JP3290476B2 - 自動車不凍液系統部品用ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents
自動車不凍液系統部品用ポリアミド樹脂組成物Info
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Description
用ポリアミド樹脂組成物に関する。更に詳しくは高温状
態下での自動車不統液に対する耐久性に優れた自動車不
凍液系統部品用ポリアミド樹脂組成物に関する。
理化等から、金属部品を樹脂化することが最近目立って
いる。なかでもガラス繊維強化ナイロン66に代表され
るポリアミド樹脂は耐熱性、耐油性、強靱性に優れた特
徴を有し、ラジエータータンク、ウォーターバルブ等の
不凍液と接触する自動車部品の素材として注目され、相
当の使用実績がある。しかしながら、従来のガラス繊維
強化ナイロン66は、高温雰囲気下での不凍液との長時
間接触後、強度が低下してしまう欠点があり、厳しい信
頼性の要求される最適な自動車部品材料とは必ずしも言
えなかった。この欠点を改善するために、ガラス繊維強
化ナイロン66のガラス繊維濃度を高めて、初期の機械
的物性を向上させることにより、不凍液に対する劣化寿
命を延長させようとの試みがなされているが、この技術
ではガラス繊維増量に伴う部品重量の増大をきたし自動
車軽量化の動きに逆行するばかりでなく、樹脂部品の外
観も悪くなるため後加工工程が増えると言った問題が新
たに生じる欠点があり、必ずしも満足すべき材料ではな
かった。又、耐不凍液性に優れた不凍液系統部品用材料
を得ることを目的としてナイロン66に変性ポリプロピ
レンを配合し、これをガラス繊維で強化したポリアミド
樹脂組成物が提案されているが、確かに不凍液に対する
耐久性改善には効果が認められるものの、耐熱性低下、
特に熱時剛性低下が大きく、自動車エンジンルーム内に
搭載される不凍液系統部品用材料としては必ずしも満足
のいく材料ではなかった。
繊維強化ナイロン66の優れた特徴を損わずに、高温下
での不凍液に対する耐久性の著しく改善された自動車不
凍液系統部品用ポリアミド樹脂組成物を提供することを
目的とするものである。
強化ナイロン66で、高温下における不凍液に対する耐
久性の著しく改善されたポリアミド樹脂組成物を開発す
るために鋭意研究を重ねた結果、粘度の異なる二種のナ
イロン66を特定量配合した混合ポリアミド樹脂をガラ
ス繊維で強化したポリアミド樹脂組成物が、驚くべきこ
とに、不凍液に対する耐久性改善に大きな効果を発揮す
ること、この効果がガラス繊維で強化した時、著しく発
現すると言う新たな知見に基づいて本発明を完成させる
に至った。
〜4.5のナイロン66 90〜40重量%と(B)相
対粘度2.5〜3.2のナイロン66 10〜60重量
%とからなる混合ポリアミド樹脂100重量部とガラス
繊維15〜200重量部とからなることを特徴とする自
動車不凍液系統部品用ポリアミド樹脂組成物に関する。
ド樹脂組成物は、2種類の相対粘度の異なるナイロン6
6樹脂混合物にガラス繊維を配合したものであるが、本
発明で用いるナイロン66の種別はJIS K−681
0に基づいて測定した硫酸相対粘度によって行うことが
できる。
粘度が3.5〜4.5の高分子量ナイロン66であり、
通常押出成形用として用いられるタイプのものである。
粘度が2.5〜3.2の通常射出成形用途に用いられる
タイプのものである。ナイロン66(A)及び(B)と
もナイロン66の本来有する諸特性を損なわない範囲に
おいて、他のポリアミドとの共重合体であってもよい。
の相対粘度を3.5〜4.5と限定した理由は、3.5
未満では(A)成分のナイロン66の配合による耐不凍
液性の改善効果がみられず、又、4.5を越えるとガラ
ス繊維配合時の溶融粘度が著しく高くなり、押出加工性
が損われるばかりでなく、最終的に得られるポリアミド
樹脂組成物の成形流動性が悪化し成形品外観が悪化する
からである。
の相対粘度を2.5〜3.2と限定した理由は、この相
対粘度範囲外では(B)成分の配合効果が認められない
からである。
らなる混合ポリアミド樹脂中の(A),(B)成分の配
合割合は(A)成分90〜40重量%、好ましくは80
〜60重量%、(B)成分10〜60重量%、好ましく
は20〜40重量%である。混合ポリアミド樹脂中での
(B)成分のポリアミドの配合割合が60重量%を越え
ると耐不凍液性改善効果が認められず、また10重量%
以下では得られた樹脂組成物の成形加工性が悪くなる。
