JP2004188594A - ロボット制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 教示部位が目視困難な場合でも教示を容易にする。
【解決手段】 ツール座標系とワーク座標系との相対関係によって指定されるロボットの姿勢合わせ条件を設定記憶させておく。手動送り動作指令が入力されると、記憶している姿勢合わせ条件を満たすようなロボット姿勢とし、手動送り動作指令方向にロボットを駆動する(d1)。接触を検出するセンサからの検出信号が出力されたとき、ロボットの各軸のいずれかのモータにかかる負荷トルクが設定トルクを越えたとき、手動送り動作開始後所定距離移動したときの内、いずれかを停止条件としてロボットに予め設定し、その停止条件が成立したとき手動送りを自動的に停止させる(d2,d3)。予め退避条件が設定されていると、ロボットを退避させ停止させる(d5,d6、d7)。ツールと対象物が接触すると自動的に手動送りが停止されるので、教示が容易となる。
【選択図】 図10
【解決手段】 ツール座標系とワーク座標系との相対関係によって指定されるロボットの姿勢合わせ条件を設定記憶させておく。手動送り動作指令が入力されると、記憶している姿勢合わせ条件を満たすようなロボット姿勢とし、手動送り動作指令方向にロボットを駆動する(d1)。接触を検出するセンサからの検出信号が出力されたとき、ロボットの各軸のいずれかのモータにかかる負荷トルクが設定トルクを越えたとき、手動送り動作開始後所定距離移動したときの内、いずれかを停止条件としてロボットに予め設定し、その停止条件が成立したとき手動送りを自動的に停止させる(d2,d3)。予め退避条件が設定されていると、ロボットを退避させ停止させる(d5,d6、d7)。ツールと対象物が接触すると自動的に手動送りが停止されるので、教示が容易となる。
【選択図】 図10
Description
本発明は、ロボット制御装置に関し、特に教示作業が簡単になるロボット制御装置に関する。
ロボットに作業動作を教示する方式として、ロボットを手動で移動させ各教示点等を教示していく直接教示方式がある。この方式は、作業者がロボットの手首に取り付けられたツールと作業対象物との位置関係を観察しながら教示点等を選択し教示するものである。
しかし、例えば、自動車の車体の下部をスポット溶接する位置として教示する場合等にあっては、その教示位置を目視することができない場合がある。このようなロボットのツールと作業対象の位置関係が目視困難な部位に対する教示は、従来は、作業者の勘を頼りにその教示点を教示していた。又、ツールと作業対象の接触位置を教示するような場合、接触具合は作業者の判断で行なっており、又、目視の困難な部位では、上述したように、作業者の勘を頼りに教示したり、ツールと作業対象物との接触を知らせるランプなどを作業者がみながら教示するという方法が行われている。
又、現在位置から一定方向に一定量ロボット(ツール)を動作させた位置を教示するような場合、従来は、作業者がロボット(ツール)の現在位置を確認しながら手動送り操作を行なって教示位置までロボット(ツール)を動作させたり、現在位置に動作させたい距離を加算して教示位置を直接求める方法が採用されている。
さらに、ツールの移動する部位にツール先端点を基準にして手動送り操作を行ない、ツールの位置姿勢を変更することが望ましい場合がある。このような場合、従来は、ツール先端点が設定されている部位が移動する毎にツール座標系を再設定していた。又、作業対象物に対してツールを一定の姿勢で接触あるいは接近させて教示点を教示するような場合、作業者が手動送り操作で希望する姿勢になるまでツールを動作させていた。
目視が困難な部位に対する教示で、作業者の勘に頼ることは教示位置の不正確さを招くと共に、教示作業を困難にしている。又、作業対象物とツールの接触位置の教示の場合においても、作業者の勘を頼りにする教示や、作業対象物とツールの接触を知らせるランプを監視しながらの作業者による教示では、教示位置のバラツキが生じると共に正確な教示作業を困難にしている。
現在位置から一定方向に一定量動作させる場合においても、作業者の手動操作によってもしくは動作させたい距離を現在位置に加算して教示位置を求める方法では、教示位置のバラツキが生じかつ、教示作業が繁雑になるという欠点を有する。又、ツール先端点を基準にツール姿勢を変える場合にもツール先端点が移動する毎にツール座標系を再設定することや、作業対象物に対してツールを一定の姿勢で接近、又は接触させるような場合に手動操作でこの姿勢を得ることは教示作業を繁雑にしている。
そこで、本発明の目的は、上述した課題を改善し、教示動作を補助し教示が容易なロボット制御装置を提供することにある。
そこで、本発明の目的は、上述した課題を改善し、教示動作を補助し教示が容易なロボット制御装置を提供することにある。
本願請求項1に係わる発明は、ロボットに取り付けられたツールに対して設定されたツール座標系と作業対象物に対して設定されたワーク座標系との相対関係によって指定される、ロボットの姿勢合わせ条件を記憶する姿勢合わせ条件を記憶する記憶手段と、手動送り動作指令が入力されると、前記記憶している姿勢合わせ条件を満たすようにロボットの目標姿勢を求める手段と、前記ロボットを前記目標姿勢に自動的に動かす手段とを備え、ロボットに取付けられたツールと作業対象物との接触を検出するセンサからの検出信号が出力されたとき、前記ロボットの各軸を駆動するモータのいずれかのモータにかかる負荷トルクが設定トルクを越えたとき、手動送り動作開始から所定距離移動したときの内、いずれかを手動動作停止条件としてロボット制御装置に予め設定し、前記手動動作停止条件が成立したかを監視する監視手段を備え、前記ロボットに手動送り動作指令が入力されると、前記姿勢合わせ条件を満たすようにロボットを自動的に動作させた後、手動送り動作を行い、手動送り動作中に、前記監視手段から停止条件が成立したことが検出されると、手動送りを自動的に停止させることを特徴とするロボット制御装置である。これによって教示動作を容易にしたものである。
