JP3289402B2 - ダクト兼用天井パネルの連結構造 - Google Patents
ダクト兼用天井パネルの連結構造Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、一般的なビルなどに
適用される天井と空調ダクトを融合した構造の天井空調
システムを構成するのに用いるダクト兼用天井パネルに
関し、特に、複数のダクト兼用天井パネルを連通させる
とともに吹出口を形成する連結構造に関する。
適用される天井と空調ダクトを融合した構造の天井空調
システムを構成するのに用いるダクト兼用天井パネルに
関し、特に、複数のダクト兼用天井パネルを連通させる
とともに吹出口を形成する連結構造に関する。
【0002】
【従来の技術】空調装置の給気用ダクトや吹出口を天井
裏に組込む天井構造は、独立ダクト方式と天井チャンバ
ー給気方式とに大別される。独立ダクト方式とは、コン
クリートスラブと天井パネル(仕上げ材)との間の空間
に天井パネルとは別体の独立したダクトを配管する構造
であり、一般に次のような手順で工事を行う。 予め設計書に基づきダクトを製作する。 各ダクトを吊りボルトを介してスラブ下面に固定す
る。 吹出口を設定し、各ダクト間のつなぎ込み作業を行
う。 ダクト外周に断熱施工を行う。 以上の工程終了後にダクト下部に別の支持構造により
天井パネルを張り込み、吹出口とダクト間を連結する。
裏に組込む天井構造は、独立ダクト方式と天井チャンバ
ー給気方式とに大別される。独立ダクト方式とは、コン
クリートスラブと天井パネル(仕上げ材)との間の空間
に天井パネルとは別体の独立したダクトを配管する構造
であり、一般に次のような手順で工事を行う。 予め設計書に基づきダクトを製作する。 各ダクトを吊りボルトを介してスラブ下面に固定す
る。 吹出口を設定し、各ダクト間のつなぎ込み作業を行
う。 ダクト外周に断熱施工を行う。 以上の工程終了後にダクト下部に別の支持構造により
天井パネルを張り込み、吹出口とダクト間を連結する。
【0003】この独立ダクト方式では、天井ふところ内
の梁を貫通させるようにダクトを配設する梁貫通構造
と、梁の下部にダクト配設スペースを設ける梁下構造と
がある。
の梁を貫通させるようにダクトを配設する梁貫通構造
と、梁の下部にダクト配設スペースを設ける梁下構造と
がある。
【0004】また天井チャンバ給気方式とは、天井ふと
ころ全体を空調装置の給気チャンバとして利用するもの
で、独立した給気ダクトはなく、天井ふところ全体がダ
クトスペースとなり、天井パネル面の適宜位置に設けた
吹出口から室内に空調空気を吹出す構造である。
ころ全体を空調装置の給気チャンバとして利用するもの
で、独立した給気ダクトはなく、天井ふところ全体がダ
クトスペースとなり、天井パネル面の適宜位置に設けた
吹出口から室内に空調空気を吹出す構造である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述の独立ダクト方式
の天井構造では、複雑な曲り箇所を含むダクトの事前製
作が面倒なだけでなく、スラブ下面にダクトを取り付け
たり相互に接続する作業は現場合わせ的な手作業とな
り、全体として非常に大規模で面倒な工事となる。また
前記の梁貫通構造でも梁下構造でも、ダクトの設置スペ
ース分だけ同じ階高であっても天井高が低くなるので、
所定の天井高を実現するには階高を高く設定しなければ
ならない。さらに独立ダクト方式では、いったん空調ダ
クトを天井裏に組み込んだ状態で修理またはメンテナン
スを行なう場合に、天井パネルをいちいち剥がすか、あ
るいは点検口を予め要所につくっておき、そこから狭い
天井裏に入って作業を行わなければならず、非常に不便
であった。
の天井構造では、複雑な曲り箇所を含むダクトの事前製
作が面倒なだけでなく、スラブ下面にダクトを取り付け
たり相互に接続する作業は現場合わせ的な手作業とな
り、全体として非常に大規模で面倒な工事となる。また
前記の梁貫通構造でも梁下構造でも、ダクトの設置スペ
ース分だけ同じ階高であっても天井高が低くなるので、
所定の天井高を実現するには階高を高く設定しなければ
ならない。さらに独立ダクト方式では、いったん空調ダ
クトを天井裏に組み込んだ状態で修理またはメンテナン
