JP3300576B2 - 球状希土類酸化物の製造方法 - Google Patents

球状希土類酸化物の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は蛍光体原料として有
用な球状希土類酸化物の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】希土類酸化物は蛍光ランプ、CRT などの
蛍光体の原料として用いられているが、蛍光体としては
粒子の形状が球状に近いほど塗布性能、発光効率共に良
く、球状希土類酸化物粒子に対する要望は強い。蛍光体
は一般に希土類酸化物と蛍光体の種類によって必要な他
の元素(S、P、Si 、B、Al 等)の原料および融剤
とを粉体で混合して焼成して得られるが、希土類酸化物
の粒子が球状であればそれを使って得られ蛍光体の粒子
も大部分が球状になる。特開平3−271117号公報、特開
平3−271118号公報には、反応温度を20℃以下に保つこ
とで球状希土類蓚酸塩粒子が得られ、それを焼成するこ
とで球状希土類酸化物が得られることが開示されてい
る。しかしこれらの実施例は全て濾別した蓚酸塩の沈殿
を、付着水分を除去する目的でメタノールで洗浄してい
るが、工業化を考えた場合、作業環境面、また排水公害
対策としてメタノールを流出させないための回収再生の
コストなどの問題があり、また引き続き行う焼成工程の
前にメタノールを完全に揮発させておかないと焼成炉内
で爆発の危険性があることからも大量生産には不向きで
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記諸欠点を
解決した製造方法であり、球状の整った粒子を安定かつ
容易に得られる製造方法を提供しようとするものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決するために検討を重ね、大量処理、工業化の容易
な球状希土類酸化物の製造方法を見出し、整った球状粒
子を安定かつ容易に得られる製造条件を確立し、本発明
を完成させたもので、その要旨は、希土類イオンと蓚酸
イオンとの反応において、反応系を−5℃以上20℃以下
に保って反応させ、生成した希土類蓚酸塩を前記温度範
囲下に所定時間保持した後沈殿を分離し、該沈殿を水に
分散、懸濁させ、該懸濁液を噴霧乾燥法によって乾燥し
た後、焼成することを特徴とする球状希土類酸化物の製
造方法、並びに噴霧乾燥の条件が、l)噴霧乾燥方式を
直径20〜 200mmの高速回転している円盤上に希土類蓚酸
塩懸濁液を滴下することにより液滴とし、熱風で乾燥す
る方式とする、2)噴霧乾燥にかける希土類蓚酸塩懸濁
液濃度を希土類元素濃度で 0.2〜3.0mol/Lとする、3)
回転円盤の回転速度を7000〜25000rpmとする、4)熱風
温度を120〜 300℃とする、5)熱風の単位時間当たり
供給量を供給懸濁液の5万〜 100万倍体積とする、の5
項目からなる球状希土類酸化物の製造方法にある。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
適用範囲は、希土類としてはイットリウムおよび原子番
号が57〜71のランタノイドであり、特にランタノイドの
内原子番号63(ユウロピウム)以上の元素とイットリウ
ムである。本発明における球状とは真球、および短径に
対する長径の比が1.5 以下の略球形の粒子を意味する。
これは用途上充分な範囲であり、また大部分の粒子がこ
のような粒子で構成される球状希土類酸化物は、通常の
不定形粒子からなるものと比べて流動性が良く、従って
その指標である安息角は小さく、また嵩密度は大きい。
平均粒径(D50)は体積基準で表わしたもので、全粒子
体積の50%が平均粒径以下の粒子で占められる。粒度分
布の測定法はコールターカウンター(コールター社製商
品名)を用いた。安息角は傾斜法で測定した。嵩密度は