又、請求項2に係わる発明は、前記手動送り動作の送り方向を、ロボット基準座標系、ワーク座標系又はツール座標系のX,Y,Z軸のいずれかの軸方向に選択できるものとした。請求項3に係わる発明は、前記停止条件が成立したときのロボットの位置を記憶する記憶手段を設け、停止条件が成立してから停止するまでに惰走したロボットを前記記憶手段に記憶した位置に戻すようにした。さらに、請求項4に係わる発明は、前記停止条件が成立した位置から退避する方向及び距離を設定記憶する記憶手段を設け、停止条件が成立した位置に停止した後、前記記憶手段に記憶した方向に設定距離だけ移動させるようにした。
又、請求項2に係わる発明は、前記手動送り動作の送り方向を、ロボット基準座標系、ワーク座標系又はツール座標系のX,Y,Z軸のいずれかの軸方向に選択できるものとした。請求項3に係わる発明は、前記停止条件が成立したときのロボットの位置を記憶する記憶手段を設け、停止条件が成立してから停止するまでに惰走したロボットを前記記憶手段に記憶した位置に戻すようにした。さらに、請求項4に係わる発明は、前記停止条件が成立した位置から退避する方向及び距離を設定記憶する記憶手段を設け、停止条件が成立した位置に停止した後、前記記憶手段に記憶した方向に設定距離だけ移動させるようにした。
本発明は、手動送り動作指令により、設定されたツール座標系とワーク座標系との相対関係の姿勢合わせ条件を満たすようにロボットを自動的に動作させ、設定された停止条件が成立すると、自動的に手動送りを停止するようにしたから、正確な教示が可能となる。
図1は本発明の一実施形態のロボット制御装置の要部ブロック図であり、従来のロボット制御装置と同一の構成である。符号107で示されるバスに、メインプロセッサ(以下、単にプロセッサと言う。)101、RAM、ROM、不揮発性メモリ(EEPROMなど)からなるメモリ102、教示操作盤用インターフェイス103、外部装置用の入出力インターフェイス106及びサーボ制御部105が接続されている。又、教示操作盤用インターフェイス103には教示操作盤104が接続されている。
ロボット及びロボット制御装置の基本機能を支えるシステムプログラムは、メモリ102のROMに格納される。また、アプリケーションに応じて教示されるロボットの動作プログラム並びに関連設定データは、メモリ102の不揮発性メモリに格納される。そして、メモリ102のRAMは、プロセッサ101が行なう各種演算処理におけるデータの一時記憶の記憶領域に使用される。
サーボ制御部105はサーボ制御器#1〜#n(n:ロボットの総軸数にツールの可動軸数を加算した数)を備えており、ロボット制御のための演算処理(軌道計画作成とそれに基づく補間、逆変換など)を経て作成された移動指令を受け、ロボット各軸機構部のアクチュエータを構成するサーボモータを各サーボアンプを介して制御する。
また、入出力インターフェイス106の外部入出力回路には、ロボットに設けられたセンサや周辺機器のアクチュエータやセンサが接続され、本発明に関係して、特に、ツールと作業対象物との接触を検出するセンサが接続されている。
上述したロボット制御装置の構成は、従来のロボット制御装置と何等変わりはなく、本発明においては、上述した教示操作盤104に姿勢合せキーが設けられていることと、教示補助のためにツールの姿勢、位置の制御等を自動的に実行できるようにした点に相違がある。
図2は、本実施形態における上記教示操作盤104の説明図である。この教示操作盤104は従来の教示操作盤と相違する点は、姿勢合せキー19が設けられていることと、又、後述する教示補助のためのモードをソフトキー11で選択できるようにした点である。他は従来と同様である。図2においては、本発明と関係する部分のみを図示し、他は省略している。即ち、従来と同様に、LCD等のディスプレイ10と、本発明に関係して教示補助のためのモード選択するソフトキー11、座標系を選択するキー16で選択された座標系(ロボット基準座標系、該基準座標系から相対的に設定されたワーク座標系、ツール座標系)の直交座標系におけるX,Y,Z軸、+,−方向への移動を指令する直線動作キー12、X,Y,Z軸回りの+,−方向への回転動作を指令する回転動作キー13、ロボットの各関節軸J1〜J6の+,−方向への動作を指令する各軸動作キー14を備える。なお、この実施形態では、ロボットは6軸を備えているものとしている。
又、教示操作盤104は従来と同様に、各動作キー12,13,14と共に押圧して、それぞれの指令を入力するためのシフトキー15、座標系を選択するキー16、教示モード、再生モードを切換えるモードキー17、各種座標系の設定や、パラメータの設定等のためにこれらの設定表示画面を選択し、設定可能とする機能選択キー18等を備える。上述した以外に従来の教示操作盤と同様に各種指令キー等を備えているものであるが、図2では、直接本発明に関係するキー部分のみを図示している。
又、教示操作盤104は従来と同様に、各動作キー12,13,14と共に押圧して、それぞれの指令を入力するためのシフトキー15、座標系を選択するキー16、教示モード、再生モードを切換えるモードキー17、各種座標系の設定や、パラメータの設定等のためにこれらの設定表示画面を選択し、設定可能とする機能選択キー18等を備える。上述した以外に従来の教示操作盤と同様に各種指令キー等を備えているものであるが、図2では、直接本発明に関係するキー部分のみを図示している。
