JP3296455B2 - ピラゾロンオキソノール化合物及び該化合物を含むハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents
ピラゾロンオキソノール化合物及び該化合物を含むハロゲン化銀写真感光材料Info
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Description
般式(A)で表されるピラゾロンオキソノール化合物に
関し、また、該一般式(A)で表される化合物を含むハ
ロゲン化銀写真感光材料に関する。
基、又は、ヘテロ環基を有するピラゾロンオキソノール
類は数多く知られているが、カルバモイル基を有する化
合物は全く知られていなかった。
て、分光感度を調節したりイラジエーションやハレーシ
ョンを防止するために親水性コロイド層を着色すること
は広く行われている。そのための染料はカブリなど写真
性に悪影響を及ぼさないことは当然であるが現像処理工
程で速やかに脱色される必要があり、さらに好ましくは
処理液中で完全に分解し、処理液に着色などの悪影響を
与えないことが好ましい。
米国特許2,274,782号や、特開昭51−77,
327、特開平3−288,841、同4−130,4
29に記載されたピラゾロンオキソノール染料が見いだ
されてきた。
いとは言えず、保存時に色濃度が低下する等の問題があ
った。
目的の一つは、染料などとして有用な新規なピラゾロン
オキソノール化合物を提供し、また、保存性に優れたハ
ロゲン化銀写真感光材料を提供することである。
によって達成された。 下記一般式(A)で表されるピラゾロンオキソノー
ル化合物。
基、アリール基を表し、R3 は水素原子、アルキル基、
アリール基、ヘテロ環基、水酸基、アルコキシ基、カル
ボキシル基、エステル基、カルバモイル基、アミノ基、
アシルアミノ基、ウレイド基、ウレタン基、又は、シア
ノ基を表す。L1 、L2 、L3 、L4 、L5 はそれぞれ
メチン基を表し、Mは、水素原子、又は、1価の陽イオ
ンを表す。m,nはそれぞれ0か1を表す。) の
一般式(A)で表されるピラゾロンオキソノール化合物
を含むハロゲン化銀写真感光材料。 の一般式
(A)で表される分子分散状のピラゾロンオキソノール
化合物を含むハロゲン化銀写真感光材料。 の一般
式(A)で表される固体分散状のピラゾロンオキソノー
ル化合物を含むハロゲン化銀写真感光材料。前記の「分
子分散状」、「固体分散状」はそれぞれ前記化合物が分
子分散状態、固体分散状態であることを意味する。次に
一般式(A)について詳細に説明する。R1 、R2 で表
されるアルキル基は、炭素数1〜10の直鎖、分岐、又
は、環状アルキル基が好ましく例えば、メチル、エチ
ル、プロピル、n−ブチル、 sec−ブチル、t−ブチ
ル、イソブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、シクロ
ヘキシル、2−エチルヘキシル、シクロペンチル、など
の基が挙げられ、さらに、置換基{炭素数1〜8のアル
コキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ)、炭素数1〜
8のアルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチ
オ)、カルボキシル基、炭素数2〜8のエステル基(例
えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)、炭
素数1〜8のカルバモイル基(例えば、無置換のカルバ
モイル、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイ
ル)、スルホ基、水酸基、ジメチルアミノ基のような置
換アミノ基}を有していてもよい。R1 、R2 で表され
るアリール基はフェニル基が好ましく、さらに置換基を
有していてもよい。置換基としては、R1 、R2 で表さ
れるアルキル基が有していてもよい置換基として挙げた
基のほか、炭素数1〜4のアルキル基(例えば、メチ
ル、エチル、t−ブチル、n−プロピル)、ハロゲン原
子(例えば、F,Cl,Br)、シアノ基、を有してい
てもよい。
連結して飽和の5または6員環を形成していてもよい。