スを行なう場合に、天井パネルをいちいち剥がすか、あ
るいは点検口を予め要所につくっておき、そこから狭い
天井裏に入って作業を行わなければならず、非常に不便
であった。
【0006】一方、前記天井チャンバ給気方式は独立ダ
クト方式に比べてはるかに簡単な構造となり、同一階高
での天井高を高くできるし、保守点検の作業も容易であ
る。しかし、天井ふところ全体が給気チャンバとなるの
で、意図しない隙間が存在することが多く、隙間から室
外へ空気が漏れて熱の損失を生じるという問題がある。
また、コンクリートスラブや梁あるいは壁によって空調
空気の熱が吸収されてしまうので、ここでも熱の損失を
生じる。さらに給気チャンバとしての容積が必要以上に
大きくなり、空調装置の運転開始時から室内に冷気や暖
気が行き渡るまでの立上がり時間が長くなる。
クト方式に比べてはるかに簡単な構造となり、同一階高
での天井高を高くできるし、保守点検の作業も容易であ
る。しかし、天井ふところ全体が給気チャンバとなるの
で、意図しない隙間が存在することが多く、隙間から室
外へ空気が漏れて熱の損失を生じるという問題がある。
また、コンクリートスラブや梁あるいは壁によって空調
空気の熱が吸収されてしまうので、ここでも熱の損失を
生じる。さらに給気チャンバとしての容積が必要以上に
大きくなり、空調装置の運転開始時から室内に冷気や暖
気が行き渡るまでの立上がり時間が長くなる。
【0007】この発明は前述した従来の問題点に鑑みな
されたもので、その目的は、従来の天井チャンバ給気方
式に匹敵する簡単でかつ階高に与える影響の少ない構造
で、熱の損失のない効率的な空調を実現することがで
き、部分的な風量の増減などレイアウトの変更も容易な
天井空調システムを構築するためのダクト兼用天井パネ
ルの連結構造を提供することにある。
されたもので、その目的は、従来の天井チャンバ給気方
式に匹敵する簡単でかつ階高に与える影響の少ない構造
で、熱の損失のない効率的な空調を実現することがで
き、部分的な風量の増減などレイアウトの変更も容易な
天井空調システムを構築するためのダクト兼用天井パネ
ルの連結構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこでこの発明では、小
さな間隔をおいて平行に配置された断熱材製の上面ボー
ト及び下面ボードと、同じく断熱材製の両側面部とが一
体化されて偏平な中空角筒構造をなし、前記下面ボード
の外面が天井仕上げ材となっているダクト兼用天井パネ
ルを設けた。前記ダクト兼用天井パネルの中空部内に嵌
合する寸法の中空角筒構造で薄肉板材からなるソケット
を設け、このソケットを前記ダクト兼用天井パネルの一
端部に途中まではめ込んで接合し、他の同様な構成の前
記ダクト兼用天井パネルの一端部を前記ソケットの突出
部分にはめ込むことにより2つの前記ダクト兼用天井パ
ネルを突き合せて連結する構造とする。そして、前記ソ
ケットの中間部の下面にスリット状の開口を含んで下方
に突出した開口凸部を設け、この開口凸部が当該ソケッ
トで連結した2つの前記ダクト兼用天井パネルの前記下
面ボードの端部間に挟まれて下面側に露呈する構造とし
た。さらに、前記ソケットにおける本体部分から前記開
口凸部につながる内部流通空間部分に開閉式のダンパ機
構を設けた。
さな間隔をおいて平行に配置された断熱材製の上面ボー
ト及び下面ボードと、同じく断熱材製の両側面部とが一
体化されて偏平な中空角筒構造をなし、前記下面ボード
の外面が天井仕上げ材となっているダクト兼用天井パネ
ルを設けた。前記ダクト兼用天井パネルの中空部内に嵌
合する寸法の中空角筒構造で薄肉板材からなるソケット
を設け、このソケットを前記ダクト兼用天井パネルの一
端部に途中まではめ込んで接合し、他の同様な構成の前
記ダクト兼用天井パネルの一端部を前記ソケットの突出
部分にはめ込むことにより2つの前記ダクト兼用天井パ
ネルを突き合せて連結する構造とする。そして、前記ソ
ケットの中間部の下面にスリット状の開口を含んで下方
に突出した開口凸部を設け、この開口凸部が当該ソケッ
トで連結した2つの前記ダクト兼用天井パネルの前記下
面ボードの端部間に挟まれて下面側に露呈する構造とし
た。さらに、前記ソケットにおける本体部分から前記開
