JP3298022B2 - 電気浸透式脱水機 - Google Patents

電気浸透式脱水機

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  • Treatment Of Sludge (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スラリーを濾過および
圧搾して脱水する加圧脱水機に直流電流を通電して脱水
する電気浸透式脱水機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の先行技術としては、特開昭64
−30613号公報、特開昭62−121613号公
報、特開昭62−57622号公報、特開昭62−57
623号公報等が知られている。これらはいずれも濾室
を構成する一対の濾布が対向しており、それぞれの濾布
の反濾室側に導電板が具備され、さらに一方の濾布の反
濾室側に圧搾膜が設けられている電気浸透式脱水機であ
る。これらの技術はいずれもスラリーに接する面が濾過
布であり、これを図8により説明すると、濾板30の中
央凹部に濾液溝31が形成され、その上に濾液通路33
を開孔した導電板32が取付けられ、さらにその濾室4
0側に濾布34が配置されている。一方これと対向する
ダイアフラム側濾板35の表面には濾液溝37が形成さ
れているダイアフラム36が取付けられ、その上に濾液
通路39を開孔した導電板38が取付けられ、さらにそ
の濾室40側に濾布34を夫々配置したものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この構
成では、スラリーに接する面が濾過布であり、その裏側
に導電板が具備されているため導電板間に電流を流して
電気浸透脱水を行った場合、濾布の電気抵抗によりその
効率が著しく低下する欠点があった。また、上記の特開
昭64−30613号公報のものは、炭素繊維を含有す
る炭素材料で電極板を構成したものであるため、柔軟性
がなく圧搾時の圧力伝達が均等に行われず偏圧搾となる
虞があり、圧搾膜との接続部で破損し易く、また、非常
に高価である等の欠点があった。そこで、本発明は、上
記先行技術の欠点に鑑み、これを解決したものであっ
て、導電性濾過材をスラリーの濾過面側に直接接触して
通電して電気浸透脱水を行うことによって、低電圧でし
かも低含水率の脱水ケーキを効率良く、且つ安価に得る
ことを目的としてものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】これを達成する手段とし
て、本発明の電気浸透式脱水機は、濾板とダイアフラム
付きの濾板を交互に組み込んで、両者の間に濾室を構成
し、濾板の両側に濾布を配置し、濾布の濾室側に導電性
の濾過材を取付け、ダイアフラム付きの濾板の両側に濾
布を配置し、濾布の濾室側に導電性の濾過材を取付け、
濾過工程中、又は圧搾工程中、又は圧搾の一定時間後
に、導電性の濾過材と導電性の濾過材を電極として両電
極間に直流電流を通電して電気浸透脱水を行うことを特
徴とする。
【0005】
【実施例】本発明の構成を図面に示す実施例について以
下詳細に説明する。本発明の第1実施例の濾布固定式加
圧脱水機の概略を図1乃至図3で説明すると、左右に間
隔をおいて一対の脚1、1を立設し、左側の脚1の上に
固定フレーム2を取付け、右側の脚1の上にシリンダー
フレーム3を取付け、固定フレーム2とシリンダーフレ
ーム3との間に水平方向の主梁4を架設する。シリンダ
ーフレーム3には締付けシリンダー5を取付けると共
に、該締付けシリンダー5の左側に突出するロッドの左
端にルーズヘッド6を取付け、該ルーズヘッド6と上記
固定フレーム2との間には濾板7とダイアフラム付きの
濾板8を交互に多数組み込み、右端の濾板7をルーズヘ
ッド6に取付ける。この濾板7と濾板8の構成は後記す
る図3および図4において詳細に説明する。そして隣同
士の濾板7の上端を逆V字形の濾布吊りリンク9で夫々
連続させ、濾布吊りリンク9の上端からスプリングまた
はワイヤロープ等の吊り部材10を下げ、吊り部材10
の下端に取付けた濾布サポートバー11を対向する左右
一対の濾布12、12の上端を夫々連結し、この両濾板
7、8および夫々の濾布12、12の中央には図2およ
