JP3293323B2 - 写真廃液処理法および処理装置 - Google Patents

写真廃液処理法および処理装置

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JP3293323B2 JP11663394A JP11663394A JP3293323B2 JP 3293323 B2 JP3293323 B2 JP 3293323B2 JP 11663394 A JP11663394 A JP 11663394A JP 11663394 A JP11663394 A JP 11663394A JP 3293323 B2 JP3293323 B2 JP 3293323B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は写真廃液処理法および処
理装置に関する。さらに詳しくは、写真廃液に含まれる
有機成分および水分を電気分解(以下、単に電解とい
う)により酸化処理し、ガス化することにより大気に放
出することで排水の出ない、写真廃液処理法および処理
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】撮影後の写真フィルムを現像または焼付
処理などを行なう際に、EDTA塩類、p−フェニレン
ジアミンなどの有機物質を含む写真廃液が生じる。この
ような写真廃液は、廃液回収業者により回収され、その
大半が、海などに投棄されることにより処理されてい
る。また、写真廃液の一部は、鉱山で焼却処理されたり
している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、廃液の海洋投
棄は、環境汚染を招くため1995年に全面禁止になる
ため、今後は海洋投棄ができなくなる。
【0004】一方、鉱山で焼却処理するばあい、鉱山で
は大量に処理を行なう関係上、少量の写真廃液でも受け
入れてくれる鉱山が限られてしまうため、処理場所の選
定、確保が難しいという問題がある。しかも、海洋投棄
と比較して処理能力が低く、その反面、巨大な焼却装置
を必要とするため、処理コストが高くならざるをえな
い。
【0005】また、写真廃液を電解処理する方法が実験
的に実施されているが、電解処理を行なう際、電解補助
液として水酸化ナトリウム、塩化ナトリウムなどの薬品
(ばあいによっては劇薬)を使用するため、これらの薬
品の管理、取扱いに注意を必要とする。
【0006】本発明は、かかる問題を解消するためにな
されたものであり、低い処理コストで、しかも、薬品の
管理および取扱いが容易でしかも確実な写真廃液処理法
および装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の写真廃液処理法
は、(a)硫酸酸性溶液に写真廃液を混入する工程、
(b)前記硫酸酸性溶液を電気分解することにより写真
廃液を酸化処理する工程を含み、さらに前記工程(b)
ののちに、(c)陰極側の電解液と陽極側の電解液とを
交換する工程を含むことを特徴とする。
【0008】
【0009】前記硫酸酸性溶液として、硫酸10〜30
重量%、硫酸アンモニウム20〜30重量%、および水
40〜60重量%からなる溶液を採用し、かかる硫酸酸
性溶液に対して5〜20重量%の写真廃液を混入させ、
槽電位5.5〜6V、陽極電流密度0.9〜1.2A/
cm2 および単位電気量当りの陽極の電解液量15〜2
5ml/Ahrの条件下で写真廃液の電気分解を行なう
のが好ましい。
【0010】本発明の写真廃液処理装置は、その内部に
陽極および陰極を有する電解槽と、該電解槽内部の陽極
付近に写真廃液を投入する写真廃液投入機構と、硫酸酸
性溶液を電解槽の陽極および陰極付近に投入し、電気分
解後の電解液を各電極付近ごとに分けて電解槽から排出
し、さらに電気分解後の電解液を電解槽の排出前とは逆
の電極付近に投入する電解液入替え機構とを有すること
を特徴とする。
【0011】前記陽極が白金からなり、陰極がチタンか
