JP3284133B2 - ヒト乳脂肪小球膜ムチン抗原の糖タンパク質を確認する単クローン性抗体 - Google Patents

ヒト乳脂肪小球膜ムチン抗原の糖タンパク質を確認する単クローン性抗体

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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は衛生認可(Health grand)No.CA39932および
S07 RR05929の国際研究所(National Institutes)のも
とでの政府基金援助(Government funding support)に
よって達成されたものである。
本発明はヒトがん腫の抗体に結合する単クローン性抗
体に関し、特に極めて大きい分子量のムチン状(mucin
−like)糖タンパク質複合体をヒト胸部がん腫細胞およ
び他の腺がんのがん腫細胞の表面および細胞質に特異的
に結合し、かつ試験流体における高濃度の抗体の場合を
除いて正常ヒト胸部上皮細胞の表面に選択的に結合しな
い単クローン性抗体に関する。
背景技術 単クローン性抗体は、正常ヒト胸部上皮細胞の表面に
存在する高分子ムチン状糖タンパク質複合体を確認する
のに開発されている(ペテルソン氏ほか、「Imperial C
ancer Research Fund」英国ロンドン、3月2〜3(198
1);タイロー−ペパデミトリュ氏ほか「Int.J.Cance
r」28:17〜21(1981);セリアニー氏ほか「Somatic Co
ll Genetics」9:415〜427(1983))。他の研究者は、
免疫感作剤(immunizing agent)としてヒト乳脂肪小球
を用いる単クローン性抗体を開発しており、(タイロー
−ペパデミトリュ氏ほか「Int.J.Cancer」28:17〜21(1
981);セリアニー氏ほか「Somatic Cell Genetics」9:
415〜427(1983):および免疫感作剤として異なる胸部
腫瘍細胞(ペパシデロ氏ほか「Cancer Research」43:17
41〜1747(1983);クーフェ氏ほか「Hybridoma」3:223
〜232(1984);フランケル氏ほか「J.Biol.Response M
od.」4:273〜286(1985);コルチャー氏ほか「Virchow
s Arch」394:279〜293(1982);エリス氏ほか「Histop
athology」8:501〜516(1984);およびアサル氏ほか
「Lencet」2:1〜11(1982)はムチン状糖タンパク質を
確認するのに定められている。これらの単クローン性抗
体は免疫原生成に影響されるが、約250,000ダルトン〜1
00万ダルトン以上にわたるムチン状糖タンパク質を確認
するために確かめられている(シミズ氏ほか「Biochem
J.」233:725〜730(1986))。
ヒト乳脂肪小球膜の高分子ムチン状糖タンパク質の生
化学研究において、これらの糖タンパク質が少なくとも
3種の異なる分子本体(moleculer entities)を示す少
なくとも3種の成分からなる複合体であることが提案さ
れている(ミズノ氏ほか「Biochem J.」233:725〜730
(1986)。それ故、ヒト乳脂肪小球膜のムチン状糖タン
パク質は、その大きさにより、無数のエピトープを予想
することのできる高分子複合体を示している。セリアニ
ー氏ほか「Somatic Cell Genetics」9:415〜427(198
3)に記載されている正常胸部上皮細胞および悪性胸部
細胞のムチン状糖タンパク質に結合する単クローン性抗
体が開発されている。更に、モルモット乳脂肪小球膜に
特異的な単クローン性抗体D−24は、良性腺繊維嚢胞疾
患およびヒト胸部の浸潤性管路がん腫(duct carcinom
a)における400,000ダルトン以上のムチン状タンパク質
の分布を確かめるのに用られている(グリーンワルト氏
ほか「Am.J.Pathol.」118:351〜359(1985)。
68,000ダルトン〜70,000ダルトンのヒト乳脂肪小球の
非ムチン状糖タンパク質成分を確認する抗体については
報告されている(イマム氏ほか「Concer Research」44:
2016〜2022(1984);ヘイド氏ほか「Biochem.Biophys.
