JP3283245B2 - 精密温調装置 - Google Patents

精密温調装置

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JP3283245B2
JP3283245B2 JP20199299A JP20199299A JP3283245B2 JP 3283245 B2 JP3283245 B2 JP 3283245B2 JP 20199299 A JP20199299 A JP 20199299A JP 20199299 A JP20199299 A JP 20199299A JP 3283245 B2 JP3283245 B2 JP 3283245B2
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reheater
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air
condenser
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睦生 正田
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Asahi Kogyosha Co Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2600/00Control issues
    • F25B2600/25Control of valves
    • F25B2600/2507Flow-diverting valves

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  • Air Conditioning Control Device (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流体の温度、例え
ばクリーンルーム内等に設けられたチャンバ内の温度
を、消費電力を削減しながら精密に温度制御するための
精密温度制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体プロセスをはじめとした精密加工
を行うプロセスにおいて、プロセス装置は年間を通じて
安定した運転状態を維持し、また停止状態においても装
置自身の精度を維持するために安定した環境下におかれ
る必要がある。この為、半導体プロセス装置を取り扱う
場合、温湿度制御がされたクリーンルーム内にプロセス
装置を設置すると共に、特に加工精度の高いプロセス装
置は隔壁で仕切ったチャンバと呼ばれる容器内に収容し
て稼働している。
【0003】そのチャンバ内はプロセス装置の環境を維
持するため、±0.1℃またはこれ以上の安定度に精密
温度制御された空間となっており、プロセス装置はこの
環境下で加工精度を確保している。
【0004】チャンバの温度制御は、冷凍サイクルを用
いて行われ、チャンバ内の空気を空調機内に設置した蒸
発器に導入し、半導体プロセス装置から発生する熱を処
理(吸熱)した空気を、チャンバの設定温度以下になる
まで一旦冷却した後、一般的には、その空気を電気ヒー
タを用いて設定温度になるまで再加熱して温度制御を行
っている。
【0005】一方、半導体製造プロセス装置は半導体の
世代が進むにつれ、大型化すると同時に消費する電力の
量も増加し、半導体工場での消費電力は膨大な量を必要
としてきている。特に上記の高度な温度制御を必要する
プロセス装置のための再加熱用電気ヒータは、消費電力
のうちのかなりの割合を占めている。
【0006】従来、冷凍サイクルの廃熱を利用して温度
制御を行うよう提案された装置もあったが、廃熱の回収
が十分でなかったり、廃熱の回収に使用される部材の応
答が遅く、上記のような高精度な温度制度を要求される
装置においては十分な機能が果たされていないのが現実
であった。
【0007】例えば、図5は、特公平3−50945号
