手動操
作」中の演算上の誤差の集積を回避できるようにするこ
と、また、二基のロボットを「連動する手動操作」によ
って教示する場合に、「大地に対するツールの姿勢」と
「ワークに対するツールの相対的な位置」を維持できる
ようにすること、それによって、トーチを用いて溶接す
る場合など、重力の影響を受ける溶融池の所望外の流動
や無用な停滞を回避して、品質の高い溶接が得られるよ
うにすること、を実現する産業用ロボットの手動操作に
よる教示制御装置および方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、ワークの位置
姿勢を変化させることができるワーク取扱装置と、その
ワークに作業を施すツールの位置姿勢を変化させること
ができるツール取扱装置とを有し、教示作業を手動操作
により行う産業用ロボットの教示制御装置に適用され
る。その特徴とするところは、図1および図13を参照
して、ワーク取扱装置1による「ワーク1mの位置姿
勢」の変化とツール取扱装置2による「ツール2nの位
置姿勢」の変化とをそれぞれ「単独の手動操作」によっ
て行わせるか、ワーク取扱装置1による「ワーク1mの
位置姿勢」の変化とツール取扱装置2による「ツール2
nの位置姿勢」の変化とを「連動する手動操作」によっ
て行わせるか、を選択する単独連動操作選択手段9が設
けられる。教示作業を行うときの手動操作の対象となる
ワーク取扱装置1またはツール取扱装置2を指定する取
扱装置指定手段7が設置され、また、「ワーク1mの位
置姿勢」または「ツール2nの位置姿勢」を変化させる
ための「動作指示信号」を出力する動作指示スイッチ手
段12が配置される。単独連動操作選択手段9からの
「連動する手動操作の信号」、取扱装置指定手段7から
の「ワーク取扱装置を指定した信号」および動作指示ス
イッチ手段12からの「動作指示信号」を受けたとき
に、以下の各工程部の制御動作を実行する連動手動操作
教示制御手段4Aが備えられる。その連動手動操作教示
制御手段4Aは、「連動する手動操作の信号」、「ワー
ク取扱装置を指定した信号」および「動作指示信号」の
全てを受けたとき、その「動作指示信号」を受ける直前
の「ワーク取扱装置1の関節変数」および「ツール取扱
装置2の関節変数」から、「絶対座標系におけるワーク
1mの従前の位置姿勢」と、「大地64に対するツール
2nの姿勢」と、「ワーク1mに対するツール2nの相
対的な位置」とを求める第一工程部4Aa と、「動作指
示信号」が「新しい動作指示信号」に変化していなけれ
ば、次の第三工程部4Ac の制御動作を指示し、「新し
い動作指示信号」に変化していれば、第一工程部4Aa
における「動作指示信号」をその「新しい動作指示信
号」に置き換えて、第一工程部4Aa の制御動作を繰り
返すように指示し、「動作指示信号」がなくなっていれ
ば、制御動作の終了を指示する第二工程部4Ab と、
「動作指示信号」と第一工程部4Aa で求められた「絶
対座標系におけるワーク1mの従前の位置姿勢」とか
ら、「所定時間経過後のワーク1mの位置姿勢」を予め
演算すると共に、第一工程部4Aa で求められた「大地
64に対するツール2nの姿勢」と、第一工程部4Aa
で求められた「ワーク1mに対するツール2nの相対的
な位置」と、上記した「所定時間経過後のワーク1mの
位置姿勢」とから、「所定時間経過後のツール2nの位
置姿勢」を予め演算する第三工程部4Ac と、第三工程
部4Ac で演算された「所定時間経過後のワーク1mの
位置姿勢」から、「所定時間経過後のワーク取扱装置1
の関節変数」を求めると共に、第三工程部4Ac で演算
された「所定時間経過後のツール2nの位置姿勢」か
ら、「所定時間経過後のツール取扱装置2の関節変数」
を求める第四工程部4Ad と、第四工程部4Ad で求め
られた「所定時間経過後のワーク取扱装置1の関節変
数」から、「ワーク取扱装置1のアクチュエータ動作指
令値」を予め演算すると共に、第四工程部4Ad で求め
られた「所定時間経過後のツール取扱装置2の関節変
数」から、「ツール取扱装置2のアクチュエータ動作指
令値」を予め演算し、所定時間が経過した直後に、ワー
ク取扱装置1とツール取扱装置2とを独立して作動させ
るための「ワーク取扱装置1のアクチュエータ動作指令
値」と「ツール取扱装置2のアクチュエータ動作指令
値」とを個別に出力し、その後に、第二工程部4Ab か
らの制御動作を繰り返させることを指示する第五工程部
4Ae と、を有するコンピュータとしていることであ
る。上記した動作指示スイッチ手段12による「ワーク
1mの位置姿勢」を変化させる「動作指示信号」は、ワ
ーク1m上に定められたワーク基準点56の「直角座標
系の各軸方向の移動および各軸周りの回転を指示する信
号」としておけばよい。また、上記した動作指示スイッ
チ手段12による「ワーク1mの位置姿勢」を変化させ
る「動作指示信号」は、ワーク取扱装置1の各関節に関
する「回転を指示する信号」としておいてもよい。
【0009】方法の発明にあっは、ワークの位置姿勢を
変化させることができるワーク取扱装置と、そのワーク
に作業を施すツールの位置姿勢を変化させることができ
るツール取扱装置とを、各取扱装置の「単独の手動操
作」により教示したり、両取扱装置の「連動する手動操
作」によって教示することができるようになっている産
業用ロボットの手動操作による教示方法に適用される。
その特徴とするところは、図13を参照して、ワーク1
m上の「着目点」B1の接線B1Sが「大地64に対して
所望する傾き」δw となるように「ワーク1mの姿勢」
を与えると共に、ワーク1m上のその「着目点」B1
おいて所望する「大地64に対するツール2nの姿勢」
を与える。次に、ワーク取扱装置1とツール取扱装置2
の「連動する手動操作」により、「着目点」B1 におけ
る「大地64に対するツール2nの姿勢」と「ワーク1
mに対するツール2nの相対的な位置」とを維持しなが
ら、ワーク1m上の「次の着目点」B2 の接線B2S
「大地64に対して所望する傾き」δw となるように
「ワーク1mの位置姿勢」を変更する。そして、ツール
取扱装置2の「単独の手動操作」により「着目点」B1
における「大地64に対するツール2nの姿勢」を維持
して、「着目点」B1 に位置するツール2nをワーク1
m上の「次の着目点」B2 へ移動させ、これによって得
られるワーク1mとツール2nの位置決め状態を「教示
点」A2 として教示するようにしたことである。なお、
「次の教示点」A3 を教示する場合には、「着目点
1 を出発してから「教示点」A2 を教示するまでの手順
を繰り返すことによって、その「次の教示点」A3 にお
いても「大地64に対するツール2nの姿勢」が維持さ
れる。
【0010】他の方法の発明にあっては、図17を参照
して、ワーク1m上の「着目点」B1 の接線B1Sが「大
地64に対して所望する傾き」δw となるように「ワー
ク1mの姿勢」を与えると共に、ワーク1m上のその
「着目点」B1 において所望する「大地64に対するツ
ール2nの姿勢」を与える。次に、ツール取扱装置2の
「単独の手動操作」により、「着目点」B1 における
「大地64に対するツール2nの姿勢」を維持して、
「着目点」B1 に位置するツール2nをワーク1m上の
「次の着目点」B2 へ移動する。そして、ワーク取扱装
置1とツール取扱装置2の「連動する手動操作」により
ワーク1m上の「次の着目点」B2 における「大地64
に対するツール2nの姿勢」と「ワーク1mに対するツ
ール2nの相対的な位置」とを維持しながら、ワーク1
m上のその「次の着目点」B2 の接線B2Sが「大地64
に対して所望する傾き」δw となるように「ワーク1m
の位置姿勢」を変更させ、これによって得られるワーク
1mとツール2nの位置決め状態を「教示点」A2 とし
て教示するようにしたことである。なお、「次の教示
点」A3 を教示する場合には、「着目点1 を出発し
てから「教示点」A2 を教示するまでの手順を繰り返
す。このときも、その「次の教示点」A3 においても
「大地64に対するツール2nの姿勢」が維持される。
【0011】
【作用】まず、単独連動操作選択手段9において「単独
の手動操作」を選択し、取扱装置指定手段7によって
「ワーク取扱装置」を指定する。そして、動作指示スイ
ッチ手段12を操作して、「ワーク1mの位置姿勢」を
変更する「動作指示信号」を出力させ、ワーク1m上の
「着目点」B1 の接線B1sが「大地64に対して所望す
る傾き」δw となるように、「ワーク1mの位置姿勢」
を与える(図13の(a)を参照)。そして、取扱装置
指定手段7を切り替えて「ツール取扱装置」を指定し、
動作指示スイッチ手段12を操作して、「ツール2nの
位置姿勢」を変更する「動作指示信号」を出力させ、ワ
ーク1m上の「着目点」B1 において所望する「大地6
4に対するツール2nの姿勢」が与えられる(図13の
(a)を参照)。このとき、「ワーク1mの位置姿勢」
を与えている「ワーク取扱装置1の関節変数」と、「ツ
ール2nの位置姿勢」を与えている「ツール取扱装置2
の関節変数」とが自動的に記憶される。なお、必要があ
るなら、「着目点」B1 におけるその位置決め状態を、
「第一の教示点」A1 として教示しておくことができ
る。次に、単独連動操作選択手段9において「連動する
手動操作」を選択し、取扱装置指定手段7において「ワ
ーク取扱装置」を指定する。動作指示スイッチ手段12
を操作して、「ワーク1mの位置姿勢」を変更するため
の「動作指示信号」を出力させる。そして、「着目点」
1 における「大地64に対するツール2nの姿勢」と
「ワーク1mに対するツール2nの相対的な位置」とを
維持しながら、ワーク1m上の「次の着目点」B2 の接
線B2Sが「大地64に対して所望する傾き」δw となる
ように「ワーク1mの姿勢」が変更される(図13の
(b)参照)。この場合、「連動する手動操作の信
号」,「ワーク取扱装置を指定する信号」および「動作
指示信号」の全てを受けている連動手動操作教示制御手
段4Aは、次のように動作する。まず、第一工程部4A
a において、その「動作指示信号」を受ける直前の「ワ
ーク取扱装置1の関節変数」φ1-0 ,φ2-0 ,φ3-0
φ4-0 ,φ5-0 ,φ6-0および「ツール取扱装置2の関
節変数」θ1-0 , θ2-0 , θ3-0 , θ4-0 , θ5-0 , θ
6-0 から、「絶対座標系51におけるワーク基準点56
の従前の位置姿勢」world Xw-o (式(4) または(4A)参
照)と、「大地64に対するツール先端点57の姿勢」
α t-0 ,β t-0 ,γ t-0 (式(12a), (12b), (12c) また
は(12Aa),(12Ab), (12Ac)参照)と、「ワーク基準点5
6に対するツール先端点57の相対的な位置」 wT
t (式(14b) または(14Ab)参照)とが演算される。次
に、その演算が完了すると、第二工程部4Ab において
は、「動作指示信号」が「新しい動作指示信号」に変化
していなければ、次の第三工程部4Ac の制御動作を指
示し、「新しい動作指示信号」に変化していれば、第一
工程部4Aaにおける「動作指示信号」をその「新しい
動作指示信号」に置き換えて、第一工程部4Aa の制御
動作を繰り返すように指示し、「動作指示信号」がなく
なっていれば、制御動作の終了を指示する。「動作指示
信号」が「新しい動作指示信号」に変化していなけれ
ば、第三工程部4Ac において、その「動作指示信号」
と第一工程部4Aa で求められた「絶対座標系51にお
けるワーク基準点56の従前の位置姿勢」world Xw-o
とから、「経過時間Δ t-i後のワーク取扱装置1の設置
点52を基準としたワーク取付点53の位置姿勢」W
2-i (式(18)または(26)参照)が予め演算される。加え
て、第一工程部4Aa で求められた「大地64に対する
ツール先端点57の姿勢」α t-0 ,β t-0 ,γ t-0 と、
第一工程部4Aa で求められた「ワーク基準点56に対
するツール先端点57の相対的な位置」 wTt と、本工
程で求められる「経過時間Δ t-i後の絶対座標系51に
おけるワーク基準点56の位置姿勢」worldXw-i (式
(16)または(27)参照)とから、「経過時間Δ t-i後のツ
ール取扱装置2の設置点54を基準としたツール取付点
55の位置姿勢」T2-i (式(22)または(22A) 参照)が
予め演算される。そこで、第四工程部4Ad では、第三
工程部4Ac で演算された「経過時間Δt-i後のワーク
取扱装置1の設置点52を基準としたワーク取付点53
の位置姿勢」W2-i から、「経過時間Δ t-i後のワーク
取扱装置1の関節変数」φ1-i ,φ2-i ,φ3-i ,φ
4-i ,φ5-i ,φ6-i が求められる。加えて、第三工程
部4Ac で演算された「経過時間Δ t-i後のツール取扱
装置2の設置点54を基準としたツール取付点55の位
置姿勢」T2-i から、「経過時間Δ t-i後のツール取扱
装置2の関節変数」θ1-i ,θ2-i ,θ3-i ,θ4-i
θ5-i ,θ6-i が求められる。最後に、第五工程部4A
e において、第四工程部4Ad で求められた「経過時間
Δ t-i後のワーク取扱装置1の関節変数」から、「ワー
ク取扱装置1のアクチュエータ動作指令値」aw1-i ,a
w2-i ,aw3-i ,aw4-i ,aw5-i ,aw6-iが予め演算され
ると共に、第四工程部4Ad で求められた「経過時間Δ
t-i後のツール取扱装置2の関節変数」から、「ツール
取扱装置2のアクチュエータ動作指令値」at1-i ,a
t2-i ,at3-i ,at4-i ,at5-i ,at6-iが予め演算され
る。そして、経過時間Δ t-iの直後に、ワーク取扱装置
1とツール取扱装置2とを独立して作動させるための
「ワーク取扱装置1のアクチュエータ動作指令値」a
w1-i ,aw2-i ,aw3-i ,aw4-i ,aw5-i ,aw6-iと「ツ
ール取扱装置2のアクチュエータ動作指令値」at1-i ,
t2-i ,at3-i ,at4-i ,at5-i ,at6-iとが個別に出
力される。「ワーク取扱装置1のアクチュエータ動作指
令値」aw1-i ,aw2-i ,aw3-i ,aw4-i ,aw5-i ,a
w6-iの出力によって、ワーク取扱装置1が「ワーク1m
の位置姿勢」を変化させる。その間に、「ツール取扱装
置2のアクチュエータ動作指令値」at1-i ,at2-i ,a
t3-i ,at4-i ,at5-i ,at6-iの出力によって、ツール
取扱装置2が、「着目点」B1 における「大地64に対
するツール2nの姿勢」と「ワーク1mに対するツール
2nの相対的な位置」とを維持しながら、「ツール2n
の位置姿勢」を変化させる。上記の「ツール取扱装置2
のアクチュエータ動作指令値」at1-i ,at2-i ,at3-i
,at4-i ,at5-i ,at6-iと「ワーク取扱装置1のアク
チュエータ動作指令値」aw1-i ,aw2-i ,aw3-i ,a
w4-i ,aw5-i ,aw6-iとが出力された時点で、連動手動
操作教示制御手段4Aにおいては、第二工程部4Ab か
らの制御動作が繰り返される。第二工程部4Ab に戻っ
たとき、「動作指示信号」が「新しい動作指示信号」に
変化していれば、第一工程部4Aa における「動作指示
信号」をその「新しい動作指示信号」に置き換えて、第
一工程部4Aa から以後の制御動作が繰り返される。こ
のようにして、ワーク1m上の「次の着目点」B2 の接
線B2Sが「大地64に対する所望する傾き」δw と同じ
になるように、「ワーク1mの位置姿勢」が同様の手順
によって変更される。第二工程部4Ab に戻ったとき、
「動作指示信号」がなくなっていれば、制御動作が終了
する。この後に、単独連動操作選択手段9において再び
「単独の手動操作」を選択し、取扱装置指定手段7によ
って「ツール取扱装置」を指定する。動作指示スイッチ
手段12を操作して、「ツール2nの位置姿勢」を変更
する「動作指示信号」を出力させ、「着目点」B1 にお
ける「大地64に対するツール2nの姿勢」を維持し
て、「着目点」B1 に位置するツール2nをワーク1m
上の「次の着目点」B2 へ移動させる。これによって得
られるワーク1mとツール2nの位置決め状態が、「教
示点」A2 として教示される(図13の(c)を参
照)。「次の教示点」A3 は、「着目点」B1 を出発し
てから「教示点」A2 を教示するまでの手順を繰り返す
ことによって教示される。このときも、その「次の教示
点」A3 において「大地64に対するツール2nの姿
勢」が維持される。上記の制御動作において、動作指示
スイッチ手段12による「ワーク1mの位置姿勢」を変
化させる「動作指示信号」として、ワーク1m上に定め
られたワーク基準点56の「直角座標系の各軸方向の移
動および各軸周りの回転を指示する信号」を採用しても
よいし、ワーク取扱装置1の各関節に関する「回転を指
示する信号」とすることもできる。
【0012】他の方法の発明においては、図17の
(a)において、前述した図13の(a)と同じように
して、ワーク1mとツール2nの位置決め状態を与え
る。次に、取扱装置指定手段7によって「ツール取扱装
置」を指定する。動作指示スイッチ手段12を操作し
て、ツール取扱装置2の「単独の手動操作」により、
「ツール2nの位置姿勢」を変更する「動作指示信号」
を出力させる。「着目点」B1 における「大地64に対
するツール2nの姿勢」を維持して、「着目点」B1
位置するツール2nをワーク1m上の「次の着目点」B
2 へ移動させる(図17の(b)参照)。その後に、単
独連動操作選択手段9において「連動する手動操作」を
選択し、取扱装置指定手段7において「ワーク取扱装
置」を指定する。動作指示スイッチ手段12を操作し
て、「ワーク1mの位置姿勢」を変更するための「動作
指示信号」を出力させる。そして、「次の着目点」B2
における「大地64に対するツール2nの姿勢」と「ワ
ーク1mに対するツール2nの相対的な位置」とを維持
しながら、ワーク1m上の「次の着目点」B2 の接線B
2Sが「大地64に対して所望する傾き」δw となるよう
に「ワーク1mの姿勢」が変更される。「連動する手動
操作の信号」,「ワーク取扱装置を指定する信号」およ
び「動作指示信号」の全てを受けている連動手動操作教
示制御手段4Aは、前述した動作と同じである。その制
御動作によって得られるワーク1mとツール2nの位置
決め状態が、「教示点」A2 として教示される(図17
の(c)参照)。「次の教示点」A3 は、「着目点」B
1 を出発してから「教示点」A2 を教示するまでの手順
を繰り返すことによって教示される。このときも、その
「次の教示点」A3 において「大地64に対するツール
2nの姿勢」が維持される。このように「大地64に対
するツール2nの姿勢」を常に一定とした教示作業を手
動で操作する際に、本発明を適用すると、「大地64に
対するツール2nの姿勢」を変化させることなく、「ワ