オペレータは、この教示操作盤104のマニュアル操作を通して、従来と同様に、ロボットの動作プログラムの教示、修正、登録、あるいは各種パラメータの設定の他、教示された動作プログラムの再生運転、ジョグ送り等を実行する。また、ディスプレイはオペレータへの指示、入力データの表示やシミュレーション結果の表示に使用される。
<1軸による姿勢合わせモード>
この姿勢合わせモードは、ロボットのアーム先端の手首に取り付けられたツールと作業対象物との関係が希望する関係になるようにツール姿勢を自動的に変更するものである。即ち、この姿勢合わせモードでは、ロボット基準座標系から相対的に作業対象物に設定されているワーク座標系W及びツールに対して設定されているツール座標系Tからそれぞれ1つの軸を選択し、この軸間において設定された関係(交角)になるように自動的にツール姿勢を変えるものである。後述する図11(c)のように、スポット溶接ガン(ツール)のチップが作業対象物の溶接位置の面と垂直になるようにスポット溶接ガンの姿勢を設定する場合等に適しているものである。
この姿勢合わせモードは、ロボットのアーム先端の手首に取り付けられたツールと作業対象物との関係が希望する関係になるようにツール姿勢を自動的に変更するものである。即ち、この姿勢合わせモードでは、ロボット基準座標系から相対的に作業対象物に設定されているワーク座標系W及びツールに対して設定されているツール座標系Tからそれぞれ1つの軸を選択し、この軸間において設定された関係(交角)になるように自動的にツール姿勢を変えるものである。後述する図11(c)のように、スポット溶接ガン(ツール)のチップが作業対象物の溶接位置の面と垂直になるようにスポット溶接ガンの姿勢を設定する場合等に適しているものである。
この1軸による姿勢合わせモードを、図3に示すロボット制御装置のプロセッサ101の処理と図4の動作説明図と共に説明する。なお、図4はツールとしてスポット溶接ガンを用いた例を示している。
まず、予め、図4(a)に示すように、機能選択キー18を操作して、従来と同様にツール座標系T及びワーク座標系Wを設定しておく。さらに、この1軸による姿勢合わせモードはワーク座標系Wとツール座標系Tにおけるそれぞれ選択された1つの軸が設定交角になるように姿勢合わせを行なうものであり、そのために、予め、姿勢合わせを行なうツール座標系TのX,Y,Z軸の中の1つの軸、ワーク座標系WのX,Y,Z軸の中の1つの軸を選択設定し、かつ、この選択設定された軸間の交角を設定する。なお、図4に示す例では、選択軸がツール座標系T及びワーク座標系WともにZ軸が選択され、かつ交角θが設定されているものとしている。なお、この交角の設定が0であれば、選択された軸が同一方向を向くことを意味する。又、姿勢合せのために手動送りされるときの動作速度をも予め設定しておく。
そこで、モードキー17を操作して教示モードにして操作者がロボットを動作させ、ツール20を作業対象物21に対し教示しようとする位置に移動させた後、姿勢合わせのためにシフトキー15と姿勢合せキー19を押すと、プロセッサ101は、図3の処理を開始する。
ツール座標系Tの選択設定されている軸(図4ではZ軸)に平行でツール座標系Tの原点を通る単位ベクトルtを求める(図4(b)参照)(ステップa1)。次にワーク座標系Wにおける選択設定されている軸(図4ではZ軸)に平行でツール座標系Tの原点を通る単位ベクトルwを求める(図4(c)参照)(ステップa2)。単位ベクトルtとwの外積よりツール座標系Tの原点を通りベクトルtとwに直交する法線ベクトルnを求める(図4(d)参照)(ステップa3)。
n=t×w (×は外積の演算子)
求めた法線ベクトルnが「0」か否か判断し(ステップa4)、もし法線ベクトルnが「0」でなければ、ステップa8に移行し、「0」であれば、単位ベクトルtとwが平行であることを意味し、法線ベクトルが一意に求まらないことを意味する。そこで、教示操作盤104のディスプレイ等にアラームを発生すると共に、ツール座標系の設定軸とは異なる2つの軸で形成される平面上にあるツール座標系Tの原点を通るベクトルn´の入力を促すメッセージを表示する(ステップa5)。図4で示す例では、ツール座標系TのZ軸が選択軸として設定されているから、この場合ツール座標系のXY平面上にあるツール座標系Tの原点を通るベクトルn´の入力が促されることになるが、通常X軸若しくはY軸を指定すればよい。図4の例ではX軸が指定される。
求めた法線ベクトルnが「0」か否か判断し(ステップa4)、もし法線ベクトルnが「0」でなければ、ステップa8に移行し、「0」であれば、単位ベクトルtとwが平行であることを意味し、法線ベクトルが一意に求まらないことを意味する。そこで、教示操作盤104のディスプレイ等にアラームを発生すると共に、ツール座標系の設定軸とは異なる2つの軸で形成される平面上にあるツール座標系Tの原点を通るベクトルn´の入力を促すメッセージを表示する(ステップa5)。図4で示す例では、ツール座標系TのZ軸が選択軸として設定されているから、この場合ツール座標系のXY平面上にあるツール座標系Tの原点を通るベクトルn´の入力が促されることになるが、通常X軸若しくはY軸を指定すればよい。図4の例ではX軸が指定される。
ベクトルn´が入力されると(ステップa6)、該ベクトルn´を法線ベクトルnとし(ステップa7)、ステップa8に移行する。ステップa8では、ベクトルtとwの交角αを求める(図4(e)参照)。法線ベクトルnの回りに、求めた交角αと設定されている目標交角θとの差(α−θ)だけ回転させる変換行列Fを求める(ステップa9)。なお、設定されている目標交角が「0」の場合には、上記差α−θ=α−0=αとなり、ベクトルtをベクトルwに一致させる(図4の例ではツール座標系TのZ軸とワーク座標系WのZ軸を平行にする)変換行列Fを求めることになる。
