JP3286928B2 - 展示ケース - Google Patents

展示ケース

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JP3286928B2
JP3286928B2 JP26671694A JP26671694A JP3286928B2 JP 3286928 B2 JP3286928 B2 JP 3286928B2 JP 26671694 A JP26671694 A JP 26671694A JP 26671694 A JP26671694 A JP 26671694A JP 3286928 B2 JP3286928 B2 JP 3286928B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、博物館等で物品の展示
に使用されるる、外観が優美で、展示効果が大きい展示
ケースに関する。
【0002】
【従来の技術】博物館等で使用される展示ケースは、従
来は、下段の台箱の4隅に立設した支柱間に、たとえば
ガラス板のような透明板を支持して展示部を形成し、そ
の上下両面を上箱と下箱で覆い、かつ展示部の後面の扉
板の一方の側端を、蝶番をもって、支柱に開閉自在に枢
支して、展示品を出入れするようにしていた。
【0003】しかし、上述した従来の陳列ケースでは、
支柱と蝶番が展示品の観賞の邪魔になり、また陳列ケー
スの外観を損ねるので、この問題点を解消した陳列ケー
スが、特公平2−1484号公報提供されている。
【0004】この陳列ケースは、3枚の透明板を後向コ
字形に並べて、その側端同士を接着した展示部を、台箱
(下部蓋体)上に載置して固定し、さらにその上箱(上部
蓋体)を載置し台箱及び上箱に前後方向に摺動自在に設
けた支持体の後端部に、1枚の透明板よりなる扉の一側
部を枢着し、扉を支持体とともに後方に平行移動させた
後、支持体に対して回動させることにより、展示部を開
いて、展示品を出入れするようにし、扉を上述と逆に回
動させた後、支持体とともに前方に押し込むことによ
り、展示部の開口を閉塞しうるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしこの陳列ケース
は、重量ある扉を片持ち支持して前後方向に摺動する上
下両支持体に大きな荷重がかかるので、長期使用する間
に摩耗して、展示部の開閉動作が不円滑になる恐れがあ
り、そのため、各部材を強固に製作する必要があって高
価となる。
【0006】本発明は、上述の諸問題に鑑みてなされた
もので、防盗性及び気密性に優れ、展示効果が大きく、
展示物の出入れが容易で、かつ外観の優れた展示ケース
を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によると、上記課
題は次のようにして解決される。 (1) 上下方向を向く筒状をなし、上段の上箱部と中段
の展示部と下段の台箱部とよりなり、展示部のほぼ全外
周面を透明板で囲んだ展示ケースにおいて、展示部の一
側面を形成する透明板の一方の側縁の上下両端を、上箱
部と台箱部に開閉自在に蝶着し、かつこの透明板の上下
両端と上下の蝶着部を、それぞれ上箱部に開閉自在に設
けた上扉と、台箱部に開閉自在に設けた下扉とをもって
覆う。
【0008】(2) 上記(1)項において、開閉可能とし
た透明板を閉じたときに、この透明板の側端部と対向す
る他の透明板の対向部に、開閉可能な透明板に圧接する
シール部材を設ける。
【0009】(3) 上記(1)項または(2)項において、
開閉する透明板の蝶番の回転中心を、この透明板の側端
面より外方に位置させる。
【0010】(4) 上記(1)項または(2)項において、
開閉する透明板の蝶番の回転中心を、この透明板の側端
面より内方、かつ外側面より内方に位置させる。
【0011】(5) 上記(1)項〜(4)項のいずれかにお
いて、上扉及び下扉のいずれか一方を、上箱部または台
箱部に、着脱自在に装着する。
【0012】(6) 上記(1)項〜(5)項のいずれかにお
いて、上扉及び下扉のいずれか一方を、上箱部または台
箱部に、開閉自在に蝶着した請求項1〜5のいずれかに
記載の展示ケース。
【0013】(7) 上記(1)項〜(6)項のいずれかにお
いて、開閉可能な透明板の上下いずれかの端部と、上箱
部または台箱部との間に、締付け機能を有するロック装
置を設ける。
【0014】
【作用】上扉及び下扉がともに開いている状態で、開閉
可能な透明板を閉じ、その後上扉及び下扉をともに閉じ
