JPH07318562A - 乳癌関連抗原に特異性を有する抗体、この抗体を産生する細胞系組成物、および抗原検定法 - Google Patents

乳癌関連抗原に特異性を有する抗体、この抗体を産生する細胞系組成物、および抗原検定法

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JPH07318562A
JPH07318562A JP6140265A JP14026594A JPH07318562A JP H07318562 A JPH07318562 A JP H07318562A JP 6140265 A JP6140265 A JP 6140265A JP 14026594 A JP14026594 A JP 14026594A JP H07318562 A JPH07318562 A JP H07318562A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 乳癌抗原に対して特異性を有する抗体を提供
する。 【構成】 正常および良性乳房上皮細胞膜上および乳癌
細胞中に存在し、平均分子量約300,000 ドルトン以上の
糖蛋白質であって、塩化セシウム勾配中の密度が通常の
蛋白質の密度と同等の範囲にあり、乳癌細胞によって取
り込まれ分子量がDNA分解酵素およびコンドロイチナ
ーゼに影響されない抗原に対して特異性を有する抗体と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はヒトの乳癌腫瘍に関係す
る抗原上に存在する様々な決定基に対して特異的なモノ
クローナル抗体およびこの抗体を産生する細胞系組成物
に関するものである。さらに、本発明はこのような抗原
を検定する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】癌は初期に発見することが非常に好まし
いが、これは極めて困難なことでもある。この困難性は
主として、 100%の感度(偽陰性のないこと)および 1
00%の特異性(偽陽性のないこと)を有する一般的な癌
マーカーが存在していないという事実に由来するもので
ある。公知のマーカーは感度および特異性が共に不足し
ている。さらに、このようなマーカーは全てのタイプの
癌に適用できるというものではない。例えば最も良く知
られたマーカーである発癌抗原(CEA)は乳癌に関係
するとは認められない。
【0003】乳癌は女性において主要な癌であり、一般
にも3つの主要な癌のうちの1つである。乳癌が充分に
早く発見されれば回復のための予後は良好なものとな
る。したがって、乳癌の早期診断において医師の助けと
なるような乳癌マーカーを発見するための努力が絶えず
なされている。
【0004】このような努力の1つはバルトレリ(Bar
torelli )等による米国特許 4,38385号に開示されてお
り、ここでは乳癌腫瘍に関係する一連の抗原が記載され
ている。このような抗原は公知の方法、通常は溶媒抽
出、イオン交換および/もしくは吸着クロマトグラフィ
ーおよびゲル濾過の組み合せによってヒトの初期乳癌腫
から分離された。充分に純粋な場合、このような抗原は
抗CEA血清と交差反応せず、糖蛋白質を用いてヒトの
初期乳癌腫から抽出可能であると記載されている。明ら
かにこのような抗原は正常な乳細胞とは関係がない。
【0005】また、ヒト癌細胞の新規なマーカーがアシ
ョール(Ashall )等、Lancet ,1982,ii:1〜6お
よびマッギー(Mc Gee)等,Lancet ,1982,ii:7
〜10により報告されている。要約すれば、多様な悪性ヒ
ト細胞系の細胞膜中に抗原が発見されたが、この抗原は
二倍体ヒト細胞株では発見されなかった。この抗原は正
常な成人もしくは胎児の組織のホモジネート中には存在
しているとしても極めて低濃度であった。この抗原は悪
性細胞の抽出物に由来する特定のモノクローナル抗体に
より免疫沈降させることができたが、良性細胞の抽出物
に由来するものによっては不可能であった。免疫沈降さ
せた抗原はドデシル硫酸ナトリウムアクリルアミド中で
それぞれ約 390,000ドルトンおよび約 350,000ドルトン
の分子量を有するバンドに分離された。両成分は高い炭
水化物含量を有する糖蛋白質のようであった。
【0006】さらに具体的な研究がセリアニ(Cerian
i)およびテイラー・パパディミトリュー(Taylor −
Papadimitriou)および彼らの共同研究者等によってヒ
ト乳房上皮細胞抗原に対して行なわれた。このような研
究をここで詳細に述べることは本項の範囲を越えるもの
であるが、選択された刊行物の概要はその実質的な要約
となるのであろう。
【0007】セリアニ等、Proc Nat l Acad
ci74, 582(1977)はヒトの乳脂肪球に担持されたヒ
ト乳房上皮細胞の表面分化抗原を記載している。ウサギ
抗ヒト乳房上皮細胞血清が脱脂ヒト乳脂肪球に対して投
与された。ドデシル硫酸ナトリウムを含有するポリアク
リルアミドゲル中における電気泳動、セファロース(S
epharoseTM)4Bに結合した前記抗血清を用いるアフィ
ニティークロマトグラフィー、免疫螢光染色、および間
接免疫螢光染色を行なうことによってヒト乳脂肪球上に
存在する抗原性物質が特色づけられ、かつ/もしくは分
離された。
【0008】脱脂されたヒト乳脂肪球は少なくとも4つ
の主要な蛋白質成分からなり、その2つは糖蛋白質のよ
うである。また、少なくとも4つの成分のうちの3つは
抗原性である。
【0009】脱脂されたヒト乳脂肪球に対して投与され
た抗体は器官特異性のものと考えられる。抗血清は腎,
肺,および結腸に由来する上皮様細胞には結合しないこ
とから、上記の抗原性成分は乳房上皮細胞以外の細胞に
は存在しないようである。
【0010】抗血清によって検出された抗原は乳房上皮
細胞表面上に位置しており、ヒト乳脂肪球上に位置する
ものと同じものである。ヒト乳脂肪球は乳房細胞の頂端
表面に由来するものであるため、抗原はこの特定表面に
限定することができる。
【0011】これらの抗原は乳腫細胞系中および乳腫転
移部位中に連続して発現する。しかしながら抗原性の発
現は各乳腫細胞系で異なっているようである。
【0012】上述した脱脂ヒト乳脂肪球膜の上皮細胞特
異成分に対するモノクローナル抗体はテイラー・パパデ
ィミトリュー等、IntJ. ancer 28,17(198
1)に報告されている。脱脂ヒト乳脂肪球に感作させた
マウスの脾臓に由来する細胞が骨髄腫系P3/NS1/
1−Ag 4−1に由来する細胞と融合された。3つのハ
イブリドーマが分離され、これらは脱脂ヒト乳脂肪球の
成分に反応する抗体を産生した。しかしながら、このよ
うな反応性はハイブリドーマによって産生された3つの
モノクローナル抗体の間で有意に異なっていた。最も反
応性の低い抗体は極めてわずかにしか結合しなかった。
最も反応性の高い抗体の反応性は最も反応性の低いもの
のそれの約5倍であり、第3の抗体のそれの2倍弱であ
った。
【0013】3つのモノクローナル抗体のうちの2つは
人乳から培養した上皮細胞および試験された8つの乳癌
細胞系のうちの7つと反応した。第3のモノクローナル
抗体は人乳から培養した上皮細胞に対しては反応せず、
8つの乳癌細胞系のうちのわずか2つに対してのみ反応
性を有していた。上皮繊維芽細胞等、試験された4つの
芽細胞系および株のうちのいかなるものとも反応するモ
ノクローナル抗体は存在しなかった。モノクローナル抗
体と反応する抗原は試験された11のリンパ芽球細胞にお
いては全く存在しないか、極めて少量しか存在しないよ
うである。
【0014】試験された7つの上皮細胞系のうちの5つ
はヒト腫瘍由来のものであり、残りの2つはSV−40で
形質転換させたヒトケラチン細胞およびマウス乳房細胞
であった。これらの細胞系と前記3つのモノクローナル
抗体との反応は若干の例外を除いて主に陰性であった。
3つの抗体は全て強固ではないが確実に咽頭腫系と結合
した。1つの抗体は結腸腫系に結合し、他の2つの抗体
はHe La の派生物に対する結合を示したが、全ての検
定においてそうであったわけではない。
【0015】上述の3つのモノクローナル抗体のうちの
2つは組織学的に検定され、その結果はアークリー(A
rklie )等,Int ancer ,28,23(1981)によ
って報告された。この組織学的検定はフォルマリンで固
定しかつパラフィンに埋込んだ正常組織および腫瘍組織
の切片と5%酢酸−メタノール溶液で固定した凍結切片
に対して間接免疫ペルオキシダーゼ染色法を実施しもの
であった。休息中の乳房組織のうちの上皮細胞の多くと
はいかなる抗体も反応しなかった。休息乳房組織の非染
色域には染色性の管腔内物質が常に存在していた。抗体
は双方とも上皮細胞に対して強力な陽性反応を示し、ま
た乳分泌中の乳房内において分泌された。良性病変にお
いて乳頭腫は常に強力な陽性染色を示したが、線維腺腫
中の上皮要素は10%未満しか陽性に染色されなかった。
【0016】2つのモノクローナル抗体のうちの1つは
試験された20個の主要な乳腫の各々に対して陽性反応を
示し、これらのうちの6つに由来するリンパ節中の転移
病変に対しても陽性反応を示した。また、もう1方の抗
体も初期の腫に対しては反応したが、ムコイド型のもの
もしくはリンパ節中の転移病変とは反応しなかった。陽
性反応を示した非乳腫瘍は肺,卵巣および子宮の腺腫の
みであった。他の腫、特に腸管,頚管,鼻咽腔,および
肝臓の腫は陰性反応を示した。
【0017】2つの抗体のうちの1つは肝臓,膵臓,皮
脂腺,小唾液腺,腎臓,肺,汗腺,副睾丸,および子宮
に由来する正常組織に対して陽性染色を示した。双方の
抗体に対して陰性染色を示した組織には胃,小腸,大
腸,盲腸,胸腺,甲状腺,睾丸,ファロピオ管,膀胱,
胆嚢,および皮膚が含まれていた。
【0018】流動細胞螢光測定法による単細胞レベルで
の正常および悪性の乳房細胞中のヒト乳房上皮細胞抗原
の発現分析がピータースン(Peterson )等, xpl
Cell Bi ol 49,1(1981)によって報告されてい
る。このような分析は間接免疫螢光によって細胞表面を
抗ヒト乳房上皮細胞膜血清でラベリングすると同時に細
胞DNAをヨウ化プロピジウム(propidium iodide)で
ラベリングすることによるものであった。螢光強度の分
布曲線に対する非染色乳房細胞の関与を除去した場合に
は、正常な乳房に由来する乳房上皮細胞および乳房嚢様
変性線維腫由来の上皮細胞に対する抗血清の相対的な結
合度は2つの乳癌細胞系のものに対するそれと同等以上