ーク1mの位置姿勢」を変化させることができる。か
つ、「ワーク1mに対するツール2nの相対的な位置」
も維持されるので、ワーク1mとツール2nの接触は避
けられ、教示作業の簡素化および迅速化が可能となる。
【0013】
【発明の効果】本発明によれば、教示点を教示するため
に「ワークの位置姿勢」を変えても、ワーク取扱装置に
よる「ワークの位置姿勢」の変化に連動して、「ワーク
に対するツールの相対的な位置」および「大地に対する
ツールの姿勢」を維持するように、ツール取扱装置によ
って「ツールの位置姿勢」が変化される。その際の「ワ
ークの位置姿勢」と「ツールの位置姿勢」とは独立して
設定微小時間経過後に変化され、その制御動作中に「ワ
ーク取扱装置」を動かすための演算が「ツール取扱装
置」を動かすための演算に影響することがない。したが
って、「連動する手動操作」におけるワークとツールと
が精度よく移動される。その間は、「大地に対するツー
ルの姿勢」と「ワークに対するツールの相対的な位置」
が維持される。その結果、トーチを用いる溶接ロボット
などに本制御を適用すると、トーチの姿勢を大地に対し
て一定にしておくことができ、品質の高い溶接を得るこ
とができる。ワークを移動させる際に、ツールをワーク
から遠ざける操作が不要となり、「ワークの位置姿勢」
が変わった後も前の教示点を把握することができ、次の
教示すべき点を見つけることが容易となる。
【0014】
【実施例】以下に、ワーク取扱装置とツール取扱装置の
二基のロボットからなる溶接ロボットシステムに適用し
た実施例に基づいて、本発明に係る産業用ロボットの手
動操作による教示制御装置や教示方法を、詳細に説明す
る。本例のロボットシステムには、図3に示すように、
ワーク1mの「位置姿勢」を変化させることができるワ
ーク取扱装置1と、図4に示すように、ワークに作業を
施すツール2n例えば溶接用のトーチの「位置姿勢」を
変化させることができるツール取扱装置2とが備えられ
ている。そして、ワーク取扱装置1とツール取扱装置2
の二基のロボットは、図2のように対向して設置され、
溶接などの実稼働中に必要とされるワーク1mの位
姿勢」とツール2nの位置姿勢」とを、各取扱装置の
「単独の手動操作」によって教示したり、両取扱装置の
「連動する手動操作」によって教示することができるよ
うになっている。手首1Aに取り付けたワーク1mを動
かすワーク取扱装置1は、例えば六つの関節1aないし
1fにおいてφ1 ないしφ6 の「関節変数」を有する6
自由度のマニプレータである。このワーク取扱装置1は
6自由度のマニプレータに限られることなく、3自由度
以下のポジショナを使用することもできる。一方、手首
2Aに取り付けたツール2nを動かすツール取扱装置2
は、六つの関節2aないし2fにおいてθ1 ないしθ6
の「関節変数」を有する6自由度のマニプレータである
ことが要求される。なお、菱形で表示された各関節1
a,2aなどは、各リンク16W1 ,16T1 を矢印1
S方向へ回動させるスイベルジョイント機構であり、二
重円で表された関節1b,2bなどは、各リンク16W
2 ,16T2 を矢印1B方向へ曲げるベントジョイント
機構である。そして、例えば、関節の幾つかを組み合わ
せて動作させれば、ワーク1mとツール2nは所望する
方向へそれぞれ動かすことができる。例えばX軸方向へ
のみ動かせたり、Y軸周りのみに回転させることができ
る。このワーク取扱装置1とツール取扱装置2とを操作
するためのティーチングペンダント3と制御装置4とが
設けられる。図5はティーチングペンダント3の操作パ
ネル面であり、上部に、表示盤5と停止指令ボタン6が
設けられる。操作パネルの中段の右には、手動操作の対
象となるロボットを選択するロボット切替スイッチ7が
あり、上方へ傾けてオンにすると「ワーク取扱装置」が
指定され、下方へ傾けてオフにすると「ツール取扱装
置」が指定されるようになっている。これは、後述する
動作切替スイッチ9によって、「単独の手動操作」が選
択されている場合に、その手動操作の対象となる取扱装
置を指定し、また、「連動する手動操作」が選択されて
いる場合に、その手動操作の直接の対象となるワーク取
扱装置を指定する取扱装置指定手段として機能する。
【0015】操作パネルの中央には手動操作のモードを
切り替えるモード切替スイッチ8が設置され、下方へ傾
けてオフにすると「関節手動操作モード」が選定され、
上方へ傾けてオンにすると「直角手動操作モード」が選
定されるようになっている。左端には動作切替スイッチ
9が設けられ、下方へ傾けてオフにすると、各ロボット
を「単独の手動操作」で動作させることが選択され、上
方へ傾けてオンにすると、二基のロボットを「連動する
手動操作」で動作させることが選択されるようになって
いる。これは、ワーク取扱装置1による「ワーク1mの
位置姿勢」の変化とツール取扱装置2による「ツール2
nの位置姿勢」の変化とをそれぞれ「単独の手動操作」
によって行わせるか、ワーク取扱装置1による「ワーク
1mの位置姿勢」の変化とツール取扱装置2による「ツ
ール2nの位置」の変化とを「連動する手動操作」によ
って行わせるか、を選択する単独連動操作選択手段を構
成している。なお、本発明における「連動する手動操
作」とは、「ワーク1mの位置姿勢」を変化させると
き、「大地64に対するツール2nの姿勢」および「ワ
ーク1mに対するツール2nの相対的な位置」が維持さ
れるように、ツール取扱装置2による「ツール2nの位
姿勢」を制御させるものである。パネル中央の目盛の
ある部分は速度率切替スイッチ10であり、教示時にワ
ーク1mが動く速度を、予め設定されている速度テーブ
ルの最高値よりも遅くできるようにするための「速度
率」を選定するものである。例えば目盛の0.5を選定
すると、作業員によって教示された位置へ、速度テーブ
ルに記憶された最高値の1/2の速度で移動させること
ができる。早く移動させるときは1.0を選定すればよ
い。その「速度率」はいずれを選定しても差し支えない
が、次の教示位置までの距離が長い場合には、その80
%までの距離を例えば1.0の速度率とし、残りの20
%の距離を0.1の速度率とすると、目標位置近傍まで
は迅速に、目標位置に到達させるときにはゆっくりとし
た移動を実現でき、目標位置に正確に停止させやすくな
る。高い速度率の選定に起因して目標位置をオーバーラ
ンさせた場合には引き返せばよいが、目標位置に停止さ
せるためには速度の遅い方が教示作業の緊張感を軽減す
ることができ好都合である。そのために、「速度率」と
して例えば0.1 ,0.2 ,0.5 ,1.0の四つが準
備されている。パネルの左下には、教示されたデータの
ための編集ボックス11が確保されている。その右側に
は、操作ボタン群12が配置される。いずれの操作ボタ
ン12a〜12f,12A〜12Fも、押されると1の
信号を出力し、押されてないときは常に0を出力してい
る。この12個の押しボタンから構成される操作ボタン
群12は、教示作業のための「動作指示信号」を出力す
る動作指示スイッチ手段となっている。
【0016】この操作ボタン群12を、以下に説明す
る。ロボット切替スイッチ7により「ワーク取扱装置」
が指定され、モード切替スイッチ8により「関節手動操
作モード」が選定されているとき、左側の列の操作ボタ
ン12aないし12fを押せば、ワーク取扱装置1の関
節が正転することになる。また、右側の列の操作ボタン
12Aないし12Fを押せば、その関節を逆転させるこ
とができる。モード切替スイッチ8で「直角手動操作モ
ード」が選定されているときに、上から三段の操作ボタ
ンを押せば、図6中の絶対座標系51のX,Y,Zの各
軸方向の移動を手動操作することになり、左側の操作ボ
タン12aないし12cを押せばプラス方向へ、右側の
12Aないし12Cを押せばマイナス方向へ進むように
なっている。下の三段の操作ボタンを押せば絶対座標系
51に対する図6のオイラー角α,β,γの方向への回
転を与えることができ、左側の操作ボタン12dないし
12fを押せばプラス方向に、右側の12Dないし12
Fを押せばマイナス方向になる。この操作ボタン群12
の下には、「単独の手動操作」によって教示する場合の
みならず、次に述べる連動手動操作教示制御手段による
「連動する手動操作」によって教示する場合に使用され
る教示ボタン13が設けられている。これは、ワーク1
mとツール2nの位置決めが達成された状態で、その
「ワーク1mの位置姿勢」と「ツール2nの位置姿勢」
を記憶させる指令をするものである。
【0017】このような装置からなる産業用ロボットの
手動操作による教示制御装置としては、動作切替スイッ
チ9からの「連動する手動操作の信号」、ロボット切替
スイッチ7からの「ワーク取扱装置を指定する信号」お
よび操作ボタン群12からの「動作指示信号」を受けた
ときに制御作動する連動手動操作教示制御手段としての
コンピュータ4Aが、図2に示すように制御装置4に内
蔵されている。この制御装置4は、本発明に係る連動手
動操作教示制御手段4Aのみならず、後述する「単独の
手動操作」において制御動作するワーク手動操作教示制
御手段4Wとツール手動操作教示制御手段4Tをも含ん
でいる。その構成は図7に示すごとくであり、CPU,
ROMやRAMなどからなるマイクロプロセシングユニ
ット14と、それから出力された「アクチュエータ動作
指令値」を駆動信号に変換するサーボドライバ15W,
15Tなどを有している。本例は、ワーク取扱装置1お
よびツール取扱装置2が6自由度のマニプレータの例で
あるので、それぞれにサーボドライバ15W1 〜15W
6 ,15T1 〜15T6 が存在する。そして、ワーク取
扱装置1の関節におけるリンク16W1 〜16W6 (図
2参照)を回動させるための電動モータなどのアクチュ
エータ17W1 〜17W6 がサーボドライバ15Wに対
応して設けられ、ツール取扱装置2の関節におけるリン
ク16T1 〜16T6 (図2参照)を回動させるための
アクチュエータ17T1 〜17T6 がサーボドライバ1
5Tに対応して設けられている。図中の18Wは、サー
ボドライバ15Wとワーク取扱装置1のアクチュエータ
17Wとを結ぶ制御ケーブルであり、18Tも、サーボ
ドライバ15Tとツール取扱装置2のアクチュエータ1
7Tとを結ぶ制御ケーブルである。19は、各アクチュ
エータ動作指令値の信号を出力するためのインターフェ
ースであり、その19aは出力フェース、19bはバッ
ファである。それらには、図6に示した「ワーク取扱装
置1の関節変数」φ1 , φ2 , φ3 , φ4 , φ5 , φ6
と、「ツール取扱装置2の関節変数」θ1 , θ2 ,
θ3 , θ4 , θ5 , θ6 に対応して12個のウインドが
確保されている。
【0018】ところで、溶接作業においては、従来技術
のところで述べたように、溶接線61(図30参照)が
大地64に対して所望する傾きδw となるように、ワー
ク1mを配置することが重要である。そこで、溶接線6
1の傾きが大地64に対して常に一定となるように「ワ
ーク1mの姿勢」が保持される。一方、「トーチ2nの
姿勢」は溶接線61の傾きによって決定されるものであ
るので、溶接線61の傾きを大地64に対して常に一定
にしておくならば、「トーチ2nの姿勢」も大地64に
対して常に一定としておく必要がある。そのために、上
記した連動手動操作教示制御手段4Aは、以下の五つの
工程部4Aa 〜4Ae を備えて、制御動作を実行するよ
うになっている。図1を参照して、第一工程部4Aa
は、以下の制御動作を行うものである。動作切替スイッ
チ9からの「連動する手動操作の信号」、ロボット切替
スイッチ7からの「ワーク取扱装置を指定する信号」お
よび操作ボタン群12からの「動作指示信号」の全てを
受けたとき、その「動作指示信号」を受ける直前の「ワ
ーク取扱装置の関節変数」φ1-0 ,φ2-0 ,φ3-0 ,φ
4-0 ,φ5-0 ,φ6-0 と「ツール取扱装置の関節変数」
θ1-0 , θ2-0 , θ3-0 , θ4-0 , θ5-0 , θ6-0 とを
「ワーク取扱装置の関節変数記憶部」19bw と「ツー
ル取扱装置の関節変数記憶部」19bt からそれぞれ取
り出す。そして、その「ワーク取扱装置の関節変数」と
「ツール取扱装置の関節変数」とから、「絶対座標系5
1におけるワーク基準点56の従前の位置姿勢」と、
「大地64に対するツール先端点57の姿勢」と、「ワ
ーク基準点56に対するツール先端点57の相対的な位
置」とを求めるものである。なお、ワーク基準点56は
ワーク1m上の代表的な点としておけばよく、本例にお
いては、図6に示すように、ワーク1mの一つの角部が
選定されている。上記した「ワーク取扱装置の関節変数
記憶部」19bw と「ツール取扱装置の関節変数記憶
部」19bt とは、図7に示したバッファ19bに含ま
れている。また、上記の「動作指示信号」を受ける直前
の「ワーク取扱装置の関節変数」とは、「連動する手動
操作」を開始するとき、「動作指示信号」を受ける前に
「ワーク取扱装置の関節変数記憶部」19bw に記憶さ
れている「ワーク取扱装置の関節変数」を意味し、「連
動する手動操作」において次に述べる第二工程部4Ab
から第一工程部4Aa の制御動作を繰り返す指示があっ
たときは、「前の動作指示信号」によって生成され
「ワーク取扱装置の関節変数記憶部」19bw に記憶さ
れている「ワーク取扱装置の関節変数」を意味する。
「動作指示信号」を受ける直前の「ツール取扱装置の関
節変数」も、同じ意味である。このような制御動作は、
「連動する手動操作の信号」、「ワーク取扱装置を指定
する信号」および「動作指示信号」の全てを受けた直後
に順次に実行される。さらに、この第一工程部4Aa で
は、上記した演算の直後に、速度率切替スイッチ10に
より選定された「速度率」rに基づいてワーク取扱装置
1の速度を演算するようにもなっている。第二工程部4
Ab は、「動作指示信号」が、前に「動作指示信号」を
受けてから設定された微小時間ΔT例えば1/20秒が
経過するまでに「新しい動作指示信号」に変化していな
ければ、次の第三工程部4Ac の制御動作を指示するも
のである。しかし、設定された微小時間ΔTが経過する
前に「新しい動作指示信号」に変化していれば、第一工
程部4Aa における「動作指示信号」をその「新しい動
作指示信号」に置き換えて、第一工程部4Aa の制御動
作を繰り返すことを指示する一方、設定微小時間ΔTが
経過する前に「動作指示信号」がなくなっていれば、終
了指令部4f(図1参照)に制御動作の終了を指示する
ようにもなっている。第三工程部4Ac は、「動作指示
信号」と第一工程部4Aa で求められた「絶対座標系5
1におけるワーク基準点56の従前の位置姿勢」とか
ら、「設定微小時間ΔTの経過後のワーク取扱装置1の
設置点52を基準としたワーク取付点53の位置姿勢」
を予めを演算する。それと共に、第一工程部4Aa で求
められた「大地64に対するツール先端点57の姿勢」
と、第一工程部4Aa で求められた「ワーク基準点56
に対するツール先端点57の相対的な位置」と、上記の
「設定微小時間ΔTの経過後のワーク取扱装置1の設置
点52を基準としたワーク取付点53の位置姿勢」を演
算する際に求められる「設定微小時間ΔTの経過後の絶
対座標系51におけるワーク基準点56の位置姿勢」と
から、「設定微小時間ΔTの経過後のツール取扱装置2
の設置点54を基準としたツール取付点55の位置姿
勢」を予めを演算するものである。第四工程部4Ad
は、第三工程部4Ac で演算された「設定微小時間ΔT
の経過後のワーク取扱装置1の設置点52を基準とした
ワーク取付点53の位置姿勢」から、「設定微小時間Δ
Tの経過後のワーク取扱装置1の関節変数」φ1-i ,φ
2-i ,φ3-i ,φ4-i ,φ5-i ,φ6-i を求めると共
に、第三工程部4Ac で演算された「設定微小時間ΔT
の経過後のツール取扱装置2の設置点54を基準とした
ツール取付点55の位置姿勢」から、「設定微小時間Δ
Tの経過後のツール取扱装置2の関節変数」θ1-i ,θ
2-i ,θ3-i ,θ4-i ,θ5-i ,θ6-i を求めるもので
ある。第五工程部4Ae は、第四工程部4Ad で求めら
れた「設定微小時間ΔTの経過後のワーク取扱装置1の
関節変数」から「ワーク取扱装置1のアクチュエータ動
作指令値」aw1-i ,aw2-i ,aw3-i ,aw4-i ,aw5-i ,
w6-iを予め演算する共に、第四工程部4Ad で求めら
れた「設定微小時間ΔTの経過後のツール取扱装置2の
関節変数」から「ツール取扱装置2のアクチュエータ動
作指令値」at1-i ,at2-i ,at3-i ,at4-i ,at5-i ,
t6-iを予め演算し、設定微小時間ΔTが経過した直後
に、ワーク取扱装置1とツール取扱装置2とを独立して
作動させるための「ワーク取扱装置1のアクチュエータ
動作指令値」aw1-i ,aw2-i ,aw3-i ,aw4-i ,aw5-i
,aw6-iと、「ツール取扱装置2のアクチュエータ動作
指令値」at1-i ,at2-i ,at3-i ,at4-i ,at5-i ,a
t6-iとを、個別にアクチュエータ動作指令部17Wa ,
17Ta へ出力し、その後に、第二工程部4Ab からの
制御動作を繰り返させることを指示するものである。
【0019】制御装置4には、上記した連動手動操作教
示制御手段4Aのほかに、図8に示すように、ロボット
切替スイッチ7によって「ワーク取扱装置」が指定さ
れ、かつ、動作切替スイッチ9により「単独の手動操
作」が選択されている場合に、ワーク取扱装置1の「単
独の手動操作」を実行するワーク手動操作教示制御手段
4W、および、ロボット切替スイッチ7によって「ツー
ル取扱装置」が指定され、かつ、動作切替スイッチ9に
より「単独の手動操作」が選択されている場合に、ツー
ル取扱装置2の「単独の手動操作」を実行するツール手
動操作教示制御手段4Tも設けられている。なお、ワー
ク取扱装置1の関節変数記憶部19bw とツール取扱装
置2の関節変数記憶部19bt とは、「単独の手動操
作」の場合の「関節変数」も「連動する手動操作」の場
合の「関節変数」も記憶される。したがって、関節変数
記憶部19bw と関節変数記憶部19bt とは、制御装
置4にはそれぞれが一つずつ設けられている。なお、終
了指令部4fも同様に一つだけが設けられている。そし
て、ワーク手動操作教示制御手段4Wを構成する第一工
程部4Wa から第五工程部4We や、ツール手動操作教
示制御手段4Tを構成する第一工程部4Ta から第五工
程部4Te は、従来から知られている機能であるので、
後述する「単独の手動操作」を説明するときに個々にそ
の制御動作を述べることにする。
【0020】次に、上記のシステムにおけるワーク取扱
装置1とツール取扱装置2との本発明に係る手動教示操
作について、図9以降のフローチャートをも参照しなが
ら説明する。 〔1〕モード切替スイッチ8によって「直角手動操作モ
