JP3205939B2 - シリコーンゴムチューブの放射線処理方法 - Google Patents
シリコーンゴムチューブの放射線処理方法Info
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- JP3205939B2 JP3205939B2 JP17181191A JP17181191A JP3205939B2 JP 3205939 B2 JP3205939 B2 JP 3205939B2 JP 17181191 A JP17181191 A JP 17181191A JP 17181191 A JP17181191 A JP 17181191A JP 3205939 B2 JP3205939 B2 JP 3205939B2
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- Japan
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- silicone rubber
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は包装後、電子線等の放射
線を照射することによって、滅菌する医療器具用シリコ
ーンゴムチューブを処理する処理方法に関する。
線を照射することによって、滅菌する医療器具用シリコ
ーンゴムチューブを処理する処理方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】一般に、使い捨て医療器具用の血液回路
や、手術時のドレン管として用いられるシリコーンゴム
チューブ（以下、単にチューブと呼ぶ）は使用前にＥＯ
Ｇ（エチレン・オキシド・ガス）等によって滅菌処理さ
れていた。この様な滅菌処理は、チューブを二つ折り、
或いは四つ折りの様に折畳んだ状態に包装して行なわれ
ていた。この様にＥＯＧ等を使用する限り、滅菌処理さ
れるチューブには何等の不都合も生じていなかった。
や、手術時のドレン管として用いられるシリコーンゴム
チューブ（以下、単にチューブと呼ぶ）は使用前にＥＯ
Ｇ（エチレン・オキシド・ガス）等によって滅菌処理さ
れていた。この様な滅菌処理は、チューブを二つ折り、
或いは四つ折りの様に折畳んだ状態に包装して行なわれ
ていた。この様にＥＯＧ等を使用する限り、滅菌処理さ
れるチューブには何等の不都合も生じていなかった。
【０００３】しかし、最近、アメリカでＥＯＧは残留ガ
スに発癌性があることにより、使用が禁止された。日本
においても、近い将来、使用が制限される可能性があ
り、ＥＯＧに代わる滅菌法として、電子線照射等の様な
放射線を照射する方法が主流となりつつある。
スに発癌性があることにより、使用が禁止された。日本
においても、近い将来、使用が制限される可能性があ
り、ＥＯＧに代わる滅菌法として、電子線照射等の様な
放射線を照射する方法が主流となりつつある。
【０００４】
【発明が解決しょうとする課題】上述した放射線照射に
より、二つ折り或いは四つ折りに折畳んだ状態で包装さ
れているチューブを滅菌した場合、チューブ同士が癒着
してしまうという現象が多々見られた。このため放射線
照射はチューブの滅菌には使用できないものと考えられ
ていた。
より、二つ折り或いは四つ折りに折畳んだ状態で包装さ
れているチューブを滅菌した場合、チューブ同士が癒着
してしまうという現象が多々見られた。このため放射線
照射はチューブの滅菌には使用できないものと考えられ
ていた。
【０００５】本発明者等の分析によれば、チューブが癒
着するのはチューブ内に残留しているモノマーやオリゴ
マーなどの未反応物が、放射線照射によって反応を起こ
し、図２に示す様にチューブ同士の間で、化学結合する
ためであることが判った。従って、本発明の課題は、上
記の様な欠点を除去し、折畳んだ状態のチューブに放射
線を照射しても、チューブ同士が癒着しないシリコーン
ゴムチューブの処理方法を提供することにある。
着するのはチューブ内に残留しているモノマーやオリゴ
マーなどの未反応物が、放射線照射によって反応を起こ
し、図２に示す様にチューブ同士の間で、化学結合する
ためであることが判った。従って、本発明の課題は、上
記の様な欠点を除去し、折畳んだ状態のチューブに放射
線を照射しても、チューブ同士が癒着しないシリコーン
ゴムチューブの処理方法を提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明では、包装した状態のチューブに滅菌を行な
う前に、未包装のチューブに対して、電子線の様な放射
線を事前照射する。この事前照射では、チューブ同士が
接触しない様に、内部に仕切板等を設けた事前照射用ト
レーにチューブを入れた後、該トレーに放射線照射装置
により、2.5 〜20 Mrad のエネルギーを与える様な放射
線を照射し、これによって残留しているモノマーやオリ
ゴマーを除去、安定化した後、滅菌処理を行なう。この
滅菌の際、放射線を使用してもシリコーンゴムチューブ
同士の癒着を防止することができる。尚、滅菌には他の
処理法が使用されても良い。
めに本発明では、包装した状態のチューブに滅菌を行な
う前に、未包装のチューブに対して、電子線の様な放射
線を事前照射する。この事前照射では、チューブ同士が
接触しない様に、内部に仕切板等を設けた事前照射用ト
レーにチューブを入れた後、該トレーに放射線照射装置