のものであることが認められた。DNA単位で表現した
場合、このような相対的な結合度は2つの乳癌細胞系の
それよりも有意に高かった。
【0019】血清中におけるヒト乳房上皮細胞抗原の存
在を測定するための固相ラジオイムノアッセイがセリア
ニ等,Proc Natl Acad Sci79,5420(198
2)によって報告されている。放射性同位体で標識した
抗ヒト乳房上皮細胞膜血清と、その抗原となる全脱脂ヒ
ト乳脂肪球膜とを標準曲線の作成に用いて多発性乳癌患
者の血清から高レベルのヒト乳房上皮細胞抗原が発見さ
れた。このようなレベルは正常な女性および男性の血清
中および良性乳房疾患および初期乳癌,肺,神経組織お
よび結腸の多発性の癌および黒腫を有する女性患者の血
清中に見出されるバックグラウンドレベル(<30ng/m
l)よりも統計的に有意に高いことが認められた。3段
階の免疫検出法を用い、分子量がそれぞれ150, 000ドル
トン,70,000ドルトンおよび46,000ドルトンである3つ
の群の抗原をラジオイムノアッセイにおいて高レベルの
ヒト乳房上皮細胞抗原が認められた患者の血清から分離
した。非乳房腫瘍を有する患者の血清および正常な血清
からは主として非特異的に結合した小量のヒト血清アル
ブミンが得られたが、上述のような抗原は分離可能であ
った。46,000ドルトンのヒト乳房上皮細胞抗原を標的と
するモノクローナル抗体の代りにポリクローナル抗血清
を用いた場合にも同様の免疫検出結果が得られた。
【0020】上記のモノクローナル抗体と他の2つがセ
リアニ等、Som aticCell Genetics , 415
(1983)に記載された。要約すれば、正常なヒト乳房上
皮細胞の3つの異なった表面抗原に対するモノクローナ
ル抗体を分泌するハイブリドーマがマウス骨髄腫細胞
と、脱脂ヒト乳脂肪球を免疫感作させたマウスもしくは
ラット由来の脾臓細胞とを融合させることによって形成
された。3つのモノクローナル抗体が製造され、それぞ
れ見掛け分子量46,000ドルトン,70,000ドルトン,およ
び 400,000ドルトンの分子であることが認められた。最
も高分子量の抗原は高い糖含量を有するムチン様糖蛋白
質のようである。ラジオイムノバインディングアッセイ
を用いると、3つのモノクローナル抗体は全てヒト乳脂
肪球膜および4の異なった上皮細胞起源乳癌細胞系に結
合することが認められた。しかしながら、このような抗
体は11個の異なった非乳癌系もしくは正常な乳房線維芽
細胞とは結合しなかった。4つの乳癌細胞系のうちの3
つにおいて最も高分子量の抗原が測定され、このレベル
は10倍の範囲を超えて変化することが認められた。
【0021】ヒト乳脂肪球に対するモノクローナル抗体
はバーシェル(Burchell )等、Immunol 131
508(1983)に記載されている。このような2つのモノ
クローナル抗体は腫瘍に関連すると思われる抗原決定基
を標的とするものである。抗原は乳分泌中の乳房上に発
現するが、休息中の乳房上には発現したとしてもわずか
なものである。抗体は双方とも分子量 400,000を越える
ヒト乳脂肪球成分中に見出される決定基を認識する。し
かしながら、第1の抗体は第2の抗体と比較してかなり
低い濃度で脱脂ヒト乳脂肪球に結合するものであり、そ
の差は明らかに10倍から 100倍の間にある。結合におけ
る同様の差はヒト乳房上皮細胞および乳癌細胞系に関し
ても認められるが、ヒト乳脂肪球に対する相対的結合レ
ベルとほぼ同等な前者細胞に対する相対的結合レベルは
後者細胞においては逆転される。第1の抗体はヒト乳脂
肪球調製物中の高分子量成分に類似するヒト乳房上皮細
胞中の高分子量成分と反応した。第2の抗体に対する高
親和性部位はヒト乳房上皮細胞および乳癌細胞系によっ
て数種の低分子量成分上に発現された。試験された他の
乳腫系の全部と2人の乳癌患者由来の転移細胞は様々な
大きさの、すなわち分子量80,000から 400,000を超える
成分上に第2の抗体に対する高親和性結合部位を発現し
た。5つの細胞系のうちのわずか2つと2人の患者のう
ちの1人に由来する癌細胞のみが第1の抗体に対する高
親和性部位を発現し、これらの部位は高分子量の、すな
わち 300,000〜 400,000の糖蛋白質上に見出された。
【0022】脱脂されたヒト乳脂肪球の膜フラクション
から調製された3つのヒト乳房上皮細胞抗原は哺乳類宿
主内における癌の存在を診断する方法の基本となるもの
である。公開された欧州特許出願第 0,080,259号にはこ
れらが記載されている。用いられた抗原にはセリアニ等
に記載された各々分子量が48,000,75,000,および 15
0,000であるものが含まれている。要約すれば、この方
法は患者の血漿サンプルを分析し、正常な個体における
存在レベルよりも高いレベルを示す1つ以上の腫瘍関連
抗原を求めることからなる。乳癌が関与している場合、
これらの抗原はセリアニ等によって記載された上述の抗
原によって例証される。
【0023】そらに、癌の診断および治療において有用
な抗原および抗体が公開された英国特許出願GB 2,12
1,417Aに記載されている。抗原は悪性細胞、特にヒト
喉頭腫由来の培養細胞に由来するものであった。この抗
原は分子量が 340,000〜 400,000の範囲にあり、レクチ
ン小麦胚凝集素に対する結合性,耐煮沸性,耐破壊性を
有するものであり、ある特定の溶媒を用いて悪性細胞か
ら抽出される。抗原に対するモノクローナル抗体の結合
性試験によれば、抗原は大多数の悪性ヒト腫瘍細胞上に
存在するが良性腫瘍もしくは正常組織細胞上には存在し
ないようである。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】高度の感受性および特
異性を有する癌マーカーの探究は乳癌マーカーを含めて
進歩してきているが、乳癌診断の助けとなるようなマー
カーに対する要求は依然として存在している。
【0025】本発明は正常および良性乳房上皮細胞膜上
および乳癌細胞中に見出されるほぼ純粋な抗原に対して
特異性を有するほぼ純粋な抗体を提供することをその目
的とするものである。
【0026】また、本発明はこのような抗原に対して特
異性を有するモノクローナル抗体を産生するハイブリド
ーマを提供することをその目的とするものである。
【0027】また、本発明はこのような抗原に対して特
異性を有するモノクローナル抗体を提供することをその
目的とするものである。
【0028】また、本発明はこのような抗原を検定する
方法を提供することをその目的とするものである。
【0029】
【課題を解決するための手段】本発明によって提供され
る抗体が特異性を有するほぼ純粋な抗原は正常および良
性乳房上皮細胞膜上、主として小葉および管の管腔に隣
接する頂端表面上、および乳癌細胞中に、その細胞の見
掛け上全域にわたって存在し、以下の特性: A.約 300,000ドルトンの平均分子量を有すること; B.糖蛋白質であること; C.塩化セシウム勾配中における密度が通常の蛋白質の
密度と同等の範囲にあること; D.ヒト包皮線維芽細胞に存在しないこと; E.冠状動脈,心臓,肝臓,脾臓および皮膚の細胞に存
在しないこと; F.ヒト乳脂肪球に存在すること; G.皮脂腺,子宮頚内膜,卵巣,腎臓,腸,膵臓,およ
び肺の細胞上に存在すること; H.乳癌細胞によって取り込まれること; I.ヒト血漿サンプル中に存在すること;およびJ.分
子量がDNA分解酵素およびコンドロイチナーゼによっ
て影響されないことを有している。
【0030】好ましい実施態様において、このような抗
原は以下の付加的な特性: A.正常乳房組織細胞もしくは良性腫瘍細胞の抗原と乳
癌細胞の抗原との間でその濃度が有意に変化しない、イ
ムノアッセイにより測定される第1の決定基を有するこ
と; B.乳癌細胞の抗原におけるその濃度が正常乳房組織細
胞もしくは良性腫瘍細胞の抗原におけるその濃度よりも
有意に高い、イムノアッセイにより測定される第2の決
定基を有すること; C.前記第1および第2の決定基の抗原性がDNA分解
酵素およびコンドロイチナーゼによって影響されないこ
と; D.前記第1および第2の決定基の抗原性がプロテアー
ゼによって低下すること; E.前記第1および第2の決定基の抗原性が穏やかなア
ルカリ処理によって低下すること; F.少なくともいくらかの炭水化物がセリンもしくはス
レオニンに対するO−グリコシド結合によって蛋白質主
鎖に見掛け上結合していること; G.小麦胚凝集素カラムに結合することによってN−ア
セチルグルコサミンおよび/もしくはシアル酸の存在を
示すこと; H.前記第1の決定基の濃度の増加によって示される乳
房起源の組織培養細胞によるその蓄積がエストロゲンに
よって増加すること;および I.そのノイラミニダーゼ処理によって前記第1の決定
基の抗原性が増加し、かつ前記第2の決定基の抗原性が
低下することを有している。
【0031】また、本発明は、このような抗原を検定す
る方法として以下の工程: A.正常乳房組織細胞もしくは良性腫瘍細胞の抗原と乳
癌細胞の抗原との間でその濃度が有意に変化しない第1
の決定基の濃度をイムノアッセイにより測定し; B.乳癌細胞の抗原におけるその濃度が正常乳房組織細
胞もしくは良性腫瘍細胞の抗原におけるその濃度よりも
有意に高い第2の決定基の濃度をイムノアッセイにより
測定し; C.前記第2の決定基の濃度の前記第1の決定基の濃度
に対する比を計算することからなる方法を提供する。
【0032】また本発明は前記第1および第2の決定基
に対してそれぞれ特異的であるモノクローナル抗体とこ
のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを提供
する。
【0033】
【実施例】
A.ハイブリド−マおよびモノクローナル抗体を産生す
る組織 培養細胞系 2つの乳腫細胞系であるZR−75−1BおよびMCF−
7は米国予防衛生研究所(the National Institute o
f Health )から得たものであり、10容量%のウシ胎児
血清、100mMのグルタミン、10mg/mlのインシュリン、
および50mg/mlのゲンタマイシンを含有するダルベッコ
の改良イーグル培地(Dalbecco's modified Eagle m
edium )に1:10の割合で継代して維持した。使用した
他の細胞系はウシ胎児血清,ゲンタマイシン,およびグ
ルタミンを補充した適当な基本培地中に維持した。この
ような細胞系には乳房細胞系のHBL− 100,HSO 5
78T,T47D,ZR−75−1,およびZR−75−30;頚