端に酸無水基を有するポリオレフィン系ポリマーを少量
配合することにより、さらに耐不凍液性を改善できる。
ポリマーは、WO89−081210号公開公報にて提
案されたポリマーであり、数平均分子量が500〜5
0,000である。該ポリマーは主鎖がポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリペンテン、ポリヘキセン、エチレ
ン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−1,
6−ヘキサジエン共重合体、エチレン−プロピレン−5
−エチリデン−2−ノルボネン共重合体、スチレン−ブ
タジン共重合体の水素添加物、1,2−ポリブタジエン
の水素添加物、1,4−ポリブタジエンの水素添加物な
どのオレフィン系ポリマーであって、末端に酸無水基を
含有する分子単位が結合したポリマーである。最も好適
な末端に酸無水基を有するポリオレフィン系ポリマーの
例としては、両末端に水酸基を有する水添ポリブタジエ
ンと無水トリメリット酸クロライドとの反応生成物であ
る末端トリメリット酸無水物変性水素化ポリブタジエン
を挙げることができる。末端に酸無水基を有するポリオ
レフィン系ポリマーの配合量は(A)及び(B)からな
る混合ポリアミド樹脂100重量部に対して0.1〜5
重量部である。0.1重量部末端であると、耐不凍液性
の改善効果がみられないからであり、5重量部を越えて
使用してもその効果は増大せず、かえって機械的な強度
を低下させ好ましくない。
リアミド樹脂に用いられる表面処理剤で処理されたもの
であり、ガラス繊維の形状には特に制限はない。配合す
る段階では長繊維タイプから短繊維タイプのものまで任
意の形状のものが使用可能であるが繊維径は6〜20μ
m、特に好ましい繊維径は6〜13μmである。
意に選べるが、混合ポリアミド樹脂100重量部に対し
て15〜200重量部、好ましくは25〜100重量部
である。ガラス繊維の配合量が15重量部より少ないと
きは機械的性質の充分な改善効果が得られないばかり
か、粘度の異なるナイロン66を使用しての耐不凍液性
の改善も認められない。またガラス繊維の配合量が20
0重量部を越える場合には、組成物の溶融時流動性が低
下し、押出し、射出成形性が著しく悪くなる。
(A),(B)及びガラス繊維をドライブレンドした
後、常用の単軸又は二軸押出機のような押出機で溶融ブ
レンドすることによって得られる。
ングリコールを主成分とする不凍液と接触する部品であ
り、例えばラジエータータンク、ウォーターポンプハウ
ジング、ウォーターポンプインペラ、ウォーターバル
ブ、ラジエーターパイプ、ヒータータンク等の自動車ア
ンダーフード部品が挙げられる。
樹脂組成物について詳述したが、本発明の目的を損わな
い範囲において、これら組成物にさらに他の樹脂ポリマ
ー、無機充填剤、着色剤、酸化劣化防止剤、熱安定剤、
紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、可塑剤、難燃剤など
を目的に応じて添加することができる。
明するが、本発明はそれに限定されるものでない。
通りである。
0 98%H2SO4)4.2のナイロン66 Ny66(B):硫酸相対粘度(JIS K681
0 98%H2SO4)2.8のナイロン66 GF:ガラス繊維、旭ファイバーグラス(株)製C
S03JA FT−2A THPB:参考例1にて得られた末端トリメリット
酸無水物変性水添ポリブタジエン {2}試験方法 引張試験:ASTM D 638 曲げ試験:ASTM D 790 アイゾット衝撃試験:ASTM D 256 耐不凍液性試験:エチレングリコールが主成分であ
る不凍液(トヨタ純正Long Life Coola
nt)の50容量%水溶液を130℃に加熱し、試験片
を所定時間浸漬した後、引張試験を実施した。
SSO−PB,GI−3000、日本曹達(株)製}3
00g、ピリジン15.8gを酢酸エチルエステルに溶
解する。この混合液を氷冷した後、乾燥窒素雰囲気下、
無水トリメリット酸クロライド42.1gを酢酸エチル
エステル200mlに溶解した溶液を1時間かけて滴下
した。滴下終了後室温まで昇温し、さらに8時間撹拌し
た。沈殿してくる不溶物を濾別し、濾液をロータリーエ
バポレータにて濃縮した。残渣をクロロホルム500m
lに溶解し、不溶物を濾別後、濾液をシリカゲルカラム
に通し精製を行った。溶媒をロータリーエバポレーター
にて留去すると、295gの微黄色粘調な液状ポリマー
が得られた。
リメリット酸基が結合していることを確認した。
