JP3292618B2 - 負荷推定器、負荷トルク推定器、制御装置及び電動機の速度制御装置 - Google Patents

負荷推定器、負荷トルク推定器、制御装置及び電動機の速度制御装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、負荷を有する制御対象
の負荷の量を推定する負荷推定器、負荷トルクを推定す
る負荷トルク推定器、これらの推定器を備える制御装置
及び電動機の速度制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、鉄鋼を圧延する圧延機を負荷と
して駆動する電動機の速度制御装置には、図6に示すよ
うな速度制御系が採用されている。図示のごとく、この
速度制御系は、速度制御ループと電流制御マイナールー
プとで構成されている。このうち、速度制御ループは、
負荷1が軸2を介して連結されている電動機3の回転速
度を検出する速度検出器4と、速度指令値と速度検出器
4により検出された速度検出値との偏差を求める第1の
減算器5と、この第1の減算器5から出力される速度偏
差をもとに適当な制御論理に基づき電流指令値を出力す
る速度制御器6とで構成されている。また、電流制御マ
イナーループは、電動機3に流れる電流を検出する電流
検出器7と、速度制御器6から出力される電流指令値と
電流検出器7で検出された電流検出値との偏差を求める
第2の減算器8と、この第2の減算器8から出力される
電流偏差をもとに適当な制御論理に基づき制御電源10
に対して電圧指令値を出力する電流制御器9とで構成さ
れている。なお、速度制御器6および電流制御器9の制
御論理は、一般的には、比例、積分であることが多い。
【0003】この電動機の速度制御装置において、制御
対象である電動機3と負荷1とを制御する場合、負荷が
急に印加されたり脱落したり、あるいは急に増加ないし
は減少すると、速度制御がその急速な変化に十分対応で
きず、速度に擾乱が発生する。負荷が急に印加される場
合を例にとって、もう少し詳しく説明する。電動機3と
負荷1とを連結する軸2が十分に硬くその弾性を無視で
きる場合に、電動機3を一定速度で制御している時、負
荷の急な印加は速度の非振動的落ち込みを生ずる。これ
が、いわゆるインパクト・ドロップである。同様ではあ
るが、電動機3と負荷1を連結する軸2が十分に硬くは
なくその弾性が無視できない場合、電動機の加減速時や
負荷の急な印加、脱落時に速度の振動を生じる。これ
が、いわゆる、軸ねじり振動である。
【0004】上記の問題点を解決する電動機の速度制御
の一例としては、電気学会論文誌D産業応用部門誌昭和
62年1月号(107巻1号)p85、図5に見られる
構成のものがある。図7は上記論文誌に掲載されたもの
と同一のもので、この電動機の速度制御装置の構成を示
すブロック図である。図中の記号の定義は以下のとおり
である。 TM :電動機トルク TL :負荷トルク TL est :負荷トルク推定値 J :負荷特性 Jn :負荷慣性設定値 τ:オブザーバ時定数 ω:電動機速度 Kt :比例ゲイン s:ラプラス演算子 ia ref :電流指令値 Ia :電流値 図中、破線で囲った部分は、いわゆる、外乱オブザーバ
と称されるもので、同一の信号を入力とする二つのブロ
ック[Jn /τ]及び[Jn /τ/(1+τs)]を有
し、かつ、ブロック[Jn /τ]の出力からブロック
[Jn /τ/(1+τs)]の出力を減算したものを出
力とする関係にあるので、その合成伝達係数Gobs
【0005】
【数1】 となる。ただしJ=Jn の場合である。以上の関係か
ら、合成伝達係数Gobs は電動機の伝達特性[1/J
s]の逆関数となり、下記(2) 式により、負荷トルクT
L est が推定できる。
【0006】
【数2】 この、負荷トルク推定値TL est を図示のごとく、電流
指令値ia ref に加算すると、印加された負荷トルク分
に見合った電流指令がもともとの電流指令値ia ref
重畳され、負荷トルクの影響が軽減される。しかし、こ
