JP3305740B2 - 複合酸化物及びその製造方法 - Google Patents

複合酸化物及びその製造方法

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JP3305740B2
JP3305740B2 JP02539392A JP2539392A JP3305740B2 JP 3305740 B2 JP3305740 B2 JP 3305740B2 JP 02539392 A JP02539392 A JP 02539392A JP 2539392 A JP2539392 A JP 2539392A JP 3305740 B2 JP3305740 B2 JP 3305740B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高い吸油性と優れた成
形性とを有し、紙の填料、コート剤、洗剤の流動化剤、
医薬の成形助剤として好適な複合酸化物及びその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ケイ酸塩としては、ゼオライトを
始めとして各種の化合物が知られている。例えば、特公
昭30−7715号公報、同39−3408、同45−
13449にはケイ酸アルミニウム、ケイ酸チタニウ
ム、ケイ酸ジルコニウム等のケイ酸塩が開示されてい
る。これらの公報には、また、上記のケイ酸塩がゴムま
たは紙の充填剤として使用し得ることが記載されてい
る。
【0003】しかしながら、上記のケイ酸塩は、吸油量
が小さいために紙の填料として使用したときにインクの
吸収性に劣り、また、付着水分の少ない状態で加圧成形
できないために充填量を多くしたときに紙力強度が低下
し、実用に十分耐え得る填料ではない。
【0004】そこで、本発明者らは、吸油量が十分に大
きく、しかも、成形性の優れたケイ酸塩を開発すべく、
鋭意研究を続けてきた。その結果、新規なケイ酸塩の合
成に成功し、かつ該ケイ酸塩は高い吸油量と優れた成形
性を有し、紙用填料として好適に使用し得ることを見出
し、既に提案した(特願平4−18846号)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、上記の
複合酸化物の物性についてさらに研究を重ねた結果、紙
の填料として使用するために粗粒を除去する目的で上記
の複合酸化物をスラリー状態で粉砕すると、複合酸化物
はインクの吸収性が低下し、インクの裏抜防止効果に乏
しくなることを見いだした。
【0006】本発明者らは、この原因について検討した
ところ、特定の細孔半径の細孔容積の減少によってイン
クの吸収性が低下することを見いだした。即ち、インク
は顔料とビヒクルによって構成されているが、顔料は、
細孔半径が2000〜104オングストロームの範囲で
ある細孔に吸収され、ビヒクルは、細孔半径が200〜
760オングストロームの範囲である細孔に吸収され
ることが、本発明者らの実験により明らかとなった。そ
して、スラリー状態で粉砕した複合酸化物は、上記の細
孔のうち、細孔半径が2000〜104オングストロー
ムの細孔容積が減少し、そのために、顔料の吸収性が低
下し、インクの裏抜防止効果に乏しくなることが判明し
た。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
スラリー状態で粉砕しても細孔半径が2000〜10 4
オングストロームの細孔容積が減少し難い複合酸化物を
製造するために研究を重ねた結果、本発明を提案するに
到った。
【0008】即ち、本発明は、下記式 iR2O・jAl23・kTiO2・lAl(OH)3・m
SiO2・nH2O {但し、Rはアルカリ金属であり、iは0.1〜0.8
であり、kは0〜0.9であり、lは0.2〜0.9で
あってj+k+lは1であり、mは8〜60であり、n
は0〜6である。}で示され、X線回折により2θ=1
8.4°及び20.4°付近にピークを有し、細孔半径
が104オングストローム以下である細孔の積算容積が
1.9〜3.0cc/gであることを特徴とする複合酸
化物である。
【0009】本発明の複合酸化物は、上記式で示される
組成である。ここで、Rで示されるアルカリ金属として
は、ナトリウム、カリウム等をあげることができる。上
記アルカリ金属の種類は、原料のケイ酸アルカリの種類
によって決定される。原料としては、一般にケイ酸ナト
リウムが用いられるために、アルカリ金属は、通常ナト
リウムである。
【0010】上記式中のiは、0.1〜0.8でなけれ
ばならず、0.2〜0.6の範囲であることが好まし
く、上記式中のmは、8〜60でなければならず、9〜
55の範囲であることが好ましい。上記式中のkは、0
〜0.9であり、また、上記式中のlは、0.2〜0.