ード」が選定され、動作切替スイッチ9により「連動す
る手動操作」が選択されている場合の「連動する直角手
動操作モード」について述べる。これは、「ツール2n
の姿勢」については絶対座標系51すなわち大地64に
対して一定に維持されるように、「ツール2nの位置」
の変化については「ワーク1mの位置姿勢」の変化に連
動して「ワーク1mに対するツール2nの相対的な位
置」が維持されるように、図6の絶対座標系51を基準
としてワーク取扱装置1およびツール取扱装置2のそれ
ぞれの関節を動作させ、ワーク基準点56を所望する位
置姿勢に変更するときの動作である。「連動する手動操
作」による教示作動に先だち、まずは、ワーク1mとツ
ール2nの位置決めをしおく。これは、一般的には「単
独の手動操作」によって行われる。例えば、図13の
(a)を参照して、ワーク1m上の「着目点」B1 の接
線B1Sが「大地64に対して所望する傾き」δw となる
ように、ワーク取扱装置1によって「ワーク1mの位置
姿勢」を与える。次に、ワーク1m上のその「着目点」
1 において所望する「大地64に対するツール2nの
姿勢」がツール取扱装置2によって与えられる。これに
よって得られるワーク1mとツール2nの位置決め状態
を得る。この位置決め状態を「第一の教示点」A1 とし
て教示する。なお、教示する必要がなければ、位置決め
だけ行っておけばよい。いずれの場合も、与えられた
「ワーク1mの位置姿勢」に基づく「ワーク取扱装置1
の関節変数」は、φ1-0 ,φ2-0 ,φ3-0 ,φ4-0 ,φ
5-0 ,φ6-0 として関節変数記憶部19bw に記憶さ
れ、与えられた「ツール2nの位置姿勢」に基づく「ツ
ール取扱装置2の関節変数」は、θ1-0 , θ2-0 , θ
3-0 , θ4-0 , θ5-0 , θ6-0 として関節変数記憶部1
9bt に記憶される。ティーチングペンダント3におい
て、動作切替スイッチ9を「連動する手動操作」に、モ
ード切替スイッチ8を「直角手動操作モード」に、ロボ
ット切替スイッチ7を「ワーク取扱装置」にする。さら
に、速度率切替スイッチ10で、所望する「速度率」
を、例えば0.2である「rb 」に選定する。そこで、
所望する操作ボタン例えば12b,12c,12Eが押
されると、それらが手放されるまでの処理は次のように
なる。〔a〕:第一工程4Aa での制御動作は、後述
する〔a−1〕ないし〔a−4〕からなる。操作ボタン
12b,12c,12Eを押すことによって、「動作指
示信号」が取り込まれる〔図9のフローチャートのステ
ップ1〕。動作切替スイッチ9はオン、すなわち「連動
する手動操作」が選択され〔ST2〕、ロボット切替スイ
ッチ7もオン、すなわち、「ワーク取扱装置」が指定さ
れ〔ST3〕、そして、モード切替スイッチ8がオン、す
なわち、「直角手動操作モード」が選定されている〔図
10のST6〕ので、ステップ7へ進められる。ロボット
切替スイッチ7がオフになっていると、すなわち、「ツ
ール取扱装置」が指定されていれば〔ST3〕、以後の制
御が不可能となる。この場合は、ロボット切替スイッチ
7をオン、すなわち、「ワーク取扱装置」を指定するよ
うにとのメッセージが、図示しないCRTなどに表示さ
れ〔ST4〕、その時点で制御は終了される〔ST5〕。ワ
ーク取扱装置1は、6自由度のマニプレータであって
も、図示しない3自由度以下のポジショナであってもよ
いことはすでに述べた。しかし、本例における制御に適
用されるのは6自由度のマニプレータに限られているの
で、ステップ7においては、ワーク取扱装置1が6自由
度であるかどうかが問われるようになっている。このワ
ーク取扱装置1の自由度は、制御装置4に予め記憶され
ているので、それに従って、ワーク取扱装置1が6自由
度であるかどうかが判定される。もし、ワーク取扱装置
1がポジショナであれば、以後の制御は不可能である旨
のエラーメッセージが図示しないCRTなどに表示され
〔ST8〕、その時点で制御は終了される〔ST9〕。この
ように、ワーク取扱装置1が6自由度を有しない場合
は、「直角手動操作モード」ができないように、制御プ
ログラムにプロテクトがかけられている。ジショナは
一般に3軸以下であり、「直角手動操作モード」を実行
することができないからである。しかし、後述する「関
節手動操作モード」によって動かすことはできる。ワー
ク取扱装置1が6自由度であれば〔ST7〕、ステップ1
0へ進められる。 〔a−1〕;ワーク1m上に定められたワーク基準点5
6の大地すなわち絶対座標系51の各軸方向の移動速度
および各軸周りの回転速度が、以下のようにして求めら
れる。操作ボタン12b,12c,12Eによって生成
した「動作指示信号」Sx,Sy,Sz,Sα,Sβ,
Sγと、選定された「速度率」rb と、ワーク1mの直
角手動操作のための速度テーブルに記憶された最高値V
w0 ,Vyw0 ,Vzw0,Vαw0 ,Vβw0 ,Vγw0とを用
いて、速度指示値Vxw , Vyw ,Vzw ,Vαw ,V
βw ,Vγw が、式(1) から演算される〔ST10〕。 Vxw =Sx × rb × Vxw0 Vyw =Sy × rb × Vyw0 Vzw =Sz × rb × Vzw0 Vαw =Sα × rb × Vαw0 Vβw =Sβ × rb × Vβw0 Vγw =Sγ × rb × Vγw0 …… (1) 上記のSx,Sy,Sz,Sα,Sβ,Sγは、 操作ボタン12a〜12fが押されているとき、それぞ
れ+1 操作ボタン12A〜12Fが押されているとき、それぞ
れ−1 押されていないとき、いずれも0である。この例では、
操作ボタン12b,12c,12Eのみが押されている
ので、 Sx= 0、したがって、Vxw = 0 Sy=+1、したがって、Vyw = rb ×Vyw0 Sz=+1、したがって、Vzw = rb ×Vzw0 Sα= 0、したがって、Vαw = 0 Sβ=−1、したがって、Vβw =−rb ×Vβw0 Sγ= 0、したがって、Vγw = 0 である。 〔a−2〕;「動作指示信号」を受ける直前の「ワーク
取扱装置1の関節変数」および「ツール取扱装置2の関
節変数」から、「手動操作開始前の絶対座標系51にお
けるワーク基準点56の位置姿勢」を演算する。「動作
指示信号」を受ける前にすでにワーク取扱装置の関節変
数記憶部19bw に記憶されている「ワーク取扱装置1
の関節変数」φ1-0 ,φ2-0 ,φ3-0 ,φ4-0
φ5-0 ,φ6-0 を取り込む〔ST11〕。図6に示す「手動
操作開始前のワーク取扱装置1の設置点52を基準とし
たワーク取付点53の位置姿勢」を表す同次変換行列W
2-0 は、Denavit−Hartenbergの表現
によるリンクパラメータを使った式(2) の同次変換行列
の積として得られる式(3) のように表すことができる。 Ajw=Rot(Z ,φj ) ・Trans(ajw ,0 ,djw)・Rot(X ,αjw)…… (2) W2-0 =A1w・A2w・A3w・A4w・A5w・A6w …… (3) 上記の式(2) 中のφj は、ワーク取扱装置1のj番目の
「関節変数」である。ajwは、ワーク取扱装置1のj番
目のリンク長さで、固定値である。djwは、ワーク取扱
装置1の(j−1)番目のリンクとj番目のリンクとの
間の距離で、固定値である。αjwは、ワーク取扱装置1
の(j−1)番目のリンクとj番目のリンクとの間の角
度で、固定値である。「手動操作開始前の絶対座標系5
1におけるワーク基準点56の位置姿勢」を表す同次変
換行列world Xw-o が、式(3) を用いて、次式(4) のよ
うに表される〔ST12〕。 world Xw-o =Zw ・W2-0 ・Ew …… (4) ただし、Zw は「絶対座標系51におけるワーク取扱装
置1の設置点52の位置姿勢」を表す同次変換行列であ
り、Ew は「ワーク取付点53に対するワーク基準点5
6の位置姿勢」を表す同次変換行列である。Zw のデー
タとEw のデータとは既知値であり、制御装置4に予め
記憶されている。式(4) は、下式のようにおくことがで
きる。
【数1】 式(5) を変換すると、「手動操作開始前の絶対座標系5
1におけるワーク基準点56の位置姿勢」のデータ、す
なわち、「動作指示信号を受ける直前での絶対座標系5
1におけるワーク基準点56の位置」のデータ
(Xw-o , Yw-o , Zw-o )が得られる。加えて、「動
作指示信号を受ける直前での絶対座標系51におけるワ
ーク基準点56の姿勢」のデータ(αw-o ,βw-o ,γ
w-o )も得られる。これらは、下式で等価となる6つの
パラメータとして求められる〔ST13〕。
【数2】 w-o =px ,Yw-o =py ,Zw-o =pz …… (6) αw-o = Cos-1(ax /Sin(βw-o )) …… (7) βw-o = Cos-1(az ) …… (8) γw-o = Sin-1(oz /Sin(βw-o )) …… (9) 〔a−3〕;「動作指示信号」を受ける直前の「ワーク
取扱装置1の関節変数」および「ツール取扱装置2の関
節変数」から、「大地64に対するツール先端点57の
姿勢」と、「ワーク基準点56に対するツール先端点5
7の相対的な位置」とを求める。すなわち、「手動操作
開始前の絶対座標系51におけるツール先端点57の姿
勢」と、「手動操作開始前のワーク基準点56に対する
ツール先端点57の相対的な位置」とが演算される。
「動作指示信号」を受ける前にすでにツール取扱装置2
の関節変数記憶部19bt に記憶されている「ツール取
扱装置2の関節変数」θ1-0 , θ2-0 , θ3-0, θ4-0 ,
θ5-0 , θ6-0 を取り込む〔ST14〕。図6に示す「手
動操作開始前のツール取扱装置2の設置点54を基準と
したツール取付点55の位置姿勢」を表す同次変換行列
2-0 は、Denavit−Hartenbergの表
現によるリンクパラメータを使った式(10)の同次変換行
列の積として得られる式(11)のように表すことができ
る。 Ajt=Rot(Z ,θj )・Trans(ajt ,0 ,djt)・Rot(X ,αjt)……(10) T2-0 =A1t・A2t・A3t・A4t・A5t・A6t ……(11) 上記の式(10)中のθj は、ツール取扱装置2のj番目の
「関節変数」である。ajtは、ツール取扱装置2のj番
目のリンク長さで、固定値である。djtは、ツール取扱
装置2の(j−1)番目のリンクとj番目のリンクとの
間の距離で、固定値である。αjtは、ツール取扱装置2
の(j−1)番目のリンクとj番目のリンクとの間の角
度で、固定値である。「ツール先端点57の姿勢」は、
「手動操作開始前の大地64に対するツール先端点57
の姿勢」を維持する必要があるため、「動作指示信号」
を受ける直前での「絶対座標系51におけるツール先端
点57の姿勢」を求める。そのためには、まず、「手動
操作開始前の絶対座標系51におけるツール先端点57
の位置姿勢」を表す同次変換行列world Xt-o が、式(1
1)を代入して、次式(12)によって算出される〔図11の
ST15〕。
【数3】 ただし、Zt は「絶対座標系51におけるツール取扱装
置2の設置点54の位置姿勢」を表す同次変換行列であ
り、Et は「ツール取付点55に対するツール先端点5
7の位置姿勢」を表す同次変換行列である。Zt のデー
タとEt のデータとは既知値であり、制御装置4に予め
記憶されている。上記の式(12)の各要素を、下式(12a)
ないし式(12c) に代入することにより、「手動操作開始
前の絶対座標系51におけるツール先端点57の姿勢」
のデータ、すなわち、「動作指示信号を受ける直前での
絶対座標系51におけるツール先端点57の姿勢」のデ
ータ(αt-0 ,βt-0 ,γt-0 )が得られる〔ST16〕。 αt-0 = Cos-1 (axt-0/Sin(βt-0) ) ……(12a) βt-0 = Cos-1 (ayt-0) ……(12b) γt-0 = Sin-1 (ozt-0/Sin(βt-0) ) ……(12c) 加えて、「手動操作開始前のワーク基準点56に対する
ツール先端点57の相対的な位置」を維持させる必要の
あることから、「動作指示信号を受ける直前でのワーク
基準点56に対するツール先端点57の相対的な位置」
を求める。「手動操作開始前のワーク基準点56に対す
るツール先端点57の相対的な位置姿勢」を表す同次変
換行列を wXt とすると、「手動操作開始前の絶対座標
系51におけるツール先端点57の位置姿勢」を表す同
次変換行列world Xt-o は、図6から分かるように次式
(13)のごとく表される。 world Xt-0 =world Xw-0 ・ wXt ……(13) したがって、上記の同次変換行列 wXt は、式(5) と式
(12)とから次式(14)でされる〔ST17〕。
【数4】 上記の式(14)で表現される wXt は、「手動操作開始前
のワーク基準点56に対するツール先端点57の相対的
な位置姿勢」を表す同次変換行列であり、「ツール先端
点57の位置」が「ワーク基準点56の位置」の変化に
連動すればよいから、必要となるのは「動作指示信号を
受ける直前でのワーク基準点56に対するツール先端点
57の相対的な位置」のデータ(X wt ,Y wt
wt)である。それらは、上記の式(14)の4列目の
要素より、次式のように表現することができる。 X wt =pxwt ,Y wt =pywt ,Z wt =pzwt ……(14a) 式(14a) から「手動操作開始前のワーク基準点56に対
するツール先端点57の相対的な位置」を表す同次変換
行列 wTt は、次式により求めることができる〔ST1
8〕。
【数5】 〔a−4〕;最初に「動作指示信号」を得てから、設定
された微小時間ΔT例えば前述した1/20秒が経過す
るまで待機される。設定微小時間ΔTが経過すれば〔ST
19〕、i=0にして、経過時間Δt-iを0に設定する
〔ST20〕。なお、1/20秒は、第一工程部4Aa での
ステップ10の演算およびステップ11からステップ1
8までの演算を完了するに十分な時間である。それのみ
ならず、これから述べる第二工程部4Ab から第四工程
部4Ad までの制御動作を完了させるに十分な長さとも
なっている(後述する図15のΔTを参照)。 〔b〕:第二工程部4Ab での制御動作は、以下のよう
である。最初に押された操作ボタン12b,12c,1
2Eが、設定微小時間ΔTの経過した時点まで押され続
けていたか、すなわち、「動作指示信号」が同じかどう
かを確認する〔ST21〕。「最初の動作指示信号」が「新
しい動作指示信号」に変化してなければ、経過時間Δt
-iに1/20秒という微小時間ΔTを加算し〔ST22〕、
経過時間がΔt-i+1に置き換えられる〔ST23〕。そし
て、第三工程部4Ac の制御動作の開始が指示される。
もし、操作ボタン12b,12c,12Eの全てが手放
されているならば〔ST24〕、すなわち、「動作指示信
号」がなくなっているならば、終了指令部4f(図8参
照)に制御動作の終了を指示する〔ST25〕。異なった操
作ボタンが押されているならば、すなわち、操作ボタン
12b,12c,12Eに代えて操作ボタン12a,1
2Eが押されていると〔ST24〕、その「新しい動作指示
信号」を「最初の動作指示信号」に置き換えて、ステッ
プ1から繰り返される。このように「動作指示信号」に
変化があった場合や消失した場合については、後で詳し
く説明する。 〔c〕:第三工程部4Ac での制御動作は、以下のよう
である。これは、第二工程部4Ab からの指示により実
行される。「経過時間Δ t-iすなわちΔT×i後の「絶
対座標系51におけるワーク基準点56の位置」のデー
タ(Xw-i ,Yw-i ,Zw-i )と、「経過時間Δ t-i
の絶対座標系51におけるワーク基準点56の姿勢」の
データ(αw-i ,βw-i ,γw-i )とが、次式(15)によ
って求められる〔図12のST26〕。 Xw-i = Xw-o + Vxw × Δ t-iw-i = Yw-o + Vyw × Δ t-iw-i = Zw-o + Vzw × Δ t-i αw-i = αw-o + Vαw × Δ t-i βw-i = βw-o + Vβw × Δ t-i γw-i = γw-o + Vγw × Δ t-i ……(15) すなわち、経過時間Δ t-i後のXw-i は、式(6) で得ら
れている「手動操作開始前の絶対座標系51におけるワ
ーク基準点56の位置」のデータXw-o に、式(1) で得
られている速度指示値Vxw に経過時間Δ t-iを乗じた
ものを加えることにより求められる。Yw-i ないしγ
w-i も同様である。「経過時間Δ t-i後の絶対座標系5
1におけるワーク基準点56の位置姿勢」を表す同次変
換行列 worldXw-i は、次式(16)によって求められる
〔ST27〕。 world Xw-i =Trans(Xw-i ,Yw-i ,Zw-i )・Rot(Z ,αw-i )・ Rot(Y ,βw-i )・Rot(Z ,γw-i ) ……(16) この式(16)は、上記した式(4) と同様にして、次式(17)
のように表される。 world Xw-i =Zw ・W2-i ・Ew ……(17) 「経過時間Δ t-i後のワーク取扱装置1の設置点52を
基準としたワーク取付点53の位置姿勢」を表す同次変
換行列W2-i は、式(18)によって表され、式(16)を代入
て演することができる〔ST28〕。 W2-i =(Zw -1・ world Xw-i ・(Ew -1 ……(18) 一方、ワーク基準点56が式(16)に従って動作しても、
「ツール先端点57の姿勢」は変化させず、「絶対座標
系51におけるツール先端点57の位置」の変化のみ
を、「ワーク基準点56の位置姿勢」の変化に連動させ
る必要がある。したがって、そのときの「ワーク基準点
56に対するツール先端点57の相対的な位置」を変え
ないようにするための「経過時間Δ t-i後のツール取扱
装置2の設置点54を基準としたツール取付点55の位
置姿勢」を表す同次変換行列T2-iが求められる。ま
ず、ワーク基準点56の動きに追従するために、「絶対
座標系51におけるツール先端点57の位置」は、ステ
ップ18で式(14b) から求められた「手動操作開始前の
ワーク基準点56に対するツール先端点57の相対的な
位置」を表す同次変換行列 wTt と式(16)とを用いて、
次式で算出される。
【数6】 「絶対座標系51におけるツール先端点57の位置」
は、上記の式(19)の4列目の要素より、次式で表され
る。 Xt-i =pxt-i,Yt-i =pyt-i,Zt-i =pzt-i …… (19a) ワーク基準点56が式(16)に従って動作したときの「経
過時間Δ t-i後の絶対座標系51におけるツール先端点
57の位置姿勢」を表す同次変換行列world Xt-i を、
上記の式(19a) と、式(12a) ないし(12c) によって算出
された「手動操作開始前の絶対座標系51におけるツー
