JP3302516B2 - 格納箱 - Google Patents

格納箱

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JP3302516B2
JP3302516B2 JP25924194A JP25924194A JP3302516B2 JP 3302516 B2 JP3302516 B2 JP 3302516B2 JP 25924194 A JP25924194 A JP 25924194A JP 25924194 A JP25924194 A JP 25924194A JP 3302516 B2 JP3302516 B2 JP 3302516B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は格納箱に関する。すなわ
ち、内部に種々の物品を収納して保管,運搬する、アル
ミ製の格納箱に関する。
【0002】
【従来の技術】図3,図4はこの種従来例の格納箱を示
し、図3の(1)図は外観斜視図、図3の(2)図は分
解斜視図であり、図4の(1)図は要部の縦断面図、図
4の(2)図は要部の横断面図、図4の(3)図は
(1)図の要部拡大図である。これらの図面にも示した
ように、この種格納箱は、前後,左右の4面の各サイド
パネル1,2,3,4とフロアパネル5とで本体部を構
成し、この本体部の開放された上面が蓋Lにて開閉可能
となっている。そして、従来のこの種格納箱は、各々平
板状をなし折曲箇所等も存しないサイドパネル1,2,
3,4やフロアパネル5が用いられると共に、各縦コー
ナー部間に配される4本の縦モール6や、周隅部に配さ
れる一体の略台座枠状の下モール7等を介し、スポット
溶接等にて接合,組立てられていた。そして図4に示し
たように、サイドパネル1,2,3,4やフロアパネル
5と、縦モール6や下モール7との当接,スポット溶接
P箇所付近において、両者間の境目に、シール材Sが
縦,横に全体的に介装されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来例にあっては、次の問題が指摘されていた。第1
に、この種のシール材Sとしては、シリコンやゴム系の
ものが一般的に用いられており、粘液状の状態で塗布さ
れた後、時間をかけて自然硬化するようになっている。
そして従来は、このようなシール材Sが縦、つまり縦方
向や縦面で介装されることが多かったので(図4の
(2)図の各シール材Sや、図4の(1)図の上位のシ
ール材Sを参照)、塗布されたシール材Sが流れ易いと
いう難点があった。もって、従来の格納箱にあっては、
各サイドパネル1,2,3,4と縦モール6や下モール
7との間の境目のシール性に不備が生じやすく、防水性
に問題が生じていた。
【0004】第2に、シール材Sの塗布は、直線的かつ
均一に実施することを要し、その塗布作業が容易でな
く、更にシール材Sは、塗布された後に自然硬化のため
の時間を要する。そして、従来の格納箱にあっては、こ
のようなシール材Sの塗布,介装箇所が、縦,横共に多
くシール長が長かったので、シール材Sの塗布,介装作
業に手間取り、作業性が悪く長時間の作業時間を要す
る、という問題が指摘されていた。
【0005】第3に、図4に示したように、従来の各サ
イドパネル1,2,3,4やフロアパネル5と、縦モー
ル6や下モール7との当接,接合箇所は、一端側の境目
にシール材Sが介装されると共に、他端側が外部に露出
していた。そこで、図4の(3)図中に矢示したよう
に、外部とシール材S間の水の浸入経路が直線的で短か
く、外部から水が浸入しやすいという指摘があった。従
来の格納箱にあっては、この面からもシール性,防水性
に問題が指摘されていた。
【0006】第4に、外部荷重を受けた場合に、各サイ
ドパネル1,2,3,4やフロアパネル5が損傷,屈
曲,変形等しやすく、もって内部に収納された物品に悪
影響を及ぼすことがある、という問題も指摘されてい
た。
【0007】本発明は、このような事情に鑑み、上記従