口凸部につながる内部流通空間部分に開閉式のダンパ機
構を設けた。
【0009】
【作用】前記ダクト兼用天井パネルを前記下面ボードが
他の天井パネルとほぼ面一になるようにスラブ下に配設
し、複数の前記ダクト兼用天井パネルを前記ソケットを
用いて連結し、各ダクト兼用天井パネルの中空部を適宜
に連通させて空調装置に結合し、その空調装置からの前
記中空部に送風した空調空気を前記ソケットの前記開口
凸部から室内に吹出す構成とする。
他の天井パネルとほぼ面一になるようにスラブ下に配設
し、複数の前記ダクト兼用天井パネルを前記ソケットを
用いて連結し、各ダクト兼用天井パネルの中空部を適宜
に連通させて空調装置に結合し、その空調装置からの前
記中空部に送風した空調空気を前記ソケットの前記開口
凸部から室内に吹出す構成とする。
【0010】つまりダクト兼用天井パネル自体が偏平な
空気流通路を形成しており、この通路が空調装置につな
がり、天井ふところ内に空調空気が無用に拡散すること
はない。またダクト兼用天井パネルは断熱材製であるの
で、空調空気の熱の損失は極めて少ない。また、各ダク
ト兼用天井パネルを連結する前記ソケットにスリット状
の吹出口が一体に設けられ、各パネルの継ぎ目部分に吹
出口が適宜に配設されることになる。しかも、ソケット
内部に前記ダンパ機構が内蔵されているので、前記吹出
口から吹き出す風量を簡単に調整することができる。
空気流通路を形成しており、この通路が空調装置につな
がり、天井ふところ内に空調空気が無用に拡散すること
はない。またダクト兼用天井パネルは断熱材製であるの
で、空調空気の熱の損失は極めて少ない。また、各ダク
ト兼用天井パネルを連結する前記ソケットにスリット状
の吹出口が一体に設けられ、各パネルの継ぎ目部分に吹
出口が適宜に配設されることになる。しかも、ソケット
内部に前記ダンパ機構が内蔵されているので、前記吹出
口から吹き出す風量を簡単に調整することができる。
【0011】2つのダクト兼用天井パネルを連通連結す
るには、両者の突き合せ部分の内周に前記ソケットをは
め込むだけでよく、連結後に取り外したり再連結するこ
とも簡単に自由に行うことができる。
るには、両者の突き合せ部分の内周に前記ソケットをは
め込むだけでよく、連結後に取り外したり再連結するこ
とも簡単に自由に行うことができる。
【0012】
【実施例】この発明の一実施例によるダクト兼用天井パ
ネルおよびその連結構造を用いて構成した天井空調シス
テムを図1〜図3に示している。各図において、1は天
井および床を構成するコンクリートスラブ、2は柱、3
はH型鋼からなる梁である。
ネルおよびその連結構造を用いて構成した天井空調シス
テムを図1〜図3に示している。各図において、1は天
井および床を構成するコンクリートスラブ、2は柱、3
はH型鋼からなる梁である。
【0013】コンクリートスラブ1の下面に多数の吊り
ボルト4を垂設し、この吊りボルト4と梁3とを利用し
て多数のCチャンネル5を水平に配設する。これらCチ
ャンネル5は中間の横架部材に相当するもので、スラブ
1とCチャンネル5の間隔は梁3の高さ寸法にほぼ等し
い。
ボルト4を垂設し、この吊りボルト4と梁3とを利用し
て多数のCチャンネル5を水平に配設する。これらCチ
ャンネル5は中間の横架部材に相当するもので、スラブ
1とCチャンネル5の間隔は梁3の高さ寸法にほぼ等し
い。
【0014】多数のCチャンネル5の下面に水平に掛け
渡すようにTバー6を溶接などによって固着する。Tバ
ー6は逆T字形の姿勢で配設し、その水平張出部6aが
下になっている。また図1および図3に示すように、多
数のTバー6は所定間隔をおいて平行に配設されてい
る。さらに各Tバー6の水平張出部6aはすべて同一水
平面内に位置する。
渡すようにTバー6を溶接などによって固着する。Tバ
ー6は逆T字形の姿勢で配設し、その水平張出部6aが
下になっている。また図1および図3に示すように、多
数のTバー6は所定間隔をおいて平行に配設されてい
る。さらに各Tバー6の水平張出部6aはすべて同一水
平面内に位置する。
【0015】前記のTバー6を支持部材として天井パネ
ル7およびダクト兼用天井パネル8を装着する。この実
施例では、平行なパターンで設置された各Tバー6の1