び図3に示すようにフィード口13が開設されている。
【0006】つぎに、本発明の主要部である濾板部分の
第1実施例を図4および図5によって説明する。濾板7
の中央凹部に濾液溝14があり、その上に濾布12が配
置され、その濾室19側に炭素繊維、または金属繊維、
または金網等の導電性材料の濾過材15が取付けてあ
る。また、ダイアフラム側濾板8の表面にはダイアフラ
ム16が取付けられ、その表面には濾液溝17があり、
その上に濾布12が取付けられ、その濾室19側に炭素
繊維、または金属繊維、または金網等の導電性の濾過材
18が取付けてある。この場合濾室19内のスラリーへ
の電流が直ちに伝達されるため効率が良くなる。
【0007】このように構成されているので、これを運
転操作するには、まず、締付けシリンダー5に油圧をか
けてルーズヘッド6を前進させ、各濾板7、8を密着さ
せた状態とする。ここでフィード口13からスラリーを
注入し、各一対の導電性濾過材15、18間に夫々脱水
ケーキを形成させていく。その後にダイアフラム16と
濾板8の間に圧力水を注入し圧搾脱水する。この濾過工
程または圧搾工程の間中、導電性濾過材15と導電性濾
過材18の間に直流電流を流し電気浸透脱水を行うか、
または圧搾の一定時間後に通電して電気浸透脱水する方
法をとる。以上により脱水ケーキを濾室内に形成する。
次に締付けシリンダー5によりルーズヘッド6を後退さ
せ、先頭の濾板7と次の濾板8との間隔を広げる。両濾
板7、8間にある濾布12、12および導電性濾過材1
5、18が逆V字形に開き濾過材表面に形成された脱水
ケーキが落下する。この際、濾布サポートバー11に振
動を与え、脱水ケーキを振り落とすこともある。このよ
うにして、一枚つづ濾板7、8の間隔を広げていきなが
ら、脱水ケーキを次々に落としていく。
【0008】濾布からケーキを剥離するには適宜の公知
手段によることができる。また、第1実施例における導
電性材料の濾過材15、18を濾室19側に取付ける代
わりに、図6に示す第2実施例のように濾布12のスラ
リー19側に濾過材18(又は15)を重ね、濾布12
と濾過材15、18を針金、または糸等の接続材22で
取付けても良い。或いは図7に示す第3実施例のように
濾布12を方形に切抜いてこの切抜部に導電性の濾過材
18(又は15)をその内に嵌め込んで、濾布12と導
電性の濾過材18(又は15)を針金、または糸等の接
続材24で連結するように絡めて取付けても良い。ま
た、この第1実施例の濾過材として、炭素繊維の織布、
または不織布、或いは金属繊維の織物、または金網、金
属製メッシュプレート等で製作しても良い。さらに、濾
過材として織糸に導電性線材を混織したもの、或いは織
糸すべてを導電性線材で織成しても良い。
【0009】また、図8に示す第4実施例のものは、上
記第1実施例の導電性の濾過材15、18を取付けた濾
布12の反濾室側に夫々導電部材25を配設したもので
ある。これにより、濾布12自身に導電性を有すること
で、従来のように濾布12の電気抵抗により電気浸透脱
水の効率が悪化することがなく、この導電性濾布と導電
板との相乗作用によってスラリーに効率的に電流が流
れ、脱水効果が著しく向上するものである。導電性の濾
布は、両濾板に導電板を配設したことにより、いずれか
一方の濾布のみに施すようにしても良い。
【0010】
【発明の効果】以上、各種実施例について詳述したよう
に、本発明は、導電性の濾過材をスラリー側に直接接触
して通電して電気浸透脱水を行うと、従来の濾布のスラ
リーの反対側に電極板を配置して電気浸透脱水を行う方
式に比較して、低電圧でしかも低含水率の脱水ケーキを
効率良く得ることができる。因みに従来のようにスラリ
ーに接する部分が濾布でその裏に電極板を配置して濾過
及び電気浸透脱水を行った場合と、本発明のようにスラ
リーに直接接するように導電性の濾過材を配置して同一
操作条件で電気浸透脱水を行った場合、上水の無薬注汚
泥10%のもので前者は含水率27.5%に対して後者
が25.4%となり、後者が効率良く脱水できる。ま
た、炭素繊維や金属繊維は柔軟性もあり、濾布への取付
けも簡単であり、圧搾の際もダイアフラムの圧力を抵抗
なく伝達でき、しかもコストが金属材料や炭素材料と炭
素繊維を混合して焼成した電極板に比べて非常に安価で
