JP2876320B2 - 医療用具の放射線滅菌方法 - Google Patents

医療用具の放射線滅菌方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、医療用具の滅菌方法に関する。さらに詳し
くは、高分子材料から形成された医療用具を放射線滅菌
するための方法に関する。
〔従来の技術〕
医療用具の滅菌方法の1つとして、従来より放射線に
よる滅菌法が知られている。特に、近年になってガス滅
菌した医療用具へのエチレンオキサイドの残留が問題と
なるにつれて、放射線滅菌の重要性が増大し、種々の製
品への適用が検討されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ところで、医療用具が高分子材料で形成されている場
合には、放射線を照射すると経時的に強度低下や機能低
下を起こすという問題があり、その普及が妨げられてい
る。そこでこのような問題を解決するために、従来より
多くの提案がなされ一部のものは実施されている。
例えば特公昭55−23620号公報においては、飽和含水
率以上の湿潤状態で放射線を照射する方法が開示されて
おり、特開昭59−192373号公報には不活性ガス雰囲気で
照射を行う方法が開示されている。これらの方法による
と医療用具が酸素から遮断されることになるので、空気
中でと同じ量の放射線を照射すると確かに強度低下や機
能低下は抑制される。ところが、医療用具に付着した細
菌の放射線に対する抵抗性も増加してしまい、D値(細
菌を10分の1に死滅させるのに必要な放射線の線量)が
上昇するので、同じレベルの滅菌保証を行うためには照
射線量を増加させる必要があり、結局のところ充分な効
果が得られないのが実状であった。
そこで特開昭62−74364号公報には、医療用具をガス
透過性の袋に入れて空気中で放射線滅菌した後、脱酸素
剤とともに酸素不透過性の包装材料に密封する方法が開
示されている。この方法によれば、滅菌は空気中で行わ
れるのでD値の上昇はなく、滅菌後は脱酸素剤によって
酸素が除去されるので経時的な劣化を防ぐことができ
る。しかしながら、滅菌後に脱酸素剤を封入すること
は、製品を最終包装した状態で滅菌できないので操作上
きわめて煩雑であるばかりでなく、脱酸素剤の封入が遅
れると高分子材料の劣化が進行してしまうので、実用性
の面で大くな問題点を有している。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、このような問題点を解決するために、
医療用具を酸素不透過性材料を用いて酸素濃度が4〜12
%の雰囲気となるように密封し、次いで放射線を照射す
る方法を見出し、先に特願昭62−318405号として特許出
願した。
そしてさらに検討を継続した結果、酸素濃度が4%未
満になるとD値はやや上昇するが、0.5%以上であれば
0%の場合に比べてかなり低いD値に抑えられ、しかも
医療用具を構成する高分子材料の劣化がより低く抑えら
れるので、目的や用途によってはこのような条件の方が
好ましい場合があることを見出した。すなわち本発明
は、高分子材料から形成された医療用具に放射線を照射
して滅菌するに際し、医療用具を酸素不透過性材料を用
いて酸素濃度が0.5%以上4%未満の雰囲気となるよう
に密封し、次いで放射線を照射することを特徴とする医
療用具の放射線滅菌方法である。
〔作用〕
本発明においては、滅菌前の酸素濃度を0.5%以上と
したことによって滅菌におけるD値の上昇を抑えること
ができ、低線量での滅菌が可能となる。そして、放射線
の照射によって酸素が消費され、滅菌後は無酸素状態の
雰囲気にすることができるので、医療用具の経時的な劣
化を抑えることができる。
〔実施例〕
本発明を適用できる医療用具は高分子材料から形成さ
れたものであるが、全体が高分子材料で形成されたもの
だけでなく、その一部が高分子材料で形成されたもので
もよい。高分子材料として公知のものにはいずれも適用
でき、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリスチレン,
ポリ塩化ビニル,エチレン−酢酸ビニル共重合体,エチ
レン−ビニルアルコール共重合体,ポリビニルアルコー
ル,ポリメチルメタクリレート,ポリアクリロニトリ
ル,ポリエステル,ポリアミド,ポリカーボネート,ポ
リウレタン,セルロース,セルロースアセテート,ABS樹
脂,AS樹脂,シリコーンゴム,ポリブタジエン,ポリク
ロロプレン,ポリイソプレン,スチレン−ブタジエン系
共重合体および天然ゴム等を例示することができる。
また、医療用具を密封するための酸素不透過性材料と
しては、合成樹脂フィルムまたはシートにアルミニウム
箔を積層したものやアルミニウムを蒸着したものが好適
である。このような材料は不透明であるが、透明性の必
要な用途には、エチレン−ビニルアルコール共重合体や
塩化ビニリデンなどの酸素バリヤー性樹脂を積層した合
成樹脂フィルムまたはシートが好適である。また、これ
ら以外の合成樹脂シートであっても厚肉にすれば酸素透
過性は減少するので、使用可能な場合がある。これらの
材料は袋またはトレイの形状にして医療用具を密封する
方法を一般に採用できるが、他の形態とすることもでき
る。
酸素濃度が0.5%以上4%未満の雰囲気になるように
密封する方法としては、このような範囲の酸素濃度に調
製したガス雰囲気下で密封を行う方法、真空下で医療用