区画毎に通常の天井パネル7とダクト兼用パネル8とを
交互に設置している。天井パネル7は通常の天井仕上げ
パネル材であり、その幅はTバー6の設置間隔にほぼ等
しく、これをTバー6間に差し入れ、その両側部をTバ
ー6の水平張出部6a上に乗せるようにして設置してい
る。
ル7およびダクト兼用天井パネル8を装着する。この実
施例では、平行なパターンで設置された各Tバー6の1
区画毎に通常の天井パネル7とダクト兼用パネル8とを
交互に設置している。天井パネル7は通常の天井仕上げ
パネル材であり、その幅はTバー6の設置間隔にほぼ等
しく、これをTバー6間に差し入れ、その両側部をTバ
ー6の水平張出部6a上に乗せるようにして設置してい
る。
【0016】ダクト兼用天井パネル8も両側の2つのT
バー6の水平張出部6a上に乗せてこれに掛け渡すよう
にして設置されている。ダクト兼用天井パネル8は一般
の天井パネル7の厚みを増した偏平な中空筒形構造で、
Tバー6の水平張出部6aとCチャンネル5の間に収ま
る厚み(高さ)になっている。
バー6の水平張出部6a上に乗せてこれに掛け渡すよう
にして設置されている。ダクト兼用天井パネル8は一般
の天井パネル7の厚みを増した偏平な中空筒形構造で、
Tバー6の水平張出部6aとCチャンネル5の間に収ま
る厚み(高さ)になっている。
【0017】ダクト兼用天井パネル8の構造について詳
述する。このパネル8は、図2に示すように、断熱材製
の上面ボート81と下面ボード82が小さな間隔をおい
て平行に配置されて同じく断熱材製の両側面部83とと
もに一体化され、偏平な中空角筒構造をなし、前記下面
ボード82の外面が天井仕上げ材となっているものであ
る。
述する。このパネル8は、図2に示すように、断熱材製
の上面ボート81と下面ボード82が小さな間隔をおい
て平行に配置されて同じく断熱材製の両側面部83とと
もに一体化され、偏平な中空角筒構造をなし、前記下面
ボード82の外面が天井仕上げ材となっているものであ
る。
【0018】ここで断熱材ボードとしてはグラスウール
を主体にしたものが好適である。具体的には、高密度グ
ラスウールの表面(ダクト外面側)にガラス繊維強化ア
ルミクラフト紙を貼り合わせるとともに、その裏面(ダ
クト内面側)には黒色樹脂をコーティングして繊維の飛
散を防ぐようにしたボードを用いる。しかも、上面ボー
ド81と下面ボード82と両側面ボード83とを連続し
た一枚のボードで構成する。つまり、一枚のボードを折
り曲げることで偏平な中空筒を構成するとともに、その
ボードの両縁部を接合することでダクト兼用天井パネル
8を製作することができる。そして、少なくとも下面ボ
ード82に相当する面の外側に天井仕上げ材となる表面
材を貼り合わせる。
を主体にしたものが好適である。具体的には、高密度グ
ラスウールの表面(ダクト外面側)にガラス繊維強化ア
ルミクラフト紙を貼り合わせるとともに、その裏面(ダ
クト内面側)には黒色樹脂をコーティングして繊維の飛
散を防ぐようにしたボードを用いる。しかも、上面ボー
ド81と下面ボード82と両側面ボード83とを連続し
た一枚のボードで構成する。つまり、一枚のボードを折
り曲げることで偏平な中空筒を構成するとともに、その
ボードの両縁部を接合することでダクト兼用天井パネル
8を製作することができる。そして、少なくとも下面ボ
ード82に相当する面の外側に天井仕上げ材となる表面
材を貼り合わせる。
【0019】天井パネル7、ダクト兼用天井パネル8は
Tバー6の長手方向に適当な長さに分割されており、T
バー6の水平張出部6a上にセットした状態で相互に連
結していく。ダクト兼用天井パネル8の中空部は以下の
ように連通・連結され、これらダクト兼用天井パネル8
で構成される空気流通路を空調システムの給気用ダクト
として利用する。つまり図2に示すように、室外に設置
された空調装置9ののファン吹出口と相互に連結したダ
クト兼用天井パネル8の空気流通路とを適宜な連結機構
10によって結合し、空調装置9から圧送される空調空
気をダクト兼用天井パネル8の内部に送り込む構成とす
る。
Tバー6の長手方向に適当な長さに分割されており、T
バー6の水平張出部6a上にセットした状態で相互に連
