JP3283833B2 - 耐溶損性に優れた溶融Al−Znめっき浴槽用鋳鉄鋳物 - Google Patents
耐溶損性に優れた溶融Al−Znめっき浴槽用鋳鉄鋳物Info
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- JP3283833B2 JP3283833B2 JP27537398A JP27537398A JP3283833B2 JP 3283833 B2 JP3283833 B2 JP 3283833B2 JP 27537398 A JP27537398 A JP 27537398A JP 27537398 A JP27537398 A JP 27537398A JP 3283833 B2 JP3283833 B2 JP 3283833B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶融Al−Znめっき
浴槽に用いて好適な鋳鉄鋳物に係り、とくに、耐溶損性
に優れた鋳鉄鋳物に関する。
浴槽に用いて好適な鋳鉄鋳物に係り、とくに、耐溶損性
に優れた鋳鉄鋳物に関する。
【0002】
【従来の技術】各種建材部品や鉄塔部材には、防食のた
め、溶融Zn浴中に浸漬して部品や部材の表面にめっき処
理を施す、いわゆる溶融Znめっき処理が従来から施され
てきた。しかし、海岸あるいは工業地帯等の高腐食環境
下で使用される部品や部材には、より高い耐食性や耐候
性が要求されている。
め、溶融Zn浴中に浸漬して部品や部材の表面にめっき処
理を施す、いわゆる溶融Znめっき処理が従来から施され
てきた。しかし、海岸あるいは工業地帯等の高腐食環境
下で使用される部品や部材には、より高い耐食性や耐候
性が要求されている。
【0003】この要求に応える新しいめっき技術とし
て、部品や部材を3〜10重量%Alを含有する溶融Al−Zn
浴中に浸漬し、Al−Zn合金めっきを施す処理法が開発さ
れ、実用化されている。しかし、従来から溶融Znめっき
浴(浴温: 410〜 500℃)の浴槽材として使用されてい
る低合金鋼を、そのまま溶融Al−Zn浴の浴槽材として用
いると、溶損が著しく、浴槽の寿命が著しく短くなると
いう問題があった。特に、Al含有量が多くなると浴槽の
寿命が短くなる。
て、部品や部材を3〜10重量%Alを含有する溶融Al−Zn
浴中に浸漬し、Al−Zn合金めっきを施す処理法が開発さ
れ、実用化されている。しかし、従来から溶融Znめっき
浴(浴温: 410〜 500℃)の浴槽材として使用されてい
る低合金鋼を、そのまま溶融Al−Zn浴の浴槽材として用
いると、溶損が著しく、浴槽の寿命が著しく短くなると
いう問題があった。特に、Al含有量が多くなると浴槽の
寿命が短くなる。
【0004】耐溶融Zn侵食性に優れた材料として、例え
ば、特公昭59−49302 号公報に、TaまたはTa+Nb:1 〜
6 %、MoおよびWのうちの1種または2種:1〜10%、
Ni:10〜30%、Co:10〜30%、Cr:10〜25%を含むFe基
合金が開示されている。
ば、特公昭59−49302 号公報に、TaまたはTa+Nb:1 〜
6 %、MoおよびWのうちの1種または2種:1〜10%、
Ni:10〜30%、Co:10〜30%、Cr:10〜25%を含むFe基
合金が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特公昭59−49
302 号公報に記載されたFe基合金は、TaやCoなどの高価
な合金元素を多量に含有し、高価なうえ、3〜10重量%
Alを含有する溶融Al−Zn浴に対しても効果があるかどう
かは定かでない。また、溶融Al−Zn浴の浴槽材として、
高価な高合金系ステンレス鋼やセラミックスを適用する
ことも考えられるが、小型の浴槽には適用できても厚肉
大型の浴槽への適用は、経済性の点で大きく劣るという
