JP3299310B2 - 海洋生物の付着防止材料 - Google Patents

海洋生物の付着防止材料

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は加硫ゴムを基体としてそ
の中に防汚化合物が分散した海洋生物の付着防止材料に
関する。
【0002】
【先行技術】海洋生物の付着防止材料として、防汚塗料
が従来広く使用されている。防汚塗料は、海洋生物の付
着を防止する薬剤の放出機構により、崩壊型、拡散型お
よび加水分解型の三種に分類できる。
【0003】崩壊型塗料は、マトリックスとして酸化重
合油を使用することにより海水との摩擦時に塗膜が崩壊
し、防汚剤が放出される。従って、塗膜強度が乏しく、
防汚性の長期にわたる継続性が期待できない。
【0004】拡散型塗料は、マトリックスに海水に溶け
ない、即ち不溶性の樹脂を使用し、防汚剤のキャリヤー
となる溶出助剤とから構成される。溶出助剤がマトリッ
クス中に海水を呼び込み、海水との接触面とマトリクス
中の防汚剤の濃度差勾配により、防汚剤が低濃度の海水
側へ拡散放出される。従って、長期間浸漬し濃度差勾配
が徐々に小さくなると同時に、防汚剤の拡散放出量が少
なくなり、防汚性が浸漬初期に比してかなり低下すると
いう欠点を有する。
【0005】加水分解型塗料は、加水分解型樹脂をマト
リックスとし、これに防汚剤を分散混合して得られる。
海水との接触面における樹脂が海水と親和し分解される
と同時に防汚剤が海水中に放出される。従って、常に新
しい塗膜が海水との接触面に保持され、常に一定の防汚
剤が放出される。つまり、防汚剤の除放化が成され、防
汚性の長寿命化が達成される。寿命は、塗膜厚みを厚く
することにより長期化が可能である。しかしながら、現
実的には塗膜の厚みは数ミリ程度が限度であるため、数
年の寿命が最大である。
【0006】また、従来の海洋生物付着防止材料は、有
機錫(ブチル錫、フェニル錫等が代表的)のような毒性
の高い薬剤にて海洋生物を殺傷して付着を防止してい
た。しかし、近年の環境破壊に対する懸念とともに安全
衛生上の点から、これら各種薬剤は使用禁止になりつつ
ある。そこで、より安全、低毒性の薬剤による海洋生物
付着忌避材料の開発・上市が活発に行われている。しか
しながら、低毒性であるが故に一成分系薬剤では、その
防汚効果は十分なものであるとは言えない。例えば、配
合薬剤の特性、すなわち対動物性か対植物性かにより、
その忌避効果も自ら限定された特性となる。従って、海
洋性動物および海洋性植物のいずれに対しても充分に付
着防止効果のある材料の出現が望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】かくして、本発明は長
期間に渡って海洋性動物および海洋性植物いずれの付着
を防止する機能を有する材料の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記目的を達
成すべく鋭意研究を行った結果、膜厚を大とすることが
容易な加硫ゴムに着目し、これに特定の化合物を組み合
わせて含有したところ、海洋性動植物いずれにも防汚性
能が長期間保持されることを見い出し本発明を完成する
に至った。
【0009】すなわち、本発明によれば、タンニン、サ
ポニンおよびニコチン酸アミドからなる化合物群から選
択される少なくとも一種の海洋性動物に対して忌避活性
を有する化合物およびイソチオシアネート類、有機砒素
類およびマレイミド類からなる化合物群から選択される
少なくとも一種の海洋性植物に対して忌避活性を有する
化合物を含有するゴム組成物を加硫して得られる海洋生
物の付着防止材料が提供され、本発明の目的が達成され
る。
【0010】
【作用】本発明の海洋生物の付着防止材料は加硫ゴムを
基体としているので、膜厚を大とすることができ、その
結果、防汚性能が長期間保持される。また防汚剤として
海洋性植物に有効な化合物および海洋性動物に有効な化
合物を適切に組み合わせて用いているので、海洋性動植
物いずれにも付着防止機能が発現する。
【0011】
【構成】以下、本発明の構成を詳述するが、本発明の好
ましい態様およびそれに基づく利点が明らかとなろう。
【0012】海洋性動物に対して忌避活性を有する化合
本発明の材料においては、タンニン、サポニンおよびニ
コチン酸アミドからなる化合物群から選択される少なく
