JPH0889561A - 放射線又は電子線照射によるプラスチックを含む物品の殺菌方法 - Google Patents

放射線又は電子線照射によるプラスチックを含む物品の殺菌方法

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JPH0889561A
JPH0889561A JP6228065A JP22806594A JPH0889561A JP H0889561 A JPH0889561 A JP H0889561A JP 6228065 A JP6228065 A JP 6228065A JP 22806594 A JP22806594 A JP 22806594A JP H0889561 A JPH0889561 A JP H0889561A
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electron beam
radiation
plastics
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Futoshi Nakatani
太 中谷
Toshio Komatsu
俊夫 小松
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、放射線又は電子線照射によ
る殺菌処理の際に起こるプラスチックの劣化および臭気
の発生の問題のないプラスチックスを含む物品の放射線
又は電子線照射による殺菌方法を提供することを目的と
する。特に本発明は、臭気発生を伴わない汎用プラスチ
ック製の医療用器具、実験用器具の放射線又は電子線照
射による殺菌処理方法に関する。 【構成】 本発明の放射線又は電子線照射による殺菌方
法は、プラスチックスを含む物品を脱酸素剤および酸素
検知剤と共に実質的に非通気性の袋又は容器に密封し酸
素濃度0.5%以下に脱酸素した後に、放射線又は電子
線を照射することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、放射線又は電子線照射
によるプラスチックを含む物品の殺菌方法に関し、殊に
放射線又は電子線照射時に発生する臭気を抑制するプラ
スチックを含む物品の殺菌方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、医療用器具、実験用器具等の殺菌
に、加熱殺菌、ガス殺菌等の他、放射線又は電子線照射
による殺菌が行われるようになってきた。放射線又は電
子線の照射により殺菌される医療用器具、実験用器具等
は、ポリオレフィン、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリ
エステル等の汎用プラスチックを素材とするものが多い
が、プラスチックは放射線又は電子線の照射により、材
質変化、機械的性質の劣化、性能低下等を起こす。放射
線又は電子線照射によるプラスチックの劣化を抑制する
ために、例えば、特開昭63−110241号に開示さ
れるように、種々の放射殺菌可能な高分子材料が提案さ
れている。しかしながら、提案されている種々の放射殺
菌可能な高分子材料は高価である。
【0003】一方、ポリオレフィン、ナイロン、ポリ塩
化ビニル、ポリエステル等の汎用プラスチックは放射線
または電子線照射による劣化が実用上許容される範囲に
あるため、手袋、注射器、縫合糸、マスク、シャーレ等
の医療用器具、実験用器具等は、これらの汎用プラスチ
ック製のものが多用されている。ところが、これらの汎
用プラスチック製の医療用器具、実験用器具等に放射線
または電子線を照射すると、材質の劣化はともかく臭気
が発生し、最近は臭気の発生が問題となってきている。
また、被照射物が放射線または電子線照射による劣化が
起こり難い材質のものであっても、被照射物はポリオレ
フィン、ナイロン、ポリ塩化ビニル等の袋又は容器で包
装される場合が多く、包装袋又は容器からの臭気の発生
も問題となってきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
に放射線又は電子線照射による殺菌処理の際に起こるプ
ラスチックの劣化および臭気の発生の問題のない、プラ
スチックを含む物品の放射線又は電子線照射による殺菌