具を包装すると同時あるいはその後に上記範囲の酸素濃
度を有するガスを吹き込んで密封する方法、適当な減圧
下で医療用具を包装すると同時あるいはその後に窒素ガ
スを吹き込んで密封し残存空気に含まれる酸素によって
上記酸素濃度を得る方法、および適量の脱酸素剤ととも
に空気中で密封する方法などがある。このような方法は
食品の長期保存などのために従来より使用されており、
当業者には周知の方法である。そして、公知の装置をそ
のまま使用することができる。また、ガス中に含有され
る酸素以外の気体としては、窒素,二酸化炭素および不
活性ガスなどが好ましく、特に経済性の点で窒素が好適
である。
本発明において使用される放射線としては、ガンマ
線,X線および電子線等があり、いずれも使用可能である
が、ガンマ線がもっとも一般的に使用される。また、放
射線の線量は1.5〜5.0Mradの範囲が好適であり、特に本
発明においては無酸素雰囲気下での照射ほど高い線量を
必要としないので、1.5〜2.5Mradの範囲が好ましい。
本発明の方法によれば滅菌による医療用具の強度劣化
を少なくすることができるので、各種の医療用具の滅菌
に好ましく適用することができるが、特に機能性の高い
医療用具に適用した場合に機能低下が起きにくいので好
ましい。そのような医療用具の例としては、血液透析
器,血液濾過器,血漿分離器,人工肺などの半透膜を使
用したものをあげることができる。特に膜がセルロース
アセテートからなる場合には、膜に多量のグリセリンが
含まれているので、通常の高分子材料を放射線滅菌する
場合よりもD値が上昇しやすい傾向があるが、本発明を
使用すればD値は低い値に維持されるので、好ましい。
以下具体的な実施例により本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1 グリセリンを含有するセルロースアセテート製の中空
糸膜約100本を束ねて中央部を糸で縛り、その中央部に
菌液(Bacillus pumilusの水懸濁液)0.1mlを滴下して
風乾した。これを真空包装機を用いて種々の減圧度のも
とでアルミニウム積層フィルム(ポリエチレンテレフタ
レート/ポリエチレン/アルミニウム/ポリエチレン積
層フィルム)で包装し、これに窒素ガスを吹き込んで密
封することにより内部の酸素濃度が異なるいくつかの試
料を作製した。そして得られた試料にガンマ線を照射し
て、各酸素濃度におけるD値を測定した。結果を表1に
示す。
上記の結果から明らかなように、D値は酸素濃度が0.
0%および0.1%の場合には非常に高い値を示すが、0.5
%以上になるとかなり低い値を示すようになり、低い線
量での滅菌が可能なことがわかる。そして、8Dの滅菌保
証を行うために、酸素濃度0.5%以上では一般に広く採
用されている2.5Mrad以下の吸収線量での滅菌が可能で
あるが、0.1%以下の濃度では2.5Mrad以上の線量を必要
とする。
実施例2 真空包装機とアルミニウム積層フィルムを使用して、
セルロースアセテート中空糸膜を内蔵する血液透析器を
種々の酸素濃度になるように包装し、2.0Mradの吸収線
量となるようにガンマ線を照射した。照射後、包装体内
部の酸素濃度を測定したところ、表2に示す結果が得ら
れた。
表2から明らかなように、包装前の酸素濃度が4%未
満の場合には、放射線照射後に包装体の内部に酸素が存
在しない状態にできる。したがって、その後の経時的な
劣化を抑制することができ、長期間保存したときの強度
低下や機能低下を防止できる。
実施例3 実施例2と同様にして中空糸型血液透析器を包装し、
内部の酸素濃度を変えた包装体を作製した。そして、こ
れらに吸収線量が2.0Mradとなるようにガンマ線を照射
した。次に、日本医療用プラスチック協会の人工腎臓装
置基準案に従って、照射直後のものについて透析膜の溶
出物試験を実施したところ、本発明に基づくものはすべ
ての項目について合格であったが、比較のために空気中
で密封した試料はΔpHが不合格となった。ΔpHの測定結
果を表3に示す(合格基準値は1.5以下)。
表3の結果から、ΔpH値を低く抑えるには、照射前の
酸素濃度を低くする必要があることがわかる。
実施例1〜3の結果から明らかなように、D値を低く
抑え、しかも放射線の照射による高分子材料の劣化を少
なくするには、酸素濃度を0.5%以上4%未満にするの
が適当なことがわかる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、放射線滅菌におけるD値を低く抑え
ることができるので、一般に広く採用されている吸収線
量2.5Mrad以下での滅菌が可能である。しかも滅菌後包
装体内を無酸素状態にすることができるので、医療用具
の経時的な劣化を防止することができる。また、脱酸素
剤を滅菌後に封入するような煩わしい操作を必要としな
いので、実用性の点でも優れている。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高分子材料から形成された医療用具に放射
    線を照射して滅菌するに際し、医療用具を酸素不透過性
    材料を用いて酸素濃度が0.5%以上4%未満の雰囲気と
    なるように密封し、次いで放射線を照射することを特徴
    とする医療用具の放射線滅菌方法。
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