結していく。ダクト兼用天井パネル8の中空部は以下の
ように連通・連結され、これらダクト兼用天井パネル8
で構成される空気流通路を空調システムの給気用ダクト
として利用する。つまり図2に示すように、室外に設置
された空調装置9ののファン吹出口と相互に連結したダ
クト兼用天井パネル8の空気流通路とを適宜な連結機構
10によって結合し、空調装置9から圧送される空調空
気をダクト兼用天井パネル8の内部に送り込む構成とす
る。
【0020】次に、この発明の要部であるダクト兼用天
井パネル8の連結構造について、図4、図5、図6に基
づいて詳細に説明する。
井パネル8の連結構造について、図4、図5、図6に基
づいて詳細に説明する。
【0021】この発明ではダクト兼用天井パネル8同士
を連結するのに別途に製作したソケット11を用いる。
ソケット11の実施例を図6に示し、このソケット11
により2つのダクト兼用天井パネル8を連結した状態を
図4に示している。この実施例のソケット11は鉄板製
で、ダクト兼用天井パネル8の偏平な四角筒内にぴった
り嵌合する寸法の中空筒を主体とし、その下面の中央部
に下方に突出した開口凸部12を一体に設けたものであ
る。
を連結するのに別途に製作したソケット11を用いる。
ソケット11の実施例を図6に示し、このソケット11
により2つのダクト兼用天井パネル8を連結した状態を
図4に示している。この実施例のソケット11は鉄板製
で、ダクト兼用天井パネル8の偏平な四角筒内にぴった
り嵌合する寸法の中空筒を主体とし、その下面の中央部
に下方に突出した開口凸部12を一体に設けたものであ
る。
【0022】ダクト兼用天井パネル8の一端部にソケッ
ト11を約半分まではめ込み(パネル8の下面端部が開
口凸部12に当接するまではめ込む)、接着剤などによ
りパネル8の内面に接合する。このソケット11の取り
付けは事前に行っておく。つまり一端部にソケット11
を予め取り付けたダクト兼用天井パネル8を施工現場に
配設しながら連結することになる。図4に示すように、
あるダクト兼用天井パネル8のソケット11の付いた側
の端部と、もう1つのダクト兼用天井パネル8の端部
(このパネルの下面ボード82の端部を開口凸部12の
厚さ分だけ切り欠いておく)とを突き合せ、ソケット1
1の突出部分を他方のダクト兼用天井パネル8内にはめ
込む。これで1つのソケット11が2つのダクト兼用天
井パネル8の突き合せた端部の両方にわたってはまり込
み、ソケット11を介して2つのダクト兼用天井パネル
8が連通連結される。
ト11を約半分まではめ込み(パネル8の下面端部が開
口凸部12に当接するまではめ込む)、接着剤などによ
りパネル8の内面に接合する。このソケット11の取り
付けは事前に行っておく。つまり一端部にソケット11
を予め取り付けたダクト兼用天井パネル8を施工現場に
配設しながら連結することになる。図4に示すように、
あるダクト兼用天井パネル8のソケット11の付いた側
の端部と、もう1つのダクト兼用天井パネル8の端部
(このパネルの下面ボード82の端部を開口凸部12の
厚さ分だけ切り欠いておく)とを突き合せ、ソケット1
1の突出部分を他方のダクト兼用天井パネル8内にはめ
込む。これで1つのソケット11が2つのダクト兼用天
井パネル8の突き合せた端部の両方にわたってはまり込
み、ソケット11を介して2つのダクト兼用天井パネル
8が連通連結される。
【0023】しかも、ソケット11で連結された2つの
ダクト兼用天井パネル8の下面ボード82間にソケット
11の開口凸部12が挟み込まれ、開口凸部12の下端
面がパネル8の下面に露呈する。開口凸部12はソケッ
ト本体の角筒部分に連通したスリット状の開口通路を内
包しており、その開口通路が下面の吹出口12aとなっ
ている。前述のように空調装置9から圧送される空調空
気をダクト兼用天井パネル8の内部に送り込むと、各パ
ネル8の繋ぎ目のソケット開口凸部12を通って吹出口
12aから室内に向けて空調空気が吹き出す。
ダクト兼用天井パネル8の下面ボード82間にソケット
11の開口凸部12が挟み込まれ、開口凸部12の下端
面がパネル8の下面に露呈する。開口凸部12はソケッ
ト本体の角筒部分に連通したスリット状の開口通路を内
包しており、その開口通路が下面の吹出口12aとなっ