こうして形成される環として、モルホリン環、ピペリジ
ン環、ピロリジン環等が挙げられる。
10の直鎖、分岐、又は、環状アルキル基が好ましく例
えば、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、 sec−
ブチル、t−ブチル、イソブチル、n−ペンチル、n−
ヘキシル、シクロヘキシル、2−エチルヘキシル、シク
ロペンチル、などの基が挙げられ、さらに、置換基{炭
素数1〜8のアルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキ
シ)、炭素数1〜8のアルキルチオ基(例えば、メチル
チオ、エチルチオ)、カルボキシル基、炭素数2〜8の
エステル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカ
ルボニル)、炭素数1〜8のカルバモイル基(例えば、
無置換のカルバモイル、ジメチルカルバモイル、ジエチ
ルカルバモイル)、スルホ基、水酸基、ジメチルアミノ
基のような置換アミノ基}を有していてもよい。R3 で
表されるアリール基はフェニル基が好ましく、さらに置
換基を有していてもよい。置換基としては、R1 、R2
で表されるアリール基が有していてもよい置換基として
挙げた基のほか、炭素数1〜8のアルキルスルホニル基
(例えば、メタンスルホニル)、炭素数2〜8のカルボ
ンアミド基(例えば、アセチルアミノ、プロピオニルア
ミノ)、炭素数2〜8のアシル基(例えば、アセチル
基、プロピオニル基)、炭素数2〜8のウレタン基(例
えば、メトキシカルボニルアミノ、n−ブトキシカルボ
ニルアミノ)、炭素数1〜8のウレイド基(例えば、メ
チルカルバモイルアミノ、フェニルカルバモイルアミ
ノ)、炭素数0〜8のスルファモイル基(例えば、メチ
ルスルファモイル、エチルスルファモイル)を有してい
てもよい。
窒素、硫黄原子をヘテロ原子として含む5員環または6
員環のヘテロ環が好ましく、ピリジル、イミダゾリル、
フリル、チエニル、ピロール、モルホリノなどが挙げら
れる。含窒素ヘテロ環が特に好ましい。
トキシ、エトキシなどが挙げられる。
ルボニル、イソプロポキシカルボニルなどの炭素数7以
下の飽和アルコキシ基を有する基が好ましい。
ニア、メチルアミンなどの一級アミン、モルホリンやジ
エチルアミンなどの二級アミンから誘導されるカルバモ
イル基のいずれでもよいが、二級アミンの場合、置換基
の少なくとも一つはアルキル基が好ましい。
場合、置換基としてはアルキル基が好ましい。
としてはアセチル、ベンゾイルなどの炭素数8以下の基
が好ましい。
ルカルバモイルアミノ、フェニルカルバモイルアミノな
どが挙げられる。
ルボニルアミノ、n−ブトキシカルボニルアミノなど
の、アルキル基を有するウレタン基が好ましい。好まし
くは、R3 が炭素数4以下のアルキル基、無置換または
置換フェニル基、炭素数2以下のアルコキシ基、カルボ
キシル基、炭素数3以下のエステル基、アミノ基、炭素
数6以下のアシルアミノ基、炭素数5以下のウレイド
基、炭素数5以下のウレタン基、であり、かつR1 、R
2 がそれぞれ水素原子、炭素数4以下のアルキル基、無
置換または置換フェニル基の組み合わせである。特に好
ましくは、R3 が炭素数4以下のアルキル基、フェニル
基、エトキシ基、カルボキシル基、エトキシカルボニル
基、アミノ基、炭素数6以下のアシルアミノ基、炭素数
5以下のウレイド基、炭素数5以下のウレタン基であ
り、かつR1 、R2 がそれぞれ水素原子、炭素数4以下
のアルキル基、フェニル基の組み合わせである。
メチン基は無置換でも、置換基(例えば、メチル、エチ
ル、ベンジル、フェニル、クロル、アミノ、ピペリジ
ノ、モルホリノ、ヒドロキシなど)を有していてもよ
い。好ましくは、炭素数3以下のアルキル基が置換基と
して好ましい。また、メチン基同士で連結して5または
6員環(例えば、シクロペンテン環、シクロヘキセン
環、1−クロロシクロヘキセン環、1−ジメチルアミノ
シクロペンテン環、1−モルホリノシクロペンテン環な
ど)を形成していてもよい。
トリウムやカリウムなどのアルカリ金属イオンや、アン
モニウム、トリエチルアンモニウムなどの低級アルキル
アンモニウム、ピリジニウム(置換ピリジニウムも含