ロボットの基準座標系からみた現在ロボットの位置姿勢におけるロボットアーム先端の手首フランジ面の座標系Rを求め、ロボットの基準座標系から見たツール先端の座標系Hを上記座標系Rとツール座標系Tより求める(ステップa10)。
H=R・T
さらに、上記求めた座標系Hに上記変換行列Fをかけて、ツールの姿勢合せ目標位置姿勢の座標系H´を求める(ステップa11)(図4(f)参照)。
H´=H・F
目標位置姿勢H´に向かって設定された動作速度で動作するようにロボットを駆動する(ステップa12)。なお、図4(g)においては、姿勢合せを行なう前のツール姿勢Hを破線で、又姿勢合わせを行なった後(設定目標交角θ=0)の姿勢H´を実線で表している。
さらに、上記求めた座標系Hに上記変換行列Fをかけて、ツールの姿勢合せ目標位置姿勢の座標系H´を求める(ステップa11)(図4(f)参照)。
H´=H・F
目標位置姿勢H´に向かって設定された動作速度で動作するようにロボットを駆動する(ステップa12)。なお、図4(g)においては、姿勢合せを行なう前のツール姿勢Hを破線で、又姿勢合わせを行なった後(設定目標交角θ=0)の姿勢H´を実線で表している。
以上のようにして、ツール座標系Tにおける選択された軸がワーク座標系Wの選択された軸に対して所定関係(設定交角θ)になるように自動的にロボットが駆動されツール20の姿勢が作業対象物21に対して所望する関係となる。
<座標系による姿勢合わせモード>
上記1軸による姿勢合わせモードは、ツール座標系Tとワーク座標系Wにおけるそれぞれ選択された軸が設定所定関係(設定交角関係)になるように、自動的にロボットを駆動してツール20の姿勢を変えるものであったが、この座標系による姿勢合わせモードでは、ツール座標系Tをワーク座標系Wに対して、設定された相対関係になるようにロボットを自動的に駆動してツール姿勢を変えるものである。
上記1軸による姿勢合わせモードは、ツール座標系Tとワーク座標系Wにおけるそれぞれ選択された軸が設定所定関係(設定交角関係)になるように、自動的にロボットを駆動してツール20の姿勢を変えるものであったが、この座標系による姿勢合わせモードでは、ツール座標系Tをワーク座標系Wに対して、設定された相対関係になるようにロボットを自動的に駆動してツール姿勢を変えるものである。
まず、上述した1軸による姿勢合わせモードと同様に、ツール座標系T及びワーク座標系Wを設定しておく。又、姿勢合わせでの手動送りされるときの動作速度をも設定する。さらにワーク座標系Wとツール座標系T間で成立させたい相対関係を設定する。回転したワーク座標系をツール座標系Tの目標姿勢にしたい場合、ワーク座標系のX,Y,Z軸回りのそれぞれの回転角を設定しておく。そして、教示操作盤104のシフトキー15と姿勢合せキー19を同時に押し続けることによって、プロセッサ104は図5の処理を実行して、ツール姿勢を自動的に目標姿勢に変える。
なお、図6は、この座標系による姿勢合わせモードの動作説明図であり、図6(a)は、姿勢合せが行われる前の作業対象物(ワーク座標系)とツール(ツール座標系)の関係を示している。
シフトキー15と姿勢合せキー19が同時に押されると、まず、設定されているワーク座標系X,Y,Z軸回りの回転角に基づいて、ワーク座標系Wをこの設定回転角だけ回転させる変換行列Fを求め(ステップb1)、この変換行列Fをワーク座標系Wに掛けて変換後のワーク座標系Gを求める(ステップb2)(図6(b)参照)。
シフトキー15と姿勢合せキー19が同時に押されると、まず、設定されているワーク座標系X,Y,Z軸回りの回転角に基づいて、ワーク座標系Wをこの設定回転角だけ回転させる変換行列Fを求め(ステップb1)、この変換行列Fをワーク座標系Wに掛けて変換後のワーク座標系Gを求める(ステップb2)(図6(b)参照)。
G=W・F
次に、ロボットの基準座標系から見た現在ロボットの位置姿勢におけるロボットアーム先端の手首フランジ面の座標系Rを求め、ロボットの基準座標系から見たツール先端の座標系Hを上記座標系Rとツール座標系Tより求める(ステップb3)。
次に、ロボットの基準座標系から見た現在ロボットの位置姿勢におけるロボットアーム先端の手首フランジ面の座標系Rを求め、ロボットの基準座標系から見たツール先端の座標系Hを上記座標系Rとツール座標系Tより求める(ステップb3)。
H=R・T
求められた座標系GとHをそれぞれ姿勢成分Gr、Hrと位置成分Gl、Hlとに分解し、座標系Hの姿勢成分Hrを座標系Gの姿勢成分Grに置き換え、ツール先端の座標系の新しい座標系H´を求める(ステップb4)(図6(c)参照)。
即ち、座標系G及び座標系Hは次の1式、2式で表される。
求められた座標系GとHをそれぞれ姿勢成分Gr、Hrと位置成分Gl、Hlとに分解し、座標系Hの姿勢成分Hrを座標系Gの姿勢成分Grに置き換え、ツール先端の座標系の新しい座標系H´を求める(ステップb4)(図6(c)参照)。
即ち、座標系G及び座標系Hは次の1式、2式で表される。
<ツール可動部材上の座標系設定モード>
このツール可動部材上の座標系設定モードは、ツール20として、サーボモータで駆動され、ツール可動部位置が検出できるサーボガン等を用いる場合に適用するものである。この座標系設定モードでは、ツール20の可動部がロボット制御装置の付加軸としてサーボ制御されるものとし、ツール可動部の制御もロボット制御装置で行われるものとしている。又、ツール可動部を手動送りする手動操作手段としてキーを教示操作盤104に設けてもよいが、図2に示す例では、この手段は省略している。
