JP3289476B2 - オリゴマ量および異物量が少ないポリエステル - Google Patents

オリゴマ量および異物量が少ないポリエステル

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JP3289476B2 JP05615094A JP5615094A JP3289476B2 JP 3289476 B2 JP3289476 B2 JP 3289476B2 JP 05615094 A JP05615094 A JP 05615094A JP 5615094 A JP5615094 A JP 5615094A JP 3289476 B2 JP3289476 B2 JP 3289476B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はオリゴマ量および異物量
が少ないポリエステルに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートに代表され
るポリエステルはその優れた物理的、化学的特性の故
に、今日、繊維、フィルムあるいは成型品等の用途で広
く使用されている。特に近年めざましい発展を遂げてい
るオーディオテープ、ビデオテープ、コンピュータテー
プあるいはフロッピィディスク等の磁気記録分野ではポ
リエチレンテレフタレートの二軸延伸フイルムがベース
フィルムとして好適に使用されている。
【0003】しかしながら最近の電気および電子機器の
小型化、軽量化、高性能化が進むなかでベースフィルム
に要求される特性はますます厳しくなってきている。例
えば磁気記録分野においては長時間記録、小型化、軽量
化を実現するためにベースフィルム厚みをより薄くする
ことが必要であるが、同時に、より高弾性率にしてフィ
ルムのスティフネスを維持することが重要である。この
ためベースフィルムの厚みが非常に薄い場合、従来のポ
リエチレンテレフタレートを素材としたベースフィルム
では弾性率が不十分な場合も現れてきている。
【0004】ポリエチレン−2,6−ナフタレートはこ
のような状況のなかで注目されてきた。ポリエチレン−
2,6−ナフタレートは耐熱性、機械的特性、化学的特
性など多くの点でポリエチレンテレフタレートよりも優
れた特性を示すことが明らかにされており、最近その検
討が盛ん行なわれている。例えば特開昭62−2608
22、特開昭64−155、特開平2−112411な
どポリエチレンナフタレート組成物または製造方法に関
するもの、あるいは特開昭62−113529、特開平
2−120329、特開平2−208323、特開平2
−202924、特開平2−202925などポリエチ
レン−2,6−ナフタレートフィルムに関する提案等、
多くの報告がなされている。
【0005】加えて近年、磁気テープ、とくに高級磁気
テープ用途に代表される分野などではフィルム中に含有
されているわずかな異物によっても最終製品の品質、と
くに表面特性が悪化するために非常に高度なクリーンさ
が要求されてきている。これに対して、たとえば特開昭
62−290722などにおいてはポリエステル原料中
に含まれる微細な粒子を特定量以下に抑えることにより
高品位のポリエステルを得る製造方法が提案されている
が、これらの方法によっても現在の要求レベルには不十
分となってきた。とくにポリエチレン−2,6−ナフタ
レートにおいてはポリエチレンテレフタレートに比べて
溶融粘度が高いという特徴を有しており、原料中の異物
量を低減しても、溶融重合工程とくに反応の後期におい
ては反応物の粘性が極めて高くなるために、従来の方法
で高重合度のポリマを得ようとすると装置内部のわずか
な汚れをかき落としてとりこんだり、反応器内に残留す
るポリマ量が増加し次のバッチへの混入量、いわゆる釜
残の増加により変成ポリマが発生し異物化するなど種々
の問題点があった。
【0006】また上記の不純物等に加えてポリマ自身の
内部からフィルム表面に溶出してくるオリゴマもフィル
