JP3286488B2 - 自動製氷機の給水装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は自動製氷機の給水装置に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に自動製氷機では、一度に製氷でき
る量が限られているので、製氷部に対する給水は何回か
に分けて行なわれる。このような給水を行なう装置とし
て、実開平４−２３９９２号に記載されているものがあ
る。この従来例は図４に示すように給水箱１０１と、こ
の給水箱１０１から水を受ける水受皿１０４と、浄水フ
ィルタ１０７と、電動ポンプ１０８、給水管１０９等か
らなっている。

【０００３】水を収容した給水箱１０１を逆さにして給
水弁１０３に水受皿１０４の予備室１０５において上方
に突出した給水弁受部１１１を当てるようにしてセット
すると、給水弁１０３が上方に移動し、給水箱１０１の
給水口１０２から水が予備室１０５へ供給される。その
際、浄水フィルタ１０７により残留塩素や不純物が取り
除かれる。

【０００４】電動ポンプ１０８は吸込管１０９につなが
る製氷部での製氷がなされ且つ離氷が行なわれると、コ
ントロール部からの動作指令に基いて一定時間（数秒
間）動作し、定量室１０６内の水を吸込管１０９を通じ
て製氷部側へ給水する。このとき、定量室１０６内の水
量（従って定量の水）が給水されるように浄水フィルタ
１０７としては水の透過性の悪いものが使用される。透
過性がよいと、電動ポンプ１０８が動作して水を吸い上
げている最中にも予備室１０５から水が浄水フィルタ１
０７を通して定量室１０６側へ流入するので、定量以上
の水を給水してしまう。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来例には以下のような問題点がある。即ち、まず水受皿
１０４の水位が給水口１０２の先端より低くなったとき
定量室１０６の水量が予め定めた水量より少なくなるの
で、吸い上げ時に定量の水を供給できなくなる。また、
吸い上げ動作後に予備室１０５に水が残っている場合は
時間をかけて浄水フィルタ１０７を通って定量室１０６
に流入するので、次の吸い上げ動作時に定量に満たない
水を吸い上げてしまう。

【０００６】更に、吸い上げ動作を繰り返すうちに、吸
い上げることが可能な水が無くなると、吸込口１１０と
定量室１０６の底部との間に水が残ってしまい、雑菌の
繁殖や水垢の発生等が生じ、衛生面でも良くない。

【０００７】本発明はこのような点に鑑みなされたもの
であって、浄水フィルタによって供給水の定量性を損な
わず、また吸い上げ動作により吸い上げることが可能な
水量がなくなったとき給水タンクに水が残らないように
した給水装置を提供することを目的とする。

【０００８】上記の目的を達成するため本発明では、給
水用の入口を設けた蓋部を有する給水タンクの底から水
を所定量ずつ吸い上げて給水するようにした自動製氷機
の給水装置において、前記所定量の水の水位よりも高い
位置に浄水フィルタを設けたことを特徴とする。

【０００９】この場合、浄水フィルタは前記蓋部の入口
から水を受けるように配設されたフィルタケースの底部
に設けられている。

【００１０】また、本発明では、給水タンクの底面に下
方にへこんだ凹部を設け、該凹部空間に吸い上げ手段の
吸込口を位置させている。

【００１１】

【作用】このような構成によると、給水タンクの水が残
り１回分の水量となったとき、その水量を次の吸い上げ
時に全て吸い上げ供給することができる。また、浄水フ
ィルタを介して水が流出してくるということがない。
尚、給水タンクの底面に凹部を設け、この凹部空間に吸
込口を位置させることにより、給水タンク内の水を残存
させることなく、確実に吸い上げることができる。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。本発明を実施した図１において、１は給水
タンクであり、２はその蓋部である。蓋部２にはタンク
１への給水用の入口３が設けられ、その入口３は栓２０
によって通常は閉成されている。

