JP3288988B2 - 汚れ取り剤 - Google Patents
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Description
し、こすり合わせることにより、水を用いずに人体、物
体上の汚れを除去するための汚れ取り剤に関するもので
ある。
わせることにより、手のひらに付着した汚れを除去する
汚れ取り剤としては、ポリビニルアルコールを水とアル
コールとの混合溶剤に溶解したものが知られている。し
かしながら、このものは、こすり合わせながら低濃度の
溶液から溶剤を蒸発させてポリビニルアルコールを濃縮
固形化し、この濃縮物に汚れを吸着させ除去する性質の
ものであるため、汚れを完全に除去するまでに、かなり
時間を要する上に、親水性材料を用いているため油状物
質の汚れは除去しにくいという欠点がある。
人体の一部に塗布し、これをこすり合わせることによ
り、迅速かつ確実に汚れを除去し、水を使わずに通常の
洗浄と同じ清浄効果を与えることができる汚れ取り剤を
提供することを目的としてなされたものである。
れ取り剤がもつ欠点を改良した新規な組成の汚れ取り剤
を開発するために、鋭意研究を重ねた結果、汚れ吸着用
成分として低温で親水性、高温で疎水性を示す親水性−
疎水性熱可逆型高分子物質を用いれば、体温による温度
上昇で容易に固化して汚れを吸着除去することができ、
しかもこの際疎水性に変化するため、油性汚れも簡単に
除かれることを見出し、この知見に基づいて本発明を完
成するに至った。
び転移温度以下では親水性を、転移温度よりも高い温度
では疎水性を示す親水性−疎水性熱可逆型高分子物質を
含み、かつ周囲温度と人体温度との間の転移温度を有す
る水溶液からなる汚れ取り剤を提供するものである。
し、除去する成分として、転移温度以下では親水性を、
転移温度よりも高い温度では疎水性を示す親水性−疎水
性熱可逆型高分子物質(以下、単に親水性−疎水性熱可
逆型高分子物質という)の中で周囲温度と人体温度との
間の転移温度をもつ水溶液を与えるものを用いることが
必要である。このような親水性−疎水性熱可逆型高分子
物質は、例えば一般式
基又はオキシアルキレン基、R2及びR3の少なくとも一
方はアルキル基、シクロアルキル基又はアルコキシアル
キル基で残りは水素原子であり、R2とR3とは直接に又
は酸素原子を介して連結し、R2とR3とが結合している
窒素原子とともに複素環を形成していてもよく、nは0
又は1である) で表わされる不飽和アミドを単独で又は2種以上を組み
合わせて重合又は共重合させることによって得られる。
ドにおいて、R2及びR3のうちのアルキル基としては、
炭素数1〜10の直鎖状、分枝状、環状のアルキル基が
好ましく挙げられる。このようなものとしては、例えば
メチル基、エチル基、n‐プロピル基、イソプロピル
基、n‐ブチル基、イソブチル基、sec‐ブチル基、
tert‐ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチ
ル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペン
チル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。また、R
2及びR3のうちのアルコキシアルキル基としては、炭素
数2〜10の直鎖状、分枝状、環状のアルコキシアルキ
ルが好ましい。このようなものとしては、例えばメトキ
シメチル基、メトキシエチル基、メトキシプロピル基、
エトキシメチル基、エトキシエチル基、エトキシプロピ
ル基、イソプロポキシメチル基、イソプロポキシエチル
基、イソプロポキシプロピル基、シクロプロポキシメチ
ル基、2,2‐ジメトキシエチル基、1‐メチル‐2‐
メトキシエチル基、1‐メトキシメチルプロピル基、メ
トキシエトキシプロピル基などが挙げられる。このR 2
及びR3はたがいに同一であってもよいし、異なってい
てもよく、また、たがいに結合して窒素原子をヘテロ原
子とする複素環を形成していてもよい。
わされる不飽和アミドの例としては、N‐エチルアクリ