Acta」728:228〜238(1983);およびジエンダー氏ほか
「胸部がんの診断および治療に対する免疫手段」(R.セ
リアニー氏編集)プレナム出版、ニューヨーク、33〜40
ページ(1987)。アミノ酸組成において僅かに異なるこ
れらの抗原は異なる抽出手段を用いて得られ、正常乳汁
分泌胸部の頂端を染色した。また、70,000ダルトンのタ
ンパク質は胸部がん患者の血清におい検出されている
(セリアニー氏ほか「Proc.Natl.Acad.Sci.USA」79:542
0〜5424(1982))。
正常ヒト胸部上皮細胞に、胸部がん細胞に、および他
の組織のある上皮細胞に結合する従来の単クローン性抗
体は開発されている。がん細胞の同定、診断、予後およ
び治療において、ヒト胸部がん腫細胞および他の組織の
あるがん腫細胞の表面および細胞質において発現する独
特のエピトープに選択的に結合し、かつ正常ヒト胸部上
皮細胞の表面に選択的に結合しない単クローン性抗体を
得るのが極めて有利である。
発明の開示 単クローン性抗体は、ヒト胸部がん細胞および他の腺
がんのがん腫細胞の表面および細胞質における新規なム
チン状糖タンパク質抗原に選択的に結合し、かつ試験流
体における高濃度の抗原の場合を除いて正常ヒト胸部上
皮細胞の表面に選択的に結合しない。単クローン性抗体
は副腎、嚢、膀胱、結腸、食道、リンパ節、心筋層、
筋、副甲状腺、甲状腺、卵巣、中皮および肝臓の正常組
織に結合しない。
単クローン性抗体によって確認された抗原はBrE3と名
づけられ、400,000ダルトン以上の高分子ムチン状糖タ
ンパク質を有することに特徴づけられている。BrE単ク
ローン性抗体の特異性は同定研究、および胸部がん種の
評価および治療における予後、診断および可能な治療適
用に有利である。
BrE3単クローン性抗体は免疫感作剤として正常脱脂ヒ
ト乳脂肪小球を用いるのに開発した。
発明を実施する最適モード 発明を実施する単クローン性抗体の開発には、一般に
コーラーおよびミルステイン氏「Nature」256:495〜497
(1975)に記載されている標準手順を用いた。宿主動物
はセリアニー氏3「Proc.Natl.Acad.Sci.USA」74:582〜
586(1977)に記載されているようにして作った完全脱
脂ヒト乳脂肪小球(HMFG)によって免疫した。宿主動物
をニュージーランド ブラック(NZB)マウスとし、温
置の適当な期間後、マウス脾臓を採取した。
しかる後に、採取した脾臓細胞をP3−X63−Ag8.653マ
ウス骨髄腫と周知のポリエチレン グリコール技術を用
いて融合した。本発明の単クローン性抗体を生ずるハイ
ブリドーマまたは雑種細胞系を同定するスクリーニング
を、固相放射線プレート結合検定、およびセリアニー氏
ほか「Sematic Cell Genetics」9:415〜427(1983)に
記載されている微量滴定プレート(microtiter plate)
のウエル(well)におけるHMFGおよびその成分を用いる
ELISAを用いて行った。これら後者のがん腫細胞系を染
色しない単クローン性抗体を確認し、その相対を生ずる
雑種細胞を分離した。この単クローン性抗体は抗−BrE3
として確認した。BrE3単クローン性抗体によって確認さ
れた抗原の分子量または7Mrはトラビン氏ほか「Proc.Na
tl.Acad.Sci.USA」76:4350〜4354)1979(に記載されて
いる。ウエスタン プロット試験(Western Blot tes
t)およびセリアニー氏ほか「Monoclonal Antibodies a
nd Functional Cell Lines」プレナム出版、ニューヨー
ク、398〜402(1984)に記載されている固相結合検定に
よって定めた。
ウエスタン プロット試験においては、HMFGを7%ポ
リアクリルアミド ゲル電気泳動により分離し、次いで
ニトロセルロース ペーパーにエレクトロ−プロットし
た(electro−blotted)。ニトロセルロースをストリッ
