JP3298664B2 - うろこ状繰出し形式印刷物の緩衝方法とその装置 - Google Patents

うろこ状繰出し形式印刷物の緩衝方法とその装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は印刷物の後続処理作業の
分野に属し、うろこ状繰出し形式の平板状印刷物、特に
多層折り重ね印刷物を緩衝用に設けられた搬送区域上で
搬送する間に必要に応じて緩衝および時間設定し、印刷
物を搬送する間にうろこ状繰出し形式印刷物のギャップ
を閉じる役目を果たすための方法と装置に関する。
【0002】
【従来の技術、及び、発明が解決しようとする課題】印
刷物、特に多層折り重ね印刷物は例えばうろこ状繰出し
形式で回転機により、或いはロールから後続処理作業の
目的で展開される。3つの理由から、このような繰出し
送りの配列とその後続処理作業の間に緩衝部を設けると
有利である。このことは第1に不具合および系統的な不
規則さの上流への波及を避けるか、或いは少なくともそ
れを減少することを可能にし、第2に送りにおけるギャ
ップが閉じられ、第3に繰出し送りが同時に時間設定さ
れ得る。後続処理作業における故障又は不具合の場合、
結果的にその作業が遅滞するか停止すらするが、緩衝部
は、供給側の反応に呼応して避けることが出来ない反応
時間の間に生ずる印刷物を受けるか、或いは単に供給の
速度とそれに応ずる緩衝部の印刷物による充填量を滅ず
ることで比較的短い処理作業の中断を埋めることを可能
にし、大きな質量の停止と再加速を不必要にしている。
供給された印刷物が後続処理作業段に対して例えば人為
的な挿入により連続的に使用されないような形の系統的
な不規則さを後続処理作業が含む場合、供給側は依然と
して連続的に印刷物を緩衝部に供給できるが、その量は
対応的に低くなる。不具合の無い、連続的な後続処理作
業の場合でも、緩衝部を備え、それにより供給された
ろこ状繰出し送りにおけるギャップが後続処理作業の過
程にいかなる影響も及ぼさずに除去され得るようにする
とさらに有利である。このように、緩衝部は上流および
下流の双方における不具合と不規則さに対する収集又は
吸収ステーションとしての投目を果たす。
【0003】このような緩衝方法および装置は例えば出
願人の米国特許第4887809号、4892186号
及び4201286号に説明されている。これらの特許
に説明された緩衝システムは一定長さの緩衝区域にわた
ってうろこ状繰出し送りの印刷物に作用する。すなわ
ち、該システムは印刷物を幾分活発に搬送する緩衝手段
(クリップ、フック、グリッパ、制動カム)により作動
し、緩衝区域上の緩衝手段の数、従って緩衝手段の距離
は可変である。緩衝部が印刷物により詰まっている時は
緩衝区域上に位置する緩衝手段の数が多くなるため、緩
衝区域上の緩衝手段間の平均距離は、詰まっている緩衝
部における方が空の緩衝部におけるよりも短くなる。こ
のように、説明された緩衝システムは緩衝手段間の間隔
が可変である一定長さの緩衝区域のアイデアに基づいて
いる。緩衝手段間の可変間隔は例えば移動路に沿う緩衝
手段の自由な移動性によりもたらされ、緩衝手段が後続
の緩衝手段により押し出されるか、或いは先行する緩衝
手段により引っ張られる緩衝手段間の弾性接続部分によ
り動かされる。
【0004】上記で説明された緩衝システムのすべて
が、個別に導かれるエレメントで、例えばチェーンのよ
うな標準的牽引手段で駆動できず、緩衝後に再度時間設
定されなければならない手段を有すること、および殆ど
の場合に印刷物が緩衝区域の全体にわたって搬送される
ためには緩衝手段の所まで転送される必要があり、その
ことが特殊な空間又は3次元構成を設ける必要をもたら
すという欠点を有する。これに加えて、説明されたシス
テムは展開作業および/または後続処理作業の制御用に
緩衝部の印刷物による充填状態を測定するばかりでな
く、供給されたうろこ状繰出し送りのギャップを検出し
てそれを閉じるため、印刷物の方向に向けられた無数の
センサを必要とする。このようなセンサは印刷物形式を
変更する度にリセットされる必要がある。
【0005】本発明の課題はうろこ状繰出し形式で搬送
される印刷物を緩衝及び時間設定し、印刷物を搬送する
間にうろこ状繰出し形式印刷物のギャップを閉じるため
方法で、うろこ状繰出し形式印刷物が別の形式に変換
される必要がなく、可変間隔を有する緩衝手段で知られ
ている欠点を持たないものを提供することにある。本発
明の別の課題はこの方法の実施を可能にする装置を提供
することにある。当該装置は製造が簡単で汎用性があ
り、制御が容易であり、信頼性のある一定のタイミング
を備えなければならない。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】上記課題を解決
するために、本発明の方法においては、うろこ状繰出し
形式印刷物が速度vRのコンベヤベルト上で緩衝のため設
けられた搬送区域の第1の部分、すなわち、予備区域R
を通過し、該印刷物が転移点Uで緩衝手段によりこの点
で個々の印刷物について生じる緩衝手段の作用により速
度vRより低い速度vPに減速され、繰出し間隔が緩衝手段
同士の決められた間隔で一定間隔に設定される。該印刷
物は次いで緩衝手段の移動作用により或いはコンベヤベ
ルトによる搬送と緩衝手段の移動との複合作用により緩
衝手段のため設けられた搬送区域の第2の部分、すなわ
ち、実動緩衝区域P上搬送され、緩衝のため設けられ
た搬送区域上の上記転移点Uの位置がこの実動緩衝区域
で停滞する印刷物の数に応じてコンベヤベルト上の印刷
物により自動的に変位させ且つ、緩衝手段12がコンベヤ
ベルト10上で搬送されるうろこ状繰出し形式印刷物の先
端に下から減速するように働くとともに、ギャップの前
の印刷物が後方から持ち上げられ、ギャップに続く印刷
物がコンベヤベルト10によってギャップの前の印刷物の
下に移動することによっ て転移点Uの近くでうろこ状繰
出し形式のギャップの閉じられることにした。
【0007】また、その装置としては、うろこ状繰出し
送りが搬送区域上を搬送されるコンベヤベルト10を備
え、同じ搬送区域又は少くともその一部の上に、緩衝手
段12.1/2/3等が等間隔に固定された牽引部材がコン
ペヤベルト10により搬送される印刷物に作用可能なよう
に設けられ、且つ、うろこ状繰出し送りにおける印刷物
