JP3290859B2 - 誘電加熱併用電子レンジ - Google Patents

誘電加熱併用電子レンジ

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JP3290859B2
JP3290859B2 JP23418695A JP23418695A JP3290859B2 JP 3290859 B2 JP3290859 B2 JP 3290859B2 JP 23418695 A JP23418695 A JP 23418695A JP 23418695 A JP23418695 A JP 23418695A JP 3290859 B2 JP3290859 B2 JP 3290859B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子レンジに肉・
魚等の冷凍食品(冷凍物の例)を誘電加熱によって解凍
する、高周波加熱装置を搭載した複合調理器に関するも
のである。
【0002】
【従来技術】従来、冷凍食品を電気的に解凍する場合、
小さな薄いものであれば電子レンジによるマイクロ波加
熱解凍を行い、大きく厚いものであれば被加熱物を平行
電極板にはさみ高周波加熱で解凍を行うのが一般的であ
った。
【0003】それは電子レンジのマイクロ波(2.45
GHz)は波長が短いため電波が冷凍食品の中心部まで
入り込めず、薄いものしか解凍できなかったからであ
る。一方、誘電加熱に用いられる高周波(13.56M
Hzまたは27.12MHz)はマイクロ波に比べ波長
が長いため冷凍食品の内部まで均一に解凍できるという
長所があった。この誘電加熱を取り入れた電子レンジは
特開昭57−132694公報に示されているが、マイ
クロ波加熱、および誘電加熱の装置と機能の単なる説明
にすぎないものであった。
【0004】また、電子レンジに非接触温度センサを用
いたものとして特公平6−7012公報があるが、この
公報では食品温度を正確に測定するための機構に関する
記述があるのみであり、誘電加熱と電子レンジの併用型
に応用した食品の解凍加熱の具体例には言及していなか
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、マイク
ロ波加熱と誘電加熱、あるいはヒータ加熱と誘電加熱と
いった組み合わせの提案はあったが、実際の製品ではこ
れらすべての組み合わせが考えられ、その加熱室構造が
難かしく、次のような種々の問題点が生じる。まず、高
機能の電子レンジにはオーブン・グリル用ヒータが備わ
っており、このヒータは通常天面に配置されている。そ
のため、ヒータ加熱を行う時、前記誘電加熱用の平行電
極板がヒータと被加熱物の間に入り、ヒータ加熱を妨げ
ていた。
【0006】また、誘電加熱時は平行電極板間に被加熱
物を乗せる。一方、マイクロ波加熱時は被加熱物を乗せ
るターンテーブルが必要であり、このときには誘電加熱
用平行電極板が不要(邪魔)であった。
【0007】次に、マイクロ波加熱解凍、もしくは誘電
加熱解凍を行うにあたり、マイクロ波加熱解凍では、表
面のみ解凍され表面温度が上がりすぎる、また、マイク
ロ波の照射ムラが生じるという欠点があった。また、誘
電加熱解凍においても解凍が進むにつれ被加熱物の誘電
体損失の値が変化するため、負荷とのインピーダンス整
合をとり直す必要があるという欠点があった。そこで、
被加熱物の表面温度を正確に測定し、マイクロ波加熱と
誘電加熱を併用して仕上がり精度を向上させる必要があ
った。
【0008】本発明は前記従来の問題点に鑑みてなされ
たものであって、ヒータ加熱の際に誘電加熱の平行電極
板が邪魔にならずに十分にヒータ熱が被加熱物に伝達で
きる誘電加熱併用電子レンジを提供することを第1の課
題とする。また、マイクロ波加熱時に誘電加熱下部電極
板が邪魔にならない誘電加熱併用電子レンジを提供する
ことを第2の課題とする。また、誘電加熱とマイクロ波
加熱とで被加熱冷凍物を仕上がり良く解凍できる誘電加
熱併用電子レンジを提供することを第3の課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するため次の構成を有する。請求項1の発明は、前記
