JP3303842B2 - コネクタハウジングへの電線付き端子の実装用保持治具 - Google Patents

コネクタハウジングへの電線付き端子の実装用保持治具

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JP3303842B2
JP3303842B2 JP14309099A JP14309099A JP3303842B2 JP 3303842 B2 JP3303842 B2 JP 3303842B2 JP 14309099 A JP14309099 A JP 14309099A JP 14309099 A JP14309099 A JP 14309099A JP 3303842 B2 JP3303842 B2 JP 3303842B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電線付き端子を
コネクタハウジングに実装するための端子保持治具に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】ワイヤーハーネスなどにおけるコネクタ
端子への電線接続は、主に圧接と圧着が採用されてい
る。前者の圧接接続(以下、単に圧接という)は、図2
4に示すように、コネクタハウジングCのキャビティs
に圧接端子tを装填し、まず、そのハウジングCに圧接
刃ガイド1を沿わせて(同図(a))、つづけて電線a
を送り込み(同図(b))、その電線aを圧接刃2で端
子tに圧入して接続する(同図(c))。すなわち、圧
接は、コネクタハウジングCにその上方から電線aを圧
入装填する。
【0003】後者の圧着接続(以下、単に圧着という)
は、電線端の被覆を剥いだ後(皮剥ぎした後)、その露
出導体上に端子の接続片を圧着して接続する。このた
め、一般に、一本の電線毎に端子を圧着して、図26に
示すように、コネクタCのキャビティsにその後面(端
子挿入口)からハンド3でもって1本づつチャッキング
(ピックアップ)して挿入する(特開平9−11564
2号公報等参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記圧接において、例
えば、従来、ワイヤーハーネスにおけるキャビティsが
二段のコネクタCにおいては、ハウジングCの上面から
の電線圧入のため、図25に示すように、コネクタハウ
ジングCをアッパーC1 とロアーC2 とに分割し、その
アッパーハウジングC1 とロアーハウジングC2 にそれ
ぞれ端子tと電線aを装填後(同図(a)から
(b))、カバーbを被せて、両者C1 、C2 を一体に
して製造している(同図(c))(特開平10−335
037号公報等参照)。
【0005】この従来の圧接作業は、ハウジングC1
2 を2個必要であるうえに、作業工程も多く、コスト
アップの原因になっている。また、圧接時の押付力によ
ってキャビティs間の壁eが外側に撓んでハウジングが
膨らみ、カバーbがうまく被さらなかったり、ロアーハ
ウジングC2 とアッパーハウジングC1 とがうまく嵌合
しない場合がある。さらに、キャビティ壁eの撓みの問
題から、この種の圧接用コネクタCでは全てのキャビテ
ィsに端子tを実装して空キャビティsをなくしてい
る。すなわち、電線aを圧接しないキャビティsにも端
子tを実装しており、無駄であった。また、その空キャ
ビティsに新たに電線aを圧接するには、両ハウジング
1 、C2 の解体が必要であり、実際はその圧接は不可
能である。
【0006】一方、圧着接続は、上述のようにキャビテ
ィ二段式のコネクタCにおいても、そのキャビティsに
その後面から電線付きの端子tを一本づつ挿入して装填
するため、一つの(分割されていない)コネクタハウジ
ングCでよい。しかし、端子tへの電線接続を端子一つ
づつ行う必要があり、作業性の点で問題があるうえに、
一つづつはチャッキングミスも生じ易く、また、電線a
をハンド3でつかんで押し込むため、図26鎖線のごと
く電線aが座屈し易く、座屈すれば、実装ミスが生じ