管細胞系のME− 180,C33II,CASKI,および
DOT;咽頭腫CCL 138;肺腫CCL 185;およびヒ
ト包皮線維芽細胞(HFF)が含まれていた。
【0034】膜小胞の調製 ZR−75−1B由来の細胞を40,890cm2 のローラーボト
ル内で集密的となるまで増殖した。細胞はスクレーピン
グによって採取し、カルシウムおよびマグネシウムを含
有するダルベッコのリン酸緩衝溶液で3回洗浄した。細
胞は 0.24 Mのショ糖を含有するpH 7.4の 0.01 Mトリ
ス緩衝液(Tris buffer)中に再び浮遊させ、Aペスト
ルを備えたダウンス(Dounce )ホモジナイザーの10回
のストロークによって氷中において均質化した。次い
で、ホモジネートをポリトロン(Polytron TM)ホモジ
ナイザー内で3回にわたって20秒間バーストさせた。こ
のようにして均質化した物質は1000×gで10分間遠心
し、ペレット化した物質に対して均質化工程を繰り返し
た。再均質化した物質の第2の遠心分離の後、均質化工
程に由来する上澄液を混合して48,000×gで45分間遠心
分離し、粗膜フラクションペレットを得た。
【0035】粗膜フラクションペレットは均質化緩衝液
中に浮遊させ、32%,36%,40%,45%のショ糖段階勾
配上に重層した。勾配は90分間 100,000×gで遠心分離
した。最初の2つの界面に存在する物質を血漿細胞膜フ
ラクションとして集めた。
【0036】免疫感作 融合のために、 100μgの膜フラクション蛋白質を同体
積の完全フロイントアジュバンド(complete Freund'
s adjuvant)中に乳化したものを3匹のBalb/Cマウ
スに腹腔内注射して、マウスに対して免疫感作を行なっ
た。7日後、免疫感作を繰り返した。第2の免疫感作の
7日後、マウスに 100μgの可溶蛋白質を腹腔内注射し
た。この注射の4日後、マウスを殺してその脾臓を融合
用に使用した。
【0037】融合工程 免疫感作させたマウスに由来する脾臓細胞を例えばコー
ラー(Kohler )等、Nature 256, 495(1975)に
記載されるような公知の方法でSP2/0細胞と融合し
た。要約すれば、これら2つの型の細胞の混合物の懸濁
液を 800×gで10分間遠心分離してペレット化した。ペ
レットは穏やかに粉砕し、37℃に温めた。粉砕したペレ
ットに対して分子量1000の37%ポリエチレングリコール
(Koch−Light Laboratories ,Ltd.) 0.5mlを
撹拌しながら50秒間以上にわたって添加した。このよう
にして得た融合混合物は 5.0mlの無血清RPMI−1640
培地(RPMI1640,2m Mのグルタミン,50mg/mlの
ゲンタマイシン,および5×10-5Mの2−メルカプトエ
タトール)で2分間以上にわたって徐々に希釈した。次
いで1分間以上にわたって 5.0mlの培地を添加した。融
合混合物は遠心分離し、細胞は50mlの無血清倍地で2回
洗浄した。次いで細胞は10%のウシ胎児血清を含有する
RPMI−1640倍地中に約5×106 細胞/mlの密度で浮
遊させた。
【0038】4×103 個のBalb /Cマウス腹腔内滲出
細胞を10%ウシ胎児血清を含有する50mlのRPMI−16
40培地中に浮遊させたものを24時間前に播種しておいた
96ウェルのマイクロタイタープレート(microtiter pla
te)の各ウェルに50μlの前記融合細胞浮遊液を分注し
た。プレートは湿潤化した5%CO2 インキュベーター
内で一晩37℃にインキュベートした。インキュベーショ
ン後、2倍濃縮HAT(2×10-4Mのヒポキサンチン,
8×10-7Mのアミノプテリン,および 3.2×10-5Mのチ
ミジン)を補充した 100μlの血清含有培地を各ウェル
に添加し、プレートをさらに5日間インキュベートし
た。次いで、毎日、培地の一部を新鮮な1倍HAT培地
と交換することによって培地を供給した。
【0039】融合の2週間後、培地のいくつかには活発
に増殖する細胞が含まれており、脾臓細胞とSP2/0
細胞との間の融合の成功したことが示された。増殖陽性
の培地に由来する上澄液はZR−75−1B細胞およびヒ
ト包皮線維芽細胞に対する抗体性に対してスクリーニン
グした。前者に対して活性を示すが後者については活性
を示さない培地はBalb /C胸腺細胞による希釈度を制
限することによってサブクローン化した。陽性サブクロ
ーンは抗体含有上澄液を産生するために培地中で増殖さ
せるか、あるいは抗体含有腹水を得るためにプリスタン
感作(Pristane −primed)Balb /Cマウスに2×10
6 個の細胞を腹腔内注射した。
【0040】ZR−75−1Bに対して反応性を有する抗
体の存在はプロテインA結合法[Brown etal ,
mmuno lMethods31,20(1979)]によって示され
た。要約すれば、ZR−75−1B細胞を採取し、予めポ
リ(D−レジン)でコーティングしたマイクロタイター
プレートの各ウェルに5×104 個の細胞をプレーティン
グした。次いでプレートは一晩37℃にインキュベートし
た。ウェルを空にし、15%のウシ胎児血清を含有する 2
00μlのRPMI−1640を各ウェルに加えた。プレート
は37℃で45分間インキュベートした。再びウェルを空に
し、各ウェルに試験すべき培地上澄液50μlを加えた。
再びプレートを37℃で45分間インキュベートした。ウェ
ルを空にし、15%ウシ胎児血清を含有するRPMI−16
40で3回洗浄し、各ウェルにウサギ抗マウスIg の1:
300希釈液 200μlを加えた。45分間37℃でインキュベ
ートした後、2%のウシ血清アルブミン(BSA)を含
有するRPMI−1640でウェルを3回洗浄した。各ウェ
ルに、ヨウ素の放射性同位体で標識化したスタフィロコ
ッカスプロテインAを 200μlのBSA含有RPMI−
1640中に含有させたものを加え(50,000cpm /ウェ
ル)、再度プレートを37℃で45分間インキュベートし
た。次いでウェルをBSA含有RPMI−1640で3回洗
浄し、増感スクリーンに重ねられたコダックX−OMA
TMARフィルムに一晩露出した。次いで、フィルムを
コダックX線フィルム現像液中で現像した。抗体結合は
フィルム上の可視スポットとして示された。これらの条
件ではウェルあたり約400cpmの比結合が検出可能であ
る。
【0041】上述の工程を用いることによって、以下21
DD5および21DD7と称する2つのハイブリドーマは
ZR−75−1B細胞に対して反応性を有する抗体を産生
した。ヒト包皮線維芽細胞に対する反応は認められなか
った。これら2つのハイブリド−マによって産生された
抗体は乳房細胞系ZR−75−1,ZR−75−30,T47
D,およびMCF−7に対しても反応性を有してした。
また、このような抗体は肺腫細胞系CCL− 185に対し
ても反応性を有していたが、頚管細胞系のME−180,
CASK1,およびC33IIもしくは乳房細胞系HBL
− 100およびHSO 578Tとは反応しなかった。興味深
いことに、このような抗体と反応しなかった2つの乳房
細胞系は真に形質転換した乳房上皮細胞として特徴づけ
られるものではない。すなわち、HSO 578Tは筋肉腫
として分類されるものであって恐らくは上皮細胞ではな
く、HBL− 100は乳サンプルに由来するものであって
その細胞は病理的とは診断されなかった。
【0042】21DD5および21DD7によって産生され
たモノクローナル抗体のZR−75−1B膜小胞に対する
結合は、 2.5μgのZR−75−1B膜小胞蛋白質でコー
トしたマイクロタイタープレートの各ウェルに20μlの
老廃ハイブリドーマ上澄液を添加することによって示さ
れた。上述のインキュベーションおよび洗浄の後、各ウ
ェルに50μlの 125I−標識化ウサギ抗マウスIg を加
えた。プレートを再びインキュベートおよび洗浄し、各
ウェルをカウントした。ZR−75−1B膜小胞蛋白質の
代りに 2.5μgのヒト乳脂肪球を用いてこの工程を繰り
返すと、このようなモノクローナル抗体はヒト乳脂肪球
にも結合することが示された。
【0043】冷凍乳房組織切片のイムノペルオキシダー
ゼ染色によれば、21DD5および21DD7によって産生
されたモノクローナル抗体は、乳管を裏打ちする正常も
しくは良性細胞の管腔表面上に支配的に存在する抗原で
あって乳房上皮細胞中に存在する抗原と反応することが
認められた。乳房小葉の正常もしくは良性細胞の全表面
は小葉もしくは管由来の乳腫瘍細胞と同様にこれらの抗
原を担持している。
【0044】ハイブリドーマ21DD5および21DD7は
1984年3月28日にアメリカンタイプカルチャーコ
レクション(the American Type Calture Collect
ion,12301 Parkway Drive,Rockville,Maryland
20852 )に寄託され、それぞれATCC受託番号HB8
532およびHB8533が与えられた。
【0045】B.抗原の同定および分離 膜小胞の調製 上述のように小胞を調製した。
【0046】抗原の可溶化 ZR−75−1BおよびME− 180小胞を48,000×gで遠
心分離し、1%のNP−40および1m Mのフェニルメチ
ルスルフォニルフルロライドを含有する4℃のダルベッ
コのリン酸緩衝液中に1時間浮遊させることによって、
約50%の小胞蛋白質を可溶化した。したがって、不溶性
物質を除去するためには48,000×gの遠心分離を繰り返
さねばならなかった。上澄液は水に対して透析した後、
−10℃で凍結乾燥し、保存した。残渣は小胞調製用に用
いた当初のものの半分の容量に相当するダルベッコのリ
ン酸緩衝液中に再び溶解し、 180μg/mlの蛋白質を有
するZR−75−1B溶液および 140μg/mlの蛋白質を
有するME− 180溶液を得た。
【0047】抗原存在の測定 ポリビニルマイクロタイタープレート上に固定されたZ
R−75−1B膜小胞に結合し得るモノクローナル抗体量
のいかなる低下をも検出できるような阻止系を設けた。
要約すれば、 2.5μgのロウリープロテイン(Lowry p
rotein)をZR−75−1B膜に含有させH2 O中に添加
したものをプレートの各ウェル内で乾固させた。次いで
抗体の非特異的結合を防止するため、15%のウシ胎児血
清(FCS)を含有するRPMI媒地にウェルを浸し
た。次いで、50μlの抗体含有溶液を添加し、プレート
を5%CO2 雰囲気中において37℃で45分間インキュベ
ートした。ウェルは15%FCS−RPMIで3回洗浄
