JP3302343B2 - 木造建築用構造材相互の連結ピン - Google Patents

木造建築用構造材相互の連結ピン

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JP3302343B2
JP3302343B2 JP21724899A JP21724899A JP3302343B2 JP 3302343 B2 JP3302343 B2 JP 3302343B2 JP 21724899 A JP21724899 A JP 21724899A JP 21724899 A JP21724899 A JP 21724899A JP 3302343 B2 JP3302343 B2 JP 3302343B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は木造建築用構造材の
相互を連結するピンの改良に係り、殊更耐震性に富む強
固な連結状態を保てるにも拘らず、リフォームなどの必
要に応じて抜き出すこともできるように工夫したもので
ある。
【0002】
【従来の技術】木造建築物の軸組工法において、例えば
柱と土台、柱と梁、柱と胴差、土台と大引などの各種構
造材相互を、その構造材自身に仕口加工された継手部分
での直接に、又はその継手部分の補強用となる別な継手
金物を介して連結するような場合、その構造材相互の抜
け止めを図るため、古来からの木材製こみ栓に代る金属
製の連結ピンが打ち込み使用されている。
【0003】その金属製の特殊な連結ピンとしては、特
開平9−287201号の図4と特開平8−17036
9号に記載されており、これらが本発明に比較的近似す
る公知技術であると考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、特開平9−
287201号の図4に基き説示されたドラフトピン
(6)は、その頭部(6b)の楕円形状として、ピン脚
部(6a)の直径よりも径大な長軸寸法を備えることに
より、土台(1)のピン孔(7)や柱(2)のピン孔
(8)へ打ち込まれた時、そのピン孔(7)(8)へ頭
部(6b)の長軸部分が喰い込んで抜け止めされるよう
になっているとしても、その頭部(6b)におけるピン
脚部(6a)の円周面から張り出す径大な長軸部分の外
周面は、ドラフトピン(6)自身の軸線と平行する一定
長さの単純な円弧形状をなすに過ぎない。
【0005】そのため、ドラフトピン(6)があくまで
も打ち込み使用されるものであることとも相俟って、そ
の頭部(6b)におけるピン脚部(6a)からの張り出
し寸法が小さい場合には、上記ピン孔(7)(8)への
打ち込み作業を無理なく行なえる反面、建築中に振動や
衝撃などの外力を受けると、容易に抜け出してしまうお
それがある。
【0006】又、逆に上記張り出し寸法が大きい場合に
は、それだけ大きな抵抗を受けるので、打ち込み作業が
困難となり、無理に強く打ち込むと、上記ピン孔(7)
(8)の開口縁部に欠損や、延いてはその開口縁部から
波及する亀裂、歪みなどを生じて、土台(1)や柱
(2)などの構造材自身を弱体化させるに至る。
【0007】他方、特開平8−170369号に記載の
打込栓では、「円柱部(2)の上部(2a)の周りに、
それと一体に、螺旋片(螺旋の1回転分よりも十分短か
い長さ分)に沿って当該建築用打込栓(1)の軸(O−
O)に対して傾斜延長している多数の突条(4)が、等
角間隔を保って並置配列されている。」
【0008】しかし、その多数の突条(4)は、「円柱
部(2)の上部(2a)の周りに、螺旋片に沿って当該
建築用打込栓(1)の軸(O−O)に対して傾斜延長し
ている多数の圧痕条(5)を、相隣る2つの圧痕条
(5)間に円柱部(2)のもとの外表面よりも外方に盛
り上がった条が、突条(4)の1つとして生ずるように
付すことによって」生成されたものである。
【0009】つまり、上記突条(4)は一定の外径(φ
1)を有する円柱部(2)自身の外周面へ、その塑性変
形的に圧痕条(5)を陥没させることにより、これとの
相対的に圧痕条(5)の隣り合う相互間から盛り上げら
れたものとして、その盛り上げ高さが低く、これを背高
く盛り上げることにも、自づと一定の限界がある。
【0010】このことは打ち込み使用する打込栓(1)
として、柱や梁、桁などの構造材自身に割れや大きな内
