JPH0864357A - 高周波加熱調理器 - Google Patents

高周波加熱調理器

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JPH0864357A
JPH0864357A JP19929194A JP19929194A JPH0864357A JP H0864357 A JPH0864357 A JP H0864357A JP 19929194 A JP19929194 A JP 19929194A JP 19929194 A JP19929194 A JP 19929194A JP H0864357 A JPH0864357 A JP H0864357A
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JP
Japan
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heating
high frequency
food
electrode
microwave
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JP19929194A
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English (en)
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Takeshi Kakigi
健史 柿木
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Sharp Corp
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  • Constitution Of High-Frequency Heating (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 食品の温度に応じて加熱方式(マイクロ波加
熱若しくは高周波加熱)を切り替え、食品の温度にあっ
た加熱を行う。 【構成】 マグネトロン2と、高周波電圧を加えて高周
波電界により誘電加熱する平板上部加熱電極4と平板下
部加熱電極5と、加熱室1内温度を検出するサーミスタ
7aと、食品10の温度を検出する輻射熱センサー8a
と、食品温度が室内温度より高いときはマイクロ波加
熱、また食品温度が庫内温度より低いときは高周波誘電
加熱する動作を切り替える切替手段13とを備え、食品
温度にあった加熱方式に切り替え良好な加熱を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2450MHzのマイ
クロ波加熱装置と13MHz〜40MHzの高周波加熱
装置を組み合わせた高周波加熱調理器に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から特開昭57−103291にマ
イクロ波加熱の波長の短さすなわちその浸透深さに起因
する冷凍食品の解凍時の局部加熱を解決するため、マイ
クロ波を発射してマイクロ波により食品を誘電加熱する
マイクロ波加熱装置と、上部加熱電極と下部加熱電極間
に高周波電圧を印加して高周波電界により食品を誘電加
熱する高周波加熱装置とを備え、マイクロ波加熱装置と
高周波加熱装置とを切換装置により交互に切り換える高
周波加熱調理器が開示されている。
【0003】また、特公昭63−35076号には、シ
ーズヒータやニクロムヒータ等で食品を加熱するヒータ
加熱装置と、上部加熱電極と下部加熱電極間に高周波電
圧を印加して高周波電界により食品を誘電加熱する高周
波加熱装置とを備え、ヒータ加熱装置と高周波加熱装置
とを切換装置により交互に切り換える高周波加熱調理器
が開示されている。
【0004】
【解決しようとする課題】しかし、上記の前者の従来の