む)などがあげられる。
状態で写真感光材料に含まれる場合、その分子量は60
0以下であることが好ましく、500以下であることが
特に好ましい。また、その分子量が500以上のとき、
特に600以上のとき、R1、R2 、R3 の少なくとも
一つに水溶性基を有することが好ましい。そのような水
溶性基としては、スルホ基、カルボキシル基、水酸基、
カルバモイル基、アミノ基が特に好ましい。
状態で写真感光材料に含まれる場合、Mは水素原子であ
ることが好ましい。このとき、R1 、R2 、R3 の少な
くとも一つに、pKaが3以上、13以下の解離性基を
有することが好ましく、pKaは4以上、12以下であ
ることがさらに好ましい。そのような解離性基としては
カルボキシル基、フェノール性水酸基、カルバモイル
基、スルファモイル基などが好ましい。
(B)の化合物と、種々のメチン源(オルトギ酸エチ
ル、1,1,3,3−テトラメトキシプロパン、マロン
アルデヒドジアニル、またはグルタコンアルデヒドジア
ニル等)との反応から合成できる。
式1に示したように、ヒドロキシピラゾールをシアン酸
ナトリウム、あるいはイソシアナートと反応させるか、
セミカルバジド誘導体とβ−ケト酸エステル、オキサロ
酢酸エステル、β−アルコキシ−β−アミノアクリル酸
エステル、β,β−ジアルコキシアクリル酸エステル、
あるいはβ−アルコキシ−β−カルボンアミドアクリル
酸エステルなどとの縮合閉環反応から合成できる。具体
的には、Khim. Geterotsiki. Soedin., 8,1058
(1990)、J.Indian Chem.Soc.,52巻、533〜
537頁(1975年)、米国特許第2472581
号、米国特許第2439098号等に準じて合成でき
る。
示す。
は、感光性層あるいは非感光性層のいずれにも含ませる
ことが出来る。
(A)で表される化合物が、乳剤層やその他の親水性コ
ロイド層に均一に分散されており、電子顕微鏡(TE
M)で倍率10万倍で観察してもなんらの固体も検出さ
れない状態である。
化合物の微粒子結晶は平均粒径が10μ以下(0.01
μ以上)、好ましくは2μ以下(0.01μ以上)であ
り、特に好ましくは0.5μ以下(0.01μ以上)で
あることが好ましい。
は、感光性層あるいは非感光性層中に、種々の方法で分
子分散することができる。化合物を直接に、感光性層あ
るいは非感光性層に分散させる方法、または適当な溶
媒、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プ
ロピルアルコール、特開昭48−9715号、米国特許
3,756,830号に記載のハロゲン化アルコール、
アセトン、水、ジメチルホルムアミド、ピリジン等、あ
るいは、これらの混合溶媒などのなかに溶解され、溶液
の形で添加する方法などである。このうち、水、または
メタノール、水/メタノール混合溶媒を用いるのが好ま
しい。
は、感光性層あるいは非感光性層中に、種々の方法で固
体分散することができる。化合物を適当な溶媒に溶解し
た後、貧溶媒を添加して微結晶を析出させる方法、公知
の粉砕化手段、例えば、ボールミリング、サンドミリン
グ、コロイドミリング、ジェットミリングを用いる方法
などである。固体分散する際、必要なら分散用界面活性
剤を用いることもできる。
られる乳剤としては、通常用いられるシアニン、メロシ
アニン色素等で分光増感されたハロゲン化銀、例えば、
塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、ヨウ臭化銀、塩ヨウ臭化銀
などがある。
常用いられる界面活性剤、硬膜剤などの添加剤を含ませ
られる。また、カラー感光材料に利用される場合、発色
用カプラーやその分散剤が含まれる。
説明する。
合成 メチルバレリルアセテート31.6gとセミカルバジド
塩酸塩22.3gをメタノール200mlに混合し、30
分間室温で攪拌した。この混合物に28%ナトリウムメ
トキシドメタノール溶液を50g添加した。さらに2時
間室温で攪拌後MeOHを減圧下で留去し、残渣に水3
00mlを加え、濃塩酸で中和した。析出した結晶を濾取
し、水で洗浄した。収量25.2g
5.0gと、オルトギ酸エチル2.2gを酢酸20mlに