9でなければならず、0.3〜0.8の範囲であること
が好ましく、j+k+lは1である。さらに、上記式中
のnは、0〜6である。上記式中のiが0.1よりも小
さいか、mが60よりも大きい場合は、成形性が劣るた
めに好ましくない。一方、iが0.8よりも大きいか、
mが8よりも小さい場合は吸油量が小さくなるために好
ましくない。lが上記範囲を外れた場合は、スラリー状
態での粉砕により細孔半径が2000〜104オングス
トロームの範囲である細孔容積が大幅に減少するために
好ましくない。kが0.2〜0.8の範囲のときは、特
に得られる複合酸化物の成形性と隠蔽力が良好となるた
めに本発明において好ましい。
【0011】本発明の複合酸化物は、Cu−Kα線を用
いたX線回折による測定で2θ=18.4°および2
0.4°付近にピークを有する。このピークは、本発明
の複合酸化物中に含まれる水酸化アルミニウムの結晶に
基づくものである。
【0012】本発明の複合酸化物は、細孔半径が104
オングストローム以下である細孔の積算容積が1.9〜
3.0cc/gである。このために、本発明の複合酸化
物は200〜310cc/100gという高い吸油量を
示す。従来のアルミノシリケートの吸油量は高々170
cc/100gであり、このような高い吸油量を示すア
ルミノシリケートは見出されていない。
【0013】細孔半径が104オングストローム以下で
ある細孔の積算容積が1.9cc/gよりも小さいとき
には吸油量が小さく、そのような酸化物を紙の填料とし
て使用したときにはインクの吸収性、着肉性に乏しくな
るためにインクの裏抜防止効果に欠ける。一方、細孔半
径が104オングストローム以下である細孔の積算容積
が3.0cc/gよりも大きいものは本発明によっても
製造が困難である。上記の細孔半径が104オングスト
ローム以下である細孔の積算容積は、吸油量を大きく、
しかも製造を容易にするためには、2.0〜2.9cc
/gの範囲であることが好ましい。
【0014】また、本発明の複合酸化物は、インクを構
成する顔料およびビヒクルの吸収性を共に良好にし、イ
ンクの裏抜防止効果を大きくするために、細孔半径が2
000〜104オングストロームの範囲である細孔の積
算容積が0.3cc/g以上、好ましくは0.4〜1.
2cc/gであり、かつ、細孔半径が200〜760オ
ングストロームの範囲である細孔の積算容積が0.4c
c/g以上、好ましくは0.5〜1.2cc/gである
ことが好ましい。なお、本発明において、細孔の積算容
積は、水銀ポロシメーターを用いて測定した値である。
【0015】本発明の複合酸化物は、通常、粒子径8〜
50nmの一次粒子が凝集して形成された、粒子径1〜
500μmの凝集粒子として得られる。また、本発明の
複合酸化物の表面積は、通常、100〜300m2/g
の範囲であり、嵩比重は、0.03〜0.25g/cm
3の範囲である。
【0016】本発明の複合酸化物を水に分散させた分散
液のpHは6〜8の範囲であり、ほぼ中性である。この
ことから本発明の複合酸化物は、後述する製法によって
ケイ酸アルカリがほぼ完全に中和されていることがわか
る。このために、本発明の複合酸化物を水中に分散させ
てもほとんど水に溶出することはない。
【0017】また、本発明の複合酸化物は、成形性に優
れている。即ち、本発明の複合酸化物はプレス成形機に
よって容易に成形可能である。しかも、得られた成形体
は高い破壊強度を有している。具体的には、付着水量を
8重量%以下とした本発明の複合酸化物1gを50kg
/cm2の圧力で直径30mm、厚さ5mmの大きさに
プレス成形した成形体は、木屋式硬度計により測定した
圧縮破壊強度が5kg以上である。
【0018】本発明の複合酸化物はどのような方法によ
って製造されてもよい。一般には、次に述べる方法によ
って好適に製造することができる。
【0019】水酸化アルミニウムと塩類の存在下にシリ
カ換算濃度が3〜10重量%のケイ酸アルカリ水溶液に