の方法には、以下に示す問題点がある。まず第1に、こ
の方式の外乱オブザーバは(1) 式がはっきり示している
ように、微分Jsないしは模擬微分Js/(1+τs)
を用いているので、ノイズに極めて弱く、このために、
実用化が困難である。図7の破線内の外乱オブザーバの
構成では、一見微分も疑似微分も含まれておらず、問題
ないように見える。しかし、それは見掛け上のことに過
ぎず、全体としては微分ないしは疑似微分の特性となっ
ているので、ノイズに極めて弱いという欠点はまぬがれ
ない。
【0007】第2には、負荷トルク推定値TL est を電
流指令値ia ref に加算する構成になっているため、前
述した、軸のねじれが問題とならないときのインパクト
・ドロップの補償には何らかの効果があるが、軸のねじ
れが問題となるときの軸ねじり振動に対して、詳しくは
後述するが、軸のねじれを大きくしてしまい、かえって
振動を助長し、逆効果となる。
【0008】次に、第2の従来例を示す。これは特開平
4−145886号公報に開示されたもので、その特徴
は、軸のねじれが問題となるときの軸ねじり振動を抑制
することを目的とし、軸にトルク検出のための検出器を
取り付けていることである。図8にその構成を示す。こ
こでは、図6と同一の構成要素には同一の番号を付して
その説明を省略し、異なる構成要素についてのみ述べ
る。負荷1と電動機3とを連結する軸2にストレインゲ
ージ(ひずみゲージ)21および送信機22がそれぞれ
取り付けられている。ストレインゲージ21は軸2のひ
ずみ量を検出し、その検出信号を電気信号として出力す
るものであり、送信機22はストレインゲージ21から
入力される検出信号をFM変調して発信するFM発信器
を主体としており、これら両者は軸2と一体となって回
転する。非回転側に設置された受信機23は送信機22
より発信されたFM波を受信し、このFM波からひずみ
量の検出信号を復調するもので、この受信機23で復調
された検出信号は、信号処理回路24に入力される。こ
の信号処理回路24はストレインゲージ21が検出した
軸2のひずみ量から(3) 式に示す物理公式に基づいて、
ひずみトルクTs を求める。 Ts =(π/32)D3 Gε (3) ただし、 D:軸径、 G:横弾性係数、 ε:ひずみ量 である。この検出したひずみトルクTs を減算器25へ
フィードバックして、軸ねじり振動を抑制するのである
が、この方法では、回転部分に発信器を装着しているた
め、その発信器の電源は電池とせざるを得ず、その交換
など保守に手間がかかること、遠心力が働くため高速回
転の用途には適さないことなどの問題点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、第1
の従来例の制御装置においては、等価的に微分又は疑似
微分特性となるオブザーバを用いて負荷を推定するた
め、ノイズに弱くなる難点がある。第2の従来例では、
実際の軸トルクを直接検出し制御に供するため、制御性
能の点では優れているが、保守や適用対象が制限される
ことなどに問題点があった。
【0010】本発明は、従来技術における上記問題点を
解決するためになされたもので、制御対象に加わる負荷
の量を計算により推定し、かつその過程でノイズに極め
て弱い微分ないしは疑似微分特性を用いない負荷推定器
を提案し、かつこの負荷推定器を用いて、インパクト・
ドロップ、軸ねじり振動などによる制御性能の劣化を最
小限に抑え、かつ、保守の容易な電動機の制御装置を提
供し、さらにはステップ状ないしはそれに類する形状の
負荷が印加、脱落する制御系において、負荷推定器を用
いてこの負荷が印加、脱落する時点と量を検知し、その
情報に基づいて制御系への指令値を補正する電動機の制
御装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の負荷推
定器は、制御対象の信号伝達特性を模擬する信号伝達要
素と、この信号伝達要素の出力に対する制御対象の出力
の差を求める減算器と、この減算器の出力に適切な係数
を乗算する係数器と、この係数器の出力に信号伝達要素