し、 125I−標識化ウサギ抗マウスIg を添加した。
【0048】まず、21DD5および21DD7ハイブリド
ーマ培養上澄液に存在する一次抗体の滴定を行なった。
滴定によって、ハイブリドーマ培養上澄液の1: 100も
しくは1: 500希釈液は容易に検出可能な結合を示し
た。この希釈液は一次抗体と共に阻害剤を含むに必要な
体積をもたらすものであった。様々な体積の阻害剤源を
小量の未希釈抗体上澄液に添加し、次いで充分な15%F
CS−RPMIを加えることによって抗体を1: 100〜
1: 500の最終濃度とし、阻害検定を行なった。次いで
この阻害剤混合物を37℃で45分間インキュベートした
後、ZR−75−1Bでコートしたマイクロタイタープレ
ートに50μlの阻害剤混合物を添加して結合検定を行な
った。21DD5および21DD7上澄液のいずれにおいて
も、ZR−75−1B小胞と共にプレインキュベーション
(preincubation )した場合にはZR−75−1Bコート
したウェルに対する結合量が減少した。
【0049】ZR−76−1B可溶化膜物質を含有する阻
害溶液の不在下におけるcpm 結合は阻害溶液存在下にお
けるcpm 結合の3〜4倍であり、この結果、希釈ハイブ
リドーマ上澄液中における特定のモノクローナル抗体に
結合した可溶性抗原の存在が示された。
【0050】可溶化小胞調製物のドデシル硫酸ナトリウ
ム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(S DS−PAG
E)レムリ(Laemmli),Nature 227, 680(197
0)による不連続電気泳動法を行なった。4%のスタッ
キングゲルに加えてそれぞれ 2.7%の架橋用ビスアクリ
ルアミドを含有する8%,10%もしくは12%の総アクリ
ルアミド含量のゲルを使用した。全試薬はバイオーラド
(Bio−Rad)電気泳動グレードのものであり、全ての
器具は 1.5mmゲル用に設置したホーファーバーチカルス
ラブゲルアセンブリー(Hoefer vertical slab gel as
semblies)によるものであった。分離ゲルは必ず使用前
日に注入し、スタッキングゲルはサンプルを流す1〜2
時間前に添加した。サンプルは2%のドデシル硫酸ナト
リウムと10%のグリセロールと5%の2ーメルカプトエ
タノールとを含むpH 6.8の 0.06 Mトリス緩衝液中にお
いて 100℃で2〜5分間加熱した。電気泳動緩衝液は
0.192Mのグリシンと 0.1%のドデシル硫酸ナトリウム
とを含有するpH 8.3の 0.25 Mトリスであった。
【0051】電気泳動はゲルあたり30ミリアンペアの定
常流で行ない、トラッキング染料がゲルの底部から流れ
出すまで継続した。分子量測定のため、バイオーラド分
子量蛋白質マーカーを定常的に含有させた。各泳動後、
直ちにゲルをクーマシーブルーもしくはアップジョンシ
ルバーステイン(Upjohn Silver Stain)で蛋白質同
定のために染色するか、あるいは直ちにウェスタンブロ
ット(the WesternBlot )法によってニトロセルロー
ス紙に移した。
【0052】ウェスタンブロット法 ゲルからニトロセルロース紙への蛋白質の転移およびそ
のブロット(blot)のラジオイムノアッセイのために用
いた基本的な方法はバーネット(Burnett)、Anal
Biochem, 112, 195(1981)によるものであった。転
移「サンドイッチ」は常に20m Mトリス、150mMグリシ
ン、および20%メタノールからなる転移緩衝液に浸漬し
て組合せた。使用したホーファートランスファー(the
HoeferTransphorTM)ユニットはサンドイッチ集積用の
特殊なカセットを有していた。カセットの背部はカセッ
トに含まれる特殊なスポンジと共に緩衝液中に浸漬し
た。次いで1枚の厚い吸取紙をスポンジ上に配置し、さ
らに1枚のS&S BA83ニトロセルロース紙を重ね
た。これらの層が完全に湿潤化し、層間から気泡が完全
に除去されてから、ゲルをニトロセルロース紙上に配置
し、湿らせた2枚目の吸取紙をゲルの上に配置し、カセ
ットの上部を閉鎖した。通常カセットはゴムバンドで固
定した。
【0053】サンドイッチはトランスファーユニット内
においてニトロセルロース紙がゲルと陽極との間に位置
するように配置した。移転は 100Vの定常電圧で少なく
とも16時間行なった。これらの条件下では10℃にセット
した冷媒循環ユニットでトランスファーユニットを冷却
することが必要であった。転移が完了してから、サンド
イッチを分解し、ゲルを通常はクーマシーブルーで染色
した。場合によってはニトロセルロース紙も40%メタノ
ールおよび10%酢酸に含まれる 0.2%クーマシーブルー
溶液で5分間染色した。いくらか変化させた90%メタノ
ールおよび2%酢酸溶液中で穏やかに撹拌することによ
って紙は約15分で迅速に脱色した。紙は柔かくしわにな
りやすいために脱色中には注意を払った。脱色した紙は
オートラジオグラフによる視覚化に先立って少なくとも
30分間トリス塩( 0.9%塩化ナトリウムおよび10m Mト
リスヒドロクロリド,pH 7.4)中で洗浄した。
【0054】脱色しかつ完全に洗浄した紙、もしくはト
ランスファーユニットから直接取り出した紙は37℃の5
%ウシ血清アルブミン(BSA)のトリス塩溶液中に1
時間浸漬した。紙は5%BSA−トリス塩溶液で1:6
に希釈した適当なハイブリドーマ上澄(21DD5もしく
は21DD7)溶液に移し、環境温度において振動しなが
ら90分間インキュベートした。次いでニトロセルロース
紙は200ml のトリス塩溶液中で振動させながら洗浄し、
0.05 %NP−40を含有する200ml のトリス塩溶液2組
で20分間洗浄し、最後に200ml のトリス塩溶液のみを用
いて10分間洗浄した。洗浄した紙は100,000cpm/50μl
125I−標識化ウサギ抗マウスIg Gを含有する5%
BSA中で振動させながら30%間、環境温度においてイ
ンキュベートした。この最後のインキュベーションの
後、紙は上記のように洗浄し、紙タオルでブロットし、
プラスチックラップ中に包み、−70℃において増感スク
リーンを設けたコダックXRTMフィルムに露出した。
【0055】SDS−PAGEゲルから調製したウェス
タンブロットのオートラジオグラフによる視覚化は21D
D5および21DD7によって産生したモノクローナル抗
体と反応する抗原を決定的に同定した。21DD5および
21DD7上澄液において観察されたオートラジオグラフ
パターンは抗原が8%のゲルにおいても極めてわずかし
かゲル中に浸入せず、12%ゲルにおいては殆ど浸入しな
いという点で常に類似していた。場合により、8%ゲル
中には抗原が2つのバンドとして認められた。分子量9
2,500のフォスフォリラーゼは非常に大量にゲル中に侵
入した。ゲルおよびニトロセルロース紙を特定の蛋白質
で染色処理すると抗原よりも低分子量の数多い蛋白質バ
ンドが認められた。21DD5および21DD7抗体と反応
する抗原は1つ以上の分子形態を有する可能性もある
が、このような抗原は単一の名称AF−1で呼ぶことに
する。
【0056】C.AF―1の測定および部分的特色化 抗体のヨウ化 全抗体(2次抗体および直接標識化モノクローナル)は
ハンター(Hunter ),ProSocExp iol
ed 113, 989(1970)によって記載された方法の変形
を用いてヨウ化した。要約すれば、まず親和性を純化し
た、あるいはプロテインA−純化した抗体とリン酸緩衝
溶液(PBS)との1mg/ml溶液 100μlにpH 7.2の
0.05 Mリン酸50μlを添加した。次いで、1ミリキュ
リーの無担体125 −Iを添加し、さらにメタ重亜硫酸ナ
トリウム10μgおよび10%ウシ胎児血清(FCS)のP
BS溶液100ml を加えた。未反応の試薬は10%FCS−
PBS中のバイオラドAG1−X2陽イオン交換樹脂カ
ラムに通すことによってヨウ化蛋白質から分離した。2
mlの溶離液を集め、比活性を測定した。一般に、この工
程によって 208μCi 125I/蛋白質μgの比活性を有
する蛋白質調製物が得られた。
【0057】阻害性試験 前述の阻害系を用いて21DD5および21DD7の抗原性
をMCF−7もしくはZR−75−1B培養物の老廃培地
上澄液中において検出してようとした当初の試みは決定
的なものではなかった。しかしながら、培地を濃縮する
と良好な阻害性が検出された。すなわち、10倍濃縮した
MCF−7もしくはZR−75−1B培地は良好な抗体結
合阻害性を示したがME− 180培養物に由来する10倍濃
縮培地は結合に対しててかなる有意な影響を有していな
かった。MCF−7培地は常に最も優れた阻害性を示し
た。ZR−75−1B培地によって得られた阻害性は変化
しやすく、MCF−7によって得られたものよりは常に
低かった。21DD5および21DD7抗体と反応する抗原
は培地中に取り込まれた。
【0058】MCF−7細胞に由来する培地はこの抗原
の良好な源であり、またMCF−7細胞はウシ胎児血清
の不在下で増殖可能であるため、ウシ胎児血清を含まな
い老廃培地中における抗原の量を測定することを試み
た。MCF−7培養物に由来する血清含有培地はここで
もこの系において有意な阻害を生み出したが、HFF培
養物に由来する新鮮培地もしくは血清含有培地は阻害性
を有していなかった。MCF−7培養物に由来する無血
清培地は阻害性を含んでいなかった。この結果は2つの
異なった実験で得られたものである。したがって、AF
−1を上澄液内に取り込むためには培地中に血清が必要
であると考えられる。培地中における血清の存在は抗体
の産生にとって必要条件ではない。21DD5および21D
D7およびMCF−7細胞の細胞同定によれば、これら
の細胞が血清の存在下で増殖したかどうかに拘らず、細
胞表面にはAF−1の存在が認められた。したがって、
取り込み(shedding)のみが培地中の血清によって影響
を受けるものと考えられる。
【0059】SDS−PAGE試験において既に示され
たように21DD5および21DD7は高分子量の抗原と反
応した。21DD5抗体親和性カラムもしくは21DD7抗
体親和性カラム上に吸着されたAF−1調製物は互いに
染色されるため、両抗体は恐らく同一の抗原すなわちA
F−1と反応するものと考えられる。さらに、AF−1
は21DD5のための反復決定基を有しているようでもあ
る。なぜなら、ポリビニルマイクロタイタープレートに
吸着された21DD5抗体はMCF−7培地から得られた
部分的に純化されたAF−1を補捉し、一方後者は 125