ている。前述のように空調装置9から圧送される空調空
気をダクト兼用天井パネル8の内部に送り込むと、各パ
ネル8の繋ぎ目のソケット開口凸部12を通って吹出口
12aから室内に向けて空調空気が吹き出す。
【0024】さらにこの発明においては、ソケット11
における本体部分から前記開口凸部12につながる内部
流通空間部分に開閉式のダンパ機構13を設けている。
この実施例のダンパ機構13は、ソケット11の本体筒
部に対する開口凸部12の連結部分の内部に、湾曲した
ダンパ板13aをヒンジ13bを中心にして回動自在に
取り付けるとともに、ダンパ板13aを回動させる操作
ネジ13cを開口凸部12の内部に設け、その下端の操
作部を吹出口12aの部分に配設している。操作ネジ1
3cの上端部はダンパ板13aの長穴13dにスライド
自在に装着されているスライドナット部13eに係合し
ている。
における本体部分から前記開口凸部12につながる内部
流通空間部分に開閉式のダンパ機構13を設けている。
この実施例のダンパ機構13は、ソケット11の本体筒
部に対する開口凸部12の連結部分の内部に、湾曲した
ダンパ板13aをヒンジ13bを中心にして回動自在に
取り付けるとともに、ダンパ板13aを回動させる操作
ネジ13cを開口凸部12の内部に設け、その下端の操
作部を吹出口12aの部分に配設している。操作ネジ1
3cの上端部はダンパ板13aの長穴13dにスライド
自在に装着されているスライドナット部13eに係合し
ている。
【0025】図4の状態はダンパ機構13を開いた状態
である。この状態ではダンパ板13aはソケット11の
本体筒部内へ立上り、空調装置9から送風を整流して開
口凸部12側に導き、吹出口12aから多くの空気を吹
き出す。操作ネジ13cを回転するとスライドナット部
13eが長穴13dに沿って移動しながらダンパ板13
aを回動させる。そして図5のようにダンパ板13aで
開口凸部12の上端部を完全に塞いだ状態にすることが
できる。これがダンパ機構13の閉状態である。もちろ
ん、図4の完全開状態と図5の完全閉状態との中間の任
意の位置にダンパ板13aをセットすることができ、こ
れにより吹出口12aからの吹出風量を任意に調整する
ことができる。
である。この状態ではダンパ板13aはソケット11の
本体筒部内へ立上り、空調装置9から送風を整流して開
口凸部12側に導き、吹出口12aから多くの空気を吹
き出す。操作ネジ13cを回転するとスライドナット部
13eが長穴13dに沿って移動しながらダンパ板13
aを回動させる。そして図5のようにダンパ板13aで
開口凸部12の上端部を完全に塞いだ状態にすることが
できる。これがダンパ機構13の閉状態である。もちろ
ん、図4の完全開状態と図5の完全閉状態との中間の任
意の位置にダンパ板13aをセットすることができ、こ
れにより吹出口12aからの吹出風量を任意に調整する
ことができる。
【0026】なお、開口凸部12はソケット11の幅方
向に相当長いので、ダンパ板13aを長手方向に複数に
分割して設け、それぞれを別個に開閉調整することがで
きるように構成しても良い。また、開口凸部12を空調
装置への戻り空気の吸込口とし、ダクト兼用天井パネル
8を戻り空気のダクトとして利用することももちろんで
きる。
向に相当長いので、ダンパ板13aを長手方向に複数に
分割して設け、それぞれを別個に開閉調整することがで
きるように構成しても良い。また、開口凸部12を空調
装置への戻り空気の吸込口とし、ダクト兼用天井パネル
8を戻り空気のダクトとして利用することももちろんで
きる。
【0027】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、この発明で
は、下面が仕上げ材を兼ねた偏平な中空筒形構造なす断
熱材製のダクト兼用天井パネルを設けるとともに、この
ダクト兼用天井パネルの中空部内にぴったり嵌合する寸
法の中空筒形構造で薄肉板材からなるソケットを設け、
一般の天井パネル面とダクト兼用天井パネルの前記下面
ボードとが面一になるような配設状態とし、これらダク
ト兼用天井パネルの突き合せ端部の両方にわたって前記
ソケットをはめ込むことでダクト兼用天井パネルの中空
部を相互に連結して空調装置の給気ダクトを構成するよ