高周波加熱調理器では調理あるいは再加熱時にマイクロ
波加熱を、また解凍時には高周波加熱の切り換えをする
切換手段を有しているが、その切り換え動作は調理者に
ゆだねられており、調理あるいは再加熱時に高周波加熱
を使用したり、解凍時にマイクロ波加熱を使用したり、
必ずしも有効な加熱方法が選択されるものではない。
【0005】構造面では高周波加熱装置の加熱電極はマ
イクロ波加熱時にはキャビネット上部に移動する構造と
なっているが、マイクロ波誘電作用により加熱電極が帯
電し、接近したキャビネットへの放電の不具合が生じ
る。また現在の主たるマイクロ波加熱装置である電子レ
ンジの多くはキャビネット下部にターンテーブルと称す
る食品回転台を設けてあり、高周波加熱装置の下部電極
の設置の障害となるのは明白である。
【0006】また、上記の後者の従来の高周波加熱装置
とオーブンの併用装置ではオーブン用にシーズヒータ、
ニクロムヒータ等のヒータ加熱装置を設けているが構造
が複雑であり、高周波加熱時の電界によるヒータへの不
必要な加熱や、ヒータの接続線からの高周波電界漏洩の
問題が発生する。
【0007】さらに高周波加熱時、従来の加熱電極は高
周波導電率が良好な理由で銅、アルミ等の金属を用いて
いるが、肉等の解凍時その肉汁等によりアルミは容易に
腐食し、銅は緑青の発生により非衛生的である。そのた
め本来食品は加熱電極に密着させた方がその加熱効率は
向上するにも拘わらず、従来は下部電極の上部に一定の
距離を設けた食品配置板を配している。
【0008】また、従来の下部加熱電極の食品配置板は
厚みの一定な低誘電損失板を用いているが、食品の厚み
が一定な場合は問題ないが、食品の厚みが異なる場合そ
の厚みが厚い箇所の加熱は他の箇所より大きくなり加熱
むらが生じる。
【0009】従来の加熱装置では調理あるいは再加熱時
にマイクロ波加熱を、また解凍時には高周波加熱の切り
替えをする切替手段を有しているが、この切り替え動作
を必要とする原因は電子レンジにみられるように245
0MHzのマイクロ波加熱で解凍した場合電磁波の浸透
深さが浅く、冷凍食品の内部まで完全に解凍しょうとす
ると、表面は局部的に温度上昇してしまうことになる。
そのため解凍時には、平行電極による13〜40MHz
の短波帯波長域の平行電界により電磁波を冷凍食品の内
部まで浸透させ均一に解凍しょうとするものである。
【0010】しかしこの切り替え操作において重要なの
は調理の種類もさることながら、加熱対象の食品温度と
その周囲温度との関係すなわち、食品温度が周囲温度よ
り低いときは食品は周囲からの熱伝達によりその表面温
度は自然上昇し、また食品温度が周囲温度より高いとき
は加熱時に食品は周囲への熱拡散によりその表面温度は
上昇しにくくなる点である。
【0011】この点を具体的に述べると、解凍時には通
常冷凍食品の温度は周囲温度より低いため、周囲温度か
ら冷凍食品に熱伝達を受けその表面温度は自然上昇する
が、高周波加熱の加熱分布は前記のようにその食品の表
面と内部においてほぼ等しいので、その影響は微弱であ
る、しかしこの解凍時にマイクロ波加熱を用いるとその
加熱分布は食品の表面に集中するため、周囲温度からの
影響が助長され食品表面は内部より大幅に上昇し均一加
熱できなくなってしまうのである。
【0012】一方再加熱等の加熱調理時には食品温度は
加熱による上昇につれ周囲温度より高くなるため、食品
から周囲への熱放散が大きくなり表面温度は内部温度よ
り低くなるが、マイクロ波加熱の加熱分布は均一ではな
く表面近くに集中するため、この影響を相殺することに
なるが、高周波加熱を用いると、この場合は高周波加熱
の加熱均一性が災いし、食品の内部温度は表面温度より
高くなりすぎる結果となる。
【0013】ここで本発明では加熱装置の庫内温度と食
品温度を検出する手段により、食品と周囲との熱収支を
検出し、その結果により、次の動作切替手段により食品
温度が庫内温度より高いとき、すなわち食品が周囲から