I−標識化21DD5抗体を補捉するからである。また、
21DD5抗体の使用によってAF−1は第4段階(Sta
geIV)の乳癌を有する患者の血清中に存在することが認
められた。
【0060】D.AF―1の分離 培地の初期処理 硫酸アンモニウム( 659g)を 1.9リットルの老廃ZR
−75−1B培地に添加し、4℃において一晩撹拌した。
翌日、混合物を12,000×gで15分間遠心分離した。得ら
れたペレットはリン酸バッファー溶液(PBS)中に再
浮遊させ、再び遠心分離した。混合した上澄液を4リッ
トルのPBSに対して透析し、約20mlのアリコートとし
て凍結した。ロウリー(Lowry), iol Chem
, 193,256(1951)の方法に従って蛋白質濃度を測定
した。
【0061】セファクリル(Seph acryl TM)S― 30 0カ
ラム処理 アリコートをセファクリルS− 300カラム(Pharmaci
a)に66ml/時の流速で流した。最初の蛋白質ピーク、
すなわちフラクション5〜30をプールしてS1と名付け
た。
【0062】塩化セシウム勾配[Hascall et al,Met
hods in Enzymology 82, 769(1982)]を濃度段階
として用いた。セファクリルS− 300カラムから得たS
1フラクション30mlに塩化セシウムを添加した。こうし
て得た溶液は50Ti ローターを設けたベックマン(Bec
kman)L8−70超遠心機内において64,000×gで49時間
遠心分離した。温度は常に10℃に維持した。最上部フラ
クションを除去し、ZR−Tと名付けた。
【0063】小麦胚凝集素分画化 小麦胚凝集素アガロース(Vector Lab)を小さなカラ
ム中に2mlの体積で詰めた。セファクルS− 300カラム
およびコンコナバニン(conconavalin)A−セファロ−
スカラムに40倍濃縮ZR−75−1B培地を通すことによ
って部分純化したAF−1を調製した。リン酸緩衝液
(PBS)中に入れた部分純化AF−1を1ml/6min
の速度でゆっくりと小麦胚凝集素カラム上に載せた。溶
離液をフラクションとして集め、カラムをPBS、10m
M,50m M,100mM,および500mMのN−アセチルグル
コサミンPBS溶液で連続して洗浄した。フラクション
は蒸留水に対して透析し、各フラクションを50mlずつマ
イクロタイタープレートの各ウェルに配し、ウェルを乾
燥した。前述したように21DD5および21DD7を使用
して結合性検定を行なった。全てのAF−1抗原が小麦
胚凝集素と結合した。21DD5抗体に対する結合性のみ
を有するAF−1のフラクションが10m Mおよび50m M
のN−アセチルグルコサミンを用いた際にカラムから溶
離された。21DD5および21DD7抗体活性の双方を有
するAF−1は100mMを超える濃度のN−アセチルグル
コサミンを用いた場合にのみ溶離された。
【0064】E.AF―1の特色化 膜小胞の調製、SDS−PAGE、ウェスタンブロット
転移、およびオートラジオグラフによる視覚化を全て前
述の通りに行なった。
【0065】イムノペルオキシダ―ゼアッセイ コルチャー(Colcher)等、Cancer Research 4
1,1451(1981)による間接4段階ペルオキシダーゼ−
抗ペルオキシダーゼアッセイをパラフィン固定細識切片
中におけるAF−1の視覚化のために用いた。切片をキ
シレンで脱パラフィン化し、再び水和した後、 0.3%過
酸化水素メタノール溶液で30分間処理することによって
内因性ペルオキシダーゼ活性を阻害した。切片は3%正
常ウマ血清で20分間処理した後、未希釈の21DD5もし
くは21DD7ハイブリドーマ上澄液もしくはジニトロフ
ェノール(DHK)に対するモノクローナル抗体を含有
するコントロール上澄液と共に30分間インキュベートし
た。次いで、希釈率1:1000のウサギ抗マウスIg G、
希釈率1: 200のヒツジ抗ウサギIg G、および希釈率
1:1000のウサギ抗ペルオキシダーゼ/ペルオキシダー
ゼ複合体と共に30分間のインキュベーションを行なっ
た。抗体の各インキュベーションの間には10分間の緩衝
液洗浄を行なった。最後に切片を 0.01 %の過酸化水素
と 0.05 %のジアミノベンジンと共に5分間インキュベ
ーションするとアッセイによって抗体が検出された場所
の全てに茶色の沈澱が得られた。全ての組織標本はペン
シルバニア州セイアのガスリークリニックのケネス・メ
イヤー博士(Dr .Kenneth Meyer of Guthrie C
linic ,Sayre,Pennsylvania )もしくはニューヨー
ク州エルマイラのアーノット・オグデン病院のチャール
ズ・クオネン博士(Dr .Charles Kuonen ofArnot
−Ogden Hospital ,Elmira ,New York )から
提供されたものである。
【0066】抗原の純化 抗原は培地内に流し込まれるものであり、膜の可溶化が
不必要であるため、増殖MCF−7細胞から集めた培地
を選択した。老廃培地( 1.6リットル)は0℃において
硫酸アンモニウムを用いて50%飽和させた。抗原含有沈
澱物は遠心分離によって集め、130ml のリン酸緩衝溶液
(PBS)中に再溶解した。PBSに対する透析の後、
体積が80mlに達した際に沈澱物が形成したために混合物
濃縮の試みを中止した。部分的に濃縮した溶液のうちの
20mlをセファクリルS− 300ゲル濾過カラムに通した。
カラムから得た抗原性を有するフラクションを混合し、
予め21DD5モノクローナル抗体を共有結合させておい
たアフィゲル(AffigelTM)−10カラムに通した。この
親和性カラムは溶出液の280nm における吸光度がゼロと
なるまで食塩水で洗浄した。pH 2.3の硫酸グリシンをこ
のカラムに通して抗原を21DD5抗体から分離した。溶
出物のpHを直ちに約 7.3まで上昇させるため、フラクシ
ョンはpH 8.0の2Mトリス中に集めた。このカラムから
回収された抗原性は親和純化(affinity−purified)抗
原と称し、S− 300カラムから回収された抗原性は部分
純化(partially purified)抗原と称する。
【0067】AF―1の炭水化物および蛋白質含量 親和純化抗原はロウリー法によって蛋白質を測定し、フ
ェノールー硫酸法[Dubois etal,Anal Chem 2
8, 350(1956)]によって総糖分含量を測定した。こ
のような測定の結果は蛋白質 132μg/mlおよび糖分 3
00μg/mlであった。これらの結果から、AF−1は糖
蛋白質であると考えられるが、炭水化物と蛋白質との割
合は確立されていない。
【0068】アルカリ処理 部分純化抗原はセリンおよび/もしくはスレオニン部と
炭水化物部との間のO−グリコシド結合を分割するβ−
除去反応の影響を受けるか否かを測定するために一晩4
℃において 0.1N水酸化ナトリウムで処理した。
【0069】このような穏やかなアルカリ処理により、
より小さな分子量の形態に関連づけられるべき抗原性が
生じ、炭水化物ユニットが少なくとも部分的にはO−グ
ルコシド結合によって蛋白質の主鎖に、恐らくはセリン
もしくはスレオニンに結合していることが示された。
【0070】注入されたAF―1の分子量測定 ZR−75−1B細胞を増殖させた組織培養培地は10分間
500×gで遠心分離して細胞を除去した後、45分間48,0
00×gで遠心分離した。ペレット化した物質には全てA
F−1活性が認められた。このようなペレット化物質は
一晩4℃において1%トリトン−X(Triton −XTM
100中で可溶化した。得られた混合物は48,000×gで45
分間遠心分離し、上澄液は 0.01 %のトリトン−X 100
を含有するリン酸緩衝液に対して透析した。透析した溶
液をセファクリルS− 100カラム上に流すとAF−1活
性の1つのピークが得られ、公知の分子量を有する蛋白
質を用いたカラムの標準化により、このピークは分子量
約33,000に対応することが明らかとなった。
【0071】酵素処理 抗原を酵素処理し、次いで上述のG項に記載されたウサ
ギ抗AF−1ラジオイムノアッセイによってこのような
処理の効果を測定することによってAF−1の特性に関
する他の情報を得た。
【0072】21DD5および21DD7抗体の双方に対し
て2組の結果を得るために様々な酵素処理を行なった。
各組において、抗体が使用されなかった際の結果を陽性
とし、酵素処理のない場合の結果を陽性コントロールと
した。このような酵素処理は37℃で2時間行ない、その
後、反応混合物を5分間 100℃に加熱することによって
酵素を不活化した。必要に応じてラジオイムノアッセイ
実施前に水酸ナトリウム水溶液の添加によって反応混合
物のpHを 7.4に調整した。21DD5の組においてブラン
クはコントロールの約9%であった。21DD7の組にお
いてブランクはコントロールの約7%であった。各組に
おいてコントロールを含む各々の結果からブランクを引
いた。
【0073】このような酵素処理の結果の重要性はこの
ような処理の21DD5および21DD7決定基に対する影
響すなわちコントロールに対するこのような処理の影響
である。このような効果は表1に要約されており、各酵
素処理における1分あたりの結合カウントがコントロー
ルに対する百分率で表わされている。すなわち、 100未
満の百分率は21DD5もしくは21DD7の決定基活性の
減少を示し、 100を超える百分率はその増加を示す。
【0074】
【表1】 21DD5および21 DD7抗体によって測定され た様々な酵素処理の結果 酵素処理 21DD5コントロ―ルの% 21DD7コントロ―ルの% 無コントロール 100 100 α−ガラクトシダーゼ 60 62 β−N−Acetyl a 62 66 ノイラミニダーゼ 198 56 α−Gal/Neur b 132 27 β−N−Acetyl /Neur c 110 20 a β−N−アセチルグルコサミニダーゼ b α−ガラクトシダーゼおよびノイラニミダーゼの同
時使用 c β−N−アセチルグルコサミニダーゼおよびノイラ
ミニダーゼの同時使用 表から明らかなように、α−ガラクトシダーゼおよびβ
−N−アセチルグルコサミニダーゼが21DD5および21
DD7決定基に及ぼす影響はほぼ同等であった。すなわ
ち、両酵素はいずれの場合にもほぼ同等の効果を有し、
決定基活性を34〜40%減少させた。しかしながら、ノイ
ラミニダーゼの効果は著しく異なっていた。この酵素は
21DD5決定基活性をほぼ2倍としたのに反して21DD
7決定基活性をほぼ半分に低減した。