10〜45℃で中和率が10〜45%となるように鉱酸
を添加する第1工程と、該第1工程で得られた反応液を
85℃〜該反応液の沸点以下の温度に昇温して熟成し、
該反応液のpHが4〜6になるように鉱酸またはアルミ
ニウム化合物の酸性水溶液を30分以上の時間をかけて
添加する第2工程よりなる方法である。
【0020】まず、上記方法の第1工程では、水酸化ア
ルミニウムと塩類の存在下にシリカ換算濃度が3〜10
重量%のケイ酸アルカリ水溶液に10〜45℃で中和率
が10〜45%となるように鉱酸が添加される。
【0021】ケイ酸アルカリとしては、通常、ケイ酸ナ
トリウムが使用される。ケイ酸アルカリ水溶液の濃度
は、シリカ換算濃度で3〜10重量%の範囲でなければ
ならず、5〜9重量%であることが好ましい。ケイ酸ア
ルカリ水溶液の濃度が上記の範囲をはずれた場合には、
得られる複合酸化物の細孔容積が小さくなるために好ま
しくない。
【0022】ケイ酸アルカリ水溶液に添加される鉱酸と
しては、公知のものが何等制限なく採用される。具体的
には、塩酸、硫酸、硝酸等が採用されるが、通常は硫酸
が使用される。鉱酸の濃度は特に制限されないが、一般
には10〜30重量/体積%の範囲から選べばよい。
【0023】本発明においては、上記の鉱酸に加えてチ
タン化合物の酸性水溶液を添加することができる。チタ
ン化合物の酸性水溶液を使用することによって、得られ
る複合酸化物の成形性と隠蔽力を向上させることができ
るため、複合酸化物を紙の填料として使用したときに紙
の強度と不透明性を向上させることができる。チタン化
合物としては水溶性のものが何等制限なく採用される
が、通常は、硫酸チタンが好適に使用される。チタン化
合物の酸性水溶液の濃度は、チタニア換算濃度で4〜8
重量%の範囲であることが好ましい。また、チタン化合
物を溶解した水溶液はそのままで酸性を示すが、さら
に、塩酸や硫酸を添加しても良い。酸性水溶液の酸濃度
は、一般には10〜30重量/体積%の範囲であること
が、良好な複合酸化物を得るために好適である。
【0024】鉱酸および必要により併用されるチタン化
合物の酸性水溶液のケイ酸アルカリ水溶液への添加は、
中和率が10〜45%の範囲となるように行われる。こ
こで、中和率とは、ケイ酸アルカリ水溶液の中和に必要
な上記の鉱酸、さらに酸性水溶液の量を使用したときを
100%とした、中和の程度を示す指標である。中和率
が10%よりも低いときは、一次粒子が大きくなって粒
子の凝集が弱くなるため細孔容積が小さくなる。中和率
が45%を越えるときは、反応液がゲル化しやすくな
り、反応の続行が不可能となる。高い吸油性と優れた成
形性を有する複合酸化物を得るためには、中和率は20
〜40%の範囲であることが好ましい。
【0025】第1工程では水酸化アルミニウムおよび塩
類の存在下に反応が行われる。本発明において、得られ
る複合酸化物の粉砕による細孔容積の減少を防止するた
めに水酸化アルミニウムの使用は必須である。水酸化ア
ルミニウムの使用量は、通常ケイ酸アルカリ水溶液中に
0.5〜1.5重量%の範囲であることが好ましい。
【0026】一方、塩類は、公知の水溶性無機塩が何等
制限なく採用されるが、一般には核形成作用のある水溶
性無機塩が好適に採用される。具体的には、塩化ナトリ
ウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、塩化カリウ
ム、硫酸カリウム、硝酸カリウム等のアルカリ金属塩を
例示することができる。上記の塩類の濃度は、特に制限
されないが、通常は酸化物換算濃度でケイ酸アルカリ水
溶液中に0.5〜5重量%の範囲から選ばれる。水酸化
アルミニウムおよび塩類は、鉱酸を添加する前に反応液
中に添加しておくことが、吸油量、成形性が良好であ
り、粉砕による細孔容積の減少の小さい複合酸化物が得
られるために好ましい。
【0027】第1工程の反応は、10〜45℃で行われ