来例の問題点を解決すべくなされたものであって、サイ
ドパネルとフロアパネルの当接,接合箇所について、内
側からシール材を介装すると共に、外側を下モール部や
底モール部で完全に覆う構造を採用したことにより、第
1に、縦に介装されるシール材が廃止され、もってシー
ル性が向上し、第2に、シール材の塗布,介装箇所が削
減され、シール長が短いと共に位置的にシール材の塗布
も容易であり、作業性が向上し、第3に、外部とシール
材間の水の浸入経路が長く、この面からもシール性が向
上し、第4に、特にフロアパネルが保護され、その損
傷,屈曲,変形等が防止される。そして第5に、サイド
パネルの各縦コーナー部を覆う縦モール部を採用したこ
とにより、特にサイドパネルが保護され、その損傷,屈
曲,変形等が防止される、格納箱を提案することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成する本発
明の技術的手段は、次のとおりである。すなわち、この
格納箱は、内部に種々の物品を収納して保管,運搬する
ものであり、アルミ製よりなる。そして、折曲加工され
て4面を形成し側端が無端状に接合された筒状をなすと
共に、内フランジ状に折曲加工された下側の横折曲周端
部を備えたサイドパネルと、該サイドパネル上を開閉可
能な蓋と、該サイドパネルの横折曲周端部上に外周端部
が当接,接合された平坦なフロアパネルと、略台座枠状
の底モール部と、を有してなる。該底モール部は断面略
L字状をなし、上側周端部が該サイドパネルの横折曲周
端部近くの上部位に接合されると共に、内側周端部が該
フロアパネルの外周端部近くの部位に接合され、もって
周隅部を全体的に覆っており、かつシール材が、該サイ
ドパネルとフロアパネルとの上述した当接箇所の端上
に、全周にわたり介装されている。
【0009】そして、この格納箱は、更に、該サイドパ
ネルの各縦コーナー部の外側を覆う、各縦モール部を備
えてなる。各該縦モール部は、断面略L字状をなし、左
右両端部が該サイドパネルの各縦コーナー部近くの部位
にそれぞれ接合されると共に、該サイドパネルの各縦コ
ーナー部との間に隙間が形成されている。
【0010】
【作用】本発明は、このような手段よりなるので、次の
ように作用する。この格納箱では、サイドパネルの横折
曲周端部上にフロアパネルの外周端部が、当接,接合さ
れると共に、内側では、当接箇所の端上に全周にシール
材が介装され、外側では、サイドパネルの横折曲周端部
の上位と底モール部の上側周端部間が接合され、かつ、
フロアパネルの外周端部近くと底モール部の内側周端部
間が接合されている。このようにして、サイドパネルと
フロアパネルの当接,接合箇所は、シール材にてシール
されると共に、底モール部にて完全に覆われている。
【0011】さてそこで、この格納箱にあっては、第1
に、縦のシール材、つまり縦方向や縦面で塗布,介装さ
れるシール材を廃止し、シール材を、当接箇所上や当接
箇所の端上に横の略平面で塗布,介装するので、塗布さ
れたシール材が流れにくく、シール性が向上する。第2
に、このようにシール材は、当接箇所上や当接箇所の端
上に1本の環状に塗布,介装されるので、まずシール材
の塗布,介装箇所が削減され、シール長が半分以下に短
縮されると共に、塗布しやすい位置にシール箇所が設定
され塗布が容易であり、もって作業性が向上する。第3
に、外部とシール材間に凹凸,迂回,折曲箇所が形成さ
れており、水の浸入経路が長く、この面からもシール性
が向上する。第4に、外部荷重を受けた場合、下モール
部や底モール部が、損傷,屈曲,変形等することがあっ
ても、フロアパネル等は、このような下モール部や底モ
ール部にて保護され、その損傷,屈曲,変形等が防止さ
れる。
【0012】そして、この格納箱にあっては、更に、そ
のサイドパネルの各縦コーナー部は、縦モール部にて隙
間を存しつつ外側から覆われている。そこで第5に、外
部荷重を受けた場合、縦モール部が損傷,屈曲,変形等
することがあっても、サイドパネルはこれにより保護さ
れており、その損傷,屈曲,変形等は防止される。