問題があった。
302 号公報に記載されたFe基合金は、TaやCoなどの高価
な合金元素を多量に含有し、高価なうえ、3〜10重量%
Alを含有する溶融Al−Zn浴に対しても効果があるかどう
かは定かでない。また、溶融Al−Zn浴の浴槽材として、
高価な高合金系ステンレス鋼やセラミックスを適用する
ことも考えられるが、小型の浴槽には適用できても厚肉
大型の浴槽への適用は、経済性の点で大きく劣るという
問題があった。
【0006】このようなことから、溶融Al−Znめっき浴
の浴槽材に適用できる耐溶損性に優れ、しかも安価な浴
槽用材料が要望されている。本発明は、上記した従来技
術の問題点に鑑み、溶融Al−Znめっき浴槽材として優れ
た耐溶損性を有し、かつ厚肉の大型容器を経済的に製造
できる浴槽用鋳鉄を提供することを目的とする。
の浴槽材に適用できる耐溶損性に優れ、しかも安価な浴
槽用材料が要望されている。本発明は、上記した従来技
術の問題点に鑑み、溶融Al−Znめっき浴槽材として優れ
た耐溶損性を有し、かつ厚肉の大型容器を経済的に製造
できる浴槽用鋳鉄を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を達成するために、鋭意検討し、溶融Al−Zn浴中への
浴槽材料(主にFe)の溶解・合金化反応を物理的に阻止
するため浴槽材料の酸化皮膜の安定化、液体Al金属へ
の溶解度の小さな合金元素の利用、比較的安価に大型
容器の製造を可能とするために鋳造性の向上、が重要で
あるとの結論を得た。そこで、さらに、溶融Al−Znめっ
き浴における浴槽材料の耐溶損性におよぼす各種合金元
素の影響について種々の研究を行い、本発明を完成した
のである。
を達成するために、鋭意検討し、溶融Al−Zn浴中への
浴槽材料(主にFe)の溶解・合金化反応を物理的に阻止
するため浴槽材料の酸化皮膜の安定化、液体Al金属へ
の溶解度の小さな合金元素の利用、比較的安価に大型
容器の製造を可能とするために鋳造性の向上、が重要で
あるとの結論を得た。そこで、さらに、溶融Al−Znめっ
き浴における浴槽材料の耐溶損性におよぼす各種合金元
素の影響について種々の研究を行い、本発明を完成した
のである。
【0008】すなわち、本発明は、重量%で、C:2.0
〜4.0 %、Si:2.5 超〜5.0 %、Mn:0.1 〜3.0 %、C
r:3.0 〜25.0%を含み、残部Feおよび不可避的不純物
からなる組成を有することを特徴とする耐溶損性に優れ
た溶融Al−Znめっき浴槽用鋳鉄鋳物である。また、本発
明では、前記組成に加えて、さらにMo:3.5 %以下、N
i:5.0 %以下のうちから選ばれた1種または2種を含
有するのが好適である。
〜4.0 %、Si:2.5 超〜5.0 %、Mn:0.1 〜3.0 %、C
r:3.0 〜25.0%を含み、残部Feおよび不可避的不純物
からなる組成を有することを特徴とする耐溶損性に優れ
た溶融Al−Znめっき浴槽用鋳鉄鋳物である。また、本発
明では、前記組成に加えて、さらにMo:3.5 %以下、N
i:5.0 %以下のうちから選ばれた1種または2種を含
有するのが好適である。
【0009】また、本発明は、重量%で、C:2.0 〜4.
0 %、Si:2.5 超〜5.0 %、Mn:0.1 〜3.0 %、Cr:3.
0 〜25.0%を含み、あるいはさらにMo:3.5 %以下、N
i:5.0 %以下のうちから選ばれた1種または2種を含
有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる溶湯を溶製
し、鋳造後、400 ℃超700 ℃以下の温度で焼戻し処理を
行うことを特徴とする耐溶損性に優れた溶融Al−Znめっ
き浴槽用鋳鉄鋳物の製造方法である。
0 %、Si:2.5 超〜5.0 %、Mn:0.1 〜3.0 %、Cr:3.