に入力として与える信号と同一の信号を加算する加算器
とを備え、この加算器の出力を制御対象への指令値と
し、係数器の出力を制御対象に印加される負荷量の推定
値とすることを特徴としている。
【0012】請求項2に記載の電動機の負荷トルク推定
器は、電動機の電流指令値から速度応答までの応答特性
を模擬する信号伝達要素と、この信号伝達要素の出力に
対する電動機の速度の差を求める減算器と、この減算器
の出力に適切な係数を乗算する係数器と、この係数器の
出力に信号伝達要素に入力として与える信号と同一の信
号を加算する加算器とを備え、この加算器の出力を電動
機を駆動する電力変換器への指令値とし、係数器の出力
をこの電動機に印加される負荷トルクの推定値とするこ
とを特徴としている。
【0013】請求項3に記載の制御装置は、請求項1に
記載の負荷推定器を備え、負荷量の推定値をフィードバ
ック量として制御に用いることを特徴としている。
【0014】請求項4に記載の電動機の速度制御装置
は、負荷と電動機とが、剛体とみなすことのできる連結
軸で連結されている電動機の速度制御装置において、電
動機の速度を検出する速度検出器と、電動機の速度指令
に対する速度検出器で検出された電動機の速度の差を演
算する減算器と、この減算器の出力を用いて適当な制御
論理に基づき制御指令値を出力する制御器と、請求項2
に記載の負荷トルク推定器とを備え、この負荷トルク推
定器の出力である推定負荷トルクをフィードバックして
制御指令値に加算してこの制御指令値を補正することを
特徴としている。
【0015】請求項5に記載の電動機の速度制御装置
は、負荷と電動機とが、剛体とみなすことのできない連
結軸で連結されている電動機の速度制御装置において、
電動機の速度を検出する速度検出器と、電動機の速度指
令に対する速度検出器で検出された電動機の速度の差を
演算する減算器と、この減算器の出力を用いて適当な制
御論理に基づき制御指令値を出力する制御器と、請求項
2に記載の負荷トルク推定器とを備え、この負荷トルク
推定器の出力である推定負荷トルクをフィードバックし
て制御指令値から減算してこの制御指令値を補正するこ
とを特徴としている。
【0016】請求項6に記載の電動機の速度制御装置は
請求項4又は請求項5の構成要素に、さらに、負荷トル
ク推定器の出力により負荷トルクが印加ないし脱落した
ことを検知する手段と、その検知信号に応動して電動機
への速度指令を負荷トルク推定器の負荷推定値に対応し
た量だけ修正する手段とを備えたことを特徴としてい
る。
【0017】請求項7に記載の電動機の速度制御装置
は、請求項6の電動機への速度指令を負荷トルク推定器
の負荷推定値に対応した量だけ修正する際、その修正量
を、過去のデータ、あるいは負荷トルク又は負荷トルク
発生源の性質などを元にして特定したものを用いること
を特徴としている。
【0018】
【作用】請求項1に記載の負荷推定器においては、制御
対象の信号伝達特性を模擬した出力に対する制御対象の
出力の差を求め、この差に適切な係数を乗算して得られ
た値と信号伝達特性を模擬する入力信号と同一の信号を
加算して制御対象への指令値とし、出力差に係数を乗算
して得られた値を負荷量の推定値としている。
【0019】請求項2に記載の電動機の負荷トルク推定
器においては、電動機を制御対象として、電流指令値か
ら速度応答までの応答特性を模擬して得られる速度と実
際の速度との差に適切な係数を乗算して得られた値と模
擬の入力信号と同一の信号を加算して電動機を駆動する
電力変換器への指令値とし、速度差に適切な係数を乗算
して得られた値を負荷トルクの推定値としているので、
制御対象に負荷が印加されても、それによる制御性能の
劣化を抑制することができる。
【0020】請求項3に記載の制御装置は、上記の負荷
推定器を備え、その推定値をフィードバック量として制
御に用いるようにしているので、制御対象に負荷が印加
されても、それによる制御性能の劣化を抑制することが
できる。
【0021】請求項4に記載の電動機の速度制御装置に
おいては、負荷と電動機とが剛体とみなすことのできる
