JP3304185B2 - コモンモードチョークコイルとその製造方法 - Google Patents

コモンモードチョークコイルとその製造方法

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JP3304185B2 JP03283094A JP3283094A JP3304185B2 JP 3304185 B2 JP3304185 B2 JP 3304185B2 JP 03283094 A JP03283094 A JP 03283094A JP 3283094 A JP3283094 A JP 3283094A JP 3304185 B2 JP3304185 B2 JP 3304185B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ノイズフィルタ等に用
いられるコモンモードチョークコイルとその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】ノイズフィルタとして、図8に示すよう
に、大小のコイルをコアに巻いたものがある。すなわ
ち、U、IコアまたはU、Uコアの組合わせによりロの
字形にコア1を構成し、コア1の一方の磁脚に小径巻線
部3bと大径巻線部2aとを巻回し、他方の磁脚に小径
巻線部3aと大径巻線部2bとを巻回し、一方の磁脚に
巻いた大径巻線部2aと他方の磁脚に巻いた小径巻線部
3aを直列に接続し、他方の磁脚に巻いた大径巻線部2
bと一方の磁脚に巻いた小径巻線部3bとを直列に接続
してコモンモードチョークコイルを構成する。また、一
方の磁脚に巻いた大径巻線部2aの端部4と小径巻線部
3bの端部5をそれぞれノイズフィルタ6の電源端子と
して直流または交流電源7に接続し、他方の磁脚に巻い
た大径巻線部2bの端部8と小径巻線部3aの端部9を
それぞれノイズフィルタ6の負荷端子として負荷10に
接続し、さらに電源端子4、5間にコンデンサ11を接
続し、負荷端子8、9間にコンデンサ12を接続してな
る。
【0003】このような巻線部2a、2b、3a、3b
は、従来、それぞれ個々の巻線部を作製しておき、個々
の巻線部2aと3a、2bと3bをそれぞれ半田付けに
より接続していた。しかしこのような半田付け工程を要
する方法では工程数が多くなるため、このような半田付
けの工程を不要とした製法のコイルが開発され、特公昭
56−19091号公報に開示されている。このコイル
は、図9(A)に示すように、大径の巻線部2a(また
は2b)と小径の巻線部3a(3b)とを、エナメル線
のような1本の被覆線材により大小の分割可能な同軸状
に直線的に組合わせたボビンに巻くことにより、巻線部
2a(または2b)と小径の巻線部3a(3b)の軸線
が互いに延長上にあるような同心状に形成し、図9
(B)に示すように、小径の巻線部3a(3b)を大径
の巻線部2a(2b)に挿入して図9(C)に示すよう
に組合わせた後、同図に矢印15で示すように、巻線部
2a、2bと巻線部3a、3b間の連絡部14において
折り曲げ、これにより図9(D)に示すように、端子
4、5、8、9部分が同じ側になるように形成してなる
ものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記公
報記載のコイルにおいては、大小の巻線部2a、2bと
巻線部3a、3bとが同軸状をなすように直線状に形成
されたコイルの連絡部14を折り曲げて構成しているた
め、図9(C)に示すように、巻線部2a、2bと巻線
部3a、3bの連絡部14の根本部14a、14bには
巻線部2a、2bと巻線部3a、3bの軸心方向に向く
部分が残る。このため、図2(C)に示すように、巻線
部2a、2bと巻線部3a、3bの端面から連絡部14
がXに示す幅だけ競りだし、この突出(弛み)部がコア
との接触を起こしてショートしたり、ケースとの干渉に
より納まりを悪くし、さらに外観を悪くするという問題
点がある。
【0005】また、このコイルの製造方法によれば、図
9(B)に示すように、2個のコイルを同一軸上で嵌合