ることにより、透明板の上下の端部と蝶番部がそれによ
って覆われ、上扉と下扉をともに開かないと、透明板を
開くことができなくなり、また蝶番部を故意に破壊する
こともできなくなる。
【0015】
【実施例】図1〜図6は、本発明の第1実施例を示すも
ので、展示ケースは、図6に示すように、上段の上箱部
(A)と、中段の展示部(B)と、下段の台箱部(C)を上下
に重ねてなり、台箱部(C)の下面に設けたキャスタ(1)
により移動させることができる。
【0016】上箱部(A)は、水平をなす方形の第1上枠
(2)と第1下枠(3)の4角部を第1支柱(4)(4)をもっ
て連結し、前面と両側面を不透明な第1カバー(5)をも
って覆ってなり、後部と前部(図示省略)における左右の
第1支柱(4)(4)の下端間には、左右方向を向く前後1
対の第1取付杆(6)(6)が固着されている(前方の取付
け杆は図示省略)。
【0017】後方の第1取付杆(6)の上面中央近くに
は、図1と図2に示すように、後上方に傾斜する第1係
止板(7)が立設され、同じく後面中央には、図1と図5
に示すように、上方に突出する第1施錠板(8)が固着さ
れている。前後の第1取付杆(6)(6)の間には、透明ま
たは白乳色のアクリル板等からなる透光性の天井板(9)
が架設され、第1上枠(2)に取付けた蛍光灯(10)によ
り、天井板(9)を介して展示部(B)内は照明される。
【0018】図2と図5に示すように、第1上枠(2)の
後面には、下向回動することにより上箱部(A)の後面開
口を閉じる上扉(11)の上端が、第1蝶番(12)により枢支
されている。
【0019】上扉(11)の内面の枢着端近くに支着した左
右方向を向く補強杆(13)の両側部と、後方の左支柱(4)
の上部との間には、屈伸アーム(14)の両端が枢着されて
いる。屈伸アーム(14)は、等長をなす上下1対のアーム
片(14a)(14a)の端部同士を、両アーム片(14a)が0゜よ
り180゜以上の範囲に亘って回動しうるように枢着した
もので、上扉(11)が上箱部(A)の後面を閉塞したときに
は、両アーム片(14a)(14a)は重合し、上扉(11)をほぼ水
平に開くと、両アーム片(14a)(14a)はほぼ一直線となっ
て上扉(11)を支持するようになっている。
【0020】上扉(11)の内面中央部には、錠(15)が止着
されている。錠(15)前端には、解錠時水平となり、かつ
施錠時下方を向く錠片(15a)が設られ、上扉(11)を閉じ
た状態で、図6に示す錠孔(16)より鍵(図示省略)を差し
込んで回動操作すると、錠片(15a)は第1施錠板(8)に
係止して、上扉(11)を開扉不能に施錠する。
【0021】台箱部(C)は、上箱部(A)を上下逆にした
構成からなり、上記(2)(3)(4)(5)(6)にそれぞれ相
当する、第2上枠(17)と第2下枠(18)と第2支柱(19)と
第2カバー(20)と第2取付杆(21)により形成されてい
る。
【0022】後方の第2取付杆(21)には、上記(7)(8)
にそれぞれ相当する、第2係止板(22)と第2施錠板(23)
が支着され、前後の第2上枠(17)(前方の第2上枠は図
示省略)の間には、台板(24)が架設されている。
【0023】台箱部(C)の後面には、下扉(25)が着脱自
在に装着されている。その着脱手段については、図示を
省略してあるが、例えば、下扉(25)の下端に下向きに突
設した左右1対のピンを、台箱部(C)に設けた受け孔に
嵌合し、かつ下扉(25)の上部両側部に設けた永久磁石
を、台箱部(C)の後面適所に磁力で吸着させるようにし
た、公知の手段とすることができる。
【0024】下扉(25)の内面上部には、図示を省略した
が、上扉(11)と同様の施錠装置が設けられている。(26)
は、調湿剤を封入した調湿器である。
【0025】展示部(B)は、強化ガラス、アクリル板等
の透明板(27)の上下両端に枠杆(28)を外嵌した3枚の側
板(30)を、後向コ字形に配置して側端縁同士を接着し、
かつ上下の枠杆(28)(28)を、それぞれ上記第1下枠(3)
と第2上枠(17)に固着してなり、左右の側板(30)の後端
と、上記第1下枠(3)と第2上枠(17)の後面は、同一面
上に並んでいる。
【0026】展示部(B)における開口する後面には、側
板(30)と同様の透明板(31)と枠杆(32)よりなる後板(33)
の上下の枠杆(32)(32)の一側端が、図3に示すように、
回転中心(34a)が垂直方向を向く蝶番(34)をもって、上