る。
【0007】ここで、電線を端子に圧接するものにおい
ても、その電線付き端子を、コネクタハウジングのキャ
ビティにその後面から挿入して装填できるようにすれ
ば、コストダウンを図ることができる。そのために、ま
ず、圧接用治具に圧接端子を装填し、その圧接端子に電
線を圧接することとすれば、従来同様、圧接用治具の上
方から電線を装填できて、何ら支障がなく、圧接による
電線付きの圧接端子を得ることができる。
【0008】つぎに、その圧接治具から電線付き圧接端
子を外して、コネクタハウジングに装填するようにすれ
ば、図26の圧着端子と同様に、コネクタハウジングC
のキャビティsにその後面から圧接端子tを挿入できて
作業性がよい。
【0009】この圧接端子の実装において、圧接用治具
において、圧接に代えて圧着を行うようにすれば、例え
ば、その治具に圧着端子を装填し、その端子に皮剥ぎ後
の電線を圧着するようにすれば、その電線付き圧着端子
も同様な作用によってコネクタハウジングCに挿入でき
て作業性がよい。
【0010】この発明は、そのような、圧接又は圧着を
なし得る保持治具に端子を装填し、その端子に電線を圧
接等により接続し、つぎに、前記保持治具から電線付き
端子を外して、コネクタハウジングのキャビティにその
後面から電線付き端子を挿入して、コネクタハウジング
に電線付き端子を実装する際の前記保持治具を提供する
ことを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に、この発明は、上記端子が装填されるキャビティが上
面に並列に設けられて、そのキャビティから電線が接続
された端子が上方に抜け出し可能となっており、下面に
は、その端子の下面に当接して押し上げ、その端子を抜
け出させる押し上げピンの貫通孔がキャビティに至って
設けられている保持治具としたのである。
【0012】この保持治具であれば、各キャビティに端
子をそれぞれ装填した後、その各端子に上方から電線を
それぞれ圧接又は圧着し、下方から貫通孔を通して押し
上げピンを上昇させると、電線付き端子がキャビティか
ら抜け出る。このため、この端子を受取ってコネクタハ
ウジングに実装する。このとき、端子の受取りを一括に
できれば、一括実装もし得る。
【0013】上記端子が圧接端子であれば、保持治具に
圧接端子を装填し、その圧接端子に電線を圧接するよう
にすれば、従来同様、治具の上方から電線を装填でき
て、何ら支障がなく、圧接による電線付きの圧接端子を
得ることができる。この場合には、保持治具から電線付
き圧接端子を外してコネクタハウジングに装填するよう
にする。このようにすれば、図26の圧着端子と同様
に、コネクタハウジングのキャビティにその後面から圧
接端子を挿入できて作業性がよい。保持治具上で圧着を
行うこともできる。
【0014】上記端子は上記キャビティの前面から挿入
されて、キャビティの後壁面に当接して位置決めされる
とともに、そのキャビティ下方のばね板の突起に係止し
て抜け止めが行われるようにすれば、キャビティ内の端
子が安定し、圧接などの作用が安定する。
【0015】この保持治具には上記押し上げピンを付設
することができ、その構成としては、上記各貫通孔にそ
れぞれ前記押し上げピンが上記キャビティに突出可能に
設けられ、その各押し上げピンは、保持治具ベースに摺
動自在の押し上げ板に設けられて、その押し上げ板は、
保持治具ベース下方から、押し上げ部材により押し上げ
られ昇降するものであるものを採用し得る。
【0016】このようにすれば、コネクタハウジングの
キャビティの態様が変更して保持治具をそれに対応した
ものにする際、保持治具を交換するだけで対応できる。
すなわち、押し上げ部材は押し上げ作用を行うことがで
きればよいため、各態様の保持治具に兼用することがで
きる(図22、図23の実施形態参照)。
【0017】このとき、上記保持治具ベースには、押し
上げ板を、押し上げピンがキャビティから退去する復帰
方向に付勢するばねを設ければ、押し上げ板の自重等に
よる復帰、又は押し上げ部材による復帰等の作用が不要
