JP3304985B2 - ケミカルインジケーターシートおよびそれを使用した滅菌用包装袋 - Google Patents
ケミカルインジケーターシートおよびそれを使用した滅菌用包装袋Info
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Description
【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、ケミカルインジケーター、殊に、過酸化水
素プラズマ滅菌処理に際して有用な組成物層を有するシ
ート、ならびにその組成物層を有する前記プラズマ滅菌
処理用の包装袋に関する。
素プラズマ滅菌処理に際して有用な組成物層を有するシ
ート、ならびにその組成物層を有する前記プラズマ滅菌
処理用の包装袋に関する。
背景技術 古くから、使い捨てまたは再利用性医療用装置、食品
容器を初めとする各種器材に多種多様な滅菌手段が使用
されてきており、またそれらの滅菌処理の有無を簡便に
識別するためのインジケーターも提案されている。例え
ば、特開昭59−36172号公報によれば、エチレンオキサ
イドを用いるガス滅菌処理用のインジケーターが、そし
て特開昭61−287972号、特開平５−43827号および特開
平５−65441号公報には電子線滅菌用インジケーターイ
ンキが公表されている。後者の公報によれば、pH指示薬
が電子線の照射によって塩化水素を発生しうる高分子化
合物と組み合わさって使用されるインジケーターが記載
されている。
容器を初めとする各種器材に多種多様な滅菌手段が使用
されてきており、またそれらの滅菌処理の有無を簡便に
識別するためのインジケーターも提案されている。例え
ば、特開昭59−36172号公報によれば、エチレンオキサ
イドを用いるガス滅菌処理用のインジケーターが、そし
て特開昭61−287972号、特開平５−43827号および特開
平５−65441号公報には電子線滅菌用インジケーターイ
ンキが公表されている。後者の公報によれば、pH指示薬
が電子線の照射によって塩化水素を発生しうる高分子化
合物と組み合わさって使用されるインジケーターが記載
されている。
一方、近年、多様な素材から作製される医療用装置等
に対し悪影響を及ぼすことなく滅菌処理を行う手段とし
て、過酸化水素プラズマ滅菌方法およびそのための装置
が提案、実用化されている（特公平２−62261号および
特公平７−22693号公報参照）。要約すれば、この滅菌
方法は、減圧された気密性のチャンバ内で、滅菌すべき
物品を過酸化水素蒸気と接触させた後、過酸化水素のプ
ラズマを発生させる工程からなる。この方法は、高い滅
菌効率を示すだけでなく、過酸化水素のプラズマ状態が
解除された場合には、過酸化水素が全く無害な水および
酸素へ転化される点で、極めて有用な滅菌方法といえ
る。
に対し悪影響を及ぼすことなく滅菌処理を行う手段とし
て、過酸化水素プラズマ滅菌方法およびそのための装置
が提案、実用化されている（特公平２−62261号および
特公平７−22693号公報参照）。要約すれば、この滅菌
方法は、減圧された気密性のチャンバ内で、滅菌すべき
物品を過酸化水素蒸気と接触させた後、過酸化水素のプ
ラズマを発生させる工程からなる。この方法は、高い滅
菌効率を示すだけでなく、過酸化水素のプラズマ状態が
解除された場合には、過酸化水素が全く無害な水および
酸素へ転化される点で、極めて有用な滅菌方法といえ
る。
また、前記特公平７−22693号公報には、プラズマ滅
菌装置で使用するための過酸化水素溶液の収容セルを備
えた液体分配カセットが記載されている。さらに該分配
カセットには、溶体収容セルからの過酸化水素溶液の遺
漏を検出できるような色調を有するインジケータースト
リップを備えることもできることが記載されている。し
かしながら、前記公報には、インジケーターストリップ
がどのように構成されるべきであるかについての具体的
な記載は存在しない。
菌装置で使用するための過酸化水素溶液の収容セルを備
えた液体分配カセットが記載されている。さらに該分配
カセットには、溶体収容セルからの過酸化水素溶液の遺
漏を検出できるような色調を有するインジケータースト
リップを備えることもできることが記載されている。し
かしながら、前記公報には、インジケーターストリップ
がどのように構成されるべきであるかについての具体的
な記載は存在しない。
過酸化水素プラズマ滅菌方法を実施する際にも、前述
のエチレンオキサイドを用いるガス滅菌処理や電子線滅