ムの表面特性を大きく左右する。一般に、ポリエチレン
−2,6−ナフタレートがポリエチレンテレフタレート
に比べ抽出されるオリゴマ量が少ないことが知られてい
るが、単にポリエチレン−2,6−ナフタレートを用い
るだけでは高級磁気テープ用途等では従来のオリゴマレ
ベルでは不十分となってきている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記し
た従来のポリエチレン−2,6−ナフタレートの持つ問
題点を解決し、オリゴマ量および異物量が少ない改善さ
れたポリエチレン−2,6−ナフタレートを提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記した本発明の目的
は、溶重合によって得られた固有粘度0.45以下
比表面積1000m 2 /m 3 以上である、主たる繰り返し
単位がエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレー
トであるポリエチレン−2,6−ナフタレートを固相重
合することによって得られる、含有される異物量が10
000個/mg以下であることを特徴とするポリエステ
ルによって達成できる。
【0009】本発明における主たる繰返し単位がエチレ
ン−2,6−ナフタレートからなるポリエステルとはそ
の繰返し単位が実質的にエチレン−2,6−ナフタレン
ジカルボキシレート単位から構成されているものであ
る。また、本発明のポリエチレン−2,6−ナフタレー
トには繰返し単位の数の10%以下好ましくは5%以下
が他の成分で置換された共重合体、あるいは全重量の1
0%以下好ましくは5%以下が他のポリマである混合物
が含まれる。ここで他の成分としては、2価のエステル
形成性官能基を有する化合物、例えば2,7体、1,4
体、1,5体などのナフタレンジカルボン酸の異性体、
テレフタル酸、イソフタル酸、ジフェノキシエタンジカ
ルボン酸、ジクロロフェノキシエタンジカルボン酸、ジ
フェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン
酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルケト
ンジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、あるいは
トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、
ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコー
ル、デカメチレングリコールなどのアルキレングリコー
ル、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族ジオー
ル、さらにポリエチレングルコール、ポリプロピレング
リコール等のポリアルキレングリコールに代表される長
鎖ジオールなどがあげられる。また3価以上のエステル
形成性官能基を有する化合物としてヘミメリット酸、ト
リメシン酸、トリメリット酸、プレニト酸、メロファン
酸、ピロメリット酸、ビフェニル−3,3´,4,4´
−テトラカルボン酸、ベンゾフェノン−3,3´,4,
4´−テトラカルボン酸などの多官能カルボン酸やグリ
セリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパ
ン、トリメチロールブタン、1,3,5−トリメチロー
ルベンゼン、1,3,5−トリエチロールベンゼン、
1,3,5−トリブチロールベンゼン、1,2,6−ヘ
キサントリオール、ペンタエリスリトール、ソルビトー
ル、2,2,6,6−テトラメチロールシクロヘキサノ
ールなどの多価アルコールを挙げることができる。ここ
でエステル形成性官能基とは従来公知のポリエステル製
造方法における反応条件下でエステル結合を形成する官
能基であれば良い。このような官能基としては,例えば