となり、作用が確実となり、コスト的にも安価なものと
し得る。
【0018】また、上記各端子に対応して上記貫通孔が
その端子の長さ方向に2個設けられているとともに、そ
の2個の貫通孔に対応して上記押し上げピンもそれぞれ
設けられており、その両押し上げピンは端子の電線接続
部の前後で押し上げるようにすれば、2点支持のため、
押し上げ作用が安定するうえに、その2点が接続部の前
後のため、電線の自重による負荷も安定して支え、この
ため、押し上げもより安定する。
【0019】
【実施の形態】この発明に係るコネクタハウジングへの
電線付き圧接端子の実装装置(ワイヤーハーネス製造装
置)の一実施例の概略を図1に示し、基台10上にガイ
ドレール11が設けられているとともに、そのガイドレ
ール11に沿って端子tの実装機20、電線調尺機3
0、圧接機40、検査器50及び端子実装機60を設け
ている。前記ガイドレール11には、例えば、特開平1
0−241473号公報、特願平10−337249
号、特願平10−350013号等で開示されるよう
に、治具パレット12が、図示鎖線矢印のごとく、コン
ベアにより左から右に移動し、右端に至ると、図示しな
い昇降アームによって治具パレット12は下方に下降さ
れ、同じくコンベアによって左端に移行され、同じく昇
降アームによって、ガイドレール11の左端に位置され
る。すなわち、治具パレット12はそのルート(鎖線矢
印)を循環し、その移動中に、端子tの装填、電線aの
圧接、端子の受渡しを行う。
【0020】治具パレット12は、図7に示すように、
ベース13に端子tを支持するキャビティ14a付きの
圧接治具(ブロック)14を6個並列したものである。
その治具14及びそのキャビティ14aの数は任意であ
るが、それらは、一般に、一つの治具パレット12によ
って、圧接端子tを実装するコネクタハウジングの数、
そのコネクタハウジングのキャビティの数によって決定
する。例えば、この実施例では、図21等に示す電線配
索のワイヤーハーネスWを製造する場合であり、コネク
タハウジングCが3個で、かつ、そのコネクタハウジン
グCのキャビティsが上下二段であり、その一段に5個
のキャビティsがある。このため、後述のように、一つ
の治具パレット12から実装される圧接端子tの群数
は、3×2=6であり、その群内の端子tの数は5個で
あるため、治具14は6個、そのキャビティ14aは5
個となっている。因みに、全ての治具14…を一つの一
体もので構成し得る。
【0021】治具14には、図8に示すように各キャビ
ティ14aに短冊状ばね片15bがそれぞれ対応するば
ね板15がその各ばね片15bを一体にした基部15c
でもって下面にねじ止めされたプレート16がねじ止め
されており、端子tがキャビティ14a内に矢印方向か
ら挿入されると、そのプレート16により位置決めされ
るとともに、ばね板15の突起15aが鎖線のごとく撓
んで端子tに係止して端子tの抜け止めを行う。端子t
は上方から装填することもできる。端子tは、プレート
16に当て片17を当てがうことによって、その浮き上
がりを防止するとよい。当て片17は、ベース13や他
の部材に取付けて、後述の端子tの突き上げ時(押し上
げ時)には、退去するものとしたり、常時は、ばねによ
って下方に付勢されるとともにそのばねに抗し上方に揺
動して端子tの上方への移動を許すようにする。各キャ
ビティ14aには治具14の下面から2本の貫通孔18
が通じている。
【0022】端子実装機20は、例えば特開平10−2
08844号公報に記載のごとく、端子リールT1 〜T
4 からの端子帯から各種の端子tを選択的に一個づつ切
断して、上記治具14のキャビティ14aに実装する。
このとき、端子tのコネクタハウジングCへの実装は、
一つの治具14の単位で行うため、その挿入端子配列に
対応して各治具14にその配列で端子tを実装する。こ
のため、途中に、空キャビティ14aを有する場合もあ
る。端子リールT 1 〜T 4 は矢印のごとく適宜に移
動して端子実装機20の端子帯受入れ位置に対応する。