の中断部を閉じるための装置40が、コンベヤベルト10の
上方および緩衝手段12を伴う牽引部材30の上方である搬
送区域の上方にスライド41を備え、その上に搬送区域に
対して向けられた前記中断部を検出するためのセンサー
(42.1と42.2)と搬送面の上に直接延びている前記中断
部の下流の印刷物の下に隙間を生じさせるためのレバー
43が位置することにして上記方法を実施するようにし
た。
【0008】上記発明は、一定の緩衝区域の長さと緩衝
手段間の可変間隔を備える先行技術に比較して、可変の
緩衝区域の長さと緩衝手段同士の一定間隔を備える緩衝
部のアイデアに基づいている。この場合、双方の事例で
緩衝手段が印刷物に作用する区域のみが緩衝区域と呼ば
れる。本発明の方法によれば、うろこ状繰出し送りは他
のコンベヤベルトの搬送路に容易に組み込めるコンベヤ
ベルト上で緩衝のために設けられた区域へ搬送される。
緩衝区域の可変長さをもたらすため、緩衝のために設け
られた区域は機能的に2つの部分的区域、すなわち、下
流の実働緩衝区域と上流の予備区域に再分割され、緩衝
の印刷物による充填状態に応じて動くこれら2区域間
の境界(転移点)、すなわち、2つの部分的区域の相対
長さが変化する。緩衝部が印刷物で詰まっている時、予
備区域は最小長さを有し、その逆に緩衝部が空である時
は緩衝区域は最小長さを有する。印刷物は区域の全体に
わたって、まずコンベヤベルトにより予備区域上に、次
いで緩衝手段により、即ち緩衝手段とコンベヤベルトと
複合作用で緩衝区域上にうろこ状繰出し形式で搬送さ
れる。予備区域上における速度と印刷物間隔は、供給容
量、後続処理作業の能力および緩衝部の印刷物の充填レ
ベルに従って左右することができ、これに反して緩衝区
域上の印刷物間隔は一定で、速度は後続処理作業能力に
より定まる。緩衝区域上の繰出し間隔および速度は常に
予備区域上のものより小さい。
【0009】本発明の緩衝方法は流入液と流出液を有す
る容器の形をした液体緩衝部で、そのレベルが緩衝部の
充填レベルに応じて変化するものと最も良く比較でき
る。ここにおける充填レベルも緩衝容器内の液体の特性
に何らの影響も及ぼさず、充填の程度に従って変化する
唯一の要素は液体レベル、換言すれば緩衝容器の液面ま
での供給水の高さ(予備区域に相当)および前記液面か
ら出口に到る液体の高さ(緩衝区域に相当)である。
【0010】本発明の緩衝システムの緩衝部はうろこ状
繰出し送りを別の供給送りの形に変換せず、その代わり
に緩衝部の長さを緩衝される印刷物の数に応じて、単に
繰出し間隔を縮めてそれを緩衝部の不変長特性にして繰
出し送りを保持する。緩衝に用いられる搬送区域には、
予備区域上をコンベヤベルトにより搬送するモードと、
緩衝区域上をコンベヤベルトの複合作用を伴って、又は
それを伴わずに緩衝手段により搬送するモードとの2つ
の異なる搬送モードの近傍で、それぞれの場合について
1つずっ、2つの異なる印刷物間隔が設けられている。
換言すれば、先行技術に従うすべての緩衝システムの基
本的な構成部分を備え、その欠点の殆どの原因となる可
変間隔を備える緩衝手段を設ける必要がない。本発明の
緩衝方法は、その双方が緩衝を目的とする区域を全体に
わたって通過するコンベヤベルトと緩衝手段によりもた
らされる。緩衝手段は緩衝区域上にある印刷物のみに働
き、予備区域上の印刷物には作用せず、そのためコンベ
ヤベルトのみが予備区域上の搬送に関与している。
【0011】従って、本発明の方法を実施するには、印
刷物の可変区域に作用する、一定間隔を備える緩衝手段
を設ける必要がある。本発明によれば、これらの緩衝手
段はその状態を転移点で予備区域から緩衝区域に変える
ような形をとり、それにより転移点の上流では緩衝手段
うろこ状繰出し送りに何らの影響も及ぼさないが、そ
の下流ではコンベヤベルトの搬送作動が完全になくなる
か、少なくとも減少する形で印刷物に働く。
【0012】本発明の緩衝手段は印刷物が予備区域から
緩衝区域に変わる転移点に達した時に緩衝される印刷物
により印刷物に作用を及ぼさない非作動状態から印刷物
に作用を及ぼす作動状態に切り替わるように構成されて
いる。従って、効果的な緩衝作動についてセンサの必要
がなく、緩衝部の印刷物の充填レベルは単に緩衝のため
に設けられた搬送区域の個々の個所における緩衝手段の
作動状態又は非作動状態により設定でき、さらにそれを
供給および又は後続処理作業の容量の制御に用いること
ができる。特に、例えば緩衝手段が印刷物を搬送してい
るか否かを点検する機能があり、印刷物の形式が変化し
た場合にリセットされる必要がある印刷物の方向に向け
られたセンサが不要となる。
【0013】
【実施例】本発明の実施例を添付の図面に基づいて以下
に詳細に説明する。なお、本発明は実施例に限定される
ものではない。
【0014】図1は、本発明の緩衝方法の模式図であ
る。本図は、緩衝用に設けられたコンベヤベルト上で印
刷物11.1/2/3等のうろこ状繰出し送りの方向Fに搬
送が行なわれるコンベヤベルト10を用いる搬送区域の詳
細を、例えば制動カムの形による緩衝手段12.1/2/3
と共に示している。
【0015】緩衝用に設けられた搬送区域は機能的に2
つの部分的な区域すなわち、緩衝区域Pと予備区域Rに
細分され、緩衝区域Pは搬送方向で予備区域Rの下流に
ある。緩衝手段(12.8/9/10等)が、非作動の状態、
例えばコンベヤベルトより下に下げられている間に、予
備区域R上で印刷物(11.7/8/9等)が調整可能ベル
ト速度vRでコンベヤベルト10により搬送される。予備区
域R上の印刷物間の間隔dRは、速度vRと図示されていな
い任意の供給手段の供給容量Zにより定まる。緩衝区域
P上で印刷物(11.1〜11.6)の印刷物間隔dPと速度vP
とは、緩衝手段が前記区域上で作動状態にあり、例えば
コンベヤベルトにより搬送されながらコンベヤベルトの
上に突き出して印刷物を制動する形で印刷物に働くた
め、緩衝手段の速度と間隔により定まる。緩衝区域P上
の印刷物間の間隔dPは緩衝手段間の一定間隔に対応し、
速度vPは図示されていない任意の後続処理作業手段の後
続処理作業容量Wに従って設定され、それにより緩衝手
段が緩衝装置の出口で印刷物を正しく時間設定された形
で供給する。
【0016】緩衝装置は以下の機能を備える。速度vPは
上記のような形で設定され、さらに作動の間に緩衝部の
