JP3287124B2 - SiN系絶縁膜の成膜方法 - Google Patents

SiN系絶縁膜の成膜方法

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JP3287124B2
JP3287124B2 JP19307594A JP19307594A JP3287124B2 JP 3287124 B2 JP3287124 B2 JP 3287124B2 JP 19307594 A JP19307594 A JP 19307594A JP 19307594 A JP19307594 A JP 19307594A JP 3287124 B2 JP3287124 B2 JP 3287124B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば半導体装置にお
いてウェハの最終保護膜あるいは層間絶縁膜として用い
られるSiN系絶縁膜の成膜方法に関し、特に有機Si
化合物を原料ガスとして用いて成膜されたSiN系絶縁
膜のカバレージを一層改善する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ウェハの最終保護膜、いわゆ
るパッシベーション膜には、SiN系絶縁膜が広く用い
られている。このSiN系絶縁膜は、既に形成されたA
l系配線等の低融点材料層にダメージを与えないよう
に、プラズマCVD法といった低温での成膜が可能な化
学的気相成長(CVD)法によって成膜される。そし
て、原料ガスとしては、SiH4 /NH3 混合ガス、S
iH4 /N2 混合ガス等が用いられてきた。
【0003】しかし、このようにして成膜されるSiN
系絶縁膜のカバレージは、半導体装置の微細化あるいは
多層配線化に伴う基板の表面段差の増大に追従できなく
なっている。図5に、Si基板1上にSiO系層間絶縁
膜2およびAl系配線3が形成され、この上にSiN系
絶縁膜14を成膜したウェハを示すが、SiN系絶縁膜
14のステップカバレージ(断差被覆性)が悪いため
に、ボイド15が形成されてしまっている。また、この
ようなSiN系絶縁膜14にはクラックも発生しやすく
なる。
【0004】上記ステップカバレージを改善する方法と
しては、2周波法によってプラズマ状態を制御すること
が提案されている。これは、プラズマCVD装置の平行
平板電極において、ウェハを載置する側の電極には数百
kHzの低周波RF電圧を印加し、他の電極にはMHz
オーダーの高周波電圧を印加するものであり、低エネル
ギーのイオンボンバードメントを増加させて、カバレー
ジを向上させようとするものである。しかし、この方法
によっても、パターンの微細化や表面断差の増大に十分
に対応できるわけではなく、コンフォーマル成膜を達成
するには至っていない。
【0005】そこで、さらにカバレージに優れたSiN
系絶縁膜を成膜する方法として、原料ガスに有機Si化
合物を用いてCVDを行うことが提案された。ここで、
有機Si化合物とは、[(CH3 2 N]4 Si、
[(CH3 2 N]3 SiH、[(CH3 2 N]2
iH2 といった、Si原子,N原子,C原子,H原子を
主な構成要素とし、Si−N結合を有する化合物であ
る。これを原料ガスとして成膜を行うと、Si−N結合
の存在により、効率のよいSiN系絶縁膜の成膜が可能
となる。また、成膜時に、有機Si化合物から炭化水素
基が切断されることにより、Si−N結合を存続した中
間生成物が高分子化されやすく、流動性が高くなるため
に、カバレージに優れたSiN系絶縁膜が成膜できると
考えられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述のよう
に有機Si化合物を用いて成膜されたSiN系絶縁膜に
おいても、コンフォーマル成膜を可能とするだけのカバ
レージの改善効果が得られているわけではない。また、
カバレージを向上させることを優先して、炭化水素基を
多く含む有機Si化合物を用いると、成膜されたSiN
系絶縁膜中に取り込まれる炭化水素基を増加させて、絶
縁耐性や耐水性といった膜質を劣化させる虞れもある。
【0007】そこで、本発明はかかる従来の実情に鑑み
て提案されたものであり、膜質を劣化させることなく、
さらに優れたカバレージを達成できるSiN系絶縁膜の
成膜方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係るSiN系絶