860であった。
表1に示す組成にて、2軸押出機{池貝鉄工(株)製P
CM45}を用いて、290℃で溶融混合して、冷却し
てペレットを得た。得られたペレットを射出成形機を用
いて、290℃の温度で物性測定用試験片に成形し、諸
物性を測定した。その結果を表1に示す。
ミド樹脂組成物を成形して得られる成形品は、高温下で
の自動車不凍液に対する耐久性に優れているため、厳し
い信頼性が要求されるラジエータータンク、ウォーター
ポンプハウジング、ウォーターポンプインペラ、ウォー
ターバルブ、ラジエーターパイプ、ヒータータンク等の
高温不凍液と接する自動車部品材料として最適な材料で
ある。
Claims (2)
- 【請求項1】 (A)相対粘度3.5〜4.5のナイロ
ン66 90〜40重量%と、(B)相対粘度2.5〜
3.2のナイロン66 10〜60重量%とからなる混
合ポリアミド樹脂100重量部とガラス繊維15〜20
0重量部とからなることを特徴とする自動車不凍液系統
部品用ポリアミド樹脂組成物。 - 【請求項2】 混合ポリアミド樹脂100重量部に対し
て、末端に酸無水基を有するポリオレフィン系ポリマー
0.1〜5重量部を配合したことを特徴とする請求項1
記載の自動車不凍液系統部品用ポリアミド樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27995992A JP3290476B2 (ja) | 1992-10-19 | 1992-10-19 | 自動車不凍液系統部品用ポリアミド樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27995992A JP3290476B2 (ja) | 1992-10-19 | 1992-10-19 | 自動車不凍液系統部品用ポリアミド樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06128480A JPH06128480A (ja) | 1994-05-10 |
JP3290476B2 true JP3290476B2 (ja) | 2002-06-10 |
Family
ID=17618315
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27995992A Expired - Lifetime JP3290476B2 (ja) | 1992-10-19 | 1992-10-19 | 自動車不凍液系統部品用ポリアミド樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3290476B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
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---|---|---|---|---|
DE10331169A1 (de) | 2003-07-09 | 2005-02-10 | Basf Ag | Gehäuseschale für ein elektronisches Gerät |
US7902287B2 (en) * | 2008-01-21 | 2011-03-08 | Basf Aktiengesellschaft | Polyamide resin composition and method of preparing |
JP2016117817A (ja) * | 2014-12-19 | 2016-06-30 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | ガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物及び成形体 |
WO2016103733A1 (ja) | 2014-12-26 | 2016-06-30 | 旭化成株式会社 | ポリアミド樹脂組成物、ポリアミド樹脂組成物ペレット群、成形体、及びポリアミド樹脂組成物の製造方法 |
-
1992
- 1992-10-19 JP JP27995992A patent/JP3290476B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06128480A (ja) | 1994-05-10 |
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