プにカットし、ストリップを単クローン性抗体と温置し
た。同時に、高分子量標準をゲルの平行ラーン(parall
el lanes)において行った。
固相結合検定においては、HMFGをラエミリーVK氏「Na
ture」227:680(1970)に記載されている7%ポリアク
リルアミドゲルにおいて電気泳動した。ゲル ラーン
(gel lane)をフラクションにスライスし、スライスを
溶離し、溶出液を微量滴定プレートにおいて乾燥した。
単クローン性抗体の結合は放射線免疫検定技術によって
試験した。HMFGをウエスタン プロット試験および固相
結合検定において電気泳動した場合に、単クローン性抗
体BrE3はポリアクリルアミド ゲルの供給源(origin)
においてだけに見出された材料を確認した。それ故、ム
チン状糖タンパク質抗原は供給源において残留する単ク
ローン性抗体BrE3によって同定し、ポリアクリルアミド
ゲルは浸透しなかった。次いで、HMFGを7%以下のポリ
アクリルアミド ゲル上で、上述する固相結合検定を用
いて電気泳動した。次いで、単クローン性抗体BrE3によ
って同定されたHMFGのムチン状糖タンパク質の分子量を
高分子量標準を用いて評価した。この抗原の分子量は40
0,000ダルトン以上と推定された。
BrE3単クローン性抗体を用いる胸部がん腫細胞または
分子を含有する体液の検定において、400,000ダルトン
以上の糖タンパク質分子に結合するほかに、また400,00
0ダルトン以下の分子量を示す糖タンパク質に結合を生
ずることを確定した。BrE3単クローン性抗体に結合する
高分子量ムチン状糖タンパク質抗原はフラグメントにな
るような体液に変性すると仮定されていた。BrE3単クロ
ーン性抗体は400,000以上の分子量の抗原および400,000
以上の分子量種の解体から生ずる小さい分子本体または
フラグメントにおいて共通のエピトープを確認できるよ
うに思われる。それ故、BrE3単クローン性抗体は400,00
0ダルトン以上の高分子量抗原に特異的に結合するか
ら、またかかる分子本体に結合した抗原の共通エピトー
プに結合することができる。この事は、高分子量抗原が
分子本体の複合体であるように思われることから、可能
である。
400,000ダルトン以上の高分子量または複合分子量抗
原についての他の研究を行った。上述するように調製し
たHMFG膜を、初めに0.3%トリトンX−100を含有するPB
Sに5mg/mの濃度で可溶化した。可溶化膜をBrE3単クロ
ーン性抗体に共有的に結合したセファロース ビーズ上
でアフィニティー クロマトグラフィーを行った。ビー
ズに結合した材料を2%ドデシル硫酸ナトリウム(SD
S)で溶離した。溶出材料を、還元剤としてメルカプト
エタノールを用いてまたは用いないで、SDSの存在で7
%ポリアクリルアミド ゲルにおいて処理し、ウエスタ
ンプロッティングのためのニトロセルロース シートに
移した。ムチン複合体から遊離した還元タンパク質は、
McR2により検出された69,000ダルトン抗原のようなBrE
単クローン性抗体によるアフィニティー クロマトグラ
フィによって分離することができたが(セリアニー氏ほ
か「Somatic Cell Genetics」9:415〜427(1983))、
しかしBrE3単クローン性抗体では分離できなかった。
抗−BrE3単クローン性抗体は69,000ダルトン タンパ
ク質を共沈し、69,000ダルトン タンパク質およびムチ
ン状糖タンパク質複合体をポリアクリルアミド ゲルの
供給源に非還元条件下で残留した。還元下で、69,000ダ
ルトン抗原は遊離し、69,000ダルトンにおいて主帯域を
有するダブレットとして移動した。
それ故、還元が物理的に閉じ込められた69,000ダルト
ン タンパク質を釈放するムチンを単にばらばらに破壊
する可能性について研究した。HMFGを0.3〜1.0%トリト
ンX−100、0.1〜2%SDS、1%SDS+8M尿素および6Mグ
アニジン塩酸塩を含有する緩衝液に溶解した。次いで、
