JP3286089B2 - 戸 板 - Google Patents

戸 板

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JP3286089B2
JP3286089B2 JP21226494A JP21226494A JP3286089B2 JP 3286089 B2 JP3286089 B2 JP 3286089B2 JP 21226494 A JP21226494 A JP 21226494A JP 21226494 A JP21226494 A JP 21226494A JP 3286089 B2 JP3286089 B2 JP 3286089B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、引き戸としても、開
き戸としても用いられる戸板に関し、更に詳しくは、建
物の開口部の水平方向寸法のわずかな寸法差を吸収でき
る引き戸、開き戸兼用の戸板に関する。
【0002】
【従来の技術】建物内においては、壁に開口部を設けて
出入口としたり、開口部の奥側を収納空間として利用
し、その収納空間の開閉を行うための戸板を設けること
は、ごく一般的に行われている。図8ないし図11を用
いて、更に具体的に説明する。ここで使用する図8ない
し図11は、建物の壁に設けた開口部と、その開口部の
開閉を行うための戸板との関係を示すための水平方向の
概念図である。
【0003】従来より、建物の設計単位を予め定め、そ
の1単位を基準として様々な設計を行う技術は、広く一
般に行われている。図8に示す「M」は、その設計単位
の1単位とする。図8において示す例にあっては、建物
の壁を形成する躯体30に対し、1単位すなわちMの開
口部を設けることとしたものである。躯体30の実寸法
Kが存在するので、開口部31の実質的な寸法は、M−
2Kである。この開口部31に対して3枚の戸板32を
用いて開閉を行う場合、クリアランスCが4カ所に必要
なので、その戸板32の水平方向寸法N1は、N1=
((M−2K)−4C)/3となる。
【0004】図9において示す例にあっては、建物の壁
を形成する躯体30に対し、4/3Mの開口部31を設
けることとしたものである。すると、開口部31の実質
的な寸法は、4/3M−2Kである。この開口部31に
対し、4枚の戸板32を用いて開閉を行う場合、クリア
ランスCが5カ所に必要なので、その戸板32の水平方
向寸法N2は、N2=((4/3M−2K)−5C)/
4となる。ここで戸板32とは、ここでは詳しい図示を
省略するが、板状の鏡板と、その鏡板の周縁に固定され
て戸板の開閉操作を行うための部材とを備えて形成され
たものである。
【0005】図10において示す例にあっては、建物の
壁を形成する躯体30に対し、5/3Mの開口部31を
設けることとしたものである。すると、開口部31の実
質的な寸法は、5/3M−2Kである。この開口部31
に対して5枚の戸板32を用いて開閉を行う場合、クリ
アランスCが6カ所に必要なので、その戸板32の水平
方向寸法N3は、N3=((5/3M−2K)−6C)
/5となる。
【0006】図11において示す例にあっては、建物の
壁を形成する躯体30に対し、2Mの開口部31を設け
ることとしたものである。すると、開口部31の実質的
な寸法は、2M−2Kである。この開口部31に対して
6枚の戸板32を用いて開閉を行う場合、クリアランス
Cが7カ所に必要なので、その戸板32の水平方向寸法
N4は、N4=((2M−2K)−7C)/6となる。
【0007】ここで、各開口部31に対して、戸板32
の枚数をそれぞれ3、4、5、6枚としたのは、戸板3
2のデザイン面や仕様面からの適正寸法に近づけるため
である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記記載によ
り説明した技術には、戸板32の水平方向寸法が各場合
によってすべて異なってしまうので、各場合に合わせて
すべて異なった寸法N1,N2,N3,N4の戸板32
を用意しなければならないという問題点があった。例え
ば、M=1365ミリメートル、C=3ミリメートルと
すると、N1=412.7ミリメートル、N4=43
2.3ミリメートルとなり、その差は、19.6ミリメ
ートルにもなってしまっていた。