−OH基、−COOH基、−OCOR1 基、−COOR
2 基、−COX基(但しRは炭素数が1から6までの1
価の有機基、Xはハロゲン基を示す)等が挙げられる。
【0010】本発明におけるポリエステルはまず溶
合によって重合される。溶重合は従来公知の方法によ
る。すなわちエステル化またはエステル交換反応によっ
て低分子量体を得た後、重縮合反応により高分子量体を
得る。
【0011】本発明のポリエステルの製造方法をエステ
ル交換反応法を例にとって説明する。撹拌装置、精留
塔、凝縮器を備えたエステル交換反応器に2,6−ナフ
タレンジカルボン酸のエステル形成性誘導体とエチレン
グリコールを供給した後、エステル交換反応触媒の存在
下でおよそ220〜250℃まで3〜8時間を要して徐
々に昇温する。エステル交換反応で生成したメタノール
等の副成物は連続的に反応系外へ留出させる。次いで、
添加物、重縮合触媒を添加した後、過剰のエチレングリ
コールを留出させ低重合体を得る。続いてこの低重合体
を重縮合反応器へ移行させたのち反応系を徐々に加熱減
圧して重縮合反応を行い最終的に反応系の温度を280
℃〜350℃、減圧度を7×102 Pa以下にすること
によりポリエチレンナフタレート組成物を得る。重縮合
反応の段階でポリエチレンナレフタレートの固有粘度は
連続的に変化するが、反応系の温度および減圧度を制御
し重縮合反応開始後0.1〜1.5時間の間に固有粘度
が0.2に達するようにするのが好ましい。
【0012】エステル化またはエステル交換反応触媒は
従来公知のものを任意に使用することができる。かかる
触媒として例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、
亜鉛、鉛、マンガン、アルミニウム、けい素、リン等の
酢酸塩や塩化物などが挙げられる。重縮合触媒について
も従来公知のものを任意に使用することができる。かか
る触媒として例えば、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマ
ニウム、テトラアルコキシチタネート等が挙げられる
が、とくに二酸化ゲルマニウムが好ましい。エステル化
またはエステル交換反応触媒および重縮合触媒の添加量
はポリエステルの反応性、耐熱性を損なわない限りにお
いて任意でよい。
【0013】本発明において溶重合で得られるポリエ
ステルの固有粘度は0.45以下であることが必要であ
る。0.45を越えた場合、撹拌動力が非常に高くなる
あるいは反応器の撹拌状態が不均一になったり、溶融粘
度が非常に高いために装置内部に蓄積された炭化物、変
成物などの異物の巻き込みが急激に増加する、さらには
次バッチへの反応釜内残留ポリマ量が増加するため結果
として連続バッチで製造するさいには長時間反応器内に
滞留した変成物が増加し好ましくない。より好ましくは
0.40以下である。
【0014】本発明において溶融重合で得た固有粘度
0.45以下のポリエステルはその後所定の固有粘度ま
で固相重合される。固相重合は従来公知の方法を用いて
よい。すなわち具体的には溶融重合で得たポリエステル
をペレット状あるいは粉末状にし、必要に応じて結晶化
した後、該ポリエステルの結晶融点より5℃以上50℃
以下低い温度でかつ真空下または不活性ガス気流中で保
持すればよい。この時、ペレットまたは粉末は比表面積
が大きいほど固相重合が進行しやすく好ましい。比表面
積は1000m2 /m3 以上、さらには1500m2
3 以上が好ましい。固相重合温度は結晶融点より5℃
以上50℃以下低い温度であるが具体的には、ペレット
どうしが融着しにくく、固相重合速度を速くするために
170℃以上250℃以下、さらには200℃以上24
0℃以下であることがより好ましい。また、固相重合の
雰囲気は7×102 Pa以下さらには1.3×102
a以下の真空あるいは窒素などの不活性ガス気流中に保
持することが好ましい。固相重合を行なう装置としては
塔型、流動層型、回転槽型など種々の形式のものを用い
ることができる。