しなければならないため、作業に手間がかかる上、図9
(C)、(D)に示すように、U字コアに入るように、
連絡部14をU字形に折り曲げなければならず、コアピ
ッチW(図8参照)に合うように成形するのに手間がか
かり、特に線径が大きくなると、曲げ作業が著しく困難
となるという問題点がある。また巻線部の軸心間のバラ
ツキが大きくなる上、折り曲げ作業時の線材の変形量が
多く、線材の被覆が損傷しやすく、さらに前記巻線部間
の間隔のバラツキが大きいために、コア挿入時に線材が
コアに接触して被覆が損傷する等、品質が劣化するとい
う問題点がある。また、図9(A)に示すように、巻線
部2aと3a(または2bと3b)との間隔Lは、巻線
部3a、3bの軸心方向の幅よりやや大きく設定しなけ
ればならず、特にコアピッチWが小さい場合には、L》
Wとなり、連絡部14の弛みが大きくなる。
【0006】本発明は、上記問題点に鑑み、一方のコイ
ルの大小の径の巻線部を他方のコイルの小径、大径の巻
線部に嵌合したコモンモードチョークコイルにおいて、
コンパクトな外形を持つことにより、搭載機器への巻線
部の納まりがよく、かつ外観が良好となると共に、製造
上の作業性が向上し、価格を低減できるコモンモードチ
ョークコイルとその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のコモンモードチョークコイルは、1本の被
覆線材により大小の径の巻線部を連絡部を介して一連に
形成したコイルを2個備え、 各コイルの大小の径の巻線
部の軸心が平行をなすと共に、前記連絡部は大小の径の
巻線部の一端の各円弧の接線方向に沿い、かつ各巻線部
の端部の端子が相互に反対向きとなるように形成し、
記2個のコイルの各軸心間の距離を同じとし、 これらの
コイルのうちの一方のコイルの大小の径の巻線部を、そ
れぞれ他方のコイルの小径、大径の巻線部に嵌合して組
合わせ、 組合わされた2個のコイルを前記各連絡部の線
材を捻る形で巻線部を反転させることにより、近接した
2本の前記連絡部がほぼ直線状に形成されて並び、かつ
各巻線部の端部の端子が同じ側に突出するように構成し
ことを特徴とする。
【0008】また、本発明によるコモンモードチョーク
コイルの製造方法は、次の工程によりなることを特徴と
する。 (a)1本の被覆線材の端部を第1の巻芯に固定して巻
芯を回転させて線材を第1の巻芯に巻き付けることによ
り、大小の径の巻線部のうちの一方の巻線部を形成す
る。 (b)前記(a)の工程により形成された該巻線部の終
端を該巻線部の円弧の接線方向に延ばして前記第1の巻
芯と平行にセットされた第2の巻芯に渡し、該第2の巻
芯を回転させて線材を第2の巻芯に巻き付けることによ
り、大小の径の巻線部のうちの他方の巻線部を形成す
る。 (c)前記(b)の工程により形成した該巻線部の終端
より被覆線材を軸線方向に延ばして切断して他方の端子
を形成する。 (d)前記(a)〜(c)の工程により作製した2個の
コイルの一方のコイルの大径の巻線部と他方のコイルの
小径の巻線部とを嵌合し、かつ一方のコイルの小径の巻
線部と他方のコイルの大径の巻線部とを嵌合して組み合
わせる。 (e)前記(d)の工程により大小の径の巻線部が互い
に嵌合された2個のコイルを、大小の径の間の連絡部の
線材を捻ることにより、各巻線部の端子が同じ側を向
き、かつ2重の巻線部どうしが平行をなすように反転さ
せる。
【0009】
【作用】本発明のコモンモードチョークコイルは、各大
小の径の巻線部が嵌合されてなる2重巻線部における連
絡部が、巻線部の端部の円弧の接線方向に形成されてい
るので、連絡部が巻線終端部より軸心方向に突出しな
い。本発明のコモンモードチョークコイルの製造方法
は、同心の巻芯ではなく、互いに平行をなす2つの巻芯
を使用し、一方の巻芯に被覆線材を巻いて大小の径の巻
線部のうちの一方の巻線部を形成した後、他方の巻芯に
線材を渡して第2の巻芯の回転により他方の巻線部を形
成するので、各巻線部の軸心間の間隔は巻芯の間隔によ
り自動的に設定される。巻線部の間の連絡部の線材を捻