このツール可動部材上の座標系設定モードは、ツール20として、サーボモータで駆動され、ツール可動部位置が検出できるサーボガン等を用いる場合に適用するものである。この座標系設定モードでは、ツール20の可動部がロボット制御装置の付加軸としてサーボ制御されるものとし、ツール可動部の制御もロボット制御装置で行われるものとしている。又、ツール可動部を手動送りする手動操作手段としてキーを教示操作盤104に設けてもよいが、図2に示す例では、この手段は省略している。
そしてツール先端点(以下TCPという)を基準にして、ツールを回転させたり移動させた方が便利な場合に、ツール20上にツール座標系Tが設定され、TCPが設定されている部位が移動する場合に、このTCPの移動に合わせてツール座標系Tを自動的に設定するようにしたものである。以下、図7に示すロボット制御装置のプロセッサ101が実施する処理のフローチャートと、図8、図9に示す動作説明図と共に説明する。
まず、ツール20の一部に基準となるツール座標系Tを設定する。図8(a)はツール20の可動部20aに設定した例(スポット溶接ガンの可動側チップに設定した例)、図8(a´)はツール20の固定部20bに設定した例を示す。
以下、図8、図9において(a)〜(c)はツール座標系Tをツール20の可動部20aに設定した場合、(a´)〜(c´)は、ツール座標系Tをツール20の固定部20bに設定した場合の例を示す。
以下、図8、図9において(a)〜(c)はツール座標系Tをツール20の可動部20aに設定した場合、(a´)〜(c´)は、ツール座標系Tをツール20の固定部20bに設定した場合の例を示す。
次に、上記設定した基準ツール座標系Tに対して基準となる可動部の位置Oを設定する。図8(b)、(b´)では、可動部の基準位置Oを可動部のチップが設けられた側の固定部の位置を基準にしてツール座標系T上において設定する。
又、ツール20の可動部20aの移動方向を、ツール座標系TのX,Y,Z軸の軸によって指定することにより設定する。図8(c)、(c´)の例では、ツール座標系TのZ軸が設定されることになる。さらに、手動送り動作における動作速度を設定した後、ツール20の可動部(可動側チップ)20aを手動送り、もしくはプログラム実行によって所望する位置Pに移動させる(図9(a),(a´)参照)。
そして、シフトキー15と動作方向キー12を押し、ツール座標系Tに基づいて手動送りを指令すると、ロボット制御装置のプロセッサ101は図7の処理を開始する。
そして、シフトキー15と動作方向キー12を押し、ツール座標系Tに基づいて手動送りを指令すると、ロボット制御装置のプロセッサ101は図7の処理を開始する。
まず、設定されているツール可動部20aの基準位置Oからツール可動部20aの現在位置Pまでの距離L(L=P−O)を求め(ステップc1)(図9(b),(b´)参照)、設定された移動方向の軸方向(この例ではZ軸方向)への上記求めた距離Lの並進行列として変換行列Fを求める(ステップc2)。そして、設定されているツール座標系の基準座標系Tと上記変換行列Fによって新たなツール座標系T´を次式によって求める(ステップc3)(図9(c),(c´)参照)。
T´=T・F
求められた新しいツール座標系T´に基づいて指令された軸方向の手動送り動作を実行する(ステップc4)。図9(b)、(b´)及び図9(c)、(c´)に示すように、ツール20の可動部20aが移動しても、その移動後のツール座標系Tが自動的に求められ、該求められたツール座標系T´に基づいて、指令された動作方向の移動がなされるから、この移動中にツール20と作業対象物21が干渉するような不具合を避けることができる。
求められた新しいツール座標系T´に基づいて指令された軸方向の手動送り動作を実行する(ステップc4)。図9(b)、(b´)及び図9(c)、(c´)に示すように、ツール20の可動部20aが移動しても、その移動後のツール座標系Tが自動的に求められ、該求められたツール座標系T´に基づいて、指令された動作方向の移動がなされるから、この移動中にツール20と作業対象物21が干渉するような不具合を避けることができる。
<停止条件による停止モード>
この停止条件による停止モードは、ロボットを手動で移動させている途中で、ある設定された停止条件が成立したときに、ロボット動作を自動的に停止させるものである。そのために、この実施形態では、この停止させる条件を予め設定しておかねばならない。この停止条件としては例えば、次のようなものがある。
(1)ツールと作業対象物が接触したことを検出するセンサを設け、該センサからの信号を入出力インタフェース106を介して検出し、これを停止条件とする。
(2)ロボットの各軸を駆動するサーボモータの負荷トルクを検出し、1軸でもしきい値を越えたとき、ツール20と作業対象物21が接触したとして検出しこれを停止条件とする。負荷トルクを、角軸のサーボモータの駆動電流のフィードバック値、又は、トルク指令値(電流指令値)に基づいて検出して、これにフィードバック値又はトルク指令値が設定しきい値以上のとき、停止条件とする。又、負荷トルクを推定するオブザーバが設けられている場合には、このオブザーバで推定される負荷トルクがしきい値以上になることによって停止させる停止条件としてもよい。
(3)手動送り開始点からの移動距離が設定値を越えたとき、自動停止させる。
停止条件としては、各種のものがあるが適用例に応じて、最適な停止条件を選択する。例えば、上述した(1)〜(3)の停止条件の判断がロボット制御装置のに設定されているとすれば、そのうちどの停止条件を選択するかを予め設定しておく。なお、上記(3)の停止条件を選択した場合には、自動停止させる開始点からの移動距離を設定値として設定する必要がある。
この停止条件による停止モードは、ロボットを手動で移動させている途中で、ある設定された停止条件が成立したときに、ロボット動作を自動的に停止させるものである。そのために、この実施形態では、この停止させる条件を予め設定しておかねばならない。この停止条件としては例えば、次のようなものがある。