熱を吸収する条件ではマイクロ波加熱、また食品温度が
庫内温度より低いとき、すなわち食品の熱が周囲に奪わ
れるときは高周波加熱に切り替える制御手段を有し、こ
の制御により調理の種類に関係なく、食品と周囲温度の
関係から常に食品の表面と内部温度が均一とする加熱手
段を自動的に選択することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の請求項1記載の高周波加熱調理器では、
マイクロ波を発射して電磁波により誘電加熱するマイク
ロ波加熱装置と、上部加熱電極と下部加熱電極間に高周
波電圧を加えて高周波電界により誘電加熱する高周波加
熱装置とを併用する高周波加熱調理器において、高周波
加熱調理器の加熱室内温度と食品温度を検出する手段
と、食品温度が庫内温度より高いときはマイクロ波加
熱、また食品温度が庫内温度より低いときは高周波誘電
加熱する動作を切り替える切替手段を有する。
【0015】請求項2記載の高周波加熱調理器では、上
記加熱室の壁を接地するとともに、上部加熱電極を移動
可能としこの上部加熱電極が加熱室の上壁に接近したと
き加熱室の壁と上部加熱電極を電気的に接続する手段を
有する。
【0016】請求項3記載の高周波加熱調理器では、上
記下部加熱電極の中心部に軸を設け、この軸を電動機に
より回転させる手段と、この下部電極と上記高周波加熱
装置の一方の極とを接続する手段とを有する。
【0017】また、請求項4記載の高周波加熱調理器で
は、マイクロ波を発射して電磁波により誘電加熱するマ
イクロ波加熱装置と、上部加熱電極と下部加熱電極間に
高周波電圧を加えて高周波電界により誘電加熱する高周
波加熱装置とを併用する高周波加熱調理器において、上
部若しくは下部加熱電極に高誘電体損失板を密着させる
とともに、この上部若しくは下部加熱電極を食品に接近
させる手段を有する。
【0018】そして、請求項5記載の高周波加熱調理器
では、マイクロ波を発射して電磁波により誘電加熱する
マイクロ波加熱装置と、上部加熱電極と下部加熱電極間
に高周波電圧を加えて高周波電界により誘電加熱する高
周波加熱装置とを併用する高周波加熱調理器において、
上部および下部加熱電極を導電率の異なる2種類の金属
の2層構造とし、その2種類の金属のうち耐食性の優れ
た金属面を食品と相対する構造とする。
【0019】さらに、請求項6記載の高周波加熱調理器
では、マイクロ波を発射して電磁波により誘電加熱する
マイクロ波加熱装置と、上部加熱電極と下部加熱電極間
に高周波電圧を加えて高周波電界により誘電加熱する高
周波加熱装置とを併用する高周波加熱調理器において、
下部加熱電極を金属と低誘電体損失の絶縁板との2層構
造とし、この絶縁板面を食品と相対する構造とするとと
もにこの絶縁板の厚みを食品の厚みと相反する構造とす
る。
【0020】
【作用】本発明の課題解決手段として上記の手段は下記
の作用をする。
【0021】ここで本発明では加熱装置の庫内温度と食
品温度を検出する手段により、食品と周囲との熱収支を
検出し、その結果により、次の動作切替手段により食品
温度が庫内温度より高いとき、すなわち食品が周囲から
熱を吸収する条件ではマイクロ波加熱、また食品温度が
庫内温度より低いとき、すなわち食品の熱が周囲に奪わ
れるときは高周波加熱に切り替える制御手段を有し、こ
の制御により調理の種類に関係なく、食品と周囲温度の
関係から常に食品の表面と内部温度が均一とする加熱手
段を自動的に選択し、良好に加熱調理を行う。
【0022】また、高周波加熱装置の加熱電極がキャビ
ネット上部に接近したときのマイクロ波加熱による放電
等の不具合は、マイクロ波の誘電作用により加熱電極が
帯電しこの電圧が加熱電極とキャビネットとの放電限界
電圧を越えたときに発生するが、これを防止するため本
発明では加熱電極がキャビネット上部に接近したとき、
接地されたキャビネットと電気的に接続する手段により
加熱電極とキャビネットとの電位を同電位とし、放電を
防ぐ。