ることにより巻線部を反転させる場合、大小の径の巻線
部間の間隔の変化は小さい。
【0010】
【実施例】図1は本発明によるコモンモードチョークコ
イルの一実施例を製造工程順に示す斜視図、図2(A)
はその平面図、同(B)は(A)の右側面図である。図
1、図2において、16、17はそれぞれ大小の径の巻
線部2a、3aと2b、3bからなる同形のコイルであ
り、それぞれエナメル線のような1本の被覆線材を成形
してなるものである。各巻線部2a、3b、2b、3a
には、それぞれ図8に示した端子4、5、8、9が形成
され、また、大小の径の巻線部2aと3a、2bと3b
をそれぞれ一体に接続する連絡部18は、図2(B)に
示すように、巻線部端部の円弧の接線19、20に沿う
ように、ほぼ直線状に形成されており、図2(A)に示
すように、コイルの連絡部18は、巻線部2a、3b、
2b、3aの端子4、5、8、9の反対側の面より突出
していない。
【0011】このように、連絡部18が突出しておら
ず、弛みがないため、図8に示したコア1と連絡部18
の接触やケース(図示せず)との干渉等の問題が発生せ
ず、接触によるコイルの被覆の損傷等の問題も解消さ
れ、かつ絶縁性も向上する。
【0012】このコイルは、図1(A)に示すように、
各コイル16、17を、それぞれの端子4と9、5と8
が反対向きとなり、かつ巻線部2aと3a、2bと3b
とが平行をなして各軸心間がコアピッチWと同じとなる
ように形成する。そして、これらのコイル16、17
を、大径巻線部2aと小径巻線部3bが同心となり、か
つ小径巻線部3aと大径巻線部2bが同心となるように
対向させ、これらを図1(B)に示すように嵌合させ
る。このような嵌合を行う場合、図9に示したように、
同心となる一方のコイルの巻線部2aと3aの間に、他
方のコイルの巻線部3bを嵌め込み、同時に他方のコイ
ルの巻線部2bと3bの間に、一方のコイルの巻線部3
aを嵌め込んで挿入する場合に比較して、コイルの組合
わせが簡単に行える。このように2個のコイルを組合わ
せた後、図1(B)の矢印21に示すように、連絡部1
8の線材を捻ることにより、少なくとも一方の巻線部2
bと3aを180度回転させ、図1(C)に示すよう
に、端子4、5、8、9が同じ向きになるように、一方
巻線部2a、3bおよび2b、3a内に治具棒を差し込
み、180度回転させて反転させる。この場合、巻線部
2a(3b)の軸心と巻線部2b(3a)の軸心との間
隔はコアピッチWから大きく外れることはなく、わざわ
ざピッチ設定を行う必要がない。
【0013】次に本発明によるコモンモードチョークコ
イルの製造方法を図3〜図5により説明する。図3
(A)は本発明の方法を実施する装置を示す平面図、同
(B)は巻芯の斜視図、同(C)は駆動部の動力伝達機
構の説明図である。図3において、22はモータ、23
は該モータ22により回転される回転軸、24は該回転
軸23にキー23aにより回り止めして軸心方向に移動
自在に嵌着されたプーリ、25は該回転軸23に平行に
かつ軸心方向に前記プーリ24と同時に移動されるよう
に設けられた回転軸、26は該回転軸25に嵌着固定さ
れたプーリであり、前記回転軸23の回転力は、図3
(C)に示すように、該回転軸23に取付けたプーリ2
4、テンションプーリ27および前記プーリ26にそれ
ぞれ掛け回されたベルト28により伝達される。
【0014】これらの回転軸25、23にはそれぞれ第
1の巻芯30と第2の巻芯31がそれぞれ着脱自在に取
付けられる。これらの巻芯30、31は、それぞれ治具
32、33と、ボビン34、35とからなる。治具3
2、33は、それぞれ前記回転軸25、23の中心穴2
5a、23b内に其端軸32a、33aが嵌着され、か
つ回り止めし、止めねじ36により抜け止めされて取付
けられる。各治具32、33の其端軸32a、33aの
反対側にはボビン取付け軸32b、33bを突設し、こ
れらのボビン取付け軸32b、33bに、ボビン34、
35の巻き胴部の中心穴34a、35aがそれぞれ回り
止めして着脱自在に嵌着される。第1の巻芯30の治具
32の鍔部32cには、被覆線材の先端を嵌める止め溝