ル先端点57の姿勢」のデータ(αt-o,βt-o ,γ
t-o )から、次のように求めることができる。 world Xt-i =Trans(Xt-i ,Yt-i ,Zt-i ) ・Rot(Z ,αt-0)・ Rot(Y ,βt-0)・Rot(Z ,γt-0) ……(20) これは、式(12)と同様に、式(21)のように表現される。 world Xt-i =Zt ・T2-i ・Et ……(21) この式(21)を変形することによって、「経過時間Δ t-i
後のツール取扱装置2の設置点54を基準としたツール
取付点55の位置姿勢」を表す同次変換行列T2-i は、
以下のように関連づけることができる。 T2-i =(Zt ) -1・ world Xt-i ・(Et ) -1 ……(22) ワーク基準点56が式(16)に従って動作しても、「ワー
ク基準点56に対するツール先端点57の相対的な位
置」を変えないようにするための「経過時間Δ t-i後の
ツール取扱装置2の設置点54を基準としたツール取付
点55の位置姿勢」を表す同次変換行列T2-i は、上記
の式(22)に式(20)を代入することにより得られる〔ST2
9〕。 〔d〕:第四工程部4Ad の制御動作は、以下の〔d−
1〕と〔d−2〕からなる。 〔d−1〕;式(22)で得た「経過時間Δ t-i後のツール
取扱装置2の設置点54を基準としたツール取付点55
の位置姿勢」を表す同次変換行列T2-i を逆変換して、
「経過時間Δ t-i後のツール取扱装置2の関節変数」θ
1-i ,θ2-i ,θ3-i ,θ4-i ,θ5-i ,θ6-i が求め
られる〔ST30〕。 〔d−2〕;式(18)で得た「経過時間Δ t-i後のワーク
取扱装置1の設置点52を基準としたワーク取付点53
の位置姿勢」を表す同次変換行列W2-i を逆変換して、
「経過時間Δ t-i後のワーク取扱装置1の関節変数」φ
1-i ,φ2-i ,φ3-i ,φ4-i ,φ5-i ,φ6-i が求め
られる〔ST31〕。なお、求められた「経過時間Δ t-i
のツール取扱装置2の関節変数」θ1-i,θ2-i ,θ
3-i ,θ4-i ,θ5-i ,θ6-i は、直ちにツール取扱装
置2の関節変数記憶部19bt に記憶され、「経過時間
Δ t-i後のワーク取扱装置1の関節変数」φ1-i ,φ
2-i ,φ3-i ,φ4-i ,φ5-i ,φ6-i も、直ちに、ワ
ーク取扱装置1の関節変数記憶部19bw に記憶され
る。 〔e〕:第五工程部4Ae の制御動作は、以下のように
なる。ツール取扱装置2における「アクチュエータ動作
指令値」およびワーク取扱装置1における「アクチュエ
ータ動作指令値」の単位当たりの「関節変数」の動作量
を、Rt1 ,Rt2 ,Rt3 ,Rt4 ,Rt5 ,Rt6 ,Rw1 ,Rw2
,Rw3 ,Rw4 ,Rw5 ,Rw6とする。いずれもロボットご
とに決まった値であり、制御装置4に予め記憶されてい
る。ステップ30で求めた「経過時間Δ t-i後のツール
取扱装置2の関節変数」θ1-i ,θ2-i ,θ3-i ,θ
4-i ,θ5-i ,θ6-i から、ツール取扱装置2の「アク
チュエータ17Tの動作指令値」at1-i ,at2-i ,a
t3-i ,at4-i ,at5-i ,at6-iが、下記の式(101) によ
って演算される〔ST32〕。また、ステップ31で求めた
「経過時間Δ t-i後のワーク取扱装置1の関節変数」φ
1-i ,φ2-i ,φ3-i ,φ4-i ,φ5-i ,φ6-i から、
ワーク取扱装置1の「アクチュエータ17Wの動作指令
値」aw1-i ,aw2-i ,aw3-i ,aw4-i ,aw5-i ,aw6-i
が、下記の式(102) によって演算される〔ST32〕。 at1-i=θ1-i /Rt1t2-i=θ2-i /Rt2t3-i=θ3-i /Rt3t4-i=θ4-i /Rt4t5-i=θ5-i /Rt5t6-i=θ6-i /Rt6 ……(101) aw1-i=φ1-i /Rw1w2-i=φ2-i /Rw2w3-i=φ3-i /Rw3w4-i=φ4-i /Rw4w5-i=φ5-i /Rw5w6-i=φ6-i /Rw6 ……(102) こうして得られた「ツール取扱装置2のアクチュエータ
動作指令値」at1-i ,at2-i ,at3-i ,at4-i ,at5-i
,at6-iと、「ワーク取扱装置1のアクチュエータ動作
指令値」aw1-i ,aw2-i ,aw3-i ,aw4-i ,aw5-i ,a
w6-iとは、経過時間ΔT×iとなった直後に〔ST33〕、
ワーク取扱装置1とツール取扱装置2とを独立して作動
させるために個別に、ほとんど同時にツール取扱装置2
のアクチュエータ動作指令部17Wa (図8参照)とワ
ーク取扱装置1のアクチュエータ動作指令部17Ta へ
出力される〔ST34〕。その後に、第二工程部4Ab の実
行のために、ステップ2へ戻される。ステップ34の
後に、ツール取扱装置2のアクチュエータ17T1 , 1
7T2, 17T3 , 17T4 , 17T5 , 17T6 (図
7参照)が作動して、ツール取扱装置2により「ツール
2nの位置姿勢」が変化される。また、ワーク取扱装置
1のアクチュエータ17W1 , 17W2 , 17W3 , 1
7W4 , 17W5 , 17W6 も同時に作動し、ワーク取
扱装置1により「ワーク1mの位置姿勢」が変化され
る。以上の制御動作は、ワーク取扱装置1とツール取扱
装置2の「連動する手動操作」による図13の(a)か
ら図13の(b)までの動きである。図13の(b)に
おいては、「着目点」B1 における「大地64に対する
ツール先端点57の姿勢」と「ワーク基準点56に対す
るツール先端点57の相対的な位置」とを維持しなが
ら、ワーク1m上の「次の着目点」B2 の接線B2S
「大地64に対して所望する傾き」δw となるように、
「ワーク1mの位置姿勢」が変更されている。なお、ワ
ーク1m上の「次の着目点」B2 の接線B2Sが「大地6
4に対して所望する傾き」δw となっているかどうか
は、作業員が操作ボタンの全てを手放した後に、「着目
点」B2 に角度測定具を当てるなどして測定することに
よって確認される。接線B2Sが「大地64に対して所望
する傾き」δw となっていなければ、再度「連動する手
動操作」が実行され、その後に、再び角度測定具によっ
て接線B2Sの傾きが計測される。その後は、図13の
(c)に示すように、ツール取扱装置2の「単独の手動
操作」により「第一の教示点」A1 における「大地64
に対するツール先端点57の姿勢」を維持して、「第一
の教示点」A1 に位置するツール2nをワーク1m上の
「次の着目点」B2 へ移動させる。これによって得られ
るワーク1mとツール2nの位置決め状態を「第二の教
示点」A2 とするならば、ティーチングペンダント3の
教示ボタン13を押して、その「第二の教示点」A2
教示される。このツール取扱装置2の「単独の手動操
作」は、後で詳しく述べる。引き続いて、「連動する手
動操作」もしくは「単独の手動操作」を実行することが
できる。すなわち、「第三の教示点」A3 は、「第一の
教示点1 を出発してから「第の教示点」A2 を教
示するまでの手順を繰り返すことによって教示される。
このときも、その「第三の教示点」A3 において「大地
64に対するツール2nの姿勢」が維持される。ちなみ
に、図13の(a)のように、「連動する手動操作」を
開始する前のワーク1mとツール2nの位置決め状態を
得る場合、上記した説明では、ワーク取扱装置1を「単
独の手動操作」によって、ツール取扱装置2も「単独の
手動操作」よって行っている。しかし、以上の説明か
らも推測できるように、「連動する手動操作」を開始す
る前のワーク1mとツール2nの位置決め状態を得るた
めに、「連動する手動操作」を使用することもできる。
【0021】本発明によれば、「連動する手動操作」
は、ワーク取扱装置1による「ワーク1mの位置姿勢」
の変化と、ツール取扱装置2による「大地に対するツー
ル先端点57の姿勢」および「ワーク基準点56に対す
るツール先端点57の相対的な位置」の維持とが、それ
ぞれ予め設定された微小時間ΔTの経過後に、独立して
ほとんど同時に実行される。したがって、「ワーク1m
の位置姿勢」の変化と「ツール2nの位置姿勢」の変化
とは迅速となる。「ツール2nの位置姿勢」の変化が
「ワーク1mの位置姿勢」の変化に追従するのではない
ので、「ワーク1mの位置姿勢」の変化において発生す
る演算上の誤差が「ツール2nの位置姿勢」の変化に影
響することはない。それゆえに、「ツール2nの位置」
の変化も精度よく行われる。このように、二基のロボッ
トを「連動する手動操作」によって教示すれば、教示操
作の途中で、ツール2nをワーク1mからその都度退避
させる必要がなくなり、「次の教示点」を教示するまで
の間に、前の「教示点」もしくは前の「着目点」を見失
うことがなく、手動教示作業の簡素化および迅速化が実
現される。また、「連動する手動操作」において「大地
64に対するツール先端点57の姿勢」と「ワーク基準
点56に対するツール先端点57の相対的な位置」が維
持されることになり、トーチを用いて溶接する場合な
ど、重力の影響を受ける溶融池の所望外の流動や無用な
停滞が回避され、溶接品質の向上が図られる。
【0022】ところで、ステップ34からステップ21
に戻ったとき、最初の押された操作ボタン12b,12
c,12Eが継続していれば、ステップ22からステッ
プ34までが、同じ「動作指示信号」に基づいて制御動
作される。これがi×ΔTの時間持続されていると、同
じ「動作指示信号」に基づく制御動作がi回繰り返され
る。なお、ステップ30で求められた「ツール取扱装置
の関節変数」θ1-i ,θ2-i ,θ3-i ,θ4-i
θ5-i ,θ6-i は、ツール取扱装置1の関節変数記憶部
19bt に記憶されている「従前のツール取扱装置の関
節変数」θ1-(i-1) ,θ2-(i-1) ,θ3-(i-1) ,θ
4-(i-1) ,θ5-(i-1) ,θ6-(i-1) と置き換えられる。
同様に、ステップ31で求められた「ワーク取扱装置の
関節変数」φ1-i ,φ2-i ,φ3-i ,φ4-i ,φ5-i
φ6-i も、ワーク取扱装置1の関節変数記憶部19bw
に記憶されている「従前のツール取扱装置の関節変数」
φ1-(i-1) ,φ2-(i-1) ,φ3-(i-1) ,φ4-(i-1) ,φ
5-(i-1) ,φ6-(i-1) と置き換えられる。ステップ21
に戻った(i+1)回目に「新しい動作指示信号」が現
れていれば、すなわち、操作ボタン12b,12c,1
2Eに代えて操作ボタン12a,12Eが押されている
と〔ST24〕、ステップ1へ戻される。そして、〔a−
1〕のところで述べたように、その「新しい動作指示信
号」に基づき、ワーク基準点56の絶対座標系51の各
軸方向の移動速度および各軸周りの回転速度が計算され
る〔ST10〕。前述した〔a−2〕での「手動操作開始前
の絶対座標系51におけるワーク基準点56の位置姿
勢」の演算は、「新しい動作指示信号が与えられる前の
絶対座標系51におけるワーク基準点56の位置姿勢」
を演算することになる。したがって、i回目の「動作指
示信号」に基づく演算によって関節変数記憶部19bw
に記憶されている「ワーク取扱装置の関節変数」を取り
込み〔ST11〕、ステップ12以降が実行される。前述し
た〔a−3〕も同様であり、「手動操作開始前の絶対座
標系51におけるツール先端点57の姿勢」および「手
動操作開始前のワーク基準点56に対するツール先端点
57の相対的な位置」の演算は、「新しい動作指示信号
が与えられる前の絶対座標系51におけるツール先端点
57の姿勢」および「新しい動作指示信号が与えられる
前のワーク基準点56に対するツール先端点57の相対
的な位置」を演算することになる。したがって、i回目
の「動作指示信号」に基づく演算によって関節変数記憶
部19bt に記憶されている「ツール取扱装置の関節変
数」を取り込み〔ST14〕、ステップ15以降が実行され
る。ステップ21に戻った(i+n)回目に「動作指示
信号」がなくなっているならば、すなわち、操作ボタン
12a,12Eの全てが手放されているならば〔ST2
4〕、終了指令部4f(図1参照)に制御動作の終了を
指示する〔ST25〕。この時点で、一連の「連動する手動
操作」はひとまず終了する。
【0023】以上は、連動手動操作教示制御手段4Aに
おけるアルゴリズムを含めて、制御作動を説明した。実
際の教示作業の一例を、次に図14の(a)を参照しな
がら説明する。実線で示すワーク1mが破線を経て移動
した後の一点鎖線で表されるワーク1m上の「次の着目
点」B2 における接線B2sの傾きが、実線で示したワー
ク1m上の「最初の着目点」B1 における接線B1s
「大地64に対して所望する傾き」δw に等しくなるよ
うに「ワーク1mの姿勢」を与えるとき、ツール2nの
先端点57は一点鎖線で示すワーク1m上の「着目点」
1 に位置している。これは、「ワーク1mに対するツ
ール2nの相対的な位置」を維持していることを意味す
る。また、一点鎖線で表されるワーク1m上の「着目
点」B1 におけるツール2nの姿勢が、実線で示したワ
ーク1m上の「着目点」B1 すなわち「第一の教示点」
1 上におけるツール2nの姿勢と同じである。これ
は、「大地64に対するツール2nの姿勢」を維持して
いることを意味する。ワーク1mの矢印21の動きとツ
ール2nの矢印22の動きとはほとんど同時に行われ、
「連動する手動操作」が実行されている。ツール先端点
57が、一点鎖線で表されるワーク1m上の「着目点」
1 から矢印23のように「次の着目点」B2 へ移動す
るときは、ツール2nの姿勢は維持されているが、この
動きは、ツール取扱装置2の「単独の手動操作」により
実行される。ツール先端点57が「次の着目点」B2
位置した状態で、「第二の教示点」A2 が教示される。
実線で示したワーク1mの「着目点」B1 が一点鎖線で
表されるワーク1m上の「着目点」B1 へ移動するまで
のワーク1mを動かす道程が単純であれば、同じ操作ボ
タンを押し続ければよい。この作動は、設定微小時間Δ
Tが経過するたびにステップ21へ戻され、ステップ2
2以降をたどる。ステップ34で「ワーク取扱装置1の
アクチュエータ動作指令値」と「ツール取扱装置2のア
クチュエータ動作指令値」とが出力され、その都度ワー
ク1mとツール2nとが動かされる。そのプロセスは、
図15のタイミングチャートにおけるΔTごとにΔT×
iまでの間繰り返され、ΔTごとに第二工程部4Ab か
ら第五工程部4Ae までの動作繰り返ことが理解さ
れる。ステップ24において、「動作指示信号」の全て
が0となれば、もはやワーク1mを移動させる必要のな
い状態であり、「連動する手動操作」の制御作動はタイ
ムチャートの終了点EEで終わる。この後は、さらに
「連動する手動操作」が繰り返されるか、後述するごと
くステップ2から「単独の手動操作」が実行される。と
ころで、「着目点」B1 が移動する道程が長い場合に、
速度率切替スイッチ10を切り替えるといったことがあ
る。図14の(a)に示すように、道程の途中に仮の点
1 ,b2 が設定される。そして、前の「着目点」B1
から点b1 までは「速度率」を1.0により、点b1
ら点b2 までは0.5により、点b2から後の「着目
点」B1 までは0.1により移動させるといったことが
できる。このように、前の「着目点」B1 から点b1
での速度を高くしておくと、後の「着目点」B1 の近傍
まで短時間に移動させることができる。点b2 から後の
「着目点」B1 までの速度を遅くしておくと、ワーク1
の停止位置精度を高くでき、しかも、教示者の緊張感
を軽減することができる。上記の点b1 ,点b2 ,後の
「着目点」B1 は、図15の終了点EEにそれぞれ対応
する。前の「着目点」B1 でのワーク取扱装置1の関節
変数は、点b1 に到達するまで、設定微小時間ΔTごと
に変化する。点b1 から点b2 をたどる間も、関節変数
記憶部19bw に記憶される関節変数は、設定微小時間
ΔTごとに置き換えられる。後の「着目点」B1 に到達
した時点で、従前の関節変数は消去されている。ワーク
1mと連動して動くツール取扱装置2の関節変数も、
「着目点」B1 におけるデータだけが関節変数記憶部1
9bt に記憶される。しかし、教示ボタン13が押され
ないかぎり、これらの関節変数も保存されることはな
く、次の関節変数が記憶されると消失する。点b1 から
点b2 の間に存在するΔTが「着目点」B1 から点b1
までに存在するΔTより小さく描かれている。これは、
移動速度が遅くて1/20秒の間の移動距離が短いから
である。一方、例えば、点b1 から点b2 の間では移動
速度が同じといっても、ΔTごとの移動距離は同じとは
限らない。例えば、点b11において、制御動作が第五工
程部4Ae から第二工程部4Ab に戻ったとき、操作ボ
タン12b,12c,12Eに代えて、操作ボタン12
a,12Eに押し変えられているといった場合がある。
これは、図16のタイミングチャート中に破線で示した
ように、「動作指示信号」に変化があった場合である。
このように「動作指示信号」が変化しても、全ての信号
が0でないかぎり、ステップ24からステップ1へ戻さ
れ、新しい「動作指示信号」に基づいてステップ34ま
で実行される。操作ボタン12b,12c,12Eが押
されているときのΔT間の移動距離と、操作ボタン12
a,12Eが押されているときのΔT間の移動距離とが
一般的に異なることは、容易に推測することができる。
【0024】ちなみに、「単独の手動操作」において
も、図14の(b)に示すように、「着目点」B1 を移
動させる道程の途中に仮の点a1 ,a2 を設定しておく
ことができる。この説明は本来後述する「単独の手動操
作」のところでなされるべきであるが、「連動する手動
操作」の場合の上記説明と対比させた方が理解しやすい
ので、あえて、ここで触れておくことにする。この場合
、各区間の「速度率」を1.0,0.5,0.2
0.1といったように選定することができワーク1
移動を速めたり、停止時の緊張緩和が図られる。
お、「単独の手動操作」においては、「ワーク1mの位
置姿勢」を変化させるときはツール2nは静止状態にあ
り、「ツール2nの位置姿勢」を変化させるときはワー
ク1mは静止状態にある。例えば、ツール2nをワーク
1m上で「着目点」B1 から「次の着目点」B2 へ移動
させるとき、ワーク1m上に形成された突起に出会うこ
とがある。その突起を避けて移動しなければならない場
合には、図14の(c)に破線で示す線分B1 2 上に
ない仮の点c1 ,c2 を経由するように教示する。その
際、点B1 から点c1 までは「直角手動操作モード」と
し、点c1 から点c2 までを後述する「関節手動操作モ
ード」として、点c2 から点B2 までを再度「直角手動
操作モード」とするといったように変更することができ
る。点c1 ,c2 ,後のB1 は、「単独の手動操作」の