ゆるみ見掛け比重である。また非凝集とは、個々の粒子
が独立して存在しており、実質的に凝集部分が無いこと
を意味する。
【0006】球状希土類酸化物の製造方法としては、ま
ず、希土類イオンと蓚酸イオンとを、−5℃以上20℃以
下の温度で反応させ、球状の希土類元素蓚酸塩を沈殿さ
せる。希土類イオン源としては、希土類の塩化物、硝酸
塩等の水に可溶性の化合物の水溶液が挙げられる。希土
類元素の種類は1種でも、2種以上でも良く、また全希
土類濃度はあまり低いと生産性が悪いので、通常0.02mo
l/L 以上、好ましくは0.05〜0.5mol/Lの範囲が良い。蓚
酸イオン源としては、蓚酸あるいは蓚酸アンモニウム、
蓚酸ナトリウム等の水溶性蓚酸塩の水溶液または粉体が
使用できるが、蓚酸金属塩は蛍光体用原料としては一般
にアルカリ金属等の混入は嫌われるので好ましくなく、
また蓚酸アンモニウムは特公昭57−035853号等に記載さ
れているように NH4R(C2O4)2(ここにRは希土類元素)
という複塩を生成し、これは球状にならないので好まし
くなく、蓚酸を用いるのが良い。
【0007】蓚酸イオンの量は希土類総量に対してモル
比で 1.5〜2.0 の範囲が良い。1.5未満では希土類が完
全に沈殿せず収率が悪く、また2.0 あれば十分である。
反応を行うには希土類の水溶液、蓚酸水溶液を調整し、
いずれも−5℃以上20℃以下に保ってから混合する。こ
の混合時の温度は重要であり、低温ほど球形度の良いも
のが得られる傾向があるので、好ましくは反応系水溶液
の凝固点以上で10℃以下とするのが良い。希土類水溶液
と蓚酸水溶液の混合速度は粒径に大きな影響を及ぼすの
で、後から加える方の全液量を1〜30分間で加えるのが
良い。時間が長いほど粒径が大きくなり、極端に短いと
粒子が微細になり球状になりにくい。但し蓚酸を固形で
加える場合、徐々に溶解した蓚酸が反応してゆくので、
速く加えても良い。
【0008】生成沈殿した球状希土類蓚酸塩はスラリー
状のまま噴霧乾燥を行う。このスラリーには純度低下や
乾燥中の形状崩れを防ぐため、球状希土類蓚酸塩および
水以外に可溶性塩などの共存物がなるべく含まれない方
がよい。そこで沈殿生成後、母液と遠心分離、濾過など
によって分離し、さらに必要ならば水洗した後、再び純
水を加えて分散懸濁して噴霧乾燥用のスラリーとする
か、または、沈殿生成した液を静置するなどして沈殿を
沈降させた後、上澄液を捨て、純水を加えて撹拌してス
ラリーとすればよい(必要に応じてこの操作を繰り返
す)。これらの洗浄、希釈、分散懸濁に用いられる水の
温度は20℃以下、好ましくは15℃以下であることが望ま
しい。20℃を超える水を用いると、蓚酸塩粒子の形状が
崩れるおそれがある。また、噴霧乾燥にかけるスラリー
は希土類元素の濃度で0.2〜3.0mol/Lの範囲になるよう
に調整する必要がある。0.2mol/L未満では生産性が悪い
のみならず、噴霧乾燥に持ち込む水分が多すぎて、蓚酸
塩の水分除去が不十分になるおそれがあり、また3.0mol
/Lを超えると、スラリーの粘度が高すぎて噴霧乾燥を行
うのに必要な流動性が得られなくなる。スラリーに共存
する水溶性成分に関しては、濾過などによって一度固液
分離を行った後に水に再分散する場合は実質的に問題は
ない。静置沈降などで上澄液を捨てる方法の場合、蓚酸
濃度および塩濃度が希土類元素濃度の10分の1以下にな
っていることが必要で、操作としては水を加えて撹拌
し、静置沈降後に上澄液を捨てることを2〜3回以上行
えばよい。酸類や塩類が残留している場合、噴霧乾燥装
置の腐食の恐れがあると共に、乾燥後の球状希土類蓚酸
塩に多く残留した場合、次の焼成工程で粒子形状が崩れ
る原因になったり、あるいはその成分によっては焼成後
も不純物として残留するので純度低下となり蛍光体原料
として不適となる場合もある。
【0009】噴霧乾燥方法は、高速回転している円盤上