【0075】α−ガラクトシダーゼとノイラミニダーゼ
の組合せおよびβ−N−アセチルグルコサミニダーゼと
ノイラミニダーゼの組合せによる21DD7決定基活性に
対する効果はいかなる単一の酵素処理よりも大きかっ
た。しかしながら、21DD5決定基活性における最終的
な活性はノイラミニダーゼ処理のみの場合よりかなり低
いもののコントロールよりは高かった。
【0076】抗原の位置 様々な型の乳房上皮細胞膜小胞を21DD5および21DD
7決定基活性に対するマイクロタイタープレートアッセ
イによって分析し、結果を表2に示した。アッセイを行
なった各ウェルは全ての場合において3μgの蛋白質を
含有していたため、小胞調製間で相対比較をすることが
可能である。例えばインビトロの細胞系であるZR−75
−1BおよびMCF−7は乳房切除サンプルよりも多く
の両決定基を含有するように見えるが、物質の供給源を
考慮しなければならない。細胞系調製物の全ては腫もし
くは少なくとも形質転換された細胞であるが、乳房切除
サンプルは腫および「正常」上皮細胞および非上皮起源
細胞を含んでいる。この複雑性にも拘らず、恐らくはB
M10を除く全ての乳房上皮細胞膜はいくらかの抗原を含
有していることが認められる。また、このような結果は
腫細胞膜のみならず、HMFGPに対する結合によって
示されるように正常細胞上にも抗原の生ずることを示し
ている。
【0077】
【表2】 21DD5および21 DD7抗原性に関する小胞調 製物のラジオイムノアッセイ 小胞供給源 CPM結合 DHK a 21 DD7 21DD5 ZR−75−1Bb 620 3,434 4,678 MCF−7b 396 2,226 4,770 BM8c 557 2,042 1,496 BM10c 498 584 421 BM12c 707 2,007 1,912 BM14c 411 1,246 2,590 HMFGPd 413 892 1,770 a DHK=ジニトロフェニール抗体を産生するハイブ
リドーマ b インビトロ乳腫細胞系 c ガスリークリニック由来の乳房切除組織サンプル d HMFGP=ヒト乳脂肪球蛋白質 これらと同一の小胞調製物に対してSDS−PAGEお
よびウェスタンブロット法を用い、次いでラジオグラフ
による視覚化によって同様の分析を行なった。小胞調製
物をSDS処理し、アッセイに先立って還元条件とする
ことによって抗原検出に干渉するような抗原−抗体複合
体は全て分離することができた。さらに、これらの工程
によって各調製物における抗原形態の分子量に関する情
報が得られた。ラジオグラフの最も顕著な特徴は様々な
小胞調製物における抗原の分子形状の差異であった。Z
R−75−1BおよびMCF−7小胞はいずれも3つの形
状の抗原を有していたが、MCF−7はZR−75−1B
よりも大きな分子量の形状を有していた。この差はZR
−75−1B調製物に出現する最小の形態がMCF−7調
製物中には極わずかしか検出され得なかったことから恐
らく減成に起因するものと考えられた。予想通り、ME
− 180小胞(頚管)は抗原を有していなかった。4つの
乳房切除小胞調製物のうち3つは抗原の分子形態を2つ
有しており、これらはいずれもZR−75−1Bもしくは
MCF−7小胞調製物のその形態と同じ位置にバンドを
形成するものではなかった。BM10小胞調製物は21DD
5活性が検出できないという点で他と異なっているが、
21DD7活性はZR−75−1BおよびMCF−7調製物
の中位バンドと同様の位置に1本のバンドとして存在し
た。HMFG調製物はこれと同一のバンドを21DD7に
関して有していたが、21DD5活性に関してはより大き
な分子形態しか有していなかった。MCF−7培地から
分離した親和純化抗原はMCF−7調製物の最も高いバ
ンドに対応した。プレートした小胞調製物のラジオイム
ノアッセイで得た相対的な値とは必ずしも相関関係のな
い主要な量的差異が認められた。例えば、ウェスタンブ
ロットにおいてはHMFG調製物は21DD5活性よりも
大きな21DD7活性を示したが、ラジオイムノアッセイ
では正反対であった。
【0078】パラフィン固定組織サンプル中における抗
原の位置の直接視覚化はイムノペルオキシダーゼアッセ
イによって得た。表3に示す通り、これらのアッセイは
試験された全ての乳房組織が上皮細胞上に局在した抗原
を担持していることを示した点で小胞調製物で得た結果
を立証するものであった。良性乳房組織もしくは正常上
皮細胞は管腔に隣接した頂端表面に局在した抗原を有し
ているようであった。腫細胞はより多くの抗原を有して
おり、抗原は頂端表面のみならず全細胞にわたって存在
しているようであった。多くの場合、21DD7で得た染
色は21DD5で得たものよりも大きかった。抗原はこれ
まで試験した組織のうち皮脂腺,卵巣,肺,腎臓および
子宮頚内膜組織内に存在することが見出された。
【0079】
【表3】 イムノペルオキシダ−ゼ アッセイによるヒトの組織における21DD5/21DD 7活性の位置測定 被験組織 21DD5および21DD7による染色 良性乳房(4)a + 乳 腫(7) + 転移性乳腫(3) + 正常皮膚(2) − 皮膚腫−皮脂腺 + 正 常 頚 管 − 正常子宮頚管−管腔上皮 + 侵入性頚管腫 − 子 宮 腫 + 腎 腫 + 腸 腫 − 正 常 膵 臓 − 正 常 心 臓 − 正 常 肺 + 正 常 肝 臓 − 正 常 脾 臓 − a 括弧内の数字は試験されたこの型の組織の数を示
す。 最後に発癌抗原(CEA)、ヘパリン、および硫酸コン
ドロイチンを用いてウェスタンブロットを行なったが、
いずれも21DD5抗体に対していかなる反応性も示さな
かった。
【0080】したがって、21DD5および21DD7モノ
クローナル抗体は同一の抗原分子に特異的に結合する
が、その異なった決定基を検出するものと考えられる。
抗原は明らかに上皮細胞起源のものであり、乳房,子宮
頚管,および卵巣等のような正常な分泌組織に主として
関係しているものと考えられる。抗原上の21DD7決定
基の量は乳腫の存在によって増加する。
【0081】F.エストロゲン刺激試験 要約すれば、デキストランコートした木炭で処理してス
テロイドを除去した10%のウシ胎児血清(DCC−FC
S)にZR−75−1B細胞を5日間さらすことによって
ステロイドを枯渇させた。次いで、この枯渇細胞に10-8
M(17β)−エストラジオールを含有するDCC−FC
Sを2日,6日,もしくは9日間再供給し、さらに無血
清下で3日間ホルモンにさらした。コントロールとして
は枯渇細胞にDCC−FCSのみを2日,6日,もしく
は9日間再供給した後、無血清培地を3日間供給した。
細胞は溶解し、細胞蛋白質は5〜16%SDS−PAGE
で処理し、前述のウェスタンブロット転移法を行なっ
た。オートグラフによる視覚化において前述のように21
DD5および21DD7抗体を用いた。細胞はホルモンに
さらした後5日目,9日目,および12日目にサンプリン
グした。培地は12日目にサンプリングした。
【0082】これらの実験によれば10-8M(17β)−エ
ストラジオールが培地内に増殖した乳癌細胞中の21DD
5決定基の蓄積を刺激し、また21DD5決定基に富んだ
抗原は培地内に取り込まれたことが明らかとなった。Z
R−75−1B細胞内においてエストロゲン効果は主とし
て細胞と関連する。使用された実験条件下においては比
較的小量の21DD決定基に富んだ抗原が培地内に取り込
まれたが、培地内において測定可能であれば細胞によっ
て取り込まれた量もまたエストロゲンによって刺激され
た。MCF−7細胞系においてはエストロゲンは培地内
に取り込まれる抗原を極めてより多く増大する。21DD
5決定基はエストロジェンによって最初(2日目)は細
胞内で刺激され、次いで細胞から減少し、培地内で(5
日目に)蓄積が増大するようであった。エストロゲンは
21DD7決定基増大させるものとは考えられなかった。
【0083】21DD5決定基のエストロゲン刺激はエス
トロゲン操作に反応する腫瘍を有する乳癌患者の同定に
とって有用となるものである。21DD5決定基のような
エストロゲンで変化する最終産物を用いた場合、エスト
ロゲンが腫瘍(癌)の成長を制御する能力を鑑みれば、
75〜80%という従来技術の方法の精度よりもより決定的
な診断が可能であろう。
【0084】G.乳癌の診断および予後 21DD5および21DD7抗体によって認識される2つの
決定基の測定を可能とするイムノアッセイを行なうた
め、多価異種ウサギ抗血清を形成した。要約すれば、等
体積の完全フロインドアジュバント中に浮化した 100μ
lの標準AF−1調製物でウサギを免疫した。免疫化は
3回繰返し、最後の注射の7日後にウサギの耳から放血
を行なった。抗血清由来の抗体は部分純化したAF−1
のS1フラクション(D項参照)を結合したセファロー
スCHカラム上で親和純化した。
【0085】これらの親和純化した抗体を以下のラジオ
イムノアッセイにおける固定相として用いた場合、21D
D5もしくは21DD7抗体の使用により、このようなウ
サギ抗体に補捉された特定の決定基を含有する分子の量
を測定することが可能となった。
【0086】以下に記載する結果は、21DD7決定基活
性の絶対量および21DD7決定基活性の21DD5決定基
活性に対する割合の双方が進行乳癌の指標を与えるもの
であることを示している。
【0087】55人の異なった個体から得た血漿サンプル
を試験した。27サンプルは正常な女性もしくは良性の乳
疾患を有する女性に由来するものであり、28サンプルは
乳癌もしくは他の癌患者に由来するものであった。
【0088】モノクロ―ナル抗体 21DD5および21DD7抗体の形成は前述の通りであ
る。全ての抗体は老廃培地上澄液の最適な希釈液として
用いた。
【0089】AF―1 前述した手順にほぼ従って、ZR−75−1B細胞老廃上
澄液から標準抗原調製物を得た。要約すれば、老廃培地
を50%硫酸アンモニウムで沈澱させた。沈澱物を集め、
再可溶化し、セファクリルS− 300カラムで分画した。
排除したフラクションはAF−1活性についてスクリー
ニングを行ない、21DD5決定基活性を含むフラクショ
ンをプールした。プールした物質は21DD5抗体カラム
上のアフィニティクロマトクラフィーで純化し、pH 2.3
の 0.2M硫酸グリシンによる溶離液をこの実験に用いる
純化AF−1とした。
【0090】ウサギ抗AF―1ラジオイムノアッセイ ウサギ抗AF−1はS1親和性カラムから回収した未濃
縮ストック溶液の1:2希釈液として用いた。血漿は1
%ウシ血清アルブミンを含有するリン酸緩衝溶液で 1.