第1の課題を解決するため、本体内に設けられた加熱室
と、この加熱室内にマイクロ波を放射するマイクロ波発
生手段と、ヒータによる加熱手段と、前記加熱室内に被
加熱物である誘電体を誘電加熱する平行な上部電極版お
よび下部電極板と、この平行な上部電極版および下部
極板に高周波を印加する電力増幅を行う高周波発生手段
を備えた誘電加熱併用電子レンジにおいて、前記上部電
極板および下部電極板は各々加熱室と絶縁された導電性
材料からなり、上部電極板を可動電極板とし、ヒータは
上部電極板よりも上の天面から加熱するものとし、前記
上部電極板はヒータ熱が十分通過できるよう貫通した穴
を複数個設け、ヒータ加熱時は上部電極板を最上位の位
置に移動するようにしたことを特徴とする誘電加熱併用
電子レンジの構成を有する。
【0010】請求項2の発明は、前記第2の課題を解決
するため、マイクロ波加熱時に、被加熱物にマイクロ波
が均等に照射するように被加熱物を乗せるターンテーブ
ル台をモータで回転させているものであって、誘電加熱
時に、該ターンテーブル用モータの回転を停止してター
ンテーブルを固定し該ターンテーブルを誘電加熱用下部
電極板として用いるようにしたことを特徴とする請求項
1記載の誘電加熱併用電子レンジの構成を有する。
【0011】請求項3の発明は、前記第1の課題を解決
するため、本体内に設けられた加熱室と、この加熱室内
にマイクロ波を放射するマイクロ波発生手段と、ヒータ
による加熱手段と、前記加熱室内に被加熱物である誘電
体を誘電加熱する平行な上部電極板および下部電極板
と、この平行な上部電極板および下部電極板に高周波を
印加する電力増幅を行う高周波発生手段を備えた誘電加
熱併用電子レンジにおいて、加熱手段を上方に向けて回
転移動させる回転機構を前記加熱室側面に設け、前記誘
電加熱用上部電極板を上に移動させる手段とを有し、
ヒータ加熱を行うときは、前記誘電加熱用上部電極板
上方に移動させ、前記回転機構により前記加熱手段を回
転移動させて前記加熱手段を上部電極板の下方に位置
せ、ヒータ加熱を行うようにしたことを特徴とする誘電
加熱併用電子レンジの構成を有する。
【0012】請求項4の発明は、前記第3の課題を解決
するため、前記誘電加熱併用電子レンジの加熱室に、被
加熱物の表面温度を検出する非接触温度センサを設け、
冷凍食品等の冷凍物の解凍を行うときは、前記非接触温
度センサにより検出された解凍対象の冷凍物の温度が第
1の所定温度に達するまではマイクロ波で前記冷凍物の
解凍を行い、かつ、該冷凍物の温度が該第1の所定温度
を超えて第2の所定温度に達するまでは誘電加熱にて前
記冷凍物の解凍を行う冷凍物解凍手段を有することを特
徴とする請求項1ないし3のうちのいずれか1項に記載
誘電加熱併用電子レンジの構成を有する。
【0013】請求項5の発明は、冷凍食品解凍手段は、
マイクロ波解凍と誘電加熱解凍を前記非接触温度センサ
の情報に基づき、交互に少なくとも複数回解凍を行うも
のであることを特徴とする請求項4に記載の誘電加熱併
用電子レンジの構成を有する。なお、請求項4、5の誘
電加熱用平行電極板は着脱手段を設けたものであっても
差し支えない。
【0014】ここで、通常ヒータは天面に備えつけられ
ており、ヒータ加熱時は誘電加熱用上部電極板がヒータ
と被加熱物の間に入り、ヒータ加熱を邪魔している。ま
た、この上部電極板は解凍時被加熱物の誘電体損失の変
化に伴い負荷とのインピーダンス整合のため、上下可動
式となっているのだが、請求項1の発明によれば、ヒー
タ加熱時はこの上部電極板を最上位に移動させるととも
に、上部電極板にヒータと平行にヒータ熱が十分透過で
きるパンチング等で貫通した穴を複数個(例えば複数
列)設けることで、ヒータ熱が被加熱物に直接熱伝達さ
れるようにできる。
【0015】また、この代替案として、請求項3の発明
のように、ヒータを天面固定ではなく、加熱手段を上方
に向けて回転移動させる回転機構を前記加熱室側面に設
け、ヒータ加熱を行うときは、前記誘電加熱用上部電極
を上方に移動させ、前記回転機構により前記加熱手段
を回転移動させて前記加熱手段を上部電極板の下方に位
させ、ヒータ加熱を行うことができる。