【0023】電線調尺機30は、特開平10−1544
23号公報、特願平10−349947号、特願平10
−337042号及び上記特願平10−337249号
に開示されているように、複数のサプライSから任意の
電線aを選択して、複数本一度に、又は一本づつ所要長
さ調尺して送り出し、その端をハンド31でつかんで次
段の圧接機40に移送する。ハンド31は、調尺機30
の電線出口と圧接機40の圧接位置を矢印のごとく往復
してその移送を行うもので、1本のアームから成ったり
(特願平10−337042号、同337249号参
照)、2本のアームからなる。2本のアームのものは、
その両アームを調尺機30と圧接機40に交互に至らせ
て移送する(特願平10−349947号参照)。
【0024】圧接機40は、特開平10−241473
号公報、特開平10−106370号公報、特開平10
−106371号公報及び上記未公開の各出願に開示さ
れているように、電線を一本づつ、又は複数本を選択的
に圧接するものであり、ハンド31によって移送された
電線端を治具14内の所要の端子tに圧接する。このと
き、治具パレット12が左右に動いて、所要の位置の端
子tが圧接位置に位置されて、圧接が行われる。このた
め、特開平10−241473号公報等に開示のごと
く、各種の配線態様の圧接を治具パレット12上で行う
ことができる。例えば、図1、図18に示すように、治
具14が並列方向に順々に対になって、その対同士のみ
に電線配索されたり、図19に示すように、各治具14
それぞれ相互任意に電線配索するなどの各種の配線態様
をし得る。図19のものでは図21に示すような電線a
がクロスしたワイヤーハーネスWとなる。このため、ワ
イヤーハーネスWの配線態様に応じて、各治具14上に
電線配索する。
【0025】また、この治具14上における圧接は、治
具14が鋼などの硬い金属でできておれば、その押圧力
でキャビティ14a間の壁が撓むこともない。このた
め、硬質金属製とすれば端子tを挿入せずに圧接しない
空キャビティを設けても、後工程の端子挿入等に支障が
ない。さらに、治具14上の圧接は、コネクタハウジン
グの形状に関係なく、キャビティ形状が同一であれば、
同一の治具14でよい。因みに、前記特開平10−10
6370号公報等記載の電線調尺機30と圧接機40を
併合したロボットで電線調尺圧接を行うようにもし得
る。
【0026】検査機50は、特願平11−98716号
等に記載のように、CCDカメラによって各端子tへの
電線圧接状態を撮像し、その像に基づき、圧接の適否を
判定するものであり、例えば、正常な圧接状態とそうで
ない状態を比較して判定する。この判定は、人が行って
も、自動的に行ってもよい。
【0027】端子実装機60は、図10に示すように、
電線aが圧接された端子付の治具パレット12が矢印の
ごとく移動して端子挿入位置Oにくると、各治具14か
ら端子tを取出して左右に動くコネクタハウジング保持
板(パレット)61のハウジングCにその端子tを実装
するものであり、その詳細を図1乃至図6に示す。すな
わち、端子挿入位置Oの下方の基台10内に端子突き上
げ治具81を昇降させるエアシリンダ82が設けられ、
上方に、端子受取り治具71を有するハンド70が昇降
自在に設けられている。受取り治具71及び突き上げ治
具81はパレット12上の一の治具14に対応して、一
の治具14が保持し得る端子tの数、その受取り溝7
2、ピン83を有している。受取り溝72は上方に連続
して後述のブレード73が挿入される溝72aが形成さ
れている(図11参照)。また、ハンド側の治具71の
下面にはハンド70に設けたシャッター84が通過可能
になっており、このシャッター84の穴84a内をピン
83が通る。
【0028】したがって、図12(a)に示すように、
挿入位置の治具14に対し、突き上げ治具81が上昇す
ると、各ピン83が治具14の貫通孔18を通ってキャ
ビティ14a内の端子tを突き上げて同図(b)(c)
に示すように受取り治具71側に移送する。この突き上