各区間の終了点である。もちろん、点c1 と点c2 の途
中に点c11を設け、その点c11を境にして速度率を変更
するということもできる。
【0025】本発明は「手動操作による教示制御装置」
であって、教示された後に溶接などの実稼動において再
生する動作とは関わりを有しない。しかし、本発明によ
って教示されたデータをもとにしてワーク取扱装置1と
ツール取扱装置2とをプレイバックさせる場合につい
て、簡単に触れておく。図14の(a)における「第一
の教示点」A1 から「第二の教示点」A2 までを例にす
る。教示のときは、ワーク1mは矢印21のように動
く。ツール2nは矢印22のように動いた後、矢印23
のように移動される。一方、再現動作では、ワーク1m
は矢印21にように動くが、ツール2nは矢印24のよ
うに動く。すなわち、ツール2nは移動した「着目点」
1 を経由することがない。再現動作時のワーク1mの
移動速度やツール2nの移動速度は、教示のときとは関
連のない速度で制御される。「第一の教示点」A1
「第二の教示点」A2との間を直線的に移動させるか円
弧状に移動させるかということも選択されるようになっ
ている。例えば直線的な移動が指定される場合には、
「第一の教示点」A1 から「第二の教示点」A2 へ移動
する途中の点は、内挿計算による補完位置をたどる。円
弧軌跡が指定されている場合には、円弧の円中心が演算
され、移動距離を角度変位に換算して内挿補完される。
【0026】ここで、図13とは異なる手順により「ワ
ーク1mの位置姿勢」の変化と「ツール2nの位置姿
勢」の変化とを実行して、「着目点」B1 を「第一の教
示点」A1 として教示した後に、次の「着目点」B2
「第二の教示点」A2 として教示する方法を、図17を
もとにして説明する。図17の動作を概略的に説明する
と、図17の(a)は図13の(a)と同じである。図
17の(a)から図17の(b)の動作は、ツール取扱
装置2の「単独の手動操作」であって、図13の(b)
から図13の(c)の動作に対応している。図17の
(b)から図17の(c)の動作は、ワーク取扱装置1
とツール取扱装置2の「連動する手動操作」であって、
図13の(a)から図13の(b)の動作に対応してい
る。図17の(a)から図17の(c)の動作を、以下
に順を追って述べる。まず、単独連動操作選択手段9に
おいて「単独の手動操作」を選択し、取扱装置指定手段
7によって「ワーク取扱装置」を指定する。そして、動
作指示スイッチ手段12を操作して、「ワーク1mの位
置姿勢」を変更する「動作指示信号」を出力させ、ワー
ク1m上の「着目点」B1 の接線B1sが「大地64に対
して所望する傾き」δw となるように、「ワーク1mの
姿勢」を与える(図17の(a)を参照)。そして、取
扱装置指定手段7を切り替えて「ツール取扱装置」を指
定し、動作指示スイッチ手段12を操作して、「ツール
2nの位置姿勢」を変更する「動作指示信号」を出力さ
せ、ワーク1m上の溶接線61上の「着目点」B1 にお
いて所望する「大地64に対するツール2nの姿勢」が
与えられる(図17の(a)を参照)。このとき、「ワ
ーク1mの位置姿勢」を与えている「ワーク取扱装置1
の関節変数」と、「ツール2nの位置姿勢」を与えてい
る「ツール取扱装置2の関節変数」とが自動的に記憶さ
れる。なお、必要があるなら、「着目点」B1における
その位置決め状態を、「第一の教示点」A1 として教示
しておくことができる。この「着目点」B1 におけるそ
の位置決め状態を得るとき、図13の場合にも述べた
が、「単独の手動操作」により「ワーク1mの位置姿
勢」の変化させた後に「単独の手動操作」により「ツー
ル2nの位置姿勢」を変化させることに代えて、「連動
する手動操作」により「ワーク1mの位置姿勢」と「ツ
ール2nの位置姿勢」とを変化させるようにしてもよ
い。また、「単独の手動操作」と「連動する手動操作」
とを複合させて、所望する「ワーク1mの位置姿勢」と
「ツール2nの位置姿勢」とを得るようにすることもで
きる。次に、取扱装置指定手段7によって「ツール取扱
装置」を指定する。動作指示スイッチ手段12を操作し
て、ツール取扱装置2の「単独の手動操作」により、
「ツール2nの位置姿勢」を変更する「動作指示信号」
を出力させる。「着目点」B1 における「大地64に対
するツール2nの姿勢」を維持して、「着目点」B1
位置するツール2nをワーク1m上の「次の着目点」B
2 へ移動させる(図17の(b)参照)。その後に、単
独連動操作選択手段9において「連動する手動操作」を
選択し、取扱装置指定手段7において「ワーク取扱装
置」を指定する。動作指示スイッチ手段12を操作し
て、「ワーク1mの位置姿勢」を変更するための「動作
指示信号」を出力させる。そして、「次の着目点」B2
における「大地64に対するツール2nの姿勢」と「ワ
ーク1mに対するツール2nの相対的な位置」とを維持
しながら、ワーク1m上の「次の着目点」B2 の接線B
2Sが「大地64に対して所望する傾き」δw となるよう
に「ワーク1mの姿勢」が変更される。「連動する手動
操作の信号」,「ワーク取扱装置を指定する信号」およ
び「動作指示信号」の全てを受けている連動手動操作教
示制御手段4Aは、前述した第一工程部4Aa から第五
工程部4Ae までの動作と同じである。その制御動作に
よって得られる例えば矢印1pのように動かされたワー
ク1mと、ワーク1mと連動されたツール2nの位置決
め状態が、「第二の教示点」A2 として教示される(図
17の(c)参照)。なお、ワーク1m上の「次の着目
点」B2 の接線B2Sが「大地64に対して所望する傾
き」δw となっているかどうかは、作業員が操作ボタン
の全てを手放した後に、「着目点」B2 に角度測定具を
当てるなどして測定することによって確認される。接線
2Sが「大地64に対して所望する傾き」δw となって
いれば、教示ボタン13が押される。「大地64に対し
て所望する傾き」δw となっていなければ、再度「連動
する手動操作」が実行され、その後に、再び角度測定具
によって接線B2Sの傾きが計測される。この例において
は、「着目点」B2 に角度測定具を当てるとき、その
「着目点」B2 にはツール先端点57が位置しているの
で、作業員が角度測定具を当てる個所が、図13の場合
よりも明瞭となる利点がある。「第三の教示点」A
3 は、「着目点」B1 を出発してから「第二の教示点」
2 を教示するまでの手順を繰り返すことによって教示
される。このときも、その「第三の教示点」A3 におい
て「大地64に対するツール2nの姿勢」が維持され
る。このように「大地64に対するツール2nの姿勢」
を常に一定とした教示作業を手動で操作する際に、本方
法を適用すると、「大地64に対するツール2nの姿
勢」を変化させることなく、「ワーク1mの位置姿勢」
を変化させることができる。かつ、「ワーク1mに対す
るツール2nの相対的な位置」も維持されるので、ワー
ク1mとツール2nの接触は避けられ、教示作業の簡素
化および迅速化が可能となる。なお、上記の「連動する
手動操作」の制御動作において、「ワーク1mの位置姿
勢」を変化させる「動作指示信号」は、ワーク基準点5
6の「直角座標系の各軸方向の移動および各軸周りの回
転を指示する信号」を採用してもよいし、ワーク取扱装
置1の各関節に関する「回転を指示する信号」とするこ
ともできる。
【0027】〔2〕次に、モード切替スイッチ8によっ
て、「関節手動操作モード」が選定され、かつ、動作切
替スイッチ9により「連動する手動操作」が選択されて
いる場合の「連動する関節手動操作モード」について述
べる。これは、「ツール2nの姿勢」については絶対座
標系51に対して一定に維持されるように、「ツール2
nの位置」の変化については「ワーク1mの位置姿勢」
の変化に連動して「ワーク1mに対するツール2nの相
対的な位置」が維持されるように、ワーク取扱装置1
よびツール取扱装置2のそれぞれの各関節を動作させ、
ワーク基準点56を所望する位置姿勢に変更するときの
動作である。図13の(a)や図17の(a)のワーク
1mとツール2nとの最初の位置決め状態を得ておくこ
とは、前述した「連動する直角手動操作モード」を実行
する前の状態と同じである。ティーチングペンダント3
において、動作切替スイッチ9を「連動する手動操作」
に、モード切替スイッチ8を「関節手動操作モード」
に、ロボット切替スイッチ7を「ワーク取扱装置」にす
る。さらに、速度率切替スイッチ10で所望する「速度
率」を、例えば0.5である「rc 」に選定する。所望
する操作ボタン例えば12b,12Dが押されている
と、それらが手放されるまでの処理は、次のようにな
る。 〔a〕:第一工程部4Aa での制御動作は、後述する
〔a−1〕ないし〔a−4〕からなる。操作ボタン12
b,12Dとを押すことによって、「動作指示信号」が
取り込まれる〔図9のST1〕。動作切替スイッチ9はオ
ンであって、すなわち「連動する手動操作」が選択され
〔ST2〕、ロボット切替スイッチ7もオン、すなわち
「ワーク取扱装置」が指定され〔ST3〕、そして、モー
ド切替スイッチ8がオフ、すなわち「関節手動操作モー
ド」が選定されている〔図10のST6〕ので、図18の
ステップ35へ進められる。ロボット切替スイッチ7が
オフになっていると、すなわち「ツール取扱装置」が指
定されていれば〔ST3〕、以後の制御は不可能となる。
その場合には、ロボット切替スイッチ7をオン、すなわ
ち、「ワーク取扱装置」を指定するようにとのメッセー
ジが、図示しないCRTなどに表示され〔ST4〕、その
時点で制御は終了される〔ST5〕。この「関節手動操作
モード」においては、ワーク取扱装置1が6自由度のマ
ニプレータか3自由度以下のポジショナでもよい。前述
した「直角手動操作モード」においては6自由度のマニ
プレータである場合に限られていたが、3自由度以下の
ポジショナが使用されていると、操作ボタン群12によ
って生成される「動作指示信号」はS1ないしS3だけ
となる。 〔a−1〕;ワーク取扱装置1の各関節1a,1b,1
c,1d,1e,1fの回転速度が、次のようにして求
められる。操作ボタン12b,12Dにより生成された
「動作指示信号」S1 ,S2 ,S3 ,S4 ,S5 ,S6
と、選定された「速度率」rc と、ワーク取扱装置1の
関節手動操作のための速度テーブルに記憶された最高値
V1w0 ,V2w0 ,V3w0 ,V4w0 ,V5w0 ,V6w0とを
用いて、速度指示値V1w , V2w ,V3w ,V4w
V5w ,V6w が、式(1A)から演算される〔図18のST
35〕。 V1w =S1 × rc × V1w0 V2w =S2 × rc × V2w0 V3w =S3 × rc × V3w0 V4w =S4 × rc × V4w0 V5w =S5 × rc × V5w0 V6w =S6 × rc × V6w0 ……(1A) 上記のS1 ,S2 ,S3 ,S4 ,S5 ,S6は、操作ボ
タン12a〜12fが押されているとき、それぞれ+1
操作ボタン12A〜12Fが押されているとき、それぞ
れ−1押されていないとき、いずれも0である。この例
では、操作ボタン12b,12Dのみが押されているの
で、V1w =0 ,V3w =0 ,V5w =0 ,V6w =0
である。 〔a−2〕;「動作指示信号」を受ける直前の「ワーク
取扱装置1の関節変数」および「ツール取扱装置2の関
節変数」から、「手動操作開始前の絶対座標系51にお
けるワーク基準点56の位置姿勢」を演算する。「動作
指示信号」を受ける前にすでにワーク取扱装置の関節変
数記憶部19bw に記憶されている「ワーク取扱装置1
の関節変数」φ1-0 , φ2-0 , φ3-0 4-0 , φ5-0 ,
φ6-0 を取り込む〔ST36〕。図6に示す「手動操作開
始前のワーク取扱装置1の設置点52を基準としたワー
ク1mの取付点53の位置姿勢」を表す同次変換行列W
2-0 は、Denavit−Hartenbergの表現
によるリンクパラメータを使った式(2A)の同次変換行列
の積として得られる式(3A)のように表すことができる。 Ajw=Rot(Z ,φj ) ・Trans(ajw ,0 ,djw)・Rot(X ,αjw)……(2A) W2-0 =A1w・A2w・A3w・A4w・A5w・A6w ……(3A) この式(2A) , (3A) は、前述した式(2) , (3) と同じで
あり、φj , ajw ,djwjwも、式(2) , (3) の後で
説明したものと同じである。「手動操作開始前の絶対座
標系51におけるワーク基準点56の位置姿勢」を表す
同次変換行列 worldXw-0 が、式(3A)を用いて、次式(4
A)のように表される〔ST37〕。 world Xw-0 =Zw ・W2-0 ・Ew ……(4A) この式(4A)は、前述した式(4) と同じである。また、Z
w やEw も、式(4) の後のところで説明したものと同じ
である。 〔a−3〕;「動作指示信号」を受ける直前の「ワーク
取扱装置1の関節変数」および「ツール取扱装置2の関
節変数」から、「大地64に対するツール先端点57の
姿勢」と、「ワーク基準点56に対するツール先端点5
7の相対的な位置」とを求める。すなわち、「手動操作
開始前の絶対座標系51におけるツール先端点57の姿
勢」と、「手動操作開始前のワーク基準点56に対する
ツール先端点57の相対的な位置」とが演算される。
「動作指示信号」を受ける前にすでにツール取扱装置2
の関節変数記憶部19bt に記憶されている「ツール取
扱装置2の関節変数」θ1-0 , θ2-0 , θ3-0, θ4-0 ,
θ5-0 , θ6-0 を取り込む〔ST38〕。図6に示す「手
動操作開始前のツール取扱装置2の設置点54を基準と
したツール取付点55の位置姿勢」を表す同次変換行列
2-0 は、Denavit−Hartenbergの表
現によるリンクパラメータを使った式(10A) の同次変換
行列の積として得られる式(11A)のように表すことがで
きる。 Ajt=Rot(Z ,θj )・Trans(ajt ,0 ,djt)・Rot(X ,αjt)… (10A) T2-0 =A1t・A2t・A3t・A4t・A5t・A6t … (11A) この式(10A) , (11A) は、前述した式(10) , (11) と同
じであり、φj , ajt ,djtjtは、式(10) , (11)
の後で説明したものと同じである。「ツール先端点57
の姿勢」は、「手動操作開始前の大地64に対するツー
ル先端点57の姿勢」を維持する必要があるため、「動
作指示信号」を受ける直前での「絶対座標系51におけ
るツール先端点57の位置姿勢」を求める。そのために
は、まず、「手動操作開始前の絶対座標系51における
ツール先端点57の位置姿勢」を表す同次変換行列 wor
ldXt-0 が、式(11A) を代入して、式(12A) によって算
される〔ST39〕。
【数7】 この式(12A) も、前述した式(12)と同じである。また、
t やEt も式(12)の後のところで説明したものと同じ
である。上記の式(12A) の各要素を、下式(12Aa)ないし
(12Ac)に代入することにより、「手動操作開始前の絶対
座標系51におけるツール先端点57の姿勢」のデー
タ、すなわち、「動作指示信号を受ける直前での絶対座
標系51におけるツール先端点57の姿勢」のデータ
(αt-0 ,βt-0 ,γt-0 )が得られる〔ST40〕。 αt-0 = Cos-1( axt-0/Sin(βt-0) ) ……(12Aa) βt-0 = Cos-1( axt-0 ) ……(12Ab) γt-0 = Sin-1( oxt-0/Sin(βt-0) ) ……(12Ac) これらの式(12Aa)ないし(12Ac)は、それぞれ前述した式
(12a) ないし(12c) と同じである。加えて、「手動操作
開始前のワーク基準点56に対するツール先端点57の
相対的な位置」を維持させる必要のあることから、「動
作指示信号を受ける直前でのワーク基準点56に対する
ツール先端点57の相対的な位置」を求める。「手動操
作開始前のワーク基準点56に対するツール先端点57
の相対的な位置姿勢」を表す同次変換行列を wXt とす
ると、「手動操作開始前の絶対座標系51におけるツー
ル先端点57の位置姿勢」を表す同次変換行列world X
t-o は、式(4A)を用いて、次式(13A) のように表され
る。 world Xt-o = world Xw-o ・ wXt ……(13A) したがって、上記の同次変換行列 wXt は次式(14A) で
算出される〔ST41〕。
【数8】 上記の式(14A) で表現される wXt は、「手動操作開始
前のワーク基準点56に対するツール先端点57の相対
的な位置姿勢」を表す同次変換行列であり、「ツール先
端点57の位置」が「ワーク基準点56の位置」の変化
に連動すればよいから、必要となるのは、「動作指示信
号を受ける直前でのワーク基準点56に対するツール先
端点57の相対的な位置」のデータ(X wt ,Y w
t ,Z wt )である。それらは、上記の式(14A) の4
列目の要素より、次式のように表現することができる。 X wt =pxwt ,Y wt =pywt ,Z wt =pzwt ……(14Aa) 式(14Aa)から「手動操作開始前のワーク基準点56に対
するツール先端点57の相対的な位置」を表す同次変換
行列 wTt は、次式により求めることができる〔ST4
2〕。
【数9】 上式(13A),(14A),(14Aa)および(14Ab)は、それぞれ前述
した式(13),(14),(14a)および(14b) と同じである。 〔a−4〕;最初に「動作指示信号」を得てから、設定
された微小時間ΔT例えば前述した1/20秒が経過す
るまで待機される。設定微小時間ΔTが経過すれば〔ST
43〕、i=0にして、経過時間Δt-iを0に設定する
〔ST44〕。 〔b〕:第二工程部4Ab での制御動作は、以下のよう
である。最初に押された操作ボタン12b,12Dが、
設定微小時間ΔTの経過した時点まで押され続けていた
か、すなわち、「動作指示信号」が同じかどうかを確認
する〔図19のST45〕。「最初の動作指示信号」が「新
しい動作指示信号」に変化していなければ、経過時間Δ
-iに1/20秒という微小時間ΔTを加算し〔ST4
6〕、経過時間がΔt-i+1に置き換えられる〔ST47〕。
そして、第三工程部4Ac の制御動作の開始が指示され
る。もし、操作ボタン12b,12Dの全てが手放され
ているならば〔ST48〕、終了指令部4f(図8参照)に
制御動作の終了を指示する〔ST49〕。異なった操作ボタ
ンが押されているならば、すなわち、操作ボタン12
b,12Dに代えて操作ボタン12cが押されていると
〔ST48〕、その「新しい動作指示信号」を「最初の動作
指示信号」に置き換えて、ステップ1から繰り返され
る。 〔c〕:第三工程部4Ac での制御動作は、以下のよう
である。これは、第二工程4Ab からの指示により実