連結軸で連結されている場合に、上述した負荷トルク推
定器の出力である推定負荷トルクをフィードバックして
制御指令値に加算してこの制御指令値を補正しているの
で、電動機に負荷が印加されても、それによる制御性能
の劣化を抑制することができる。
【0022】請求項5に記載の電動機の速度制御装置に
おいては、負荷と電動機とが剛体とみなすことのできな
い連結軸で連結されている場合に、上述した負荷トルク
推定器の出力である推定負荷トルクをフィードバックし
て制御指令値から減算してこの制御指令値を補正してい
るので、電動機に負荷が印加されても、それによる制御
性能の劣化を抑制することができる。
【0023】請求項6に記載の電動機の速度制御装置に
おいては、負荷トルク推定器の出力により負荷トルクが
印加ないし脱落したことを検知し、その検知信号に応動
して電動機への速度指令を負荷トルク推定器の負荷推定
値に対応した量だけ修正するようにしている。
【0024】請求項7に記載の電動機の速度制御装置に
おいては、負荷推定値に対応した量だけ修正する際、そ
の修正量を、過去のデータ、あるいは負荷トルク又は負
荷トルク発生源の性質などを元にして特定したものを用
いる。
【0025】
【実施例】以下に本発明を図面に示す実施例によって詳
細に説明する。図1は本発明の第1の実施例に係わる制
御装置のブロック図である。図中、50は制御対象でそ
の伝達関数をG1とする。制御対象50に対する負荷T
s は加算点56にて図示の極性で加えられるものとす
る。51は制御対象を模擬する信号伝達要素でその伝達
関数をG2とする。制御対象50の出力ωは減算器52
へフィードバックされ、信号伝達要素51の出力から減
算される。減算器52の出力は係数器53へ入力され係
数Kを乗じて出力される。この出力値は加算器54に加
えられ、この制御系への指令値55に加算される。この
制御系への指令値55は、同時に前記の制御対象を模擬
する信号伝達要素51へも入力される。係数器53の出
力が、負荷の推定値Ts est となる。負荷Ts から負荷
の推定値Ts est までの伝達関数を求めると、
【0026】
【数3】 となり、G1 がいわゆる真にプロパー、つまり、sに関
して分母の次数が分子の次数より大きければ、有限時間
の過度現象を経て、Ts est はTs に収束し、負荷の推
定が達成される。
【0027】図2は本発明の第2の実施例に係わる電動
機の制御装置のブロック図である。同図において図1と
同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略す
る。本実施例では、制御対象を電動機としている。図2
で、制御対象50は電動機の機械的動特性を表し、通常
M =1/(J M s+D)]あるいは[ M =1/J
M ]などの伝達係数で表現されることが多い。ここ
で、JM は電動機の慣性、Dは粘性抵抗係数である。5
7は電動機の電流制御ループを含めた電気系の動特性を
表わす。その伝達特性をGE とする。GE は通常[ E
=1/(s+ω cc )]などのように、ゲインが1の一次
遅れ特性で表現されることが多い。58はこの電気系の
動特性を模擬する信号伝達要素である。この例では、出
力ωは電動機速度になり、制御系への指令値55は電流
指令値になる。第1の実施例と同様、負荷Ts から負荷
の推定値Ts est までの伝達係数を求めると、
【0028】
【数4】 となり、GM 、GE とも真にプロパーであるので、有限
時間の過度現象を経て、Ts est はTs に収束し、負荷
の推定が達成される。以上に、本発明による負荷量の推
定器の構成と原理を示したが、これにより推定された負
荷量を何らかの方式で制御に活用すると、制御性能の向
上が得られる場合がある。
【0029】図3は本発明の第3の実施例に係わる電動
機の制御装置の構成を示すブロック図である。この実施
例は負荷と電動機とが剛体とみなすことができる連結軸
で連結されている電動機の速度制御装置において、いわ
ゆるインパクト・ドロップを低減することを目的とした