菌処理に際して使用されるのと同様に、被処理物品に対
して滅菌処理が施されたか否かを簡易に識別できるイン
ジケーターが利用できることが望ましいであろう。した
がって、本発明の目的は過酸化水素プラズマ滅菌処理が
被処理物品に施こされたか否かを識別できるケミカルイ
ンジケーター組成物層を有する（またはインジケーター
作用層）シート、ならびに該組成物層を有するプラズマ
滅菌用包装袋を提供することにある。
のエチレンオキサイドを用いるガス滅菌処理や電子線滅
菌処理に際して使用されるのと同様に、被処理物品に対
して滅菌処理が施されたか否かを簡易に識別できるイン
ジケーターが利用できることが望ましいであろう。した
がって、本発明の目的は過酸化水素プラズマ滅菌処理が
被処理物品に施こされたか否かを識別できるケミカルイ
ンジケーター組成物層を有する（またはインジケーター
作用層）シート、ならびに該組成物層を有するプラズマ
滅菌用包装袋を提供することにある。
発明の開示 例えば、前述の特開平５−65441号公報によれば、pH
指示薬と電子線照射で塩化水素を発生する高分子物質と
からなるインジケーターインキに、ビスフェノール類に
加え、電子線照射により酸やフリーラジカルを発生す
る、例えばトリフェニルスルホニウムヘキサフルオロフ
ォスフェート等を配合すると、該インキの電子線照射時
の変色性の改善が可能であることが示唆されている。こ
れに対し、本発明者らは、塩水素の発生を伴わない、過
酸化水素および／または過酸化水素由来のプラズマから
なる系と特定のpH指示薬に属する色素が接触すると、一
定の変色が起こり、しかもその変色性は一定の有機アミ
ンを共存させることによって、安定化されると同時に、
明瞭になることを見い出した。
指示薬と電子線照射で塩化水素を発生する高分子物質と
からなるインジケーターインキに、ビスフェノール類に
加え、電子線照射により酸やフリーラジカルを発生す
る、例えばトリフェニルスルホニウムヘキサフルオロフ
ォスフェート等を配合すると、該インキの電子線照射時
の変色性の改善が可能であることが示唆されている。こ
れに対し、本発明者らは、塩水素の発生を伴わない、過
酸化水素および／または過酸化水素由来のプラズマから
なる系と特定のpH指示薬に属する色素が接触すると、一
定の変色が起こり、しかもその変色性は一定の有機アミ
ンを共存させることによって、安定化されると同時に、
明瞭になることを見い出した。
したがって、本発明によれば、前記課題を解決するた
めに、過酸化水素および過酸化水素由来のプラズマから
なる群より選ばれる少なくとも１種と接触して変色しう
る色素、周囲条件下で蒸発しない有機アミン化合物、脂
肪族アルコール（１種もしくは複数）、ならびに該アル
コールに可溶性の合成樹脂を含んでなるインジケーター
組成物層と、場合によってその上に形成されるオーバー
コート層とが支持体上に形成された過酸化水素プラズマ
滅菌処理の有無を識別するためのシートが提供される。
めに、過酸化水素および過酸化水素由来のプラズマから
なる群より選ばれる少なくとも１種と接触して変色しう
る色素、周囲条件下で蒸発しない有機アミン化合物、脂
肪族アルコール（１種もしくは複数）、ならびに該アル
コールに可溶性の合成樹脂を含んでなるインジケーター
組成物層と、場合によってその上に形成されるオーバー
コート層とが支持体上に形成された過酸化水素プラズマ
滅菌処理の有無を識別するためのシートが提供される。
以上のような本発明に従えば、例えば、医療用装置、
食品容器等に過酸化水素プラズマ滅菌が施されたか否か
を、一定時間経過後であっても、明確に識別することが
できる。
食品容器等に過酸化水素プラズマ滅菌が施されたか否か
を、一定時間経過後であっても、明確に識別することが
できる。
発明の具体的な記述 本発明のインジケーター組成物層における、過酸化水
素および過酸化水素由来のプラズマからなる群より選ば
れる少なくとも１種と接触して変色しうる色素は、該接
触の前後における変色に起因して、接触の有無が明確に
識別できるような色素であれば、いかなる色素であって
もよい。このような色素の典型的なものとしては、限定
されるものでないが、pH5.5〜9.0の範囲内に変色域を有
するpH指示薬を挙げることができる。かかる指示薬の具
体的としては、1,2−ジヒドロキシアンスラキノン（pH
5.5〜6.8）、ジブロモチモールスルホンフタレイン（ブ
ロモチモールブルー:pH6.0〜7.5）、5,8−キノリンキノ
ン−８−ヒドロキシ−５−キノリル−５−イミド（pH6.