げ時、ピン83は、端子tの圧接部の前後(図14のp
−q点)に当接して突き上げる。また、図5、図13に
示すように、後述の選択されたブレード73が他のブレ
ード73に対し前もって進行しており、そのブレード7
3の先端73bに端子tの一部が嵌まり込んで、電線a
が導かれた端子tの端面がその先端73bで支持され
る。このため、電線aの重力によって後方に引かれるに
もかかわらず、端子tは傾くことなく治具71内に移送
される(受渡される)。この受渡しは、治具14と71
間のキャビティ14a、72内で行われるため、ピック
アップミス(受渡しミス)も激減し、後工程の端子挿入
ミスも激減する。突き上げは2本のピン83でもって2
点p、qで行うことが好ましいが、一本でもよく、3本
以上とすることもできる。いずれも、端子tが傾くこと
なく移送される位置を突き上げするものとする。
【0029】ハンド70は、図2に示すように基台10
上のスライドシリンダ90の上部フレーム91に支持板
78、スライダ79を介して昇降自在に支持されてお
り、スライドシリンダ90によってフレーム91が矢印
のごとく動くことにより、待機位置と実装位置に前後に
移動する。支持板78の昇降は、フレーム91に設けた
アクチュエータ92によって行われ、最上位の待機位置
と、最下位の受取り位置と、中位の実装位置の3位置を
昇降する。
【0030】上記端子受取り治具71は、ハンド70の
先端下面に設けられ、その側方に上記シャッター84が
設けられている。このシャッター84はシリンダ85に
より進退し、上述の治具14から受取り治具71への端
子tの受渡しが終わると、シリンダ85によりそのシャ
ッター84が治具71の下面に送り込まれ、ハンド70
の上昇時、そのシャッタ84が端子t下面の前後に当て
がわれて端子tの治具キャビティ72からの脱落が防止
される。なお、シャッター84の送り込みには、治具1
4、71間にそのための間隙が必要であり、ハンド70
の上記下降時にその隙間を形成してもよいが、ピン83
の端子突き上げ後、ピン83とともに、又はハンド70
のみその隙間分上昇して、その隙間を形成してもよい。
因みに、治具14、71がより近接しておれば、好まし
くは当接しておれば、受渡しはより確実となる。
【0031】挿入ハンド70には、図6及び図13に示
すように、所要数(この実施形態では5本)の挿入ブレ
ード73が並列されて、その各ブレード73にはエアシ
リンダ74がそれぞれ付設されている。そのエアシリン
ダ74を選択的に駆動することにより、任意の挿入ブレ
ード73を他に比べて所要長さ(符号r)突出させ、そ
の状態で、ロックピン75をエアシリンダ76で押し出
して、各ブレード73の穴73aに通す。その状態で、
ハンド70をコネクタハウジングCに近接した後、エア
シリンダ77により、全ブレード73を進行すると、図
13(b)に示すように、選択されたブレード73のみ
が端子tを押してコネクタハウジングCのキャビティs
に挿入する。図5、6中、74aはブレード73の復帰
用コイルばねである。
【0032】このとき、図4、図5に示すように、端子
受取り治具71を有する部材86とシリンダ77のロッ
ドが連結された部材87は、ハンドベースのレール70
aに前後方向にスライダー86a、87aを介してスラ
イド自在に設けられ、かつエキスパンドシャフト88で
連結されている。このエキスパンドシャフト88は、そ
のシャフト88aの一端が一方の部材86の突部に進退
自在に支持されているとともに他端が他方の部材87の
突部に貫通固定されており、そのシャフト88aにコイ
ルばね88bが嵌挿され、シャフト88aの途中に止め
輪88cが固着されている。このため、エアシリンダ7
7のロッド77aが進行すると、一方の部材86が調整
ねじ89に当接するまで両部材86、87が進行し、そ
れ以後、他方の部材87がばね88bに抗して進行し
て、ブレード73が受取り治具71に対し進行し、端子
tを押し出してコネクタハウジングCに挿入する。
【0033】なお、図11の鎖線に示すように、シャッ