らなるのが好ましい。
【0012】前記電解槽の内部に少なくとも2つの空間
部を有するように、隔膜が電解槽の内部に設けられ、前
記陽極および陰極がそれぞれ別々の空間部に収容され、
陽極が収容された第1空間部は写真廃液投入機構および
電解液入替え機構に連通し、陰極が収容された第2空間
部は電解液入替え機構に連通してなるのが好ましい。
【0013】前記隔膜がセラミックスからなるのが好ま
しい。
【0014】前記隔膜が筒状に形成され、かつ筒状の隔
膜が、筒外部および筒内部にそれぞれ、前記第1空間部
または第2空間部のいずれか一方を有するように、電解
槽の内部に設けられてなるのが好ましい。
【0015】前記電解液入替え機構が、エアポンプと、
該エアポンプ、第1空間部および第2空間部にそれぞれ
連通する、密閉された第1タンクおよび第2タンクと、
前記第1タンクと第2空間部とのあいだの連通、第2タ
ンクと第1空間部とのあいだの連通、前記エアポンプの
排気部と第1タンクおよび第2タンクとのあいだの連
通、および前記エアポンプの吸気部と外気とのあいだの
連通を同時に遮断するか、または前記第1タンクと第1
空間部とのあいだの連通、第2タンクと第2空間部との
あいだの連通、前記エアポンプの吸気部と第1タンクお
よび第2タンクとのあいだの連通、および前記エアポン
プの排気部と外気とのあいだの連通を同時に遮断するか
のいずれか一方を選択的に行なう遮断機構からなるのが
好ましい。
【0016】前記遮断機構が、中空のケーシングと、該
ケーシングに摺動自在に内蔵された圧着部材と、該圧着
部材を、ケーシング内部を摺動しうるように押圧するカ
ムとからなるのが好ましい。
【0017】
【作用】本発明によれば、硫酸酸性溶液に写真廃液を混
入させ、硫酸酸性溶液を電気分解して陽極反応で過硫酸
塩を生成する。生成した過硫酸塩の分解反応によりえら
れる活性酸素により写真廃液に含まれる有機物質を酸化
処理し、ガス化させる。ガス化された有機物質および水
分は大気に放出され、一方、写真廃液の残りの成分であ
る、銀や鉄などの金属、および塩類は微量ではあるが、
沈澱し、回収される。
【0018】また、硫酸酸性溶液に写真廃液を混入さ
せ、電気分解により、陽極で写真廃液を酸化処理し、写
真廃液に含まれる有機物質をガス化し、それとともに陰
極で電気分解後の電解液を硫酸酸性溶液に還元すれば、
硫酸酸性溶液を外部から供給しなくても酸化、還元を繰
り返すことによって循環して利用することができる。
【0019】
【実施例】つぎに、図面を参照しながら、本発明の写真
廃液処理法(以下、単に処理法と呼ぶ)および処理装置
を詳細に説明する。図1は本発明の処理装置の一実施例
において電解液を電解槽に投入する状態を示す説明図、
図2は本発明の処理装置の一実施例において電解液を電
解槽から排出する状態を示す説明図、図3は図1および
2の遮断機構の一部切欠斜視図である。
【0020】図1および2に示される処理装置は、写真
廃液を電解処理するための電解槽1と、写真廃液投入機
構2と、定電圧電源3と、電解液入替え機構4から構成
されている。
【0021】電解槽1は、その内部に筒状に形成された
隔膜5が設けられ、筒外部および筒内部にそれぞれ第1
空間部6および第2空間部7を有している。筒外部の第
1空間部6には、陽極8が隔膜5の外周を取り巻くよう
に設けられている。一方、筒内部の第2空間部7には、
陰極9が収容されている。陽極8および陰極9は、それ
ぞれ定電圧電源3の端子に接続されている。
【0022】陽極8はたとえば酸化パラジウム、白金線
などを用いて形成され、陰極9はたとえば鉛、チタン板
などを用いて形成されるが、とくに陽極8に白金線を用
い、陰極9にチタン板を用いれば、電極の腐食が生じ
ず、しかも迅速な電解処理を行なうことができ、好まし
い。
【0023】前記隔膜5は、両極で発生するガスおよび
液体の混合を防ぐことができる材料であれば、いかなる
材料を用いてもよく、たとえば、石綿、セラミックス、
またはポリエステル(ポリエステル不織布として)など