0〜8.0）、３−アミノ−６−ジメチルアミノ−２−メチ
ルフェナジン塩酸塩（pH6.8〜8.0）、フェノールスルホ
ンフタレイン（フェノールレッド:pH6.8〜8.4）、ｏ−
クレゾールスルホンフタレイン（クレゾールレッド:pH
7.2〜8.8）、ｍ−クレゾールスルホンフタレイン（pH7.
4〜9.0）等、およびこれらの誘導体を挙げることができ
る。また、これらの指示薬は２種以上を組み合わせて使
用することもできる。
素および過酸化水素由来のプラズマからなる群より選ば
れる少なくとも１種と接触して変色しうる色素は、該接
触の前後における変色に起因して、接触の有無が明確に
識別できるような色素であれば、いかなる色素であって
もよい。このような色素の典型的なものとしては、限定
されるものでないが、pH5.5〜9.0の範囲内に変色域を有
するpH指示薬を挙げることができる。かかる指示薬の具
体的としては、1,2−ジヒドロキシアンスラキノン（pH
5.5〜6.8）、ジブロモチモールスルホンフタレイン（ブ
ロモチモールブルー:pH6.0〜7.5）、5,8−キノリンキノ
ン−８−ヒドロキシ−５−キノリル−５−イミド（pH6.
0〜8.0）、３−アミノ−６−ジメチルアミノ−２−メチ
ルフェナジン塩酸塩（pH6.8〜8.0）、フェノールスルホ
ンフタレイン（フェノールレッド:pH6.8〜8.4）、ｏ−
クレゾールスルホンフタレイン（クレゾールレッド:pH
7.2〜8.8）、ｍ−クレゾールスルホンフタレイン（pH7.
4〜9.0）等、およびこれらの誘導体を挙げることができ
る。また、これらの指示薬は２種以上を組み合わせて使
用することもできる。
本発明に従えば、前記色素が、周囲条件下（具体的に
は、滅菌処理が行われる室温下）で蒸発しない有機アミ
ン化合物と一緒に使用されることに特徴がある。このよ
うな有機アミン化合物としては、滅菌処理、特に、過酸
化水素を用いる低温滅菌処理（例えば、特公平２−6226
1号公報参照、なお、この公報の内容は引用することに
より本明細書の内容となる）を通じて蒸発しないもので
あって、組成物のpHをアルカリ性側に調整できるもので
あればよい。例えば、ラウリルアミン等のモノ高級脂肪
族アミン、モノヒドロキシ高級脂肪族アミン、トリエタ
ノールアミン、ジェタノールアミン、モノエタノールア
ミンなどのアミン化合物を使用することができるが、本
発明で使用する色素との適合性、さらには、組成物にビ
ヒクルとして含めることのできる、合成樹脂との適合性
を考慮すれば、特にトリエタノールアミンが好ましいア
ミン化合物である。
は、滅菌処理が行われる室温下）で蒸発しない有機アミ
ン化合物と一緒に使用されることに特徴がある。このよ
うな有機アミン化合物としては、滅菌処理、特に、過酸
化水素を用いる低温滅菌処理（例えば、特公平２−6226
1号公報参照、なお、この公報の内容は引用することに
より本明細書の内容となる）を通じて蒸発しないもので
あって、組成物のpHをアルカリ性側に調整できるもので
あればよい。例えば、ラウリルアミン等のモノ高級脂肪
族アミン、モノヒドロキシ高級脂肪族アミン、トリエタ
ノールアミン、ジェタノールアミン、モノエタノールア
ミンなどのアミン化合物を使用することができるが、本
発明で使用する色素との適合性、さらには、組成物にビ
ヒクルとして含めることのできる、合成樹脂との適合性
を考慮すれば、特にトリエタノールアミンが好ましいア
ミン化合物である。
本発明に従うインジケーター組成物層は、通常、印刷
インキの調製に常用されるビヒクル（合成樹脂、溶剤、
必要により可塑剤を包含する）と、さらに添加剤（分散
剤、安定剤、増粘剤等）を含めることができるが、特に
脂肪族アルコール（１種もしくは複数）と該アルコール
に可溶性の合成樹脂、例えばポリアミド樹脂が含められ
る。
インキの調製に常用されるビヒクル（合成樹脂、溶剤、
必要により可塑剤を包含する）と、さらに添加剤（分散
剤、安定剤、増粘剤等）を含めることができるが、特に
脂肪族アルコール（１種もしくは複数）と該アルコール
に可溶性の合成樹脂、例えばポリアミド樹脂が含められ
る。
このような合成樹脂の代表的なものとしては、印刷用