HMFGをノイラミニダーゼおよびエンドー−N−アセチル
ガラクトースアミニダーゼで処理し、広範囲にわたって
音波処理した。これらの手段では69,000ダルトン タン
パク質がムチン状糖タンパク質複合体から遊離しなかっ
た。BrE3抗原と抗原被覆ビーズの共沈は、69,000ダルト
ン帯域が、実際に、ムチンと複合し、他の高分子量種が
複合しないことを示している。それ故、69,000ダルトン
タンパク質はジスルフィド結合によってムチンと共有
的に結合することが明らかである。
BrE3単クローン性抗体イソタイプはマウス免疫グロブ
リンキットを用いてIgGlと定められた。
BrE3単クローン性抗体を、組織結合特異性を更に特徴
づけるために、組織切片(histological sections)に
結合するため広範囲にわたって試験した。標準イムノペ
ルオキシダーゼ検定手段を正常およびがん性ヒト組織の
組織切片に結合するのに用いた。組織はバッティフォー
ラH氏「Lab Invest.」55:244〜248(1986)に記載され
るように多腫瘍細胞ブロックの形態に調製した。各組織
ブロックは腹膜または腸における組織を包装することに
よって、およびパラフィンに包理することによって固定
組織のストリップの収集から調製した。次いで、ブロッ
クを結合研究の用意のためにスライスした。この手段に
おいて、多数の異なる組織を単一染色によって評価し
た。
BrE3単クロール性抗体は特徴づけに用いられた胸部ブ
ロックは正常胸部組織からの21個の異なる検体試験体、
22個の腺腫、および33個の胸部がん腫を含有していた。
BrE3単クロール性抗体は試験したすべての試験組織を染
色した。
正常ヒト胸部上皮細胞のパラフィン切片におけるイム
ノペルオキシダーゼ染色によって行った試験において、
BrE3単クローン性抗体は単クローン性抗体の比較的に高
い濃度条件下を除いて、ヒト胸部上皮細胞の表面に選択
的に結合しないことを確かめた。一般に、単クローン性
抗体の管路の、正常胸腺の内腔に選択的に存在する分泌
物質を検出することができる。しかしながら、BrE3単ク
ローン性抗体は単クローン性抗体の有意に低い濃度にお
いてヒト胸部腫瘍細胞の表面に強く結合することを確か
めた。また、単クローン性抗体のかかる結合は試験した
胸部腫瘍細胞の細胞質において検出した。例えば、正常
胸部上皮細胞および胸部腫瘍細胞の比較試験において、
有意な結果についての腫瘍細胞に関連する単クローン性
抗体の所望とする濃度は、単クローン性抗体による染色
を検定するたの正常胸部上皮細胞に関連する単クローン
性抗体の所望とする濃度の少なくとも10分の1(1/10)
であった。一般に、BrE3抗原またはBrE3抗原を含有する
と思われるがん腫細胞から誘導した物質を含有すると思
われる胸部がん腫細胞のようなヒトがん腫細胞の生物学
的試料は、標識BrE3単クローン性抗体と接触させる。標
識抗体および抗原は、抗体と抗原との間に免疫複合体を
形成するのに十分な時間および条件下で接触させる。免
疫複合体は反応系から分離し、分析してBrE3抗原の存在
を定める。それ故、BrE3単クローン性抗体は試験試料に
おける単クローン性抗体の高濃度において正常ヒト胸部
細胞を染色でき、しかもヒト胸部腫瘍細胞を選択的に染
色し、しかも試験試料における抗体の比較的に低い濃度
において激しく染色する。BrE3単クローン性抗体のこの
結合特性は他の腺がんに適用して定めた。
BrE3単クローン性抗体は、正常ヒト胸部上皮細胞のイ
ムノペルオキシダーゼ染色によって、パラフィン切片に
おいて試験した。一般に、BrE3単クローン性抗体は管路
の、正常胸腺の内腔に選択的に存在する分泌物質を検出
した。これに対して、胸部腫瘍は、多くの場合、BrE3
クローン性抗体によって激しく染色し、ある場合には胸
部がん細胞の細胞質に染色した。大抵の腫瘍において、
正常胸部の管路における分泌物質を染色するのに要する
濃度の少なくとも10分の1(1/10)のBrE3単クローン性
抗体の濃度は胸部腫瘍細胞を著しく染色するのに十分で