方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、プラスチ
ックを含む物品に無酸素または低酸素濃度下で放射線又
は電子線を照射すると、大気下で照射した場合に、臭気
の大きな原因となる低分子有機化合物の生成が抑制さ
れ、臭気が発生しなくなることを発見した。通常、無酸
素または低酸素濃度雰囲気にするためには、不活性ガス
によるガス置換方法がとられるが、本発明者らは、被照
射物を脱酸素剤と共に非通気性の袋または容器に密封し
て放射線又は電子線を照射する簡便な方法で目的を達成
できることを見いだし本発明を完成した。すなわち、本
発明の放射線又は電子線照射によるプラスチックを含む
物品の殺菌方法は、プラスチックを含む物品を脱酸素剤
と共に実質的に非通気性の袋又は容器に密封し脱酸素後
に放射線又は電子線を照射することを特徴とする方法で
ある。さらに本発明の方法は、上記方法において非通気
性の袋または容器内に酸素検知剤を同封して該酸素検知
剤により脱酸素を確認することを特徴とする方法であ
る。さらに本発明の方法は、上記方法において非通気性
の袋または容器内の酸素濃度が0.5%以下に到達した
後に放射線又は電子線を照射することを特徴とする方法
である。以下に本発明を詳しく説明する。
【0006】本発明においてプラスチックを含む物品と
は、放射線又は電子線の照射により臭気の発生するプラ
スチックを含む物品を言う。プラスチックを含む物品と
しては、殺菌を目的として放射線又は電子線照射される
物品が必ずしもプラスチックを含んでいなくとも、被照
射物がプラスチック袋、容器等に収納されたもの、また
はプラスチックの包装材料に包装されたものであっても
よい。本発明の対象となるプラスチックは、放射線又は
電子線の照射によって臭気が発生する高分子からなるも
のであればよく、好ましくはポリオレフィン、ナイロ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル等の汎用プラスチッ
クである。
【0007】殺菌を目的とする放射線又は電子線の被照
射物は特に限定されないが、例えば、プラスチック製の
医療用器具、実験用器具等、またこれらの器具を包装す
るプラスチック製包装袋または容器が対象となる。具体
的には、例えば、ゴム手袋、ポリオレフィン製の注射
器、ポリエステル製の縫合糸、ポリエチレン製マスク、
ポリプロピレン製袋に収納した実験用シャーレ等が挙げ
られる。また、医療用器具、実験用器具等が必ずしもプ
ラスチック製のものでなくとも、プラスチック材料に包
装される場合には本発明の方法を適用することができ
る。
【0008】被照射物と共に非通気性の袋又は容器に密
封される脱酸素剤は、通常、通気性材料からなる包装体
として用いられ、脱酸素剤の種類、包装体の形態等は必
ずしも限定されない。
【0009】脱酸素剤としては、公知の脱酸素剤が使用
でき、例えば、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、亜二チオン酸
塩、ヒドロキノン、カテコール、レゾルシン、ピロガロ
ール、没食子酸、ロンガリット、アスコルビン酸及び/
またはその塩、イソアスコルビン酸及び/またはその
塩、ソルボース、グルコース、リグニン、ジブチルヒド
ロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、第一鉄
塩、鉄粉等の金属粉等を酸素吸収主剤とする脱酸素剤が
挙げられ、目的に応じて適宜選ばれる。また、金属粉主
剤の脱酸素剤には、酸化触媒として、必要に応じ、塩化
ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カ
ルシウム、塩化アルミニウム、塩化第一鉄、塩化第二
鉄、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化マグネシウ
ム、臭化カルシウム、臭化鉄、臭化ニッケル、ヨウ化ナ
トリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化マグネシウム、ヨウ
化カルシウム、ヨウ化鉄等の金属ハロゲン化物等の1種
または2種以上を加えても良い。脱酸素剤には、必要に
応じ、水分を含有させたり水分供与剤を加えたりしても