インキに常用されているポリアミド樹脂を都合よく使用
でき、また溶剤としては、イソプロピルアルコール、ｎ
−プロピルアルコール、ｎ−ブチルアルコール等を使用
することができる。ポリアミド樹脂の具体的なものとし
ては、平均分子量が10,000〜50,000の脂肪族ジカルボン
酸と脂肪族ジアミン類との重縮合によって製造されるポ
リアミド樹脂を挙げることができる。かかる樹脂の代表
的な市販品としては、サンマイド（SUNMIDE）611DK−１
のような商品名の下に三和ケミカルから、またポリマイ
ドＳ−40Eのような商品名の下に三洋化成から、そして
トーマイド395のような商品名の下に富山化成から、販
売されているポリアミド樹脂を挙げることができる。こ
れらの樹脂は、単独または２種以上を組み合わせて使用
することができる。
インキに常用されているポリアミド樹脂を都合よく使用
でき、また溶剤としては、イソプロピルアルコール、ｎ
−プロピルアルコール、ｎ−ブチルアルコール等を使用
することができる。ポリアミド樹脂の具体的なものとし
ては、平均分子量が10,000〜50,000の脂肪族ジカルボン
酸と脂肪族ジアミン類との重縮合によって製造されるポ
リアミド樹脂を挙げることができる。かかる樹脂の代表
的な市販品としては、サンマイド（SUNMIDE）611DK−１
のような商品名の下に三和ケミカルから、またポリマイ
ドＳ−40Eのような商品名の下に三洋化成から、そして
トーマイド395のような商品名の下に富山化成から、販
売されているポリアミド樹脂を挙げることができる。こ
れらの樹脂は、単独または２種以上を組み合わせて使用
することができる。
上記のような組成物は、例えば、総組成物重量当り、
色素を0.3〜10重量％、有機アミン化合物３〜30重量
％、脂肪族アルコール10〜60重量％、ポリアミド樹脂15
〜45重量％、場合によって、紫外線吸収剤0.3〜10重量
％から構成することができる。
色素を0.3〜10重量％、有機アミン化合物３〜30重量
％、脂肪族アルコール10〜60重量％、ポリアミド樹脂15
〜45重量％、場合によって、紫外線吸収剤0.3〜10重量
％から構成することができる。
また、本発明では、ケミカルインジケーター組成物層
を支持体上に形成させてインジケーター作用層とし、場
合によってさらに該作用層の上にオーバーコート層を設
けることができる。オーバーコート層は、過酸化水素蒸
気または過酸化水素由来のプラズマが透過性であり、色
素の色変化が観察できる透明または半透明の層を形成で
きるものであれば、使用する成分の種類を問うことな
く、どのような組成物からなるものであってもよい。し
かし、前記インジケーター作用層を形成する成分のう
ち、色素を含まず、代わりに、紫外線吸収剤を含み、場
合によって、ワックス（例えば、ポリエチレンワック
ス）を総組成物重量当り、0.3〜10重量％含めた組成物
からオーバーコート層を形成することがインジケーター
作用層との密着性の点で好ましい。オーバーコート層の
形成は、特にインジケーター作用層の物理的な損傷等を
防ぐ上で好ましい。
を支持体上に形成させてインジケーター作用層とし、場
合によってさらに該作用層の上にオーバーコート層を設
けることができる。オーバーコート層は、過酸化水素蒸
気または過酸化水素由来のプラズマが透過性であり、色
素の色変化が観察できる透明または半透明の層を形成で
きるものであれば、使用する成分の種類を問うことな
く、どのような組成物からなるものであってもよい。し
かし、前記インジケーター作用層を形成する成分のう
ち、色素を含まず、代わりに、紫外線吸収剤を含み、場
合によって、ワックス（例えば、ポリエチレンワック
ス）を総組成物重量当り、0.3〜10重量％含めた組成物
からオーバーコート層を形成することがインジケーター
作用層との密着性の点で好ましい。オーバーコート層の
形成は、特にインジケーター作用層の物理的な損傷等を
防ぐ上で好ましい。
紫外線吸収剤としては、当該技術分野で常用されてい
るものであって、本発明の目的上、悪影響を及ぼさない
ものであれば、それらの種類を問うことなく使用するこ
とができる。例えば、市販のベンゾトリアゾール誘導体