送出し容量が可能な限り後続処理作業により要求される
時間当たりの印刷物の数に対応するように調整される。
緩衝部が小形であり、従って幾分速度の遅い装置である
ため、この速度は後続処理作業の容量に従って容易に調
節できる。コンベヤベルト速度vRは速度vPよりも例えば
2.5の係数だけ高くなるように、さらに予備区R上の印
刷物間の間隔が緩衝区域上の間隔よりも大きくなるよう
に十分に高く設定される。供給容量の特定部分につい
て、速度vRは上述の状態が満足されることを条件とし
て、一定に、或いは速度vPに比例して設定することがで
さる。しかしながら、後続処理作業の停止の間に緩衝手
投は停止しなければならない(後続処理作業がゼロに等
しくなる)ものの、このことは停止の場合にも緩衝手段
を充填できるコンベヤベルトについては適用されず、供
給を止める必要がないようにするため、コンベヤベルト
の駆動装置と緩衝手段の間には結合状態があってはなら
ない。
【0017】うろこ状繰出し間隔dRが緩衝手段の間隔dP
よりも小さい場合、各緩衝手段は複数の印刷物を緩衝す
るが、このことは後続処理作業に応じて変化する望まし
い方法と成り得る。
【0018】後続処理作業容量Wおよび供給容量Zが同
じである場合(時間当たり等しい印刷物の数、すなわ
ち、同一タイミングの場合)、および緩衝部の印刷物の
充填レベルが一定に保たれる場合、予備区域と緩衝区域
上のタイミングは同一であり、すなわち、緩衝区域(又
は搬送区域上の任意の場所にある各緩衝手段)上の印刷
物は予備区域上の各印刷物が距離又は間隔dRをカバーす
るのと同じ時間で距離又は間隔dPをカバーする。
【0019】このように、対応する緩衝手段を備える先
行印刷物が間隔dPだけ移動し、その結果として次の緩衝
手段が正確に同じ個所に位置する場合、新しい印刷物が
常に転移点又はステーションU現れる。この緩衝手段
印刷物に作用を及ぼす作動状態となり、速度vPで移動
する形で印刷物に制動をかける。このような作動の場
合、予備区域Rと緩衝区域Pの間の転移ステーション又
は転移点Uは常に同じ位置にある。
【0020】供給容量Zが後続処理作業容量Wよりも小
さい場合、緩衝区域上の刻時時間は予備区域上のそれよ
りも長くなる。すなわち、印刷製品が予備区域上をdRだ
け移動する時間内に緩衝手段は間隔dPより多く移動す
る。このようにして、次の緩衝手段がすでにこの転移点
を通り過ぎている時に、次ぎの印刷物は転移ステーショ
ンUに到達しているに過ぎず、対応する印刷物は単に続
いて、又はそれより下流でその緩衝手段に遭遇して制動
がかけられる。従って、転移ステーションUは図面上で
左に動き、換言すれば、緩衝区域が短くなって緩衝部の
空席が多くなる。供給容量が後続処理作業容量よりも高
い場合、緩衝部はそれ呼応して充填量が大きくなる。
【0021】緩衝手段は緩衝区域P上で作動状態にあ
り、すなわち印刷物に作用を及ぼすが、これに反して予
備区域R上では非作動状態で、すなわち、印刷物に作用
を及ぼさない。転移ステーションUにおける緩衝手段
(図面中の緩衝手段12.7)は、それが次の印刷物に制動
をかける状態で作動状態になければならないが、未だど
の印刷物にも作用を及ぼさず、従って依然として非作動
状態、しかしながら、『待機』状態にある。このため、
緩衝手段はそれが3つの状態、すなわち、非作動状態
(予備区域上)、作動状態(緩衝区域上)および待機状
態(転移点又は転移ステーションにおいて)を呈するこ
とができるように設計されなければならない。本発明に
よれば、転移点における非作動状態の緩衝手段は、先行
緩衝手段が待機状態から作動状態に切り換えを終わる形
で、すでに切り換えられている。待機状態の緩衝手段は
印刷物がそれに突き当たって制動がかけられるため、緩
衝区域に入るや否や作動状態に切り換えられる。このよ
うに、区域全体にわたり常に一連の非作動状態緩衝手段
(予備区域)、1つの待機状態緩衝手段(転移点)およ
び一連の作動状態緩衝手段(緩衝区域)があり、その関
連数量は区域全体上の印刷物の数に左右される。
【0022】コンベヤベルトと緩衝区域の端末(印刷物
の後続処理作業への転移点)からの緩衝手段との双方が
戻り側又は戻り行程上で予備区域の始めに戻される。こ
の戻り行程の問に緩衝手投は作動状態から非作動状態に
切り換えられなければならない。
【0023】本発明の緩衝システムにおける速度と印刷
物間隔は、各被搬送印刷物が緩衝区域端末の手前で緩衝
手段に当たり、それにより印刷物が正確に時間設定され
た形で緩衝手段により後続処理作業に送り出されるよう
設定されなければならない。すなわち、緩衝区域は常に
少なくとも1つの作動状態緩衝手段を備えなければなら
ない。これは各緩衝手段が緩衝区域からの出口で例えば
戻り行程の反転作用により確実に作動状態に切り換えら
れることで保証される。この方法のみにより緩衝システ
ムが限定された範囲内で同時に、供給されたうろこ状繰
出し送りにおける不規則さを補正するタイマーとして働
くことができ、さらにこの方法のみにより緩衝用に設け
られた搬送区域が完全に空になった後又は緩衝部が空に
なった後に、緩衝機能が自動的に作動可能となることが
保証される。
【0024】本発明の緩衝システムはまた、供給された
繰出し送りにおけるギャップを自動的に閉じる。このよ
うなギャップがある場合には待機状態緩衝手段(転移
点)に長い時間衝突する印刷物がないため、緩衝手段は
作動状態に切り換えられるまでさらに緩衝部出口に向か
って動く。すなわち、転移ステーションが図面中で左に
動くか、或いは緩衝部に空席が生じるか、その他の点で
は適当な緩衝がある条件で、ギャップは緩衝や後続処理
作業に何らの影響も及ぼさない。
【0025】緩衝手段としてコンベヤベルトの下に下げ
られる制動カムで機能する時、本発明の方法は印刷物の
前縁が下向きになっている。すなわち、1つの印刷物が
先行する複数の印刷物により部分的に覆われているうろ
こ状繰出し送りを必要とする。このような繰出し送りに
おいては、特殊な補助具を持たない前述の方法で見られ
るような単なる詰め込みによる2つの印刷物の重なりよ
りも広いギャップを閉じることは不可能である。このよ
うな大きなギャップがある場合はもはや印刷物が相互に
重ならないため、ギャップを閉じるためには後続印刷物
を先行印刷物の下に動かさなければならず、この目的の