ター84にガイド突起84bを形成し、端子挿入時、そ
の端子tの両側のスタビライザt’がそのガイド突起8
4bを跨ぐようにガイドされながら進むようにするとよ
い。すなわち、端子挿入時、シャッター84がガイドと
なるようにするとよい。このようにすれば、端子tが横
振れすることなく、円滑に挿入される。
【0034】上記端子tのコネクタハウジングCへの挿
入における各ブレード73の選択作用は、特開平10−
106371号公報記載の各圧接刃の選択的な作用と同
じである。このように、ブレード73の押出しによる端
子挿入であると、図15に示すように、図24の圧接端
子tの挿入のキャビティsのピッチ(図15(b))よ
り、ハンド3がないため、小さなピッチのコネクタハウ
ジングC(同図(a))でも端子tの実装が可能とな
る。また、複数の端子tを同時に実装すれば、図24の
ごとく、一個づつ端子をハンドして実装するものに比べ
て、タクトが著しく短縮される。因みに、一本一本で
は、タクトアップに限界があるうえに、チャックミスに
よる実装ミスも生じ易い。さらに、各ブレード73の選
択機構により、キャビティs間隔が同じであれば、大き
さの異なるハウジングCやロック部があるハウジングC
にも対応でき、また、キャビティsの間隔が整数倍であ
れば、それにも対応し得る。
【0035】上記コネクタハウジング保持板61は、図
2、3に示すように、基台10に設けたガイド69に左
右方向に移動自在に支持されているとともに、基台10
に設けたスライドアクチュエータ64の移動子64aに
その一端が固定されており、アクチュエータ64によ
り、同図鎖線のごとく左右に移動する。その移動位置
は、後述のハウジング保持枠62がそれぞれ端子実装位
置Oに対応する3点及びそれから所要量離れて退避する
3点の計6点である。
【0036】コネクタハウジング保持板61には、図
3、図9に示すように、ハウジング保持枠62が回転可
能に設けられている。この保持枠62は、ハウジングC
を押して支持する突子65とその突子65を押すばね6
5aを有しており、突子65の止め輪66を引いて、ハ
ウジングCを保持枠62に嵌合した後、突子65(止め
輪66)を離すと、ばね65aによってハウジンクCが
押されて、確実に支持される。その押圧力は止め輪66
のねじ込み量によって調整する。突子65は規制子66
aに嵌合して保持枠62を実装位置に定めて、ハウジン
グCの一の段のキャビティsが端子挿入位置となる。
【0037】コネクタハウジング保持板61の後方の基
台10の上フレームには、図2、図16に示すように挿
入位置Oのロータリーシリンダ63が設けられており、
ロータリシリンダ63の係合子63aがその保持枠62
の係合穴62aに嵌合して回ることにより、図17の
(a)から(b)のごとく、180度回転して、コネク
タハウジングCを上下逆にする(反転する)。この動作
は、保持板61の各保持枠62について行われる。この
とき、ロータリシリンダ63の回転は、図9のごとく、
突子65が規制子66aに嵌合するときには、前述のよ
うにその嵌合により、一の段のキャビティsが挿入位置
となるが、それから反転した際には、ハウジングCの他
の段のキャビティsが挿入位置となるようにその回転位
置がシリンダ自身によって規制される。
【0038】したがって、上述のハンド70によってコ
ネクタハウジングCに対向した端子tはブレード73の
進行によって、その挿入位置OのハウジングCのキャビ
ティsにその後面から挿入されて実装される。一のハウ
ジングCの一段に端子挿入されると、保持板61が左方
又は右方に所要量移動し、挿入ハンド70は次の電線付
き端子tの受取り動作に移行する。前記挿入したハウジ
ングCの退去は、端子受取り時の電線aの絡みを防止す
るためである。その端子受取りが終了すれば、保持板6
1がその一のハウジングCが挿入位置になるように移動
し、その後、そのハウジングCが反転されて再び端子t
の挿入を行う。このとき、挿入ハンド70は、保持板6
1の移動に従い上昇して、反転作用の邪魔にならないよ