ルアミド、N‐n‐プロピルアクリルアミド、N‐イソ
プロピルアクリルアミド、N‐シクロプロピルアクリル
アミド、N,N‐ジエチルアクリルアミド、N‐メチル
‐N‐エチルアクリルアミド、N‐メチル‐N‐n‐プ
ロピルアクリルアミド、N‐メチル‐N‐イソプロピル
アクリルアミド、N‐アクリロイルピペリジン、N‐ア
クリロイルピロリジン、N‐アクリロイルモルホリン、
N‐メトキシプロピルアクリルアミド、N‐エトキシプ
ロピルアクリルアミド、N‐イソプロポキシプロピルア
クリルアミド、N‐エトキシエチルアクリルアミド、N
‐(2,2‐ジメトキシエチル)‐N‐メチルアクリル
アミド、N‐1‐メチル‐2‐メトキシエチルアクリル
アミド、N‐1‐メトキシメチルプロピルアクリルアミ
ド、N‐ジ(2‐メトキシエチル)アクリルアミド、N
‐2‐メトキシエチル‐N‐n‐プロピルアクリルアミ
ド、N‐2‐メトキシエチル‐N‐エチルアクリルアミ
ド、N‐2‐メトキシエチル‐N‐イソプロピルアクリ
ルアミド、N‐メトキシエトキシプロピルアクリルアミ
ド、N‐テトラヒドロフルフリルアクリルアミド、N‐
(1,3‐ジオキソラン‐2‐イル)メチルアクリルア
ミド、N‐メチル‐N‐(1,3‐ジオキソラン‐2‐
イル)メチルアクリルアミド、N‐シクロプロピルアク
リルアミド、N‐ピロリジノメチルアクリルアミド、N
‐ピペリジノメチルアクリルアミド、N‐2‐モルホリ
ノエチルアクリレート、N‐2‐モルホリノエトキシエ
チルアクリレート及び対応するメタクリレートを挙げる
ことができる。このほか、8‐アクリロイル‐1,4‐
ジオキサ‐8‐アザスピロ[4,5]デカンのようなス
ピロ型化合物も用いることができる。本発明で用いる親
水性−疎水性熱可逆型高分子物質は、また前記一般式
(I)で表わされる不飽和アミドと他の単量体とを共重
合させても得ることができる。
と組み合わせて用いることができる単量体としては、ア
クリル酸、メタクリル酸のような不飽和カルボン酸、メ
チルアクリレート、エチルアクリレート、n‐ブチルア
クリレート、tert‐ブチルアクリレート、2‐エチ
ルヘキシルアクリレート、2‐アセトアセトキシエチル
アクリレート、2‐アセトアセトキシプロピルアクリレ
ート、3‐アセトアセトキシプロピルアクリレート、4
‐シアノアセトアセトキシエチルアクリレート、2‐ヒ
ドロキシエチルアクリレート、3‐ヒドロキシプロピル
アクリレートのようなアクリル酸エステル類及び対応す
るメタクリル酸エステル類、アクリルアミド、N‐メチ
ロールアクリルアミド、N‐ヒドロキシプロピルアクリ
ルアミドのようなアクリルアミド類及び対応するメタク
リルアミド類、N‐アクリロイルベンズヒドラジド類、
N‐メタクリロイルベンズヒドラジドのような不飽和ヒ
ドラジド、アクリロニトリル、メタクリロニトリルのよ
うな不飽和ニトリル類、酢酸ビニル、塩化ビニル、スチ
レン、α‐メチルスチレン、N‐ビニルイミダゾール、
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルのような
ビニル化合物類を挙げることができる。これらの単量体
はそれぞれ単独で用いてもよいし、また2種以上を組み
合わせて用いてもよい。上記のN‐アクリロイルベンズ
ヒドラジド、N‐メタクリロイルベンズヒドラジドやN
‐ビニルイミダゾールを共重合させたものは銅キレート
化合物を形成するという特徴がある。これらの単量体を
用いる場合は、前記一般式(I)で表わされる不飽和ア
ミド100重量部当り、70重量部を超えない割合で用
いるのが好ましい。これよりも多くなると、可逆的な親
水性−疎水性の転移が行われなくなる。
れる不飽和アミド又はこれと他の単量体との重合体又は
共重合体における分子鎖の構成単位の一部を、親水性基
及び疎水性基をもつ界面活性型単量体単位で置換する
と、転移温度以上において著しい粘度上昇を示す親水性
−疎水性熱可逆型高分子物質になるが、このようなもの
も本発明における汚れ吸着成分として好適である。
性型単量体単位を形成する単量体としては、アニオン性
界面活性型単量体と、カチオン性界面活性型単量体があ