ための対応する補助具が必要である。
【0026】図2および図3は本発明による緩衝手段の
実施例の詳細を搬送方向と直角の方向から見た図(図
2)および搬送方向と直角の方向における断面で見た図
を示している。この場合コンベヤベルト10の下に下げら
れる手段は制動爪であり、下げられていない場合、この
制動爪が印刷物をその下向きに前縁の中央部分でつかま
え、その上に乗って印刷物が移動しているコンベヤベル
トの速度よりも遅い緩衝手段の速度に減速する。コンベ
ヤベルトは例えば2本の平行する分割ベルトの形をと
り、作動状態および待機状態(下げられていない)の爪
がコンベヤベルトの搬送面の上に延び、非作動、降下状
態の爪が搬送面の下にあるように2本の分割ベルト間の
中央間隙にドラグチェーン30が位置している。双方の図
において、コンベヤベルト10はその搬送面を示す水平ラ
インのみで表示されている。ドラグチェーン30は破線で
示されている。
【0027】図2は右から左ヘドラグチェーン30(図3
に示す)により駆動されて搬送方向Fに動く制動爪12
1、122、123、124(120と125は部分的にのみ図示)の形
をした列を成す4つの本発明の緩衝手段を示す。制動爪
121は作動状態、制動爪122は待機状態、2つの後方の制
動爪123と124は非作動状態にあり、ここに図示されてい
るのは予備区域Rから緩衝区域Pへの転移点又は転移ス
テーションUである。
【0028】図3は作動状態又は待機状態にある制動爪
(121、120又は122)を示す。各制動爪は爪本体20を備
え、その中に回転可能な形で2つのガイド24、26と2つ
のリンクピン23、25が装着されている。搬送方向の後方
にあるリンクピン23のガイド24はスロット状を成し、搬
送方向の前方リンクピン25のガイド26は山形スロットの
形で、それにより爪本体20は限定された仕方でリンクピ
ン23と25に対して実質的に搬送方向と平行に横方向に動
くことができ、さらにその横方向移動に対する後方位置
でリンクピン23を中心として旋回できる。この旋回運動
は前方ガイド26により、爪本体20の前方に取り付けられ
た爪21がその最上部位置でコンベヤベルトの上に突出
し、その最下部位置でコンベヤベルトの下方に下げられ
る形で限定される。
【0029】各制動爪は、例えばスプリングのような加
圧又は引張手段により、爪21はその上部に、爪本体20は
その後方位置に押しつけられる。スプリング28は例えば
リンクピンの周囲に配置されたコイルスプリングの形を
とることができ、コイル形状両端部の助けを借りてチェ
ーンおよび対応する爪本体20のスプリングピン27の間に
固定されている。加圧手段は永久磁石の形をとることも
可能で、爪21がその上部旋回位置に磁石とリンクピン25
の間の磁気吸引力で引きつけられ、爪本体20がその後方
位置に引きつけられるように爪本体20の前方下部領域に
配置されている。
【0030】搬送方向で爪本体20はその前部に爪21と保
持カム22を、後部に凹み29を備える。2つのガイド24、
26は旋回運動の軸(リンクピン23)が十分後方に位置す
るように配置され、それにより旋回運動の場合に爪21と
保持カム22の位置変化が凹み29のそれよりもはるかに大
きいようになっている。制動爪は搬送方向で直線搬送区
域に重なるようにドラグチェーン30上に配置されてい
る。この重なりで爪本体20の前部にある保持カム22と、
先行する爪本体20の後部にある対応する凹み29との間の
連動が可能になる。ただしこの場合、爪21がその下部旋
回位置にあり、保持カム22と凹み29が実質的に同レベル
にあることを条件とする。凹み29の旋回位置はあまり重
要ではない。すなわち、下部位置に旋回した保持カム22
は、下方又は上方に旋回した爪21を伴う先行する制動爪
の凹み29と連動し得る。搬送方向における複数の爪の本
体の重なりは単体の爪本体により行われる搬送方向移動
の大きさよりも小さい。爪21は、先行する制動爪の凹み
29と保持カム22との連動により下部旋回位置に保持され
ていない限り、スプリング28によりその上部旋回位置に
押しっけられる。その上部位置にある爪21を備える制動
爪は、それに後方から高速で突き当たる印刷物により後
方から前方位置へ動かされる。
【0031】制動爪20は次の3つの可能な終端位置があ
る。一つは爪本体20がその前方位置にあり、爪21がスプ
リング28により上方に旋回されている位置(121)であ
る。これが制動爪の印刷物に作用を及ぼす作動状態であ
る(121)。この場合、保持カム22と先行する制動爪120
の凹み29との間の連動は、これらが同じレベルにないた
め不可能である。後続する制動爪122の保持カム22と先
行する制動爪121の凹み29との連動は、後続制動爪がと
り得ないその前部で爪21が下方に旋回した位置になけれ
ばならないため、不可能である。
【0032】次は、爪本体20がその後方位置にあり、爪
21がスプリング28により上方に旋回されている位置(12
2)である。これが制動爪の印刷物に作用を及ぼすべく
待機している待機状態である(122).この場合、保持
カム22と先行する制動爪121の凹み29との間の連動は、
これらが同じレベルにないため不可能である。そして、
後続する制動爪123はその後方位置のみをとることがで
き、制動爪122の凹み29とこの後続制動爪123の保持カム
22との問の連動は、その爪が下方に旋回した位置にあれ
ば可能である。爪本体20がその後方位置にあり、爪21が
後続する制動爪の保持カム22の圧力によりスプリング28
の張力に抗して下方に旋回されている(123又は124)。
これが制動爪のさらに次の可能な終端位置である印刷物
に作用を及ぼさない非作動状態である(123又は124)。
保持カム22と先行する制動爪(122又は123)の凹み29と
の間の連動は、制動爪が同時後方位置にある場合のみに
可能である。すなわち、制動爪121と次の制動爪122の間
の連動は存在しないが、制動爪123と124の間の連動は生
じる。後続制動爪(124又は125)はその後方位置にのみ
位置することができ、制動爪(123又は124)をこの位置
に保持するため、凹み29と前記後続制動爪(124又は12
5)の保持カム22の間の連動が必要である。
【0033】制動爪は非作動状態で予備区域Rを通り、
作動状態で緩衝区域Pを通過する。以下の作動は転移点