る。反応温度が、上記範囲をはずれた場合には、細孔容
積が小さくなるために好ましくない。
【0028】次に本発明の方法の第2工程では、上記の
第1工程で得られた反応液が85℃〜該反応液の沸点以
下の温度に昇温される。反応液の温度が上記の範囲をは
ずれた場合には、細孔容積が小さくなるために好ましく
ない。そして、この温度で熟成される。熟成の時間は特
に制限されないが、通常は10〜30分間の範囲から選
択すればよい。
【0029】第2工程においては、反応液のpHが4〜
6になるように鉱酸またはアルミニウム化合物の酸性水
溶液が添加される。反応液のpHが4未満の場合は、複
合酸化物中のアルミニウム成分が液中で溶解しやすくな
り、また、成形性が悪化する。反応液のpHが6を越え
ると複合酸化物中のアルミニウム成分の生成が不十分と
なり、満足する細孔容積のものが得られない。
【0030】第2工程において添加されるアルミニウム
化合物としては、水溶性のものが何等制限なく採用され
る。本発明においては、アルミニウム化合物としては硫
酸アルミニウムが好適に採用される。アルミニウム化合
物の酸性水溶液の濃度は特に制限されないが、一般に
は、アルミナ換算で3〜5重量%の範囲であることが好
ましい。
【0031】また、アルミニウム化合物を溶解した水溶
液はそのままで酸性を示すが、さらに、塩酸や硫酸を添
加しても良い。酸性水溶液の酸濃度は、一般には10〜
30重量/体積%の範囲であることが、良好な複合酸化
物を得るために好適である。
【0032】鉱酸またはアルミニウム化合物の酸性水溶
液は、30分以上の時間をかけて徐々に添加する
【0033】本発明の複合酸化物は、紙用填料として好
適に使用できる。この場合、紙の原料中に分散させた内
填剤として使用することもでき、また、紙の表面コート
剤として使用することもできる。紙用填料として使用す
る場合には、上記方法で複合酸化物を製造後、余分な塩
をろ過等の手段によって除去したのち、水に分散させた
スラリー状態で保管し、粉砕および分級を行った後スラ
リー状態のまま紙の原料と混合して製紙することがで
き、また、上記方法で製造した複合酸化物を乾燥後、粉
体として保管し、これを紙の原料と混合するときに水に
再分散させて使用することもできる。本発明の複合酸化
物を紙の填料として使用するときは、複合酸化物に紙力
増強剤を混合してもよい。
【0034】
【効果】本発明の複合酸化物は、高い吸油性と優れた成
形性を有する。このため、本発明の複合酸化物を紙の填
料として使用したとき、インクの吸収性に優れるために
インクの裏抜防止効果が十分であり、また、坪量を小さ
くしても十分な紙力強度の紙を得ることができる。さら
に、本発明の複合酸化物は、優れた隠蔽力をゆうするた
めに紙の不透明性を向上させることもできる。
【0035】さらに、本発明の複合酸化物は、スラリー
状態で粉砕を行っても細孔半径が2000〜104オン
グストロームの細孔の容積の減少が小さく、したがっ
て、インクを構成する顔料およびビヒクルの吸収性が共
に良好で、インクの裏抜防止効果の低下が小さい。
【0036】このように本発明の複合酸化物は、紙、特
に新聞紙の填料として好適であるが、この他にも洗剤の
流動化剤、医薬の成形助剤として好適に使用することが
できる。
【0037】
【実施例】本発明をさらに詳細に説明するために、以下
に実施例及び比較例を掲げるが、本発明はこれら実施例
に限定されるものではない。
【0038】なお、本発明において種々の物性は、次の
方法により測定した。
【0039】(1)化学組成 螢光X線分析装置(理学電機(株)製)を使用して測定
した。Al(OH)3の含有量は、X線回折により定量し
た。
【0040】(2)細孔容積 水銀ポロシメーター(カルロエルバ社製2000型)を
使用して測定した。尚、細孔半径が104オングストロ
ーム以下の細孔の細孔容積は、細孔半径が37.5〜1
4オングストロームの細孔について測定した。
