JP3284846B2 - バックドア車のルーフ取付構造 - Google Patents

バックドア車のルーフ取付構造

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JP3284846B2 JP24213495A JP24213495A JP3284846B2 JP 3284846 B2 JP3284846 B2 JP 3284846B2 JP 24213495 A JP24213495 A JP 24213495A JP 24213495 A JP24213495 A JP 24213495A JP 3284846 B2 JP3284846 B2 JP 3284846B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はバックドア車のル
ーフ取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のバックドア車のルーフ取付構造と
しては、例えば図7〜図10に示すようなものが知られ
ている(類似技術として、特開平1−182176号公
報参照)。
【0003】図7は「バックドア車」としてのワゴン車
を示すもので、このワゴン車の後端部には荷物等を出し
入れするための開口部1が形成されており、該開口部1
に上開き自在なバックドア2が取付けられている。この
ワゴン車のルーフ3の左右両端部3aには、前後方向に
沿うドリップ溝4が各々形成されている(尚、図では左
側構造だけを代表して示している)。このドリップ溝4
は、それぞれ下向きに段形成されたルーフ3の左右両端
部3aと、リヤピラーアウタ5の対応端部5aとを結合
することにより形成されている。
【0004】また、ルーフ3の後縁部6の下面にはルー
フレールレインフォース7が取付けられている。ルーフ
レールレインフォース7の左右両端付近には、バックド
ア2を回動支持するヒンジ(図示省略)を取付けるため
のヒンジ取付部8(図8参照)が設けられている。
【0005】一方、左右のリヤピラーインナ9の間に
は、ブレース10を介して、ルーフレール11が設けら
れており、前記ルーフレールレインフォース7はこのル
ーフレール11に上側から取付けられる。ルーフレール
11には取付作業(溶接作業)を行うための作業開口1
2が設けられている。
【0006】このような構造の車体の組立手順として
は、図10に示すように、まず、ルーフ3にルーフレー
ルレインフォース7を取付けてルーフ3側の構造を予め
完成させておき、それをリヤピラーアウタ5、リヤピラ
ーインナ9、ブレース10、ルーフレール11等から成
る車体側の構造に、最終的に組付ける。すなわち、ルー
フ3の左右両端部3aをリヤピラーアウタ5の対応端部
5aにスポット溶接すると共に、ルーフレールレインフ
ォース7をルーフレール11にスポット溶接する。車体
側構造に対するルーフ3側構造の左右方向における取付
精度により、車体後端部における開口部1の左右方向サ
イズが決定されるため、前記ルーフ3側の構造の最終取
付作業は特に慎重に行われる。
【0007】ルーフ3側の構造を車体側構造に取付けた
状態で、ルーフレールレインフォース7とルーフレール
11により高剛性の閉断面Hが形成されるため、ルーフ
レールレインフォース7に設定されたヒンジ取付部8に
バックドア2を取付けることにより、該バックドア2の
十分な取付強度が得られる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の技術にあっては、ルーフ3及びルーフレール
レインフォース7を、リヤピラーアウタ5やルーフレー
ル11に取付ける際に、正確な左右方向サイズの開口部
1を得るために、取付作業を慎重に行う必要があり、作
業効率の面で不利である。
【0009】この発明はこのような従来の技術に着目し
てなされたものであり、ルーフ側構造の左右方向での正
確な位置決めを容易に行うことができるバックドア車の
ルーフ取付構造を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
ルーフレールレインフォースの左右両端部から、先端が
ルーフの左右両端部に接合される延長部を斜め上方へ向
けて形成すると共に、該延長部の先端を水平に曲折し、
前記ルーフレールレインフォースの左右両端部と前記延
長部との曲折部及び前記延長部とその先端との曲折部に
リブをそれぞれ形成し、且つ、前記延長部の先端に下向