【0013】
【実施例】以下本発明を、図面に示すその実施例に基づ
いて、詳細に説明する。なお図1は、本発明には属さな
い参考例を示し、(1)図は要部の縦断面図、(2)図
はサイドパネルの斜視図、(3)図は下モール部の斜視
図である。図2は、本発明の実施例を示し、(1)図は
縦断面図、(2)図は横断面図である。
【0014】この格納箱は、内部に種々の物品を収納し
て保管,運搬するものであり、アルミ製よりなり、サイ
ドパネル8とフロアパネル9と蓋Lとからなる(前述し
た図3の(1)図も参照)。すなわちこの格納箱は、ア
ルミニウムや、ジュラルミン等のアルミ合金製よりな
り、箱状をなし、内部に機器,機材,部品,医療品,貴
重品,食品,その他の物品が収納される。そして、サイ
ドパネル8とフロアパネル9とで本体部を構成し、この
本体部の開放された上面が、蓋Lにて開閉可能となって
おり、リッドとも称される蓋Lは、サイドパネル8の一
面上にヒンジにて取付けられるか、又は、サイドパネル
8上とは分離可能で上方より被せられるようになってい
る。
【0015】サイドパネル8は、折曲加工されて4面を
形成し、側端が無端状に接合された筒状をなす。つまり
サイドパネル8は、図1の(2)図に示した参考例と同
様に、1枚のアルミ平板を各コーナーでそれぞれ90度
内側に、プレス加工等により折曲加工されると共に、縦
の継ぎ目たる両側端縁を、ラップさせると共にスポット
溶接P,その他の溶接,リベット締め,折曲してかしめ
るヘミング加工,接着等にて、接合してなる。なお図示
例では、このような接着方式としてスポット溶接Pが採
用されているが、適宜上述したその他の接合方式を採用
してもよく、以下に述べる接合方式についてもこれに準
じる。
【0016】まず、図1の本発明には属さない参考例の
格納箱について述べる。この参考例の格納箱は、上述し
た構成に加え、下方にフランジ状に折曲加工された縦折
曲周端部10を備えたフロアパネル9と、サイドパネル
8の下側周端部11およびフロアパネル9の縦折曲周端
部10が上方から嵌入される周縦溝12が形成されると
共に、上方への縦周延出部13および内方への横周延出
部14が形成された、一体の略台座枠状の下モール部1
5と、を有してなる。
【0017】これらについて詳述すると、まずフロアパ
ネル9は、図1の(1)図に示したように、アルミ平板
の周端部全周を、下方に直角にフランジ状に折曲加工し
た縦折曲周端部10を備え、もって、前述した図1の
(2)図のサイドパネル8の内面と見合った大きさ・広
さよりなる。下モール部15は、図1の(1)図や
(3)図に示したように、同一断面形状の略台座枠状に
折曲形成されたアルミ製よりなり、継ぎ目たる両端縁が
一体的にスポット溶接P等にて接合されている。下モー
ル部15の周縦溝12は、予めアッセンブリされたサイ
ドパネル8の下側周端部11とフロアパネル9の縦折曲
周端部10が、上方から嵌入可能な幅と深さとを備えて
いる。下モール部15の縦周延出部13は、周縦溝12
の片面上に面一に延出立設され、横周延出部14は、周
縦溝12の他面から直角に横に延出されており、それぞ
れ周縦溝12形成部よりは肉薄となっている。
【0018】そして、サイドパネル8の下側周端部11
とフロアパネル9の縦折曲周端部10とが、予めアッセ
ンブリされ、当接されてスポット溶接P等にて接合され
ると共に、下モール部15の周縦溝12に嵌入されてい
る。又、サイドパネル8の下側周端部11近くの上部位
と、下モール部15の縦周延出部13とが、スポット溶
接P等にて接合され、又、フロアパネル9の縦折曲周端
部10近くの内側部位と、下モール部15の横周延出部
14とが、スポット溶接P等にて接合されている。この
格納箱にあっては、このようにしてサイドパネル8,フ
ロアパネル9,下モール部15間がそれぞれ接合される
と共に、下モール部15が格納箱の周隅部下を全体的に
覆っている。これと共に事後、シール材Sが、サイドパ
ネル8とフロアパネル9の当接箇所上、つまり、当接,
接合された下側周端部11と縦折曲周端部10上の直角