0 〜25.0%を含み、あるいはさらにMo:3.5 %以下、N
i:5.0 %以下のうちから選ばれた1種または2種を含
有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる溶湯を溶製
し、鋳造後、400 ℃超700 ℃以下の温度で焼戻し処理を
行うことを特徴とする耐溶損性に優れた溶融Al−Znめっ
き浴槽用鋳鉄鋳物の製造方法である。
【0010】また、本発明は、重量%で、C:2.0 〜4.
0 %、Si:2.5 超〜5.0 %、Mn:0.1 〜3.0 %、Cr:3.
0 〜25.0%を含み、あるいはさらにMo:3.5 %以下、N
i:5.0 %以下のうちから選ばれた1種または2種を含
有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有す
る鋳鉄からなることを特徴とする鋳鉄鋳物製溶融Al−Zn
めっき浴槽である。
0 %、Si:2.5 超〜5.0 %、Mn:0.1 〜3.0 %、Cr:3.
0 〜25.0%を含み、あるいはさらにMo:3.5 %以下、N
i:5.0 %以下のうちから選ばれた1種または2種を含
有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有す
る鋳鉄からなることを特徴とする鋳鉄鋳物製溶融Al−Zn
めっき浴槽である。
【0011】
【発明の実施の形態】まず、本発明の化学組成の限定理
由について説明する。以下、成分の単位はすべて重量%
である。 C:2.0 〜4.0 % Cは、鋳造時の湯流れ性を向上させ、かつ、耐溶損性に
寄与する炭化物を形成し、耐溶損性を向上させる。この
ような効果を得るためには、2.0 %以上の含有が必要で
ある。一方、4.0 %を超えると鋳造欠陥が発生しやすく
なる。このようなことから、Cは2.0 〜4.0 %の範囲に
限定した。なお、好ましくは2.7 〜3.5%である。
由について説明する。以下、成分の単位はすべて重量%
である。 C:2.0 〜4.0 % Cは、鋳造時の湯流れ性を向上させ、かつ、耐溶損性に
寄与する炭化物を形成し、耐溶損性を向上させる。この
ような効果を得るためには、2.0 %以上の含有が必要で
ある。一方、4.0 %を超えると鋳造欠陥が発生しやすく
なる。このようなことから、Cは2.0 〜4.0 %の範囲に
限定した。なお、好ましくは2.7 〜3.5%である。
【0012】Si:2.5 超〜5.0 % Siは、脱酸と鋳造性の確保のために添加するが、2.5 %
以下では効果がなく、一方、5.0 %を超えて含有する
と、効果がなく、かつ材料を脆化させ、しかも鋳造欠陥
も発生しやすくなる。このため、Siは2.5 超〜5.0 %の
範囲に限定した。なお、好ましくは2.5 超〜3.5 %であ
る。
以下では効果がなく、一方、5.0 %を超えて含有する
と、効果がなく、かつ材料を脆化させ、しかも鋳造欠陥
も発生しやすくなる。このため、Siは2.5 超〜5.0 %の
範囲に限定した。なお、好ましくは2.5 超〜3.5 %であ
る。
【0013】Mn:0.1 〜3.0 % Mnは、溶湯の脱酸剤として作用し、また、不純物である
Sと結合してMnS を形成しSによる材料の脆化を防止す
る。このような効果を得るためには0.1 %以上の含有が
必要である。一方、3.0 %を超えて含有すると、オース
テナイトが残留しやすくなり、浴槽の経時形状変化や割
れの原因となる。このため、Mnは0.1 〜3.0 %の範囲に
限定した。なお、好ましくは0.5 〜1.5 %である。
Sと結合してMnS を形成しSによる材料の脆化を防止す
る。このような効果を得るためには0.1 %以上の含有が
必要である。一方、3.0 %を超えて含有すると、オース
テナイトが残留しやすくなり、浴槽の経時形状変化や割
れの原因となる。このため、Mnは0.1 〜3.0 %の範囲に
限定した。なお、好ましくは0.5 〜1.5 %である。
【0014】Cr:3.0 〜25.0% Crは、本発明で最も重要な元素であり、浴槽材の耐溶損
性を向上させ、かつ、固溶によって基地を強化するため
に3.0 %以上の含有が必要である。しかし、25.0%を超
えて含有すると鋳造性が著しく低下し、健全な鋳物の製