うに位置し、ハウジングCの反転後下降して挿入作用に
移行する。これらの作用は、図18(a)(b)(c)
に示すように、IのハウジングCの上段aにパレット1
2のaの治具14の端子tを挿入し、つぎに、同(b)
に同(b)の端子tを挿入し、以後、II、III のハウジ
ングC、Cにも同様にしてパレット12のc、d、e、
fの端子tを挿入する。この挿入順序は、配線仕様、絡
み度合等を考慮して適宜に変える。
【0039】全てのコネクタハウジングCへの電線付き
端子tの実装が終われば、保持板61は右端に移動し、
人又はロボットにより、保持枠62からコネクタハウジ
ングCが取除かれるとともに、新たなハウジングCが保
持枠62に装着される。一方、治具パレット12は端子
実装機20に移送される。以上の作用のフローチャート
を図20に示す。
【0040】このように、コネクタハウジングCを反転
させて端子を挿入するのは、治具パレット12上に同一
向きに並列された端子tを上下の端子tの背が向き合う
ように実装するためであり、同一向きの場合には反転さ
せる必要がない。因みに、従来、背が向き合う端子tの
挿入は、一方の端子tを反転した後に行っていた。ま
た、キャビティsは2段に限らず、1段でもよく、又3
段以上でもよい。それらの場合、挿入ハンド70の昇降
等の動きはその段数に対応させる。
【0041】上記の端子実装により、例えば図21に示
すワイヤーハーネスwを得ることができ、これは、圧着
端子tによるワイヤーハーネスwと同様に、キャビティ
sの後面から端子tを挿入したものである。このため、
圧接端子tを圧着端子用コネクタハウジングCに実装し
得る態様とすれば、圧着端子とハウジングCを共用する
ことができる。また、空キャビティsがある場合には、
その空キャビティsに、圧接端子のみならず、圧着端子
も挿入(実装)し得る。
【0042】図22、23には、保持治具14の他例を
示し、この実施形態は、治具14に押し上げピン(突き
上げピン)83を付設したものである。すなわち、治具
ベース14’の下部に凹所14bを形成し、上述のピン
83付き押し上げ板(突き上げ治具)81をその凹所1
4bに昇降自在に嵌め込み、その板81をエアシリンダ
82によって押し上げるようにし、ばね86により、常
時ピン83はキャビティ14aから退去しているように
したものである。
【0043】この実施形態は、エアシリンダ82のピス
トンロッド82’の上昇により、図22(b)のごと
く、押し上げ板81及びピン83が押し上げられて、ピ
ン83によりキャビティ14aから端子tが押し出され
て(突き上げられて)受取り治具71に受渡される。こ
のように、治具14にピン83を付設することにより、
コネクタハウジングCのキャビティsが図23の(a)
から(b)に変更しても(キャビティ幅がAからB(A
<B)に変更しても)、そのハウジングCに対応した治
具14に交換するだけで対応し得る。すなわち、図12
の実施形態は、治具14の交換のみならず、エアシリン
ダ82からピン83付き押し上げ板(突き上げ治具)8
1を取外して、交換せねばならず、そのためのツールチ
ェンジ機構が必要であり、手作業においては、基台10
内の作業となり、煩わしいものである。
【0044】なお、治具14のキャビティ14aの幅と
受取り治具71のキャビティ72の幅とハウジングCの
キャビティsの幅を順々に大きくなるように設定すれ
ば、横幅を狭くされた端子tが順々に広いキャビティに
挿入されることとなり、その挿入作用が円滑となる。ま
た、保持治具14において圧着ができれば、圧着端子に
おいても、上述の圧接と同様な作用効果を得ることがで
きる。
【0045】
【発明の効果】この発明は、以上のような保持治具とし
たので、その治具において圧接等を行い、その端子をコ
ネクタハウジングに実装することができ、一のコネクタ
ハウジングに圧接端子及び圧着端子を実装できて、その
ハウジングの共通化、安価化などを図ることができ、コ
ネクタ付電線、例えばワイヤーハーネスのコストダウン
を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態の概略斜視図