(1)ツールと作業対象物が接触したことを検出するセンサを設け、該センサからの信号を入出力インタフェース106を介して検出し、これを停止条件とする。
(2)ロボットの各軸を駆動するサーボモータの負荷トルクを検出し、1軸でもしきい値を越えたとき、ツール20と作業対象物21が接触したとして検出しこれを停止条件とする。負荷トルクを、角軸のサーボモータの駆動電流のフィードバック値、又は、トルク指令値(電流指令値)に基づいて検出して、これにフィードバック値又はトルク指令値が設定しきい値以上のとき、停止条件とする。又、負荷トルクを推定するオブザーバが設けられている場合には、このオブザーバで推定される負荷トルクがしきい値以上になることによって停止させる停止条件としてもよい。
(3)手動送り開始点からの移動距離が設定値を越えたとき、自動停止させる。
停止条件としては、各種のものがあるが適用例に応じて、最適な停止条件を選択する。例えば、上述した(1)〜(3)の停止条件の判断がロボット制御装置のに設定されているとすれば、そのうちどの停止条件を選択するかを予め設定しておく。なお、上記(3)の停止条件を選択した場合には、自動停止させる開始点からの移動距離を設定値として設定する必要がある。
さらに、手動動作中の動作速度を設定すると共に、停止条件が成立した後、該停止位置から指定量、指定方向に動作させるか否かを設定し、これを設定した場合には、動作方向の基準となる座標系(ロボットの基準座標系,ワーク座標系,ツール座標系等)を選択設定し、かつ、この選択座標系のX,Y,Z軸のいずれかを動作方向として設定し、かつ、その移動距離をも設定する。
以上のように、停止条件、動作速度、停止条件成立後に退避させるか否か、退避させる場合その移動の方向、移動量を設定した後、シフトキー15と動作方向キー12又は13を押し、手動送りを指令すると、ロボット制御装置のプロセッサ101は、図10の処理を開始する。
プロセッサ101は、動作方向キー12,13で指令された動作方向へ設定されている動作速度で移動する移動指令を出力しロボットを設定動作速度で移動させ(ステップd1)、かつ停止条件が成立したか判断し(ステップd2)、成立していなければ、シフトキー15又は動作方向キー12,13の押圧が解かれたかを判断し(ステップd8)、押圧が解かれてなければ、再び(ステップd1に戻り、ステップd1、d2、d8の処理を繰り返し実行する。そして、停止条件が成立したことが検出される前に、シフトキー15又は動作方向キー12,13の押圧が解かれると、ロボット動作を停止させる(ステップd7)。
又、停止条件が成立したとき、即ち、上記(1)の停止条件が設定されていれば、センサからの接触検知信号が入出力インタフェース106に入力されているか、プロセッサ101は所定周期毎に判別し、接触検知信号が入力されていることが検出されたとき、このときの位置を記憶すると共に、ロボットの手動送り動作を自動的に停止させる(シフトキー15及び動作方向キー12,13の押圧とは関係なく停止させる)(ステップd2,d3)。又、停止条件として、上記(2)の条件が設定されている場合には、プロセッサ101は、所定周期毎ロボット各軸のモータにかかる負荷トルク(電流フィードバック値又はトルク指令値、オブザーバでの推定トルク値)がしきい値以上か否かで判断し(ステップd2)、いずれかの軸のモータの負荷トルクがしきい値以上になると停止条件成立として、このときの位置を記憶すると共にロボット動作を停止させる(ステップd3)。
さらに、上記(3)の停止条件が設定されている場合には、プロセッサ101は、ステップd1で手動移動を開始してから所定周期毎ロボットの移動量をレジスタに加算し、この加算値が設定値になったか否かで停止条件を判断する。この加算値が設定値以上になると、停止条件成立として(ステップd2)、そのときのロボットの位置を記憶すると共にロボットを停止させる(ステップd3)。
ロボット制御装置よりロボットを停止させる指令を出力しても、ロボットは堕走して停止するため、記憶した停止条件が成立したときの位置まで、ロボットを移動させ、停止条件が成立した位置に戻す(ステップd4)。そして、退避させることが設定されているか否か判断し(ステップd5)、退避させることが設定されていれば、設定方向に設定移動量移動させて(ステップd6)、ロボットを停止させる(ステップd7)。又、退避させることが設定されていなければ、停止条件位置に停止したままロボットを停止させる。
以上が本発明の教示動作を補助する手動送りの実施形態であるが、ロボット制御装置に上述した各姿勢合わせモード、座標系設定モードのいずれか1つを具備させ、又はすべてを具備して、それぞれをソフトキー等で呼び出して実行するようにしながら、停止条件による停止モードを実行する。
以下の実施例では、上述した「1軸による姿勢合せモード」、「座標系による姿勢合せモード」、「ツール可動部材上の座標系設定モード」及び「停止条件による停止モード」をロボット制御装置に格納しておき、ソフトキー11によって選択して、選択方法の処理を実行するようにしている。
又、ワーク座標系、ツール座標系(「ツール可動部材上の座標系設定モード」における基準ツール座標系)はどのモードでも共通するから機能選択キー18を操作して座標系の設定を選択し、教示動作を補助する上記4つのモードに対して一括してワーク座標系、ツール座標系を設定する。又、この教示補助動作の手動での動作速度の設定値もどのモードも共通として、予め設定しておいてもよく、又は、各モード毎この手動での動作速度を変える場合には、ソフトキー11を操作して、各モードの設定を呼出し、それぞれの動作速度を設定する。さらに、「ツール可動部材上の座標系設定モード」においては、基準位置Oを設定しておかねばならないが、このような、各モード毎に固有の設定値はそれぞれ各モード設定を呼出して設定しておく。