を使用するのが好ましい。これらの誘導体の代表的なも
のとしては、Ciba−Geigyから市販されている、サンス
クリーン特性を有するチヌビン［Tinuvin（商標）］系
の化合物を単独または２種以上の組み合わせ物を挙げる
ことができる。
るものであって、本発明の目的上、悪影響を及ぼさない
ものであれば、それらの種類を問うことなく使用するこ
とができる。例えば、市販のベンゾトリアゾール誘導体
を使用するのが好ましい。これらの誘導体の代表的なも
のとしては、Ciba−Geigyから市販されている、サンス
クリーン特性を有するチヌビン［Tinuvin（商標）］系
の化合物を単独または２種以上の組み合わせ物を挙げる
ことができる。
こうして形成される層を備えたシートは、ストリップ
状であっても、また被滅菌処理物品を包装するための包
装袋の一部を構成してもよい。
状であっても、また被滅菌処理物品を包装するための包
装袋の一部を構成してもよい。
したがって、もう一つの態様の本発明として、内容物
を過酸化水素プラズマ滅菌するための包装袋であって、
該包装袋の少なくとも一部に、過酸化水素および過酸化
水素由来のプラズマからなる群より選ばれる少なくとも
１種と接触して変色しうる色素と、周囲条件下で蒸発し
ない有機アミン化合物を含んでなるケミカルインジケー
ター用組成物層が形成されており、かつ該包装袋の少な
くとも一部が通気性シートからなる、インジケーター付
包装袋も提供される。
を過酸化水素プラズマ滅菌するための包装袋であって、
該包装袋の少なくとも一部に、過酸化水素および過酸化
水素由来のプラズマからなる群より選ばれる少なくとも
１種と接触して変色しうる色素と、周囲条件下で蒸発し
ない有機アミン化合物を含んでなるケミカルインジケー
ター用組成物層が形成されており、かつ該包装袋の少な
くとも一部が通気性シートからなる、インジケーター付
包装袋も提供される。
本発明に従う包装袋は、少なくとも一部が通気性材料
で構成された包装袋であって、通気性シートとしては、
細菌不透過性で、熱接着性（ヒートシール性）を有し、
通気性（好ましくは、100秒以下、JIS−Ｐ−8117）があ
り、かつ殺菌ガスの主体である過酸化水素および過酸化
水素由来のプラズマに耐性がある材料が好ましい。この
ような材料としては高密度ポリエチレン、ポリプロピレ
ンなどの不織布が好適である。特に、デュポンジャパン
リミテッドより販売されている高密度ポリエチレン不織
布TYVEK（商標）を用いることが好ましい。
で構成された包装袋であって、通気性シートとしては、
細菌不透過性で、熱接着性（ヒートシール性）を有し、
通気性（好ましくは、100秒以下、JIS−Ｐ−8117）があ
り、かつ殺菌ガスの主体である過酸化水素および過酸化
水素由来のプラズマに耐性がある材料が好ましい。この
ような材料としては高密度ポリエチレン、ポリプロピレ
ンなどの不織布が好適である。特に、デュポンジャパン
リミテッドより販売されている高密度ポリエチレン不織
布TYVEK（商標）を用いることが好ましい。
また、この包装袋を形成する他の部分は、ポリエステ
ルフィルム等を基材としてこれに低密度ポリエチレン、
ポリプロピレン等のヒートシール性を有するフィルムを
積層した複合構成の積層体シートであることができる。
このようなフィルムを用いると内容物を目視するのに好
都合である。
ルフィルム等を基材としてこれに低密度ポリエチレン、
ポリプロピレン等のヒートシール性を有するフィルムを
積層した複合構成の積層体シートであることができる。
このようなフィルムを用いると内容物を目視するのに好
都合である。
包装袋としては、片面が不織布などの通気性シート、
他面がプラスチックフィルム積層体シートを使用し、２
つのシートの必要端縁部をヒートシールすることによっ
て包装袋を得ることが通常好ましいが、積層体シートの
折り返した端縁部を突き合わせ、その間隙間に通気性シ
ートをまたがるように載置してヒートシールした包装袋
であってもよく、あるいは、自立性袋の底面部に通気性
シートを用いてもよい。
他面がプラスチックフィルム積層体シートを使用し、２