ものである。同図において図1および図2と同一の構成
要素には同一の符号を付しその説明を省略する。59は
速度フィードバックのための減算器で、速度指令ω*
電動機速度ωとの偏差を求める。この偏差は速度制御器
60に加えられ、この速度制御器60から電流指令が出
力される。
【0030】本実施例で印加される負荷量は、負荷トル
クである。負荷トルクによる擾乱を抑制するには、これ
を相殺する分だけ、電動機の出力トルクを増加させれば
よい。そのためには、その分に見合った量だけ電流指令
を増やせばよいので、上記第2の実施例の負荷推定器を
組み込み、負荷トルクを推定し、これにトルクを電流に
換算する係数を係数器61で乗じる。これにより印加さ
れた負荷トルクを相殺する分の電流値が得られるので、
これを加算器62で速度制御器60の出力である電流指
令に加算し、新たな電流指令であり、かつ、負荷推定器
への指令値55とすればよい。
【0031】図4は本発明の第4実施例に係わる電動機
の制御装置の構成を示すブロック図である。この実施例
は負荷と電動機とが剛体とみなすことのできない連結軸
で連結されている電動機の速度制御装置において、いわ
ゆる軸ねじり振動を低減することを目的としたものであ
る。同図において図1、図2および図3と同一の構成要
素には同一の記号を付し説明を省略する。図中、501
は負荷の機械的動特性を表し、通常[ L =1/(J L
s+D L )]あるいは[GL =1/JL s]などの伝達
係数で表現されることが多い。ここでJL は負荷の慣
性、DL は粘性抵抗係数である。502は軸2の弾性を
表し、通常[Ks /s]などの伝達係数で表現される。
ここで、Ks は軸のバネ定数である。ωL は負荷の速
度、TL は負荷に加わるトルクである。
【0032】本実施例で電動機に印加される負荷量は、
軸トルクで、かつそれは振動的である。この軸トルクに
よる擾乱、つまり振動を抑制する方法の本質は、振動の
原因、つまり軸のねじれをなるべく生じないようにする
ことである。例えば、一定の速度指令に基づき一定の速
度で回転している電動機とその負荷を考える。この状況
で負荷に負荷トルクTL が加わると、負荷の回転速度だ
けがまず低下し、電動機速度との間に差が生じて、軸が
ねじられる。この後しばらくすると、今度は軸を介して
電動機に、軸トルクとして、負荷トルクの影響が及び、
電動機速度が減少する。ここで、速度指令が一定のまま
であると、この電動機速度の減少をくい止めるべく、電
動機を加速することになり、軸のねじれは解消されな
い。弾性体に一旦ねじれが発生すると、それを解消する
ために必ず振動が発生する。この軸のねじれをなるべく
生じないようにするには、負荷トルクが印加されたら、
その量に応じて、電動機を一旦減速させればよい。これ
により、負荷との減速差が理想的には0、現実にはなる
べく小さくでき、その結果、振動の原因であるねじれが
発生しないか、しても小さい値にとどまり、振動を抑制
することができるのである。
【0033】上記の制御を実現するには、前記第2の実
施例の負荷推定器を組み込み、負荷トルクを推定し、推
定した負荷トルクに対してこれを電流に換算するととも
に大きさを調節するための係数を係数器61で乗じる。
これにより、印加された負荷トルクに応じて、軸ねじり
を抑えるための電流指令補正値が得られるので、これを
減算器65で速度制御器60の出力である電流指令から
減算し、新たな電流指令でありかつ負荷推定器への指令
値55とすればよい。
【0034】図5は本発明の第5実施例に係わる電動機
の制御装置の構成を示すブロック図である。本実施例は
鉄鋼圧延などにおける電動機の速度制御系へ、速度指令
を与える方法に関するものである。鉄鋼圧延などにおい
ては、電動機の負荷であるロールに被圧延材が噛み込ま
れると、負荷トルクとしてステップ状の負荷トルク、又
は印加直後つまり被圧延材が噛み込まれた直後の過度現
象を経た後ほぼ一定量の大きさとなる負荷トルクが印加
される。これにより、上記のねじり振動が発生する。第
4の実施例などにより、このねじり振動がうまく抑制で