部歪を生じさせない効果があるが、そのためには栓打込
み用孔の内径寸法を、上記円柱部(2)自身の外径(φ
1)と等しく高精度に加工する必要があり、さもなけれ
ばその栓打込み用孔へ確実に安定良く喰い付かせ固定す
ることができない。
【0011】更に、特開平8−170369号の場合、
その打込栓(1)が「栓打込み用孔内への打ち込み過程
で、栓打込み用孔に対して回動する」と説明されている
が、上記円柱部(2)における上部(2a)の突条
(4)は360度のネジとして刻設されておらず、「螺
旋片(螺旋の1回転分よりも十分短かい長さ分)に沿っ
て当該建築用打込栓(1)の軸(O−O)に対して傾斜
延長している」ものであるから、その軸(O−O)と交
叉する一定の傾斜角度分だけ捻られるに過ぎない。
【0012】上記打込栓(1)はあくまでも打ち込み使
用されるものである関係上、その軸(O−O)に対する
傾斜角度が小さい場合には、栓打込み用孔へ無理なく打
ち込み作業できる反面、それだけ抜け出してしまいやす
くなり、逆に上記傾斜角度が大きい場合には、仮令突条
(4)の盛り上げ高さが低くても、大きな抵抗を受ける
ため、その打ち込み作業を容易に行なうことができな
い。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような諸問
題の改良を企図しており、そのための構成上柱や土台、
大引、梁、胴差、桁などの各種構造材にプレ加工として
穿孔されたピン受け入れ用下穴の口径とほぼ等しい直径
を有する丸軸型ピン本体の先端部が、その下穴への進入
容易な先細りのほぼ截頭円錐型に形成された木造建築用
構造材相互の連結ピンを対象として、
【0014】上記ピン本体(10)の一定長さ(L3)
を有する頭部(13)に、回動操作工具用の係止面とな
る平行な一対の扁平面(14a)(14b)を切り欠く
ことにより、その頭部(13)を正面視のほぼ楕円型に
造形し、
【0015】そのほぼ楕円形をなす長軸上での一対とし
て向かい合う円弧面には、上記下穴 (11)の口径
(d)よりも径大な山径(D2)を備え且つその山径
(D2)が上記頭部(13)における全体長さ(L3)
のうち、ピン本体(10)と隣り合う側の部分的な一定
長さ(L4)分だけ、そのピン本体(10)へ接近する
程徐々に径小な傾斜扁平面(17a)(17b)となる
ネジ(16a)(16b)を、その一対の全体としてピ
ッチ(P)が連続する状態に刻成すると共に、
【0016】上記頭部(13)の平坦な頂面中央部には
外向き開口する回動操作工具用の係止凹溝(15)を正
面視の一文字型として、上記扁平面(14a)(14
b)の横断状態に切り欠き、
【0017】その係止凹溝(15)と咬み合う動力付き
回動操作工具(T)のアダプター(C)を、上記頭部
(13)の正面方向から係止凹溝(15)と両扁平面
(14a)(14b)へ係脱自在に差し込み係止させ
て、その回動操作工具(T)により上記ピン本体(1
0)を頭部(13)のネジ(16a)(16b)が螺進
する方向へ回動操作すれば、そのネジ(16a)(16
b)が上記下穴(11)の内壁面へ転造加工状態に喰い
付くこととなる一方、同じく回動操作工具(T)をその
ネジ(16a)(16b)が螺退する逆向きに回動操作
すれば、上記ピン本体(10)が下穴(11)から抜き
出されることとなるように定めたことを特徴とするもの
である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面に基いて本発明の具体
的構成を詳述すると、図1〜9はその本発明に係る連結
ピン(A)を示しており、(10)は強化ナイロン6樹
脂やその他の高強度な繊維強化プラスチック(FRP)
から一体成形された丸軸型のピン本体であって、一定の
長さ(L1)(例えば約100mm)と直径(D1)
(例えば約12mm)を備えているが、これは金属から
作成することもできる。
【0019】上記ピン本体(10)の直径(D1)は図
7〜9から示唆されるように、木造建築用柱や土台、大
引、梁、胴差、桁などの各種構造材(M)にプレ加工と
して穿孔されたピン受け入れ用下穴(11)の口径
(d)とほぼ等しい寸法に定められる。又、同じく長さ
(L1)はその各種構造材(M)の太さに応じて長短変
化される。
【0020】(12)は上記ピン本体(10)の先端部