公報で提案された、冷凍サイクルの廃熱を利用して温度
制御しようとする装置を示している。
【0008】先ず、冷凍サイクル50は、圧縮機51の
吐出側から吸い込み側にかけて冷媒配管61にて凝縮器
52、膨張弁57、蒸発器53が順次接続されて構成さ
れ、その蒸発器53の空気出口側に再加熱器54が配置
され、圧縮機51から凝縮器52に至る冷媒配管61
に、平行に廃熱回収のための加熱器54が、制御弁56
と分岐管55にて接続されて冷凍サイクルの廃熱を利用
した温度制御装置が構成される。
【0009】この装置においては、凝縮器52で放熱
し、蒸発器53で、被温度制御媒体である空気を冷却す
るが、必要に応じて制御弁56を開くことにより、圧縮
機1を出たホットガスと呼ばれる高温・高圧のガスが、
加熱器54内に導入され、蒸発器53で冷却された空気
を加熱することになる。
【0010】この場合、加熱器54の空気吹き出し側
に、温度センサ58が設けられ、その温度センサ58で
加熱器54からの空気の温度を測定して温度調節計59
に入力し、温度調節器59で制御弁56の開度を制御し
て加熱器54に流すホットガス流量をフィードバック制
御するようにしている。
【0011】なお、60は凝縮器52の放熱用の冷却水
配管である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】このような構成の従来
技術上の問題点は、分岐管側の制御弁56が開いても圧
力バランスによっては分岐管側に冷媒ガスが流れず、十
分な廃熱の回収ができない問題があった。
【0013】また、制御弁56に使用される弁はモータ
等により弁の開度を決定するタイプであるため温度調節
計59からの制御指令に対し応答が数十秒と遅く、±
0.1℃程度の温度精度までが限界で、それ以上の温度
精度を制御するには応答性のよい電気ヒータを使用し、
サイリスタによる通電制御を行うことを必要としてい
た。
【0014】そこで、本発明の目的は、ホットガスを凝
縮器と再加熱器の圧力バランスに依存せずに機械的に分
流し、確実に再加熱器に導入してチャンバ内を精密温調
できる精密温調装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明は、チャンバに臨んで、そのチャ
ンバからの空気を冷却する冷凍サイクルの蒸発器を設置
し、その蒸発器で冷却された空調空気を再加熱して精密
温調してチャンバに吹き出すチャンバの精密温調装置に
おいて、蒸発器の空気吹き出し側に配置された再加熱器
と、空気圧で作動され、圧縮機から凝縮器に至るホット
ガスを分流して上記再加熱器にバイパスさせる三方比例
制御弁と、圧力空気源に接続され、入力される電気信号
に応じた空気圧に変換し、その空気圧で三方比例制御弁
の分流比を制御する電−空変換器と、チャンバ内に吹き
込まれる温度を検出する温度センサと、その温度センサ
の検出値が入力され、その温度に応じて上記三方比例制
御弁の分流比を制御すべく電−空変換器に電気信号を出
力する温度調節計とを備えた精密温調装置である。
【0016】請求項2の発明は、圧縮機の吐出側に三方
比例制御弁が接続され、その三方比例制御弁の一方の出
口ポートに凝縮器が接続され、他方の出口ポートに再加
熱器が接続され、その再加熱器の出口側が凝縮器の入口
側に接続されて合流される請求項1記載の精密温調装置
である。
【0017】請求項3の発明は、再加熱器の出口と凝縮
器の入口側を結ぶラインに逆止弁が接続され、三方比例
制御弁の入口ポートと再加熱器の出口ポートとがキャピ
ラリー管等の圧力バランスラインで接続された請求項2
記載の精密温調装置である。
【0018】請求項4の発明は、圧縮機の吐出側に三方
比例制御弁が接続され、その三方比例制御弁の一方の出
口ポートに凝縮器が接続され、他方の出口ポートに再加
熱器が接続され、その再加熱器の出口側が凝縮器の入口
側に接続されて合流される請求項2又は3記載の精密温
調装置である。
【0019】請求項5の発明は、再加熱器の出口と凝縮
器の入口側を結ぶラインに逆止弁が接続され、三方比例