の合成樹脂などが採用される。そのうち、とくにセラミ
ックスを採用したばあい、耐久性があり、交換時の取扱
いや交換後の処理が容易であるため、好ましい。
【0024】なお、本実施例では、筒状に形成された隔
膜5を一例として挙げているが、(1)電解槽1を少な
くとも2以上の空間部に仕切ること、および(2)それ
ぞれの空間部に、少なくとも1本の陽極または陰極が収
容されていること、の2つの条件を満たすものであれ
ば、いかなる形状の隔膜を採用してもよい。とくに隔膜
を筒状に形成すれば、電解槽内にえられる空間部は円筒
または円環状のいずれかの形状になり、各空間部で液体
が円滑に循環でき、電解速度が速くなるため、好まし
い。
【0025】なお、本実施例では筒状の隔膜5の外部を
陽極側の第1空間部、内部を陰極側の第2空間部として
いるが、逆にしてもよい。そのばあい、第1空間部また
は第2空間部に通じるシリコーンチューブなどの配管も
変更される。
【0026】写真廃液投入機構2は、写真廃液タンク1
0および定量ポンプ11からなり、供給管11aを介し
て電解槽1の第1空間部6に連通している。定量ポンプ
11は、写真廃液を所望の流量で供給するためのポンプ
であり、とくに限定されないが、たとえば10〜100
ml/秒程度の供給能力を有するものを用いられる。
【0027】なお、本実施例では、写真廃液タンク10
を有する写真廃液投入機構2を一例として挙げている
が、本発明はこれに限定されるものではなく、写真廃液
タンク10を省略して、定量ポンプ11のみからなるも
のであってもよい。このばあい、現像処理装置などから
排出された写真廃液を定量ポンプ11により直接電解槽
1に供給するようにすればよい。
【0028】電解液入替え機構4は、エアポンプ12
と、遮断機構13と、第1タンク14および第2タンク
15から構成される。
【0029】第1タンク14および第2タンク15は、
硫酸酸性溶液または電解後の電解液を貯蔵するための密
閉容器であり、シリコーンチューブ16a、16b、1
6cおよび16dを介して、電解槽1内の第1空間部6
および第2空間部7にそれぞれ連通している。さらに、
第1タンク14および第2タンク15は、ダクト17を
介してエアポンプ12に連通している。ダクト17は、
エアポンプ12の入口と出口とをループ状に連結するル
ープ部17aと、当該ループ部17aと第1タンク14
および第2タンク15とを連結する分配部17bと、ル
ープ部17aに延設された吸気部17cおよび排気部1
7dからなる。
【0030】遮断機構13は、図3に示されるように、
中空のケーシング13aと、ケーシング13aに摺動自
在に内蔵された圧着部材13bと、圧着部材13bを、
ケーシング13a内部を摺動しうるように、押圧するカ
ム13cからなる。圧着部材13bは、左右にそれぞれ
4枚ずつ押圧板13dを有している。押圧板13dは、
それぞれ等間隔に設けられ、各押圧板13dに隣接して
後述されるシリコーンチューブまたはダクトが配置され
る。
【0031】遮断機構13は、電解液を電解槽1へ供給
する側のA群の4本の配管または電解液を電解槽1から
排出する側のB群の4本の配管のいずれか一方を、圧着
部材13bで圧着することにより、選択的に遮断でき
る。A群の4本の配管は、第1タンク14と第2空間部
7とのあいだを連通するシリコーンチューブ16a、第
2タンク15と第1空間部6とのあいだを連通するシリ
コーンチューブ16b、ダクト17のループ部17aの
吹出し側の部分Xおよびその吸気部17cである。B群
の4本の配管は、第1タンク14と第1空間部6とのあ
いだを連通するシリコーンチューブ16c、第2タンク
15と第2空間部7とのあいだを連通するシリコーンチ
ューブ16d、ダクト17のループ部17aの吸込み側
の部分Yおよびその排気部17dである。
【0032】なお、本実施例では、圧着部材13bをカ
ム13cによって摺動させる遮断機構13を一例として
挙げているが、本発明はこれに限定されるものではな