混合し、30分間40℃で攪拌した。室温に冷却した
後、析出した結晶を濾取し、メタノールで洗浄した。収
量3.6g。λmax=439nm(DMF)
5−ヒドロキシピラゾールカリウム塩の合成 水160mlに酢酸23mlと4,4−ジメチルセミカルバ
ジド41.2gとオキサロ酢酸エチルナトリウム塩8
4.1gを加え、室温で2時間攪拌した後、生成した結
晶Aを濾取し、エタノールで洗浄した。次いでエタノー
ル165mlに結晶A28.1gと炭酸カリウム14.2
gを加え、2時間攪拌還流した。室温まで冷却後、セラ
イト濾過を行った。濾液よりエタノールを留去し、オイ
ル状の目的物14.9gを得た。
5−ヒドロキシピラゾールカリウム塩4.5gとマロン
アルデヒドジアニル塩酸塩2.3gをエタノール40ml
に混合し、更に、トリエチルアミン2.8mlを加え、4
時間60℃で攪拌した。室温に冷却後、酢酸カリウム
2.0gを加え濾過した。得られた濾液にイソプロピル
アルコール25mlと酢酸エチル25mlを加え結晶を濾取
した。収量1.2g。λmax =543nm(H2 O)
0.0gとグルタコンアルデヒドジアニル塩酸塩7.8
gをジメチルホルムアミド(DMF)50mlに混合し、
更に、トリエチルアミン19.2mlを加え、4時間30
℃で攪拌した。室温に冷却した後、濃塩酸25ml/メタ
ノール50mlの混合溶液に注いだ。析出した結晶を濾取
し、メタノールで洗浄した。収量5.0g。λmax =6
10nm(DMF)
ドロキシピラゾールの合成 アセトニトリル90mlに3−フェニル−5−ヒドロキシ
ピラゾール18.4gとn−プロピルイソシアナート
9.8gを加え、2時間還流攪拌した。反応終了後、ア
セトニトリルを減圧下で留去し、得られた残渣をメタノ
ールで再結晶した。収量6g
ドロキシピラゾール6.0gとグルタコンアルデヒドジ
アニル塩酸塩2.9gをジメチルホルムアミド(DM
F)30mlに混合し、更に、トリエチルアミン8mlを加
え、4時間室温で攪拌した。反応終了後、濃塩酸10ml
/メタノール20mlの混合溶液に注いだ。析出した結晶
を濾取し、メタノールおよび水で洗浄した。収量4.5
g。λmax=645nm(DMF)
をつくった。
7倍量の1.7%分散剤水溶液に、強力に攪拌しながら
滴下した。得られた分散液を希釈し、染料濃度を1%に
調整した。
え、80g/m2の塗布層とした場合の光学濃度が1.0
になるように調整した。これにゼラチンに対し、2.6
%になるように硬膜剤を加える。この液を下引きを施し
たポリエステルフィルムベース上に塗布し、50℃で2
4時間加温して乾燥した後、10×12cmの長方形に裁
断して試料片とした。
後の試料片を、マクベス透過濃度計TD−504を用い
て5点を測定し、その平均値を各々の濃度とした。結果
を表−4に示した。
は優れた経時安定性を示す。
化合物は従来知られていた色素に比べ、ゼラチン中の安
定性に優れているため、保存安定性に優れたハロゲン化
銀感光材料に広く用いることができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 下記一般式(A)で表されるピラゾロン
オキソノール化合物。 【化1】 (式中、R1 、R2 は水素原子、アルキル基、アリール
基を表し、R3 は水素原子、アルキル基、アリール基、
ヘテロ環基、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、
エステル基、カルバモイル基、アミノ基、アシルアミノ
基、ウレイド基、ウレタン基、又は、シアノ基を表す。
L1 、L2 、L3 、L4 、L5 はそれぞれメチン基を表
し、Mは、水素原子、又は、1価の陽イオンを表す。
m,nはそれぞれ0か1を表す。) - 【請求項2】 請求項1の一般式(A)で表されるピラ
ゾロンオキソノール化合物を含むハロゲン化銀写真感光
材料。 - 【請求項3】 請求項1の一般式(A)で表される分子
分散状のピラゾロンオキソノール化合物を含むハロゲン
化銀写真感光材料。 - 【請求項4】 請求項1の一般式(A)で表される固体
分散状のピラゾロンオキソノール化合物を含むハロゲン
化銀写真感光材料。
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