制御弁の入口ポートと再加熱器の出口ポートとがキャピ
ラリー管等の圧力バランスラインで接続された請求項4
記載の精密温調装置である。
【0020】
【0021】
【0022】以上より、本発明は、三方比例制御弁を用
いて、ホットガスを凝縮器と再加熱器の圧力バランスに
依存せずに機械的に分流し、確実に再加熱器に導入する
ことにより、冷凍サイクルの廃熱を確実に回収し従来技
術の欠点を克服することが可能となる。
【0023】また、本発明においては、従来使用されて
いた電動モータ型の制御弁の応答性の遅さを解消し、応
答速度の速い三方比例制御弁を採用することにより、高
度な温度安定度を必要とする精密温度制御において、温
度制御に用いる再加熱用の電気ヒータの採用をやめ、大
幅に消費電力の削減を図ることが可能となる。
【0024】また、温度の安定度については、従来廃熱
利用のシステムでは不可能に近かった±0.1℃以下の
精度を確保することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適実施の形態を
添付図面に基づいて詳述する。
【0026】図1において、半導体製造プロセス装置
(図示せず)を収容するチャンバ10は、クリーンルー
ム等に設けた隔壁室11内に形成される。
【0027】この隔壁室11には、チャンバ10と空気
通路20と機械室16と流入室24が形成される。チャ
ンバ10の前後はフィルタ21と排気板22で区画さ
れ、排気板22と空調通路20とがリターンダクト23
で接続される。機械室16とフィルタ21間には、蒸発
器17、再加熱器18及び送風機19が収容される空気
通路20と、その空気通路20につながる流入室24が
形成される。
【0028】機械室16内には、圧縮機12、三方比例
制御弁13、凝縮器14、膨張弁15が収容され、これ
ら圧縮機12、三方比例制御弁13、凝縮器14、膨張
弁15と、空調通路20内に収容した蒸発器17、再加
熱器18とで冷凍サイクルが構成される。
【0029】リターンダクト23には、矢印OAで示す
ように外気導入ラインが接続され、外気導入により、チ
ャンバ10内が、クリーンルームより若干圧力が高い陽
圧に保たれるようにされている。
【0030】フィルタ21の吹き出し側には温度センサ
25が設けられ、その検出値が信号ライン33を介して
温度調節計26に入力され、温度調節計26が検出温度
に応じて、制御ライン34を介して三方比例制御弁13
を制御し、三方比例制御弁13の開度を決定することに
より分流比を制御するようになっている。
【0031】これにより従来技術(図5)では、凝縮器
52と再加熱器54の圧力バランスに影響されながら分
流比が決定されていたものが、三方比例制御弁13の開
度により機械的に決定され、確実に分流比が確定するこ
とが出来る。
【0032】三方比例制御弁13は、詳細は後述する
が、電−空変換器35を有し、その電−空変換器35に
圧力空気源36が接続されて構成され、制御ライン34
からの電気信号(電流或いは電圧)が電−空変換器35
に入力されると、圧力空気源36から電気信号の値に比
例した空気圧力に変換され、その空気圧に基づいて凝縮
器14と再加熱器18に流れるホットガスの分流比を調
整するようになっている。
【0033】三方比例制御弁13の圧縮機12側のポー
トと、再加熱器18に至るポートを結んでキャピラリ管
37が接続され、その再加熱器18と凝縮器14に至る
ライン38に圧縮機12側からのホットガスの逆流を阻
止するための逆止弁39が接続される。
【0034】また凝縮器14には、冷却水の供給管27
と排出管28が接続され、その排出管28に制御弁29
が接続され、凝縮器14で熱交換された廃熱を冷却水に
て装置外に排出する。
【0035】図2は、図1に示した再加熱器18を組み
込んだ冷凍サイクル30を示したものである。
【0036】図2において、圧縮機12の吐出側より冷
媒配管31を介して凝縮器14、膨張弁15及び蒸発器
17が順次接続されて冷凍サイクル30が構成され、そ
の冷凍サイクル30の蒸発器17の空気吹き出し側に再