造が困難になる。このため、Crは3.0 〜25.0%の範囲に
限定した。なお、好ましくは5.0 〜15.0%である。
性を向上させ、かつ、固溶によって基地を強化するため
に3.0 %以上の含有が必要である。しかし、25.0%を超
えて含有すると鋳造性が著しく低下し、健全な鋳物の製
造が困難になる。このため、Crは3.0 〜25.0%の範囲に
限定した。なお、好ましくは5.0 〜15.0%である。
【0015】さらに必要に応じ、下記の元素のうちから
選ばれた1種または2種を含有できる。 Mo:3.5 %以下 Moは、基地強化の作用を持つとともに、鋳物表面に生成
した酸化皮膜をより強固にして、耐溶損性向上に寄与す
る。しかし、3.5 %を超えて含有しても含有量に見合う
効果が期待できないため、経済性を考慮し上限を3.5 %
とした。
選ばれた1種または2種を含有できる。 Mo:3.5 %以下 Moは、基地強化の作用を持つとともに、鋳物表面に生成
した酸化皮膜をより強固にして、耐溶損性向上に寄与す
る。しかし、3.5 %を超えて含有しても含有量に見合う
効果が期待できないため、経済性を考慮し上限を3.5 %
とした。
【0016】Ni:5.0 %以下 Niは、焼入れ性を向上させて基地を強化させる元素であ
るが、5.0 %を超えて含有すると、安定なオーステナイ
トが多量残留し、浴槽の経時形状変化や割れの原因にな
るとともに、耐溶損性が低下する。このため、Ni含有量
の上限を5.0 %とした。
るが、5.0 %を超えて含有すると、安定なオーステナイ
トが多量残留し、浴槽の経時形状変化や割れの原因にな
るとともに、耐溶損性が低下する。このため、Ni含有量
の上限を5.0 %とした。
【0017】本発明の鋳物では、上記した化学成分以外
の残部は、Feおよび不可避的不純物である。不可避的不
純物としては、P:0.30%以下、S:0.10%以下、Al:
0.10%以下、B:0.10%以下、N:0.08%以下が許容で
きる。本発明鋳物の製造方法について、説明する。上記
した組成の溶湯を、高周波炉等の通常公知の溶製方法で
溶製したのち、所定形状の砂型モールド等の鋳型に鋳造
し、めっき浴槽用鋳物とされる。鋳造された鋳物は、鋳
造組織の安定化および鋳造応力の除去のため、焼戻し処
理を施され、めっき浴槽とされるのが望ましい。
の残部は、Feおよび不可避的不純物である。不可避的不
純物としては、P:0.30%以下、S:0.10%以下、Al:
0.10%以下、B:0.10%以下、N:0.08%以下が許容で
きる。本発明鋳物の製造方法について、説明する。上記
した組成の溶湯を、高周波炉等の通常公知の溶製方法で
溶製したのち、所定形状の砂型モールド等の鋳型に鋳造
し、めっき浴槽用鋳物とされる。鋳造された鋳物は、鋳
造組織の安定化および鋳造応力の除去のため、焼戻し処
理を施され、めっき浴槽とされるのが望ましい。
【0018】焼戻し温度は、400 超〜700 ℃の範囲とす
るのが望ましい。焼戻し温度が400 ℃以下では、組織の
安定化と鋳造応力除去の効果がなく、また、700 ℃を超
えると炭化物が折出し、基地の軟化が著しくなり、材質
劣化するとともに、浴槽にひずみが生じたりする。この
ため、焼戻し処理は400 ℃超700℃以下の温度範囲とす
るのが望ましい。
るのが望ましい。焼戻し温度が400 ℃以下では、組織の
安定化と鋳造応力除去の効果がなく、また、700 ℃を超
えると炭化物が折出し、基地の軟化が著しくなり、材質
劣化するとともに、浴槽にひずみが生じたりする。この
ため、焼戻し処理は400 ℃超700℃以下の温度範囲とす
るのが望ましい。
【0019】
【実施例】表1に示す組成の溶湯を、高周波炉を用い
て、大気中で溶製し、砂型モールドに鋳造し、厚肉大型
の溶融Al−Znめっき浴槽と同等の凝固・冷却条件で、厚
さ15mm×幅80mm×長さ140 mmの寸法の鋳片を製造した。
これら鋳片を、630 ℃で焼戻し処理した後、鋳片の片面
側(80mm×140 mm)を機械加工により研削して、厚さ14
mm×幅80mm×長さ140 mmの寸法の試験片に仕上げた。こ
れら試験片を、温度450 ℃に加熱したAlを 6.7〜 7.0重
量%含有する溶融Al−Zn浴中に約1500h 間浸漬したのち