行される。経過時間Δt-i-iすなわちΔT×i後の「ワ
ーク取扱装置1の関節変数」φ1-i ,φ2-i ,φ3-i
φ4-i ,φ5-i ,φ6-i が、次式(15A) によって求めら
れる〔図20のST50〕。 φ1-i = φ1-o + V1w × Δ t-i φ2-i = φ2-o + V2w × Δ t-i φ3-i = φ3-o + V3w × Δ t-i φ4-i = φ4-o + V4w × Δ t-i φ5-i = φ5-o + V5w × Δ t-i φ6-i = φ6-o + V6w × Δ t-i …… (15A) すなわち、経過時間Δt-iすなわちΔT×i後の「ワー
ク取扱装置1の関節変数」φ1-i は、「手動操作開始前
のワーク取扱装置1の関節変数」φ1-0 に、式(1A)で得
られている速度指示値V1w に経過時間Δ t-iを乗じた
ものを加えることにより得られる。φ2-i ないしφ6-i
も同様である。「経過時間Δ t-i後のワーク取扱装置1
の設置点52を基準としたワーク取付点53の位置姿
勢」を表す同次変換行列W2-i は、Denavit−H
artenbergの表現によるリンクパラメータを使
った式(25)の同次変換行列の積として得られる式(26)の
ように表すことができる〔ST51〕。 Ajw=Rot(z ,φj-i ) ・Trans(ajw ,0 ,djw)・Rot(x ,αjw)……(25) W2-i =A1w・A2w・A3w・A4w・A5w・A6w ……(26) 上記の式(25)中のφj-i はワーク取扱装置1のj番目の
「関節変数」である。ajwは、ワーク取扱装置1のj番
目のリンク長さで、固定値である。djwは、ワーク取扱
装置1の(j−1)番目のリンクとj番目のリンクとの
間の距離で、固定値である。αjwは、ワーク取扱装置1
の(j−1)番目のリンクとj番目のリンクとの間の角
度で、固定値である。「経過時間Δ t-i後の絶対座標系
51におけるワーク基準点56の位置姿勢」を表す同次
変換行列 worldXw-i を、式(26)を用いて、次式で表さ
れる。 world Xw-i =Zw ・W2-i ・Ew ……(27) ワーク取付点53が式(26)に従って動作しても、「ツー
ル先端点57の姿勢」を変化させず、「絶対座標系51
におけるツール先端点57の位置」の変化のみを、「ワ
ーク取付点53の位置姿勢」の変化に連動させる必要が
ある。したがって、そのときの「ワーク取付点53に対
するツール先端点57の相対的位置」を変えないよう
にするための「経過時間Δ t-i後のツール取扱装置2の
設置点54を基準としたツール取付点55の位置姿勢」
を表す同次変換行列T2-i が求められる。まず、ワーク
取付点53の動きに連動するために、「経過時間Δt-i
後の絶対座標系51におけるツール先端点57の位置姿
勢」を表す同次変換行列world Xt-i は、ステップ42
で式(14Ab)から求められた「手動操作開始前のワーク基
準点56に対するツール先端点57の相対的な位置」を
表す同次変換行列 wTt と上式(27)とを用いて、次式で
算出される。
【数10】 「絶対座標系51におけるツール先端点57の位置」
は、上記の式(19A) の4列目の要素より、次のように表
される。 Xt-i =pxt-i,Yt-i =pyt-i,Zt-i =pzt-i … (19Aa) ワーク取付点53が式(26)のように従って動作したとき
の「経過時間Δ t-i後の絶対座標系51におけるツール
先端点57の位置姿勢」を表す同次変換行列world X
t-i を、上記の式(19Aa)と、式(12Aa)ないし(12Ac)によ
って算出された「手動操作開始前の絶対座標系51にお
けるツール先端点57の姿勢」のデータ(αt-0 ,β
t-0 ,γt-0 )から、次のように求めることができる。 world Xt-i =Trans(Xt-i ,Yt-i ,Zt-i )・Rot(Z ,αt-0)・ Rot(Y ,βt-0)・Rot(Z ,γt-0) …… (20A) これは、式(12A) と同様に、式(21A) のように表現され
る。 world Xt-i =Zt ・T2-i ・Et …… (21A) この式(21A) を変形することによって、「経過時間Δ t
-i後のツール取扱装置2の設置点54を基準としたツー
ル取付点55の位置姿勢」を表す同次変換行列T
2-i は、以下のように関連づけることができる。 T2-i =(Zt ) -1・ world Xt-i ・(Et ) -1 …… (22A) ワーク取付点53が式(26)に従って動作しても、「ワー
ク取付点53に対するツール先端点57の相対的な位
置」を変えないようにするための「経過時間Δ t-i後の
ツール取扱装置2の設置点54を基準としたツール取付
点55の位置姿勢」を表す同次変換行列T2-i は、上記
式(22A) に式(20A) を代入することによって得られる
〔ST52〕。 〔d〕:第四工程部4Ad の制御動作は、以下のように
なる。式(22A) で得た「経過時間Δ t-i後のツール取扱
装置2の設置点54を基準としたツール取付点55の位
置姿勢」を表す同次変換行列T2-i を逆変換して、「経
過時間Δ t-i後のツール取扱装置2の関節変数」
θ1-i ,θ2-i ,θ3-i ,θ4-i ,θ5-i ,θ6-i が求
められる〔ST53〕。なお、式(26)により得た「経過時間
Δ t-i後のワーク取扱装置1の設置点52を基準とした
ワーク取付点53の位置姿勢」を表す同次変換行列W
2-i を逆変換した「経過時間Δ t-i後のワーク取扱装置
1の関節変数」φ1-i ,φ2-i ,φ3-i ,φ4-i ,φ
5-i ,φ6-i は、その以前のステップ50において、す
でに求められている。経過時間Δt-i後のツール取扱
装置2の関節変数」θ1-i ,θ2-i ,θ3-i,θ4-i
θ5-i ,θ6-i は、直ちにツール取扱装置2の関節変数
記憶部19bt に記憶され、「経過時間Δt-i後のワー
ク取扱装置1の関節変数」φ1-i ,φ2-i ,φ3-i ,φ
4-i ,φ5-i ,φ6-i も、直ちにワーク取扱装置1の関
節変数記憶部19bw に記憶される。 〔e〕:第五工程4Ae の制御動作は、以下のように
なる。ツール取扱装置2における「アクチュエータ動作
指令値」およびワーク取扱装置1における「アクチュエ
ータ動作指令値」の単位当たりの「関節変数」の動作量
を、Rt1 ,Rt2 ,Rt3 ,Rt4 ,Rt5 ,Rt6 ,RW1 ,RW2
,RW3 ,RW4 ,RW5 ,RW6とする。いずれもロボットご
とに決まった値であり、制御装置4に予め記憶されてい
る。ステップ53で求めた「経過時間Δ t-i後のツール
取扱装置2の関節変数」θ1-i ,θ2-i ,θ3-i ,θ
4-i ,θ5-i ,θ6-i から、ツール取扱装置2の「アク
チュエータ17Tの動作指令値」at1-i ,at2-i ,a
t3-i ,at4-i ,at5-i ,at6-iが、前記した式(101) と
同じ式によって演算される〔ST54〕。また、ステップ5
0で求めた「経過時間Δ t-i後のワーク取扱装置1の関
節変数」φ1-i ,φ2-i ,φ3-i ,φ4-i ,φ5-i ,φ
6-i から、ワーク取扱装置1の「アクチュエータ17W
の動作指令値」aw1-i ,aw2-i ,aw3-i ,aw4-i ,a
w5-i ,aw6-iが、前記した式(102) と同じ式によって演
算される〔ST54〕。こうして得られた「ツール取扱装置
2のアクチュエータ動作指令値」at1-i ,at2-i ,a
t3-i ,at4-i ,at5-i ,at6-iと、「ワーク取扱装置1
のアクチュエータ動作指令値」aw1-i ,aw2-i ,aw3-i
,aw4-i ,aw5-i ,aw6-iとは、経過時間がΔT×iと
なった直後に〔ST55〕出力される〔ST56〕。その後に、
第二工程部4Ab の実行のために、ステップ45へ戻さ
れる。以上述べた「連動する関節手動操作モード」にお
いて、「動作指示信号」を受けてから、その信号がなく
なるまでの各工程部における制御動作とその繰り返し
は、図15や図16のタイミングチャートと同じであ
る。図13(a)から図13の(b)まで、図17の
(b)から図17の(c)まで、および図14の(a)
の説明は本例においても同じである。
【0028】これ以後は本発明の説明ではない。例えば
図13の(b)から図13の(c)への動作や図17の
(a)から図17の(b)への動作などにおいて使用さ
れる「単独の手動操作」の制御動作を参考までに記載し
ておく。すなわち、従来からも行われている「単独の直
角手動操作」または「単独の関節手動操作」の説明であ
る。したがって、制御装置4は、上記した「連動する直
角手動操作モード」または「連動する関節手動操作モー
ド」のみならず、「単独の直角手動操作モード」または
「単独の関節手動操作モード」をも実行する複合した制
御システムであることが理解される。 〔3〕ツール取扱装置2の関節を動作させ、絶対座標系
51において、ツール2nを所望する位置姿勢に変更す
るときの「単独の直角手動操作」について説明する。テ
ィーチングペンダント3において、ロボット切替スイッ
チ7を「ツール取扱装置」に、モード切替スイッチ8を
「直角手動操作モード」に、動作切替スイッチ9を「単
独の手動操作」にする。さらに、速度率切替スイッチ1
0で、所望する「速度率」を、例えば0.2である「r
b 」に選定する。操作ボタン例えば12b,12cを押
したとすると、それらが手放されるまでの処理は、次の
ようになる。 〔a〕:第一工程部4Ta での制御動作は、以下の〔a
−1〕ないし〔a−3〕からなる。操作ボタン12b,
12cを押すことにより、「動作指示信号」が取り込ま
れる〔図9のST1〕。動作切替スイッチ9はオフ、すな
わち「単独の手動操作」が選択され〔ST2〕、モード切
替スイッチ8はオン、すなわち「直角手動操作モード」
が選定され〔ST57〕、また、ロボット切替スイッチ7は
オフ、すなわち「ツール取扱装置」が指定されている
〔図21のST58〕ので、ステップ59へ進められる。 〔a−1〕;ツール先端点57の絶対座標系51の各軸
方向の移動速度および各軸周りの回転速度が、以下のよ
うにして求められる。操作ボタン12b,12cによっ
て生成された「動作指示信号」Sx,Sy,Sz,S
α,Sβ,Sγと、選定された「速度率」rb と、ツー
ル2nの直角手動操作のための速度テーブルに記憶され
た最高値Vxt0 ,Vyt0 ,Vzt0 ,Vαt0 ,Vβt0 ,V
γt0とを用いて、速度指示値Vxt , Vyt ,Vzt
Vαt ,Vβt ,Vγt が、式(32)から求められる〔ST
59〕。 Vxt =Sx × rb × Vxt0 Vyt =Sy × rb × Vyt0 Vzt =Sz × rb × Vzt0 Vαt =Sα × rb × Vαt0 Vβt =Sβ × rb × Vβt0 Vγt =Sγ × rb × Vγt0 ……(32) 上記のSx ,Sy ,Sz ,Sα ,Sβ ,Sγは、 操作ボタン12a〜12fが押されているとき、それぞ
れ+1 操作ボタン12A〜12Fが押されているとき、それぞ
れ−1 押されていないとき、いずれも0である。この例では、
操作ボタン12b,12cのみが押されているので、V
t =0 ,Vαt =0 ,Vβt =0 ,Vγt =0であ
る。ちなみに、このツール移動装置2の「単独の直角手
動操作モード」は、ワーク1m上の「着目点」B1 にツ
ール2nを移動させるときに実行される。例えば、図1
3の(a)のようにツール2nを位置決めするとき
図13の(b)から図13の(c)となるようにツール
2nを移動させるときに実行される。後者の場合には、
ツール先端点57を回転させると、「ツール2nの姿
勢」が変わってしまうので、操作ボタン12d〜12
f,12D〜12Fは押されることがない。したがっ
て、ツール先端点57の絶対座標系51の各軸周りの回
転速度は、常に0とされる。 〔a−2〕;「動作指示信号」を受ける直前の「ツール
取扱装置2の関節変数」から「手動操作開始前の絶対座
標系51におけるツール先端点57の位置姿勢」を演算
する。「動作指示信号」を受ける前にすでにツール取扱
装置の関節変数記憶部19bt に記憶されている「ツー
ル取扱装置2の関節変数」θ1-0 , θ2-0 , θ3-0
4-0 , θ5-0 , θ6-0 を取り込む〔ST60〕。そして、
「手動操作開始前の絶対座標系51におけるツール先端
点57の位置姿勢」を表す同次変換行列world X
t-o を、式(33)によって算出する〔ST61〕。 world Xt-o =Zt ・T2-0 ・Et ……(33) 式(33)は、下式のようにおくことができる。
【数11】 式(33)を変換すると、「動作指示信号を受ける直前での
絶対座標系51におけるツール先端点57の位置」のデ
ータ(Xt-o , Yt-o , Zt-o )と、「動作指示信号を
受ける直前での絶対座標系51におけるツール先端点5
7の姿勢」のデータ(αt-o ,βt-o ,γt-o )とが得
られる。すなわち、下式で等価となる6つのパラメータ
が求められる。
【数12】 t-o =px ,Yt-o =py ,Zt-o =pz ……(35) αt-o = Cos-1 (ax /Sin(βt-o ) ) ……(36) βt-o = Cos-1 (az ) ……(37) γt-o = Sin-1 (oz /Sin(βt-o ) ) ……(38) これらの式(35),(36),(37),(38) によって、「絶対座標
系51におけるツール先端点57の位置姿勢」が求めら
れる〔ST62〕。 〔a−3〕;最初に「動作指示信号」を得てから、設定
された微小時間ΔT例えば1/20秒が経過するまで待
機される。設定微小時間ΔTが経過すれば〔ST63〕、i
=0とし、経過時間Δt-iを0に設定する〔ST64〕。 〔b〕:第二工程部4Tb の制御動作は、以下のようで
ある。最初に押された操作ボタン12b,12cが、設
定微小時間ΔTの経過した時点まで押され続けていた
か、すなわち、「動作指示信号」が同じかどうかを確認
する〔図22のST65〕。最初の「動作指示信号」が「新
しい動作指示信号」に変化していなければ、経過時間Δ
-iに1/20秒という微小時間ΔTを加算し〔ST6
6〕、経過時間がΔt-i+1に置き換えられる〔ST67〕。
そして、第三工程部4Tc の制御動作の開始が指示され
る。もし、操作ボタン12b,12cの全てが手放され
ているならば〔ST68〕、すなわち、「動作指示信号」が
なくなっているならば、終了指令部4f(図8参照)に
制御動作の終了を指示する〔ST69〕。異なった操作ボタ
ンが押されているならば、すなわち、操作ボタン12
b,12cに代えて操作ボタン12a,12bが押され
ていると〔ST68〕、その「新しい動作指示信号」を「最
初の動作指示信号」に置き換えて、ステップ1から繰り
返される。 〔c〕:第三工程部4Tc での制御動作は、以下のよう
である。これは、第二工程部4Tb からの指示により実
行される。経過時間Δt-iすなわちΔT×i後の「絶対
座標系51におけるツール先端点57の位置」のデータ
(Xt-i ,Yt-i ,Zt-i )と、「経過時間Δ t-i後の
絶対座標系51におけるツール先端点57の姿勢」のデ
ータ(αt-i ,βt-i ,γt-i )とが、次式(39)によっ
て求められる。ただし、「ツール先端点57の姿勢」は
変化されないので、前述したごとく、Vαt =0 ,Vβ
t =0 ,Vγt =0であり、データ(αt-i ,βt-i
γt-i )はいずれも0である。 Xt-i = Xt-o + Vxt × Δ t-it-i = Yt-o + Vyt × Δ t-it-i = Zt-o + Vzt × Δ t-i αt-i = αt-o + Vαt × Δ t-i βt-i = βt-o + Vβt × Δ t-i γt-i = γt-o + Vγt × Δ t-i ……(39) 「経過時間Δ t-i後の絶対座標系51におけるツール先
端点57の位置姿勢」を表す同次変換行列world Xt-i
は、次式によって表される。 world Xt-i =Trans(Xt-i ,Yt-i ,Zt-i ) ・Rot(Z ,αt-i ) ・ Rot(Y ,βt-i ) ・Rot(Z ,γt-i ) ……(40) 「経過時間Δ t-i後のツール取扱装置2の設置点54を
基準としたツール取付点55の位置姿勢」を表す同次変
換行列T2-i は、前記した式(22)と同様に、次式(41)で
演算される。 T2-i =(Zt ) -1world X t-i ・(Et ) -1 ……(41) 〔d〕:第四工程部4Td での制御動作は、以下のよう
である。式(41)で得た「経過時間Δ t-i後のツール取扱
装置2の設置点54を基準としたツール取付点55の位
置姿勢」を表す同次変換行列T2-i を逆変換して、「経
過時間Δ t-i後のツール取扱装置2の関節変数」
θ1-i ,θ2-i ,θ3-i ,θ4-i ,θ5-i ,θ6-i が求
められる〔ST70〕。 〔e〕:第五工程部4Te での制御動作は、以下のよう
である。ツール取扱装置2における「アクチュエータ動
作指令値」の単位当たりの「関節変数」の動作量を、R
t1,Rt2,Rt3,Rt4,Rt5,Rt6とする。いずれもツ
ール取扱装置2において決まった値であり、制御装置4
に予め記憶されている。ステップ70で求めた「経過時
間Δ t-i後のツール取扱装置2の関節変数」θ1-i ,θ
2-i ,θ3-i ,θ4-i ,θ5-i ,θ6-i から、ツール取
扱装置2の「アクチュエータ17Tの動作指令値」a
t1-i ,at2-i ,at3-i ,at4-i ,at5-i ,at6-iが、下
記の式(101B)によって演算される〔ST71〕。 at1-i=θ1-i /Rt1t2-i=θ2-i /Rt2t3-i=θ3-i /Rt3t4-i=θ4-i /Rt4t5-i=θ5-i /Rt5t6-i=θ6-i /Rt6 ……(101B) この式(101B)は、前述した式(101) と同じである。こう
して得られた「ツール取扱装置2のアクチュエータ動作
指令値」at1-i ,at2-i ,at3-i ,at4-i ,at5-i ,a
t6-iは、経過時間がΔT×iとなった直後に〔ST72〕、
ツール取扱装置2を作動させるためのアクチュエータ動
作指令部17Ta (図8参照)へ出力される〔ST73〕。
その後に、第二工程部4Tb の実行のために、ステップ
65へ戻される。ステップ73の後に、ツール取扱装置
2のアクチュエータ17T1 ,17T2,17T3 ,1
7T4 ,17T5 ,17T6 (図7参照)が作動して、
ツール取扱装置2により「ツール2nの位置姿勢」が変
化される。このようにして「ツール2nの位置姿勢」を
与えると、図13の(a)におけるツール2nの位置決
めや、図13の(b)から図13の(c)への動作や、
図17の(a)におけるツール2nの位置決めや、図1
