JP3284530B2 - 移動ろ床式ろ過機におけるろ材の移送装置 - Google Patents

移動ろ床式ろ過機におけるろ材の移送装置

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JP3284530B2 JP09951195A JP9951195A JP3284530B2 JP 3284530 B2 JP3284530 B2 JP 3284530B2 JP 09951195 A JP09951195 A JP 09951195A JP 9951195 A JP9951195 A JP 9951195A JP 3284530 B2 JP3284530 B2 JP 3284530B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、移動ろ床式ろ過機に
おけるろ材の移送装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の移動ろ床式ろ過機におけ
るろ材の移送装置として、例えば、特公昭48−215
51号発明、特公昭53−42146号発明がある。こ
れらは何れもろ材を洗浄再生して循環させる移動ろ床式
のろ過装置に関するものであり、特公昭48−2155
1号発明では、目詰りしたろ材を移送するのに圧力水を
使用しており、また、特公昭53−42146号発明で
は、圧力空気を用いている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、特公昭4
8−21551号発明では、汚れたろ材を移送するのに
ポンプを用いており、このポンプはろ過槽の底部の高圧
に抗してろ材を上方に移送するために、高圧のポンプで
なければならず、また多量の洗浄水を必要とする。特公
昭53−42146号発明では一般的なエヤーリフトを
用いているが、ろ過槽の底部の高圧部位のろ材を持ち上
げるために高圧空気が必要で、特に、始動時には高圧で
多量の空気を必要とするため、通常運転に必要以上のコ
ンプレッサーが必要である。
【0004】また、上述の何れの発明に係る装置におい
ても、運転中にろ材の引抜き不良等が生じた場合、これ
を処置するには、運転を停止してろ材を槽外に取出さな
ければならない等の運転管理上の問題もある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、上述のよう
な課題を解決し得るものであって、その要旨とするとこ
ろは、ろ過槽に砂等の粒状のろ材を装填し、そのろ過槽
の中心部にろ材搬送用のリフト管を立設し、そのリフト
管の上端をろ過槽内に設けられてリフト管の周辺でろ過
槽に連通させた洗浄塔内で開口させ、その下端をろ過槽
の底部に設けた空気室の下部で開口させ、その空気室の
上部をろ過槽外の高圧空気源に、その底部をろ材層の上
方のろ液室にそれぞれ連通させるとともに、上記空気室
内には、リフト管を囲撓してその上端部が上記空気室と
連通し、その底部がリフト管の周辺においてろ過槽と連
通する内空気室を設け、さらに、リフト管の下端開口の
下方に、該開口を開閉調節することができるスピンドル
を設けたものである。
【0006】
【作用】この発明に係る装置は、上述のように構成して
あり、ろ材層の下層部に供給された原水は、ろ材層中を
上昇する間に夾雑物が捕捉され、ろ過槽の上部にろ液を
得ることができる。このろ液は系外に取り出され、一
方、ろ材層は、夾雑物によって下層部から次第に目詰り
する。
【0007】このようなろ過運転時に、空気室に高圧空
気を給気すると、内空気室に浸入していた原水の水位は
次第に低下する。そして、その水位がなおも低下してリ
フト管の下端開口部に達すると、空気室の空気と一諸に
リフト管内を上昇する。
【0008】これと同時にリフト管の下端開口近傍の原
水およびろ材層の上方のろ液が空気室、内空気室を経て
リフト管に流入し、リフト管の下方の汚れたろ材を巻き
込んで洗浄塔へと搬送する
【0009】このリフト管内を搬送されるろ材は、上昇
水流およびこれと一諸に上昇する高圧空気によって撹乱
され、その表面に付着した夾雑物等の目詰物が剥離され