あった。それ故、BrE3単クローン性抗体は試験流体にお
ける高濃度の抗体の場合を除いて、正常ヒト胸部上皮細
胞の表面に選択的に結合しなかった。
また、BrE3単クローン性抗体を、正常胸部組織または
胸部がん腫以外の異なる正常および腫瘍組織の大きいパ
ネルにおいて試験した。BrE3単クローン性抗体は肺臓の
肺胞内層細胞、腎臓の遠位回旋状細管、膵臓の腺房上皮
細胞および胃の全厚さの粘膜の正常組織に結合した。Br
E3単クローン性抗体は副腎、脳、膀胱、結腸、食道、リ
ンパ節、ミコカルデア(mycocardia)、筋、副甲状腺、
甲状腺、卵巣、中皮(mesothelia)および肝臓の正常組
織に結合しなかった。
BrE3単クローン性抗体は多数の腺がんに結合した。頂
端膜染色(apical membrane staining)および細胞質染
色の組合わせは大部分の腺がんにおいて報告されてい
る。BrE3単クローン性抗体は胸、肺、卵巣、膀胱、子宮
内膜、胃および中皮腫の多くの腺がんに結合した。BrE3
単クローン性抗体は結腸、腎臓、肝臓、リンパ節、マー
ケル細胞(merkel cell)、膵臓、耳下腺、横絞筋肉
腫、唾液腺、肉腫および甲状腺の少数の腺がんに結合し
た。また、BrE3単クローン性抗体は頚部および喉頭の腫
瘍に結合した。
BrE3単クローン性抗体を生成できる1例の雑種細胞は
アメリカン タイプ カルチュアー コレクション(Am
erican Type Culture Collection)20852メリーランド
州ロックビレ、パークラウン ドライブ12301に1989年
2月7日に寄託し、A.T.C.C.No.HB 10028と指定され
た。
BrE3単クローン性抗体は独特のものであり、胸部がん
腫の表面におよび細胞質に存在する極めて高分子量のム
チン状糖タンパク質複合体について例外的な特異性を有
し、かつ副腎、脳、膀胱、結腸、食道、リンパ節、ミコ
カルデア、筋、副甲状腺、甲状腺、中皮および肝臓の正
常組織について特異性を示さない。この結果として、Br
E3単クローン性抗体は二三の方法に用いることができ
る。すなわち、異なる結合特異性を有するアンチ−胸部
抗体の「カクテル」の1成分として用いることができ
る。カクテルは異なる細胞および組織特異性を有する単
クローン性抗体を含んでいるから、胸部がん腫診断およ
び治療に、および細胞分化gおよび細胞タイプ特異性の
研究に用いることができる。例えば、BrE3単クローン性
抗体は腫瘍画像化についての染料または蛍光分子または
放射性トレーサーのような検出しうる標識で標識つけす
ることができる。適当なトレーサーはヨウ素131、イン
ジウム111またはテクネチウム99である。BrE3単クロー
ン性抗体は二三の単クローン性抗体のカクテルにおいて
抱合形態(conjugated form)および非抱合形態で、ま
たは別々に治療的に用いることができる。BrE3単クロー
ン性抗体についての適当な抱合体は化学療法剤、毒素ま
たは放射性同位体を包含している。ヨウ素のような放射
性同位体はBrE3単クローン性抗体に直接に抱合すること
ができる。インジウム111またはイットリウム90のよう
な放射性同位体はキレーター(chelators)の使用を介
して、または他の既知の手段によってBrE3単クローン性
抗体に間接的に抱合することができる。抱合(conjugat
ed)または非抱合(unconjugated)BrE3単クローン性抗
体は単クローン性抗体のカクテルに、または個々の投与
形態で投与することができる。
単クローン性抗体のカクテルに用いることのできる単
クローン性抗体の例については本特許出願人の係属中の
米国特許出願第153,072および237,218号明細書に記載さ
れている。
微小球がその上に被覆した抗原または抗体と接合する
のに有利であり、かつ標識つけに適当である免疫検定
は、BrE3単クローン性抗体とインビトロ診断適用に用い
ることができる。標識はここにおいて検討されるよう