【0009】本発明が解決すべき課題は、建築単位を基
準として複数種類の開口部を設計した場合の開口部の開
閉を行うための引き戸、開き戸兼用の戸板であって、そ
の水平方向寸法を開口部の種類に応じて変化させること
ができる戸板を提供することにある。ここで、請求項1
記載の発明の目的は、開口部の開閉を行うための戸板で
あって、その水平方向寸法を開口部の種類に応じて変化
させることができるとともに、引き戸、開き戸として兼
用して用いることができる戸板を提供することによっ
て、上記課題を解決することである。
【0010】また、請求項2記載の発明の目的は、更
に、外観品質を向上させた引き戸、開き戸兼用の戸板を
提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記した目的
を達成するためのものである。請求項1記載の戸板は、
板材たる鏡板(10)と、その鏡板(10)の少なくとも一側部
に固定される断面形状が一様な長尺材たる枠材(20)とを
備えて形成され、建物内の開口部に対して移動させるこ
とによって開口部を開閉するための引き戸、開き戸兼用
の戸板であって、枠材(20)は、長手方向に垂直な断面形
状が鏡板(10)の水平方向の一の側部を呑み込んで鏡板(1
0)に枠材(20)を固定させることができる形状である鏡板
呑み込み部(21)と、開口部の外側に位置し、戸板を移動
させて開口部を開閉させる際に手掛かりとなるための把
手部(26)とを備え、鏡板呑み込み部(21)は、鏡板(10)に
おける開口部内側に面する面材(12)の端部に当接する裏
平面当接部(22)と、鏡板(10)における開口部外側に面す
る面材(12)の端部に当接する表平面当接部(23)と、裏平
面当接部(22)および表平面当接部(23)に連続し、鏡板(1
0)における側端面に当接する側端面当接部(24)とによっ
て長手方向に垂直な断面形状をコ字状とされ、鏡板(10)
の呑み込み長さを長短させることができるように形成さ
れ、前記把手部(26)の手掛かりは、鏡板呑み込み部(21)
の反鏡板(10)側で当該戸板と隣接する戸板の枠材(20)と
当接する隣当接部(25)と鏡板呑み込み部(21)の表平面当
接部(23)との間に断面形状を湾曲させて形成されている
ことを特徴とする。
【0012】請求項2記載の戸板は、請求項1記載の戸
板を技術的に限定したものであり、枠材(20,20) は、セ
ルロース系材料の微粉末の表面にこの微粉末よりも小径
で、かつ硬い微粉末を担持させて作成した粉体を混合し
た樹脂を着色成形することによって木目模様を呈するよ
うに形成したことを特徴とする。
【0013】
【作用】請求項1記載の戸板は、以下のようにして組み
立てられる。枠材(20)の鏡板呑み込み部(21)に対し、鏡
板(10)の側端部を呑み込ませ、戸板全体の水平方向寸法
が適切となる呑み込み長さとなるところで、鏡板(10)に
対し二つの枠材(20,20) を固定させる。
【0014】鏡板呑み込み部(21)は、鏡板(10)の呑み込
み長さを長短させることができるので、鏡板(10)の水平
方向寸法が開口部の水平方向寸法に対して多少ずれてい
ても、鏡板(10)の切り落としや交換を行わなわずに、そ
の開口部を閉塞させることができる。戸板を移動させて
開口部を開閉させるには、開口部の外側に位置する把手
部(26)を手掛かりとして行う。
【0015】請求項2記載の戸板の枠材(20)は、セルロ
ース系材料の微粉末に無機材料の微粉末を打ち込んで作
製した粉体を混合した樹脂を成形して形成しており、木
目模様を呈しているので、木目模様を見ることができ
る。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例及び図面に基づいて、
更に詳しく説明する。ここで使用する図面は、図1乃至
図7である。図1は、本発明に用いる枠材の長手方向に
垂直な断面図である。図2は、本発明の戸板の一実施例
を示すための水平断面図である。図3および図4は、本
発明の戸板の一実施例を示すための斜視図である。図5
ないし図7は、本発明の戸板の鏡板と枠材との関係を示
すための正面図である。
【0017】本実施例は、板材たる鏡板10と、その鏡
板10の少なくとも両側部に固定される断面形状が一様
な長尺材たる枠材20とを備えて形成され、建物内の開