引き上げ、JlS 塩化アンチモン法(JIS H 0401)で、生
成しためっき層を除去した。めっき層を除去された試験
片について、重量を測定し溶損率を求めた。なお、溶損
率は、浴中浸漬後のめっき除去された試験片重量を浸漬
前の試験片重量で除した値で定義した。
て、大気中で溶製し、砂型モールドに鋳造し、厚肉大型
の溶融Al−Znめっき浴槽と同等の凝固・冷却条件で、厚
さ15mm×幅80mm×長さ140 mmの寸法の鋳片を製造した。
これら鋳片を、630 ℃で焼戻し処理した後、鋳片の片面
側(80mm×140 mm)を機械加工により研削して、厚さ14
mm×幅80mm×長さ140 mmの寸法の試験片に仕上げた。こ
れら試験片を、温度450 ℃に加熱したAlを 6.7〜 7.0重
量%含有する溶融Al−Zn浴中に約1500h 間浸漬したのち
引き上げ、JlS 塩化アンチモン法(JIS H 0401)で、生
成しためっき層を除去した。めっき層を除去された試験
片について、重量を測定し溶損率を求めた。なお、溶損
率は、浴中浸漬後のめっき除去された試験片重量を浸漬
前の試験片重量で除した値で定義した。
【0020】また、試験片を切断し、内部の鋳造欠陥を
調べた。これらの結果を表1に示す。
調べた。これらの結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】本発明例(No.P-1〜No.P-8)は、優れた耐
溶損性をもち、かつ、鋳造欠陥もなく、比較例として示
した現行使用されている普通鋼(No.L-2)、普通鋳鋼
(No.L-3)、普通鋳鉄(No.L-4, No.L-5, No.L-7)に比
べ、優れた耐溶損性と鋳造性を有することが明らかであ
る。また、高合金系鋳鉄(No.L-6)や高合金系ステンレ
ス鋼(No.L-1)は、本発明例と同等もしくは同等以上に
優れた耐溶損性を示すが、鋳造欠陥が生成し、大型容器
の製造性に難点があり、かつ高価な材料であるため、実
用的でないことが明らかである。
溶損性をもち、かつ、鋳造欠陥もなく、比較例として示
した現行使用されている普通鋼(No.L-2)、普通鋳鋼
(No.L-3)、普通鋳鉄(No.L-4, No.L-5, No.L-7)に比
べ、優れた耐溶損性と鋳造性を有することが明らかであ
る。また、高合金系鋳鉄(No.L-6)や高合金系ステンレ
ス鋼(No.L-1)は、本発明例と同等もしくは同等以上に
優れた耐溶損性を示すが、鋳造欠陥が生成し、大型容器
の製造性に難点があり、かつ高価な材料であるため、実
用的でないことが明らかである。
【0023】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、厚肉で
大型の溶融Al−Znめっき浴槽が、鋳造欠陥もなく、比較
的安価に製造でき、しかも耐溶損性に優れ、溶融Al−Zn
めっき浴槽の長寿命化が図れ、産業上格段の効果を奏す
る。また、本発明の鋳物は、浴槽材としての利用以外に
溶融Al−Zn浴に直接さらされる部材の材料としても利用
できる。
大型の溶融Al−Znめっき浴槽が、鋳造欠陥もなく、比較
的安価に製造でき、しかも耐溶損性に優れ、溶融Al−Zn
めっき浴槽の長寿命化が図れ、産業上格段の効果を奏す
る。また、本発明の鋳物は、浴槽材としての利用以外に
溶融Al−Zn浴に直接さらされる部材の材料としても利用
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 益田 雄策 茨城県日立市宮田町4の9の1の304 日鉱金属株式会社 技術開発センター内 (72)発明者 阪口 貢 東京都港区虎ノ門二丁目10番1号 日鉱 金属株式会社内 (56)参考文献 特開 昭54−37022(JP,A) 特開 平4−202740(JP,A) 特開 昭55−134160(JP,A) 特開 昭56−105459(JP,A)
Claims (4)
- 【請求項1】 重量%で、 C:2.0 〜4.0 %、 Si:2.5 超〜5.0
%、 Mn:0.1 〜3.0 %、 Cr:3.0 〜25.0% を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有
することを特徴とする耐溶損性に優れた溶融Al−Znめっ