きている場合でも、インパクト・ドロップ状の速度の低
下と回復は避けられない。鉄鋼圧延においては、このイ
ンパクト・ドロップ状の速度の低下と回復の過程でロー
ルを通過した圧延材の部分は、回復後の一定速にてロー
ルを通過した他の圧延材の部分と異なる速度で圧延され
る。つまり、一本の圧延材の内圧延状態が異なる部分が
生じ、圧延品質が均一にできず、ひいては、歩留まりが
低下する。
【0035】上記のインパクト・ドロップ状の速度の低
下と回復のうち、速度の低下は、フィードバック制御、
すなわち結果を検知しそれに基づき制御動作を起こす制
御方式では、避けるのが難しい。しかし、速度の回復
は、電動機への速度指令を一定のままにしているためそ
の指令値へ復帰するために生ずるものであるから、負荷
トルクが印加されたことを検知し、該負荷トルクの検知
に応動して電動機への速度指令を前記負荷トルク推定器
の負荷推定値に対応した量だけ小さくすれば、上記の速
度の回復の必要が無くなり、歩留まりを向上できる。図
5において図1、図2、図3および図4と同一の構成要
素には同一の記号を付してその説明を省略する。本実施
例では上記第4の実施例に示した軸トルク推定器が組み
込まれ、その軸トルク指令値が係数器63を介し、軸ト
ルク推定値に見合った速度指令修正量に変換され、減算
器64にて、元々の速度指令値から減算され、その結
果、得られた値が新たな速度指令値として、減算器59
へ入力される。このようにして、先に説明した、ねじれ
を抑制する制御が可能となり、振動が抑制できる。
【0036】この実施例においては、さらに、係数器6
3にて軸トルク推定値に見合った速度指令修正量に変換
する際、鉄鋼圧延などのように、ほぼ同一の材料条件の
圧延材が次々に何本も圧延される場合、つまりほぼ同一
の条件の負荷トルクが何度も繰り返し印加される場合、
最初の一回ないし数回の負荷トルクの印加のデータか
ら、速度の垂下量と印加された負荷トルクの関係が得ら
れるので、この関数を用いて係数器63に設定する係数
の決定ないし修正を行うこともできる。以上の実施例の
説明においては、主に負荷量ないし負荷トルクが印加さ
れる場合を例に取り説明したが、負荷が抜ける、ないし
は、脱落する場合も同様の説明が当てはまることは、言
を待たない。上記の実施例において、係数器53,6
1,63は理論的には比例要素、つまりは一定値である
が、実用に当たって、ノイズの除去、遅れの補償などの
ために、適当な動特性をもたせても差し支えない。
【0037】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、制御
対象に印加される負荷量、負荷トルクを推定することが
でき、また、その量に対応した制御動作又は制御指令の
修正を行うので、制御対象に負荷が印加されても、それ
による制御性能の劣化を抑制することができ、さらに、
保守の容易な制御装置、電動機の制御装置を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の構成を示すブロック
図。
【図2】本発明の第2の実施例の構成を示すブロック
図。
【図3】本発明の第3の実施例の構成を示すブロック
図。
【図4】本発明の第4の実施例の構成を示すブロック
図。
【図5】本発明の第5の実施例の構成を示すブロック
図。
【図6】一般的な電動機制御系の構成を示すブロック
図。
【図7】第1の従来例の構成を示すブロック図。
【図8】第2の従来例の構成を示すブロック図。
【符号の説明】
1 負荷 2 軸 3 電動機 4 速度検出器 5,8,25,52,59,64,65 減算器 6,60 速度制御器 7 電流検出器 9 電流制御器 10 制御電源 21 ストレインゲージ 22 送信機 23 受信機 24 信号処理回路 50 制御対象 51 信号伝達要素 53,61,63 係数器 54,52 加算器 55 指令値 56 加算点 57 電動機電気系動特性ブロック 58 信号伝達要素