【0015】本発明のポリエステルはオリゴマ抽出量が
0.7%以下であることが好ましい。該特性値が上記範
囲内であると例えばフィルムに成型したときの表面平滑
性が優れ好ましい。より好ましくは0.5%以下、とく
に好ましくは0.3%以下である。
【0016】本発明のポリエステルに含有される異物量
は10000個/mg以下であることが好ましい。該特
性値が上記範囲内であると例えばフィルムに成型したと
きの表面平滑性が優れ好ましい。より好ましくは700
0個/mg以下、特に好ましくは3000個/mg以下
である。
【0017】本発明のポリエステルには、成形工程にお
ける工程通過性や得られる繊維、フィルムなどの成形品
の取扱い性、作業性あるいは商品価値の向上の目的で種
々の粒子が配合されていても良い。具体的には、天然品
を粉砕・分級したり、合成法で製造した種々の粒子を使
用することができる。具体的には二酸化ケイ素、二酸化
チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カ
ルシウム、二酸化セリウム、酸化モリブデン、酸化タン
グステン、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化鉄、
カオリン、カーボンなどの無機粒子、アルカリ金属およ
びアルカル土類金属の少なくとも一種とリンを構成成分
の一部とするポリエステル重合反応系内で析出させた粒
子、すなわち内部粒子、さらにはシリコーン樹脂粒子、
エポキシ樹脂粒子、ポリイミド粒子、架橋ポリスチレン
粒子等の種々のビニル系粒子などの架橋高分子粒子など
が挙げられる。
【0018】また本発明のポリエステルには種々の紫外
線吸収剤、帯電防止剤などを含有していても構わない。
【0019】無機粒子、内部粒子あるいは架橋高分子粒
子を含有したフィルムを製造する方法としては、例えば
ポリエステルの反応系にこれらの両者を添加する方法を
とっても構わないし、別々にポリマに配合したマスタチ
ップを製膜前にチップブレンドあるいは溶融混練する方
法をとっても構わない。
【0020】本発明のポリエステルからなるフィルムを
製造する場合、フィルムは単層、積層どちらにも適用で
きるが、フィルムの走行性と表面平滑性を別々の面で担
わせることが可能な2層以上からなる積層フィルムがと
くに好ましく、本発明のポリエステル組成物からなる層
が少なくとも1層、とくに3層以上の積層フィルムに適
用する場合には、積層フィルムの少なくとも1つの最外
層であることが好ましい。また、フィルムの滑り性を向
上させるために各種の粒子を含有した層を設ける場合に
は、該層が最外層の少なくとも1層であることが好まし
く、さらに耐摩耗性の点から、そのフィルム層厚さt
と、含有される粒子の粒径dの関係が、0.2d≦t≦
10d、さらには0.5d≦t≦5dが好ましく、特に
は0.5d≦t≦3dの関係を満たすことが好ましい。
【0021】本発明のフィルムは、耐摩耗性の点から、
少なくとも片面の突起個数が2×103 〜5×105
/mm2 、であることが好ましい。少なくとも片面の突
起個数は、好ましくは3×103 〜4×105 個/mm
2 、より好ましくは5×103 〜3×105 個/mm2
である。
【0022】次に本発明のポリエステルからなる層を有
する積層フィルムの製造方法を説明する。本発明のポリ
エステルからなるペレットおよび必要に応じて粒子を所
定量含有するペレットを必要に応じて乾燥したのち、公
知の溶融積層用押出機に供給し、スリット状のダイから
シート状に押出し、キャスティングロール上で冷却固化
せしめて未延伸フィルムを作る。すなわち、2または3
台の押出し機、2または3層のマニホールドまたは合流
ブロックを用いて、溶融状態のポリエステルを積層す
る。この場合、粒子を含有するポリマの流路に、スタテ
ィックミキサー、ギヤポンプを設置する方法は本発明の
効果をより一層良好とするのに有効である。次にこの未
延伸フィルムを二軸延伸し、二軸配向せしめる。延伸方