Uで生じる。すでに緩衝された印刷物が制動爪により減
速され搬送方向でコンベヤベルトよりも遅い速度で緩衝
区域の端末に向かって移動する。緩衝区域の印刷物を伴
う最後の制動爪に現在転移点に図示されている制動爪が
追従している。次の印刷物がコンベヤベルト速度で後方
から転移点に図示された制動爪に向かって動かされ、そ
の制動爪に突き当たる。該制動爪は上方に旋回した爪21
を備え、先行する制動爪がその前方位置で緩衝区域の最
後の印刷物により動かされているため、当該制動爪と先
行する制動爪との間の連動はもはや不可能となる。当該
制動爪に現在突き当たっている印刷物の減速の結果とし
て、この制動爪もその前方位置、すなわち、作動状態位
置に動かされ、それにより後続する制動爪との連動はな
くなり、前記後続制動爪の爪21がその上方位置即ち待機
状態に動かされる。転移点における非作動状態から待機
状態へ、さらに待機状態から作動状態への切り換え過程
は、従って印刷物によってのみ開始され、いかなる外部
制御も必要とせず、すなわちセンサを必要としない。
【0034】緩衝が正しく機能する限り各制動爪は緩衝
区域の端末を作動状態で通過する。これは緩衝部が少な
くとも1つの印刷物を保持する場合にのみ行われる。
衝部が例えば不適当な供給容量の故に、或いは供給の中
断があった時のように空で移動する場合、緩衝され、作
動状態に切り換えられる印刷物がなくとも、緩衝区域の
端末で制動爪に対する緩衝機能が自動的に回復すること
が不可欠である。このことは制動爪を戻り行程上で反転
する展開又は反転個所のこの事態に対応する設計により
行われる。連動点の反転半径は反転の間に連動が可能と
ならないようにリンクピンの反転半径よりも大きくなけ
ればならない。
【0035】緩衝区域の端末に続く反転の間、戻り行程
の間又は予備区域開始点への反転の間に、制動爪はそれ
が非作動状態で予備区域に入るように再位置決めされな
ければならない。これは例えば緩衝区域の端末に続く反
転の間に対応移動テンプレートにより制動爪が動かされ
て待機状態に入り、予備区域の開始点における反転の間
に別のテンプレートにより爪の下部旋回点へ動かされ、
それにより直線予備区域上で連動が生ずるまで制動爪が
テンプレートにより非作動状態に保持されることで行わ
れる。このような仕方で制動爪は戻り行程上を、前進区
間上では1つの制動爪に対してのみ可能な待機状態で通
過する。制動爪を作動状態で戻り行程上を動かし、対応
テンプレートを第2の転回又は反転個所に位置させるこ
とも可能である。
【0036】反転個所で非作動状態に復位するためにス
プリング28(図2)の場所に磁石を備える制動爪は対応
スチールリンクにより導かれる。このスチールリンクは
永久磁石とスチールリンク間の磁気吸引力が永久磁石と
リンクピン間の磁気吸引力よりも大きく、最初の反転又
は転回の近傍で磁力が発生して制動爪をその後方位置に
動かし、第2の反転又は転回で磁力が発生して制動爪を
爪が下部にある旋回位置に旋回するように構成されてい
る。
【0037】図3に示されるように、本発明の制動爪は
リンクピンの中央、すなわち、チェーンサイドバーの間
に、或いは片側、すなわち、チェーンサイドバーの外側
に配置することができる。側面配置の場合は制動爪をは
め込みで装着できる。これらの場合、市販のチェーンを
用いることが可能である。制動爪は好ましくはプラスチ
ック製とする。制動爪の場所にグリッパを緩衝手段とし
て用いることもできる。制動爪が緩衝手段として用いら
れる場合、緩衝用に設けられた区域を僅かに低くすると
都合が良い。水平とすることも可能であるものの、高く
してはならない。グリッパが緩衝手段として用いられる
場合は、緩衝用に用いられる搬送区域の位置に関する制
限はない。
【0038】図4は緩衝を果たす装備を有し、繰出し送
りにおける大きなギャップを閉じるのに必要な補助装置
も備える完全な搬送区域を模式図で示す。図4はどのよ
うに対応する装置が駆動され制御されるかを図示してい
る。前出の図面と関連して言及される部分には同じ参照
番号が付されている。コンベヤベルト10が2つのガイド
ロール(図示せず)上を走っている。緩衝手段12を備え
る引張部材30も2つのガイドロール31、32の上を走って
いる。緩衝部に入る繰出し送りにおける大きなギャップ
を閉じるための補助装置40が、緩衝を果たす装備を有す
る搬送区域(緩衝手段の前進行程)の上方に位置してい
る。
【0039】緩衝を果たす装備を有する搬送区域の近傍
(コンベヤベルト10の前進行程)には予備区域の入口近
くと緩衝区域からの出口近くに少なくとも2つのセンサ
13.1/2があり、通過する緩衝区域の状態を確定する信
号を出している。これらは例えば光障壁センサであり、
その状態に応じて、緩衝手段の部品により遮断された
り、遮断されなかったりする。出口センサ13.1が非作動
状態の緩衝手段を表示すれば、これは最小許容緩衝部充
填量以下の低下があったことを意味する。入口センサ1
3.2が作動状態の緩衝手段を表示すれば、これは最大許
容緩衝部充填量を超過したことを意味する。センサ13.1
/2のこのような表示から、供給容量を増加又は滅少す
る信号、後続処理作業容量を増加又は滅少する制御信
号、ならびに緩衝手段の速度vP,コンベヤベルトの速度
vRを変化する対応制御信号が出される。2つ以上のセン
サを設けることも可能で、制御器がそれに対応して段階
的に駆動され得る。センサ13.1と13.2ならびに対応追加
センサは故障を検出するためにも使用できる。
【0040】うろこ状繰出し送りにおける印刷物の中断
部を閉じるための補助装置40は、搬送区域全体にわたっ
て移動可能なスライド41で、2つのセンサ42.1と42.2な
らびにレバー又はジャッキ43を備えるものを有する。2
つのセンサ42.1/2は、後部センサ42.1が搬送方向でギャ
ップの始まりを検出し、前部センサ42.2がこのようなギ
ャップの終わりを検出する形でうろこ状繰出しにおける
中断(印刷物の重なりより大きいギャップ)を検出する
ように構成されている。レバー43はうろこ状繰出しにお
ける印刷物の中断部の上を搬送方向に導かれた場合、中
断部の上流で搬送されている印刷物の下に入ってそれを
コンベヤベルトから持ち上げるように、さらに搬送方向
に逆らって導かれた場合、印刷物を押し退けることなし
にその上方を通過できるように構成されている。この目