つのシートの必要端縁部をヒートシールすることによっ
て包装袋を得ることが通常好ましいが、積層体シートの
折り返した端縁部を突き合わせ、その間隙間に通気性シ
ートをまたがるように載置してヒートシールした包装袋
であってもよく、あるいは、自立性袋の底面部に通気性
シートを用いてもよい。
通常、インジケーター作用層はこの通気性シートの表
面に形成されるが、包装袋が透明で内面が透視できる場
合は、通気性シートの内面あるいは積層体シートの内
面、すなわち、包装袋の内側に形成してもよい。しか
し、この場合には、内容物へのコンタミネーションを起
こさないように配慮する必要がある。
面に形成されるが、包装袋が透明で内面が透視できる場
合は、通気性シートの内面あるいは積層体シートの内
面、すなわち、包装袋の内側に形成してもよい。しか
し、この場合には、内容物へのコンタミネーションを起
こさないように配慮する必要がある。
上記本発明の組成物層は、印刷インキを調製するのに
用いられるそれ自体既知の混練法によって均質にした
後、またそれ自体既知の、例えば、オフセット印刷法、
フレキソ印刷法、グラビア印刷法に準じて、支持体上に
インジケーター作用層として形成し、次いで場合により
オーバーコート層を形成させることによって、本発明の
シートを作製することができる。インジケーター作用層
の付着量は、限定されるものでないが、一般的に、２〜
20g/m2、好ましくは３〜15g/m2である。付着量が2g/m2
未満であると、処理後の変色が確認しずらくなり、一
方、付着量が20g/m2を超えると輸送中または保管中にス
クラッチが入りやすくなる。
用いられるそれ自体既知の混練法によって均質にした
後、またそれ自体既知の、例えば、オフセット印刷法、
フレキソ印刷法、グラビア印刷法に準じて、支持体上に
インジケーター作用層として形成し、次いで場合により
オーバーコート層を形成させることによって、本発明の
シートを作製することができる。インジケーター作用層
の付着量は、限定されるものでないが、一般的に、２〜
20g/m2、好ましくは３〜15g/m2である。付着量が2g/m2
未満であると、処理後の変色が確認しずらくなり、一
方、付着量が20g/m2を超えると輸送中または保管中にス
クラッチが入りやすくなる。
実施例 以下、具体例を挙げて本発明をさらに詳細に説明す
る。なお、例中のパーセンテージは特記しない限り、重
量％を意味する。
る。なお、例中のパーセンテージは特記しない限り、重
量％を意味する。
例1:インジケーター用作用層およびオーバーコート層の
形成 下記組成： ポリマイドＳ−40E （ポリアミド樹脂：三洋化成（株）製） 20.0（％） イソプロピルアルコール 47.0 ｎ−プロピルアルコール 20.0 トリエタノールアミン 10.0 フェノールレッド（酸不含） 2.0 チヌビン328 （紫外線吸収剤:Ciba−Geigy製） 1.0 合計 100.0 からなる組成物を密閉型ボールミルで均質になるまで混
合、練合し、インジケーター用組成物を調製した。
形成 下記組成： ポリマイドＳ−40E （ポリアミド樹脂：三洋化成（株）製） 20.0（％） イソプロピルアルコール 47.0 ｎ−プロピルアルコール 20.0 トリエタノールアミン 10.0 フェノールレッド（酸不含） 2.0 チヌビン328 （紫外線吸収剤:Ciba−Geigy製） 1.0 合計 100.0 からなる組成物を密閉型ボールミルで均質になるまで混
合、練合し、インジケーター用組成物を調製した。
別途、下記組成： ポリマイドＳ−40E 20.0（％） イソプロピルアルコール 46.5 ｎ−プロピルアルコール 20.0 トリエタノールアミン 10.0 チヌビン328 1.0 ポリエチレンワックス 2.5 合計 100.0 からなる組成物を、上記インジケーター用組成物と同様
に処理して、オーバーコート用組成物を調製した。
に処理して、オーバーコート用組成物を調製した。
例2:ケミカルインジケーターの作製および評価 例１に従い調整したインジケーター組成物およびオー
バーコート組成物を、グラビヤロールを用いるグラビヤ
法で、高密度ポリエチレン不織物の表面に形成した。こ