2, 1.4,もしくは 1.8倍に希釈した。21DD5抗体は
ハイブリドーマ培地上澄液の1:10希釈液として用い、
21DD7抗体は1:5希釈液として用いた。ウサギ抗マ
ウスIg は約5×106 cpm /μgの比活性を有するもの
を用いた。
【0091】検定を行なうため、ポリビニルマイクロタ
イタープレートの各ウェルを50μlのウサギ抗AF−1
でコートした。プレートは4℃で一晩インキュベートし
た。ウェルはpH 7.4のリン酸緩衝溶液で1回洗浄した
後、非特異性部位を封鎖するために1%ウシ血清アルブ
ミンを含有するpH 7.4のリン酸緩衝溶液(BSA−PB
S)に浸した。次いで各ウェルに純化した50μlのAF
−1溶液を添加した。プレートは37℃で45分間インキュ
ベートした。ウェルはBSA−PBSで4回洗浄した。
各ウェルに適当なモノクローナル抗体溶液(21DD5も
しくは21DD7)を50μl添加した。プレートは再び37
℃で45分間インキュベートし、次いでBSA−PBSで
4回洗浄した。100,000cpmの 125I−標識化ウサギ抗マ
ウスIg を含有する50μlのBSA−PBSを各ウェル
に添加した。プレートは37℃で45分間、3回目のインキ
ュベートを行なった。以前と同様にプレートを4回洗浄
した後、各ウェルの1分あたりの結合カウントを測定し
た。各アッセイは3回ずつ行ない、結果は平均±標準偏
差で示した。
【0092】患者の血漿サンプルは通常ヘパリン処理し
た管に採取し、直ちにアリコート化して−70℃で凍結し
た。若干のサンプルは以前の実験に由来するもので、そ
のうちのいくつかは数回の凍結−解凍サイクルを経たも
のであった。一般に凍結および解凍による明白な結果の
変動は認められなかった。
【0093】最初の実験においては正常な3検体、良性
乳房疾患の3検体、および第4段階の乳癌患者4検体に
由来する血漿をアッセイにおいて試験した。系は1連の
AF−1希釈液(1:20〜1: 160)を1つのプレート
上に流し、これら希釈液のうちの2つ(1:20および
1:80)を全ての隣接したプレートに流すことによって
内部標準化した。この結果、各プレートの特性に対して
内部コントロールが得られ、結合性には20〜25%以下の
変動が生じたが、多くのプレートはこのような変動より
も互いにより近くなった。血漿No.11 および14は同一の
女性に由来する連続した放血であり、極めて類似した結
果を示した。いかなる統計操作においてもNo.11 のみが
包含される。表4におけるデータは3回の測定の平均値
であり、同様の結合値を与えるAF−1ストックの希釈
率の逆数として表わした。次いでこの値を希釈率に換算
した。各特性に対する値を 100倍するとAF−1ストッ
ク中に存在する抗原の百分率が表わされる。また、21D
D5/21DD7比を希釈率1:4の各血漿において計算
した。正常もしくは良性乳房疾患患者6検体において得
た比は 1.91 〜 2.50 で平均は 2.18 ± 0.205(SD)
であった。これに対し、第4段階の乳癌患者に由来する
血漿においてこの値は 2.75 〜56.6で平均は22.12 ±2
5.3(SD)であった。この限定的な実験においてこれ
らの範囲は全く重複せず、コントロール群で得られた値
の分布は極めて狭かった。21DD7値をそれだけで比較
すると癌患者に由来する血漿は高い値の21DD7を有し
ているが、血漿No.13 は明らかに正常群領域に入る値を
示した。これら2つの群の間における21DD7値の差は
小さい。この結果から、21DD5決定基は正常組織抗原
を反映するものであり、21DD7決定基の増加もしくは
21DD7決定基の21DD5決定基に対する相対的な増加
は新生変化を反映するものであると解釈することが可能
である。
【0094】
【表4】血清No. 21DD5 21DD7 21DD7 /21DD5 診 断 1 0.0136 0.0314 2.31 正常(N) 2 0.0129 0.0274 2.12 〃 3 0.0155 0.0296 1.91 〃 4 0.0103 0.0258 2.50 良性乳房疾患(BB) 5 0.0085 0.0167 1.96 〃 6 0.0056 0.0128 2.28 〃 10 0.0173 0.0476 2.75 第4段階乳癌 11 0.0191 1.0810 56.60 〃 12 0.0117 0.2985 25.51 〃 13 0.0071 0.0258 3.63 〃 14 0.0183 1.2121 66.22 〃 2つの付加的な実験においては55人の異なった患者の値
を含むようにデータを広げた。これらのデータを表5お
よび6に示す。ひれらの拡大したデータはもはやコント
ロールおよび癌患者の間に非重複領域を示すものではな
いが、多くの癌患者においては増加した21DD7値もし
くは増加した21DD7/21DD5比が残存している。
【0095】
【表5】 血清No. 21D D5 21DD7 21DD7/21DD5 診 断 18 0.0156 0.0315 2.02 良性乳房疾患 19 0.00634 0.0142 2.24 〃 20 0.00695 0.0154 2.21 〃 21 0.00938 0.0213 2.27 〃 22 0.00888 0.0207 2.33 正 常 23 0.00898 0.0172 1.91 〃 7 0.01201 0.0268 2.23 良性乳房疾患 8 0.01687 0.0312 1.85 良性乳房疾患 9 0.0076 0.0188 2.47 〃 10 0.0108 0.0263 2.43 正 常 75 0.0081 0.0205 2.53 良性乳房疾患 14 0.160 0.500 3.12 第4段階乳癌 60 0.0333 0.0412 1.24 〃 62 0.0165 2.857 173.1 〃 15 0.00886 0.0229 2.58 〃 16 0.0115 0.296 25.7 〃 17 0.0066 0.111 16.8 〃
【0096】
【表6】 血清No. 21D D5 21DD7 21DD7/21DD5 診 断 1 0.0041 0.0163 3.97 正常 2 0.0098 0.0277 2.82 〃 3 0.0082 0.0185 2.25 〃 4 0.00116 0.0218 1.87 正常 5 0.0049 0.0155 3.16 〃 8 0.0061 0.0202 3.31 〃 9 0.0066 0.0152 2.30 〃 11 0.0053 0.0175 3.30 〃 12 0.0053 0.0131 2.47 〃 13 0.0080 0.0131 1.64 〃 18 0.0042 0.0281 6.69 第4段階腸癌 20 0.0049 0.6666 135.0 第4段階腎癌 21 0.0051 0.0242 4.74 第4段階肺癌 36 0.0072 0.0294 4.08 第3段階乳癌 37 0.0044 0.0165 3.75 〃 39 0.0049 0.0169 3.45 第1段階乳癌 40 0.0034 0.0136 4.00 第3段階乳癌 41 0.0067 0.0259 3.86 第1段階乳癌 45 0.0084 0.0454 5.40 第3段階乳癌 A 0.063 0.0198 3.14 第1段階乳癌 B 0.0057 0.0185 3.24 〃 C 0.0053 0.0253 4.77 〃 D 0.0042 0.0125 2.97 〃 E 0.0056 0.0165 2.94 〃 F 0.0033 0.0131 3.96 〃 G 0.0039 0.0112 2.87 〃 H 0.0072 0.0187 2.59 〃 表5および6におけるデータの分析を平均値の形で表7
および8に示す。データをより小さなグループに分ける
ことは明らかに統計上いくらかの困難性を伴なうもので
あるが、いくつかの観察は可能であろう。どの値を考え
ても正常な個体に由来するサンプルは良性乳房疾患を有
する女性から得たものとは識別不可能である。一般にこ
れらの値は極めて小さな標準偏差を有している。第4段
階の癌に由来する21DD7値および21DD7/21DD5
値は双方とも極めて大きいが、また極めて大きな範囲の
標準偏差も観察される。一般に21DD7値および21DD
7/21DD5比は腫瘍の程度が進むにつれて(コントロ
ールから第1段階,第3段階,第4段階)増加する。
【0097】
【表7】 平均+S.D. 診 断 21DD7 第4段階癌 N=13 0.4615 ± 0.788 第4段階乳癌 N=10 0.528 ± 0.881 第1段階乳癌 N=10 0.0178 ± 0.0049 第3段階乳癌 N=4 0.0262 ± 0.0145 正 常 N=16 0.0207 ± 0.0058 良性乳房疾患 N=11 0.0214 + 0.0066 正常+良性乳房疾患 N=27 0.0209 ± 0.0060 全 癌 N=28 0.225 ± 0.061 診 断 21DD5 第4段階癌 N=13 0.0235 ± 0.0417 第4段階乳癌 N=10 0.0292 ± 0.0466 第1段階乳癌 N=10 0.0053 ± 0.0012 第3段階乳癌 N=4 0.0058 ± 0.0023 正 常 N=16 0.0087 ± 0.0033 良性乳癌疾患 N=11 0.0097 ± 0.0037 正常+良性乳癌疾患 N=27 0.0092 ± 0.0034 全 癌 N=28 0.0138 ± 0.0288 診 断 21DD7/21DD5 第4段階癌 N=13 35.2±55.7 第4段階乳癌 N=10 36.0±53.6 第1段階乳癌 N=10 3.38 ± 0.652 第3段階乳癌 N=4 4.31 ± 0.741 正 常 N=16 2.50 ± 0.619 良性乳癌疾患 N=11 2.23 ± 0.220 正常+良性乳癌疾患 N=27 2.39 ± 0.513 全 癌 N=28 18.3±39.7
【0098】