7の(a)から図17の(b)への動作が実行できる。
【0029】〔4〕ワーク取扱装置1の関節を動作さ
せ、絶対座標系51において、ワーク1mを所望する位
置姿勢に変更するときの「単独の直角手動操作」につい
て説明する。ティーチングペンダント3において、ロボ
ット切替スイッチ7を「ワーク取扱装置」に、モード切
替スイッチ8を「直角手動操作モード」に、動作切替ス
イッチ9を「単独の手動操作」にする。さらに、速度率
切替スイッチ10で、所望する「速度率」を、例えば
0.5である「rc 」に選定する。所望する操作ボタ
ン、例えば12a,12eを押したとすると、それらが
手放されるまでの処理は、次のようになる。 〔a〕:第一工程部4Wa の制御動作は、後述する〔a
−1〕ないし〔a−3〕からなる。操作ボタン12a,
12eを押すことにより、「動作指示信号」が取り込ま
れる〔図9のST1〕。動作切替スイッチ9はオフ、すな
わち「単独の手動操作」が選択され〔ST2〕、モード切
替スイッチ8はオン、すなわち「直角手動操作モード」
が選定され〔ST57〕、ロボット切替スイッチ7もオン、
すなわち「ワーク取扱装置」が指定されている〔図21
のST58〕ので、図23のステップ74へ進められる。ワ
ーク取扱装置1は、6自由度のマニプレータであって
も、3自由度以下のポジショナであってもよい。しか
し、本例では6自由度のマニプレータである場合に限ら
れるので、ステップ74において、ワーク取扱装置1が
6自由度であるかどうかが問われるようになっている。
このワーク取扱装置1の自由度は、制御装置4に予め記
憶されているので、それにしたがって、ワーク取扱装置
1が6自由度であるかどうかが判定される。もし、ワー
ク取扱装置1がポジショナであれば、以後の制御は不可
能である旨のエラーメッセージが図示しないCRTなど
に表示され〔ST75〕、その時点で制御は終了される〔ST
76〕。ワーク取扱装置1が6自由度であれば〔ST74〕、
ステップ77へ進められる。 〔a−1〕;ワーク基準点56の絶対座標系51の各軸
方向の移動速度および各軸周りの回転速度が、以下のよ
うにして求められる。操作ボタン12a,12eによっ
て生成された「動作指示信号」Sx,Sy,Sz,S
α,Sβ,Sγと、選定された「速度率」rc と、ワー
ク1mの直角手動操作のための速度テーブルに記憶され
た最高値Vxw0 ,Vyw0 ,Vzw0 ,Vαw0 ,Vβw0 ,V
γw0とを用いて、速度指示値Vxw , Vyw ,Vzw
Vαw ,Vβw ,Vγw が、式(42)から求められる〔ST
77〕。 Vxw =Sx × rc × Vxw0 Vyw =Sy × rc × Vyw0 Vzw =Sz × rc × Vzw0 Vαw =Sα × rc × Vαw0 Vβw =Sβ × rc × Vβw0 Vγw =Sγ × rc × Vγw0 ……(42) 上記のSx ,Sy ,Sz ,Sα ,Sβ ,Sγは、操作ボ
タン12a〜12fが押されているとき、それぞれ+1 操作ボタン12A〜12Fが押されているとき、それぞ
れ−1 押されていないとき、いずれも0である。この例では、
操作ボタン12a,12eのみが押されているので、V
w =0 ,Vzw =0 ,Vαw =0 ,Vγw =0であ
る。 〔a−2〕;「動作指示信号」を受ける直前の「ワーク
取扱装置1の関節変数」から「手動操作開始前の絶対座
標系51におけるワーク基準点56の位置姿勢」を演算
する。「動作指示信号」を受ける前にすでにワーク取扱
装置の関節変数記憶部19bw に記憶されている「ワー
ク取扱装置1の関節変数」φ1-0 , φ2-0 , φ3-0
4-0 , φ5-0 , φ6-0 を取り込む〔ST78〕。そして、
「手動操作開始前の絶対座標系51におけるワーク基準
点56の位置姿勢」を表す同次変換行列world X
w-o を、次(43) によって演算する〔ST79〕。 world Xw-o =Zw ・T2-0 ・Ew ……(43) 式(43)は、下式のようにおくことができる。
【数13】 式(44) を変換すると、「動作指示信号を受ける直前で
の絶対座標系51におけるワーク基準点56の位置」の
データ(Xw-o , Yw-o , Zw-o )と、「動作指示信号
を受ける直前での絶対座標系51におけるワーク基準点
56の姿勢」のデータ(αw-o ,βw-o ,γw-o )とが
得られる。すなわち、下式で等価となる6つのパラメー
タが求められる。
【数14】 w-o =px ,Yw-o =py ,Zw-o =pz ……(45) αw-o = Cos-1 (ax /Sin(βw-o ) ) ……(46) βw-o = Cos-1 (az ) ……(47) γw-o = Sin-1 (oz /Sin(βw-o ) ) ……(48) これらの式(45),(46),(47),(48) によって、「絶対座標
系51におけるワーク基準点56の位置姿勢」が求めら
れる〔ST80〕。 〔a−3〕;最初に「動作指示信号」を得てから、設定
された微小時間ΔTが経過するまで待機される。設定微
小時間ΔTが経過すれば〔ST81〕、i=0として、経過
時間Δt-iを0に設定する〔ST82〕。 〔b〕:第二工程4Wb の制御動作は、以下のようで
ある。最初に押された操作ボタン12a,12eが、設
定微小時間ΔTの経過した時点まで押され続けていた
か、すなわち、「動作指示信号」が同じかどうか確認す
る〔図24のST83〕。最初の「動作指示信号」が「新し
い動作指示信号」に変化していなければ、経過時間Δt
-iに微小時間ΔTを加算し〔ST84〕、経過時間がΔt
-i+1に置き換えられる〔ST85〕。そして、第三工程部4
Wc の制御動作の開始が指示される。もし、操作ボタン
12aと12eの全てが手放されているならば〔ST8
6〕、すなわち、「動作指示信号」がなくなっているな
らば、終了指令部4f(図8参照)に制御動作の終了を
指示する〔ST87〕。異なった操作ボタンが押されている
ならば、すなわち、操作ボタン12a,12eに代えて
操作ボタン12a,12c,12Eが押されていると
〔ST86〕、その「新しい動作指示信号」を「最初動作指
示信号」に置き換えて、ステップ1から繰り返される。 〔c〕:第三工程部4Wc の制御動作は、以下のようで
ある。これは、第二工程部4Wb からの指示により実行
される。経過時間Δt-iすなわちΔT×i後の「絶対座
標系51におけるワーク基準点56の位置」のデータ
(Xw-i ,Yw-i ,Zw-i )と、「経過時間Δ t-i後の
絶対座標系51におけるワーク基準点56の姿勢」のデ
ータ(αw-i ,βw-i ,γw-i )とが、次式(49)によっ
て求められる。 Xw-i = Xw-o + Vxw × Δ t-iw-i = Yw-o + Vyw × Δ t-iw-i = Zw-o + Vzw × Δ t-i αw-i = αw-o + Vαw × Δ t-i βw-i = βw-o + Vβw × Δ t-i γw-i = γw-o + Vγw × Δ t-i ……(49) 「経過時間Δ t-i後の絶対座標系51におけるワーク基
準点56の位置姿勢」を表す同次変換行列 worldXw-i
は、次式で表される。 world Xw-i =Trans(Xw-i ,Yw-i ,Zw-i ) ・Rot(Z ,αw-i ) ・ Rot(Y ,βw-i ) ・Rot(Z ,γw-i ) ……(50) 「経過時間Δ t-i後のワーク取扱装置1の設置点52を
基準としたワーク取付点53の位置姿勢」を表す同次変
換行列W2-i は、前記した式(18)と同様の次式(51)で演
算される。 W2-i =(Zw -1・ world Xw-i ・(Ew -1 ……(51) 〔d〕:第四工程部4Wd での制御動作は、以下のよう
である。式(51)で得た「経過時間Δ t-i後のワーク取扱
装置1の設置点52を基準としたワーク取付点53の位
置姿勢」を表す同次変換行列W2-i を逆変換して、「経
過時間Δ t-i後のワーク取扱装置1の関節変数」
φ1-i ,φ2-i ,φ3-i ,φ4-i ,φ5-i ,φ6-i が求
められる〔ST88〕。 〔e〕:第五工程部4We での制御動作は、以下のよう
である。ワーク取扱装置1における「アクチュエータ動
作指令値」の単位当たりの「関節変数」の動作量を、R
w1,Rw2,Rw3,Rw4,Rw5,Rw6とする。いずれもワ
ーク取扱装置1において決まった値であり、制御装置4
に予め記憶されている。ステップ88で求めた「経過時
間Δ t-i後のワーク取扱装置1の関節変数」φ1-i ,φ
2-i ,φ1-i ,φ3-i ,φ4-i ,φ5-i ,φ6-i から、
ワーク取扱装置1の「アクチュエータ17Wの動作指令
値」aw1-i ,aw2-i ,aw3-i ,aw4-i ,aw5-i ,aw6-i
が、下記の式(102C)によって演算される〔ST89〕。 aw1-i=φ1-i /Rw1w2-i=φ2-i /Rw2w3-i=φ3-i /Rw3w4-i=φ4-i /Rw4w5-i=φ5-i /Rw5w6-i=φ6-i /Rw6 ……(102C) この式(102C)は、前述した式(102) と同じである。こう
して得られた「ワーク取扱装置1のアクチュエータ動作
指令値」aw1-i ,aw2-i ,aw3-i ,aw4-i ,aw5-i ,a
w6-iは、経過時間がΔT×iとなった直後に〔ST90〕、
ワーク取扱装置1を作動させるためのアクチュエータ動
作指令部17Wa (図8参照)へ出力される〔ST91〕。
その後に、第二工程部4Wb の実行のために、ステップ
83へ戻される。ステップ91の後に、ワーク取扱装置
1のアクチュエータ17W1 ,17W2,17W3 ,1
7W4 ,17W5 ,17W6 (図7参照)が作動して、
ワーク取扱装置1により「ワーク1mの位置姿勢」が変
化される。このようにして「ワーク1mの位置姿勢」を
与えると、図13の(a)におけるワーク1mの位置決
めや、図17の(a)におけるワーク1mの位置決めの
動作が実行できる。
【0030】〔5〕ツール取扱装置2の関節を動作させ
て、絶対座標系51において、ツール2nを所望する位
置姿勢に変更するときの「単独の関節手動操作」につい
て説明する。ツール取扱装置2による「単独の関節手動
操作」によれば、ツール2nをワーク1mの溶接線61
上で所望する姿勢角に位置決めすることは容易でない。
したがって、図13や図17を用いて述べた発明には直
接適用することができない。しかし、ツール2nの姿勢
を問題としない場合には、例えば、ワーク1mの溶接線
61上にツール先端部57を配置させるだけのときに
は、この「単独の関節手動操作」を使用することができ
るので、以下に説明しておくことにする。ティーチング
ペンダント3において、ロボット切替スイッチ7を「ツ
ール取扱装置」に、モード切替スイッチ8を「関節手動
操作モード」に、動作切替スイッチ9を「単独の手動操
作」にする。さらに、速度率切替スイッチ10で、所望
する「速度率」を、例えば0.2である「rb 」に選定
する。所望する操作ボタン、例えば12A,12cを押
したとすると、それらが手放されるまでの処理は、次の
ようになる。 〔a〕:第一工程部4Ta の制御動作は、以下の〔a−
1〕なしい〔a−3〕からなる。操作ボタン12A,1
2cを押すことにより、「動作指示信号」が取り込まれ
る〔図9のST1〕。動作切替スイッチ9はオフ、すなわ
ち「単独の手動操作」が選択され〔ST2〕、モード切替
スイッチ8もオフ、すなわち「関節手動操作モード」が
選定され〔ST57〕、ロボット切替スイッチ7もオフ、す
なわち「ツール取扱装置」が指定されている〔図25の
ST92〕のでステップ93へ進められる。 〔a−1〕;ツール取扱装置2の各関節2a,2b,2
c,2d,2e,2fの回転速度が、次のようにして求
められる。操作ボタン12A,12cにより生成された
「動作指示信号」S1 ,S2 ,S3 ,S4 ,S5 ,S6
と、選定された「速度率」rb と、ツール取扱装置2の
関節手動操作のための速度テーブルに記憶された最高値
V1t0 ,V2t0 ,V3t0 ,V4t0 ,V5t0 ,V6t0とを
用いて、速度指示値V1t , V2t ,V3t ,V4t
V5t ,V6t が、式(52)から演算される〔ST93〕。 V1t =S1 × rb × V1t0 V2t =S2 × rb × V2t0 V3t =S3 × rb × V3t0 V4t =S4 × rb × V4t0 V5t =S5 × rb × V5t0 V6t =S6 × rb × V6t0 ……(52) 上記のS1 ,S2 ,S1 ,S2 ,S5 ,S6は、操作ボ
タン12a〜12fが押されているとき、それぞれ+1 操作ボタン12A〜12Fが押されているとき、それぞ
れ−1 押されていないとき、いずれも0である。この例では、
操作ボタン12A,12cのみが押されているので、V
t =0 ,V4t =0 ,V5t =0 ,V6t =0であ
る。 〔a−2〕;「動作指示信号」を受ける直前の「ツール
取扱装置2の関節変数」から「手動操作開始前のツール
取扱装置2の位置姿勢」を演算する。「動作指示信号」
を受ける前にすでにツール取扱装置の関節変数記憶部1
9bt に記憶されている「ツール取扱装置2の関節変
数」θ1-0 ,θ2-0 ,θ3-0 ,θ4-0 ,θ5-0 ,θ6-0
を取り込む〔ST94〕。 〔a−3〕;最初に「動作指示信号」を得てから、設定
された微小時間ΔTが経過するまで待機される。設定微
小時間ΔTが経過すれば〔ST95〕、i=0とし、経過時
間Δt-iを0に設定する〔ST96〕。 〔b〕:第二工程部4Tb の制御動作は、以下のようで
ある。最初に押された操作ボタン12A,12cが、設
定微小時間ΔTの経過した時点まで押され続けていた
か、すなわち、「動作指示信号」が同じかどうか確認す
る〔図26のST97〕。最初の「動作指示信号」が「新し
い動作指示信号」に変化していなければ、経過時間Δ t
-iに微小時間ΔTを加算し〔ST98〕、経過時間がΔt
-i+1に置き換えられる〔ST99〕。そして、第三工程部4
Tc の制御動作の開始が指示される。操作ボタン12
A,12cの全てが手放された状態ならば〔ST100 〕、
すなわち、「動作指示信号」がなくなっているならば、
終了指令部4f(図8参照)に制御動作の終了を指示す
る〔ST101 〕。異なった操作ボタンが押されているなら
ば、すなわち、操作ボタン12A,12cに代えて操作
ボタン12a,12Dが押されていると〔ST100 〕、そ
の「新しい動作指示信号」を「最初の動作指示信号」に
置き換えて、ステップ1から繰り返される。 〔c〕:第三工程部4Tc の制御動作は、以下のようで
ある。これは、第二工程部4Tb からの指示により実行
されるが、実質的に第4工程部4Td の制御動作をも含
。経過時間Δt-iすなわちΔT×i後の「ツール取扱
装置2の関節変数」θ1-i,θ2-i ,θ3-i ,θ4-i
θ5-i ,θ6-i が、次式(53)によって求められる〔ST10
2 〕。 θ1-i = θ1-o + V1t × Δ t-i θ2-i = θ2-o + V2t × Δ t-i θ3-i = θ3-o + V3t × Δ t-i θ4-i = θ4-o + V4t × Δ t-i θ5-i = θ5-o + V5t × Δ t-i θ6-i = θ6-o + V6t × Δ t-i ……(53) 〔d〕:第五工程部4Te は、第三工程部4Tc および
第四工程部4Td の一括制御動作を受けて、以下の制御
動作となる。ツール取扱装置2における「アクチュエー
タ動作指令値」の単位当たりの「関節変数」の動作量
を、Rt1,Rt2,Rt3,Rt4,Rt5,Rt6とする。いず
れもツール取扱装置2において決まった値であり、制御
装置4に予め記憶されている。ステップ102で求めた
「経過時間Δ t-i後のツール取扱装置2の関節変数」θ
1-i ,θ2-i ,θ3-i ,θ4-i ,θ5-i ,θ6-i から、
ツール取扱装置2の「アクチュエータ17Tの動作指令
値」at1-i ,at2-i ,at3-i ,at4-i ,at5-i ,at6-i
が、下記の式(101D)によって演算される〔ST103 〕。 at1-i=θ1-i /Rt1t2-i=θ2-i /Rt2t3-i=θ3-i /Rt3t4-i=θ4-i /Rt4t5-i=θ5-i /Rt5t6-i=θ6-i /Rt6 ……(101D) この式(101D)は、前述した式(101) と同じである。こう
して得られた「ツール取扱装置2のアクチュエータ動作
指令値」at1-i ,at2-i ,at3-i ,at4-i ,at5-i ,a
t6-iは、経過時間がΔT×iとなった直後に〔ST104
〕、ツール取扱装置2を作動させるためのアクチュエ
ータ動作指令部17Ta (図8参照)へ出力される〔ST
105 〕。その後に、第二工程部4Tb の実行のために、
ステップ97へ戻される。ステップ105の後に、ツー
ル取扱装置2のアクチュエータ17T1 ,17T2 ,1
7T3 ,17T4 ,17T5 ,17T6 (図7参照)が
作動して、ツール取扱装置2により「ツール2nの位置
姿勢」が変化される。
【0031】〔6〕ワーク取扱装置1の関節を動作さ
せ、絶対座標系51において、ワーク1mを所望する位
置姿勢に変更するときの「単独の関節手動操作」につい
て説明する。この場合のワーク取扱装置1は3自由度以
下のポジショナであってもよいが、以下の説明は6自由
度のマニプレータを例にする。ティーチングペンダント
3において、ロボット切替スイッチ7を「ワーク取扱装
置」に、モード切替スイッチ8を「関節手動操作モー
ド」に、動作切替スイッチ9を「単独の手動操作」にす
る。そして、速度率切替スイッチ10で所望する「速度
率」を、例えば0.5である「rc 」に選定する。所望
する操作ボタン、例えば12Aと12dを押したとする
と、それらが手放されるまでの処理は、次のようにな
る。 〔a〕:第一工程は、以下の〔a−1〕ないし〔a−
3〕からなる。操作ボタン12A,12dを押すことに
より、「動作指示信号」が取り込まれる〔図7のST
1〕。動作切替スイッチ9はオフ、すなわち「単独の手
動操作」が選択され〔ST2〕、モード切替スイッチ8も
オフ、すなわち「関節手動操作モード」が選定される
〔ST57〕、ロボット切替スイッチ7がオン、すなわち
「ワーク取扱装置」が指定されている〔図25のST92〕
ので、ステップ106へ進められる。 〔a−1〕;ワーク取扱装置1の各関節1a,1b,1
c,1d,1e,1fの回転速度が、次のようにして求
められる。操作ボタン12A,12dによって生成され
た「動作指示信号」S1,S2,S3,S4,S5,S
6と、選定された「速度率」rc と、ワーク取扱装置1
の関節手動操作のための速度テーブルに記憶された最高
値V1w0 ,V2w0 ,V3w0,V4w0 ,V5w0 ,V6w0
を用いて、速度指示値V1w , V2w ,V3w ,V