にスラリーを滴下し、遠心力で高速で切線方向に振り切
って微細な液滴とし、高温熱風で素早く乾燥させる一般
的な乾燥方式であるが、本発明では低温晶出させた球状
希土類蓚酸塩に最適の乾燥条件を確立した。この場合、
直径20〜200mm の円盤を使用し、円盤の回転数は7000〜
25000rpm、熱風温度 120〜 300℃、熱風の単位時間当
たりの供給量は供給スラリーの50,000〜 1,000,000倍体
積が望ましい条件である。円盤の回転数が7000rpm 未満
では生成液滴の大きさが大きくなり過ぎ、そのために脱
水、乾燥の初期速度が遅くなって、粒子形状が崩れる恐
れがある。また25000rpmを超えると粒径制御効果がな
く、乾燥効率も上がらず装置に負担をかけるのみであ
る。熱風温度は 120℃未満ではスラリーからの脱水が遅
く、粒子形状が崩れ易くなる。また 300℃を超えても乾
燥効率は上がらず不経済なだけである。熱風供給量がス
ラリー供給量に対して上記の範囲より少ないと乾燥が遅
く、粒子形状が崩れる恐れがあるが、上記の範囲を超え
ても効果はなく不経済である。
【0010】噴霧乾燥によって水分を除去した希土類蓚
酸塩を 600℃以上の温度で焼成すれば、球状希土類酸化
物が得られる。乾燥が十分なされていれば、焼成条件は
限定的ではないが、好ましくは昇温速度は 600℃/hrで
あることが望ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の作用は、低温晶出された
球状希土類蓚酸塩の球形を保持したまま乾燥しようとい
うもので、噴霧乾燥法により高温熱風で瞬時にスラリー
液滴を脱水すれば粒子界面の溶解による形状崩れを起こ
す暇もなく乾燥させることができるというものである。
以下、本発明の実施形態を実施例と比較例を挙げて具体
的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
【0012】
【実施例】
(実施例1)濃度0.3mol/L、pH 1.5の硝酸イットリウム
水溶液 4.5Lをバッフル、温度計、撹拌翼を取り付けた
10Lビーカー中に仕込み、5℃に保持した。濃度0.5mol
/Lの蓚酸水溶液 4.5Lを別に調整して7℃に保持した。
300rpmで撹拌しながら蓚酸水溶液全量を7分かけて添加
した。さらに5分間撹拌を続けた後生成した希土類蓚酸
塩の沈殿をブフナー濾斗で濾別し、10℃の水3Lで振り
かけ洗浄した。この希土類蓚酸塩を回収し、2Lビーカ
ーに移し入れ、撹拌しながら5℃の水450mL を加えて均
一なスラリーを調整した。このスラリーを噴霧乾燥機に
かけた。回転円盤は直径55mmのものを用い、回転数は 1
3000rpm 、熱風温度200 ℃、熱風供給量3.5m3/minで運
転した。スラリーは緩やかに撹拌しながら定量ポンプで
一定速度で供給し、全量 800mLの供給に30分要した。46
3gの球状粒子からなる乾燥希土類蓚酸塩を得た。ついで
この乾燥蓚酸塩を石英製の容器に入れて電気炉にセット
し、2時間かけて 850℃まで昇温し、引き続き1時間 8
50℃に保った後放冷して203gの酸化イットリウムを得
た。(乾燥蓚酸塩/酸化物=2.28(重量比)) この酸化物を電子顕微鏡で観察したところ非凝集性で球
状の粒子からなっており、平均粒径 6.9μm 、安息角37
°、嵩密度1.51g/cm3 であった。
【0013】(実施例2)濃度0.3mol/L、pH 1.4の硝酸
イットリウムと硝酸ユウロピウム混合水溶液(Eu /Y
=0.034 モル比)を用いることのほかは実施例1と同様
にして、473gの球状粒子からなる乾燥蓚酸塩を得た。そ
れを実施例1と同様に焼成してイットリウム、ユウロピ
ウム混合酸化物206gを得た。電子顕微鏡で観察したとこ
ろ非凝集性で球状の粒子からなっており、平均粒径 6.7
μm 、安息角39°、嵩密度1.49g/cm3 であった。