記第1取付杆(6)と第2取付枠(21)に開閉自在に枢着さ
れている。蝶番(34)の回転中心(34a)は、図4に示すよ
うに、透明板(31)の側端面(31a)より外側方で、かつ側
板(30)の外側後方に位置している。
【0027】後板(33)の上下の枠杆(32)(32)の中央より
遊端寄りの上方と下方における上記第1係止板(7)と第
2係止板(22)と対応する個所には、それぞれ、締付け機
能を有するロック装置(35)が固着されている。ロック装
置(35)の前端には、上記錠片(15a)と類似するロック片
(35a)が固着され、ロック片(35a)は、着脱自在のハンド
ル(36)により、90゜回動させられる。
【0028】第1下枠(3)及び第2上枠(17)の後面に
は、左右方向を向く水平なシール部材(S1)が、また左右
の側板(30)(30)の後端には、上下方向を向くシール部材
(S2)がそれぞれ設けられている。後板(33)を閉じたと
き、各シール部材(S1)(S2)は透明板(31)の前面に圧接し
て、展示部(B)の内部の気密性を保つ。
【0029】シール部材(S1)(S2)は、例えば軟質合成樹
脂材料製の弾性体よりなるものとするのがよく、特にシ
ール部材(S2)は、透明または透光性の材料により形成す
るのがよい。
【0030】後板(33)は、常時は上下及び左右のシール
部材(S1)(S2)に気密に当接して、展示部(B)の後面を閉
塞し、かつ上下のロック装置(35)(35)のロック片(35a)
(35a)は、下方を向いて第1係止板(7)と第2係止板(2
2)に係合して、後板(33)はロックされる。また、上扉(1
1)と下扉(25)を閉じ、上下の錠(15)の錠片(15a)を下方
へ向けて施錠される。
【0031】この状態において、キーにより、上下の錠
(15)(15)の錠片(15a)(15a)を水平として解錠し、上扉(1
1)と下扉(25)を開いた後、上下のハンドル(36)(36)によ
り両ロック片(35a)(35a)を水平とすれば、展示部(B)の
後面全体を開口することができる。
【0032】なお上扉(11)における上記屈伸アーム(14)
を省略し、上箱部(A)の後面を開口した時、上扉(11)を
さらに回動させて、上箱部(A)の上面に載せるようにし
てもよい。
【0033】また、上扉(11)を下扉(25)と同様の着脱式
としたり、逆に、下扉(25)を上扉(11)と同様の枢着式と
してもよい。
【0034】上述の実施例においては、後板(33)の蝶番
(34)の回転中心(34a)を、透明板(31)の側端面(31a)の外
側方に位置させたが、例えば、図7に示すように、蝶番
(34)の回転中心(34a)を、透明板(31)の側端面(31a)より
内側方、かつ透明板(31)の後面(31b)より前方(内方)と
してもよい。
【0035】この場合、透明板(31)の側端面(31a)と前
面(31c)との交わる角部が、円滑に回動しうるように、
シール部材(S2)を軟質の弾性体により形成するのがよ
い。また、この場合の透明板(31)の閉止時の気密性をよ
くするため、透明板(31)の前面(31c)に、透明板(31)の
閉止時にシール部材(S2)の頂部に圧接するようにした、
山形断面の軟質の第2シール部材(41)を設けるのがよ
い。
【0036】展示ケース全体の形状は、上述のような直
方体状のものに限らず、多角柱状、円柱状等とすること
ができ、それに合わせて、展示部(B)の透明板(27)(31)
の平面形を適宜変更すればよい。
【0037】
【発明の効果】この発明によると、次のような効果を奏
することができる。 (a) 上扉と下扉との両方を開かないと、開閉式の透明
板を開くことができないので、防盗性に優れている(請
求項1)。
【0038】(b) 開閉式の透明板の上下の縁と上下の
蝶番とが、上扉及び下扉により覆われるので、故意に蝶
番を破壊したり、開閉式の透明板をこじ開ける等の行為
ができず、よりよい防盗性が得られる(請求項1)。
【0039】(c) 展示部のほぼ全周が透明板により囲
まれ、かつ開閉式の透明板の上下の縁や蝶番等が上扉及
び下扉により隠されるで、展示時の外観がよく、かつ全
周から展示物を見ることができるので、展示効果が高い
(請求項1)。
【0040】(d) 透明板を開閉するのに、スライド機
構等を用いていないので、開閉操作が容易であるととも
に、構造を簡素化でき、また透明板を開いたときには、
展示物の出入れのための大きな開口を形成することがで
きる(請求項1)。
【0041】(e) 請求項2記載のように、シール部材