加熱器18が設けられる。
【0037】この再加熱器18は、圧縮機12から凝縮
器14に至る吐出側配管31aに三方比例制御弁13が
接続され、その三方比例制御弁13の分岐ポートと再加
熱器18の入口側とが分岐ライン32で接続され、再加
熱器18の出口側が逆止弁39が接続されたライン38
を介して凝縮器14の入口側に接続されて、ホットガス
による空調空気の再加熱を行えるようになっている。
【0038】また、圧縮機12から三方比例制御弁13
の間と分岐ライン32とを結んで圧力バランスラインと
してのキャピラリ管37が接続される。
【0039】三方比例制御弁13は、上述したように圧
力空気源36に接続された電−空変換器35を有し、そ
の弁本体40に、入口ポート41と2つの出口ポート4
2,43が形成され、その入口ポート41から各出口ポ
ート42,43に至る流路に、調節弁44,45が設け
られて構成される。
【0040】三方比例制御弁13の分流比の制御は、制
御ライン34からの電気信号に比例した空気圧に電−空
変換器35が変換し、その変換された空気圧に基づいて
両調節弁44,45の弁開度を制御するものある。この
場合、両調節弁44,45は、一方が開放されると他方
が閉じるよう連動するように構成され、一方の調節弁4
4が、出口ポート42を介して凝縮器14側に、他方が
出口ポート43を介して再加熱器18側に接続され、空
気圧が高くなるに伴って調節弁44の弁開度が小さく、
同時に調節弁45の弁開度が大きくなるように両弁4
4,45が連動して開度が変化して分流比を制御するよ
うになっている。
【0041】また、図中、39は、凝縮器14側から再
加熱器18に高温の冷媒が逆流するのを防止するための
逆止弁である。
【0042】尚、図2において、凝縮器14には、冷却
水の供給管27と制御弁29が接続され冷却水の排出管
28が接続され、また送風機19は、チャンバ10内の
空気を蒸発器17、再加熱器18を通して吸引するよう
に設けられる。
【0043】次に本発明の作用を述べる。
【0044】先ず、図2の冷凍サイクル30における冷
媒は、圧縮機12で高温高圧冷媒ガス(ホットガス)と
されて凝縮器14に流れ、そこで冷却水と熱交換されて
凝縮され、膨張弁15で減圧されて、気液混合冷媒とな
って蒸発器17に流れ、そこで送風機19で循環される
チャンバ10内空気と熱交換して蒸発して圧縮機12に
戻り再度圧縮されて循環する。
【0045】この冷凍サイクル30の運転中、三方比例
制御弁13の分流比が調整されて圧縮機12からのホッ
トガスが再加熱器18に流され、蒸発器17で冷却され
た空気をホットガスで設定温度まで再加熱し、チャンバ
10内を精密温度制御する。
【0046】すなわち、図1に示すように、チャンバ1
0内の空気は、空調通路20内の蒸発器17で、設定温
度に対して、例えば約5℃低い温度まで一旦冷却され、
その空気が、再加熱器18内を流れるホットガスで熱交
換されて設定温度まで再加熱され、送風機19よりフィ
ルタ21を通してチャンバ10内に吹き出されてチャン
バ10内温度が制御される。
【0047】この精密温度制御の際、温度センサ25
は、フィルタ21から吹き出される温度を検出し、その
温度に応じて温度調節計26が、制御ライン34を介し
て三方比例制御弁13の分流比を調整して再加熱器18
に流入するホットガス量を制御して再加熱の熱量制御を
行う。
【0048】この精密温調制御を行う際、三方比例制御
弁13は電−空変換器35の空気圧で、その開度比が調
整され、出口ポート42,43から分流されたホットガ
スが凝縮器14と再加熱器18に流れるが、圧縮機12
の立上運転時に、調整弁45が設定温度の関係で全閉
で、調節弁44側が全開で運転されるとすると、ホット
ガスの全量が凝縮器14側に流れて凝縮器14は高圧と
なるが、再加熱器18は、調整弁45が全閉で、しかも
凝縮器14と再加熱器18間は逆止弁39でカットされ
ているため、調整弁45の出口ポート43は、停止時の
再加熱器18の圧力ままで低圧となり、調節弁44の出