であって、その一定長さ(L2)(例えば約10mm)
分だけ先細りのほぼ截頭円錐型に造形されることによ
り、上記構造材(M)の下穴(11)へ容易に進入する
調芯・先導作用を果すようになっている。
【0021】他方、(13)は上記ピン本体(10)の
頭部であるが、そのピン本体(10)の円周面が一定の
長さ(L3)(例えばピン本体の4分の1を占める約2
5mm)分だけ、平行な一対の扁平面(14a)(14
b)として切り欠かれることにより、図3〜5のような
正面視のほぼ楕円型に造形されている。
【0022】そのほぼ楕円型の短軸をなす両扁平面(1
4a)(14b)の間隔距離(W)は、例えば約7.4
mmとして、上記下穴(11)の口径(d)よりも径小
な寸法であり、その間隔距離(W)を保って向かい合う
一対の扁平面(14a)(14b)が、回動操作工具用
の係止面として機能し得るようになっている。
【0023】(15)はその両扁平面(14a)(14
b)を横断する正面視の一文字型(マイナス型)とし
て、上記頭部(13)の平坦な頂面中央へ外向き開口状
態に切り欠かれた回動操作工具用の係止凹溝であり、例
えば約7mmの切り欠き深さと、例えば約4mmの開口
幅を有している。
【0024】又、ほぼ楕円型の上記頭部(13)におけ
る長軸上での一対として向かい合う円弧面には、上記下
穴(11)の口径(d)よりも径大(例えば約14m
m)な山径(D2)を備えたネジ(16a)(16b)
が、その一対の全体としてピッチ(P)の連続する状態
に刻成されている。
【0025】しかも、図1、6から明白なように、その
ネジ(16a)(16b)の山径(D2)は上記頭部
(13)における全体長さ(L3)のうち、ピン本体
(10)と隣り合う側の部分的な一定長さ(L4)(例
えば約11.4mm)分だけ、そのピン本体(10)へ
接近する程徐々に径小化されており、頭部(13)の頂
面側を占める残余の部分的な一定長さ(L5)(例えば
約13.6mm)分では、上記下穴(11)の口径
(d)よりも径大な寸法を保ったままでの一定に均斉化
されている。
【0026】その場合、上記ネジ(16a)(16b)
の山径(D2)をピン本体(10)へ接近する程徐々に
径小化するため、図6、9から明白なように、そのネジ
(16a)(16b)の山部を結ぶ直線(Y−Y)がピ
ン本体(10)の軸線(O−O)と一定角度(α)(例
えば約5度)だけ交叉する傾斜扁平面(17a)(17
b)として、言わば山部を削り取ったような状態に形成
されている。
【0027】上記頭部(13)における全体長さ(L
3)のうち、そのピン本体(10)と隣り合う側の部分
的な一定長さ(L4)分だけが、このような傾斜扁平面
(17a)(17b)として造形されているため、その
ネジ(16a)(16b)の尖鋭な山部が潰れるおそれ
を効果的に防止でき、特に合成樹脂製の連結ピン(A)
にふさわしく有効な構成となる。
【0028】尚、上記ネジ(16a)(16b)の山部
を結ぶ直線(Y−Y)がピン本体(10)の軸線(O−
O)と交叉する一定角度(α)について、約5度の数値
を例示したが、これは頭部(13)の一定長さ(L3)
やネジ(16a)(16b)のピッチ(P)などとの関
係を考慮して、適度に設定することができる。
【0029】図10〜12は本発明の連結ピン(A)と
接合継手(B)を使用した土台(18)と大引(19)
との連結施工例を、図13、14は同じく柱(20)と
梁(21)との連結施工例を、図15、16は桁(2
2)同志の連結施工例を、図17は土台(18)と柱
(20)との連結施工例を各々示しているが、このよう
木造建築用の各種構造材相互を連結するに当っては、
次の通り作業すれば良い。
【0030】即ち、本発明に係る連結ピン(A)の使用
法を上記構成に基いて説明すると、予じめ図18のよう
なピン本体(10)の頭部(13)に切り欠かれた回動
操作工具用係止凹溝(15)と咬み合う先端形状が設け
られたソケットやビットなどのアダプター(C)を準備
しておく。
【0031】そのアダプター(C)の先端形状として
は、特に頭部(13)の係止凹溝(15)へ正面方向か
ら差し込み係止された状態のもとで、その頭部(13)
に向かい合う平行な扁平面(14a)(14b)をも横
方向から挟める一対のチャック爪(23a)(23b)
が設けられている。
【0032】そして、上記ピン本体(10)を先端部