良く、また、脱臭、消臭剤、その他のフィラーを加える
ことができる。また、脱酸素剤の形状は特に限定され
ず、例えば、粉状、粒状、塊状、シート状等のいずれで
もよく、また、各種の酸素吸収剤組成物を熱可塑性樹脂
に分散させたシート状またはフィルム状脱酸素剤であっ
てもよい。
【0010】脱酸素剤包装体は一部または全部は通気性
材料をもって構成される。通気性包装材料としては、ガ
ーレー式透気度で100,000秒/100ml以下、
好ましくは10,000秒/100ml以下であれば特
に限定されない。例えば、和紙、洋紙、レーヨン紙等の
紙類、パルプ、セルロース、合成樹脂等の各種繊維類を
用いた不織布、プラスチックフィルムまたはその穿孔物
等、さらにはこれらから選ばれる2種以上を積層したも
の等が用いられる。脱酸素剤包装体は、通気性材料をも
って被覆包装される小袋状包装体、通気性材料の被覆積
層されたシート状脱酸素剤等の形態で用いられる。
【0011】プラスチックを含む物品を脱酸素剤と共に
密封する袋又は容器は、実質的に非通気性で密封可能で
あり、放射線または電子線を透過して収納した物品を容
易に殺菌できるものであれば、その形態にかかわらず使
用することができる。特に後述の酸素検知剤を同封する
場合には、透明又は半透明で内部の酸素検知剤が見える
袋又は容器が好ましい。
【0012】被照射物を収納する袋または容器は実質的
に非通気性であり、酸素透過度は1,000ml/m2・24
Hr・atm 以下が好ましく、脱酸素後放射線又は電子線を
照射するまでの保存時間が長い場合でも無酸素または低
酸素濃度に維持することができるように、100ml/m2
・24Hr・atm 以下がより好ましい。非通気性の袋または
容器は、例えば、KON/PE(ポリ塩化ビニリデンコ
ート延伸ナイロン/ポリエチレン)、KOP/PE(ポ
リ塩化ビニリデンコート延伸ポリプロピレン/ポリエチ
レン)、KPET/PE(ポリ塩化ビニリデンコートポ
リエチレンテレフタレート/ポリエチレン)等の各種ポ
リ塩化ビニリデンコート積層フィルム、エバール(商品
名、(株)クラレ製)等の積層フィルム、ON/PE
(延伸ナイロン/ポリエチレン)、PET/PE(ポリ
エチレンテレフタレート/ポリエチレン)、PT/PE
(セロファン/ポリエチレン)等の積層フィルム等の材
料から作られる。特に、袋の場合、通常、ヒートシール
により密封することができ、また、容器の場合は蓋等に
より密封される。
【0013】本発明の方法においては、プラスチックを
含む物品を脱酸素剤と共に実質的に非通気性の袋又は容
器に密封し、密封系内が脱酸素された後に放射線又は電
子線を照射する必要がある。放射線又は電子線照射時の
密封系内の酸素濃度は0.5%以下でできるだけ低濃度
が好ましく、0.1%以下で実質的に無酸素状態が望ま
しい。
【0014】本発明では脱酸素を確認するために酸素検
知剤を好適に使用することができ、被照射物および脱酸
素剤と共に酸素検知剤を同封しておくことにより、系内
が脱酸素されたかどうか容易に確認することができる。
酸素検知剤としては、例えば、メチレンブルー、ニュー
メチレンブルー、ラウスバイオレット、メチレングリー
ン、C.I.Basic Blue 3、フェノサフラニン、カ
プリブルー、ニュートラルレッド、C.I.Basic R
ed 2、インジゴカルミン、セトグラウシン、リアクテ
ィブブルー19、キシレンシアノール、リボフラビン、
エリスロシン、キシレンブルー、ファーストグリーン、
バットグリーン1、アシッドブルー59、アシッドレッ
ド51等の色素と、例えば、アルカリ性物質と還元糖
類、第一鉄化合物または亜二チオン酸塩との組み合わ
せ、アスコルビン酸及び/またはその塩、エリソルビン
酸及び/またはその塩、第一錫塩、ヒドロキシルアミ
ン、ヒドラジン、ケトカルボン酸、スルホキシル酸塩、
アルカリ金属硫化物、水素化ホウ素塩等、該色素を無酸
素または低酸素濃度雰囲気で還元し得る還元剤との組み
合わせからなるものが用いられる。さらに上記の酸素検
知剤には、必要に応じて、水、含水物質、変色速度を調
節する物質、水分を調整する物質、打錠するための助
剤、色相調節剤、結合剤、離型剤等が添加され、通常は
錠剤またはシート状等に成型したものが用いられる。
【0015】酸素検知剤は、通常、酸素濃度が、0.1