縁膜の成膜方法は、上述の目的を達成するために提案さ
れたものであり、CVD法によって基板上にSiN系絶
縁膜を成膜するに際し、原料ガスとしてSi−N結合を
有する有機Si化合物であるビスジメチルアミノシリル
アジド[(CH N] Si(N とアン
モニアNHとの混合ガスやビスシクロペンタジエニル
シリルアジドCp Si(Nを用い、前記基板
には超音波を印加するものである。
【0009】前記SiN系絶縁膜を成膜するために導入
される原料ガスとしては、効率よく目的の反応生成物を
得るために、Si−N結合を有する有機Si化合物が用
いられるが、Si原子に、アジド基(以下、−N3 基と
する。)、−NR2 (但し、Rは炭素数1以上の炭化水
素基である。)基を結合させた構成のものが使用可能で
ある。特に、−NR2 がSi原子に結合していると、成
膜時に炭化水素基が切断され、Si−N結合を存続した
中間生成物が高分子化されやすく、流動性が高くなるた
めに、SiN系絶縁膜のカバレージが向上する。
【0010】さらに、上記Si原子にアルキル基(以
下、−R’基とする。)および/またはアルコキシル基
(以下、−OR''基とする。)が結合していると、成膜
時にこれら−R’基や−OR''基が切断されることによ
り、Si−N結合を存続した中間生成物の流動性を一層
高めることができる。
【0011】なお、Si原子に直接結合するH原子は、
上述した−NR2 基,−N3 基,−R' 基,−OR''基
のように、Si−N結合を存続させて成膜効率を向上さ
せる効果やカバレージを改善する効果を示さないので、
Si原子に1つも結合させないか、結合させても少数と
した方がよい。
【0012】さらにまた、SiN系絶縁膜の成膜速度を
向上させるために、Si−Si結合を有する有機Si化
合物を用いてもよい。これにより、成膜時に供給する原
料ガスの流量を増加したり、プラズマCVD装置の電極
に印加する電力を増大することなく成膜速度を向上させ
ることができるため、不純物の取り込みが増大したり、
カバレージが劣化したりといった問題を生じさせること
なく、スループットを向上させることが可能となる。
【0013】したがって、SiN系絶縁膜の成膜に用い
られる有機Si化合物のうち、最も望ましい構造を有す
るものは、下記の一般式(1)にて示すことができる。
【0014】 Sin (NR2w (N3 x (R' )y (OR'')z ・・・(1) (但し、w,x,y,zは、w+x+y+z=2n+
2、0≦w≦2n+2、0≦x≦2n+2、1≦w+x
≦2n+2、0≦y≦2n+1、0≦z≦2n+1を満
たす整数であり、nは1以上の整数である。また、R'
およびR''は炭素数1以上の脂肪族飽和炭化水素基を示
し、Rは炭素数1以上の炭化水素基を示す。) なお、上記R、R' 、R''で示される炭化水素基の炭素
骨格は特に限定されず、飽和炭化水素であっても不飽和
炭化水素であってもよい。そして、それぞれの場合につ
いて、直鎖状,分枝状,環状の炭素骨格が考えられる
が、これらのいずれであってもよく、例えば、メチル
基,エチル基,シクロペンタジエニル基等が挙げられ
る。
【0015】上記一般式(1)において、z=0のと
き、即ち、−OR''基が結合されていない有機Si化合
物であるとき、これを原料ガスとし、且つ、これに酸素
系ガスを混合しなければ、SiN系薄膜が成膜されるこ
ととなる。一方、z≧1のとき、即ち−OR''基が結合
されている有機Si化合物であるとき、これを原料ガス
として用いると、成膜中に微量のO原子が取り込まれる
ので、酸素系ガスを併用しなくともSiON系薄膜が成
膜されることとなる。
【0016】なお、上述のような原料ガスには、成膜さ
れたSiN系絶縁膜中の炭化水素基の含有量を抑えるた
めに、N2 および/またはN原子を含む化合物を添加し
てもよい。N2 やN原子を含む化合物は炭化水素基の還
元剤として働くため、有機Si化合物と混合して用いる
と、生成される中間生成物が高分子化する前に炭化水素
基を引き抜く、あるいは、成膜されたSiN系絶縁膜中
に取り込まれた炭化水素基を引き抜くことができる。な
お、従来法では、生成される中間生成物が高分子化する
前に炭化水素基を引き抜いてカバレージを劣化させる虞
れもあったが、本発明においては、基板への超音波の印
加によってカバレージの劣化が防がれるため問題ない。
【0017】さらに、N2 および/またはN原子を含む
化合物を成膜時のみならず、成膜後にも反応室内に導入