きの切起しを形成し、該切起しをリヤピラーアウタの対
応端部に形成したスリットに挿入させた状態で、ルーフ
の左右両端部及び延長部の先端をリヤピラーアウタの対
応端部に対して取付けたものである。
【0011】この請求項1記載の発明によれば、ルーフ
レールレインフォースの左右両端部からルーフの左右両
端部に接合される延長部を形成すると共に、その延長部
の先端に形成した切起しを、リヤピラーアウタの対応端
部に形成したスリットに挿入させるため、ルーフ及びル
ーフレールレインフォースの左右方向での位置決めを正
確且つ容易に行える。そして、ルーフレールレインフォ
ースの左右両端部と延長部との曲折部、及び延長部とそ
の先端との曲折部に形成されたリブによりその部分の剛
性が高められる。
【0012】請求項2記載の発明は、ルーフの左右両端
部とリヤピラーアウタの対応端部とでドリップ溝が形成
されている。
【0013】この請求項2記載の発明によれば、ルーフ
の左右両端部とリヤピラーアウタの対応端部とでドリッ
プ溝を形成するため、延長部の先端がドリップ溝の底部
に位置することとなり、延長部の先端とルーフの左右両
端部との接合点(スポット溶接点)が目立たず、見映え
の点で優れる。
【0014】請求項3記載の発明は、ルーフレールレイ
ンフォースの左右両端部がルーフレールの左右両端部に
取付けられ、該ルーフレールレインフォースの左右両端
部からルーフの左右両端部に向けて延長部が形成されて
いる。
【0015】この請求項3記載の発明によれば、ルーフ
レールレインフォースの左右両端部がルーフレールの左
右両端部に取付けられるため、両者によって高剛性の閉
断面が形成されることとなり、ヒンジ取付部に取付けた
バックドアの取付強度が向上する。
【0016】請求項4記載の発明は、ルーフレールレイ
ンフォースの左右両端部を高い位置に形成してルーフレ
ールの左右両端部に取付けず、該ルーフレールレインフ
ォースの左右両端部からそのままルーフの左右両端部に
向けて延長部が形成されている。
【0017】この請求項4記載の発明によれば、ルーフ
レールレインフォースの左右両端部を高い位置に形成し
てルーフレールの左右両端部に取付けず、該ルーフレー
ルレインフォースの左右両端部からそのままルーフの左
右両端部に向けて延長部が形成されるため、延長部の長
さが短くなり、延長部の形成が容易になる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施形態
を図面に基づいて説明する。尚、従来と共通する部分に
は同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0019】図1〜図5は本発明の第1の実施形態を示
す図である。図1はルーフレールレインフォース13及
びルーフレール11のそれぞれ左側部分を示す図であ
る。ルーフレール11の左右両端部11a及び後端部1
1bはそれぞれ低い位置に形成されたフランジ形状をし
ており、前端部11cは高い位置に形成されたフランジ
形状をしている。このルーフレール11にはブレース1
0との溶接作業を行うための作業開口12が設けられて
いる。
【0020】このルーフレール11の上に取付けられる
ルーフレールレインフォース13の左右両端部13a及
び後端部13bもそれぞれ低い位置に形成されたフラン
ジ形状をしており、前端部13cは高い位置に形成され
たフランジ形状をしている。ルーフレールレインフォー
ス13の左右両側の後端部13b付近には、車体後端部
の開口部1に取付けられるバックドア(図示省略)を回
動支持するためのヒンジ取付部14がエンボス形成され
ている。
【0021】そして、ルーフレールレインフォース13
の左右両端部13aから斜め上方へ向けて延長部15が
一体形成されており、該延長部15の先端16は水平に
曲折されている。ルーフレールレインフォース13の左
右両端部13aと延長部15との曲折部、及び延長部1
5とその先端16との曲折部には、その部分の剛性を高
めるためのリブ15aが形成されている。延長部15の
先端16の後寄り位置には、下向きの切起し17が一体
形成されている。また、先端16の前寄り位置にはスポ
ット溶接点S用の領域が確保されている。
【0022】一方、リヤピラーアウタ5の対応端部5a
には、前記切起し17に対応するスリット18が形成さ
れている。このスリット18はルーフレールレインフォ