32dが設けてある。また、第2の巻芯31の治具33
には、被覆線材固定用爪37が取付けられている。第2
の巻芯31のボビン35の鍔部35bには、被覆線材の
止め溝35cが軸心方向に設けられている。
【0015】コイルを製造する場合には、図4(A)に
示すように、第1の巻芯30の治具32の止め溝32d
に被覆線材40の先端を嵌め、リール(図示せず)から
ボビン34の半径方向に線材40を供給するように、第
1の巻芯30をモータ22により矢印41で示す方向に
回転させると同時に、回転軸25を矢印42で示す方向
に移動させながら、第1の巻芯30のボビン34に線材
40を巻き付けて大径巻線部2a(2b)を形成する。
【0016】線材40を所定の巻数巻き、ボビン34の
鍔部34bまで巻き終った後、回転軸25を止め、図4
(A)に2点鎖線で示すように、巻線部の終端より線材
40を該巻線部の円弧の接線方向に延ばして第2の巻芯
31のボビン35に渡し、該第2の巻芯31の治具33
に取付けた固定用爪37により図4(C)に示すように
線材40をボビン35の治具33との当接面33cに止
め、その後、図4(B)に示すように、第1の巻芯30
のボビン34を巻線部2a(2b)から抜き、第1の巻
芯30の治具32を図面上左側に退避させ、第2の巻芯
31を矢印43で示すように回転させて線材40を第2
の巻芯31のボビン35に巻き付けることにより、小径
巻線部3a(3b)を形成する。この場合、すでに巻き
上がっている巻線部2a(2b)は連絡部18で支持さ
れた状態で巻芯31の軸心を中心として回転する。
【0017】次に図5に示すように、巻線部3a(3
b)の終端より線材40を曲げてボビン35の鍔部35
bに設けた止め溝35cに嵌めることにより、線材40
を軸心方向に延ばして切断し、他方の端子9(5)を形
成する。その後の工程は前述の通りである。なお、本実
施例と反対に、第1の巻芯30で小径巻線部3a(3
b)を形成し、第2の巻芯31で大径巻線部2a(2
b)を形成するようにしてもよい。
【0018】このように、2個のコイルを平行軸上で嵌
合するようにすれば、同一軸上で嵌合する従来方法に比
較し、嵌合が容易となる。また、従来方法によれば、巻
線部がU字コアに入るように、連絡部14をU字形に折
り曲げなければならず、コアピッチに合うように成形す
るのに手間がかかり、特に線径が大きくなると、曲げ作
業が著しく困難となるという問題点があったが、本発明
の方法においては、予め、図3(A)に示すように、第
1、第2の巻芯30、31の間隔Wをコアピッチに設定
しておくことにより、巻線2aと3a(2bと3b)の
間隔が設定でき、この間隔は、図1(B)の状態から
(C)の状態に一方の巻線部を反転させても実質的に変
化しないから、巻線部間の間隔を設定する手間が省略で
きる。また予め巻線部の中心間の間隔は第1、第2の巻
芯30、31の間隔Wによって設定されているから、巻
線部間の間隔のバラツキが小さくなる。また、巻線部の
反転作業は、図1(B)に示したように、連絡部18の
線材の中心に捻ることにより行われ、連絡部18は折り
曲げないため、線材40の変形量が少なく、線材40の
被覆の損傷が少ない。さらに前記巻線部間の間隔のバラ
ツキが小さいために、コア1挿入時に線材40がコア1
に擦動して被覆が損傷する等により絶縁性が劣化すると
いう問題点も解消される。また、巻芯30、31の間隔
がそのまま巻線部間のピッチすなわちコアピッチWとな
り、コアピッチWの大小に関わりなく、連絡部18を常
に直線状に弛みなく形成できる。
【0019】図6、図7は本発明の製造方法の他の実施
例を示す図であり、本例においては、モータ22により
回転される回転軸23に板材44を固定し、該板材44
に前記第1の巻芯30を同心に取付ける回転軸25を回
転自在に、かつ前記回転軸23と平行に取付け、板材4
4に固定したモータ45により回転軸25を回転させる
ように構成し、第1の巻芯30のボビン34の鍔部34
bの先端面は、第2の巻芯31の治具33のボビン35
との突き合わせ端面33cとほぼ等しい位置に設定し、