うにした。そしてソケットの下面中央部に設けた開口凸
部が空調装置の吹出口として機能するようにするととも
に、その開口凸部につながる流通経路に開閉式のダンパ
機構を設けて吹出風量を任意に調整することができるよ
うに構成した。
は、下面が仕上げ材を兼ねた偏平な中空筒形構造なす断
熱材製のダクト兼用天井パネルを設けるとともに、この
ダクト兼用天井パネルの中空部内にぴったり嵌合する寸
法の中空筒形構造で薄肉板材からなるソケットを設け、
一般の天井パネル面とダクト兼用天井パネルの前記下面
ボードとが面一になるような配設状態とし、これらダク
ト兼用天井パネルの突き合せ端部の両方にわたって前記
ソケットをはめ込むことでダクト兼用天井パネルの中空
部を相互に連結して空調装置の給気ダクトを構成するよ
うにした。そしてソケットの下面中央部に設けた開口凸
部が空調装置の吹出口として機能するようにするととも
に、その開口凸部につながる流通経路に開閉式のダンパ
機構を設けて吹出風量を任意に調整することができるよ
うに構成した。
【0028】したがって、天井仕上げ面は梁下面より偏
平なダクト兼用天井パネルの厚み寸法分だけ低くなる程
度であり、従来の独立ダクト方式の天井構造に比べて同
一階高であれば天井高を高くでき、同一天井高であれば
階高を低くすることができる。また、天井仕上げ材と空
調ダクトとが一体的に融合した構造となり、独立ダクト
方式に比べて構造および工事がはるかに簡単になり、天
井チャンバ給気方式に近いシンプルな構造となる。特
に、ダクト兼用天井パネル相互の連結および分離がきわ
めて簡単に行えるので、ダクト兼用天井パネルの配置を
自由に設定し変更することができ、給気ダクトと吹出口
の室内における配設パターンの変更作業も保守点検の作
業もきわめて簡単である。
平なダクト兼用天井パネルの厚み寸法分だけ低くなる程
度であり、従来の独立ダクト方式の天井構造に比べて同
一階高であれば天井高を高くでき、同一天井高であれば
階高を低くすることができる。また、天井仕上げ材と空
調ダクトとが一体的に融合した構造となり、独立ダクト
方式に比べて構造および工事がはるかに簡単になり、天
井チャンバ給気方式に近いシンプルな構造となる。特
に、ダクト兼用天井パネル相互の連結および分離がきわ
めて簡単に行えるので、ダクト兼用天井パネルの配置を
自由に設定し変更することができ、給気ダクトと吹出口
の室内における配設パターンの変更作業も保守点検の作
業もきわめて簡単である。
【0029】また従来の天井チャンバ給気方式の構造に
比べ、建造物の意図しない隙間部分から空調空気が室外
に漏れたり、コンクリートスラブに空調空気の多大な熱
が吸収されることがなく、空調システムとしての熱損失
が極めて小さくなる。また天井チャンバの容量が大きす
ぎるという問題もなくなり、空調装置の運転開始時から
室内に有効な空調空気が行きわたるまでの立上がり時間
が短縮される。
比べ、建造物の意図しない隙間部分から空調空気が室外
に漏れたり、コンクリートスラブに空調空気の多大な熱
が吸収されることがなく、空調システムとしての熱損失
が極めて小さくなる。また天井チャンバの容量が大きす
ぎるという問題もなくなり、空調装置の運転開始時から
室内に有効な空調空気が行きわたるまでの立上がり時間
が短縮される。
【図1】この発明の一実施例によるダクト兼用天井パネ
ルを用いて構成した天井空調システムを採用した建物の
天井ふところ部の詳細な構造を示す斜視図である。
ルを用いて構成した天井空調システムを採用した建物の
天井ふところ部の詳細な構造を示す斜視図である。
【図2】同上実施例におけるダクト兼用天井パネルの詳
細な構造を示す斜視図である。
細な構造を示す斜視図である。
【図3】同上実施例における空調装置との連結状態を示
す断面図である。
す断面図である。
【図4】同上実施例におけるダクト兼用天井パネルの連
結部分の詳細を示す断面図である。
結部分の詳細を示す断面図である。
【図5】同上実施例における連結部分のダンパ機構の詳
細を示す断面図である。
細を示す断面図である。
【図6】同上実施例におけるソケットの詳細な構造を示
す斜視図である。
す斜視図である。