ース13の正確な取付位置に対応して精度良く形成され
ているもので、該スリット18に切起し17を挿入する
ことにより、ルーフレールレインフォース13の前後方
向及び左右方向での正確な位置決めが行えるようになっ
ている。
【0023】次に、このような構造の車体の組立手順を
説明する。図3に示すように、まず、ルーフ3にルーフ
レールレインフォース13を取付けてルーフ3側の構造
を予め完成させておく。すなわち、ルーフレールレイン
フォース13の後端部13bをルーフ3の後縁部6の下
面にスポット溶接すると共に、延長部15の先端16
を、ドリップ溝4の底部を形成するルーフ3の左右両端
部3aにスポット溶接する(図中の*印が先端16との
スポット溶接点Sを示す)。
【0024】次いで、前述のように一体化したルーフ3
及びルーフレールレインフォース13を、リヤピラーア
ウタ5の対応端部5a及びルーフレール11に取付け
る。まず、ルーフ3の左右両端部3aに溶接された先端
16に形成されている切起し17をスリット18に挿入
する。これにより、ルーフ3及びルーフレールレインフ
ォース13の前後方向及び左右方向での正確な位置決め
が行えるので、ルーフレールレインフォース13及びル
ーフレール11の各後端部11b、13bと、ルーフ3
の後縁部6の一部をスポット溶接して仮止めし、前記切
起し17とスリット18との係合による位置決め状態を
固定する。
【0025】そして、その後に、本格的な取付けを行
う。すなわち、ルーフ3の左右両端部3aとリヤピラー
アウタ5の対応端部5aとを前後方向に沿って連続的に
スポット溶接すると共に、ルーフレールレインフォース
13及びルーフレール11の対応する左右両端部13
a、11a、後端部13b、11b、前端部13c、1
1c同士をそれぞれ溶接する。これにより、ルーフ3及
びルーフレールレインフォース13の車体側構造への取
付けが完了する。ルーフ3の左右両端部3aとリヤピラ
ーアウタ5の対応端部5aとを溶接することによりドリ
ップ溝4が形成され、先端16をルーフ3の左右両端部
3aに溶接した際のスポット溶接点Sがドリップ溝4の
底部に位置するため、該スポット溶接点Sが目立たず、
見映えの点で優れる。
【0026】切起し17をスリット18に挿入すること
により、ルーフ3及びルーフレールレインフォース13
の特に左右方向における位置決めを高精度で行えるた
め、車体後部に形成されるバックドア用の開口部1の左
右方向サイズも正確となり、該開口部1にバックドアを
確実に取付けることができる。しかも、切起し17をス
リット18に挿入するだけで、簡単に正確な位置決めが
行えるため、作業効率も良い。更に、ルーフレールレイ
ンフォース13とルーフレール11により高剛性の閉断
面Hが形成され、且つヒンジ取付部14がエンボス形成
された形状をしているため、該ヒンジ取付部14にバッ
クドアを取付けることにより十分な取付強度が得られ
る。
【0027】図6は本発明の第2の実施形態を示す図で
ある。この実施形態では、ルーフレールレインフォース
19の左右両端部19aがルーフレール11の左右両端
部111aよりも上側に位置しており、このルーフレー
ルレインフォース19の左右両端部19aが、下側に位
置するルーフレール11の左右両端部11aに取付けら
れていない(尚、前端部と後端部同士は取付けられてい
る)。そして、このルーフレールレインフォース19の
左右両端部19aからそのままルーフ3の左右両端部3
aに向けて短い延長部20が形成されている。従って、
延長部20の長さが短い分、該延長部20を形成する作
業が容易になる。
【0028】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、ルーフレ
ールレインフォースの左右両端部からルーフの左右両端
部に接合される延長部を形成すると共に、その延長部の
先端に形成した切起しを、リヤピラーアウタの対応端部
に形成したスリットに挿入させるため、ルーフ及びフー
ルレールレインフォースの左右方向での位置決めを正確
且つ容易に行える。そして、ルーフレールレインフォー
スの左右両端部と延長部との曲折部、及び延長部とその
先端との曲折部に形成されたリブによりその部分の剛性
が高められる。
【0029】請求項2記載の発明によれば、ルーフの左
右両端部とリヤピラーアウタの対応端部とでドリップ溝
を形成するため、延長部の先端がドリップ溝の底部に位
置することとなり、延長部の先端とルーフの左右両端部