を設けると、展示部内の密閉性を向上させることができ
る。
【0042】(f) 請求項3記載のように、開閉する透
明板の蝶番の回転中心を、この透明板の側端面より外方
に位置させると、開閉可能な透明板を開く際、他の透明
板の端に対向する部分が、その端面から常に離れるよう
に移動するので、開閉の妨げとならず、また逆に閉じた
際には、上記端面に密接させることができ、気密性を向
上させることができる。
【0043】(g) 請求項4記載のように、開閉する透
明板の蝶番の回転中心を、この透明板の側端面より内
方、かつ外側面より内方に位置させると、蝶番を、上扉
及び下扉により覆われる狭い範囲内に配設することがで
き、コンパクト化が可能になる。
【0044】(h) 請求項5及び6記載のように、上扉
及び下扉を、情況に応じて着脱式としたり、枢着式とし
たりすることにより、使い勝手がよくなる。
【0045】(i) 請求項7記載のように、開閉式の透
明板の上下いずれかの端部と上箱部または台箱部との間
に、締付け機能を有するロック装置を設けると、透明板
の閉止時の気密性を高めることができるとともに、安全
性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】後面を開扉した時の本発明の展示ケースの後面
図である。
【図2】図1のX−X線の一部省略拡大断面図である。
【図3】展示部上後部の後板蝶着部の後面図である。
【図4】図3のY−Y拡大図である。
【図5】図1のZ−Z線拡大断面図である。
【図6】本発明の展示ケースの外観斜視図である。
【図7】後板蝶着部の変形例を示す、図4と同様の部分
の断面図である。
【符号の説明】
(A)上箱部 (B)展示部 (C)台箱部 (D)上箱部 (1)キャスタ (2)第1上枠 (3)第1下枠 (4)第1支柱 (5)第1カバー (6)第1取付杆 (7)第1係止板 (8)第1施錠板 (9)天井板 (10)蛍光灯 (11)上扉 (12)第1蝶番 (13)補強杆 (14)屈伸アーム (14a)アーム片 (15)錠 (15a)錠片 (16)錠孔 (17)第2上枠 (18)第2下枠 (19)第2支柱 (20)第2カバー (21)第2取付杆 (22)第2係止板 (23)第2施錠板 (24)台板 (25)下扉 (26)調湿器 (27)透明板 (28)枠杆 (30)側板 (31)透明板 (32)枠杆 (33)後板 (34)蝶番 (34a)回動中心 (35)ロック装置 (35a)ロック片 (36)ハンドル (41)第2シール部材

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下方向を向く筒状をなし、上段の上箱
    部と中段の展示部と下段の台箱部とよりなり、展示部の
    ほぼ全外周面を透明板で囲んだ展示ケースにおいて、展
    示部の一側面を形成する透明板の一方の側縁の上下両端
    を、上箱部と台箱部に開閉自在に蝶着し、かつこの透明
    板の上下両端と上下の蝶着部を、それぞれ上箱部に開閉
    自在に設けた上扉と、台箱部に開閉自在に設けた下扉と
    をもって覆ったことを特徴とする展示ケース。
  2. 【請求項2】 開閉可能とした透明板を閉じたときに、
    この透明板の側端部と対向する他の透明板の対向部に、
    開閉可能な透明板に圧接するシール部材を設けた請求項
    1記載の展示ケース。
  3. 【請求項3】 開閉する透明板の蝶番の回転中心を、こ
    の透明板の側端面より外方に位置させた請求項1または
    2記載の展示ケース。
  4. 【請求項4】 開閉する透明板の蝶番の回転中心を、こ
    の透明板の側端面より内方、かつ外側面より内方に位置
    させた請求項1または2記載の展示ケース。
  5. 【請求項5】 上扉及び下扉のいずれか一方を、上箱部
    または台箱部に、着脱自在に装着した請求項1〜4のい
    ずれかに記載の展示ケース。
  6. 【請求項6】 上扉及び下扉のいずれか一方を、上箱部
    または台箱部に、開閉自在に蝶着した請求項1〜5のい
    ずれかに記載の展示ケース。
  7. 【請求項7】 開閉可能な透明板の上下いずれかの端部
    と、上箱部または台箱部との間に、締付け機能を有する
    ロック装置を設けた請求項1〜6のいずれかに記載の展
    示ケース。
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