とも一種の化合物を、海洋性動物に対する忌避活性物質
として使用する。
【0013】この化合物は、本発明の付着防止材料の加
硫ゴム成分100重量部に対して、通常、2〜40重量
部、好ましくは2〜20重量部含有するように用いられ
る。あまり過剰の使用は加硫系への阻害要因になった
り、物性低下の原因となるのであまり好ましくない。
【0014】海洋性植物に対して忌避活性を有する化合
イソチオシアネート類、有機砒素類およびマレイミド類
から選択される少なくとも一種の化合物は海洋性植物に
対する忌避活性物質として使用する。
【0015】有機砒素類としては、10,10−オキシ
ビスフェノキシアルシン
【化1】 を好ましく例示することができる。
【0016】マレイミド類としては、下記一般式で示さ
れるN−アリールマレイミド類を好ましく挙げることが
できる。
【化2】 (上記式中、X1 、X2 は、互いに独立に、水素原子お
よびハロゲン原子から選択され、Y1 は、水素原子、ハ
ロゲン原子、アルキル基、低級アルコキシ基、ニトロ
基、水酸基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル
基、フェニル基、フェニルアミノ基、アルケニル基、チ
オシアノ基、スルホン基、アセチルアミノ基およびスル
ファモイル基から選択され、Y2 は、水素原子、ハロゲ
ン原子、アルキル基、低級アルコキシ基、ニトロ基およ
び水酸基から選択され、Y3 は、水素原子、ハロゲン原
子およびジアルキルアミノ基から選択される。)
【0017】なかでもN−(2,4,6−トリクロロフ
ェニル)マレイミド、N−(3,5−ジクロロフェニ
ル)マレイミド、N−(4−アニリノフェニル)マレイ
ミド、N−(2,5−キシリル)−2,3−ジクロロマ
レイミド等が好ましいが、本発明では、特に、N−
(2,4,6−トリクロロフェニル)マレイミドが好適
である。
【0018】イソチオシアネート類としては、アルキル
イソチオシアネート類、アルキルイソチオシアネートの
モノメチルチオエーテル類、アリールイソチオシアネー
ト類などが例示されるが、なかでも2,4−ジクロロフ
ェニルイソチオシアネート、3,4−ジクロロフェニル
イソチオシアネートが好ましい。
【0019】これらの海洋性植物に対する忌避活性物質
は、本発明の付着防止材料の加硫ゴム成分100重量部
に対して、通常、5〜50重量部、好ましくは10〜3
0重量部含有するように用いられる。あまり過剰の使用
は加硫系への阻害要因、諸物性の低下となり好ましくな
い。
【0020】ゴム成分 加硫前のゴムとして具体的に、天然ゴム、ポリイソプレ
ンゴム、ポリブタジエンゴム、クロロプレンゴム、SB
R、NBR、EPDM、ハロゲン化ブチルゴム、エチレ
ン−酢酸ビニルゴム、アクリルゴム、クロロスルホン化
ポリエチレンゴム、エポクロルヒドリンゴム、フッ素ゴ
ム、シリコーンゴム、ニトリルゴム/塩化ビニル樹脂ブ
レンド、ニトリルゴム/EDDMのブレンド、塩素化ポ
リエチレンゴム、液状ポリイソプレン、液状ポリブタジ
エン、液状1,2−ポリブタジエン、液状スチレン−ブ
タジエンゴム、液状アクリロニトリル−ブタジエンゴ
ム、液状ポリクロロプレンゴム、液状ポリブタジエンの
末端変性物、水添液状ポリイソプレン、水添液状ポリブ
タジエン、液状ポリスルフィドゴム、液状シリコーンゴ
ム、液状ポリアルキレングリコール、液状ポリ(テトラ
オキシメチレン)グリコール、ポリ(オキシプロピレ
ン)を例示できる。
【0021】なかでもクロロブレン、NBR、シリコー
ンゴムおよび液状シリコーンゴムが好ましい。
【0022】本発明の材料の製造方法 本発明の海洋生物の付着防止材料は以下の記載する方法
で製造することができる。すなわち、バンバリーミキサ
ーなどの混練装置を用いて、未加硫のゴム、伸展油、カ
ーボンブラック等の充填剤、その他の助剤を加えて混練
するが、この段階で忌避剤を加えることができる。ま
た、引き続く加硫剤等を均一に添加するロール加工工程
において加えてもよい。その後、未加硫の組成物を望み
の形状に成形後、加硫工程に付して加硫した成形品が得
られる。ゴムが液状の場合も液状ゴムと忌避剤を混合
し、更に必要な配合剤を添加し、硬化させることによっ
て本発明の材料が得られる。
【0023】本発明の材料はその用途に応じて一体成形
によりあるいは成形後、積層接着して所望の形状のもの