【００１３】２１は通気孔である。４は底面に浄水フィ
ルタ５を取り付けたフィルタケースであり、タンク１内
に図示の如く配設されている。このフィルタケース４は
蓋部２と一体に組み立てて蓋部２を引き上げることによ
ってタンクの外へ取り出すことができるようにしてもよ
く、そのようにすることによって浄水フィルタ５の取り
替えが容易となる。フィルタケース４は浄水フィルタ５
以外の部分からタンク１に水を流出することはない。

【００１４】タンク１の底面には下方にへこんだ凹部９
が設けられており、この凹部９の空間内に吸込管７の吸
込口６が配設される。吸込管７はパイプ結合部１０を介
してポンプ吸込管１１と連結している。電動ポンプ８は
給水管１２に連結しており、この給水管１２を介して後
述する製氷部へ水を供給する。

【００１５】電動ポンプ８は給水の必要が生じたときだ
け動作する。その動作は通常複数回行なわれる。浄水フ
ィルタ５の取り付け位置は一度の給水によって吸い上げ
られることの可能な所定量の水の水位１３よりも上に選
ばれている。

【００１６】このように構成されているので、入口３か
らタンク１に給水された水はフィルタケースに流入し、
さらに浄水フィルタ５を通ってタンク１に流入する。そ
して、電動ポンプ８を一定時間動作させることにより水
を吸込口６から吸い上げて製氷部へ供給する。

【００１７】何回も給水を繰り返していくと、タンク内
の水は図１に示す水位１３以下になる。そして、最後の
吸い上げ動作により、この水は一度に吸い上げられる。
この最後の吸い上げが行なわれた後に、浄水フィルタ５
を通して水がタンク１へ流入されてくるということもな
い。尚、凹部９によって最後の吸い上げ時の水を殆ど残
存しないように吸い上げることができる。

【００１８】図２は本発明の他の実施例を示しており、
図１と同一の部分には同一の符号を付している。この実
施例では、給水タンクの底が、すり鉢状にへこんだ凹部
９’となっている点で図１の実施例と相違しているだけ
であり、他は同じ構成である。

【００１９】図３は上記図１の給水装置を冷蔵庫に用い
た例を示している。図中、図１と同一の部分には同一の
符号を付してある。１７は冷蔵室である。１８は製氷部
を成す冷凍室であり、製氷皿１４、貯氷箱１５、離氷ユ
ニット１６等を備えている。前記給水管１２は、この冷
凍室１８へ突出しており、製氷皿１４へ水を給水できる
ようになっている。１９は野菜室である。

【００２０】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、浄
水フィルタの取り付け位置が給水動作時に給水量の定量
性に影響を与えない位置にあるため最終的に定量でない
水が残ったとしても、その水は１回の給水動作だけで吸
い上げることができ、効率が良い。また、給水タンクの
底面に凹部を設けて、その凹部に吸込口を位置させる
と、タンクに水を残さないように、きれいに水を吸い上
げることが可能となり、雑菌の繁殖や水垢の発生等を抑
えることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を実施した給水装置の断面図。

【図２】本発明の給水装置の他の実施例の断面図。

【図３】図１の給水装置を冷蔵庫の自動製氷装置用に用
いた例を示す冷蔵庫の断面図。

【図４】従来の給水装置の断面図。

【符号の説明】

１ 給水タンク２ 蓋部 ３ 入口 ４ フィルタケース ５ 浄水フィルタ ６ 吸込口 ９、９’ 凹部

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 給水用の入口を設けた蓋部を有する給水
   タンクの底から水を所定量ずつ吸い上げて給水するよう
   にした自動製氷機の給水装置において、前記所定量の水
   の水位よりも高い位置に浄水フィルタを設けたことを特
   徴とする給水装置。
2. 【請求項２】 前記浄水フィルタは前記蓋部の入口から
   水を受けるように配設されたフィルタケースの底部に設
   けられていることを特徴とする請求項１に記載の給水装
   置。
3. 【請求項３】 前記給水タンクの底に下方にへこんだ凹
   部を設け、該凹部空間に吸い上げ手段の吸込口を位置さ
   せたことを特徴とする請求項１又は請求項２に記載の給
   水装置。