1 コンクリートスラブ 2 柱 3 梁 4 吊ボルト 5 Cチャンネル 6 Tバー 6a 水平張出部 7 天井パネル 8 ダクト兼用天井パネル 81 上面ボード 82 下面ボード 83 側面部 9 空調装置 11 ソケット 12 開口凸部 12a 吹出口 13 ダンパ機構 13a ダンパ板 13c 操作ネジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04B 9/00 E04F 17/04 F24F 13/00 - 13/078
Claims (1)
- 【請求項1】 小さな間隔をおいて平行に配置された断
熱材製の上面ボート及び下面ボードと、同じく断熱材製
の両側面部とが一体化されて偏平な中空角筒構造をな
し、前記下面ボードの外面が天井仕上げ材となっている
ダクト兼用天井パネルを設けるとともに、 前記ダクト兼用天井パネルの中空部内に嵌合する寸法の
中空角筒構造で薄肉板材からなるソケットを設け、この
ソケットを前記ダクト兼用天井パネルの一端部に途中ま
ではめ込んで接合し、他の同様な構成の前記ダクト兼用
天井パネルの一端部を前記ソケットの突出部分にはめ込
むことにより2つの前記ダクト兼用天井パネルを突き合
せて連結する構造とし、 前記ソケットの中間部の下面にスリット状の開口を含ん
で下方に突出した開口凸部を設け、この開口凸部が当該
ソケットで連結した2つの前記ダクト兼用天井パネルの
前記下面ボードの端部間に挟まれて下面側に露呈する構
造とし、 かつ前記ソケットにおける本体部分から前記開口凸部に
つながる内部流通空間部分に開閉式のダンパ機構を設け
たことを特徴とするダクト兼用天井パネルの連結構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14101593A JP3289402B2 (ja) | 1993-06-11 | 1993-06-11 | ダクト兼用天井パネルの連結構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14101593A JP3289402B2 (ja) | 1993-06-11 | 1993-06-11 | ダクト兼用天井パネルの連結構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06346544A JPH06346544A (ja) | 1994-12-20 |
JP3289402B2 true JP3289402B2 (ja) | 2002-06-04 |
Family
ID=15282215
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14101593A Expired - Fee Related JP3289402B2 (ja) | 1993-06-11 | 1993-06-11 | ダクト兼用天井パネルの連結構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3289402B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2541159A1 (en) * | 2011-06-27 | 2013-01-02 | Nederlandse Organisatie voor toegepast -natuurwetenschappelijk onderzoek TNO | Ventilation system for a building structure and method of installing a valve assembly in such a ventilation system. |
-
1993
- 1993-06-11 JP JP14101593A patent/JP3289402B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06346544A (ja) | 1994-12-20 |
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---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |