JPS635591Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の利用分野 本願は、博物館などにおいて、美術品或いは古
文書などを収納展示するための展示装置に関す
る。

従来の技術及びその問題点 従来、箱状の展示台上に、美術品或いは古文書
などを載置する載置台と、載置台の上面を閉じる
硬化ガラスで形成した覆体とを装備して成る展示
装置は公知である。

ところが従来公知の展示装置によれば、展示物
の出し入れを可能にするために、覆体が展示台に
対し開閉自在に取付けられ或いは展示台上に設け
た枠縁に対し、嵌め込み式に取付られている。

しかしながら覆体を構成するガラス板は、外部
からの衝撃に充分耐えるように部厚く形成されて
相当の重量を有するため、特に展示装置が大型の
場合に、天板の開閉作業が至難となると共に、天
板の取付機構も強度化し、かつ展示装置を壁面に
近接して配設するときは、天板の開閉を困難に
し、また後者においては、天板の取外しを専問者
に頼らなければならないなどの不都合を有してい
た。

問題点の解決手段 そこで本願は、展示台を構成する側板の一部を
開閉可能にすると共に、展示台内に前記開閉する
側板の開口部から外部に引き出し可能に載置台を
装備し、かつ展示台上に覆体を固定して、前記載
置台の引き出し操作により展示物の交換作業など
を容易にして従来のもののもつ不都合を解消する
と共に、展示状態において外部から展示物の交換
などを行う方法が全く知得できない構成として盗
難防止の信頼性を高めたものである。

構成及びその実施例 図面は本願の実施例を示し、１は角パイプから
成る横長方形状の上下基枠２，３の四隅部を夫々
支柱４ａ乃至４ｄにより連結し、外周部に枠体５
を介して側板６を、また前記下部基枠３上に底板
７を夫々施して成る箱状の展示台で、前記側板６
のうち長手方向の左右側板６ｂ及び６ｃはその下
端部が左右枠体５の下部に対し蝶番a.a′を介して
開閉可能に蝶着している。前記左右方向で対向す
る支柱４ａと４ｂ及び４ｃと４ｄの上部間には
夫々補強杆８ａと８ｂとが水平に架設されてあ
り、前記上部基枠２の上面には、横長方形状の取
付枠９が固着され、その上面に方形状の嵌合凹溝
１０が設けられている。この取付枠９上に装着さ
れる覆体１６の透明なガラス板から成る前面板１
１、左右側面板１２，１３及び後面板１４は前記
嵌合凹溝１０に夫々嵌着しかつ充填材１７を施こ
して立設されると共に、これら透明な各板１１，
１２，１３及び１４の接合縁部は相互に接着剤な
どにより固着され、かつこれら透明な各板１１，
１２，１３及び１４の上縁に透明なガラス板から
成る天板１５が接着剤などにより固着される。前
記前後に対向する支柱４ａと４ｃとの間及び４ｂ
と４ｄとの間の前記補強杆８ａ，８ｂより下方位
置に角パイプから成る横杆１８ａ，１８ｂを夫々
水平に架設すると共にこれら各横杆１８ａ，１８
ｂの各両端部間に断面Ｌ字状の下部取付杆１９
ａ，１９ｂが夫々水平に架設され、この下部取付
杆１９ａ，１９ｂの左右端部位置にボールを回転
自在に保持した受部片２０ａ乃至２０ｄが配設さ
れている。またこの受部片２０ａ乃至２０ｄの上
方に位置する前記左右で対向する支柱４ａと４ｃ
及び４ｂと４ｄの間には、断面Ｌ字状の上部取付
杆２１ａ，２１ｂが水平に架設され、この上部取
付杆２１ａ，２１ｂの左右端部には、水平回転自
在の案内ローラ２２ａ，２２ｂ，２２ｃ，２２ｄ
が配設されている。前記受部片２０ａ乃至２０ｄ
のボールにより下面が支持されて展示台１内より
外部に引き出される左右方向に水平移動可能な可
動床２３は角パイプを横長方形状に連結し、かつ
中間部に補強杆２５を設けて成る台枠２６の上面
にこの台枠２６とほヾ等しい大きさを有した載置
板２７を固着して構成され、前記台枠２６の左右
方向に平行に延びる前後の枠杆２４ａ及び２４ｄ
の各下面を前記受部片２０ａ乃至２０ｄの各ボー
ルにより支持するとともにその外側面を夫々前記
案内ローラ２２ａ乃至２２ｄに当接することによ
り可動床２３は展示台１内に左右方向に摺動可能
に装備される。前記左右の支柱４ａと４ｂ及び４
ｃと４ｄとの間には、内面板２８ａ，２８ｂが横
架され、これが前記載置板２７の前後端縁部を覆
うように載置板２７の上面で内方に張り出してお
り、また前記横杆８ａ，８ｂの外側面には、夫々
下端がねじ止めされて上方に延びかつ前記載置板
２７の左右縁縁部を覆うように載置板２７の上面
で内方に張り出す覆口部２９′を上部に延設した
前記可動床の出入口を閉鎖する封口板２９ａ，２
９ｂが設けてある。なお３０ａ，３０ｂは前記左
右側板６ｂ，６ｃを展示台１に施錠する錠部材、
３１，３１は展示台１の上部前後位置に架設され
た照明灯、３２，３２は前記取付枠９に支持さ
れ、照明灯３１，３１からの光線を載置板２１方
向に反射する反射板、３３，３３は支板３４，３
４を介して展示台１の前後位置に取付けられ横方
向に延びる手すり板である。また図示しないが載
置板２７の上面と内面板２８ａ，２８ｂの内面
と、封口板２９ａ，２９ｂの覆口部２９′，２
９′の内面とに夫々フエルトなどの化粧布が張設
されている。