【0023】さらに一般的な電子レンジにあるターンテ
ーブルと高周波加熱の加熱電極とがともにキャビネット
下部に存在することによる構造面の複雑さを解消するた
め、本発明では加熱電極の下部電極の中心部に軸を設
け、この軸を電動機により回転させるとともに、この下
部電極と高周波電圧発振回路の一方の極に接続し、ター
ンテーブルと下部電極との共有する。
【0024】また高周波加熱装置とオーブンとの併用装
置ではオーブン用のヒータを別途設けなければならない
不合理さを解消するため、本発明では加熱電極の上部電
極に高誘電体損失板を密着させ、マイクロ波によりこの
高誘電体損失板を加熱し、さらにこの上部電極を食品を
加熱するのに適切な位置まで移動させることによりオー
ブンヒータとして兼用することができる。
【0025】高周波加熱時に発生する冷凍食品からの肉
汁等による加熱電極の腐食を防止しかつ、その加熱効率
を低下させない手段として、本発明では電極本体には例
えば銅、アルミ等の高導電率性の金属を用いるが、食品
と直に接する面には例えばステンレス等の耐食性の金属
を2層構造として用いる。ステンレスの導電率は銅、ア
ルミに比べ高いので高周波電流は流れず、電極の性能に
は影響しない。
【0026】一般的に高周波加熱装置では冷凍食品が過
解凍気味になるとその表面が解け、導電率の低下により
電極からの導電電流が表面付近に流れたとき、この導電
電流により高周波電界の食品への浸透が阻害され、その
表面のみが集中加熱される不具合となるが、これを防止
するため、従来から加熱電極と食品と接する面には低誘
電体損失板の絶縁板を用いこの導電電流を阻止してき
た。本発明ではこの絶縁板をさらに発展させその厚みを
食品の厚みに適合すなわち、電極間の誘電率を電極板の
あらゆる箇所で一定とすることにより食品内部の電界強
度を一定にしその加熱分布の均一化を実現するものであ
る。
【0027】これをさらに説明すると、誘電加熱出力P
(W/m3 )は p=k.f.E2 .εγ .tanδ k…定数 E…高周波周波数 εγ …食品の誘電率 tanδ…食品の誘電体損失角 であり、電界強度Eは平行状態の電極間では E=D/εγ D=電極間の電束密度 であり食品の加熱分布は均一であるが、厚みの異なる食
品では図5のように食品の厚い部分に電束が集中し他の
部分より電界強度が大きくなり加熱の均一性はなくな
る。
【0028】そこで本発明では食品の凹凸に合わせその
電極板の低誘電体損失板の厚みを適合させ、食品の電界
強度を一定にすることにより食品の加熱分布の均一化を
図るものである。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
ではマグネトロン等にてマイクロ波を発射してその電磁
波により誘電加熱するものをマイクロ波加熱装置、また
加熱電極間に高周波電圧を加えてその高周波電界により
誘電加熱するものを高周波加熱と定義する。
【0030】図1は本発明の実施例を示すブロック図で
ある。
【0031】図1において1は高周波加熱調理器である
電子レンジの加熱室でその一つの加熱手段としてマグネ
トロン2とその駆動電源4を、また他の加熱手段として
平板上部加熱電極4,平板下部加熱電極5とその発振回
路6を有している。
【0032】またその加熱手段の制御手段としてまず、
加熱室1内の雰囲気温度を検出するサーミスタ7aとそ
の検出回路7、また食品表面温度を検出する輻射熱セン
サー8aとその検出回路8があり、それらの温度値は電
子レンジ全体を制御するマイコン9に入力される。
【0033】ここで調理者が加熱室1内に食品10を入
れ、電子レンジの加熱開始スイッチ(図示せず)をON
すると、マイコン9は温度検出回路7および8から加熱
室1内温度と食品10の表面温度を検出し、内部の比較
回路にて双方の温度を比較する。
【0034】食品表面温度が周囲温度より高い場合はマ
イコン9はマグネトロン2の駆動電源3をONし、マグ
ネトロン2に高電圧を印加する。高電圧を印加されたマ
グネトロン2はマイコン波(2450MHz)を発振
し、そのマイコン波により食品10は加熱される。
【0035】一方、食品表面温度が周囲温度より低い場
合は前記と同様にマイコン9は平板下部加熱電極5の発
振回路6をONしその平板下部加熱電極5に高周波高電
圧を印加する。高周波高電圧を印加された平板下部加熱
電極5からは高周波交番電界が発生し、その電界により
周囲温度は加熱される。
【0036】この様に本発明では調理者の選択にゆだね
ることなく、加熱開始スイッチをONするだけで、作用
の項で述べたように再加熱等調理時にはマイクロ波加熱
で、解凍時には高周波加熱と常に最適な加熱手段の選択
が可能となる。
【0037】また解凍から本格加熱に移行する調理の場
合も、通常解凍時は食品温度は周囲温度より低いので高
周波加熱され、その後の加熱により食品温度が上昇し周
囲温度より高くなると自動的にマイクロ波加熱に切り替
えることもできる。
【0038】上記の選択手段によりマイクロ波加熱選択
されたとき、この上部加熱電極4はマイクロ波の食品照
射の障害になるためマイコン9はその移動手段11によ
り上部加熱電極4を上部に移動するが、本発明ではこの
上部加熱電極4が加熱室1の上壁に接近したとき近接セ
ンサ12の信号によりマイコン9は上部加熱電極4の接
近を知り、この平板上部加熱電極4と加熱室1の壁を電
気的に接続する接続手段13により平板上部加熱電極4
と加熱室1の壁を同電位とする。この結果従来の例であ
るような平板上部加熱電極4と加熱室1の壁との間に誘
電された高電圧により放電等の問題はなくなる。
【0039】上記移動手段11は図2に示すように、平
板上部加熱電極4の上部に該平板上部加熱電極4と絶縁
した滑車11aと、その滑車11aに懸け一端を加熱室
1の上壁に固定したベルト11bと、そのベルト11b
を駆動するステッピングモータ11cと、このステッピ
ングモータ11cを駆動する駆動回路11dとを設け、
平板上部加熱電極4を上方へ移動する場合に、図3
(a)に示すように、先ずステッピングモータ11cの
a相に通電を行いその後b相,c相と順に通電を行うこ
とによりステッピングモータ11cの駆動を正転駆動タ
イミングで駆動し、ベルト11bを巻取ることによって
平板上部加熱電極4を上方へ移動させる。
【0040】そして、平板上部加熱電極4を下方へ移動
させる場合には、図3(b)に示すように、先ずステッ
ピングモータ11cのc相に通電を行いその後b相,a
相と順に通電を行うことによりステッピングモータ11
cの駆動を逆転駆動タイミングで駆動し、巻取ったベル
ト11bを出すことにより平板上部加熱電極4を上方へ
移動させる。
【0041】また、上記接続手段13は図4に示すよう
に、超音波,赤外線等を利用し検出面と被測定面との距
離特性が図5の特性図のような近接センサ12を設け、
近接センサ12の出力電圧をマイコン9に入力し、この
マイコン9は図5に点線で示す基準電圧とりも出力電圧
が低くなったとき、平板上部加熱電極4が加熱室1の上
壁に接近したと判断し、リレードライブ用トランジスタ
13aの出力をHレベルにぢ、リレー13bをONにす
ることによりリレー接点13cを発振回路6側から加熱
室1の壁に接続された接点側へ切り替え、平板上部加熱
電極4を加熱室1の壁を介して接地する。
【0042】従来のマイクロ波加熱装置(電子レンジ)
のほとんどは図1の平板上部加熱電極4のように加熱室
1の下部にターンテーブルを設け、マイクロ波加熱時の
加熱分布を均一にするべく回転させている。しかしこの
場所は高周波加熱装置の平板下部加熱電極5を接地する
位置にあたっており、マイクロ波加熱と高周波加熱を組
み合わせた加熱装置ではスペース的に余裕がなく、設計
上の大きな障害要因となっている。
【0043】そこで本発明では平板下部加熱電極5は図
6のように、そのガラス板5c上面に平板加熱電極板5
bと、その中心部に軸14と、その軸14を回転させる