るが、本発明の汚れ吸着成分においては、そのいずれも
用いることができる。この中のアニオン性界面活性型単
量体は、分子内にラジカル重合性エチレン結合と、疎水
性基とアニオン性親水性基とを同時に有する化合物であ
り、このような要件を備えているものである限り、特に
制限はない。
Mはアルカリ金属又はアンモニウム基、nは2〜30の
整数である)で表わされるグリセロール‐1‐アリル‐
3‐アルキルフェニル‐2‐ポリオキシエチレン硫酸
塩、一般式
ルスルホコハク酸アルケニルエステル塩、一般式
は前記と同じ)で表わされるポリオキシエチレン(メ
タ)アクリレート硫酸エステル塩、一般式
ルスルホコハク酸アルケニルエーテル塩などを挙げるこ
とができる。
品としても入手することができる。すなわち、ポリオキ
シエチレンアルキルアルケニルフェニルエーテル硫酸エ
ステル塩型化合物は、例えば「アクアロンHS−0
5」、「アクアロンHS−10」、「アクアロンHS−
20」、「アクアロンHS−1025」[以上、第一工
業製薬(株)製]として、グリセロール(1)‐アリル
‐3‐アルキルフェニル(2)‐ポリオキシエチレン硫
酸エステル塩型化合物は、例えば「アデカリアソープS
E−10N」、「アデカリアソープSE−20N」、
「アデカリアソープSE−30N」[以上、旭電化
(株)製]、アルキルスルホコハク酸アルケニルエーテ
ル塩型化合物は、例えば「ラテムルS−120」、「ラ
テムルS−120A」、「ラテムルS−180」、「ラ
テムルS−180A」[以上花王(株)製]として、ア
ルキルスルホコハク酸アルケニルエステル塩型反応性界
面活性剤は、例えば「エレミノールJS−2」[(株)
三洋化成製]として、メチレンビスポリオキシエチレン
アルキルフェニルアルケニルエーテル硫酸エステル塩型
化合物は、例えば「アントックスMS−60」[日本乳
化剤(株)製]として、アルキルアルケニルコハク酸エ
ステル塩型化合物は、例えば「ラテムルASK」[花王
(株)製]として、ポリオキシエチレンアクリレート硫
酸エステル塩型化合物は、例えば「エレミノールRS−
30」[(株)三洋化成製]として、アクリル酸スルホ
アルキルエステル塩型化合物は、例えば「アントックス
MS−2N」[日本乳化剤(株)製]として、フタル酸
ジヒドロキシアルキルアクリレート硫酸エステル塩型化
合物、モノ若しくはジ(グリセロール‐1‐アルキルフ
ェニル‐3‐アリル‐2‐ポリオキシアルキレンエーテ
ル)リン酸エステル塩型化合物は、例えば「H−333
0PL」[第一工業製薬(株)製]としてそれぞれ入手
可能である。
記のアニオン性界面活性型単量体におけるアニオン性親
水性基の代りにカチオン性親水性基を有するものであっ
て、例えば、一般式
ン、R″、A′及びnは前記と同じ)で表わされるカチ
オン系(メタ)アクリル酸エステル類、一般式
と同じ)で表わされるカチオン系(メタ)アクリル酸ア
ミド類、一般式
A′及びnは前記と同じ)で表わされるカチオン系スチ
レン誘導体類、一般式
わされるω‐アルケニルトリアルキルアンモニウム四級
塩などがある。このような化合物の中で、特に好ましい
のは、ω‐ノナデセニルトリメチルアンモニウムクロリ
ド又はブロミド、ω‐ヘキサデセニルトリメチルアンモ
ニウムクロリド又はブロミド、ω‐テトラデセニルトリ
メチルアンモニウムクロリド又はブロミドなど疎水性基
として末端にエチレン結合を有する炭素数12以上の長
鎖をもつものである。これらの界面活性型単量体は単独
で用いてもよいし、また2種以上組み合わせて用いても
よい。
中における親水性基及び疎水性基をもつ界面活性型単量
体単位は、全単量体単位に基づき0.001〜10モル
%、好ましくは0.01〜8モル%の割合にするのがよ
い。これよりも前記界面活性型単量体単位が少ないと高
分子量にすることが困難であるし、これよりも多くなる
と、本来の性質である感熱性がそこなわれる。
る親水性−疎水性熱可逆型高分子物質は、単独で用いて
もよいし、また2種以上を混合して用いてもよい。これ
らは水溶液としたとき転移温度以下では水溶性であり、
それよりも高い温度では水不溶性になり、固形化する性