口部に対して移動させることによって開口部を開閉する
ための戸板である。図3および図4に示す例にあって
は、2本の枠材20が鏡板10の両側部にのみ固定さ
れ、図6および図7に示す例にあっては、4本の枠材2
0は、鏡板10の周囲に固定される。
【0018】鏡板10は、図2に示すように、四角枠状
に形成された芯材11と、その芯材11の両面に固定さ
れる薄板状の面材12,12とから形成されている。枠
材20は、長手方向に垂直な断面形状がコ字形であっ
て、鏡板10の水平方向の一の側部を呑み込んで鏡板1
0に枠材20を固定させるための鏡板呑み込み部21
と、開口部の外側に位置し、戸板を移動させて開口部を
開閉させる際に手掛かりとなるための把手部26とを備
えて形成されている。
【0019】鏡板呑み込み部21は、鏡板10における
開口部内側に面する面材12の端部に当接する裏平面当
接部22と、鏡板10における開口部外側に面する面材
12の端部に当接する表平面当接部23と、裏平面当接
部22および表平面当接部23に連続し、鏡板10にお
ける側端面に当接する側端面当接部24とによって長手
方向に垂直な断面形状をコ字形としている。そのため、
図3および図4を比較すれば明らかなように、鏡板10
の呑み込み長さを長短させることができる。
【0020】鏡板呑み込み部21の反鏡板10側には、
当該戸板と隣接する戸板の枠材20と当接する隣当接部
25を形成している。そして、その隣当接部25と表平
面当設部23との間には、断面形状を湾曲させた把手部
26を形成している。図6および図7に示す例にあって
は、4本の枠材20は、鏡板10の周囲に固定される。
【0021】図6では、枠材20の長手方向端部を45
度カットとして、いわゆる留めによって固定される。一
方、図7では、枠材20の縦材勝ちして固定する。この
とき、横材となる枠材20においては、図1に示す切断
線27によって枠材20を切断し、鏡板10の開口部外
側の面材12と枠材20の裏平面当設部22とが当接す
るように、鏡板10の開口部内側の面材12と枠材20
の表平面当設部23とが当接するように、鏡板10の上
下端部を呑み込ませる。これによって、戸板の上下に
は、開口部外側にも内側にも把手部26によって形成さ
れた突出部分がなく、すっきりした外観が得られる。
【0022】戸板は、躯体の開口部に対して開閉自在で
あるように取り付けられるが、この場合に戸板が引き戸
であってもよいし、あるいは開き戸であってもよい。い
ずれの場合も、引き戸用、開き戸用の手掛かり部分をも
つ把手部26によって、戸板を開口部において開閉する
ことができる。なお、該戸板が開き戸である場合、枠材
20の裏平面当設部22に蝶番を固定すればよい。上記
実施例の戸板は、以下のようにして組み立てられる。枠
材20の鏡板呑み込み部21に対し、鏡板10の側端部
を呑み込ませ、戸板全体の水平方向寸法が適切となる呑
み込み長さとなるところで、鏡板10に対して枠材2
0,20を固定させる。その固定は、裏平面当接部22
側から皿ビスを用いて行う。
【0023】鏡板呑み込み部21は、鏡板10の呑み込
み長さを長短させることができるので、鏡板10の水平
方向寸法が開口部の水平方向寸法に対して多少ずれてい
ても、鏡板10の切り落としや交換を行わなわずに、そ
の開口部を閉塞させることができる。また、従来の技術
の説明で用いた図8ないし図11に示すような場合の鏡
板であっても、同一寸法の鏡板10を用いることができ
る。そうすれば、部品の種類を減らし、部品管理の手間
なども軽減できる。
【0024】戸板を移動させて開口部を開閉させるに
は、開口部の外側に位置する把手部26を手掛かりとし
て行う。図1に示した枠材20は中実であり、図2ない
し図4に示した枠材20は中空であるが、どちらでもよ
い。上記実施例では、枠材20は、長手方向に直角な断
面形状が同一であり、木目模様を有する熱可塑性樹脂の
押し出し成型(射出成形)にて形成する。具体的には、
セルロース系材料の微粉末に無機材料の微粉末を打ち込
んで作成した粉体を混合した樹脂を成形することによっ
て木目模様を呈するように形成する。ここで、「セルロ
ース系材料」とは、木粉である。「無機材料」とは、酸
化チタン、フェライト、アルミニウム、ニッケル、銀な
どの金属材料、またはセラミック等の非金属材料であ
る。しかし、枠材20の形成手段についてはこれに限ら