(12)から構造材(M)の下穴(11)へ、或る程度
までの仮りに差し込んでおき、その頭部(13)の係止
凹溝(15)へ上記アダプター(C)を介して、エヤー
レンチや電動ドライバーなどの対応する動力付き回動操
作工具(T)を係脱自在に係止させ、上記ピン本体(1
0)を図19〜22のように、その頭部(13)のネジ
(16a)(16b)が螺進する方向へ回動操作するの
である。
【0033】そうすれば、上記頭部(13)のネジ(1
6a)(16b)が向かい合う一対として分離している
こととも相俟って、ピン本体(10)は構造材(M)の
下穴(11)を比較的に抵抗少なく進入し、その最終的
に上記頭部(13)のネジ(16a)(16b)が下穴
(11)の内壁面へ確実に喰い付くこととなり、構造材
(M)の相互を安定・強固な連結状態に保つことができ
る。
【0034】特に、上記ネジ(16a)(16b)の山
部がピン本体(10)と隣り合う側の部分的な一定長さ
(L4)分だけ、ピン本体(10)へ接近する程徐々に
径小な傾斜扁平面(17a)(17b)として造形され
ているため、その頭部(13)のネジ(16a)(16
b)が向かい合う一対として分離していることとも相
ち、上記ピン本体(10)を構造材(M)の下穴(1
1)へますます抵抗少なく進入させることができ、その
螺進過程において、上記ネジ(16a)(16b)を下
穴(11)の内壁面に対する転造加工状態に安定良く喰
い付かせ得るのであり、その内壁面をネジ切り加工する
ことによる切り屑の発生や構造材(M)自身の弱体化を
招かない点で、著しく有効となる。
【0035】上記のように構造材(M)の下穴(11)
へ喰い付き固定された連結ピン(A)は、建築中に振動
や衝撃などの自然的な外力を繰り返し受けるも、不慮に
抜け出すおそれはないが、木造建築物(住宅)の間取り
変更やその他のリフォームに応じては、上記回動操作工
具(T)を逆向きに回動操作して、同じ正面方向から頭
部(13)のネジ(16a)(16b)を螺退させるこ
とにより、そのピン本体(10)を構造材(M)の下穴
(11)から抜き出すことや再度の取り付けも可能であ
る。
【0036】その意味から言えば、構造材(M)の貫通
状態に穿孔された下穴(11)のみならず、その非貫通
状態に加工された下穴(11)であっても、上記連結ピ
ン(A)を支障なく適用することができ、各種構造材
(M)に対する汎用性と使用上の利便性に優れる。
【0037】尚、上記連結ピン(A)を高強度な合成樹
脂から成形する場合に、着色を与えておくならば、上記
構造材(M)の下穴(11)に対する取り付け忘れなど
を知る目印となる。
【0038】
【発明の効果】以上のように、本発明では柱や土台、大
引、梁、胴差、桁などの各種構造材(M)にプレ加工と
して穿孔されたピン受け入れ用下穴(11)の口径
(d)とほぼ等しい直径(D1)を有する丸軸型ピン本
体(10)の先端部(12)が、その下穴(11)への
進入容易な先細りのほぼ截頭円錐型に形成された木造建
築用構造材相互の連結ピン(A)において、
【0039】上記ピン本体(10)の一定長さ(L3)
を有する頭部(13)に、回動操作工具用の係止面とな
る平行な一対の扁平面(14a)(14b)を切り欠く
ことにより、その頭部(13)を正面視のほぼ楕円型に
造形し、
【0040】そのほぼ楕円形をなす長軸上での一対とし
て向かい合う円弧面には、上記下穴(11)の口径
(d)よりも径大な山径(D2)を備え且つその山径
(D2)が上記頭部(13)における全体長さ(L3)
のうち、ピン本体(10)と隣り合う側の部分的な一定
長さ(L4)分だけ、そのピン本体(10)へ接近する
程徐々に径小な傾斜扁平面(17a)(17b)となる
ネジ(16a)(16b)を、その一対の全体としてピ
ッチ(P)が連続する状態に刻成すると共に、
【0041】上記頭部(13)の平坦な頂面中央部には
外向き開口する回動操作工具用の係止凹溝(15)を正
面視の一文字型として、上記扁平面(14a)(14
b)の横断状態に切り欠き、
【0042】その係止凹溝(15)と咬み合う動力付き
回動操作工具(T)のアダプター(C)を、上記頭部
(13)の正面方向から係止凹溝(15)と両扁平面
(14a)(14b)へ係脱自在に差し込み係止させ
て、その回動操作工具(T)により上記ピン本体(1