により、2.5 〜20 Mrad のエネルギーを与える様な放射
線を照射し、これによって残留しているモノマーやオリ
ゴマーを除去、安定化した後、滅菌処理を行なう。この
滅菌の際、放射線を使用してもシリコーンゴムチューブ
同士の癒着を防止することができる。尚、滅菌には他の
処理法が使用されても良い。
【０００７】上記した様な手段により、チューブ内に残
留するモノマー、オリゴマー等の未反応物に対して、放
射線照射による反応を起こさせ、チューブの材質の改善
（残留モノマー等の大幅な低減）を行い、以後、放射線
による滅菌においても、チューブ同士の癒着を防止でき
る。
留するモノマー、オリゴマー等の未反応物に対して、放
射線照射による反応を起こさせ、チューブの材質の改善
（残留モノマー等の大幅な低減）を行い、以後、放射線
による滅菌においても、チューブ同士の癒着を防止でき
る。
【０００８】
【実施例】本発明の実施例を、図１を参照して説明す
る。未包装の状態にあるチューブは、チューブ同士が接
触しない様に、内部に仕切板等を設けた事前照射用トレ
ー２に、仕切板を介して入れられる。
る。未包装の状態にあるチューブは、チューブ同士が接
触しない様に、内部に仕切板等を設けた事前照射用トレ
ー２に、仕切板を介して入れられる。
【０００９】一方、この実施例では、放射線として電子
を照射する。このため電子を照射する電子照射装置１が
設けられており、この電子照射装置１は、長手方向に伸
びるコンベア３の上部空間に、コンベア３を横切る様に
設置されている。従って、電子照射装置１からは、コン
ベア３の幅方向に直線状に電子が照射される。また、コ
ンベア３に乗った事前照射用トレー２が電子線照射装置
１の下を通過する際に、事前照射用トレー２は電子の照
射を受ける。この際、電子照射装置１からは2.5 〜20 M
rad （望ましくは、5 Mrad以上で10Mrad 以下）のエネ
ルギーを与える様な電子が、事前照射トレー２に対して
照射される。実際には、5MeV×10mAの電子を2 〜3 秒
間、照射した。
を照射する。このため電子を照射する電子照射装置１が
設けられており、この電子照射装置１は、長手方向に伸
びるコンベア３の上部空間に、コンベア３を横切る様に
設置されている。従って、電子照射装置１からは、コン
ベア３の幅方向に直線状に電子が照射される。また、コ
ンベア３に乗った事前照射用トレー２が電子線照射装置
１の下を通過する際に、事前照射用トレー２は電子の照
射を受ける。この際、電子照射装置１からは2.5 〜20 M
rad （望ましくは、5 Mrad以上で10Mrad 以下）のエネ
ルギーを与える様な電子が、事前照射トレー２に対して
照射される。実際には、5MeV×10mAの電子を2 〜3 秒
間、照射した。
【００１０】この電子線の事前照射により、チューブの
中に未反応物として残留していたモノマーやオリゴマー
が反応を起こし、残留未反応物等が大幅に低減してチュ
ーブ材質の安定化が確認された。
中に未反応物として残留していたモノマーやオリゴマー
が反応を起こし、残留未反応物等が大幅に低減してチュ
ーブ材質の安定化が確認された。
【００１１】上述した手段により、事前照射が完了した
チューブは、トレー２から取出された後、複数本単位で
折畳まれ包装される。更に、この包装状態のまま、滅菌
が行なわれる。ここでは、図１と同様に電子照射装置に
よる電子滅菌が行なわれた。
チューブは、トレー２から取出された後、複数本単位で
折畳まれ包装される。更に、この包装状態のまま、滅菌
が行なわれる。ここでは、図１と同様に電子照射装置に
よる電子滅菌が行なわれた。
【００１２】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されているの
で、電子線の事前照射により、チューブ内に残留してい
る未反応物のモノマー等に反応を促進させ、残留未反応
物等を大幅に低減することによりチューブ材質が改善さ
れる。
で、電子線の事前照射により、チューブ内に残留してい
る未反応物のモノマー等に反応を促進させ、残留未反応
物等を大幅に低減することによりチューブ材質が改善さ
れる。
【００１３】この材質改善により、後工程におけるチュ
ーブの包装状態での電子滅菌を行なう際にも、折畳まれ
て包装されているチューブ同士の癒着を防止することが
できる。
ーブの包装状態での電子滅菌を行なう際にも、折畳まれ
て包装されているチューブ同士の癒着を防止することが
できる。
【００１４】上述した様にシリコーンチューブは医療用
器具に用いられることが多いが、他に化学実験装置の配
管としても使用されているので、本発明は配管の取外し
が容易なチューブ材としても、応用できる可能性があ
る。また、本実施例では電子を照射する場合についての
み述べたが、γ線を照射しても、時間はかかるが同様の
効果が得られた。
器具に用いられることが多いが、他に化学実験装置の配
管としても使用されているので、本発明は配管の取外し
が容易なチューブ材としても、応用できる可能性があ
る。また、本実施例では電子を照射する場合についての
み述べたが、γ線を照射しても、時間はかかるが同様の
効果が得られた。
【図１】本実施例の構成図である。
【図２】従来技術により発生する、チューブの癒着を示
す図である。
す図である。
１ 電子照射装置 ２ 事前照射用トレー（仕切板付き） ３ ベルトコンベア