当接部位上に、全周にわたり塗布,介装されている。シ
ール材Sとしては、シリコンやゴム系のものが通常使用
される。図1の参考例の格納箱は、このようになってい
る。
【0019】以下、図2の本発明の実施例の格納箱につ
いて述べる。この本発明の実施例の格納箱は、図2の
(1)図に示したように、内フランジ状に折曲加工され
た下側の横折曲周端部16を備えたサイドパネル8と、
サイドパネル8の横折曲周端部16上に外周端部17が
当接,接合された平坦なフロアパネル9と、一体の略台
座枠状の底モール部18と、を有してなる。
【0020】これらについて詳述すると、このアルミ板
製のサイドパネル8は、下側の周端部全周を、内側に直
角に内フランジ状に折曲加工した横折曲周端部16を備
え、このサイドパネル8の横折曲周端部16上に、平坦
なフロアパネル9の外周端部17が、載置,当接された
後、スポット溶接P等にて全周的に接合されている。底
モール部18は、断面略L字状に折曲形成されたアルミ
製よりなり、上側周端部19が、サイドパネル8の横折
曲周端部16近くの上部位にスポット溶接P等にて接合
されると共に、内側周端部20が、フロアパネル9の外
周端部17近くの内側部位にスポット溶接P等にて接合
され、もって格納箱の周隅部を全体的に覆っている。こ
の格納箱にあっては、このようにしてサイドパネル8,
フロアパネル9,底モール部18間が、それぞれ接合さ
れている。
【0021】底モール部18は、本体部21に対し上側
周端部19や内側周端部20が、段差により内方に若干
突出した断面形状よりなる。そして、本体部21縦部と
サイドパネル8間には、隙間Hが形成されると共に、本
体部21横部上にサイドパネル8の横折曲周端部16が
位置し、もって、その上のフロアパネル9の外周端部1
7等に段差が発生しないようになっている。これと共に
事後、シール材Sが、サイドパネル8とフロアパネル9
との当接箇所の端上、つまり、当接,接合された横折曲
周端部16と外周端部17の内側端上付近に、全周にわ
たり塗布,介装されている。
【0022】そして、この格納箱にあっては、更に、図
2の(2)図に示したように、サイドパネル8の4箇所
の縦コーナー部22の外側を覆う4個の縦モール部23
を備えてなる。この各縦モール部23は、断面略L字状
のアルミ製よりなり、左右の両端部24がサイドパネル
8の各縦コーナー部22近くの両側部位に、スポット溶
接P等により接合されると共に、サイドパネル8の各縦
コーナー部22との間に隙間Hが形成されている。
【0023】すなわち、この縦モール部23は、前述し
た底モール部18に準じた断面形状よりなり、本体部2
5に対し左右の両端部24が、段差により内方に若干突
出してなる。もって、サイドパネル8の縦コーナー部2
2との間に隙間Hが形成されると共に、このような隙間
Hにて、前述したサイドパネル8の縦の継ぎ目のラップ
箇所も吸収されている。つまり、図2の(2)図中右下
部分に示したように、筒状をなすサイドパネル8につい
て、継ぎ目の重なってスポット溶接Pされた箇所や、折
曲してかしめられたヘミング加工箇所等の段差が、格納
箱の内面にあらわれず外面側に出ると共に、このように
段差を生じたサイドパネル8の縦コーナー部22外面
が、縦モール部23との間の隙間H内に位置し、格納箱
の外側には露出しないようになっている。
【0024】本発明は、以上説明したように構成されて
いる。そこで以下のようになる。図2の本発明の実施例
の格納箱は、筒状をなすと共に下側の横折曲周端部16
を備えたサイドパネル8と、蓋Lと、断面略L字状をな
す底モール部18と、を有してなる。そして、サイドパ
ネル8の横折曲周端部16上にフロアパネル9の外周端
部17が、当接,接合されている。
【0025】これと共に内側では、両者の当接箇所の端
上に全周にシール材Sが介装され、外側では、サイドパ
ネル8の横折曲周端部16の上部位と底モール部8の上
側周端部19間が接合され、かつ、フロアパネル9の外
周端部17近くの部位と底モール部18の内側周端部2