【0041】(3)比表面積 BET法により測定した。
【0042】(4)吸油量 JIS K5101 (5)平均粒径 コールターマルチサイザー(コールターエレクトロニク
ス社製)使用。
【0043】(6)嵩比重 農薬公定検査法に準ずる。
【0044】(7)pH測定 (a)反応液のpH測定 反応液をサンプリングし、pHメーター(堀場製作所
製)により測定。
【0045】(b)複合酸化物のpH測定 蒸溜水100mlを入れたポリエチレン製ビーカに、複
合酸化物5gを投入し、スターラで2分間撹拌したの
ち、pHメータを用いて測定した。
【0046】(8)成形性・成形密度 (a)成形性 100℃における乾燥によって付着水を8重量%以下に
した複合酸化物1gを10TONプレステスト機を用い
て50kg/cm2の圧力で直径30mm×5mmに成
形した。さらに、成形体の破壊強度を木屋式硬度計(木
屋製作所製)を用いて測定した。
【0047】(b)成形密度 成形体の重量と体積を測定し、密度を求めた。
【0048】(9)抄紙 パルプとして、NBKP(ニードルリーフ・ブリーチン
グ・クラフト・パルプ)10重量部、TMP(サーモメ
カニカル・パルプ)45重量部およびDIP(デインキ
ング・パルプ)45重量部が配合された混合物をビータ
ーで5〜6分撹拌した後、本発明の複合酸化物を乾燥パ
ルプ基準で2重量%添加し、15分撹拌した。その後、
硫酸アルミニウムでスラリーpHを4.5に調整した。
次に角型シートマシン(300mm×300mm)にて
抄紙し、プレス脱水を行って得た湿紙を表面温度110
℃の回転ドライヤーで乾燥を行った後、相対湿度65
%、温度25℃にて24時間シーズニングを行って、坪
量40g/m2の紙を得た。
【0049】(10)紙の不透明性 JIS P 8138に準拠 (11)紙の引張強度 JIS P 8113に準拠 (12)印刷後の紙の不透明性 市販の印刷機(RICOH PRIPORT SS88
0:(株)リコー製)を用いて紙の片面に80×120
mmのベタ印刷を行った後に印刷後不透明性を測定し
た。
【0050】印刷後不透明性=(印刷後の紙の裏面反射
率)/(未印刷の紙の裏面反射率)×100 実施例1 市販のケイ酸ソーダ(SiO2 27.35%、SiO2
/Na2Oモル比 3.03)1536ml、ボウ硝
(Na2O 1.8重量%)3291ml及び水117
3mlおよび水酸化アルミニウム粉末60gを10リッ
トルの外部加熱方式の反応槽へ投入して撹拌した(シリ
カ換算濃度 7重量%)。第1工程において、反応液温
度35℃で、中和率を35%とするために22重量/体
積%の硫酸354mlを投入した。その後、第2工程に
おいて、95℃まで昇温し、昇温後、そのままの状態で
10分間撹拌した。次いで、前記の硫酸557mlを9
0分かけて投入し、反応液のpHを4.2として反応を
終了した。この反応液をろ過、水洗した後、一部を乾燥
し、複合酸化物を得、この複合酸化物の細孔容積を表1
に示した。
【0051】一方、上記の反応液をろ過、水洗した後、
固形分濃度が13〜14%となるように水に再分散させ
た。この分散液600mlを2リットルのポリ容器に入
れ、大きさ2mmのガラスビーズ1kgとともに回転数
420rpmで5分間粉砕した後、145メッシュの篩
で篩分けし、篩下の分散液中の固形分について粒度分布
を測定した。次にこの分散液をろ過、水洗、乾燥し、複
合酸化物を得た。得られた複合酸化物の物性を表1に示
した。
【0052】得られた複合酸化物のCu−Kα線を用い
たX線回折(管電圧60kV、管電流200mA)のチ
ャートを図1として示した。図1には、2θ=18.4
°及び20.4°付近に結晶性水酸化アルミニウムに基
づくピークが認められた。
【0053】実施例2 実施例1の第1工程において、水酸化アルミニウム粉末
を30gにしたこと以外は実施例1と全く同様にして複
合酸化物を得、結果を表1に示した。
【0054】実施例3 実施例1の第1工程において、中和率を30%とするた