れるものではなく、木材を材料に加工しても形成でき
る。
【0025】次に、上記した実施例の効果について説明
する。上記実施例によれば、建築単位を基準として複数
種類の開口部を設計した場合の開口部の開閉を行うため
の戸板であって、その水平方向寸法を開口部の種類に応
じて変化させることができる戸板を提供することができ
た。また、枠材20に木目模様を見ることができるの
で、見栄えがよい戸板を提供することができた。枠材2
0の色調と鏡板10の面材12の色調とを組み合わせれ
ば、全体を木目調とした戸板を提供できる。
【0026】
【発明の効果】請求項1記載の戸板によれば、建築単位
を基準として複数種類の開口部を設計した場合の開口部
の開閉を行うための戸板であって、その水平方向寸法を
開口部の種類に応じて変化させることができる引き戸、
開き戸兼用の戸板を提供することができた。請求項2記
載の戸板によれば、更に、枠材に木目模様を見ることが
できるので、見栄えがよい引き戸、開き戸兼用の戸板を
提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に用いる枠材の長手方向に垂直な断面
図である。
【図2】 本発明の戸板の一実施例を示すための水平断
面図である。
【図3】 本発明の戸板の一実施例を示すための斜視図
である。
【図4】 本発明の戸板の一実施例を示すための斜視図
である。
【図5】 本発明の戸板の鏡板と枠材との関係を示すた
めの正面図である。
【図6】 本発明の戸板の鏡板と枠材との関係を示すた
めの正面図である。
【図7】 本発明の戸板の鏡板と枠材との関係を示すた
めの正面図である。
【図8】 建物の壁に設けた開口部と、その開口部の開
閉を行うための戸板との関係を示すための水平方向の概
念図である。
【図9】 建物の壁に設けた開口部と、その開口部の開
閉を行うための戸板との関係を示すための水平方向の概
念図である。
【図10】 建物の壁に設けた開口部と、その開口部の
開閉を行うための戸板との関係を示すための水平方向の
概念図である。
【図11】 建物の壁に設けた開口部と、その開口部の
開閉を行うための戸板との関係を示すための水平方向の
概念図である。
【符号の説明】
10 鏡板 11 芯材 12 面材 20 枠材 21 鏡板
呑み込み部 22 裏平面当接部 23 表表
面当接部 24 側端面当接部 25 隣当
接部 26 把手部 27 切断
線 30 躯体 31 開口
部 32 戸板

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板材たる鏡板と、 その鏡板の少なくとも一側部に固定される断面形状が一
    様な長尺材たる枠材とを備えて形成され、 建物内の開口部に対して移動させることによって開口部
    を開閉するための引き戸、開き戸兼用の戸板であって、 枠材は、長手方向に垂直な断面形状が鏡板の水平方向の
    一の側部を呑み込んで鏡板に枠材を固定させることがで
    きる形状である鏡板呑み込み部と、 開口部の外側に位置し、戸板を移動させて開口部を開閉
    させる際に手掛かりとなるための把手部とを備え、 鏡板呑み込み部は、鏡板における開口部内側に面する面
    材の端部に当接する裏平面当接部と、鏡板における開口
    部外側に面する面材の端部に当接する表平面当接部と、
    裏平面当接部および表平面当接部に連続し、鏡板におけ
    る側端面に当接する側端面当接部とによって長手方向に
    垂直な断面形状をコ字状とされ、鏡板の呑み込み長さを
    長短させることができるように形成され、 前記把手部の手掛かりは、鏡板呑み込み部の反鏡板側で
    当該戸板と隣接する戸板の枠材と当接する隣当接部と鏡
    板呑み込み部の表平面当接部との間に断面形状を湾曲さ
    せて形成されていることを特徴とする戸板。
  2. 【請求項2】 枠材は、セルロース系材料の微粉末の表
    面にこの微粉末よりも小径で、かつ硬い微粉末を担持さ
    せて作成した粉体を混合した樹脂を着色成形することに
    よって木目模様を呈するように形成したことを特徴とす
    る請求項1記載の戸板。
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