0間が接合されている。このようにして、サイドパネル
8の横折曲周端部16とフロアパネル9の外周端部17
間、つまりサイドパネル8とフロアパネル9の当接,接
合箇所は、シール材Sにてシールされると共に、底モー
ル部18にて完全に覆われている。
【0026】更に、この格納箱では、上述したところに
加え、各縦モール部23を備えてなる。そして、縦モー
ル部23は断面略L字状をなし、それぞれ左右両端部2
4がサイドパネル8の各縦コーナー部22近くに接合さ
れ、もって隙間Hを存しつつ、サイドパネル8の各縦コ
ーナー部22を外側から完全に覆っている。
【0027】さてそこで、このような図2の本発明の実
施例の格納箱にあっては、共に、次の第1,第2,第
3,第4のようになる。第1に、シール材Sとしては、
一般にシリコンやゴム系のものが用いられ、粘液状の状
態で塗布された後、時間をかけて自然硬化される。そこ
でこの格納箱にあっては、前述したこの種従来例で用い
られていた縦のシール材S、つまり縦方向や縦面で塗
布,介装されるシール材Sを廃止し、シール材Sを横の
略平面で塗布,介装するようになっている。すなわち、
シール材Sは、サイドパネル8の横折曲周端部16とフ
ロアパネル9の外周端部17の当接箇所の端上に、全周
にわたり横の略平面で塗布,介装されている。従って、
塗布されたシール材Sは流れにくく、必要箇所を十分に
シールでき、シール性が向上する。
【0028】第2に、このようにシール材Sは、サイド
パネル8の横折曲周端部16とフロアパネル9の外周端
部17の当接箇所の端上に、それぞれ、いわば1本の環
状に横の略平面にて、塗布,介装されている。そこで、
この格納箱にあっては、前述したこの種従来例に比し、
シール材Sの塗布,介装箇所が削減され、シール長が半
分以下に短縮されると共に、塗布しやすい位置にシール
箇所が設定され、一般的には直線的かつ均一に塗布する
ことが容易でないとされているシール材Sの塗布も容易
である。従って、シール材Sの塗布,介装作業に手間取
ることもなく、その作業性が向上する。
【0029】第3に、外部とシール材S間には、底モー
ル部18の上側周端部19,内側周端部20,サイドパ
ネル8とフロアパネル9の当接,接合箇所等々が存して
いる。そこで、この格納箱にあっては、外部とシール材
S間の水の浸入経路に凹凸,迂回,折曲箇所が形成され
ており、前述したこの種従来例に比し、水の浸入経路が
長く、この面からもシール性が向上する。
【0030】第4に、外部荷重を受けた場合、外部荷重
は、まず、底モール部18に作用する。従って、この格
納箱にあっては、外部荷重にて下モール部15や底モー
ル部18が、損傷,屈曲,変形等することがあっても、
フロアパネル9更にはサイドパネル8は、このような下
モール部15や底モール部18にて保護され、その損
傷,屈曲,変形等が防止され、前述したこの種従来例に
比し、物品を収納する箱としての機能を確実に全うでき
る。
【0031】そして第5に、そのサイドパネル8の各縦
コーナー部22は、それそれ縦モール部23にて隙間H
を存しつつ外側から覆われている。従って外部荷重を受
けた場合、この格納箱ではまず、前述した底モール部1
8やこの縦モール部23に作用するので、これらが損
傷,屈曲,変形等することがあっても、サイドパネル8
等はこれにより保護されており、その損傷,屈曲,変形
等は防止され、前述したこの種従来例に比し、物品を収
納する箱としての機能をより確実に全うできる。
【0032】
【発明の効果】本発明に係る格納箱は、以上説明したよ
うに、サイドパネルとフロアパネルの当接,接合箇所に
ついて、内側からシール材を介装すると共に、外側を下
モール部や底モール部で完全に覆う構造を採用したこと
により、次の効果を発揮する。
【0033】第1に、縦に介装されるシール材が廃止さ
れるので、シール性が向上する。すなわち、この格納箱
にあっては、前述したこの種従来例で用いられていた縦
のシール材を廃止し、シール材を横の略平面で塗布,介
装するようにしたので、塗布されたシール材が流れにく