<サーボガンへの適用例>
そこで、スポット溶接を行なうサーボモータ等で可動側チップが駆動されるサーボガンに適用した一実施例について説明する。この実施例においては、ガン開閉方向と作業対象物21に対する打点面が垂直になるようにサーボガン20の姿勢を教示する必要がある。又、固定側チップ20bと作業対象物21との接触位置を教示しなければならない。しかも、一般に行われている車体のスポット溶接においては、パネルの下部が車体の影になって目視困難である場合が多くあり、このような状況下での本発明の教示補助方法を用いて行なう教示について説明する。
そこで、スポット溶接を行なうサーボモータ等で可動側チップが駆動されるサーボガンに適用した一実施例について説明する。この実施例においては、ガン開閉方向と作業対象物21に対する打点面が垂直になるようにサーボガン20の姿勢を教示する必要がある。又、固定側チップ20bと作業対象物21との接触位置を教示しなければならない。しかも、一般に行われている車体のスポット溶接においては、パネルの下部が車体の影になって目視困難である場合が多くあり、このような状況下での本発明の教示補助方法を用いて行なう教示について説明する。
まず、図11(a)に示すように、ロボットを手動送りして、サーボガン20を作業対象物21の打点近傍に移動させる。次に、サーボガンの開閉方向と作業対象物の打点面が垂直になるように、サーボガンの姿勢を変える必要がある。この場合、3つの方法があり、1つは、上述した、「ツール可動部材上の座標系設定モード」を利用して行なう方法と、「1軸による姿勢合せモード」、「座標系による姿勢合せモード」による方法がある。
そこで、第1の方法として、教示操作盤104のソフトキー等を用いて、「ツール可動部材上の座標系設定モード」に切換え、サーボガンの可動側チップ移動させTCPを作業対象物21にできるだけ近付けた後、ガン開閉方向が作業対象物21の打点面と垂直になるように回転動作キー13を選択し、シフトキー15と選択回転動作キー13を押せば、ロボット制御装置のプロセッサ101は、図7に示す処理を行なって、可動チップ20aの先端に設定されたTCPを基準にしてロボットを動作させる(図11(b)参照)。その結果、サーボガン20と作業対象物21が干渉することなく、サーボガン20の開閉方向が作業対象物21の打点面に垂直になるようにサーボガン20の姿勢を手動で移動させることができる。
第2の方法として、「1軸による姿勢合せモード」を利用する場合には、ソフトキー11によってこの「1軸による姿勢合せモード」を選択した後、姿勢合わせとなるツール座標系T、ワーク座標系Wの軸とその交角θを設定する。図11(c)の例では、ツール座標系T及びワーク座標系WからそれぞれZ軸を姿勢合せ軸として選択し、かつ交角θを「0」と設定している(即ち、両座標系のZ軸を平行の状態にする)。そして、シフトキー15と姿勢合せキー19を押すと、ロボット制御装置のプロセッサ101は、図3に示す処理を開始し、ツール座標系T及びワーク座標系Wのそれぞれの選択軸であるZ軸が、設定交角θ(=0)となるようにロボットが駆動され、サーボガン20の開閉方向が作業対象物21の打点面に対して垂直になるように位置決めされる(図11(c)参照)。
又、「座標系による姿勢合せモード」を選択し、ツール座標系Tとワーク座標系Wとの相対関係を規定するワーク座標系Wの各軸回りの回転角を設定し、シフトキー15と姿勢合せキー19を押せば、プロセッサ101は図5に示す処理を実行し、図11(c)に示すようにサーボガン20の開閉方向が作業対象物21の打点面に対して垂直になるように位置決めされる。なお、図11(c)の例では、ワーク座標系Wにツール座標系Tを合わせればよいから、設定する各軸回りの回転角はすべて「0」となり、図5のステップb1で求める変換行列Fは単位行列となる。
以上のようにして、サーボガン20の開閉方向が作業対象物21の打点面に対して垂直になるように位置決めした後、「停止条件による停止モード」に切換えて、監視する停止条件を選択設定し、又退避は行なわないと設定し、固定側チップが作業対象物21に接触する方向の動作キー12を押すと共にシフトキー15を押せば、ロボット制御装置のプロセッサ101は、図10の処理を実行し、作業対象物21とツール20の固定側チップ20bが接触した位置(さらには、設定した方向及び移動量だけ移動した位置)に自動的に停止する。
<エアガンへの適用例>
スポット溶接ガンがサーボモータで駆動されるサーボガンではなく、エアの圧力で開閉するエアーガンの場合には、エアーガン20の開閉方向が作業対象物21に対する打点面と垂直になると共に、固定側チップ20aと作業対象物21の間隔を指定距離だけ離す必要がある。そのため、エアーガン20を使用した場合には、上述したサーボガンと同様に、ガンを解放状態にして作業対象物21の打点付近の適当な位置に手動送りし、「座標系による姿勢合せモード」を選択して、サーボガンと同様に、ガン開閉方向を打点面に対して垂直にし、サーボガンと同様に、「停止条件による停止モード」を選択するが、この場合、サーボガン20と作業対象物21が接触した後、所定距離だけ離す必要があるから、退避させるを選択し、その退避方向と退避移動量を設定する。図12の例では、退避方向をワーク座標系(ツール座標系でもよい)のZ軸方向とし、目標とする移動量を設定しておく、そうすれば、図10の処理でステップd5、d6によって、作業対象物21とツール20の接触後、ツール20は設定距離だけ離されてロボットは停止することになる。