る。そして、洗浄塔内に吐出した部位では、重いろ材は
沈降し、軽い夾雑物等は洗浄塔内で浮遊する。
【0010】そして、沈降するろ材に対しては、ろ過槽
からのろ液の上昇流が対向して作用し、夾雑物が剥離さ
れたろ材をすすぐとともに、このすすぎ水と前述剥離し
た夾雑物とを併せて洗浄塔から系外に取出される。
【0011】すなわち、ろ材層の下層部のろ材は、洗浄
されてその夾雑物が分離されたのち、ろ材層の上面に返
送され、再生されたろ材層を形成するものである。
【0012】一方、空気が放出されて原水およびろ液が
充満した内外の空気室には、継続して高圧空気が送られ
ており、充満した水位を押し下げて次回のろ材の洗浄再
生する態勢を形成する。すなわち、この発明に係るろ材
の洗浄装置は、間欠的な作動をするが、運転を停止する
ことはないものである。
【0013】また、この発明におけるスピンドルは、こ
れを上下することによって、リフト管の下部の開口度を
調節することができ、ろ材の搬送量、搬送時間を調節で
きるもので、ろ材の汚れ具合に応じて最も適切な搬送を
することができるものである。
【0014】また、このスピンドルは、これでリフト管
の下端開口を閉め切ることによって、空気室の高圧空気
をリフト管下方の最も目詰りしたろ材層中に吹き込むこ
とができ、従来目詰りした場合に対応処置が困難であっ
た引き抜部分のろ材の目詰り等のトラブルを簡単に解消
することができるものである。
【0015】また、空気室の底部とろ過槽のろ液室とを
結ぶ連通管は、ろ材の洗浄水を補うもので、ろ材の引抜
きを円滑にすることができるものである。以下、図面に
基づいてこの発明を具体的に説明する。
【0016】
【実施例】図において、符号1はろ過槽、2はその中心
部に立設したリフト管であり、その上端は、ろ過槽1内
にこれと区画して設けた洗浄塔3内で開口させてあり、
その下端は、ろ過槽1の底部に設けた空気室4を貫通さ
せて底部で開口させてある。
【0017】この空気室4内には、同心状に内空気室5
が形成してあり、その内空気室5と空気室4とは、内空
気室の上縁部で連通させてあり、内空気室5の底部は、
リフト管2の下方においてろ過槽1に連通させてある。
また、内空気室5の外周辺における空気室4の底部は閉
止されており、この底側部には、その上端がろ液室1a
内に開口するろ液の導通管6が開口させてあり、また、
空気室4の天井壁4aには、給気管7が開口させてあ
る。
【0018】前述の洗浄塔3は、その底部にリフト管2
を囲んでろ液室1aとの連通口3aを形成するととも
に、その底部にろ液面Hとヘッド差hをもたせて洗浄水
の排水管3bが設けてある。符号8は、連通口3aの下
方に設けたろ材13の分配板である。
【0019】また、図中符号9は、リフト管2の下端開
口の下方に設けたスピンドルであって、上下調節自在に
してあり、リフト管2の下端開口部を調節できるように
してある。尚、符号10は原水の供給管、11は原水の
分配管、12は原水の分流板、13はろ材、13aはろ
材層を示すものである。
【0020】この発明に係る装置は、上述のように構成
してあり、供給管10から供給された原水は、ろ材層1
3aを上昇する間に含まれる夾雑物が捕捉されてそのろ
液がろ過槽上部に溜り、取出管1bから系外に取出する
ことができる。
【0021】上述のようなろ過運転をすると、ろ材層1
3aのその下層から目詰りするが、上述の運転開始と同
時に給気管7から高圧空気を空気室4に供給することに
よって、空気室4および内空気室5の水面が次第に押し
下げられる。そして、その水面がリフト管2の下端開口
に達すると、高圧空気がリフト管2内に流入し、リフト
管2の下端開口周辺の汚れたろ材13を巻き込んで上方
に搬送する。
【0022】このリフト管2への高圧空気の流入時に
は、空気室4および内空気室5には、給気管7からの供
給空気に打ちかって、導水管6からのろ液およびろ過槽
1の底部の原液が貯溜空気に代って浸入する。
【0023】このようにして、リフト管2中を搬送され
るろ材13は、リフト管2内で上昇空気および水流によ
って撹乱され、互に接触してその表面に付着した夾雑物