く、必要箇所を十分にシールできる等、シール性,防水
性が向上する。
【0034】第2に、シール材の塗布,介装箇所が削減
され、シール長が短いと共に、位置的にシール材の塗布
も容易であり、作業性が向上する。すなわち、この格納
箱にあっては、前述したこの種従来例に比し、シール材
の塗布,介装作業に手間取らず、その作業性が向上し、
その作業時間も短縮される。
【0035】第3に、外部とシール材間の水の浸入経路
が長く、この面からもシール性が向上する。すなわち、
この格納箱にあっては、前述したこの種従来例に比し、
水の浸入経路が長いので、外部から水が浸入しにくく、
この面からもシール性,防水性が向上する。
【0036】第4に、特にフロアパネルが保護され、そ
の損傷,屈曲,変形等が防止される。すなわち、この格
納箱にあっては、外部荷重を受けた場合、フロアパネル
を始めサイドパネル等の損傷,屈曲,変形等が防止さ
れ、もって、内部に収納された物品も確実に保護され、
前述したこの種従来例のような物品への悪影響も回避さ
れる。
【0037】そして第5に、特にサイドパネルが保護さ
れ、その損傷,屈曲,変形等が防止されるようになる。
すなわち、この格納箱にあっては、外部荷重を受けた場
合、特にサイドパネルの損傷,屈曲,変形等が防止さ
れ、もってこの面からも、内部に収納された物品が確実
に保護され、前述したこの種従来例のような物品への悪
影響は回避される。このように、この種従来例に存した
問題点が一挙にすべて一掃される等、本発明の発揮する
効果は、顕著にして大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明には属さない参考例の格納箱を示し、
(1)図は要部の縦断面図、(2)図はサイドパネルの
斜視図、(3)図はモール部の斜視図である。
【図2】本発明に係る格納箱の実施例を示し、(1)図
は縦断面図、(2)図は横断面図である。
【図3】従来例の格納箱を示し、(1)図は外観斜視
図、(2)図は分解斜視図である。
【図4】同従来例の格納箱を示し、(1)図は要部の縦
断面図、(2)図は要部の横断面図、(3)図は(1)
図の要部拡大図である。
【符号の説明】
8 サイドパネル 9 フロアパネル 10 縦折曲周端部 11 下側周端部 12 周縦溝 13 縦周延出部 14 横周延出部 15 下モール部 16 横折曲周端部 17 外周端部 18 底モール部 19 上側周端部 20 内側周端部 22 縦コーナー部 23 縦モール部 24 両端部 H 隙間 L 蓋 S シール材

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に種々の物品を収納して保管,運搬
    する、アルミ製の格納箱であって、 折曲加工されて4面を形成し側端が無端状に接合された
    筒状をなすと共に、内フランジ状に折曲加工された下側
    の横折曲周端部を備えたサイドパネルと、該サイドパネ
    ル上を開閉可能な蓋と、該サイドパネルの横折曲周端部
    上に外周端部が当接,接合された平坦なフロアパネル
    と、略台座枠状の底モール部と、を有してなり、 該底モール部は断面略L字状をなし、上側周端部が該サ
    イドパネルの横折曲周端部近くの上部位に接合されると
    共に、内側周端部が該フロアパネルの外周端部近くの部
    位に接合され、もって周隅部を全体的に覆っており、か
    つシール材が、該サイドパネルとフロアパネルとの上述
    した当接箇所の端上に、全周にわたり介装されており、 更に、該サイドパネルの各縦コーナー部の外側を覆う各
    縦モール部を備えてなり、各該縦モール部は断面略L字
    状をなし、左右両端部が該サイドパネルの各縦コーナー
    部近くの部位にそれぞれ接合されると共に、該サイドパ
    ネルの各縦コーナー部との間に隙間が形成されているこ
    と、を特徴とする格納箱。
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