してプラズマ処理を行えば、SiN系絶縁膜の表層部の
炭化水素基を一層低減させることができる。また、成膜
と上記後処理とを交互に複数回繰り返しながらSiN系
絶縁膜を所望の膜厚に形成すれば、表層部のみならず、
深層部に亘って十分に炭化水素基の含有量が低減でき
る。
【0018】そして、このようにして炭化水素基の含有
量が抑えられたSiN系絶縁膜は、高い絶縁耐性、高い
耐水性や耐腐蝕性を発揮するものとなる。
【0019】本発明に係るSiN系絶縁膜の成膜方法に
おいては、上述のような原料ガスを用いた成膜時、基板
に超音波を印加するが、これにより、Si−N結合を存
続した中間生成物の基板上での移動性が高まり、カバレ
ージを一層向上させることができる。
【0020】なお、超音波を印加する方法としては、例
えば、CVD装置における基板保持部材に超音波振動子
を埋設し、該超音波振動子に接続する超音波発振器によ
って、所定の周波数および出力の超音波を発生させれば
よい。
【0021】ところで、上述のようなSiN系絶縁膜の
成膜時には、Al系配線等にダメージを与えないように
低温での処理が可能となることから、反応室内にプラズ
マを発生させながら成膜を行って好適である。なお、用
いるプラズマCVD装置としては、平行平板型プラズマ
CVD装置であってもよいし、低圧力下で高密度のプラ
ズマを発生できる有磁場マイクロ波プラズマCVD装置
であってもよい。
【0022】プラズマCVDによる成膜時には、所望の
SiN系絶縁膜成分以外に中間生成物、副生成物、原料
ガスの未解離成分等も基板表面の近傍に存在し、これら
不純物成分が取り込まれやすい。また、SiH4 を用い
たプラズマCVDにおいては、プラズマによってパーテ
ィクルが発生し、このパーティクルが膜中に取り込まれ
るといった報告がなされており、有機Si化合物を用い
た場合にも同様の問題が発生することも懸念される。そ
こで、膜質を向上させるためには、前記プラズマを間欠
的に発生させ、基板表面に所望の化学種以外の化学種が
蓄積されるのを防止するとよい。
【0023】なお、プラズマを間欠的に発生させている
間、超音波は連続して印加しておいて構わない。
【0024】
【作用】本発明を適用して成膜されたSiN系絶縁膜
は、非常にステップカバレージに優れたものとなる。こ
れは、以下のような理由による。
【0025】先ず、原料ガスとしてSi−N結合を有す
る有機Si化合物を用いて成膜を行うと、成膜時に有機
Si化合物から炭化水素基が切断されることにより、S
i−N結合を存続した化学種同士が結合して中間生成物
が高分子化されやすくなり、カバレージに優れたSiN
系絶縁膜が成膜可能となる。
【0026】さらに、成膜時に基板に超音波を印加する
ことにより、Si−N結合を存続した中間生成物が基板
上を移動しやすくなるために、成膜されたSiN系絶縁
膜が基板を十分に被覆するようになり、カバレージを一
層向上させることとなる。
【0027】また、基板への超音波の印加により、成膜
時に生成された上記中間生成物が基板近傍にて攪乱され
るため、SiN系絶縁膜の結晶粒子の核生成が促進され
て、それぞれの核からの結晶成長が抑制され、結果的
に、成膜されたSiN系絶縁膜を緻密で、基板との密着
性に優れたものとすることができる。
【0028】このため、本発明を適用して超音波を印加
すると、有機Si化合物中の炭化水素基を増加させずと
も、また、成膜時にN2 および/またはN原子を含む化
合物を導入して炭化水素基を引き抜いても、優れたステ
ップカバレージを確保することが可能となり、SiN系
絶縁膜の絶縁耐性や耐水性等の膜質を向上させることも
可能となる。
【0029】なお、SiN系絶縁膜を成膜するに際して
は、プラズマCVD法を適用すると、低温による成膜が
可能となるため、既に形成されたAl系配線等の低融点
材料層にダメージを与えることがない。
【0030】
【実施例】以下、本発明に係るSiN系絶縁膜の成膜方
法を具体的な実施例を用いて説明する。ここでは、Al
系配線上のパッシベーション膜として、プラズマCVD
法によりSiN系絶縁膜を成膜した例について説明す
る。
【0031】実施例1 本実施例では、原料ガスとして、ビスシクロペンタジエ
ニルシリルアジドCp2 Si(N3 2 (ここでCpは
シクロペンタジエニル基を示す。)を用い、ウェハに超
音波を印加しながらSiN系絶縁膜を形成した。
【0032】なお、プラズマCVD装置としては、図3
に示されるような平行平板型プラズマCVD装置を用い