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平３−18371（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−175（ＪＰ，Ａ) 特開 昭58−134840（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−129053（ＪＰ，Ａ) 特開 平１−192365（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−168150（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−176455（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−85340（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) A61L 2/00 - 2/26
Claims (1)
- 【請求項１】 折畳んだ状態で包装される医療器具用の
シリコーンゴムチューブを、放射線により処理する方法
において、未包装の互いに分離された状態にある前記チ
ューブに対して2.5 〜20Mradのエネルギーを与える様な
放射線を事前照射することにより、前記チューブに残留
している未反応物を低減させる段階と、前記残留物の低
減したチューブを折畳んで包装後滅菌する段階とを有す
ることを特徴とするシリコーンゴムチューブの放射線処
理方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17181191A JP3205939B2 (ja) | 1991-06-18 | 1991-06-18 | シリコーンゴムチューブの放射線処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17181191A JP3205939B2 (ja) | 1991-06-18 | 1991-06-18 | シリコーンゴムチューブの放射線処理方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH04371157A JPH04371157A (ja) | 1992-12-24 |
| JP3205939B2 true JP3205939B2 (ja) | 2001-09-04 |
Family
ID=15930169
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP17181191A Expired - Lifetime JP3205939B2 (ja) | 1991-06-18 | 1991-06-18 | シリコーンゴムチューブの放射線処理方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3205939B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP5616217B2 (ja) | 2008-03-27 | 2014-10-29 | テルモ株式会社 | 医療器具の製造方法および医療器具組立体 |
Family Cites Families (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS58134840A (ja) * | 1982-01-26 | 1983-08-11 | ユニチカ株式会社 | 放射線滅菌包装方法 |
| JPS60129053A (ja) * | 1983-12-15 | 1985-07-10 | 凸版印刷株式会社 | 放射線滅菌方法 |
| JPS61175A (ja) * | 1984-06-06 | 1986-01-06 | 大倉工業株式会社 | 放射線照射により滅菌してなる医療器具のブリスタ−包装体 |
| JPH0622584B2 (ja) * | 1985-10-21 | 1994-03-30 | 株式会社大協ゴム精工 | 耐放射線性医療用ゴム部品 |
| JP2530472B2 (ja) * | 1988-01-28 | 1996-09-04 | 株式会社ジェイ・エム・エス | 放射線滅菌用包装材料および包装体 |
| JP2876320B2 (ja) * | 1989-06-15 | 1999-03-31 | 株式会社ジェイ・エム・エス | 医療用具の放射線滅菌方法 |
| JP2901669B2 (ja) * | 1989-11-29 | 1999-06-07 | 帝人株式会社 | 放射線滅菌医療用具の製造方法 |
| JP3094302B2 (ja) * | 1990-07-27 | 2000-10-03 | 住友重機械工業株式会社 | 電子照射による医療用ポリマー成形品の処理方法 |
-
1991
- 1991-06-18 JP JP17181191A patent/JP3205939B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH04371157A (ja) | 1992-12-24 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
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