【0014】(実施例3)濃度0.3mol/L、pH 1.3の硝酸
ガドリニウム水溶液を用いることのほかは実施例1と同
様にして、580gの球状粒子からなる乾燥蓚酸塩を得た。
これを実施例1と同様に焼成して酸化ガドリニウム326g
を得た。電子顕微鏡で観察したところ非凝集性で球状の
粒子からなっており、平均粒径 7.0μm 、安息角39°、
嵩密度1.49g/cm3 であった。
【0015】(比較例1)実施例1と同条件で沈殿生
成、分離、洗浄した蓚酸塩を乾燥工程を設けることなく
そのまま石英容器に入れた。この時蓚酸塩の極少量を採
取し、電子顕微鏡で観察したところ、非凝集性で球状の
粒子からなっていた。これを実施例1と同条件で焼成し
て204gの酸化イットリウムを得た。電子顕微鏡で観察し
たところ、棒状、板状、不定形の粒子からなっており、
平均粒径 3.2μm 、安息角70°以上で測定困難、嵩密度
0.53g/cm3 であった。
【0016】(比較例2)実施例1と同条件で沈殿生
成、分離、洗浄した蓚酸塩を 110℃に保った送風乾燥機
中に24時間置いた。この段階で蓚酸塩の極少量を採取
し、電子顕微鏡で観察したところ、球状粒子は見られ
ず、微細から粗大までさまざまなサイズの角張った粒子
からなっていた。重量は501gであった。この蓚酸塩を実
施例1と同条件で焼成して204gの酸化イットリウムを得
た。(乾燥蓚酸塩/酸化物=2.46(重量比))電子顕微
鏡で観察したところ、棒状、板状、不定形の粒子からな
っており、平均粒径10.4μm 、安息角68°、嵩密度0.72
g/cm3 であった。
【0017】(比較例3)実施例lと同条件で沈殿生
成、分離、洗浄した蓚酸塩を回収し、10Lビーカーに入
れ、撹拌しながら5℃の水9Lを加えて均一なスラリー
を調製した。このスラリーを噴霧乾燥機にかけた。スラ
リー濃度とスラリー供給時間以外の、噴霧乾燥機の運転
条件は実施例lと同様とし、スラリーは緩やかに撹拌し
ながら定量ポンプで一定速度で供給し、全量略 9.4Lの
供給に 4.5時間要した。 475grの乾燥蓚酸塩を得た。こ
の段階で蓚酸塩の極く少量を採取し、電子顕微鏡で観察
したところ、球状粒子が全体積の凡そ半分ほどは見られ
るものの、角張った粒子がかなり混在していた。この蓚
酸塩を実施例lと同条件で焼成して 199grの酸化イット
リウムを得た。電子顕微鏡で観察したところ、球状粒子
は僅かしかなく、多くは株状、板状、不定形の粒子から
なっており、平均粒径 7.4μm、安息角69゜、嵩密度0.
66gr/cm3であった。
【0018】(比較例4)実施例lと同条件で沈殿生
成、分離、洗浄した蓚酸塩を回収し、実施例lと略同濃
度になるようにスラリーを調整した。これを円盤の回転
数が 6000rpmであることのほかは実施例lと同条件で噴
霧乾燥にかけた。スラリーの供給は全量約 800mlに32分
かかった。 486grの乾燥蓚酸塩を得た。この段階で蓚酸
塩の極く少量を採取し、電子顕微鏡で観察したところ、
球状粒子も僅かにみられるものの、棒状、板状、不定形
の粒子が大部分であった。この蓚酸塩を実施例lと同条
件で焼成して 202grの酸化イットリウムを得た。平均粒
径 7.9μm、安息角70゜以上で測定困難、嵩密度0.62/c
m3であった。
【0019】(比較例5)
1 実施例lと同条件で沈殿生成、分離、洗浄した蓚酸塩を
回収し、実施例lと略同濃度になるようにスラリーを調
整した。これを熱風温度が 100℃であることのほかは実
施例lと同条件で噴霧乾燥にかけた。スラリーの供給は
全量約 800mlに32分かかった。 518grの乾燥蓚酸塩を得
た。この段階で蓚酸塩の極く少量を採取し、電子顕微鏡
で観察したところ、球状粒子は見られず、棒状、板状、
不定形の粒子からなっていた。この蓚酸塩を実施例lと
同条件で焼成して 205grの酸化イットリウムを得た。平
均粒径 4.9μm、安息角70゜以上で測定困難、嵩密度0.