w ,V5w ,V6w が、前述した式(1A)と同様の次式
(1C)から求められる〔ST106 〕。 V1w =S1 × rc × V1w0 V2w =S2 × rc × V2w0 V3w =S3 × rc × V3w0 V4w =S4 × rc × V4w0 V5w =S5 × rc × V5w0 V6w =S6 × rc × V6w0 …… (1C) 上記のS1 ,S2 ,S3 ,S4 ,S5 ,S6は、操作ボ
タン12a〜12fが押されているとき、それぞれ+1 操作ボタン12A〜12Fが押されているとき、それぞ
れ−1 押されていないとき、いずれも0である。この例では、
操作ボタン12A,12dのみが押されているので、V
w =0 ,V3w =0 ,V5w =0 ,V6w =0であ
る。 〔a−2〕;「動作指示信号」を受ける直前の「ワーク
取扱装置1の関節変数」から「手動操作開始前のワーク
取扱装置1の位置姿勢」を演算する。「動作指示信号」
を受ける前にすでにワーク取扱装置の関節変数記憶部1
9bw に記憶されている「ワーク取扱装置1の関節変
数」φ1-0 ,φ2-0 ,φ3-0 ,φ4-0 ,φ5-0 ,φ6-0
を取り込む〔ST107 〕。 〔a−3〕;最初に「動作指示信号」を得てから、設定
された微小時間ΔTが経過するまで待機される。設定微
小時間ΔTが経過すれば〔ST108 〕、i=0とし、経過
時間Δt-iを0に設定する〔ST109 〕。 〔b〕:第二工程部4Wb の制御動作は、以下のようで
ある。最初に押された操作ボタン12A,12dが、設
定微小時間ΔTの経過した時点まで押され続けていた
か、すなわち、「動作指示信号」が同じかどうか確認す
る〔図27のST110 〕。最初の「動作指示信号」が「新
しい動作指示信号」に変化していなければ、経過時間Δ
t-iに微小時間ΔTを加算し〔ST111 〕、経過時間がΔ
-i+1に置き換えられる〔ST112 〕。そして、第三工程
部4Wc の制御動作の開始が指示される。操作ボタン1
2A,12dの全てが手放された状態ならば〔ST113
〕、すなわち、「動作指示信号」がなくなっているな
らば、終了指令部4f(図8参照)に制御動作の終了を
指示する〔ST114 〕。異なった操作ボタンが押されてい
るならば、すなわち、操作ボタン12A,12dに代え
て操作ボタン12a,12Dがされていると〔ST113
〕、その「新しい動作指示信号」を「最初の動作指示
信号」に置き換えて、ステップ1から繰り返される。 〔c〕:第三工程部4Wc の制御動作は、以下のようで
ある。これは、第二工程部4Wb からの指示により実行
されるが、実質的に第4工程部4Wd の制御動作をも含
。経過時間Δt-iすなわちΔT×i後の「ワーク取扱
装置1の関節変数」φ1-i,φ2-i ,φ3-i ,φ4-i
φ5-i ,φ6-i が、次式(15C) によって求められる〔ST
115 〕。 φ1-i = φ1-o V1 w × Δ t-i φ2-i = φ2-o V2 w × Δ t-i φ3-i = φ3-o V3 w × Δ t-i φ4-i = φ4-o V4 w × Δ t-i φ5-i = φ5-o V5 w × Δ t-i φ6-i = φ6-o V6 w × Δ t-i ……(15C) この式(15C) は、前述した式(15A) と同じである。 〔d〕:第五工程部4We は、第三工程部4Wc および
第四工程部4Wd の一括制御動作を受けて、以下の制御
動作となる。ワーク取扱装置1における「アクチュエー
タ動作指令値」の単位当たりの「関節変数」の動作量
を、Rw1,Rw2,Rw3,Rw4,Rw5,Rw6とする。いず
れもワーク取扱装置1において決まった値であり、制御
装置4に予め記憶されている。ステップ115で求めた
「経過時間Δ t-i後のワーク取扱装置1の関節変数」φ
1-i ,φ2-i ,φ 3-i ,φ4-i ,φ5-i ,φ6-i から、
ワーク取扱装置1の「アクチュエータ17Wの動作指令
値」aw1-i ,aw2-i ,aw3-i ,aw4-i ,aw5-i ,aw6-i
が、下記の式(102E)によって演算される〔ST116 〕。 aw1-i=φ1-i /Rw1w2-i=φ2-i /Rw2w3-i=φ3-i /Rw3w4-i=φ4-i /Rw4w5-i=φ5-i /Rw5w6-i=φ6-i /Rw6 ……(102E) なお、この式(102E)は、前述した式(102) と同じであ
る。こうして得られた「ワーク取扱装置1のアクチュエ
ータ動作指令値」aw1-i ,aw2-i ,aw3-i ,aw4-i ,a
w5-i ,aw6-iは、経過時間がΔT×iとなった直後に
〔ST117 〕、ワーク取扱装置1を作動させるためのアク
チュエータ動作指令部17Wa (図8参照)へ出力され
る〔ST118 〕。その後に、第二工程部4Wb の実行のた
めに、ステップ110へ戻される。ステップ118の後
に、ワーク取扱装置1のアクチュエータ17W1 ,17
2 ,17W3 ,17W4 ,17W5 ,17W6 (図7
参照)が作動して、ワーク取扱装置1により「ワーク1
mの位置姿勢」が変化される。このようにして「ワーク
1mの位置姿勢」を与えると、図13の(a)における
ワーク1mの位置決めや、図17の(a)におけるワー
ク1mの位置決めの動作が実行できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る産業用ロボットの手動操作によ
る教示制御装置の構成ブロック図。
【図2】 ワーク取扱装置とツール取扱装置の二基のロ
ボットからなる産業用ロボットにおけるティーチングペ
ンダントと制御装置との配置関係図。
【図3】 ワークが取り付けられた6自由度を有するワ
ーク取扱装置の斜視図。
【図4】 ツールが取り付けられた6自由度を有するツ
ール取扱装置の斜視図。
【図5】 各種切替スイッチを有するティーチングペン
ダントの操作パネルの正面図。
【図6】 ワーク取扱装置とツール取扱装置における各
座標系とその座標系間の「位置姿勢」の関係を表す同次
変換行列の関連説明図。
【図7】 制御装置と各ロボットにおけるアクチュエー
タとの関連図。
【図8】 制御装置全体の構成ブロック図。
【図9】 初期段階の作動を説明するフローチャート。
【図10】 図9のAに続く「連動する直角手動操作モ
ード」を説明するフローチャート。
【図11】 図10のBに続く「連動する直角手動操作
モード」を説明するフローチャート。
【図12】 図11のDに続く「連動する直角手動操作
モード」を説明するフローチャート。
【図13】 ワーク取扱装置とツール取扱装置とが、
「単独の手動操作」および「連動する手動操作」によっ
て作動しているときの説明であり、(a)は手動操作開
始前の位置決め状態図、(b)はツールの姿勢を維持し
た状態でツールがワークの位置姿勢の変化に連動して移
動したときの連動完了図、(c)はツールの姿勢を維持
した状態でツールが移動され、教示点で位置決めされて
いる状態を表す作動図。
【図14】 (a)はツールの姿勢を維持した状態でツ
ールがワークの位置姿勢の変化に連動して移動するとき
の作動説明図、(b)および(c)は「単独の手動操
作」におけるワークもしくはツールの移動経路の模式的
説明図。
【図15】 操作ボタンの全部が手放されるまでの連動
手動操作教示制御手段における各工程部の制御動作のタ
イミングチャート。
【図16】 操作ボタンの全部が手放されるまでに「動
作指示信号」が変化した場合の連動手動操作教示制御手
段における各工程部の制御動作のタイミングチャート。
【図17】 ワーク取扱装置とツール取扱装置とが、
「単独の手動操作」および「連動する手動操作」によっ
て作動しているときの説明であり、(a)は手動操作開
始前の位置決め状態図、(b)はツールの姿勢を維持し
た状態でツールが「単独の手動操作」によって「次の着
目点」へ移動したときの作動完了図、(c)はツールの
姿勢を維持した状態でツールがワークの位置姿勢の変化
に連動して移動され、教示点で位置決めされている状態
を表す作動図。
【図18】 図10のFに続く「連動する関節手動操作
モード」を説明するフローチャート。
【図19】 図18のGに続く「連動する関節手動操作
モード」を説明するフローチャート。
【図20】 図19のHに続く「連動する関節手動操作
モード」を説明するフローチャート。
【図21】 図9のJに続く「単独の直角手動操作モー
ド」を説明するフローチャー。
【図22】 図21のKに続く「単独の直角手動操作モ
ード」を説明するフローチャー。
【図23】 図21のLに続く「単独の直角手動操作モ
ード」を説明するフローチャー。
【図24】 図23のMに続く「単独の直角手動操作モ
ード」を説明するフローチャート。
【図25】 図9のNに続く「単独の関節手動操作モー
ド」を説明するフローチャー。
【図26】 図25のOに続く「単独の関節手動操作モ
ード」を説明するフローチャー。
【図27】 図25のPに続く「単独の関節手動操作モ
ード」を説明するフローチャー。
【図28】 ワーク取扱装置とツール移動装置とが、
「単独の手動操作」によって作動している従来技術にお
ける教示操作の説明であり、(a)は手動操作開始前の
位置決め状態図、(b)はツールをワークから遠ざけた
退避状態図、(c)はワーク上の「次の着目点」が所望
する傾斜となるように、ワークの位置姿勢を変化させた
状態図(d)はツールをワーク上へ戻して、教示点で
位置決めされている状態を表す作動図。
【図29】 ワーク取扱装置とツール取扱装置とが、
「単独の手動操作」および「連動する手動操作」によっ
て作動している従来技術における教示操作の説明であ
り、(a)は手動操作開始前の位置決め状態図、(b)
はワークに対するツールの相対的な位置姿勢を維持した
状態でツールがワークの位置姿勢の変化に連動して移動
したときの連動完了図、(c)はツールが「次の着目
点」へ移動された状態図(d)はツールが「次の着目
点」上で姿勢が変えられて位置決めされている状態を表
す作動図。
【図30】 溶接用のトーチでワークの溶接部位を「下
り坂溶接」している状態図。
【符号の説明】
1…ワーク取扱装置(ロボット,マニプレータ)、1m
…ワーク、2…ツール取扱装置(ロボット,マニプレー
タ)、2n…ツール、4A…連動手動操作教示制御手
段、7…取扱装置指定手段(ロボット切替スイッチ)、
9…単独連動操作選択手段(動作切替スイッチ)、12
…動作指示スイッチ手段(操作ボタン群)、ΔT…設定
された微小時間、at1-i ,at2-i ,at3-i ,at4-i ,a
t5-i ,at6-i…ツール取扱装置の「アクチュエータ動作
指令値」、aw1-i ,aw2-i ,aw3-i ,aw4-i ,aw5-i ,
w6-i…ワーク取扱装置の「アクチュエータ動作指令
値」、51…絶対座標系、64…大地、A1 …第一の教
示点、A2…第二の教示点、A3 …第三の教示点、δw
…ワーク上の「着目点」Bの大地に対する所望する傾
き、δt …大地に対するツールの姿勢角度。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワークの位置姿勢を変化させることがで
    きるワーク取扱装置と、該ワークに作業を施すツールの
    位置姿勢を変化させることができるツール取扱装置とを
    有し、教示作業を手動操作により行う産業用ロボットの
    教示制御装置において、 前記ワーク取扱装置による「ワークの位置姿勢」の変化
    と前記ツール取扱装置による「ツールの位置姿勢」の変
    化とをそれぞれ「単独の手動操作」によって行わせる
    か、前記ワーク取扱装置による「ワークの位置姿勢」の
    変化と前記ツール取扱装置による「ツールの位置姿勢」
    の変化とを「連動する手動操作」によって行わせるか、
    を選択する単独連動操作選択手段と、 教示作業を行うときの手動操作の対象となるワーク取扱
    装置またはツール取扱装置を指定する取扱装置指定手段
    と、 前記「ワークの位置姿勢」または「ツールの位置姿勢」
    を変化させるための「動作指示信号」を出力する動作指
    示スイッチ手段と、 前記単独連動操作選択手段からの「連動する手動操作の
    信号」、前記取扱装置指定手段からの「ワーク取扱装置
    を指定した信号」および前記動作指示スイッチ手段から
    の「動作指示信号」を受けたときに、以下の各工程部の
    制御動作を実行する連動手動操作教示制御手段とを備
    え、 該連動手動操作教示制御手段は、 前記「連動する手動操作の信号」、「ワーク取扱装置を
    指定した信号」および「動作指示信号」の全てを受けた
    とき、該「動作指示信号」を受ける直前の「ワーク取扱
    装置の関節変数」および「ツール取扱装置の関節変数」
    から、「絶対座標系におけるワークの従前の位置姿勢」
    と、「大地に対するツールの姿勢」と、「ワークに対す
    るツールの相対的な位置」とを求める第一工程部と、 前記「動作指示信号」が「新しい動作指示信号」に変化
    していなければ、次の第三工程部の制御動作を指示し、
    「新しい動作指示信号」に変化していれば、前記第一工
    程部における「動作指示信号」を該「新しい動作指示信
    号」に置き換えて、第一工程部の制御動作を繰り返すよ
    うに指示し、「動作指示信号」がなくなっていれば、制
    御動作の終了を指示する第二工程部と、 前記「動作指示信号」と第一工程部で求められた「絶対
    座標系におけるワークの従前の位置姿勢」とから、「所
    定時間経過後のワークの位置姿勢」を予め演算すると共
    に、第一工程部で求められた「大地に対するツールの姿
    勢」と、第一工程部で求められた「ワークに対するツー
    ルの相対的な位置」と、上記「所定時間経過後のワーク
    の位置姿勢」とから、「所定時間経過後のツールの位置
    姿勢」を予め演算する第三工程部と、 第三工程部で演算された「所定時間経過後のワークの位
    置姿勢」から「所定時間経過後のワーク取扱装置の関節
    変数」を求めると共に、第三工程部で演算された「所定
    時間経過後のツールの位置姿勢」から「所定時間経過後
    のツール取扱装置の関節変数」を求める第四工程部と、 第四工程部で求められた「所定時間経過後のワーク取扱
    装置の関節変数」から「ワーク取扱装置のアクチュエー
    タ動作指令値」を予め演算すると共に、第四工程部で求
    められた「所定時間経過後のツール取扱装置の関節変
    数」から「ツール取扱装置のアクチュエータ動作指令
    値」を予め演算し、所定時間が経過した直後に、前記ワ
    ーク取扱装置とツール取扱装置とを独立して作動させる
    ための「ワーク取扱装置のアクチュエータ動作指令値」
    と「ツール取扱装置のアクチュエータ動作指令値」とを
    個別に出力し、その後に、前記第二工程部からの制御動
    作を繰り返させることを指示する第五工程部と、を有す
    るコンピュータであることを特徴とする産業用ロボット
    の手動操作による教示制御装置。
  2. 【請求項2】 前記動作指示スイッチ手段による「ワー
    クの位置姿勢」を変化させる「動作指示信号」は、前記
    ワーク上に定められたワーク基準点の「直角座標系の各
    軸方向の移動および各軸周りの回転を指示する信号」で
    あることを特徴とする請求項1に記載の産業用ロボット
    の手動操作による教示制御装置。
  3. 【請求項3】 前記動作指示スイッチ手段による「ワー
    クの位置姿勢」を変化させる「動作指示信号」は、前記
    ワーク取扱装置の各関節に関する「回転を指示する信
    号」であることを特徴する請求項1に記載された産業用
    ロボットの手動操作による教示制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載された産業用ロボットの
    手動操作による教示制御装置を用いて、 ワーク上の「着目点」の接線が「大地に対して所望する
    傾き」となるように「ワークの姿勢」を与えると共に、
    ワーク上の該「着目点」において所望する「大地に対す
    るツールの姿勢」を与え、 前記ワーク取扱装置とツール取扱装置の「連動する手動
    操作」によって、前記「着目点」における「大地に対す
    るツールの姿勢」と「ワークに対するツールの相対的な
    位置」とを維持しながら、ワーク上の「次の着目点」の
    接線が前記の「大地に対して所望する傾き」となるよう
    に、「ワークの位置姿勢」を変更し、 前記ツール取扱装置の「単独の手動操作」によって、前
    記「着目点」における「大地に対するツールの姿勢」を
    維持して、前記「着目点」に位置するツールをワーク上
    の前記した「次の着目点」へ移動させ、これによって得
    られるワークとツールの位置決め状態を「教示点」とし
    て教示し、 「次の教示点」を教示する場合には、前記「着目点」を
    出発してから前記「教示点」を教示するまでの手順を繰
    り返すことによって、該「次の教示点」においても「大
    地に対するツールの姿勢」が維持されるようにしたこと
    を特徴とする産業用ロボットの手動操作による教示方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載された産業用ロボットの
    手動操作による教示制御装置を用いて、 ワーク上の「着目点」の接線が「大地に対して所望する
    傾き」となるように「ワークの姿勢」を与えると共に、
    ワーク上の該「着目点」において所望する「大地に対す
    るツールの姿勢」を与え、 前記ツール取扱装置の「単独の手動操作」によって、前
    記「着目点」における「大地に対するツールの姿勢」を
    維持して、前記「着目点」に位置するツールをワーク上
    の「次の着目点」へ移動し、 前記ワーク取扱装置とツール取扱装置の「連動する手動
    操作」によって、ワーク上の前記した「次の着目点」に
    おける「大地に対するツールの姿勢」と「ワークに対す
    るツールの相対的な位置」とを維持しながら、ワーク上
    の該「次の着目点」の接線が前記の「大地に対して所望
    する傾き」となるように、「ワークの位置姿勢」を変更
    させ、これによって得られるワークとツールの位置決め
    状態を「教示点」として教示し、 「次の教示点」を教示する場合には、前記「着目点」を
    出発してから前記「教示点」を教示するまでの手順を繰
    り返すことによって、該「次の教示点」においても「大
    地に対するツールの姿勢」が維持されるようにしたこと
    を特徴とする産業用ロボットの手動操作による教示方
    法。
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