質を示す。このような性質を低濃度で示すためには、重
量平均分子量を1,000,000以上のものが好まし
いが、高濃度で使用する場合には、重量平均分子量が
1,000,000未満のもの、例えば10,000程
度のものも使用することができる。しかしながら、あま
り分子量が高くなりすぎると、転移温度以下においても
高粘度になり、取り扱いにくくなるので、重量平均分子
量の上限としては10,000,000程度が望まし
い。この範囲を30℃における極限粘度[η]で示す
と、好適範囲は0.01〜6.0になる。本発明におい
て特に好適なのは、アニオン型又はカチオン型界面活性
剤の存在下で所定の単量体を重合又は共重合させたも
の、あるいはアニオン性又はカチオン性界面活性型単量
体を含む共重合体である。これらは高分子量なので低濃
度水溶液として用いることができる上に、界面活性作用
が付加されているため効率的に汚れを除去することがで
きる。
しては、エチルアルコールが好ましいが、そのほかメチ
ルアルコールやメチルアルコールとエチルアルコールと
の混合物、或いはこれにさらにプロピルアルコール、イ
ソプロピルアルコール、エチレングリコール、グリセリ
ンなどを配合したものなどを用いることができる。
溶性アルコールと水からなる混合溶媒に、所要量の親水
性−疎水性熱可逆型高分子物質を溶解することにより調
製されるが、この際の水溶性アルコールと水との混合比
は、通常1:10ないし1:1の範囲で選ばれる。
ルコールと水からなる混合溶媒中に、親水性−疎水性熱
可逆型高分子物質を、0.5〜10重量%、好ましくは
1〜5重量%の濃度になるように溶解して用いる。これ
よりも濃度が低いと、こすり合わせて小塊を生じるまで
に時間がかかるし、またこれよりも濃度が高いと、粘性
が大きくて使用しにくい。
疎水性熱可逆型高分子物質と水溶性アルコールに加えて
殺菌性成分を含有させるのが好ましい。このような殺菌
性成分としては、過酸化水素、次亜塩素酸及びそのアル
カリ金属又はアルカリ土類金属塩、フェノール、クレゾ
ール、ヨウ素、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニ
ウム、クロルヘキシジン、p‐トルエンスルホンクロラ
ミン塩、2‐(2‐フリル)‐3‐(5‐ニトロ‐2‐
フリル)アクリル酸アミド、各種サルファ剤、ペニシリ
ンやテトラサイクリンのような抗生物質などがある。こ
れらの殺菌成分は、本発明の汚れ取り剤の利用目的に応
じ、その全重量に基づき0.05〜5重量%の範囲内で
添加される。なお、水溶性アルコールとして用いられる
エチルアルコールやイソプロピルアルコールは、殺菌性
成分として兼用することができる。また、親水性−疎水
性熱可逆型高分子物質として、それ自体が抗菌性を有す
るもの、例えば単量体単位としてカチオン性界面活性型
単量体を含む共重合体や銅をキレートした共重合体ある
いはこれらと他の重合体又は共重合体との混合物を用い
た場合には殺菌成分の配合を省くことができる。
用いられる親水性−疎水性熱可逆型高分子物質は、ラジ
カル重合により製造されるが、この際ラジカル重合開始
剤として過酸化水素のような過酸化物を過剰に使用した
り、或いは乳化剤としてカチオン性界面活性剤を用い、
これらを重合生成物中に含有させたまま使用すれば、殺
菌性成分を添加した場合と同じ効果を奏することになる
し、親水性基及び疎水性基をもつ界面活性型単量体単位
としてカチオン性界面活性型単量体単位を含む親水性−
疎水性熱可逆型高分子物質を用いれば、殺菌性成分の添
加を省略することができる。
じ、ポリ酢酸ビニル加水分解物、ポリビニルピロリド
ン、ポリ(アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル)の
ような水溶性樹脂や、着色剤、香料、保存剤などを添加
することもできる。
態においては溶液状であるが、人体に施されると転移温
度以上に昇温し、固形化して汚れを吸着除去する機能を
有しなければならないので、その転移温度は周囲温度と
人体温度との間に調整されていることが必要である。こ