口ポート42の圧力は圧縮機12の吐出圧となり高圧と
なるため、調整弁45の出入口での圧力差が大きく、そ
の後、再加熱器18の調整弁45を電−空変換器35の
空気圧で開こうとしても、圧力差に抗して調整弁45の
開度を調整することが困難となる。
【0049】そこで圧縮機12の吐出側と分岐ライン3
2間に、圧力バランスラインとしてのキャピラリ管37
を接続し、立上運転時に調整弁45が全閉でも、キャピ
ラリ管37を通してホットガスを再加熱器18に流すこ
とで、調整弁45の出口ポート43の圧力を吐出圧近く
まで上げることが可能となり、出入口の圧力差をなくす
ことで、電−空変換器35の空気圧による三方比例制御
弁13の開度制御を良好に行うことが可能となる。
【0050】このキャピラリ管37は、立ち上げ運転の
時に圧力バランスをとるものでありるため、開閉弁とし
てもよく、また三方比例制御弁13内に予め設けてもよ
い。
【0051】なお、上述の実施の形態においては、分岐
ライン38の分岐点に三方比例制御弁13を配置して、
再加熱器18にホットガスを分流して再加熱を行う例を
説明したが、三方比例制御弁13を吐出側配管31aと
分岐ライン38の合流点に配置し、三方合流比例制御弁
として制御することも可能である。
【0052】次に、この再加熱を図3に示したモリエル
線図上の冷凍サイクルで説明する。
【0053】図3において、横軸は冷媒のエンタルピ
(熱量)、縦軸は圧力を示し、Gは、飽和ガス線を、L
qは飽和液線を示している。
【0054】先ず冷媒は、点aに示すように飽和ガス線
Gよりスーパヒートされた状態で、圧縮機に吸い込まれ
て圧縮され、点bまで圧縮されて凝縮器に流入し、そこ
で冷却水との熱交換で点cまで凝縮され、膨張弁で点d
まで膨張(減圧)されて蒸発器に流入し、そこでチャン
バ内空気と熱交換して蒸発されて点aに戻って圧縮−凝
縮−膨張−蒸発工程を繰り返す。
【0055】この冷凍サイクルにおいて、チャンバ外環
境はクリーンルームであり温湿度制御がなされており、
膨張弁15の開度は一定にされ、凝縮圧力は、一定に保
持されて運転される。すなわち、チャンバ10からリタ
ーンダクト23を介して蒸発器17に導入される循環空
気の熱量は、半導体製造プロセス装置等で生じる熱量
と、チャンバ10内を陽圧に保つための外気導入による
熱量とで変動するが、凝縮圧力が一定となるように、凝
縮器14に流す冷却水量を、凝縮圧力制御弁29で調整
することで、熱量の変動にかかわらず冷凍サイクルを安
定にすることができる。
【0056】従来においては、再熱化のために電気ヒー
タを蒸発器の吹き出し側に設置し、その蒸発器からの空
調空気を再加熱しているため、チャンバ内の温度制御
は、冷凍サイクルと、再熱化のための電力との双方で精
密温度制御を行っており、しかも再熱化のための電気ヒ
ータの熱量も冷凍サイクルで放熱しており、ランニング
コストが、再熱化分も含めてかかっていた。
【0057】本発明においては、チャンバ10内の精密
温度制御を冷凍サイクルのみで行うようにしたので、図
2に示した点bの熱量のホットガスを、再加熱器18に
流し、三方比例制御弁13にて、そのホットガス量を制
御することで、すなわち、点bと点c間で、且つ飽和ガ
ス線Gと飽和液線Lq間にある点をeとしたとき、点b
から点eの熱量を再熱化のために用い、点eから点c間
での熱量を凝縮器14で放熱させることで、ランニング
コストを抑えた精密温度制御が可能となる。
【0058】すなわち、従来のように電気ヒータの温度
制御にて、電気ヒータが最大出力の50%で稼動してい
るチャンバを本発明のシステムにて稼動すると、電気ヒ
ータ50%の電気エネルギと電気ヒータ50%稼動によ
る熱量に対する冷却水を製造するための冷却負荷エネル
ギが不要となり、工場設備としてみれば実質的に電気ヒ
ータ100%分のエネルギの低減が可能となる。
【0059】従って、再熱化用の電気ヒータ容量が大き
くなればなるほど得られる省エネ効果も大となる。
【0060】この再熱化のためにホットガスを分流する
三方比例制御弁13は、温度センサ25の検出値に応じ