まず図6(A)、(B)に示すように、前記実施例と同
様に、治具32の止め溝32dに線材40の先端を止
め、モータ45を駆動して第1の巻芯30を矢印41で
示すように回転させると同時に、矢印42で示すように
移動させることにより、第1の巻芯30のボビン34に
線材40を巻き付けて巻線部2a(2b)を形成する。
所定の巻数を巻き終り、ボビン34の鍔部34bに線材
40が至ると、線材40を第2の巻芯31のボビン35
の巻き始端に渡し、図7に示すように、モータ45を停
止してモータ22を駆動することにより、ボビン35を
板材44やモータ45と共に矢印46に示すように回転
させて第2の巻芯31のボビン35に線材40を巻き付
けて小径の巻線部3a(3b)を形成する。この場合、
ボビン34はボビン35の回りを公転する。その後、前
記実施例と同様に、ボビン35の溝35cに線材40を
嵌め、切断して端子9(5)を形成する。
【0020】本実施例によれば、図3〜図5に示した実
施例と同様の効果を奏することができる上、前記実施例
のように、第1の巻芯30の治具32を退避させる作業
や線材固定用爪37により線材40を止める作業が不要
となり、工程が簡略化される上、ボビン34、35を治
具32、33から抜く作業を同時に行え、作業の能率を
向上させることができるという利点がある。なお、第1
の巻芯30を第2の巻芯31の回りに公転させることに
より巻線部の形成を行う場合、モータ22の回転力をク
ラッチや歯車またはプーリとベルト等の動力伝達機構を
介して回転軸25に伝達するようにしてモータ45を無
くしてもよい。
【0021】本発明は、線材40の直径が1.0mm以上
である場合、すなわち従来のように連絡部14を折り曲
げることが困難となる場合に特に優れた効果を発揮する
ものである。しかし、線材の直径が2.5mmを超える
と、一般的にノイズフィルタ等として用いられる直径の
巻線部を構成するには、必要な曲げ力が過大となるの
で、結局本発明を実施する上で好適な線材40の直径は
1.0mm〜2.5mm程度である。
【0022】
【発明の効果】請求項1によれば、大小の径の巻線部間
の連絡部が、巻線端部の円弧の接線方向に形成されてお
り、連絡部に巻線終端部より軸心方向に突出した部分が
なくなるので、その突出部がコアとの接触を起こした
り、ケースと干渉することがなく、納まりが良好とな
り、絶縁性も向上する。
【0023】請求項2によれば、2個のコイルの大小の
径の巻線部を平行軸上で嵌合するため、同一軸上で嵌合
する従来方法に比較し、嵌合が容易となる。また、第
1、第2の巻芯の間隔をコアピッチに設定しておくこと
により、大小の径の巻線の間隔が設定できるから、巻線
部間の間隔を設定する手間が省略できる。これらのこと
から、作業性が大幅に改善されると共に、組付、成形工
数が低減され、本発明の方法は自動化が可能である。
【0024】また、本発明の方法においては、予め巻線
部の中心間の間隔は第1、第2の巻芯の間隔によって設
定されるから、従来の折り曲げに比較し、巻線部間の間
隔のバラツキが小さくなる。また、連絡部は、大小の径
の巻線部の間隔の如何に関わらず、常に直線状に整然と
形成できる。また、巻線部の反転作業は、連絡部の線材
の中心に捻ることにより行われ、連絡部は折り曲げない
ため、線材の変形量が少なく、線材の被覆の損傷が少な
い。さらに前記巻線部間の間隔のバラツキが小さいため
に、コア挿入時に線材がコアに擦動して被覆が損傷する
等により品質が劣化するという問題点も解消される。従
って本発明の方法によれば、絶縁性の優れたコイルとこ
れを組み込んだフィルタ等のコイル使用機器を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(C)はそれぞれ本発明によるコイル
の一実施例を製造工程順に示す斜視図である。
【図2】(A)は本実施例のコイルの平面図、(B)は
(A)の右側面図、(C)は従来のコイルの平面図であ
る。
【図3】(A)は本発明の方法を実施する装置を示す平
面図、(B)はその巻芯の斜視図、(C)はその駆動部