の場合の周囲温度とは、室内、室外の環境や気温などに
左右されるが、通常は20℃以下10℃付近であるが、
山頂や寒冷地では0℃又はそれ以下になる。また、人体
温度は健常人の場合36〜37℃の範囲であるが、年
令、体調により若干上下する。したがって、本発明の汚
れ取り剤は、多くの場合0℃から36℃の範囲内、好ま
しくは10℃から30℃の範囲内の転移温度を有するよ
うに調整される。
液の転移温度は、その組成、添加成分の種類や添加量に
より変化し、一般に添加成分の量が多くなるほど低くな
る傾向がある。そして、特に水溶性アルコールの含有量
を増加すると、その転移温度は顕著に低下するので、こ
の水溶性アルコールの量を増減して、転移温度を調整す
るのが有利である。
山岳地帯、砂漠地帯、被災地など水が入手できない地域
や、機械工場のように油汚れを生じやすい場合で汚れを
落とす必要性を生じたとき、これを少量手のひらに滴下
し、人体の汚れている個所にこすりつけ摩擦する。摩擦
を数回続けると、成分中のアルコールが揮発して汚れ吸
着成分が濃縮されると同時に、体温により、汚れ取り剤
の温度が転移温度以上になり、高分子物質は、疎水性に
転移し、固形化して、汚れを吸着した小さな塊を形成す
る。したがって、この小塊を払い落とすことによって、
人体に付着した汚れを除去することができ、少ない使用
量によって水を用いずに多量の水で洗浄した場合と同様
の清浄化を行うことができる。
から疎水性(すなわち親油性)に転移する性質を利用し
ているため、油性汚れを容易に除去しうるという利点が
ある。また、液体から固体に変化する際に多量の熱を発
生するため、山や寒冷地において使用すると手足の凍傷
を防止しうるという利点もある。
明する。
定した。 清拭性;普通土壌10gに機械油1g及び水10gを加
え、混練することにより調製した汚れ形成剤を、一方の
手のひらに、直径20mmの円形状に塗布し、1時間放
置して乾燥させて、人工汚れを形成させた。次いで、所
定の汚れ取り剤0.5gを、この人工汚れの上に滴下
し、両手を20回こすり合わせたのち、人工汚れの除去
状態を目視により観察し、以下の基準により評価した。 極めて良好:人工汚れが完全に除去 良好 :人工汚れは除去されたがわずかに残滓が認められる 不良 :土壌は除去されたが、油の残存が認められる 極めて不良:人工汚れがほとんど除去されない
ットルの三角フラスコ中に、蒸留水200mlと、種々
の割合のN‐イソプロピルアクリルアミド(NIPAA
m)とt‐ブチルアクリルアミド(tBuAAm)との
混合物27g及びグリセロール‐1‐アリル‐3‐アル
キルフェニル‐2‐ポリオキシエチレン硫酸エステル塩
型反応性界面活性剤[旭電化(株)製、商品名「アデカ
リアソープSE−10N」]0.7gを仕込み、窒素ガ
スを30分間激しく通じた。次いで、過硫酸アンモニウ
ム(AP)0.05gを加え、窒素気流下にかきまぜな
がら、60℃に加熱して重合を開始した。60℃で2時
間重合を行ったのち、空気を吹き込んで重合を停止し、
共重合体を製造した。重合終了後、反応溶液を転移温度
以下に冷却してから加熱し、共重合体を析出させた。次
いで、析出した共重合体を純水に溶かし、凍結乾燥を行
うことにより共重合体を得た。このようにして得られた
N‐イソプロピルアクリルアミドとt‐ブチルアクリル
アミドとの混合物中のt‐ブチルアクリルアミドの含有
割合(tBuAAm10モル%として示す)と得られた
共重合体の転移温度(℃)の関係をグラフとして図1に
示す。この図から分るように、単量体混合物中の成分比
を変えることによって転移温度を変えることができる。
ルと水の混合溶剤に、重量平均分子量6,200,00
0のポリ(N‐イソプロピルアクリルアミド)を10℃
において溶解し、5種の5重量%溶液を調製した。これ
らの溶液について、アルコールの含有割合と転移温度と
の関係について調べ、グラフとして図2に示した。図中
Aはメチルアルコール、Bはエチルアルコールについて
のものである。この図から分るように、混合溶剤中のエ
チルアルコール又はメチルアルコールの割合が大きくな
るに従って、親水性−疎水性熱可逆型高分子物質の転移