電動機15と、さらにこの軸14と平板下部加熱電極板
5bを電気的に接続する電気接続手段16を構成する。
【0044】この軸14と高周波発振回路6とを電気的
に接続する電気接続手段16は図7に示すように、接点
16aを有しこの接点16aを常時軸14側へ付勢する
バネ16bとから形成され、バネ16bの付勢力により
接点16aが軸14の金属部分14cに当接された状態
となり、軸14が回転すると電気接続手段16の接点1
6aが金属部分16cの表面を摺動し軸14が回転駆動
可能となっている。
【0045】また、ターンテーブル(平板上部加熱電極
5)を取り外し自在にするため、軸14のターンテーブ
ル接触部分は上記電気接続手段16と同ように接点14
aとバネ14bとの構造とし、平板下部加熱電極板5b
と軸14の金属部分14cとが接点14aを介してター
ンテーブルの自重により電気的に接続され、高周波発振
回路6からの高周波電力が平板下部加熱電極5に通電さ
れる。
【0046】さらに、軸14は電動機15に高周波電圧
が印加されるのを防止するために軸14の電動機15側
の一部に絶縁部分14dを設け、電動機15の回転軸1
5aの駆動力を軸14に伝達する。
【0047】マイクロ波加熱時はマイコン9はマイクロ
波駆動電源3をONするとともに、電動機15を駆動し
ターンテーブル5を回転させ、その上にある食品10の
マイクロ波加熱の均一加熱を従来どおり実現するととも
に、高周波加熱時には高周波加熱用高周波発振回路6を
ONし、平板上部加熱電極4とこの平板上部加熱電極4
と高周波加熱用高周波発振回路6を電気的に接続する電
気接続手段17により接続する一方、平板下部加熱電極
5の平板下部加熱電極板5bにはこの平板下部加熱電極
板5baと高周波加熱用高周波発振回路6を電気的に接
続する電気接続手段16により高周波加熱用高周波発振
回路6の他方の極を接続し高周波加熱を可能とする。
【0048】このことにより従来高周波加熱時に無用で
あったターンテーブルを高周波加熱時においても使用可
能とするばかりでなく、高周波加熱時にも多少ながら発
生する加熱分布の不均一も電動機15を駆動することに
より下部加熱電極をマイクロ波加熱時と同様に回転させ
改善することができる。
【0049】食品加熱装置の重要な加熱方法にオーブン
加熱があるが、その実現には従来では別途のヒータを設
けていた。そこで本発明ではこのヒータを用いることな
くマイクロ波加熱時の加熱室内に置かれた高誘電体損失
板がそのマイクロ波により充分加熱することを利用し、
その輻射熱により食品をオーブン加熱する方法を考案す
る。
【0050】そのため本発明の平板上部加熱電極4は図
8の様に平板上部加熱電極板4bと高誘電体損失板4a
との2層構造とする。ここでマイコン9は平板上部加熱
電極4をその移動手段によりオーブン加熱に適した位置
まで下降させ駆動電源3によりマグネトロン2からマイ
クロ波を発生させると、このマイクロ波により高誘電体
損失板4aは誘電加熱され、この熱エネルギーは熱伝導
により密着させた平板上部加熱電極4bを介し食品10
を輻射加熱できる。また通常のマイクロ波加熱時にはマ
イコン9は前記に述べたように平板上部加熱電極4を加
熱室1上部に移動させ、平板上部加熱電極4を切り替え
手段13により接地するので高誘電体損失板4aはマイ
クロ波からシールドされマイクロ波加熱に悪影響を与え
ることはない。
【0051】この実施例では上部加熱電極についてのみ
説明したが、下部加熱電極に適用すれば食品の下面に同
様の効果が得られる。
【0052】従来の高周波加熱装置において、肉汁等の
酸性液による電極腐食の問題があるため、加熱効率が低
下するにもかかわらず下部電極の上部に一定の距離を設
けた食品配置板を配している。本発明ではこの点を考慮
し図6のようにその平板下部加熱電極板5bの食品と接
する面に、平板下部加熱電極板5bに使用する金属(ア
ルミ,銅)より導電率の高い金属5a(ステンレス)を
構成した2層金属構造とする。この電極板5bには高周
波加熱時には食品を誘電加熱する高周波電流が流れる
が、この高周波電流は導電率のより低い電極板5bによ
り多く流れるがステンレスにはほとんど流れないため、
従来の1層構造の電極構造と比べ加熱電極板での通電ロ
スは大差なく、耐腐食性を向上させた電極を実現でき
る。本実施例では肉汁等の垂れやすい下部加熱電極に本
手法を適用したが上部加熱電極に適用しても同様の効果
があるのは明白である。
【0053】凹凸のある食品を高周波加熱をする場合
の、食品の加熱分布の不均一性については前に述べた
が、本発明では図9のようにその食品相対する面に低誘
電体損失の絶縁板5eを配しその絶縁板の厚みを食品1
0と相反するようにする。この結果その加熱分布は作用
の項で述べたように均一となる。この絶縁板5eはマイ
カ板、シリコン板等の高誘電率かつ低誘電体損失材料を
用いれば均一化の効果を高めるが高周波加熱時の加熱効
率にほとんど影響なく問題はない。
【0054】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の高周波加熱調理
器は、マイクロ波加熱と、高周波加熱の複合加熱装置に
おいて、その加熱手段を食品や調理の種類荷より選択す
る煩わしさを調理者に与える事なく常に適切な加熱手段
により自動的に加熱制御する。また解凍から本加熱に移
行させるような調理においても、食品温度の推移により
適当な時点でマイクロ波加熱から高周波加熱に自動的に
切り替えることができるので、食品温度に応じた最良の
加熱方式で加熱を行うことができ、加熱ムラのない良好
な加熱状態を得ることができる。
【0055】請求項2記載の高周波加熱調理器は、マイ
クロ波加熱と高周波加熱の複合加熱装置において、マイ
クロ波加熱時に高周波加熱電極が邪魔になるため、この
加熱電極を加熱室上部に移動させる必要が生じるが、特
にこの加熱電極が加熱室近傍になったとき加熱電極と加
熱室との誘電電圧差により発生する放電等の不具合を未
然に防止できる。
【0056】請求項3記載の高周波加熱調理器は、電子
レンジのターンテーブルと高周波加熱下部電極との共用
化により加熱室内の有効スペースの向上と、食品を回転
させることによりレンジ窓等一方向からの食品の視認性
の向上が図れる。
【0057】また、請求項4記載の高周波加熱調理器
は、オーブン機能を有する高周波加熱装置において、高
周波加熱電極自体をマイクロ波により加熱し、ヒータ機
能を持たせることによりヒータ部品を廃止できコストダ
ウンと加熱室内スペースの有効活用ができる。
【0058】そして、請求項5記載の高周波加熱調理器
は、電極の食品し接する面に耐腐食の金属を用いること
により、食品と電極を密着させることが可能となり加熱
効率の向上と調理時の衛生性の改善が実現できる。
【0059】さらに、請求項6記載の高周波加熱調理器
は、電極の食品と相対する面に食品と相反する厚みの低
誘電体損失の絶縁層を設けることにより、食品の凹凸に
よらず均一解凍加熱ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高周波加熱装置の第1実施例の電気回
路のブロック図である。
【図2】図1の上部加熱電極の駆動装置を示す説明図で
ある。
【図3】図2のステッピングモータを駆動する駆動信号
の波形図で、(a)は正転駆動タイミングを示し、
(b)は逆転駆動タイミングを示すものである。
【図4】図1の平板上部加熱電極の接地を切り替える手
段を示す説明図である。
【図5】図4の近接センサの検知出力電圧の特性を示す
特性図である。
【図6】図1の平板下部加熱電極5の2層構造を示す断
面図である。
【図7】図1の平板下部加熱電極の電気接続手段を示す
断面図である。
【図8】図1の平板上部加熱電極4の2層構造を示す断
面図である。
【図9】本発明の高周波加熱装置の第2実施例を示す要
部断面図である。
【図10】図8の作用を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 加熱室 2 マグネトロン 3 駆動電源 4 平板上部加熱電極 5 平板下部加熱電極 6 発振回路 7,8 検出回路 7a サーミスタ 8a 輻射熱センサー 9 マイコン 10 食品

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マイクロ波を発射して電磁波により誘電
    加熱するマイクロ波加熱装置と、上部加熱電極と下部加
    熱電極間に高周波電圧を加えて高周波電界により誘電加
    熱する高周波加熱装置とを併用する高周波加熱調理器に
    おいて、高周波加熱調理器の加熱室内温度と食品温度を
    検出する手段と、食品温度が庫内温度より高いときはマ
    イクロ波加熱、また食品温度が庫内温度より低いときは
    高周波誘電加熱する動作を切り替える切替手段を有する
    ことを特徴とする高周波加熱調理器。
  2. 【請求項2】 上記加熱室の壁を接地するとともに、上
    部加熱電極を移動可能としこの上部加熱電極が加熱室の
    上壁に接近したとき加熱室の壁と上部加熱電極を電気的
    に接続する手段を有することを特徴とする請求項1記載
    の高周波加熱調理器。
  3. 【請求項3】 上記下部加熱電極の中心部に軸を設け、
    この軸を電動機により回転させる手段と、この下部電極
    と上記高周波加熱装置の一方の極とを接続する手段とを
    有することを特徴とする請求項1の高周波加熱調理器。
  4. 【請求項4】 マイクロ波を発射して電磁波により誘電
    加熱するマイクロ波加熱装置と、上部加熱電極と下部加
    熱電極間に高周波電圧を加えて高周波電界により誘電加
    熱する高周波加熱装置とを併用する高周波加熱調理器に
    おいて、上部若しくは下部加熱電極に高誘電体損失板を
    密着させるとともに、この上部若しくは下部加熱電極を
    食品に接近させる手段を有することを特徴とする高周波
    加熱調理器。
  5. 【請求項5】 マイクロ波を発射して電磁波により誘電
    加熱するマイクロ波加熱装置と、上部加熱電極と下部加
    熱電極間に高周波電圧を加えて高周波電界により誘電加
    熱する高周波加熱装置とを併用する高周波加熱調理器に
    おいて、上部および下部加熱電極を導電率の異なる2種
    類の金属の2層構造とし、その2種類の金属のうち耐食
    性の優れた金属面を食品と相対する構造とすることを特
    徴とする高周波加熱調理器。
  6. 【請求項6】 マイクロ波を発射して電磁波により誘電
    加熱するマイクロ波加熱装置と、上部加熱電極と下部加
    熱電極間に高周波電圧を加えて高周波電界により誘電加
    熱する高周波加熱装置とを併用する高周波加熱調理器に
    おいて、下部加熱電極を金属と低誘電体損失の絶縁板と
    の2層構造とし、この絶縁板面を食品と相対する構造と
    するとともにこの絶縁板の厚みを食品の厚みと相反する
    構造とすることを特徴とする高周波加熱調理器。
JP19929194A 1994-08-24 1994-08-24 高周波加熱調理器 Pending JPH0864357A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101388897B1 (ko) * 2007-11-01 2014-04-23 엘지전자 주식회사 오븐 및 그 제어방법
CN105357788A (zh) * 2015-11-26 2016-02-24 广东美的厨房电器制造有限公司 一种加热方法和加热装置
KR102180507B1 (ko) * 2019-05-20 2020-11-18 김국현 안테나가 구비된 열선을 이용한 복합 가열 장치

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