しかして展示台１より展示物を交換する場合な
どにおいては、展示物の交換に都合のよい例えば
左側板６ｂを解錠により開被し、次いでこれと対
向する封口板２９ａを横杆１８ａから取り外し、
この状態で可動床２３の左枠杆２４ｂを左方に引
く。すると可動床２３は受部材２０ａ乃至２０ｂ
のボール及び案内ローラ２２ａ，２２ｂの転動に
より円滑に側方に移動して可動床２３の載置板２
７は展示台１の外部に大きく引き出され、この状
態で展示物の交換などが行なわれる。この場合可
動床２３全体の重心が展示台１の外方に位置して
可動床１が傾動しようとしても、この傾動は載置
板２７と内面板２８ａ，２８ｂの下面との当接に
より阻止され、可動床２３が転倒することはな
い。そしてこの状態から可動床２３の左枠杆２４
ｂを右方向に押圧すると、可動床２３は右側方に
移動し、台枠２６の右側端と右封口板２９ｂとの
当接位置まで移動して可動床２３は展示台１内に
収納され、この状態で左封口板２９ａを横杆１８
ａにねじ止めし、かつ左側板６ｂを閉じて施錠す
るものである。

考案の効果 以上の様に本願によれば、箱状に構成され、そ
の少なくとも一側面を開閉可能にした展示台の上
部に透明板から成る覆体を固設し、かつ前記展示
台内に、前記一側面の開披状態でその開口面より
引出しできるように展示物載置用の可動床を摺動
可能に装備せしめて成るので、展示物の交換など
の作業が容易に行うことができて使用に便利であ
ると共に、覆体を展示台上に固設して外部から展
示物の交換などを行う方法が全く知得できない構
成としたので盗難防止の信頼性の高い製品を提供
できるという利点を有す。

【図面の簡単な説明】

図面は本願の実施例を示し、第１図は斜視図で
示す本願装置の概略図、第２図は縦断面図、第３
図は他の縦断面図である。 図中１は展示台、１６は覆体、２０は受部片、
２２は案内ローラ、２３は可動床、２６は台枠、
２７は載置板である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 箱状に形成され、その少なくとも一側面を開
   閉可能にした展示台上部に、透明板から成る覆
   体を固設し、かつ、前記展示台内に、前記一側
   面の開披状態でその開口面より引き出しできる
   展示物載置用の可動床と、この可動床を摺動可
   能に案内支持する受部片とを装備して成る展示
   装置。 (2) 可動床が、台枠の上面に載置板を取り付けて
   成る実用新案登録請求の範囲第１項記載の展示
   装置。 (3) 可動床の摺動を、展示台内の前後位置に配設
   されて可動床の下面を支持するボールを有した
   受部片と、展示台内に配設されて可動床の側面
   と当接する水平回転自在の案内ローラとにより
   行う実用新案登録請求の範囲第１項または第２
   項記載の展示装置。