0)を頭部(13)のネジ(16a)(16b)が螺進
する方向へ回動操作すれば、そのネジ(16a)(16
b)が上記下穴(11)の内壁面へ転造加工状態に喰い
付くこととなる一方、同じく回動操作工具(T)をその
ネジ(16a)(16b)が螺退する逆向きに回動操作
すれば、上記ピン本体(10)が下穴(11)から抜き
出されることとなるように定めてあるため、冒頭に述べ
た従来技術の諸問題を完全に改良できる効果がある。
【0043】即ち、本発明の上記構成によれば、ピン本
体(10)の一定長さ(L3)を有する頭部(13)が
正面視のほぼ楕円形に造形されており、その頭部(1
3)の平坦な頂面中央部に切り欠かれた一文字型の係止
凹溝(15)のみならず、その 頭部(13)における短
軸上での一対として向かい合う平行な扁平面(14a)
(14b)にも、正面方向から図18〜22のようなア
ダプター(C)を咬み合わせる如く差し込み係止させ
て、動力付き回動操作工具(T)により回動操作する連
結ピン(A)であるため、従来の打ち込み式連結ピンと
異なって、構造材(M)における下穴(11)の開口縁
部を欠損させたり、ましてその開口縁部から波及する亀
裂や歪みなどを生じさせたりするおそれがない。上記回
動操作工具(T)の回動トルクをピン本体(10)へ確
実にロスなく伝えて、各種構造材(M)の硬さに拘ら
ず、その下穴(11)へピン本体(10)をすばやく円
滑に進入させることができるのである。
【0044】しかも、上記頭部(13)のほぼ楕円形を
なす長軸上での一対として向かい合う円弧面には、構造
材(M)における下穴(11)の口径(d)より径大な
山径(D2)を備えつつも、その山径(D2)が頭部
(13)の全体長さ(L3)のうち、特にピン本体(1
0)と隣り合う側の部分的な一定長さ(L4)分だけ、
そのピン本体(10)へ接近する程徐々に径小な傾斜扁
平面(17a)(17b)となるネジ(16a)(16
b)を、その一対の全体としてピッチ(P)が連続する
状態に刻成してあるため、上記ピン本体(10)を正面
方向から回動操作すれば、その頭部(13)に一対とし
て分離しているネジ(16a)(16b)が、構造材
(M)の下穴(11)を抵抗少なく螺進することにな
り、それにも拘らず下穴(11)の内壁面へ確実に安定
良く喰い付いて、構造材(M)の相互を強固な連結状態
に保つことができ、建築中の振動や衝撃などを受ける
も、不慮に抜け出すおそれがない。
【0045】上記頭部(13)の向かい合う円弧面に刻
成されたネジ(16a)(16b)は、その頂面側を占
める一定長さ(L5)分において、上記下穴(11)の
口径(d)よりも径大な山径(D2)を備えているが、
ピン本体(10)と隣り合う側の一定長さ(L4)分に
おいては、そのネジ(16a)(16b)の山部を結ぶ
直線(Y−Y)がピン本体(10)の軸線(O−O)と
一定角度(α)だけ交叉する傾斜扁平面(17a)(1
7b)として、そのピン本体(10)へ接近す る程徐々
に径小化されているため、回動操作を受けた螺進過程の
ネジ(16a)(16b)は、上記下穴(11)の内壁
面を切削することなく、その内壁面へ転造加工状態に喰
い付くこととなり、切り屑の発生や構造材(M)自身の
強度低下を招くおそれもない。
【0046】上記傾斜扁平面(17a)(17b)の造
形によって、そのネジ(16a)(16b)の山部を潰
れ難く維持し得るため、本発明の連結ピン(A)を合成
樹脂から成形する場合に、著しく有益となる。
【0047】更に、本発明の連結ピン(A)を使用する
ことにより、構造材(M)の相互を強固な連結状態に保
てると雖も、木造建築物(住宅)の間取り変更やその他
のリフォームに応じては、上記ピン本体(10)を同じ
正面方向から逆に回動操作して、その頭部(13)のネ
ジ(16a)(16b)を螺退させることにより、上記
構造材(M)の下穴(11)から抜き出すこともでき、
その意味から非貫通状態に穿孔された下穴(11)に対
しても、支障なく使用し得ることとなり、汎用性と利便
性に著しく優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る連結ピンの第1実施形態を示す側
面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図1の拡大側面図である。
【図4】図1の4−4線に沿う拡大断面図である。