のときインジケーター組成物およびオーバーコート組成
物のそれぞれの付着量（固形物）を合わせて表１に示し
た。
バーコート組成物を、グラビヤロールを用いるグラビヤ
法で、高密度ポリエチレン不織物の表面に形成した。こ
のときインジケーター組成物およびオーバーコート組成
物のそれぞれの付着量（固形物）を合わせて表１に示し
た。
次いで、評価は、この不織布をSTERRAD−100（商標）
（ジョンソン・エンド・ジョンソンメディカル（株）低
温プラズマ滅菌システム）に入れて75分間滅菌処理をお
こない、インジケーター層の変色度合いを目視確認し
た。また、スガ試験機製のサンシャイン型ウエザオメー
ターを用いて紫外線を30分間照射してインジケーター層
の変色度合いを目視で確認した。その結果は、表１に併
記する。
（ジョンソン・エンド・ジョンソンメディカル（株）低
温プラズマ滅菌システム）に入れて75分間滅菌処理をお
こない、インジケーター層の変色度合いを目視確認し
た。また、スガ試験機製のサンシャイン型ウエザオメー
ターを用いて紫外線を30分間照射してインジケーター層
の変色度合いを目視で確認した。その結果は、表１に併
記する。
なお、評価基準は、以下の基準に従っている。
（変色性） ○・・・若干赤味を帯びた黄色または淡い黄色に変色 ◎・・・黄色に変色 （耐候性） ○・・・若干の褐色は認められるが事実上問題はな
い。
い。
◎・・・褐色は認められない。
例3:滅菌処理効果とインジケーターの変色 高密度ポリエチレンの不織布の片面に本発明にかかる
インジケーターインキをグラビア法で15g（wet）/m2塗
布した。次に、前記インジケーター付き不織布と、外側
がポリエステルフィルムで内側が低密度ポリエチレンフ
ィルムの積層シートを三方ヒートシールすることにより
滅菌袋を作った。そして、この滅菌袋の中に50mlプラス
チックシリンジと生物学的インジケーター（BI）を入
れ、STERRAD−100（商標）（ジョンソン・エンド・ジョ
ンソンメディカル（株）低温プラズマ滅菌システム）を
用いて75分間滅菌したBIは、有芽胞菌（標準菌No.ATCC9
372）のテストパックを用い、上記低温プラズマ滅菌シ
ステムで滅菌後無菌的に取り出し、滅菌済TSB培地に植
え込み、35℃で７日間培養した後、菌の発育の有無を目
視により確認した。その結果、不織布に塗布したインジ
ケーターは赤紫（滅菌前）から黄色（滅菌後）へ変色
し、同時にBIも細菌の発育は認められず、以上のことか
ら本発明による滅菌袋内に充填された医療用器具等が、
開封される時に滅菌処理が終了したかどうかが識別でき
ることが確認された。
インジケーターインキをグラビア法で15g（wet）/m2塗
布した。次に、前記インジケーター付き不織布と、外側
がポリエステルフィルムで内側が低密度ポリエチレンフ
ィルムの積層シートを三方ヒートシールすることにより
滅菌袋を作った。そして、この滅菌袋の中に50mlプラス
チックシリンジと生物学的インジケーター（BI）を入
れ、STERRAD−100（商標）（ジョンソン・エンド・ジョ
ンソンメディカル（株）低温プラズマ滅菌システム）を
用いて75分間滅菌したBIは、有芽胞菌（標準菌No.ATCC9
372）のテストパックを用い、上記低温プラズマ滅菌シ
ステムで滅菌後無菌的に取り出し、滅菌済TSB培地に植
え込み、35℃で７日間培養した後、菌の発育の有無を目
視により確認した。その結果、不織布に塗布したインジ
ケーターは赤紫（滅菌前）から黄色（滅菌後）へ変色
し、同時にBIも細菌の発育は認められず、以上のことか
ら本発明による滅菌袋内に充填された医療用器具等が、
開封される時に滅菌処理が終了したかどうかが識別でき
ることが確認された。
産業上の利用可能性 本発明によれば、包装された医療用器具等の物品が、
滅菌処理が施されたか否かを明確に識別できる組成物層
を有するシート、そのような組成物層を少なくとも一部
に有する医療用器具用の包装袋が提供される。従って、
本発明は、医療および医療用器製造業において利用でき
る。
滅菌処理が施されたか否かを明確に識別できる組成物層
を有するシート、そのような組成物層を少なくとも一部