【図2】同実施形態の端子実装部分の一部切断左側面図
【図3】同端子実装部の部分正面図
【図4】同端子実装部のハンド部の平面図
【図5】同ハンド部の一部切断正面図
【図6】同ハンド部の底面図
【図7】同実施形態の治具パレットの平面図
【図8】(a)は端子圧接治具の斜視図、(b)は同治
具の切断正面図
【図9】図3の要部斜視図
【図10】同実施形態の端子実装作用の概略図
【図11】同実施形態の治具パレットから挿入ハンドへ
の受渡し部の分解斜視図
【図12】同受渡し作用説明図
【図13】端子挿入作用図
【図14】端子挿入作用図
【図15】コネクタハウジングの比較図
【図16】同実施形態におけるコネクタハウジングの保
持反転部を示し、(a)は概略断面図、(b)は作用図
【図17】コネクタハウジングへの端子実装作用図
【図18】同実施形態の端子実装作用説明図
【図19】他の同端子実装用説明図
【図20】同実施形態の作用フローチャート図
【図21】同実施形態による製造ワイヤーハーネスの一
例図
【図22】他の保持治具を示し、(a)は要部断面図、
(b)は作用図
【図23】同保持治具による作用図
【図24】圧接作用図
【図25】圧接作用図
【図26】圧着端子の実装作用図
【符号の説明】
10 基台 11 ガイドレール 12 治具パレット 14 保持治具 14a 保持治具キャビティ 15 ばね 15a ばね突起 18 ピン貫通孔 20 端子実装機 30 電線調尺機 31 電線移送ハンド 40 圧接機 50 圧接検査機 60 端子実装機 61 コネクタハウジング保持板 62 コネクタハウジング保持枠 63 ロータリシリンダ 70 端子挿入ハンド 71 端子受取り治具 73 端子挿入ブレード 75 ブレードロックピン 81 端子突き上げ治具(押し上げ板) 81a 押し上げ板復帰用コイルばね 82 突き上げ(押し上げ)エアシリンダ 82’ 押し上げ部材 83 突き上げピン(押し上げピン) 84 端子抜け落ち防止用シャッター C、C1 、C2 コネクタ(コネクタハウジング) s キャビティ w ワイヤーハーネス a 電線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特許2769247(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01R 43/20 H01R 43/01 H01R 43/048

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 保持治具14に端子tを装填し、その端
    子tに電線aを接続し、つぎに、その電線a付き端子t
    を前記保持治具14の下面から押し上げピン83で上方
    に押し上げて外すとともに端子受取り治具71に移載
    し、その端子受取り治具71から前記圧接端子tを押し
    出して、コネクタハウジングCのキャビティsにその後
    面から前記電線付き端子tを挿入して、コネクタハウジ
    ングCに電線付き端子を実装する際の前記保持治具14
    であって、 上記端子tが装填されるキャビティ14aが上面に並列
    に設けられて、そのキャビティ14aから電線aが接続
    された端子tが上方に抜け出し可能となっており、下面
    には、上記押し上げピン83の貫通孔18がキャビティ
    14aに至って設けられているコネクタハウジングへの
    電線付き端子の実装用保持治具。
  2. 【請求項2】 上記端子tは上記キャビティ14aの前
    面から挿入されてキャビティ14aの後壁面に当接して
    位置決めされるとともに、そのキャビティ14a下方の
    ばね板15の突起15aに係止して抜け止めが行われる
    ことを特徴とする請求項1に記載のコネクタハウジング
    への電線付き端子の実装用保持治具。
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