法としては、逐次二軸延伸法または同時二軸延伸法を用
いることができる。ただし、最初に長手方向、次に幅方
向の延伸を行なう逐次二軸延伸法を用い、長手方向の延
伸を3段階以上に分けて、縦延伸温度100℃〜170
℃、総縦延伸倍率3.0〜8.0倍、縦延伸速度は50
00〜50000%/分の範囲が好ましい。幅方向の延
伸方法としてはステンタを用いる方法が好ましく、延伸
温度は100〜170℃、幅方向延伸倍率は3.0〜
8.0倍、幅方向の延伸速度は1000〜20000%
/分の範囲が好ましい。
【0023】次にこの延伸フィルムを熱処理する。この
場合の熱処理温度は190〜250℃で時間は0.5〜
60秒の範囲が好適である。
【0024】
【実施例】以下本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。なお実施例中の特性値は次の方法に従って測定し
た。
【0025】A.固有粘度 オルソクロロフェノールを溶媒として25℃で測定し
た。
【0026】B.抽出オリゴマ量 ポリマを20メッシュから35メッシュの大きさに粉砕
して、ソックスレー抽出器により、クロロホルムで20
時間抽出したクロロホルム可溶成分量を抽出に供したポ
リマに対する割合(重量%)として求めた。
【0027】C.異物量 5mm立方程度にカッティングしたポリマをプレパラー
トで挾み、溶融してポリマとプレパラートを密着させ
る。この試料を光学顕微鏡を用いて倍率200倍、暗視
野条件下で観察し、輝点として観察されるものを異物と
して、その個数をカウントした。10視野以上観察し、
その時の視野面積および試料の厚みから単位ポリマ当た
りの異物量を算出した。
【0028】D.フィルム表面の粗大突起数 測定面(100cm2 )どうしを2枚重ね合わせて静電
気力で密着させる(印加電圧5.4kV)。2枚のフィ
ルム間で粗大突起部分の光の干渉によって生じるニュー
トン環から粗大突起の高さを判定し、1環以上の粗大突
起をカウントした。2枚重ねているため100cm2
サンプルフィルムで200cm2 測定していることにな
る。光源はハロゲンランプに564nmのバンドパスフ
イルターをかけて用いた。50個/100cm2 以下が
良好である。
【0029】E.フィルムの滑り性 フィルムを幅1/2インチにスリットし、テープ走行性
試験機TBT−300型[(株)横浜システム研究所
製]を使用し、20℃、60%RH雰囲気で走行させ、
初期の摩擦係数μkを下式より求めた。なお、ガイド径
は6mmφであり、ガイド材質はSUS27(表面粗度
0.2S)、巻き付け角は180°、走行速度は3.3
cm/秒である。 μk=0.733×log(T1 /T2 ) T1 :出側張力 T2 :入側張力 上記μkが0.35以下であるものは滑り性良好とし
た。
【0030】実施例1 撹拌装置、精留塔、凝縮器を備えたエステル交換反応器
に2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル65.8部
とエチレングリコール33.5部、酢酸マンガン・4水
塩0.08部を供給した後、170℃から240℃まで
徐々に昇温し同時に生成したメタノールは連続的に反応
系外へ留出させながらエステル交換反応を行った。こう
して得られた反応物に、リン酸トリメチル0.04部を
添加し15分間反応させてから、三酸化アンチモン0.
03部を添加し、さらに5分間反応させた。
【0031】引き続いてエチレングリコールを連続的に
留出させながら280℃まで昇温し同時に0.2mmH
gまで減圧を進めて重縮合反応を行い、固有粘度0.4
0のポリマを得た。この時、反応装置内部の撹拌状態は
良好であり、撹拌ムラなどは認められなかった。
【0032】このポリマを表面積1200m2 /m3
ペレットにした後、ロータリーエバポレータに供給し、
窒素気流中、150℃で5時間保持し結晶化させた。さ
らにその後、装置内を50Paまで減圧しかつ240℃
に昇温した。この状態で20時間保持し、固有粘度0.