く、A群の配管またはB群の配管のいずれか一方を選択
的に遮断できるものであればいかなる機構でもよい。た
とえば、それぞれの配管の内部にバタフライ弁を設け、
それぞれのバタフライ弁をリンク機構を介して連結した
機構であったり、それぞれの配管に電磁弁を設けた機構
でもよい。
【0033】たとえば、B群の4本の配管を遮断するば
あい、図1に示されるように、カム13cをモータ(図
示せず)で駆動させ、時計回りに回転させる。このと
き、圧着部材13bは、図1の右方向に摺動してB群の
4本の配管(16c、16d、17aの部分Yおよび1
7d)を圧着し、遮断する。一方、A群の4本の配管を
遮断するばあい、図2に示されるように、カム13cを
反時計回りに回転させる。このとき、圧着部材13b
は、図2の左方向に摺動してA群の4本の配管(16
a、16b、17aの部分Xおよび17c)を圧着し、
遮断する。
【0034】叙上のように構成される処理装置では、電
解槽1に写真廃液投入機構2から写真廃液が投入され、
電解液入替え機構4から硫酸アンモニウムなどの硫酸酸
性溶液が投入され、これらの混合液を一括して電解処理
する。
【0035】硫酸酸性溶液は、たとえば、硫酸アンモニ
ウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウムなどの硫酸塩を含
む溶液であり、電解液はSO4 2-(またはHSO4 -
濃度の大きいほど電流能率がよいため、通常の硫酸塩中
溶解度の最も大きな硫酸アンモニウムを含む溶液が好ま
しい。
【0036】電解液として、硫酸、硫酸アンモニウムお
よび水からなるものを用いるばあい、硫酸10〜30%
(重量%。以下同様)、硫酸アンモニウム20〜30%
および水40〜60%の割合であるのが好ましい。
【0037】たとえば、硫酸酸性水溶液として硫酸アン
モニウム水溶液を用いたばあい、陽極での電解におい
て、硫酸アンモニウムは、硫酸イオン(SO4 2-)の放
電と、生成する遊離基の重合反応と、加水分解によって
生じる活性酸素により写真廃液の有機物質を酸化処理す
る。これらの化学反応は、具体的には以下の化学式で示
される。
【0038】 (NH4 2 SO4 → 2NH4 + +SO4 2- (1) SO4 2-−e- → SO4 - ・ (2) SO4 - ・+SO4 - ・ → S2 8 2- (3) S2 8 2-+H2 O → SO5 2-+SO4 2-+2H+ (4) SO5 2-+有機物質 → SO4 2-+2H+ +<O−有機物質> (5) これらの化学反応により、最終的に酸化処理された写真
廃液中の有機物質はガス化し、大気に放出される。
【0039】一方、陰極においては、以下の式に示すよ
うに、水素ガスおよび硫酸アンモニウムが生じる。
【0040】 2H+ +2e- → H2 ↑ (6) H2 SO4 → 2H+ +SO4 2- (7) 2NH4 + +SO4 2- → (NH4 2 SO4 (8) 以上の陽極および陰極の電解により、硫酸アンモニウム
は、酸化および還元を繰り返すが、実質的に減少しない
から補給の必要はない。また、混合液中の水も電解され
るが、水は写真廃液に含まれる水分により補給される。
【0041】つぎに、本発明の処理装置を用いた具体的
な写真廃液処理法を図1および2を参照しながら説明す
る。
【0042】まず、電解槽1には硫酸20%、硫酸アン
モニウム26%、水54%の成分構成とした電解液を陽
極8側の第1空間部6および陰極9側の第2空間部7に
それぞれ投入しておく。電解液は、陽極表面積と陽極電
流密度0.9〜1.2A/cm2 と単位電気量当たりの
陽極の電解液量15〜25ml/Ahrより計算した量
を投入する。たとえば、陽極表面積を500cm2 、陽
極電流密度を1.0A/cm2 、単位電気量当たりの陽
極の電解液量を20ml/Ahr、電解時間を30分
(0.5hr)としたとき、電解液の投入量は500c
2 ×1.0A/cm2 ×0.5hr×20ml/Ah
r=5000mlである。