温度は低くなる。
リ(N‐イソプロピルアクリルアミド)を溶解して、濃
度0.5重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重
量%、5重量%及び10重量%の7種の溶液を調製し、
これに殺菌剤(塩化ベンザルコニウム)0.1重量%及
び香料(ゲラニオール)0.05重量%を加えてバラの
香りを有する、殺菌性を有する汚れ取り剤を製造した。
これらの汚れ取り剤についての清拭性及び汚れ取り剤が
除かれるまでの時間を評価した結果を表1に示す。な
お、比較のためにポリ(N‐イソプロピルアクリルアミ
ド)を含まない水とエチルアルコールとの混合物につい
ての評価も併記した。
ビニルイミダゾール13.5モル%からなる共重合体3
gを、水とエチルアルコールの10:1の割合の混合物
97gに溶解し、3重量%溶液を調製し、さらにこれに
香料(ヒノキチオール)0.05gを添加してヒノキ調
の芳香を有する汚れ取り剤を製造した。このものの転移
温度は25℃であり、清拭性は極めて良好であった。
セロール‐1‐アリル‐3‐アルキルフェニル‐2‐ポ
リオキシエチレン硫酸エステル塩型反応性界面活性剤
[旭電化(株)製、商品名「アデカリアソープSE−1
0N」]1.1モル%とからなる共重合体を、水85重
量%及びエチルアルコール15重量%からなる混合溶剤
に溶かし、濃度2重量%及び5重量%の溶液を調製し
た。次に、この溶液のそれぞれに、香料(シトラール)
0.05重量%を添加し、レモン調の芳香を有する汚れ
取り剤を製造した。このものの転移温度は25℃であ
り、清拭性はいずれも極めて良好であった。
ジエチルアクリルアミド30モル%とからなる共重合体
を、水とエチルアルコールとの5:1の割合の混合物
に、濃度5重量%になるように溶かしたのち、その溶液
100mlに過酸化水素水溶液(濃度30重量%)1m
lと香料(ケイ皮アルコール)0.05gを添加し、ヒ
ヤシンス様の芳香を有する殺菌性汚れ取り剤を製造し
た。このものの転移温度は25℃であり、清拭性は極め
て良好であった。
いて、全く水を使用する必要はなく、少量の使用量で手
のひらその他の人体に付着した汚れを完全に除くことが
でき、しかも殺菌までも行うことができる汚れ取り剤が
提供される。
ルアクリルアミドの共重合体についてのt‐ブチルアク
リルアミドの含有割合と転移温度との関係を示すグラ
フ。
水とアルコールとの混合溶剤に溶かした場合のアルコー
ル含有量と転移温度との関係を示すグラフ。
Claims (4)
- 【請求項1】 水溶性アルコール及び転移温度以下では
親水性を、転移温度よりも高い温度では疎水性を示す親
水性−疎水性熱可逆型高分子物質を含み、かつ周囲温度
と人体温度との間の転移温度を有する水溶液からなる汚
れ取り剤。 - 【請求項2】 転移温度以下では親水性を、転移温度よ
りも高い温度では疎水性を示す親水性−疎水性熱可逆型
高分子物質が10,000〜10,000,000の範
囲の重量平均分子量をもつ請求項1記載の汚れ取り剤。 - 【請求項3】 転移温度以下では親水性を、転移温度よ
りも高い温度では疎水性を示す親水性−疎水性熱可逆型
高分子物質を0.5〜10重量%の範囲の濃度で含有す
る請求項1又は2記載の汚れ取り剤。 - 【請求項4】 さらに殺菌性成分を含有する請求項1,
2又は3記載の汚れ取り剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19370199A JP3288988B2 (ja) | 1999-07-07 | 1999-07-07 | 汚れ取り剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19370199A JP3288988B2 (ja) | 1999-07-07 | 1999-07-07 | 汚れ取り剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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