【0016】また、誘電加熱用下部電極板については、
マイクロ波加熱時は不必要であることから、この下部電
極板がマイクロ波加熱用のターンテーブルと共用できる
ことが望ましい。そこで、請求項2の発明ではこの回転
式ターンテーブルを誘電加熱時には回転用モータに通電
せず下部電極板として固定して使用する。
【0017】次に請求項4、5によれば、実際に冷凍食
品を加熱解凍するにあたり、通常なんらかの手段を用い
て被加熱解凍物の温度を測定し加熱制御を行っている。
本発明では例えば赤外線吸収式の非接触温度センサとそ
の温度検出回路を設け、その検出温度に基づきマイクロ
波加熱と誘電加熱を併用することにより、短時間でかつ
仕上がり精度の良い加熱解凍を行うのである。
【0018】つまり、家庭用で用いる誘電加熱併用電子
レンジを考えた場合、通常マイクロ波加熱と誘電加熱の
出力にはマイクロ波出力>誘電加熱出力という関係があ
る。一方、前述のとおりマイクロ波加熱には照射ムラが
あり、被加熱解凍物(加熱により解凍される冷凍物)の
表面温度には5℃以上の温度差が存在する。また、誘電
加熱解凍には解凍中、被加熱解凍物の誘電体損失の値が
変化することが判っており、負荷とのインピーダンス整
合をとらないと出力が低下する。
【0019】そこで、請求項4および請求項5の発明で
は、被加熱解凍物の表面温度を測定しながら、マイクロ
波加熱解凍と誘電加熱解凍を併用することで被加熱物の
冷凍物の表面温度差が3℃以内に抑えられ、仕上がり精
度のよい解凍が実現できるのである。
【0020】従来は、マイクロ波加熱と誘電加熱、ある
いはヒータ加熱と誘電加熱といった組み合わせの出願は
あったが、実際の製品ではこれらすべての組み合わせが
考えられ、その加熱室構造が難しかった。本発明では、
その解決策を示すとともにこれまで以上の加熱解凍精度
が得られることを示唆しているものである。
【0021】なお、解凍終了を検出する手段として、非
接触温度センサによる表面温度の直接測定と被加熱物か
ら出る水蒸気を検出する間接測定があるが、非接触温度
センサにて表面温度検出を行うものである。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。本発明の誘電加熱併用電子レンジ
の構成は図1((a):斜視見取図、(b):正面図)
の如くである。
【0023】図1に示すように、本体1内には加熱室2
があり、加熱室2の天面2aには上方に向けて山形に凹
部になっている箇所2a1、2a1に棒状のオーブン・
グリル用ヒータ3、3が内挿されて装備される。また、
加熱室2の側面(図2で右側面)には、給電口4が形成
され、この給電口4からは、マイクロ波発生装置5で発
生させたマイクロ波が導波管6を介して加熱室2に放射
される。上記構造は従来からある電子レンジの構成であ
るが、本発明の実施形態では、さらに、前記加熱室2は
確実に接地された金属筺体とし、その加熱室2内に平行
上部電極板7a,下部電極板7bを装備する。
【0024】ここで、上部電極板7aは図示しないモー
タ等を用いた電動式の上下可動型とし(ガイド部材7a
1に沿って上下動して、上部電極板は上下に平行移動す
るようになっている)、下部電極板7bはマイクロ波加
熱用のターンテーブル7bと共用する固定型となってお
り、これら平行な上部電極板7a,下部電極板7bは高
周波発生装置8と接続されていて、各々加熱室2と絶縁
された導電性材料からなる。ここで上部電極板7a,
部電極板7bには、上,下の電極板7a,7b表面の保
護等を目的として非金属製で誘電損失の小さい(tan
δの小さい)保護材9が装着されている。
【0025】そして、下部電極板7bはマイクロ波加熱
時のターンテーブル7bと共用することから、回転用モ
ータ制御装置10を装備しており、誘電加熱時にはモー
タ通電をやめ固定電極板として用い、被加熱物11は前
記保護材9の上に搭載される。また、加熱制御を行うに
あたり、被加熱物11の表面温度は赤外線吸収式の非接
触温度センサ12で測定し制御回路13に入力され、こ
の制御回路13でマイクロ波加熱、誘電加熱の併用制御
がなされている。
【0026】次に、本発明の実施形態の回路構成は、図
2の如く、商用電源15から切換器16を介してマイク
ロ波発生回路17と誘電加熱用高周波発生回路18に分
かれている。また、加熱用ヒータ3は商用電源15から
上記切換器16と並列に接続されトライアック19等に
より出力調整されている。マイクロ波発生回路17は切
換器16を経た交流電源を整流回路20で非平滑整流
し、昇圧トランス21に印加する。そしてその高圧をマ
グネトロン22に印加しマイクロ波を発生させている。
その他のトランジスタやコンデンサについては周知の種
々の回路を設定できるため、その説明は略する。
【0027】前記誘電加熱用高周波発生回路18は切換
器16を経た交流電源を直流回路23を介し高周波電源
回路24に印加する。この高周波電源回路24は高周波
発振回路と信号増幅用半導体素子により前記印加された
交流電源を電力増幅して、高周波トランス25に印加し
ている。そして、高周波トランス25と並列に可変コン
デンサ26と共振用コイル27と被加熱物(解凍対象の
冷凍物)11を挟んだ状態の平行電極板7a,7bから
なる共振回路部とから構成され、高周波トランス25を
タップにより切り換えることにより共振回路部と高周波
電源回路24とのインピーダンスの整合をとっている。
【0028】このような誘電加熱併用電子レンジにおい
て、ヒータ加熱時、天面にあるヒータ3と被加熱物11
の間に前記誘電加熱用上部電極板7aがあるため、ヒー
タ3の熱が被加熱物11に効率よく伝わらないという問
題があった。これを解決する手段として、上部電極板7
aを着脱方式にすることが考えられるが、機構が複雑に
なる。そこで、本発明の実施形態では、図1に示すとお
り、前記上部電極板7aにヒータ3と平行の並びにパン
チング穴30を複数個(複数列)表面から裏面(上面か
ら下面)に貫通させて設け、ヒータ3加熱時は上部電極
板7aを最上位に移動させる。そうすることにより、ヒ
ータ3の熱は上部電極板7aのパンチング穴30を通し
て被加熱物11に達するためヒータ熱を効率良く被加熱
物11に伝えることができる。(請求請1に対応する実
施形態)
【0029】次に、マイクロ波加熱時、被加熱物11に
マイクロ波が均等に照射するように被加熱物11を乗せ
る台(ターンテーブル7b)を回転させているのだが、
誘電加熱時には前記下部電極板7bが必要となり、上記
ターンテーブル7bとの位置関係が難しい。この場合
に、下部電極板7bを着脱方式にすることが考えられる
が前記上部電極板7a同様、その機構が複雑になる。そ
こで、本実施形態では上記ターンテーブル7bと下部電
極板7bを共用することでの位置関係の難しさを解決し
ている。つまり、ターンテーブル7bの回転用モータに
ON/OFF制御を行う制御装置10を設け、誘電加熱
時は同ターンテーブル7bの回転用モータの通電をや
め、固定したターンテーブル7bを下部電極板7bとし
て用いるのである。(請求項2に対応する実施形態)
【0030】このような、上下電極板7a,7bを設け
た誘電加熱併用電子レンジであって、請求項1記載に対
応する実施形形態において、ヒータを天面固定ではな
く、図1に示すとおり、加熱室2の側面(向かって左側
面)に、可動式ヒータ14bを上方に向けて回転移動さ
せる回転機構14aを有したヒータ可動手段14を設
け、平板状のヒータ14bでの加熱時は前記上部電極板
7aを加熱室2内最上位に移動させ、その後、該回転機
構14aにより可動式ヒータ14bを上方に向けて回転
させて天面2a近傍に向けて移動させ可動式ヒータ1
4bを上部電極の下方に位置させてもよい。(請求項3
に対応する実施形態)
【0031】以上のような誘電加熱併用電子レンジにお
いて、冷凍食品である被加熱解凍物を解凍する場合、仕
上がり精度向上のため、被加熱物(解凍対象の冷凍物:
ここでは被加熱解凍物という)11の表面温度を検出し
ながら解凍制御を行うことが望ましい。この被加熱解凍
物11の表面温度を検出する手段として赤外線吸収式の
非接触温度センサ12がある。その方式としては、焦電
型センサ、薄膜サーミスタ、サーモパイル等いろいろあ
るが、精度、信頼性、価格等により決めることができ
る。
【0032】ところで、一般に、マイクロ波加熱と誘電