が得られるが、その厚さは1mm以上、好ましくは10
〜40mmとされる。
【0024】用途 本発明の海洋生物の付着防止材料は、例えばフジツボ
類、カキ、イガイ類等の節足および軟体動物、ゴカイ等
の環形動物、ホソフサコケムシ、フサコケムシ等の触手
動物、ムラサキカイメン、ダイダイイソカイメン等の海
綿動物およびシロボヤ、ネンエキボヤ等の原索動物等で
例示される海洋動物類ならびにバクテリア、珪藻類等の
微細な無生物や生物が付着堆積して形成される被膜すな
わちスライムの付着を忌避する海洋生物付着防止材料と
して利用できる。従って、海洋構築物、例えば岸壁の海
中没水部および橋、桟橋、鉄橋等の橋脚部ならびに水力
発電所における冷却水吸排水口等、海上係留物、例えば
浮標(ブイ)、防舷材、オイルフェンス、マリンホー
ス、船舶の船側外板、船底などに接着剤を用いてあるい
はボルトなどの手段を用いて装着して用いることができ
る。
【0025】かくして例えば海洋構築物ならば、生物付
着による構造強度の低下を少なくすることにより構造物
の寿命を延ばすことができることに加えて、付着生物の
清掃等のメンテナンスサイクルを長くすることができる
など性能上および経済的利点が達成される。海上係留物
についても同様の効果が期待できる。また、船舶の喫水
以下の船側外板および船底に装着して生物付着を防止す
ることにより、付着生物による重量増および流体抵抗の
増加を防ぎ船速低下を最小限度に抑えたり燃費ロスを低
減(タンカー等の大型船舶の場合、付着防止対策がある
場合と無い場合の燃費の差は概ね30%であると言われ
ている)したり、メンテナンスのための入渠サイクルを
延ばすことができる。
【0026】
【実施例】以下実施例を以って、本発明を具体的に説明
する。表1に記載される割合のクロロプレンゴム、その
他の配合剤からなる組成物を調整し、148℃で加硫、
成形して9mm厚のシートを得た。但し、防汚剤の種類
および量は表2に示される如くである。
【0027】
【0028】 *:ブランクテスト 有機砒素:10,10−オキシビスフェノキシアルシン マレイミド:N−(2,4,6−トリクロロフェニル)
マレイミド イソチオシアネート:2,4−ジクロロフェニルイソチ
オシアネート
【0029】上記のシートからサンプル(100×20
0×9mm)を切り出し、静岡県沼津市内浦長浜(通称
三津浜)において浸漬深度約1mで約6ケ月浸漬試験
を行い、生物の付着の状況を観察し、下記の5段階評価
を行った。その結果を表3に記載した。 ◎ : 付着面積0% ○ : 付着面積 0〜15% ● : 付着面積15〜30% △ : 付着面積30〜60% × : 付着面積60%以上 なお、スライムの付着に関しては以下の如くに評価し
た。 ◎ : 付着無し ○ : 全面薄く付着
【0030】
【0031】以上の結果から、本発明の材料であるテス
トNo.2の防汚性能が海洋性の動物および植物いずれ
に対しても長期間持続することが明らかである。また、
テストNo.5はそのブランクテストであるテストN
o.4,6と比べて動、植物に対してバランスよく薬効
が発現しており、またテストNo.8も同様にブランク
テストNo.7,9と比べてバランスよく薬効が発現し
ていることがわかる。
【0032】
【発明の効果】本発明の海洋生物付着防止材料は、海洋
性の動物および植物いずれに対しても長期間その性能を
維持するので海水に接触して用いられる部材としてある
いは部材の保護材料として用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 21/00 C08L 7/00 C08L 9/00 - 9/06 C08K 5/34 - 5/3417 C08K 5/59

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タンニン、サポニンおよびニコチン酸アミ
    ドからなる化合物群から選択される少なくとも一種の海
    洋性動物に対して忌避活性を有する化合物およびイソチ
    オシアネート類、有機砒素類およびマレイミド類からな
    る化合物群から選択される少なくとも一種の海洋性植物
    に対して忌避活性を有する化合物を含有するゴム組成物
    を加硫して得られる海洋生物の付着防止材料。
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