き浴槽用鋳鉄鋳物。 - 【請求項2】 前記組成に加えて、さらにMo:3.5 %以
下、Ni:5.0 %以下のうちから選ばれた1種または2種
を含有することを特徴とする請求項1に記載の溶融Al−
Znめっき浴槽用鋳鉄鋳物。 - 【請求項3】 重量%で、 C:2.0 〜4.0 %、 Si:2.5 超〜5.0
%、 Mn:0.1 〜3.0 %、 Cr:3.0 〜25.0% を含み、あるいはさらにMo:3.5 %以下、Ni:5.0 %以
下のうちから選ばれた1種または2種を含有し、残部Fe
および不可避的不純物からなる溶湯を溶製し、鋳造後、
400 ℃超700 ℃以下の温度で焼戻し処理を行うことを特
徴とする耐溶損性に優れた溶融Al−Znめっき浴槽用鋳鉄
鋳物の製造方法。 - 【請求項4】 重量%で、 C:2.0 〜4.0 %、 Si:2.5 超〜5.0
%、 Mn:0.1 〜3.0 %、 Cr:3.0 〜25.0% を含み、あるいはさらにMo:3.5 %以下、Ni:5.0 %以
下のうちから選ばれた1種または2種を含有し、残部Fe
および不可避的不純物からなる組成を有する鋳鉄からな
ることを特徴とする鋳鉄鋳物製溶融Al−Znめっき浴槽。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27537398A JP3283833B2 (ja) | 1998-09-29 | 1998-09-29 | 耐溶損性に優れた溶融Al−Znめっき浴槽用鋳鉄鋳物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27537398A JP3283833B2 (ja) | 1998-09-29 | 1998-09-29 | 耐溶損性に優れた溶融Al−Znめっき浴槽用鋳鉄鋳物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000104139A JP2000104139A (ja) | 2000-04-11 |
JP3283833B2 true JP3283833B2 (ja) | 2002-05-20 |
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ID=17554587
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27537398A Expired - Fee Related JP3283833B2 (ja) | 1998-09-29 | 1998-09-29 | 耐溶損性に優れた溶融Al−Znめっき浴槽用鋳鉄鋳物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3283833B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
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---|---|---|---|---|
JP4732280B2 (ja) * | 2006-09-04 | 2011-07-27 | 株式会社カトー | 耐熱性および耐食性に優れた鋳鉄 |
KR101091839B1 (ko) | 2009-03-10 | 2011-12-12 | 캐터필라정밀씰 주식회사 | 씰 제조용 합금주철, 씰 및 씰의 제조 방법 |
JP6890104B2 (ja) | 2017-05-24 | 2021-06-18 | トーカロ株式会社 | 溶融金属メッキ浴用部材 |
CN116043100A (zh) * | 2022-12-17 | 2023-05-02 | 江苏华久辐条制造有限公司 | 一种ebsd分析下的热处理合金辐条 |
-
1998
- 1998-09-29 JP JP27537398A patent/JP3283833B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000104139A (ja) | 2000-04-11 |
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