スポット溶接ガンがサーボモータで駆動されるサーボガンではなく、エアの圧力で開閉するエアーガンの場合には、エアーガン20の開閉方向が作業対象物21に対する打点面と垂直になると共に、固定側チップ20aと作業対象物21の間隔を指定距離だけ離す必要がある。そのため、エアーガン20を使用した場合には、上述したサーボガンと同様に、ガンを解放状態にして作業対象物21の打点付近の適当な位置に手動送りし、「座標系による姿勢合せモード」を選択して、サーボガンと同様に、ガン開閉方向を打点面に対して垂直にし、サーボガンと同様に、「停止条件による停止モード」を選択するが、この場合、サーボガン20と作業対象物21が接触した後、所定距離だけ離す必要があるから、退避させるを選択し、その退避方向と退避移動量を設定する。図12の例では、退避方向をワーク座標系(ツール座標系でもよい)のZ軸方向とし、目標とする移動量を設定しておく、そうすれば、図10の処理でステップd5、d6によって、作業対象物21とツール20の接触後、ツール20は設定距離だけ離されてロボットは停止することになる。
<サーボハンドへの適用例>
図13はサーボモータで駆動されるハンド20に対して把持位置姿勢の教示に対して本発明を適用した例の説明図である。
まず、ハンド20を開いた状態にして、ロボットを手動動作して作業対象物21に接近させる(図13(a)参照)。次に、ハンドの挟持面と作業対象物の側面が平行になるようにハンドを回転させる必要があるが、この方法には、「1軸による姿勢合せモード」、「座標系による姿勢合せモード」、「ツール可動部材上の座標系設定モード」を利用する方法がある。
図13はサーボモータで駆動されるハンド20に対して把持位置姿勢の教示に対して本発明を適用した例の説明図である。
まず、ハンド20を開いた状態にして、ロボットを手動動作して作業対象物21に接近させる(図13(a)参照)。次に、ハンドの挟持面と作業対象物の側面が平行になるようにハンドを回転させる必要があるが、この方法には、「1軸による姿勢合せモード」、「座標系による姿勢合せモード」、「ツール可動部材上の座標系設定モード」を利用する方法がある。
図13(b)は、「ツール可動部材上の座標系設定モード」を利用する場合の説明図で、まず、ハンドの可動部に設定されているTCPを手動送りで移動させ、できるだけ作業対象物21に近づける。そして、「ツール可動部材上の座標系設定モード」に切換えて、回転方向を選択し、その方向の回転動作方向キー13とシフトキー15を押せば、ロボット制御装置のプロセッサ101は、図7に示す処理を行なって、TCP中心に回転し、手動でハンド20の教示側面と作業対象物の側面が平行となるように動作させることができる(図13(b)参照)。
図13(c)は、「1軸による姿勢合せモード」又は「座標系による姿勢合せモード」を用いる場合の説明図である。「1軸による姿勢合せモード」を適用する場合には、例えば、ツール座標系Tにおけるハンド20の挟持面と平行な軸(図13(c)ではZ軸)とワーク座標系Wにおける作業対象物21の側面と平行な軸(図13(c)ではZ軸)を選択しその交角を「0」として、シフトキー15と姿勢合せキー19を押せば、プロセッサ101が図3の処理を行なって、ハンド20の教示側面と作業対象物21の側面が平行となるように動作させることができる。又、「座標系による姿勢合せモード」を用いた場合には、図13(c)の例においては、ワーク座標系WのX,Y,Z軸の各軸回りの回転角をすべて「0」と設定し、シフトキー15と姿勢合せキー19を押せば、プロセッサ101が図5の処理を行なって、ハンド20の教示側面と作業対象物21の側面が平行となるように動作させることができる。
20 ツール
21 作業対象物
20a 可動部
20b 固定部
104 教示操作盤
T ツール座標系
W ワーク座標系
21 作業対象物
20a 可動部
20b 固定部
104 教示操作盤
T ツール座標系
W ワーク座標系
Claims (4)
- ロボットに取り付けられたツールに対して設定されたツール座標系と作業対象物に対して設定されたワーク座標系との相対関係によって指定されるロボットの姿勢合わせ条件を記憶する姿勢合わせ条件を記憶する記憶手段と、手動送り動作指令が入力されると、前記記憶している姿勢合わせ条件を満たすようにロボットの目標姿勢を求める手段と、前記ロボットを前記目標姿勢に自動的に動かす手段とを備え、
ロボットに取付けられたツールと作業対象物との接触を検出するセンサからの検出信号が出力されたとき、前記ロボットの各軸を駆動するモータのいずれかのモータにかかる負荷トルクが設定トルクを越えたとき、手動送り動作開始から所定距離移動したときの内、いずれかを手動動作停止条件としてロボット制御装置に予め設定し、前記手動動作停止条件が成立したかを監視する監視手段を備え、
前記ロボットに手動送り動作指令が入力されると、前記姿勢合わせ条件を満たすようにロボットを自動的に動作させた後、手動送り動作を行い、手動送り動作中に、前記監視手段から停止条件が成立したことが検出されると、手動送りを自動的に停止させることを特徴とするロボット制御装置。 - 前記手動送り動作の送り方向は、ロボット基準座標系、ワーク座標系又はツール座標系のX,Y,Z軸のいずれかの軸方向を選択可能とした請求項1に記載されたロボット制御装置。
- 前記停止条件が成立したときのロボットの位置を記憶する記憶手段を設け、停止条件が成立してから停止するまでに惰走したロボットを前記記憶手段に記憶した位置に戻すようにした請求項1又は請求項2に記載されたロボット制御装置。
- 前記停止条件が成立した位置から退避する方向及び距離を設定記憶する記憶手段を設け、停止条件が成立した位置に停止した後、前記記憶手段に記憶した方向に設定距離だけ移動させるようにした請求項3に記載されたロボット制御装置。
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