等が剥離洗浄され、リフト管2の上端から洗浄塔3内に
溢流する。
【0024】そして、水よりも重いろ材13は沈降して
連通口3aを通ってろ液室1aに返送され、連通口3a
を通過する際に、上昇するろ液によってすすがれた後分
配板8によって、ろ材層13aの上面に分配され、再生
したろ材層13aを形成する。一方、ろ材13から剥離
された軽い夾雑物等は洗浄塔3内に浮遊して排水管3b
から系外に排出される。
【0025】この発明では、上述のようにしてろ材層1
3aの底部の汚れたろ材13が上方に搬送されながら洗
浄され、洗浄されたろ材13のみがろ材層13aの上面
に分配され、再生されたろ材層13aを形成するこの循
環を返復するものである。一方、このようにろ材13を
循環させる搬送装置は、空気室4および内空気室5の空
気圧が一定以上に達したとき、自動的にろ材13を上方
に搬送する間欠的に作動するもので、小量空気を空気室
4および内空気室5に時間をかけて貯溜すればよいもの
で、供給する空気源は小型小容量のコンプレッサーでよ
いものである。
【0026】また、リフト管2の下方に設けたスピンド
ル9は、これを上下することで、リフト管2の下端開口
部と内空気室5およびろ過槽1との間隙を調節できるも
ので、ろ材13の搬送のタイミングおよび搬送力を調整
することができる。
【0027】また、スピンドル9は、これでリフト管2
の下端開口を閉止することによって、空気室4および内
空気室5の高圧空気を空気室4の下方のろ材層13a中
に噴出させることができ、リフト管2の下方のろ材13
が目詰り等した場合に、これを撹拌して正常化すること
ができる。従来、この種のろ材13のリフト装置では、
ろ材13の引抜き部に異常が生じた場合には、運転を停
止してろ材13を引き抜く等しなければならなかったの
であるが、この発明に係る装置は、運転を継続して然も
外部からの操作が可能なものである。
【0028】また、ろ材13の搬送洗浄時に、この発明
では、導水管6を設けてろ液を搬送洗浄に用いるので、
リフト管2の下端部で水量不足のために搬送力が不足等
することがなく、長時間の連続運転が可能である。
【0029】
【発明の効果】このように、この発明に係るろ材の移送
装置は、ろ材を移送するための高圧空気源であるコンプ
レッサーの動力が小さいもので済み、また、ろ材の移送
不良の事故が生じた場合等、ろ材を排出することなく外
部からの操作で正常な状態に回復させることができる
等、この種の従来装置の難点を全て解決し得るものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る移送装置の模式縦断面図であ
る。
【図2】同じく、他の実施例の模式縦断面図である。
【符号の説明】
1 ろ過槽 1a ろ液室 2 リフト管 3 洗浄塔 4 空気室 5 内空気室 9 スピンドル 13 ろ材 13a ろ材層
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 24/00 - 24/48

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ろ過槽1に砂等の粒状のろ材13を装填
    し、そのろ過槽1の中心部にろ材搬送用のリフト管2を
    立設し、そのリフト管2の上端をろ過槽内に設けられて
    リフト管2の周辺でろ過槽1に連通させた洗浄塔3内で
    開口させ、その下端をろ材層13aの底部に設けた空気
    室4の下部で開口させ、その空気室4の上部をろ過槽外
    の高圧空気源に、その底部をろ材層13aの上方のろ液
    室1aにそれぞれ連通させるとともに、上記空気室4内
    には、リフト管2を囲撓してその上端部が上記空気室4
    と連通し、その底部がリフト管2の周辺においてろ過槽
    1と連通する内空気室5を設け、さらに、リフト管2の
    下端開口の下方に、該開口を開閉調節することができる
    スピンドル9を設けてなる移動ろ床式ろ過機におけるろ
    材の移送装置。
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