【図5】図1の5−5線断面図である。
【図6】図2の6−6線に沿う部分拡大断面図である。
【図7】図1の使用状態を示す断面図である。
【図8】図7の側断面図である。
【図9】図8の9−9線に沿う部分拡大断面図である。
【図10】本発明に係る連結ピンの使用による土台と大
引との連結施工例を示す斜面図である。
【図11】図10の連結状態を示す断面図である。
【図12】図11の12−12線断面図である。
【図13】同じく連結ピンの使用による柱と梁との連結
施工例を示す斜面図である。
【図14】図13の連結状態を示す断面図である。
【図15】連結ピンの使用による桁同志の連結施工例を
示す斜面図である。
【図16】図15の連結状態を示す断面図である。
【図17】連結ピンの使用による土台と柱との連結施工
例を示す断面図である。
【図18】本発明の連結ピンと回動操作工具用のアダプ
ターを示す斜面図である。
【図19】構造材の下穴に対する連結ピンの回動操作過
程を示す断面図である。
【図20】図19の20−20線断面図である。
【図21】図19に対応する連結ピンの進入完了状態を
示す断面図である。
【図22】図21の22−22線断面図である。
【符号の説明】
(10)・ピン本体 (11)・下穴 (12)・先端部 (13)・頭部 (14a)(14b)・扁平面 (15)・回動操作工具用の係止凹溝(16a)(16b)・ネジ (17a)(17b)・傾斜扁平面 (18)・土台 (19)・大引 (20)・柱 (21)・梁 (22)・桁 (A)・連結ピン (B)・接合継手 (C)・回動操作工具用のアダプター (M)・構造材 (D1)・ピン本体の直径 (D2)・ネジの山径 (d)・下穴の口径 (L3)・頭部の全体長さ (L4)・頭部の部分長さ (L5)・頭部の部分長さ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】柱や土台、大引、梁、胴差、桁などの各種
    構造材(M)にプレ加工として穿孔されたピン受け入れ
    用下穴(11)の口径(d)とほぼ等しい直径(D1)
    を有する丸軸型ピン本体(10)の先端部(12)が、
    その下穴(11)への進入容易な先細りのほぼ截頭円錐
    型に形成された木造建築用構造材相互の連結ピン(A)
    において、 上記ピン本体(10)の一定長さ(L3)を有する頭部
    (13)に、回動操作工具用の係止面となる平行な一対
    の扁平面(14a)(14b)を切り欠くことにより、
    その頭部(13)を正面視のほぼ楕円型に造形し、 そのほぼ楕円形をなす長軸上での一対として向かい合う
    円弧面には、上記下穴(11)の口径(d)よりも径大
    な山径(D2)を備え且つその山径(D2)が上記頭部
    (13)における全体長さ(L3)のうち、ピン本体
    (10)と隣り合う側の部分的な一定長さ(L4)分だ
    け、そのピン本体(10)へ接近する程徐々に径小な傾
    斜扁平面(17a)(17b)となるネジ(16a)
    (16b)を、その一対の全体としてピッチ(P)が連
    続する状態に刻成すると共に、 上記頭部(13)の平坦な頂面中央外向き開口す
    る回動操作工具用の係止凹溝(15)を正面視の一文字
    型として、上記扁平面(14a)(14b)の横断状態
    に切り欠、 その係止凹溝(15)と咬み合う動力付き回動操作工具
    (T)のアダプター(C)を、上記頭部(13)の正面
    方向から係止凹溝(15)と両扁平面(14a)(14
    b)へ係脱自在に差し込み係止させて、その回動操作工
    具(T)により上記ピン本体(10)を頭部(13)の
    ネジ(16a)(16b)が螺進する方向へ回動操作す
    れば、そのネジ(16a)(16b)が上記下穴(1
    1)の内壁面へ転造加工状態に喰い付くこととなる一
    方、同じく回動操作工具(T)をそのネジ(16a)
    (16b)が螺退する逆向きに回動操作すれば、上記ピ
    ン本体(10)が下穴(11)から抜き出されることと
    なるように定めたことを特徴とする木造建築用構造材相
    互の連結ピン。
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