の動力伝達機構の説明図である。
【図4】(A)、(B)はそれぞれ図3に示した装置を
用いて巻線作業を行っている状態を示す平面図、(C)
は巻線固定用爪を示す側面図である。
【図5】図3に示した装置を用いて巻線作業を行う場合
の最終工程を示す平面図である。
【図6】(A)は本発明の方法を実施する装置の他の例
を第1の巻芯に線材を巻き付けている状態で示す平面
図、(B)はその概略右側面図である。
【図7】(A)は図6の装置を第2の巻芯に線材を巻き
付けている状態で示す平面図、(B)はその概略右側面
図である。
【図8】ノイズフィルタの構成図である。
【図9】(A)〜(D)は従来のコイルを製造工程順に
示す斜視図である。
【符号の説明】
1 コア 2a、2b 大径巻線部 3a、3b 小径巻線部 4、5、8、9 端子 6 ノイズフィルタ 7 電源 10 負荷 18 連絡部 22、45 モータ 30 第1の巻芯 31 第2の巻芯 32、33 治具 34、35 ボビン 37 線材固定用爪
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 公二 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 テ ィ−ディ−ケイ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−1210(JP,A) 実開 平2−98612(JP,U) 特公 昭56−19091(JP,B2) 特公 昭49−47042(JP,B1)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1本の被覆線材により大小の径の巻線部を
    連絡部を介して一連に形成したコイルを2個備え、 各コイルの大小の径の巻線部の軸心が平行をなすと共
    に、前記連絡部は大小の径の巻線部の一端の各円弧の接
    線方向に沿い、かつ各巻線部の端部の端子が相互に反対
    向きとなるように形成し、 前記2個のコイルの各軸心間の距離を同じとし、 これらのコイルのうちの一方のコイルの大小の径の巻線
    部を、それぞれ他方のコイルの小径、大径の巻線部に嵌
    合して組合わせ、 組合わされた2個のコイルを前記各連絡部の線材を捻る
    形で巻線部を反転させることにより、近接した2本の前
    記連絡部がほぼ直線状に形成されて並び、かつ各巻線部
    の端部の端子が同じ側に突出するように構成した ことを
    特徴とするコモンモードチョークコイル。
  2. 【請求項2】次の(a)〜(e)の工程よりなることを
    特徴とするコモンモードチョークコイルの製造方法。 (a)1本の被覆線材の端部を第1の巻芯に固定して巻
    芯を回転させて線材を第1の巻芯に巻き付けることによ
    り、大小の径の巻線部のうちの一方の巻線部を形成す
    る。 (b)前記(a)の工程により形成された該巻線部の終
    端を該巻線部の円弧の接線方向に延ばして前記第1の巻
    芯と平行にセットされた第2の巻芯に渡し、該第2の巻
    芯を回転させて線材を第2の巻芯に巻き付けることによ
    り、大小の径の巻線部のうちの他方の巻線部を形成す
    る。 (c)前記(b)の工程により形成した該巻線部の終端
    より被覆線材を軸線方向に延ばして切断して他方の端子
    を形成する。 (d)前記(a)〜(c)の工程により作製した2個の
    コイルの一方のコイルの大径の巻線部と他方のコイルの
    小径の巻線部とを嵌合し、かつ一方のコイルの小径の巻
    線部と他方のコイルの大径の巻線部とを嵌合して組み合
    わせる。 (e)前記(d)の工程により大小の径の巻線部が互い
    に嵌合された2個のコイルを、大小の径の巻線部の間の
    連絡部の線材を捻ることにより、各巻線部の端子が同じ
    側を向き、かつ2重の巻線部どうしが平行をなすように
    反転させる。
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