55/cm3であった。
【0020】(比報例6)実施例lと同条件で沈殿生
成、分離、洗浄した蓚酸塩を回収し、実施例lと略同濃
度になるようにスラリーを調整した。これを熱風の供給
量が 1.0m3/min であることのほかは実施例lと同条件
で噴霧乾燥にかけた。スラリーの供給は全量約 800mlに
32分かかった。 490grの乾燥蓚酸塩を得た。この段階で
蓚酸塩の極く少量を採取し、電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、球状粒子も主成分であるが、細かい棒状、板状の粒
子が混在し、また、球状粒子もその多くに深い割れ目が
見られた。この蓚酸塩を実施例lと同条件で焼成して 1
98grの酸化イットリウムを得た。電子顕微鏡で観察した
ところ、球状粒子も凡そ半分ほど見られるものの、球が
幾つかに割れたような粒子や、棒状、坂状の粒子が混じ
っており、平均粒径 6.4μm、安息角54゜、嵩密度1.22
/cm3であった。
【0021】(比較例7)実施例lと同条件で沈殿生
成、分離、洗浄した蓚酸塩を回収し、実施例lと略同濃
度になるようにスラリーを調整した。これをスラリーの
供給速度のほかは実施例lと同条件で噴霧乾燥にかけ
た。スラリーの供給は全量約 800mlを6分で供給した。
481gr の乾燥蓚酸塩を得た。この段階で蓚酸塩の極く少
量を採取し、電子顕微鏡で観察したところ、球状粒子も
主成分であるが、細かい棒状、板状の粒子が混在し、ま
た、球状粒子もその多くに深い割れ目が見られた。この
蓚酸塩を実施例lと同条件で焼成して 200grの酸化イッ
トリウムを得た。電子顕微鏡で観察したところ、球状粒
子も凡そ半分ほど見られるものの、球が幾つかに割れた
ような粒子や、棒状、坂状の粒子が混じっており、平均
粒径 6.1μm、安息角58゜、嵩密度1.10/cm3であった。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、非凝集性球状希土類酸
化物粒子を安定且つ容易に得ることができ、産業上その
利用価値は極めて高い。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−23214(JP,A) 特開 平3−271117(JP,A) 特開 平2−271118(JP,A) 特開 平8−59233(JP,A) 特開 平8−59234(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01F 17/00 B01J 2/02 C09K 11/78 CPB

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】希土類イオンと蓚酸イオンとの反応におい
    て、反応系を−5℃以上20℃以下に保って反応させ、生
    成した希土類蓚酸塩を前記温度範囲下に所定時間保持し
    た後沈殿を分離し、該沈殿を水に分散、懸濁させ、該懸
    濁液を噴霧乾燥法によって乾燥した後、焼成することを
    特徴とする球状希土類酸化物の製造方法。
  2. 【請求項2】噴霧乾燥の条件が下記の5項目を満たすこ
    とを特徴とする請求項lに記載の球状希土類酸化物の製
    造方法。 l)噴霧乾燥の方式が、直径20〜 200mmの高速回転して
    いる円盤上に希土類蓚酸塩懸濁液を滴下することにより
    液滴とし、熱風で乾燥する方式であること。 2)噴霧乾燥にかける希土類蓚酸塩懸濁液濃度が、希土
    類元素濃度で 0.2〜3.0mol/Lであること。 3)回転円盤の回転速度が7000〜25000rpmであること。 4)熱風温度が 120〜 300℃であること。 5)熱風の単位時間当たり供給量が供給懸濁液の5万〜
    100万倍体積であること。
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