た。この平行平板型プラズマCVD装置においては、排
気口21にて排気がなされた反応室22内にウェハ23
を載置する下部電極24と、RF電力が印加可能な上部
電極25とが設けられている。
【0033】上部電極25は、原料ガスを供給するため
のガス供給管26に接続され、Heバブリングにより気
化されたCp2 Si(N3 2 を均一に供給できるよう
にシャワー電極となされている。
【0034】一方、下部電極24にはヒータ27が設け
られ、ウェハ23の温度を調整可能としている。また、
該下部電極24内には、超音波発振器29に接続された
超音波振動子28が埋設されており、成膜時にウェハ2
3に対して超音波を印加できるようになされている。
【0035】そして、上述のようなプラズマCVD装置
を用い、図1に示されるような、8インチのSi基板1
上にSiO系層間絶縁膜2、厚さ0.8μm、配線間距
離0.4μmのAl系配線3が形成されたウェハに対
し、以下の条件のプラズマCVDによりSiN系絶縁膜
4を1μmなる膜厚に成膜した。
【0036】プラズマCVD条件 原料ガス : Cp2 Si(N3 2
量100sccm RF電力 : 350W(13.56MHz) 圧力 : 1200Pa ウェハ温度 : 200℃ 電極間距離 : 10mm 超音波周波数: 50kHz 続いて、下記の条件のアニール処理を行った。
【0037】アニール条件 導入ガス : 上記原料ガスを3%H2 含有N2
スにて希釈したもの 流量8000sccm アニール時間 : 60分 圧力 : 大気圧 アニール温度 : 400℃ このようにして成膜されたSiN系絶縁膜4は、図2に
示されるように、ボイドやクラックを有さない、ステッ
プカバレージに優れたものであった。
【0038】そして、上述のウェハに対して腐蝕試験を
行った。この腐蝕試験の条件を下記に示す。
【0039】腐蝕試験条件 塩酸濃度 : 5% 試験時間 : 5分 溶液温度 : 25℃ この腐蝕試験の結果、Al系配線3には腐蝕が見られ
ず、成膜されたSiN系絶縁膜4は、良好な耐水性、耐
腐蝕性を示すものであることがわかった。なお、この腐
蝕試験後さらに、長時間に亘って大気中に放置してもA
l系配線3が腐蝕することはなかった。
【0040】なお、良好なステップカバレージを達成で
きたのは、原料ガスを構成する有機Si化合物におい
て、プラズマ中で、Cp基がSi原子から優先的に切断
されることにより、Si−N結合を存続した中間生成物
が高分子重合体を形成し、優れた流動性を示したこと、
超音波の印加により、上記中間生成物のウェハ上での移
動性を高めることができたことによる。
【0041】また、SiN系絶縁膜4が良好な耐水性、
耐腐蝕性を示したのは、上記放電条件が、Si原子に結
合するアジド基よりもCp基の方が優先的に切断される
放電条件であり、且つ、切断されたCp基同士も重合し
て安定化され、再びSi原子と結合しにくかったため、
SiN系絶縁膜4中に取り込まれる炭化水素基が低減さ
れたからである。
【0042】実施例2 本実施例では、原料ガスとして、ビスジメチルアミノシ
リルアジド[(CH32 N]2 Si(N3 2 とアン
モニアNH3 との混合ガスを用いた。
【0043】具体的には、実施例1と同様にして、Si
O系層間絶縁膜2およびAl系配線3が形成された8イ
ンチのウェハに対して、以下の条件のプラズマCVDに
よりSiN系絶縁膜4を1μmなる膜厚に成膜した。
【0044】プラズマCVD条件 原料ガス : [(CH3 2 N]Si(N3 2
量100sccmNH3
量 50sccm RF電力 : 350W(13.56MHz) 圧力 : 1200Pa ウェハ温度 : 200℃ 電極間距離 : 10mm 超音波周波数: 50kHz このようにして成膜されたSiN系絶縁膜4は、ボイド
やクラックを有さない、ステップカバレージに優れたも
のであった。
【0045】続いて、上記原料ガスを3%H2 含有N2
ガスにて希釈したガスを用い、実施例1と同様にしてア
ニール処理を行った。
【0046】そして、上述のSiN系絶縁膜4が形成さ
れたウェハについて、実施例1と同様にして腐蝕試験を
行ったところ、Al系配線3には腐蝕が見られなかっ
た。これより、上記SiN系絶縁膜4は良好な耐水性,
耐腐蝕性を示すものであることがわかった。
【0047】なお、良好なステップカバレージを達成で
きたのは、原料ガスを構成する有機Si化合物におい
て、プラズマ中で、ジメチルアミノ基に由来するメチル