め、22重量/体積%の硫酸304mlを使用し、第2
工程において上記と同様の硫酸598mlを添加したこ
と以外は、実施例1と全く同様にして複合酸化物を得
た。結果を表1に示した。
【0055】実施例4 実施例1の第1工程において、ケイ酸ソーダ1755m
l、ボウ硝(Na2O1.8重量%)3300ml及び
水945ml(シリカ換算濃度 8重量%)及び硫酸4
05mlを使用し、第2工程において上記の硫酸630
mlを使用したこと以外は、実施例1と同様にして複合
酸化物を得、その物性を表1に示した。
【0056】実施例5 実施例1の第2工程において、硫酸506mlを使用し
て反応液のpHを5.5として反応を終了したこと以外
は、実施例1と同様にして複合酸化物を得た。結果を表
1に示した。
【0057】実施例6 実施例1の第2工程において、硫酸チタン水溶液(Ti
2 6重量%、硫酸分 25.5重量/体積%)44
3mlを100分かけて投入したこと以外は、実施例1
と同様にして複合酸化物を得た。結果を表1に示した。
【0058】実施例7 実施例1の第2工程において、硫酸アルミニウムの酸性
水溶液(Al23 4重量%、硫酸分 23重量/体積
%)495mlを120分かけて投入したこと以外は、
実施例1と同様にして複合酸化物を得た。結果を表1に
示した。
【0059】比較例1 実施例1において、水酸化アルミニウム粉末を使用せ
ず、第2工程において硫酸アルミニウムの酸性水溶液
(Al23 8重量%、硫酸分 24.1重量/体積
%)426mlを90分かけて投入したこと以外は実施
例1と全く同様にして複合酸化物を得た。結果を表1に
示した。
【0060】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1で得られた本発明の複合酸化
物のX線回折のチャートである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−94712(JP,A) 特開 昭62−191419(JP,A) 特開 昭63−182212(JP,A) 特開 昭53−17599(JP,A) 特開 昭58−172228(JP,A) 特開 平2−55213(JP,A) 特公 昭30−7715(JP,B1) 特公 昭39−3408(JP,B1) 特公 昭45−13449(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 33/00 - 33/54

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式 iR2O・jAl23・kTiO2・lAl(OH)3・m
    SiO2・nH2O {但し、Rはアルカリ金属であり、iは0.1〜0.8
    であり、kは0〜0.9であり、lは0.2〜0.9で
    あってj+k+lは1であり、mは8〜60であり、n
    は0〜6である。}で示され、X線回折により2θ=1
    8.4°及び20.4°付近にピークを有し、細孔半径
    が104オングストローム以下である細孔の積算容積が
    1.9〜3.0cc/gであることを特徴とする複合酸
    化物。
  2. 【請求項2】水酸化アルミニウムと塩類の存在下にシリ
    カ換算濃度が3〜10重量%のケイ酸アルカリ水溶液に
    10〜45℃で中和率が10〜45%となるように鉱酸
    を添加する第1工程と、該第1工程で得られた反応液を
    85℃〜該反応液の沸点以下の温度に昇温して熟成し、
    該反応液のpHが4〜6になるように鉱酸またはアルミ
    ニウム化合物の酸性水溶液を30分以上の時間をかけて
    添加する第2工程よりなる請求項1記載の複合酸化物の
    製造方法。
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