%〜0.5%以下の濃度範囲と0.1%〜0.5%以上
の濃度範囲との間で、「白←→青」、「赤←→青」等の
変色を示す。このため、被照射物および脱酸素剤と共に
同封した酸素検知剤の変色を察知することにより、密封
系内の酸素濃度が0.1%〜0.5%以下になったこと
を容易に確認することができる。このため、酸素検知剤
としては、目的に応じて必要な酸素濃度域を示す酸素検
知剤を適宜選択して用いられる。
【0016】本発明で用いる放射線又は電子線の種類と
しては、α線、β線、γ線、X線、電子線が用いられる
が、非照射物の殺菌効率、取扱い易さ等から、γ線また
は電子線が好適に用いられる。放射線又は電子線の照射
線量は、殺菌可能な線量であれば特に制限はないが、低
コストとするためには最低限の照射量とするのが好まし
い。殺菌可能な照射線量は線種、被照射物の材質、量、
等により異なるが、照射線量は通常、2〜75kGyの
範囲に選ばれる。
【0017】以下実施例により、本発明を更に詳しく説
明する。本発明は実施例に限定されるものでない。
【実施例1】ポリエチレン袋に入れたポリプロピレン製
注射器100本、脱酸素剤エージレスZ−3000(商
品名、三菱ガス化学(株)製)2個、及び酸素検知剤エ
ージレスアイ(商品名、三菱ガス化学(株)製)を塩化
ビニリデンコート延伸ナイロン/ポリエチレン積層フィ
ルム袋(KON/PE袋)に入れて、袋の開口部をヒー
トシールにより密封した。注射器、脱酸素剤および酸素
検知剤を密封した袋を段ボール箱に入れて25℃下に保
存した。上記のごとく保存した袋に同封した酸素検知剤
が青→赤色に変色したところで、段ボール箱に入れたま
ま密封袋に電子線を照射し、照射線量50kGyで殺菌
処理した。なお、電子線照射の前に、KON/PE袋に
取り付けたガス採取口から密封袋内のガスを採取して酸
素濃度をジルコニア式酸素濃度計で分析した。電子線照
射の1時間後に密封袋を開封し、袋内の臭気の官能評価
を行った。また2日後に、別の未開封の密封袋内のガス
をGC−MS(ガスクロマトグラフ質量分析計)で分析
した。この密封袋を開封して注射器を取り出して注射器
の表面(200cm2 )を滅菌水含浸綿で拭き取り、生菌
数を測定した。実施例1の結果を表1に示す。
【0018】
【比較例1】脱酸素剤は入れず、他は実施例1と同様
に、ポリエチレン袋に入れたポリプロピレン製注射器を
KON/PE袋に密封し、この密封袋を段ボール箱に入
れて25℃下に保存した。この場合は酸素検知剤の変色
は起こらないので、25℃下で実施例1と同じ時間保存
した後、実施例1と同様に電子線照射して試験を行っ
た。結果を表1に示す。
【0019】
【比較例2】ポリエチレン袋に入れたポリプロピレン製
注射器100本を取りまとめて段ボール箱に入れ、電子
線を照射して照射線量50kGyで殺菌処理した。電子
線照射の1時間後に段ボール箱を開き、臭気の官能評価
を行った。また注射器を取り出して注射器の表面(20
0cm2 )を滅菌水含浸綿で拭き取り、生菌数を測定し
た。結果を表1に示す。
【0020】
【比較例3】脱酸素剤を入れないこと及び電子線を照射
しなかったことを除き、実施例1と同様の試験を行っ
た。結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
【実施例2】ポリエチレン製の手術用白衣を、実施例1
と同様に、脱酸素剤エージレスZ−3000(商品名、
三菱ガス化学(株)製)2個、及び酸素検知剤エージレ
スアイ(商品名、三菱ガス化学(株)製)を延伸ナイロ
ン/ポリエチレン積層フィルム袋(ON/PE袋)に入
れて開口部をヒートシールにより密封した。上記のごと
く手術用白衣、脱酸素剤および酸素検知剤を密封した袋
を段ボール箱に入れて25℃下に保存した。袋に同封し
た酸素検知剤が青→紫色に変色したところで、段ボール
箱に入れたまま密封袋にγ線を照射し、照射線量15k
Gyで殺菌処理した。なお、γ線照射に際しあらかじ
め、ON/PE袋に取り付けたガス採取口から密封袋内
のガスを採取して酸素濃度をジルコニア式酸素濃度計で
分析した。γ線照射の1時間後に密封袋を開封し、袋内
の臭気の官能評価を行った。また2日後に、別の未開封
の密封袋内のガスをGC−MS(ガスクロマトグラフ質
量分析計)で分析した。この密封袋を開封して手術用白