に、および当業技術において知られているように変える
ことができる。インビトロ適用において、BrE3単クロー
ン性抗体は、例えば本明細書に記載している文献の指図
によって生物学的試料の検定を完成するための他の成分
を含んでいる検定キットに加えることができる。BrE3
クローン性抗体は診断および治療におけるインビボ適用
に用いることができる。検定は細胞分化および細胞特異
性について研究するフロー サイトメトリック手段と用
いることができる。また、BrE3単クローン性抗体は、例
えば悪性の結果、悪性の転移見込みまたは悪性の段階を
定める腫瘍の組織病理学における予後道具として用いる
ことができる。インビトロおよびインビボ適用のこれら
の例はBrE3単クローン性抗体の使用の他の適用を排除す
るものではない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G01N 33/574 C12N 5/00 B 33/577 15/00 C (72)発明者 ピーターソン ジェリー エイ アメリカ合衆国 カリフォルニア州 94549 ラファイエット マウンテン ビュー ドライブ 953 (56)参考文献 国際公開89/7268(WO,A1) Int.J.Cancer(1981), Vol.28,p.23−29 J.Immunol.(1983),Vo l.131,No.1,p.508−513 Int.J.Cancer(1987), Vol.40,No.3,p.319−327 Proc.Natl.Acad.Sc i.USA(1977),Vol.74,N o.2,p.582−586 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 5/06 C07K 16/18 C12N 15/09 C12P 21/08 G01N 33/53 G01N 33/574 G01N 33/577 BIOSIS(DIALOG) MEDLINE(STN) WPI(DIALOG)

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】A.T.C.C.アクセスNo.H.B.10028を有する細
    胞系によって生成した抗体の抗原結合特異性を有する単
    クローン性抗体。
  2. 【請求項2】A.T.C.C.アクセスNo.H.B.10028を有する細
    胞系によって生成した抗体である請求項1記載の抗体。
  3. 【請求項3】副腎、脳、膀胱、結腸、食道、リンパ節、
    ミコカルデア、筋、副甲状腺、甲状腺、卵巣、中皮及び
    肝臓からなる群から選択する正常上皮細胞に対する結合
    特異性を有しない請求項1記載の単クローン性抗体。
  4. 【請求項4】肺臓の細胞内層細胞、人造の遠位回旋状細
    管、脾臓の腺房上皮細胞および胃の粘膜からなる群から
    選択する正常上皮細胞に特異的に結合する請求項1記載
    の単クローン性抗体。
  5. 【請求項5】胸、肺臓、卵巣、膀胱、子宮内膜、胃およ
    び中皮腫の腺がんからなる群から選択する腺がんの上皮
    細胞に特異的に結合する請求項1記載の単クローン性抗
    体。
  6. 【請求項6】請求項1記載の抗体を生じる細胞。
  7. 【請求項7】ハイブリドーマ細胞である請求項6記載の
    細胞。
  8. 【請求項8】脱脂ヒト乳脂肪小球により免疫感作したマ
    ウス脾臓細胞である請求項7記載のハイブリドーマ細
    胞。
  9. 【請求項9】正常全ヒト乳脂肪小球膜により免疫感作し
    たマウス脾臓細胞である請求項7記載の細胞。
  10. 【請求項10】正常ヒト乳脂肪小球成分により免疫感作
    したマウス脾臓細胞である請求項7記載の細胞。
  11. 【請求項11】A.T.C.C.アクセスNo.H.B.10028を有する
    請求項7記載のハイブリドーマ細胞。
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