【表8】 検定特性 陽性/総数 診 断 21DD7> 0.0315 , 21DD7/21DD5> 3.97 第4段階 11/13(84.6%) 第4段階乳癌 8/10(80%) 第1段階乳癌 1/10(10%) 第3段階乳癌 3/4(75%) 正 常 0/16(0%) 良性乳房疾患 0/11(0%) 正常+良性乳房疾患 0/27(0%) 全 癌 15/28(53.6%) 陽性/総数 診 断 21DD7> 0.0315 , 21DD7/21DD5> 3.31 第4段階 12/13(92.3%) 第4段階乳癌 9/10(90%) 第1段階乳癌 4/10(40%) 第2段階乳癌 0/1(0%) 第3段階乳癌 4/4(100 %) 正 常 1/16( 6.25 %) 良性乳房疾患 0/11(0%) 正常+良性乳房疾患 1/27( 3.7%) 全 癌 20/28(71.4%) 表8の第1の部分は乳癌の存在を示す閾値を偽陰性の生
じないように選択した場合(すなわち 100%特異性)に
得られる結果を示すものである。しかしながら、表8の
第2の部分に示されるようにこのような閾値は感度およ
び特異性の双方を考慮した検定特性を最適なものとする
ように選択することも可能である。このようにデータを
考慮すると試験された全ての癌のうちの72%が陽性であ
り、第4段階乳癌の92%,第3段階乳癌の 100%、およ
び第1段階乳癌の40%が正常域を超える値を示す。
【0099】上述のポリクローナル抗体およびモノクロ
ーナル抗体を用いるサンドイッチアッセイ法はいかなる
抗原もしくはハプテンの定量化にも応用できるものであ
る。さらに、使用する標識は放射性同位体である必要は
ない。すなわち、酵素,螢光体,化学発光剤等を用いる
ことができる。
【0100】
【発明の効果】本発明による抗原特異性を有する抗体、
この抗体を産生する細胞系,組成物およびこの抗原の検
定法は乳癌の診断に絶大な効果をもたらすものであっ
て、その利用価値は極めて大である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 5/10 C12P 21/08 9161−4B G01N 33/53 V // A61K 39/395 E T C12N 15/02 (C12P 21/08 C12R 1:91) (72)発明者 メアリー ルイーズ ニコルソン アメリカ合衆国 ニューヨーク州 14830 コーニング ルート 3 ボックス 159エイ (72)発明者 カレン ルイス トラヴィス アメリカ合衆国 ニューヨーク州 コーニ ング イースト ファースト ストリート 321 (72)発明者 アルバート オーガスト ルーデラー アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 02050 マーシュフィールド スモーク ヒル リッジ ロード 21

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の特性; A.少なくとも約 300,000ドルトンの平均分子量を有す
    ること; B.糖蛋白質であること; C.塩化セシウム勾配中における密度が通常の蛋白質の
    密度と同等の範囲にあること; D.ヒト包皮線維芽細胞に存在しないこと; E.冠状動脈,心臓,肝臓,脾臓,および皮膚の細胞に
    存在しないこと; F.ヒト乳脂肪球に存在すること; G.皮脂腺,子宮頚内膜,卵巣,腎臓,腸,膵臓,およ
    び肺の細胞上に存在すること; H.乳癌細胞によって取り込まれること; I.ヒト血漿サンプル中に存在すること;および J.分子量がDNA分解酵素およびコンドロイチナーゼ
    によって影響されないことを有し、正常および良性乳房
    上皮細胞上、主として小葉および管の管腔に隣接する頂
    端表面上、および乳癌細胞中に、その細胞の見掛け上全
    域にわたって存在するほぼ純粋な抗原に対して特異性を
    有する抗体。
  2. 【請求項2】 モノクローナルであることを特徴とする
    請求項1記載の抗体。
  3. 【請求項3】 前記抗原の特性に以下の特性: A.正常乳房組織細胞もしくは良性腫瘍細胞の抗原と乳
    癌細胞の抗原との間でその濃度が有意に変化しない、イ
    ムノアッセイにより測定される第1の決定基を有するこ
    と; B.乳癌細胞の抗原におけるその濃度が正常乳房組織細
    胞もしくは良性腫瘍細胞の抗原におけるその濃度よりも
    有意に高い、イムノアッセイにより測定される第2の決
    定基を有すること; C.前記第1および第2の決定基の抗原性がDNA分解
    酵素およびコンドロイチナーゼによって影響されないこ
    と; D.前記第1および第2の決定基の抗原性がプロテアー
    ゼによって低下すること; E.前記第1および第2の決定基の抗原性が穏やかなア
    ルカリ処理によって低下すること; F.少なくともいくらかの炭水化物がセリンもしくはス
    レオニンに対するO−グリコシド結合によって蛋白質主
    鎖に見掛け上結合していること; G.小麦胚凝集素カラムに結合することによってN−ア
    セチルグルコサミンおよび/もしくはシアル酸の存在を
    示すこと; H.前記第1の決定基の濃度の増加によって示される乳
    房起源の組織培養細胞によるその合成エストロゲンによ
    って増加すること;および I.そのノイラミニダーゼ処理によって前記第1の決定
    基の抗原性が増加し、かつ前記第2の決定基の抗原性が
    低下することが含まれていることを特徴とする請求項1
    記載の抗体。
  4. 【請求項4】 モノクローナルであることを特徴とする
    請求項3記載の抗体。
  5. 【請求項5】 前記第1の決定基に対して特異的である
    ことを特徴とする請求項4記載の抗体。
  6. 【請求項6】 ATCC受託番号HB8532を有するハイ
    ブリッド細胞系により産生されたモノクローナル抗体に
    対応することを特徴とする請求項5記載の抗体。
  7. 【請求項7】 前記第2の決定基に対して特異的である
    ことを特徴とする請求項4記載の抗体。
  8. 【請求項8】 ATCC受託番号HB8533を有するハイ
    ブリッド細胞系により産生されたモノクローナル抗体に
    対応することを特徴とする請求項7記載の抗体。
  9. 【請求項9】 以下の特性: A.少なくとも 300,000ドルトンの平均分子量を有する
    こと; B.糖蛋白質であること; C.塩化セシウム勾配中における密度が通常の蛋白質の
    密度と同等の範囲にあること; D.ヒト包皮線維芽細胞に存在しないこと; E.冠状動脈,心臓,肝臓,脾臓,および皮膚の細胞に
    存在しないこと; F.ヒト乳脂肪球に存在すること; G.皮脂腺,子宮頚内膜,卵巣,脾臓,腸,膵臓,およ
    び肺の細胞上に存在すること; H.癌細胞によって取り込まれること; I.ヒト血漿サンプル中に存在すること;および J.分子量がDNA分解酵素およびコンドロイチナーゼ
    によって影響されないことを有し、正常および良性乳房
    上皮細胞膜上、主として小葉および管の管腔内に隣接す
    る頂端表面上、および乳癌細胞中に、その細胞の見掛け
    上全的にわたって存在するほぼ純粋な抗原に対する抗体
    を、抗原感作させたBalb /Cマウス脾臓細胞とマウス
    SP 2/0細胞との融合細胞ハイブリッドおよびその培
    養基からなるヒポキサンチン−アミノプテリン−チミジ
    ン培地内においてインビトロで産生する連続細胞系から
    なる組成物。
  10. 【請求項10】 前記融合細胞ハイブリッドがATCC
    受託番号HB8532を有する細胞系であることを特徴とす
    る請求項9記載の組成物。
  11. 【請求項11】 前記融合細胞ハイブリッドがATCC
    受託番号HB8533を有する細胞系であることを特徴とす
    る請求項9記載の組成物。
  12. 【請求項12】 正常乳房細胞もしくは良性腫瘍細胞の
    抗原と乳癌細胞の抗原との間でその濃度が有意に変化し
    ない第1の決定基の濃度をイムノアッセイにより測定
    し;乳癌細胞の抗原におけるその濃度が正常乳房組織細
    胞もしくは良性腫瘍細胞の抗原におけるその濃度よりも
    有意に高い第2の決定基の濃度をイムノアッセイにより
    測定し;前記第2の決定基の濃度の前記第1の決定基の
    濃度に対する比を計算することからなる以下の特性: A.少なくとも約 300,000ドルトンの平均分子量を有す
    ること; B.糖蛋白質であること; C.塩化セシウム勾配中における密度が通常の蛋白質の
    密度と同等の範囲にあること; D.ヒト包皮線維芽細胞に存在しないこと; E.冠状動脈,心臓,肝臓,脾臓,および皮膚の細胞に
    存在しないこと; F.ヒト乳脂肪球に存在すること; G.皮脂腺,子宮頚内膜,卵巣,腎臓,腸,膵臓,およ
    び肺の細胞上に存在すること; H.乳癌細胞によって取り込まれること; I.ヒトの血漿サンプル中に存在すること;および J.分子量がDNA分解酵素およびコンドロチナーゼに
    よって影響されないことを有し、正常および良性乳房上
    皮細胞膜上、主として小葉および管の管腔に隣接する頂
    端表面上、および乳癌細胞中に、その細胞の見掛け上全
    域にわたって存在するほぼ純粋な抗原の検定方法。
  13. 【請求項13】 前記イムノアッセイにおいて前記第1
    の決定基に対するモノクローナル抗体および前記第2の
    決定基に対するモノクローナル抗体が用いられることを
    特徴とする請求項12記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記第1の決定基に対するモノクロー
    ナル抗体がATCC受託番号HB8532を有するハイブリ
    ッド細胞系によって産生されたものであり、前記第2の
    決定基に対するモノクローナル抗体がATCC受託番号
    HB8533を有するハイブリッド細胞系によって産生され
    たものであることを特徴とする請求項13記載の方法。
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