的のため、レバー43は非作動位置でその端末がコンベヤ
ベルトの直上にあり、搬送方向でこの非作動位置から旋
回され得るように配置されている。レバー43はその端末
が2つのセンサ42.1と42.2の領域間にあるように位置決
めされている。
【0041】補助装置40は以下の機能を有する。その始
動位置は搬送区域への入口(図4に示されている位置)
である。後部センサ42.1が中断の開始を発見するや否
や、補助装置は待機状態に入る。中断部が前部センサ4
2.2の近くに入ると直ぐに、スライド41が中断部および
印刷物と同じ速度で搬送方向に動き、結果的に常に中断
部の上の位置を保つ。スライドはそれが緩衝された印刷
物に達するまで、より正確には後部センサ42.1が緩衝手
段により減速された印刷物の上に位置し、もはや中断部
を検出しない点まで動く。これはレバー43の端末がすで
緩衝された印刷物を、又は、少なくとも最後の印刷物
の後縁を持ち上げていること、その中断部の下流の印刷
物の下に隙間が生じたこと及び減速されたギャップ下流
の印刷物の下の隙間にコンベヤベルト10によりギャップ
に続く上流からの印刷物を押し進めることによりギャッ
プが閉じられることを意味する。スライドはその前進運
動を止め、そこからその始動位置へ戻る。補助装置40が
その通路で次の中断部を検出すると、その作動手順は同
じである。スライド41は電気、空気圧又は油圧のリニア
モータにより駆動される。
【0042】図5は本発明の緩衝方法とその装置の使用
例を示す。この例はその1つが巻き出されており(50.
1)、他方の巻付け位置(50.2)で空のロールコアを新
しいロールと交換できる2つのロール50.1と50.2を備え
る巻付けステーション50からの巻取りドラム53に対する
供給に関する。本発明の装置51は巻付けステーション50
と転送ステーション52の間に接続されている。巻出しロ
ール50.1により展開されたうろこ状繰出し送りS.1がコ
ンベヤベルト50.3上で緩衝装置51へ導かれる。殆どの場
合、供給ベルト50.3の速度は緩衝ベルト51.1の速度より
も低く、それにより供給ベルト50.3から緩衝ベルト51.1
へ通過するうろこ状繰出し送りS.1が、繰出し間隔が大
きいうろこ状繰出し送りS.2へ展開されるようになって
いる。この転移点では、繰出し送りを加圧ローラ50.4又
は加圧ベルトでコンベヤベルトに押しっけると都合が良
い。うろこ状繰出し送りS.2は緩衝部充填レベルに応じ
、緩衝手段51.2により遅かれ早かれ減速され、小さな
繰出し間隔S.3へ設定される形で緩衝装置51を通過す
る。緩衝部から出口で印刷物は転送ステーション52へ導
かれ、うろこ状繰出し送りS.3が転移点でさらに大きな
繰出し間隔を有するうろこ状繰出し送りS.4へ再度展開
される。この転移点でも印刷物を加圧ローラ又はベルト
(図示せず)によりコンベヤベルトに押しつけると都合
が良い。うろこ状繰出し送りS.4は印刷物の反転位置で
うろこ状繰出し送りS.5へと反転され、次いで個々の印
刷物が対応するグリッパヘ転送される形でグリッパによ
供給送りS.6に転換される。グリッパを伴う供給送り
S.6が次いで巻取りドラム53へ導かれ、そこで印刷物が
異なる印刷物のグループとして収集される。緩衝手段5
1.2が横切る搬送区域とコンベヤベルト51.1が同じ長さ
を持つことは必須条件ではない。コンベヤベルト51.1が
緩衝手段の牽引手段よりも長く、その上流側に突出する
ことが考えられる。緩衝のため設けられた搬送区域は緩
衝手段を備える搬送区域の長さだけにとどまり、コンベ
ヤベルトの搬送区域の始まりは単に供給部に過ぎない。
【0043】図5に示された本発明の装置に使用するの
に適した巻付けステーションが例えば本件出願人の米国
特許第4898336号に、対応する転移ステーションが米国
特許第4201286号に、対応する巻取りドラムが米国特許
第4684116号に説明されている。
【0044】
【発明の効果】請求項1記載の本発明のうろこ状繰出し
形式印刷物の緩衝方法によれば、印刷物特に多層折り重
ね印刷物を、後続処理作業の目的でうろこ状繰出し形式
で回転機により又はロールから展開させるに当り、従来
の此の種装置(本出願人によるもの)の緩衝手段間の間
隔を可変にした一定長さの緩衝区域を持つ方法における
種々の欠点を解消し、印刷物を個別に導く緩衝エレメン
ト(緩衝手段)をチェーンのような標準的牽引手段で駆
動でき、印刷物を緩衝後に再度時間設定することをなく
すなどプロセスを簡単化し、印刷物の展開作業や後続処
理作業の制御を簡単化するとともに、うろこ状繰出し送
りの印刷物に中断部を生じた場合自動的に該中断部を閉
じることができ、効率的に上流及び下流の双方における
不具合と不規則さに対する吸収ステーションの役目を果
たせることができる。
【0045】請求項2〜5記載の緩衝方法によれば、上
記方法を実施するに当り、印刷物のベルトコンベヤ上の
搬送の間に、搬送される印刷物により、緩衝手段が非作
動状態から待機状態、次いで作動状態へ切替え、センサ
ーの必要なく(円滑に効果的に緩衝作用を行わせること
ができる。
【0046】請求項6記載の緩衝方法によれば、緩衝部
における緩衝手段の印刷物による充填状態の監視によ
り、印刷物の供給又は後続処理作業の容量の制御を容易
に行なうことができる。
【0047】請求項7〜8記載の緩衝方法によれば、常
に安定して緩衝手段を待機状態に位置せしめて円滑に前
進区域で印刷物を緩衝し、時間設定して展開せしめるこ
とができる。
【0048】請求項9記載の本発明のうろこ状繰出し形
印刷物の緩衝装置によれば、印刷物特に多層折り重ね
印刷物を、後続処理作業の目的でうろこ状繰出し形式
回転機により又はロールから展開させるに当り、従来此
の種装置の持つ欠点を解消するとともにうろこ状繰出し
送りにおける印刷物の中断部を閉じることができ、構造
簡単で汎用性があり、一定のタイミングを備えたうろこ
状繰出し形式緩衝装置を容易に形成することができ
る。
【0049】請求項10記載の緩衝装置によれば、コンベ
ヤベルト上で搬送される印刷物に作用せしめる緩衝手段
のコンベヤベルトに対する形成を容易に行うことがでさ
る。
【0050】請求項11〜13記載の緩衝装置によれば、コ
ンベヤ上で搬送される印刷物に作用して、非作動状態か
ら待機状態を経て作動状態に円滑に位置させることので