加熱では前記加熱室2の大きさが電子レンジ並みなら、
その出力はマイクロ波出力>誘電加熱出力の関係とな
る。一方、誘電加熱により解凍する場合、それに用いら
れる高周波は13.56MHzまたは27.12MHz
とマイクロ波の2.45GHzに比べ、波長が長いため
被加熱解凍物11の内部まで均一に解凍できる。そこ
で、これら2つの長所を取り入れ、マイクロ波加熱と誘
電加熱を併用し解凍を行う。(請求項4、請求項5に対
応する実施形態)
【0033】具体的には、図2に示すように、切換器1
6を経てマイクロ波発生回路17と高周波発生回路18
に交流電源を印加するように切換器16を設け、解凍初
期は出力の大きいマイクロ波加熱解凍を行い、その後、
解凍ムラを抑えた高精度な仕上げが可能な誘電加熱解凍
を行う。この切換器16の切換は前記非接触温度センサ
12により測定した被加熱解凍物11の温度で制御で
き、例えば−5℃(第1の所定温度の例)を境として行
えばよい。当然食品の材質と量により、様々な制御が可
能である。その後、目的の温度(例えば0℃:第2の所
定温度の例)に到達すれば、誘電加熱解凍をやめ解凍を
終了する。
【0034】ここで、マイクロ波解凍と誘電加熱解凍を
交互に複数回加熱解凍することで、さらに仕上がり精度
のよい加熱解凍が可能となる。これをグラフに基づいて
説明すると、図3、図4のごとく最初マイクロ波加熱で
解凍を行えば、前記(マイクロ波出力>誘電加熱出力)
の関係からマイクロ波加熱時は被加熱解凍物11である
食品表面温度の温度上昇率が高い反面、表面温度ムラは
大きい。
【0035】そこで、この表面温度ムラが大きくなりす
ぎない範囲(例えば10℃)で誘電加熱に切換え、冷凍
食品の内部の解凍を促進するとともに表面温度ムラを抑
える。そして、一定時間誘電加熱解凍を行い、また、マ
イクロ波加熱解凍に切り換える。このようにして、食品
の品位を損なわないようにマイクロ波加熱と誘電加熱を
くり返し行い、最終的に冷凍食品の表面温度が−5℃に
なれば、以後誘電加熱のみで仕上げるように制御すれば
高品位解凍が可能となる。
【0036】
【発明の効果】以上の説明から、本発明は次の効果を奏
する。請求項1の発明によれば、誘電加熱を併用する電
子レンジであっても、ヒータ加熱を行うときに、誘電加
熱用の平行電極がヒータと加熱物の間に入ってもヒータ
の加熱を妨げることがない。また、請求項2の発明によ
れば、誘電加熱用下部電極板について、マイクロ波加熱
時は不必要であっても、この下部電極板がマイクロ波加
熱用のターンテーブルと共用でき、邪魔にならず部材の
利用度が高い。また、請求項3の発明によれば、ヒータ
を固定するのではなくヒータ加熱を行うときは、前記誘
電加熱用上部電極板を上方に移動させ、前記回転機構に
より前記加熱手段を回転移動させて前記加熱手段を上部
電極板の下方に位置させ、ヒータ加熱を行うようにした
ので、ヒータ加熱が妨げられることがなくなる。また、
請求項4と請求項5の発明によれば、仕上がり精度の良
い解凍ができる。なお、本発明では、 (1)これまでマイクロ波加熱解凍では、仕上がり時の
食品表面温度のバラツキが約8℃程度であったものが、
誘電加熱併用電子レンジを用いることで、マイクロ波加
熱のみに比べ、さほど時間の増加がなく仕上がり時の食
品表面温度のバラツキも約3℃程度と高品位解凍が可能
となる。 (2)誘電加熱に用いられる高周波はマイクロ波に比べ
波長がはるかに長いため、高周波の浸透長さが大きく、
いわゆるブロック肉などの体積の大きな食品の解凍も可
能となった。などの効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る誘電加熱併用電子レン
ジの説明図であって、(a)は見取り図、(b)は正面
図である。
【図2】本発明に実施形態に係る回路構成図およびブロ
ック図である。
【図3】冷凍食品をマイクロ波と誘電加熱を併用して解
凍した場合の被加熱物の加熱状態説明図であって、加熱
時間−食品表面温度のグラフ例である。
【図4】同被加熱物の加熱状態説明図であって、加熱時
間−食品表面温度ムラのグラフの例である。
【符号の説明】