基が優先的に切断されることにより、中間生成物が高分
子重合体を形成し、高い流動性を示したこと、超音波の
印加により、上記中間生成物のウェハ上での移動性を高
めることができたことによる。
【0048】また、SiN系絶縁膜4が良好な耐水性,
耐腐蝕性を示したのは、上記放電条件が、上述したよう
にメチル基を優先的に切断される放電条件であり、且
つ、切断されたメチル基同士が重合して、再びSi原子
とは結合しにくかったため、SiN系絶縁膜4中への炭
化水素基の取り込みが抑えられたからであると考えられ
る。また、原料ガスにはNH3 が含有されていたため、
N原子による炭素成分の引き抜き効果が働き、SiN系
絶縁膜4中の炭素成分の含有量をさらに低減させること
ができた。
【0049】実施例3 本実施例においては、平行平板型プラズマCVD装置に
代わって、有磁場マイクロ波プラズマCVD装置を用い
た。
【0050】有磁場マイクロ波プラズマCVD装置は、
図4に示されるように、マグネトロン31にて発生させ
たマイクロ波を導波管32を通過させて石英ベルジャ3
3内に導入し、このマイクロ波の電場と垂直方向の磁場
をソレノイドコイル34により発生させることにより、
いわゆるECR放電を生じさせて、高密度プラズマを得
るものである。
【0051】上記石英ベルジャ33内にはウェハ35を
載置するサセプタ36、該ウェハ35び温度を調整する
ためにサセプタ36内に設けられたヒータ37、原料ガ
スを導入するガス導入管38、排気口39が設けられて
いる。また、上記サセプタ36内には、超音波発振器4
1に接続された超音波振動子40が埋設されており、成
膜時にウェハ35に超音波を印加できるようになされて
いる。
【0052】本実施例では、上述したような有磁場マイ
クロ波プラズマCVD装置を用い、原料ガスとして実施
例1と同様の化合物を使用して成膜を行った。
【0053】具体的には、実施例1と同様にしてSiO
系層間絶縁膜2およびAl系配線3が形成された8イン
チのウェハに対して、以下の条件のプラズマCVDによ
りSiN系絶縁膜4を1μmなる膜厚に成膜した。
【0054】プラズマCVD条件 原料ガス : Cp2 Si(N3 2
量100sccm マイクロ波電力: 850W(2.45GHz) 圧力 : 1.33Pa ウェハ温度 : 200℃ 超音波周波数 : 50kHz 続いて、上記原料ガスを3%H2 含有N2 ガスにて希釈
したガスを用い、実施例1と同様にしてアニール処理を
行った。
【0055】このようにして成膜されたSiN系絶縁膜
4は、ボイドやクラックを有さない、ステップカバレー
ジに優れたものであった。
【0056】そして、上述のSiN系絶縁膜4が形成さ
れたウェハについて、実施例1と同様にして腐蝕試験を
行ったところ、Al系配線3には腐蝕が見られなかっ
た。これより、上記SiN系絶縁膜4は良好な耐水性,
耐腐蝕性を示すものであることがわかった。
【0057】なお、良好なステップカバレージを達成で
きたのは、実施例1にて示した理由の他に、有磁場マイ
クロ波プラズマCVD装置を適用したことにより、ギャ
ップフィル特性が向上したことも理由として挙げられ
る。
【0058】また、SiN系絶縁膜4が良好な耐水性,
耐腐蝕性を示したのは、実施例1にて示した理由の他
に、有磁場マイクロ波プラズマCVD装置を用いたた
め、低圧力下で高いプラズマ密度が得られ、未解離ガス
等、不純物成分の存在自体が低減できたことも寄与して
いる。
【0059】実施例4 本実施例では、上述したような有磁場マイクロ波プラズ
マCVD装置において、プラズマを間欠的に発生させて
成膜を行った。
【0060】具体的には、実施例3と同様のプラズマC
VD条件にて、5秒放電/5秒停止といった放電サイク
ルで50回、プラズマの発生と消滅を繰り返しながら、
実施例1と同様にしてSiO系層間絶縁膜2およびAl
系配線3が形成された8インチのウェハに対して、Si
N系絶縁膜4を1μmなる膜厚に成膜した。なお、マグ
ネトロンへの電力供給時には原料ガスの供給を停止し、
電力の供給停止時に原料ガスの供給を行った。
【0061】続いて、上記原料ガスを3%H2 含有N2
ガスにて希釈したガスを用い、実施例1と同様にしてア
ニール処理を行った。
【0062】このようにして成膜されたSiN系絶縁膜
4は、ボイドやクラックを有さない、ステップカバレー
ジに優れたものであり、ウェハ内の膜厚均一性も、5%
程度に抑えられていた。