との接合点(スポット溶接点)が目立たず、見映えの点
で優れる。
【0030】請求項3記載の発明によれば、ルーフレー
ルレインフォースの左右両端部がルーフレールの左右両
端部に取付けられるため、両者によって高剛性の閉断面
が形成されることとなり、ヒンジ取付部に取付けたバッ
クドアの取付強度が向上する。
【0031】請求項4記載の発明によれば、ルーフレー
ルレインフォースの左右両端部を高い位置に形成してル
ーフレールの左右両端部に取付けず、該ルーフレールレ
インフォースの左右両端部からそのままルーフの左右両
端部に向けて延長部が形成されるため、延長部の長さが
短くなり、延長部の形成が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態に係るルーフレール
レインフォース及びルーフレールを示す斜視図。
【図2】図4中矢示SA−SA線に沿う断面図。
【図3】ルーフ及びルーフレールレインフォースを取付
ける状態を示す図2相当の断面図。
【図4】ルーフの後縁部の構造を示す平面図。
【図5】切起しをスリットに挿入する状態を示す斜視
図。
【図6】この発明の第2の実施形態を示す図2相当の断
面図。
【図7】従来例を示すワゴン車後部の斜視図。
【図8】図7中矢示DA方向から見たルーフの後縁部の
平面図。
【図9】図8中矢示SB−SB線に沿う断面図。
【図10】ルーフ及びルーフレールレインフォースを取
付ける状態を示す図9相当の断面図。
【符号の説明】
3 ルーフ 3a ルーフの左右両端部 4 ドリップ溝 5 リヤピラーアウタ 5a 対応端部 6 後縁部 11 ルーフレール 13、19 ルーフレールレインフォース 14 ヒンジ取付部 15、20 延長部 16 先端 17 切起し 18 スリット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−81867(JP,A) 実開 昭63−114777(JP,U) 実開 昭61−81477(JP,U) 実開 昭60−46480(JP,U) 実開 平2−149382(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 25/06 B62D 16/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ルーフの後縁部に沿ってバックドア用のヒ
    ンジ取付部を有するルーフレールレインフォースを設
    け、ルーフの左右両端部をリヤピラーアウタの対応端部
    に取付けると共に、ルーフレールレインフォースを左右
    のリヤピラーインナの間に設けられたルーフレールに取
    付けるバックドア車のルーフ取付構造において、 前記ルーフレールレインフォースの左右両端部から、先
    端がルーフの左右両端部に接合される延長部を斜め上方
    へ向けて形成し、該延長部の先端を水平に曲折すると共
    に、前記ルーフレールレインフォースの左右両端部と前
    記延長部との曲折部及び前記延長部とその先端との曲折
    部にリブをそれぞれ形成し、且つ、前記延長部の先端
    下向きの切起しを形成し、該切起しをリヤピラーアウタ
    の対応端部に形成したスリットに挿入させた状態で、ル
    ーフの左右両端部及び延長部の先端をリヤピラーアウタ
    の対応端部に対して取付けたことを特徴とするバックド
    ア車のルーフ取付構造。
  2. 【請求項2】 ルーフの左右両端部とリヤピラーアウタ
    の対応端部とでドリップ溝が形成されている請求項1記
    載のバックドア車のルーフ取付構造。
  3. 【請求項3】 ルーフレールレインフォースの左右両端
    部がルーフレールの左右両端部に取付けられ、該ルーフ
    レールレインフォースの左右両端部からルーフの左右両
    端部に向けて延長部が形成されている請求項1又は請求
    項2記載のバックドア車のルーフ取付構造。
  4. 【請求項4】 ルーフレールレインフォースの左右両端
    部を高い位置に形成してルーフレールの左右両端部に取
    付けず、該ルーフレールレインフォースの左右両端部か
    らそのままルーフの左右両端部に向けて延長部が形成さ
    れている請求項1又は請求項2記載のバックドア車のル
    ーフ取付構造。
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