1 本体 2 加熱室 2a 天面 3 ヒータ 4 給電口 5 マイクロ波発生装置 6 導波管 7a、7b 上部電極板、下部電極板 8 高周波発生装置 10 回転用モータ制御装置 11 被加熱物 12 非接触温度センサ 13 制御回路 14 ヒータ可動手段 15 商用電源 16 切換器 17 マイクロ波発生回路 18 誘電加熱用高周波発生回路 20 整流回路 21 昇圧 22 マグネトロン 30 パンチング穴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H05B 11/00 H05B 11/00 Z (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05B 6/46 - 6/68 H05B 6/78 H05B 11/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本体内に設けられた加熱室と、この加熱
    室内にマイクロ波を放射するマイクロ波発生手段と、ヒ
    ータによる加熱手段と、前記加熱室内に被加熱物である
    誘電体を誘電加熱する平行な上部電極版および下部電極
    板と、この平行な上部電極版および下部電極板に高周波
    を印加する電力増幅を行う高周波発生手段を備えた誘電
    加熱併用電子レンジにおいて、 前記上部電極板および下部電極板は各々加熱室と絶縁さ
    れた導電性材料からなり、上部電極板を可動電極板と
    し、 ヒータは上部電極板よりも上の天面から加熱するものと
    し、前記上部電極板はヒータ熱が十分通過できるよう貫
    通した穴を複数個設け、ヒータ加熱時は上部電極板を最
    上位の位置に移動するようにしたことを特徴とする誘電
    加熱併用電子レンジ。
  2. 【請求項2】 マイクロ波加熱時に、被加熱物にマイク
    ロ波が均等に照射するように被加熱物を乗せるターンテ
    ーブル台をモータで回転させているものであって、誘電
    加熱時に、該ターンテーブル用モータの回転を停止して
    ターンテーブルを固定し該ターンテーブルを誘電加熱用
    下部電極板として用いるようにしたことを特徴とする請
    求項1記載の誘電加熱併用電子レンジ。
  3. 【請求項3】 本体内に設けられた加熱室と、この加熱
    室内にマイクロ波を放射するマイクロ波発生手段と、ヒ
    ータによる加熱手段と、前記加熱室内に被加熱物である
    誘電体を誘電加熱する平行な上部電極板および下部電極
    板と、この平行な上部電極板および下部電極板に高周波
    を印加する電力増幅を行う高周波発生手段を備えた誘電
    加熱併用電子レンジにおいて、加熱手段を上方に向けて回転移動させる回転機構を前記
    加熱室側面に設け 、前記誘電加熱用上部電極板を上
    移動させる手段とを有し、ヒータ加熱を行うときは、前記 誘電加熱用上部電極板
    上方に移動させ、前記回転機構により前記加熱手段を回
    転移動させて前記加熱手段を上部電極板の下方に位置
    せ、ヒータ加熱を行うようにしたことを特徴とする誘電
    加熱併用電子レンジ。
  4. 【請求項4】 前記誘電加熱併用電子レンジの加熱室
    に、被加熱物の表面温度を検出する非接触温度センサを
    設け、 冷凍食品等の冷凍物の解凍を行うときは、前記非接触温
    度センサにより検出された解凍対象の冷凍物の温度が第
    1の所定温度に達するまではマイクロ波で前記冷凍物の
    解凍を行い、かつ、該冷凍物の温度が該第1の所定温度
    を超えて第2の所定温度に達するまでは誘電加熱にて前
    記冷凍物の解凍を行う冷凍物解凍手段を有することを特
    徴とする請求項1ないし3のうちのいずれか1項に記載
    誘電加熱併用電子レンジ。
  5. 【請求項5】 冷凍食品解凍手段は、マイクロ波解凍と
    誘電加熱解凍を前記非接触温度センサの情報に基づき、
    交互に少なくとも複数回解凍を行うものであることを特
    徴とする請求項4に記載の誘電加熱併用電子レンジ。
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