あり、経済的であるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の概略全体側面図
【図2】同じく濾板部分の概略縦断側面図
【図3】同じく濾板部分の縦断正面図
【図4】同じく第1実施例の濾板の縦断側面図
【図5】同じく第1実施例の濾板を閉板した状態の縦断
側面図
【図6】本発明の第2実施例の濾布の縦断側面図
【図7】本発明の第3実施例の濾布の正面図
【図8】本発明の第4実施例の濾板の縦断側面図
【図9】従来例の濾板の縦断側面図
【符号の説明】
1 脚 2 固定フレーム 3 シリンダーフレーム 4 主梁 5 締付けシリンダー 6 ルーズヘッド 7 濾板 8 ダイアフラム付きの濾板 12 濾布 13 フィード口 14、17 濾液溝 16 ダイアフラム 15、18 導電性の濾過材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮野 啓一郎 東京都中央区佃2丁目17番15号 月島機 械株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−297111(JP,A) 特開 平2−172510(JP,A) 特開 昭56−67519(JP,A) 特開 昭56−60604(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 35/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 濾板(7)とダイアフラム(16)付き
    の濾板(8)を交互に組み込んで、両者の間に濾室(1
    9)を構成し、濾板(7)の両側に濾布(12)(1
    2)を配置し、濾布(12)の濾室(19)側に導電性
    の濾過材(15)を取付け、ダイアフラム(16)付き
    の濾板(8)の両側に濾布(12)(12)を配置し、
    濾布(12)の濾室(19)側に導電性の濾過材(1
    8)を取付け、濾過工程中、又は圧搾工程中、又は圧搾
    の一定時間後に、導電性の濾過材(15)と導電性の濾
    過材(18)を電極として両電極間に直流電流を通電し
    て電気浸透脱水を行うことを特徴とする電気浸透式脱水
    機。
  2. 【請求項2】 請求項1の導電性の濾過材(15)(1
    8)を、濾布(12)の濾室(19)側に接続材(2
    2)で取付け、又は、濾布(12)を切抜いた切抜部に
    嵌め込み接続材(24)で濾布(12)に連結したこと
    を特徴とする電気浸透式脱水機。
  3. 【請求項3】 濾板(7)とダイアフラム(16)付き
    の濾板(8)を交互に組み込んで、両者の間に濾室(1
    9)を構成し、濾板(7)の両側に濾布(12)(1
    2)を配置し、ダイアフラム(16)付きの濾板(8)
    の両側に濾布(12)(12)を配置し、相対する一対
    の濾布(12)(12)の濾室(19)側に導電性の濾
    過材(15)(18)を取付け、濾板(7)の表面及び
    ダイアフラム(16)の表面に導電部材(25)(2
    5)を配設し、濾過工程中、又は圧搾工程中、又は圧搾
    の一定時間後に、導電部材(25)(25)を電極とし
    て両電極間に直流電流を通電して電気浸透脱水を行うこ
    とを特徴とする電気浸透式脱水機。
  4. 【請求項4】 濾板(7)とダイアフラム(16)付き
    の濾板(8)を交互に組み込んで、両者の間に濾室(1
    9)を構成し、濾板(7)の両側に濾布(12)(1
    2)を配置し、ダイアフラム(16)付きの濾板(8)
    の両側に濾布(12)(12)を配置し、相対する一対
    の濾布(12)(12)のいずれか一方の濾布(12)
    の濾室(19)側に導電性の濾過材(15又は18)を
    取付け、濾板(7)の表面及びダイアフラム(16)の
    表面に導電部材(25)(25)を配設し、濾過工程
    中、又は圧搾工程中、又は圧搾の一定時間後に、導電部
    材(25)(25)を電極として両電極間に直流電流を
    通電して電気浸透脱水を行うことを特徴とする電気浸透
    式脱水機。
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