【0063】そして、上述のSiN系絶縁膜4が形成さ
れたウェハについて、実施例1と同様にして腐蝕試験を
行ったところ、Al系配線3には腐蝕が見られなかっ
た。これより、上記SiN系絶縁膜4は良好な耐水性,
耐腐蝕性を示すものであることがわかった。
【0064】なお、SiN系絶縁膜4が良好な耐水性,
耐腐蝕性を示したのは、実施例3にて示した理由の他
に、プラズマを間欠的に発生させたため、不純物成分が
ウェハ近傍に蓄積されにくかったことが挙げられる。ま
た、プラズマが定期的に消滅することにより、プラズマ
発生中に発生したパーティクルがウェハ近傍に蓄積され
にくくなり、SiN系絶縁膜4中へのパーティクルの取
り込みも抑制できた。
【0065】以上のように、実施例1〜4によって成膜
されたSiN系絶縁膜4は、耐水性,耐腐蝕性に優れた
薄膜であるにもかかわらず、非常に優れたカバレージを
示したため、パッシベーション膜として用いられて好適
であった。
【0066】以上、本発明に係るSiN系絶縁膜の成膜
方法を適用した例について説明したが、本発明は上述の
実施例に限定されるものではない。例えば、実施例2に
おいては、SiN系絶縁膜4への炭化水素基の取り込み
を低減させるために、原料ガスにNH3 を添加したが、
成膜後の後処理工程としてN2 やNH3 を導入しながら
プラズマ処理をしてもよい。また、実施例4には、有磁
場マイクロ波プラズマCVD装置においてプラズマを間
欠的に発生させた例を示したが、平行平板型プラズマC
VD装置においてプラズマを間欠的に発生させても構わ
ない。その他、原料ガスの種類、CVD条件、アニール
条件、SiN系絶縁膜を成膜するウェハの構成について
も特に限定されない。また、本発明を適用して成膜され
るSiN系絶縁膜は、パッシベーション膜以外に層間絶
縁膜として適用することも可能である。
【0067】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
を適用すると、絶縁耐性や耐水性といった膜質に優れた
SiN系絶縁膜を非常に優れたステップカバレージにて
成膜することができる。このため、微細なデザインルー
ルに基づく半導体デバイスの性能や歩留まりを向上させ
ることが可能となる。
【0068】また、カバレージを向上させるに際して、
スループットを低下させることがないので、経済性にも
優れており、工業的価値が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したSiN系絶縁膜の成膜がなさ
れるウェハの断面を示す模式図である。
【図2】図1のウェハに対してSiN系絶縁膜を成膜し
た状態を示す模式図である。
【図3】本発明に用いられる平行平板型プラズマCVD
装置の一構成例を示す模式図である。
【図4】本発明に用いられる有磁場マイクロ波プラズマ
CVD装置の一構成例を示す模式図である。
【図5】従来法によりSiN系絶縁膜が成膜されたウェ
ハの断面を示す模式図である。
【符号の説明】
1 Si基板 2 SiO系層間絶縁膜 3 Al系配線 4 SiN系絶縁膜 23,35 ウェハ 28,40 超音波振動子 29,41 超音波発振器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/318 C23C 16/34 H01L 21/205 H01L 21/31 H05H 1/46

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学的気相成長法によって基板上にSi
    N系絶縁膜を成膜するに際し、原料ガスとしてSi−N
    結合を有するビスジメチルアミノシリルアジド[(CH
    N] Si(N とアンモニアNH
    との混合ガスを用い、前記基板には超音波を印加するこ
    とを特徴とするSiN系絶縁膜の成膜方法。
  2. 【請求項2】 化学的気相成長法によって基板上にSi
    N系絶縁膜を成膜するに際し、原料ガスとしてSi−N
    結合を有するビスシクロペンタジエニルシリルアジドC
    Si(N を用い、前記基板には超音波を印
    加することを特徴とするSiN系絶縁膜の成膜方法。
  3. 【請求項3】 前記成膜は、プラズマを発生させながら
    行うことを特徴とする請求項1または請求項2記載のS
    iN系絶縁膜の成膜方法。
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