に有する医療用器具用の包装袋が提供される。従って、
本発明は、医療および医療用器製造業において利用でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 須藤 禎子 東京都中央区日本橋馬喰町１丁目４番16 号 藤森工業株式会社内 (72)発明者 相楽 真 福島県岩瀬郡岩瀬村大字大久保字場上10 (56)参考文献 特開 平11−37988（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) G01N 31/22 121 A61L 2/20 A61L 2/26
Claims (7)
- 【請求項１】支持体上にインジケーター作用層と、場合
によって該層上に形成されるオーバーコート層とを含ん
でなる過酸化水素プラズマ滅菌処理の有無を識別するた
めのシートであって、インジケーター作用層が、過酸化
水素および過酸化水素由来のプラズマからなる群より選
ばれる少なくとも１種と接触して変色しうる色素、周囲
条件下で蒸発しない有機アミン化合物、脂肪族アルコー
ル、ならびに該アルコールに可溶性の合成樹脂とを含ん
でなる、シート。 - 【請求項２】オーバーコート層が脂肪族アルコールおよ
び該アルコールに可溶性の合成樹脂、ならびに場合によ
って紫外線吸収剤およびワックス類を含んでなる、請求
項１記載のシート。 - 【請求項３】脂肪族アルコールがC3-5アルコールであ
り、合成樹脂がポリアミド樹脂である請求項１または２
記載のシート。 - 【請求項４】内容物を過酸化水素プラズマ滅菌するため
の包装袋であって、該包装袋の少なくとも一部に、過酸
化水素および過酸化水素由来のプラズマからなる群より
選ばれる少なくとも１種と接触して変色しうる色素と、
周囲条件下で蒸発しない有機アミン化合物を含んでなる
ケミカルインジケーター用組成物層が形成されており、
かつ該包装袋の少なくとも一部が通気性シートからな
る、包装袋。 - 【請求項５】ケミカルインジケーター用組成物層が、さ
らに脂肪族アルコールおよび該アルコールに可溶性の合
成樹脂を含む請求項４記載の包装袋。 - 【請求項６】ケミカルインジケーター用組成物層が、通
気性シートの一方の面に薄層の形態で形成されている請
求項４または５記載の包装袋。 - 【請求項７】通気性シートが高密度ポリエチレン製また
はポリプロピレン製の不織布である請求項４〜６のいず
れかに記載の包装袋。
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9-115167 | 1997-04-17 | ||
| JP11516797 | 1997-04-17 | ||
| PCT/JP1998/001735 WO1998046279A1 (fr) | 1997-04-17 | 1998-04-16 | Feuilles indicateurs chimiques et poches pour sterilisation utilisant lesdites feuilles |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP3304985B2 true JP3304985B2 (ja) | 2002-07-22 |
Family
ID=14656009
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP54374398A Expired - Fee Related JP3304985B2 (ja) | 1997-04-17 | 1998-04-16 | ケミカルインジケーターシートおよびそれを使用した滅菌用包装袋 |
Country Status (4)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US6267242B1 (ja) |
| JP (1) | JP3304985B2 (ja) |
| AU (1) | AU6852198A (ja) |
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