きる緩衝手段を容易に装置に形成することができる。
【0051】請求項1415記載の緩衝装置によれば、緩
衝手段の作動状態から非作動状態への切換手段を容易に
装置に形成することができる。
【0052】請求項1618記載の制動爪を伴うドラグチ
ェーンによれば、搬送コンベヤ上で搬送される印刷物を
緩衝するとともに後続する連動爪との連動・解除を行う
ことのできる制動爪を、容易にドラグチェーンに形成す
ることがでさる。
【0053】請求項19記載の制動爪によれは、該爪をド
ラグチェーンの一部として効果的にドラグチェーンを形
成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法の模式図、
【図2】搬送方向と直角の方向から見た異なる状態にお
ける本発明緩衝手段の実施例を示す図、
【図3】搬送方向と直角方向における図2の緩衝手段の
断面図、
【図4】緩衝用の搬送区域の模式図、
【図5】本発明緩衝装置の使用例を示す模式図である。
【符号の説明】
10…コンベヤベルト、 11.1〜11.9…印刷物、 12…緩
衝手段、12.1〜12.10…緩衝手段、 20…爪本体、 21
…爪、 22…保持カム、23…リンクピン、 24…後部ガ
イド、 25…リンクピン、 26… 前部ガイド、28…ス
プリング、 29…凹み、 30…ドラグチェーン(牽引部
材)、40…印刷物の中断部を閉じるための装置、 41…
スライド、 42.1,42.2…センサ、 43…レバー(持ち
上げ部材)、 120〜125…制動爪、P…緩衝区域、U…
転移点、 R…予備区域、 vP…緩衝速度、 vR…コン
ベヤベルトの速度。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−63195(JP,A) 特開 昭62−51557(JP,A) スイス国特許発明580531(CH,A 5) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65H 29/68 B65H 29/66

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】搬送区域上をうろこ状繰出し形式搬送さ
    れる印刷物、特に多層折り重ね印刷物を緩衝及び時間設
    定し、印刷物を搬送する間にうろこ状繰出し形式印刷物
    のギャップを閉じるための方法であって、うろこ状繰出
    し形式印刷物が速度vRのコンベヤベルト10上で緩衝のた
    め設けられた搬送区域の第1の部分、すなわち、予備区
    域Rを通過し、うろこ状繰出し形式印刷物が転移点Uで
    緩衝手段12によりこの点で個々の印刷物について生ずる
    緩衝手段12の作用により速度vRより低い速度vPへ減速さ
    れ、繰出し間隔が緩衝手段同士の決められた間隔で一定
    間隔に設定されており、うろこ状繰出し形式印刷物が次
    いで緩衝手段の移動作用により或いはコンベヤベルト
    よる搬送と緩衝手段の移動との複合作用により緩衝のた
    め設けられた搬送区域の第2の部分、すなわち、実働緩
    衝区域P上搬送され、緩衝のため設けられた搬送区域
    上の上記転移点Uの位置がこの実働緩衝区域で停滞する
    印刷物の数に応じてコンベヤベルト上の印刷物により
    動的に変位され、且つ緩衝手段12がコンベヤベルト10上
    で搬送されるうろこ状繰出し形式印刷物の先端に下から
    減速するように働くとともに、ギャップの前の印刷物が
    後方から持ち上げられ、ギャップに続く印刷物がコンベ
    ヤベルト10によってギャップの前の印刷物の下に移動す
    ることによって転移点Uの近くでうろこ状繰出し形式印
    刷物のギャップが閉じられることを特徴とするうろこ状
    繰出し形式印刷物の緩衝方法。
  2. 【請求項2】コンベヤベルト10と緩衝手段12とが緩衝
    ため設けられた搬送区域の全体にわたって導かれ、緩衝
    手段が、前記搬送区域の始まりで緩衝手段が印刷物に作
    用を及ぼさない非作動状態にあり、その搬送区域に沿う
    移動の間に緩衝される印刷物により印刷物に作用を及ぼ
    すべく待機している待機状態、次いで印刷物に作用を及
    ぼす作動状態に切り換えられ、搬送区域の残余の部分を
    通過して少なくとも1つの印刷物にそれぞれの状態が作
    用することを特徴とする請求項1記載のうろこ状繰出し
    形式印刷物の緩衝方法。
  3. 【請求項3】印刷物に作用を及ぼさない非作動状態にあ
    る緩衝手段の間に連動が存在し、この連動印刷物に作
    用を及ぼすべく待機状態にある緩衝手段に追いついた印
    刷物により該緩衝手段が押動されて解除されることを特
    徴とする請求項2記載のうろこ状繰出し形式印刷物の
    方法。
  4. 【請求項4】緩衝を目的とする搬送区域を通るその通過
    の間に、各緩衝手段が印刷物に作用を及ぼすべく待機し
    ている待機状態から印刷物に作用を及ぼす作動状態へ移
    行する先行する緩衝手段の切り換え処理により印刷物に
    作用を及ぼさない非作動状態から印刷物に作用を及ぼす
    べく待機している待機状態に切り換えられ、次いでそれ
    が追従印刷物により前記待機状態から印刷物に作用を及
    ぼす作動状態に切り換えられ、後続する緩衝手段との連
    動が解除され、該後続緩衝手段が従って印刷物に作用を
    及ぼさない非作動状態から印刷物に作用を及ぼすべく待
    機している待機状態に切り替えられることを特徴とする
    請求項3記載のうろこ状繰り出し形式印刷物の緩衝
    法。
  5. 【請求項5】緩衝手段により印刷物に及ぼされる作用が
    コンベヤベルト上での印刷物の搬送を滅速する機能から
    成ることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載
    うろこ状繰出し形式印刷物の緩衝方法。
  6. 【請求項6】緩衝部の印刷物による充填状態が搬送区域
    の少なくとも2個所で、通過する緩衝手段が監視される
    形で監視されることを特徴とする請求項2ないし5のい
    ずれかに記載のうろこ状繰出し形式印刷物の緩衝方法。