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B21B 37/00 BBH (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02P 5/00 G05B 13/04 G05D 13/62 B21B 37/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】制御対象の信号伝達特性を模擬する信号伝
    達要素と、該信号伝達要素の出力に対する前記制御対象
    の出力の差を求める減算器と、該減算器の出力に適切な
    係数を乗算する係数器と、該係数器の出力に前記信号伝
    達要素に入力として与える信号と同一の信号を加算する
    加算器とを備え、該加算器の出力を前記制御対象への指
    令値とし、前記係数器の出力を前記制御対象に印加され
    る負荷量の推定値とすることを特徴とする負荷推定器。
  2. 【請求項2】電動機の電流指令値から速度応答までの応
    答特性を模擬する信号伝達要素と、該信号伝達要素の出
    力に対する前記電動機の速度の差を求める減算器と、該
    減算器の出力に適切な係数を乗算する係数器と、該係数
    器の出力に前記信号伝達要素に入力として与える信号と
    同一の信号を加算する加算器とを備え、該加算器の出力
    を前記電動機を駆動する電力変換器への指令値とし、前
    記係数器の出力を該電動機に印加される負荷トルクの推
    定値とすることを特徴とする電動機の負荷トルク推定
    器。
  3. 【請求項3】制御装置において、請求項1に記載の負荷
    推定器を備え、前記負荷量の推定値をフィードバック量
    として制御に用いることを特徴とする制御装置。
  4. 【請求項4】負荷と電動機とが、剛体とみなすことので
    きる連結軸で連結されている電動機の速度制御装置にお
    いて、前記電動機の速度を検出する速度検出器と、前記
    電動機の速度指令に対する前記速度検出器で検出された
    電動機の速度の差を演算する減算器と、該減算器の出力
    を用いて適当な制御論理に基づき制御指令値を出力する
    制御器と、請求項2に記載の負荷トルク推定器とを備
    え、該負荷トルク推定器の出力である推定負荷トルクを
    フィードバックして前記制御指令値に加算して該制御指
    令値を補正することを特徴とする電動機の速度制御装
    置。
  5. 【請求項5】負荷と電動機とが、剛体とみなすことので
    きない連結軸で連結されている電動機の速度制御装置に
    おいて、前記電動機の速度を検出する速度検出器と、前
    記電動機の速度指令に対する前記速度検出器で検出され
    た電動機の速度の差を演算する減算器と、該減算器の出
    力を用いて適当な制御論理に基づき制御指令値を出力す
    る制御器と、請求項2に記載の負荷トルク推定器とを備
    え、該負荷トルク推定器の出力である推定負荷トルクを
    フィードバックして前記制御指令値から減算して該制御
    指令値を補正することを特徴とする電動機の速度制御装
    置。
  6. 【請求項6】前記負荷トルク推定器の出力により負荷ト
    ルクが印加ないし脱落したことを検知する手段と、その
    検知信号に応動して電動機への速度指令を前記負荷トル
    ク推定器の負荷推定値に対応した量だけ修正する手段と
    を備えたことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載
    の電動機の速度制御装置。
  7. 【請求項7】電動機への速度指令を前記負荷トルク推定
    器の負荷推定値に対応した量だけ修正する際、その修正
    量を、過去のデータ、あるいは負荷トルク又は負荷トル
    ク発生源の性質などを元にして特定したものを用いるこ
    とを特徴とする請求項6に記載の電動機の速度制御装
    置。
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