【0043】ついで、写真廃液投入機構2により陽極8
の電解液量に対して10%の質量の写真廃液を電解槽1
の陽極8側の第1空間部6に投入し、槽電圧を6Vにし
て30分間電解処理する。このとき、第1空間部6内で
は、前述の陽極での化学反応により、硫酸アンモニウム
は、硫酸イオンの放電と、生成する遊離基の重合反応
と、硫酸イオンの加水分解によって生じる活性酸素によ
り写真廃液の有機物質を酸化処理し、ガス化する。ガス
化された有機成分は大気に放出され、写真廃液の残りの
成分である、銀や鉄などの金属、および塩類は沈澱す
る。沈澱の量は微量であるので、くり返し廃液処理した
のち回収する。一方、陰極9側の第2空間部7内では、
陽極酸化によって生成した硫酸を還元し、硫酸アンモニ
ウムを再生する。
【0044】電解処理後、図2に示されるように、遮断
機構13によってA群の4本の配管、すなわちシリコー
ンチューブ16aおよび16b、ならびにダクト17の
ループ部17aの吹出し側の部分Xおよびその吸気部1
7cを圧着し、エアポンプ12を作動させる。エアポン
プ12の吸引圧力を受けて、第1タンク14および第2
タンク15内部の空気は、ダクト17の分配部17bお
よびループ部17aの吸込み側の部分Y、エアポンプ1
2、ならびにダクト17の排気部17dを経て外部に放
出される。それとともに、第1タンク14および第2タ
ンク15内部の空気が抜かれるにつれて、負圧により電
解槽1内の電解液は第1タンク14および第2タンク1
5へ吸い込まれる。具体的には、第1空間部6内の陽極
酸化された電解液は、シリコーンチューブ16cを介し
て第1タンク14へ吸い込まれ、第2空間部7内の還元
された電解液は、シリコーンチューブ16dを介して第
2タンク15へ吸い込まれる。
【0045】つぎの電解処理を行なうばあい、図1に示
されるように、遮断機構13によってB群の4本の配
管、すなわちシリコーンチューブ16cおよび16d、
ならびにダクト17のループ部17aの吸込み側の部分
Yおよびその排気部17dを圧着し、エアポンプ12を
作動させる。このとき、外気が、ダクト17の吸気部1
7c、エアポンプ12、ならびにダクト17のループ部
17aの吹出し側の部分Xおよび分配部17bを経て第
1タンク14および第2タンク15内部へ吸引される。
第1タンク14および第2タンク15の内圧の上昇によ
り、第1タンク14および第2タンク15の電解液は電
解槽1へ投入される。具体的には、第1タンク14内の
陽極酸化された電解液は、シリコーンチューブ16aを
介してへ第2空間部7へ投入され、第2タンク15内の
還元された電解液は、シリコーンチューブ16bを介し
てへ第1空間部6へ投入される。そののち、前述の電解
処理およびそれ以後の工程を繰り返せばよい。
【0046】この処理法では、電解液は、第1空間部6
(酸化)、第1タンク14、第2空間部(還元)、なら
びに第2タンク15の順で循環させることによって、陽
極付近の電解液の組成を常に一定に保つことができ、し
かも外部からの補給の必要がない。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、廃液を回収せずに直接
処理するため、廃液の管理および保管場所が不要にな
る。しかも写真廃液の有機成分および水分はガス化され
て大気に放出され、微量の銀、鉄および塩類が沈澱回収
されるため、水処理の設備が不要になり、低い処理コス
トで廃液処理を行なうことができる。
【0048】しかも、電解液を循環して利用すれば、電
解液の管理および取扱いを容易、かつ確実に行なうこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の処理装置の一実施例において電解液を
電解槽に投入する状態を示す説明図である。
【図2】本発明の処理装置の一実施例において電解液を
電解槽から排出する状態を示す説明図である。
【図3】図1および2の遮断機構の一部切欠斜視図であ
る。