衣を取り出してその表面(200cm2 )を滅菌水含浸綿
で拭き取り、生菌数を測定した。実施例2の結果を表2
に示す。
【0023】
【比較例4】脱酸素剤は入れず、他は実施例2と同様
に、ポリエチレン製の手術用白衣をON/PE袋に密封
し、この密封袋を段ボール箱に入れて25℃下に保存し
た。この場合は酸素検知剤の変色は起こらないので、2
5℃下で実施例2と同じ時間保存した後、実施例2と同
様にγ線照射して試験を行った。結果を表2に示す。
【0024】
【比較例5】ポリエチレン製の手術用白衣を段ボール箱
に入れてγ線を照射し、γ線照射線量15kGyで殺菌
処理した。γ線照射の1時間後に段ボール箱を開き、臭
気の官能評価を行った。また取り出したポリエチレン製
の手術用白衣の表面(200cm2 )を滅菌水含浸綿で拭
き取り、生菌数を測定した。結果を表2に示す。
【0025】
【比較例6】脱酸素剤を入れないこと及びγ線を照射し
ないことを除いて実施例2と同様の試験を行った。結果
を表2に実施例2と併せて示す。
【0026】
【表2】
【0027】
【発明の効果】本発明の放射線又は電子線照射による殺
菌方法によれば、従来、大気下での放射線又は電子線照
射ではプラスチックの劣化、殊に異臭の発生が問題にな
るプラスチックを含む物品に、無酸素または低酸素濃度
の雰囲気下に放射線又は電子線を照射することができ、
臭気の大きな原因となる低分子有機化合物の生成を抑制
して臭気の発生を抑え、プラスチックを含む物品を容易
に殺菌処理することが可能となる。特に本発明の方法に
よれば、被照射物を脱酸素剤と共に実質的に非通気性の
袋または容器に密封して脱酸素を確認するだけで、その
まま放射線又は電子線を照射することができ、また脱酸
素を確認するにしても、被照射物に脱酸素剤と共に酸素
検知剤を同封しておき、酸素検知剤の変色により放射線
又は電子線照射の至適酸素濃度を簡単に確認することが
でき、簡単な操作で無酸素または低酸素濃度の雰囲気下
の放射線又は電子線照射による殺菌処理ができる。すな
わち、本発明の放射線又は電子線照射による殺菌方法
は、プラスチックの劣化および異臭の発生の抑制に顕著
な効果を有するプラスチックを含む物品の優れた殺菌方
法であり、極めて簡便な方法である。
【0028】殊に、従来、大気下での放射線又は電子線
照射によるプラスチックスの劣化が実用上許容範囲とし
てポリオレフィン、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリエ
ステル等の汎用プラスチック製の医療用器具および実験
用器具が多用されているが、本発明の方法は、汎用プラ
スチック製の医療用器具および実験用器具を放射線また
は電子線照射して臭気発生を伴うことなく殺菌処理を可
能とするものである。また、本発明の方法によれば、医
療用器具、実験用器具等がプラスチック製のものでなく
ても、プラスチック材料で包装されたものについても、
臭気発生を伴うことなく放射線または電子線照射による
殺菌処理することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックを含む物品を脱酸素剤と共
    に実質的に非通気性の袋又は容器に密封し脱酸素後に放
    射線又は電子線を照射することを特徴とする放射線又は
    電子線照射によるプラスチックを含む物品の殺菌方法。
  2. 【請求項2】 非通気性の袋または容器内に酸素検知剤
    を同封して該酸素検知剤により酸素濃度を確認すること
    を特徴とする請求項1記載の放射線又は電子線照射によ
    るプラスチックを含む物品の殺菌方法。
  3. 【請求項3】 非通気性の袋または容器内の酸素濃度が
    0.5%以下に到達した後に放射線又は電子線を照射す
    ることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の放射線
    又は電子線照射によるプラスチックを含む物品の殺菌方
    法。
JP6228065A 1994-09-22 1994-09-22 放射線又は電子線照射によるプラスチックを含む物品の殺菌方法 Pending JPH0889561A (ja)

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