  7. 【請求項7】搬送区域の端末である印刷物の後続処理作
    業への転送点における強制的な切り替え処理により各緩
    衝手段が印刷物に作用を及ぼすべく待機している待機状
    態に切り換えられ、それにより、緩衝のため設けられた
    搬送区域が印刷物が空になる印刷物の供給の中断に続い
    て、或いは緩衝部印刷物が空になる空席化に続いて、
    緩衝機能が待機状態となった緩衝手段により自動的に回
    復されることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに
    記載のうろこ状繰出し形式印刷物の緩衝方法。
  8. 【請求項8】戻り行程への反転の間、前記戻り行程上に
    ある間或いは前進行程への反転の間に緩衝手段が印刷物
    に作用を及ぼす作動状態から印刷物に作用を及ぼさない
    非作動状態に切り換えられることを特徴とする請求項1
    ないし7のいずれかに記載のうろこ状繰出し形式印刷物
    緩衝方法。
  9. 【請求項9】搬送区域上をうろこ状繰出し形式搬送さ
    れる印刷物、特に多層折重ね印刷物を緩衝及び時間設定
    し、印刷物を搬送する間にうろこ状繰出し形式印刷物の
    ギャップを閉じるための装置であって、それによりうろ
    こ状繰出し送りが搬送区域の上を搬送されるコンベヤベ
    ルト10を備え、同じ搬送区域又は少なくともその一部の
    上に、緩衝手段(12.1/2/3等)が等間隔に固定され
    た牽引部材がコンベヤベルトにより搬送される印刷物に
    作用可能なように設けられ、且つ、うろこ状繰出し送り
    における印刷物の中断部を閉じるための装置40がコンベ
    ヤベルト10の上方および緩衝手段12を伴う牽引部材30の
    上方である搬送区域の上方にスライド41を備え、その上
    に搬送区域に対して向けられた前記中断部を検出するた
    めのセンサ(42.1と42.2)と、搬送面の上に直接延びて
    いる前記中断部の下流の印刷物の下に隙間を生じさせる
    ためのレバー43が位置することを特徴とするうろこ状繰
    出し形式印刷物の緩衝装置。
  10. 【請求項10】コンベヤベルト10が挿入間隙を伴う2本
    の平行分割ベルトから成り、緩衝手段(12.1/2/3
    等)を伴う牽引部材が前記間隙の近傍で緩衝手段がコン
    ベヤベルト上を搬送される印刷物に下側から作用可能で
    あるように配置されていることを特徴とする請求項9記
    載のうろこ状繰出し形式印刷物の緩衝装置。
  11. 【請求項11】牽引部材がドラグチェーン30の形をと
    り、緩衝手段(12.1/2/3/4等)が制動爪(120〜12
    5)の形であり、制動爪が搬送方向に移動し旋回可能な
    形でドラグチェーンに対して固定されていることを特徴
    とする請求項10記載のうろこ状繰出し形式印刷物の緩衝
    装置。
  12. 【請求項12】制動爪(120〜125)がそれらの延長部分
    が搬送方向で重なるようにドラグチェーン30上で配置さ
    れていることを特徴とする請求項11記載のうろこ状繰出
    し形式印刷物の緩衝装置。
  13. 【請求項13】コンベヤベルト10とドラグチェーン30が
    相互に関して片方の旋回位置で制動爪(120〜125)がコ
    ンベヤベルト10の搬送平面より下に下げられ、一方他方
    の旋回位置で前記平面から少なくとも部分的に突出する
    ように配置されていることを特徴とする請求項12記載の
    うろこ状繰出し形式印刷物の緩衝装置。
  14. 【請求項14】緩衝手段を伴う牽引部材の反転個所の近
    傍で、牽引部材がそれにより緩衝手段が印刷物に作用を
    及ぼす作動状態から印刷物に作用を及ぼさない非作動状
    態へ切り替えられる切り替え手段を有することを特徴と
    する請求項9ないし13の何れかに記載のうろこ状繰出し
    形式印刷物の緩衝装置。
  15. 【請求項15】切り替え手段が移動テンプレートおよび
    /又はスチールリンクであることを特徴とする請求項14
    記載のうろこ状繰出し形式印刷物の緩衝装置。
  16. 【請求項16】制動爪を伴うドラグチェーンであって、
    各制動爪(120〜125)が2つの隣接するリンクピン25,
    23上にある前部ガイド26および後部ガイド24により導か
    れ、双方のガイドが制動爪がドラグチェーンに対して搬
    送方向に平行に移動可能であるように設計されており、
    前部ガイド26が制動爪が後部リンクピン23を中心として
    旋回可能であるように構成され、その中にガイド24,26
    が配置されている爪本体20上の各制動爪が搬送方向の前
    方で爪21と保持カム22を、後方で凹み29を備え、各制動
    爪にそれを爪21の後方および上方位置に押しつける加圧
    又は引張手段が付随し、制動爪がチェーン上で直線配送
    区域にある場合に後続する制動爪の保持カム22が先行す
    る制動爪の凹み29と少なくとも制動爪の可能な複数の旋
    回位置の1つで連動可能であるように配置されているこ
    とを特徴とする請求項11ないし15の何れかに記載のうろ
    こ状繰出し形式印刷物の緩衝装置におけるドラグチェー
    ン。
  17. 【請求項17】制動爪を伴うドラグチェーンであって、
    該爪の加圧手段がチェーンと制動爪の間に張られたスプ
    リング28により構成されることを特徴とする請求項16
    載のうろこ状繰出し形式印刷物の緩衝装置におけるドラ
    グチェーン。
  18. 【請求項18】制動爪を伴うドラグチェーンであって、
    該爪の加圧手段が制動爪の前部下方領域に位置する永久
    磁石であることを特徴とする請求項16記載のうろこ状繰
    出し形式印刷物の緩衝装置におけるドラグチエーン。
  19. 【請求項19】制動爪がドラグチェーンの一部であるこ
    とを特徴とする請求項16ないし18の何れかに記載のうろ
    こ状繰出し形式印刷物の緩衝装置におけるドラグチェー
    ンの制動爪。
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