【符号の説明】 1 電解槽 2 写真廃液投入機構 3 定電圧電源 4 電解液入替え機構 5 隔膜 6 第1空間部 7 第2空間部 8 陽極 9 陰極 12 エアポンプ 13 遮断機構 14 第1タンク 15 第2タンク

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)硫酸酸性溶液に写真廃液を混入す
    る工程、 (b)前記硫酸酸性溶液を電気分解することにより写真
    廃液を酸化処理する工程を含み、さらに 前記工程(b)ののちに、(c)陰極側の電解液と陽極
    側の電解液とを交換する工程を含む ことを特徴とする写
    真廃液処理法。
  2. 【請求項2】 前記硫酸酸性溶液として、硫酸10〜3
    0重量%、硫酸アンモニウム20〜30重量%、および
    水40〜60重量%からなる溶液を採用し、かかる硫酸
    酸性溶液に対して5〜20重量%の写真廃液を混入さ
    せ、槽電位5.5〜6V、陽極電流密度0.9〜1.2
    A/cm2および単位電気量当りの陽極の電解液量15
    〜25ml/Ahrの条件下で写真廃液の電気分解を行
    なう請求項1記載の写真廃液処理法。
  3. 【請求項3】 その内部に陽極および陰極を有する電解
    槽と、該電解槽内部の陽極付近に写真廃液を投入する写
    真廃液投入機構と、硫酸酸性溶液を電解槽の陽極および
    陰極付近に投入し、電気分解後の電解液を各電極付近ご
    とに分けて電解槽から排出し、さらに電気分解後の電解
    液を電解槽の排出前とは逆の電極付近に投入する電解液
    入替え機構とを有することを特徴とする写真廃液処理装
    置。
  4. 【請求項4】 前記陽極が白金からなり、陰極がチタン
    からなる請求項記載の写真廃液処理装置。
  5. 【請求項5】 前記電解槽の内部に少なくとも2つの空
    間部を有するように、隔膜が電解槽の内部に設けられ、
    前記陽極および陰極がそれぞれ別々の空間部に収容さ
    れ、陽極が収容された第1空間部は写真廃液投入機構お
    よび電解液入替え機構に連通し、陰極が収容された第2
    空間部は電解液入替え機構に連通してなる請求項4記
    の写真廃液処理装置。
  6. 【請求項6】 前記隔膜がセラミックスからなる請求項
    記載の写真廃液処理装置。
  7. 【請求項7】 前記隔膜が筒状に形成され、かつ筒状の
    隔膜が、筒外部および筒内部にそれぞれ、前記第1空間
    部または第2空間部のいずれか一方を有するように、電
    解槽の内部に設けられてなる請求項6記載の写真廃液処
    理装置。
  8. 【請求項8】 前記電解液入替え機構が、エアポンプ
    と、該エアポンプ、第1空間部および第2空間部にそれ
    ぞれ連通する、密閉された第1タンクおよび第2タンク
    と、前記第1タンクと第2空間部とのあいだの連通、第
    2タンクと第1空間部とのあいだの連通、前記エアポン
    プの排気部と第1タンクおよび第2タンクとのあいだの
    連通、および前記エアポンプの吸気部と外気とのあいだ
    の連通を同時に遮断するか、または前記第1タンクと第
    1空間部とのあいだの連通、第2タンクと第2空間部と
    のあいだの連通、前記エアポンプの吸気部と第1タンク
    および第2タンクとのあいだの連通、および前記エアポ
    ンプの排気部と外気とのあいだの連通を同時に遮断する
    かのいずれか一方を選択的に行なう遮断機構からなる請
    求項6または7記載の写真廃液処理装置。
  9. 【請求項9】 前記遮断機構が、中空のケーシングと、
    該ケーシングに摺動自在に内蔵された圧着部材と、該圧
    着部材を、ケーシング内部を摺動しうるように押圧する
    カムとからなる請求項記載の写真廃液処理装置。
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