65のポリマを得た。
【0033】このポリマのオリゴマ抽出量は0.25
%、異物量2000個/mgと良好な値が得られた。こ
のポリマを(I)とする。
【0034】一方、公知の重合方法により0.5μmの
シリカ粒子を含有するポリエチレン−2,6−ナフタレ
ート(以下ポリマ(II)という)を得た。2つのポリ
マを減圧乾燥した後、押出機1、押出機2にポリマ
(I)、(II)をそれぞれ供給、溶融し、高精度濾過
した後、矩形合流部にて2層積層とした。これを静電印
加キャスト法を用いてキャスティング・ドラムに巻きつ
けて冷却固化し、未延伸フィルムを作った。この未延伸
フィルムを長手方向に5.0倍、幅方向に6.0倍延
伸、熱処理し、総厚さ15μmの二軸配向積層フィルム
を得た。このフィルムの特性を調べたところ、本発明の
ポリエステル組成物を用いた積層部表面は粗大突起数が
20個/100cm2 と少なく良好な表面特性を示し、
かつシリカ粒子を含有する積層面のμkは0.30と良
好な走行性を示した。
【0035】実施例2 実施例1と同様にして、2,6−ナフタレンジカルボン
酸ジメチル66部、エチレングリコール34部から溶融
重合によって固有粘度0.45のポリマを得た。この
時、反応装置内部の撹拌状態は良好であり、撹拌ムラな
どは認められなかった。またこのポリエステルに従来公
知の方法で平均粒子径0.2μmのシリカ粒子を添加、
含有させた。次にこのポリマをペレットにした後、窒素
気流中、150℃で結晶化させた後、さらにその後、2
40℃に昇温、15時間保持し、固有粘度0.60のポ
リマ(III)を得た。
【0036】またこのポリマのオリゴマ抽出量は0.4
5%、異物量は6000個/mgと良好な値が得られ
た。
【0037】(I)および(III)の2つのポリマを
減圧乾燥した後、押出機1、押出機2にポリマ(I)、
(III)をそれぞれ供給、溶融し、高精度濾過した
後、矩形合流部にて3層積層とした(積層構成:ポリマ
(I)/ポリマ(III)/ポリマ(I))。これを静
電印加キャスト法を用いてキャスティング・ドラムに巻
きつけて冷却固化し、未延伸フィルムを作った。この未
延伸フィルムを長手方向に5.5倍、幅方向に5.5倍
延伸、熱処理し、総厚さ15μmの二軸配向積層フィル
ムを得た。このフィルムの特性は粗大突起数が40個/
100cm2 と少なく良好な表面特性を示し、μkは
0.27と良好な走行性を示した。
【0038】比較例1 実施例1と同様にして、2,6−ナフタレンジカルボン
酸ジメチル65部とエチレングリコール35部、酢酸マ
ンガン・4水塩0.08部を供給した後、180℃から
240℃まで徐々に昇温し同時に生成したメタノールは
連続的に反応系外へ留出させながらエステル交換反応を
行った。こうして得られた反応物に、リン酸トリメチル
0.04部を添加し15分間反応させてから、三酸化ア
ンチモン0.04部を添加し、さらに5分間反応させ
た。引き続いてエチレングリコールを連続的に留出させ
ながら280℃まで昇温し同時に0.1mmHgまで減
圧を進めて重縮合反応を行った。溶融重合によって最終
的に固有粘度0.65のポリマを得たが、重縮合反応後
半は撹拌翼にポリマが絡み付つき十分な撹拌が行なわれ
ていないことが観察された。また重合装置からポリマを
吐出する際、ポリマが流れにくく均一に吐出されなかっ
た。得られたポリマのオリゴマ量は0.9%、異物量は
100000個/mgとともに不十分な値を示した。
【0039】さらにこのポリマを実施例1のポリマ
(I)の変わりに使用して実施例1と同様に積層2軸延
伸フィルムを得た。このフィルムの特性はシリカ粒子を
含有する積層面のμkは0.30と良好な走行性を示し
たがポリマ(III)側の積層部表面は粗大突起数が2
00個/100cm2 と多く不良であった。
【0040】
【発明の効果】本発明は高重合度のポリエチレン−2,
6−ナフタレートを製造する際に問題となる、溶融重合
時の撹拌状態の不均一性や溶融重合後の吐出ムラを解消
するとともに、オリゴマ量および異物量が少ないポリエ
ステルを提供する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 63/00 - 63/91

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶重合によって得られた固有粘度0.
    45以下、比表面積1000m 2 /m 3 以上である、主た
    る繰り返し単位がエチレン−2,6−ナフタレンジカル
    ボキシレートであるポリエチレン−2,6−ナフタレー
    トを固相重合することによって得られる、含有される異
    物量が10000個/mg以下であることを特徴とする
    ポリエステル。
  2. 【請求項2】 オリゴマ抽出量が0.7%以下であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のポリエステル。
JP05615094A 1994-03-25 1994-03-25 オリゴマ量および異物量が少ないポリエステル Expired - Fee Related JP3289476B2 (ja)

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