て温度調節計26で、分流比の制御がなされ、凝縮器1
4と再加熱器18に流すホットガスを分配することで、
点eを自在に変えて、再熱化のための熱量(点b−点
c)を制御することが可能であり、従来の電気ヒータ制
御と比べてもその精密温度制御は同じにできる。
【0061】上述したように三方分流比例制御弁13
は、従来方式と違って、空気圧でダイヤフラム弁44,
45を制御する電−空比例制御方式のもので、アクチュ
エータ単体での応答速度は数10msec、分解能は約
1/2000であり、空気圧制御のため、耐久性が高
く、早い応答速度と高精度な開度制御が可能である。
【0062】すなわち、従来から冷媒流量を比例制御す
るアクチュエータは存在しているが、その大半はリニア
モータを使用しており、その応答速度は数十秒と非常に
長く、ギア等の機械的な摩耗によるアクチュエータの寿
命の問題やゼロ点位置のドリフト等の問題があり、ホッ
トガス流量を正確に制御することは困難であったが、電
空比例制御方式の三方比例制御弁13を用いることで、
耐久性が高く、早い応答速度と高精度な開度制御が可能
となる。
【0063】図4は、チャンバ内の設定温度を23℃と
し、周囲温度を24℃付近で約3℃の変動幅で略30分
周期で変化させたときのチャンバ温度の経時変化のデー
タを示したものである。
【0064】図4に示すように、本発明においては、チ
ャンバ内設定温度23℃に対して、±0.01℃以内に
収めることができた。
【0065】なお、上述の実施の形態においては、再加
熱器18にホットガスを流して再熱化を行う例を説明し
たが、チャンバ10内で空調空気を2系統に分けて、制
御する場合もあるため、電気ヒータを兼用してもよく、
また再加熱器を2基にしてそれぞれにホットガスを流す
ように構成してもよい。
【0066】また、上述の実施の形態においては、流体
としてチャンバ10の空気を精密温調する例で説明した
が、この他、流体としては恒温槽の冷却水等の温度を精
密温調するようにしてもよい。
【0067】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、再加熱の
ための熱源に冷凍サイクルのホットガスを用いることで
ランニングコストが低く、しかも、電−空変換器を用い
て三方比例制御弁の分流比を制御することで、高精度な
精密温度制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す図である。
【図2】図1における冷凍サイクルを示す図である。
【図3】本発明において、モリエル線図上の冷凍サイク
ルを説明する図である。
【図4】本発明において、精密温調を行ったときの周囲
温度とチャンバ内温度の経時変化を示す図である。
【図5】従来技術による廃熱利用型の温度制御装置の例
である。
【符号の説明】
10 チャンバ 12 圧縮機 13 三方比例制御弁 14 凝縮器 17 蒸発器 18 再加熱器 25 温度センサ 26 温度調節計 30 冷凍サイクル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F25B 29/00 381 F24F 11/02 102 F25B 29/00 411 F16K 31/12 F16K 11/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チャンバに臨んで、そのチャンバからの
    空気を冷却する冷凍サイクルの蒸発器を設置し、その蒸
    発器で冷却された空調空気を再加熱して精密温調してチ
    ャンバに吹き出すチャンバの精密温調装置において、蒸
    発器の空気吹き出し側に配置された再加熱器と、空気圧
    で作動され、圧縮機から凝縮器に至るホットガスを分流
    して上記再加熱器にバイパスさせる三方比例制御弁と、
    圧力空気源に接続され、入力される電気信号に応じた空
    気圧に変換し、その空気圧で三方比例制御弁の分流比を
    制御する電−空変換器と、チャンバ内に吹き込まれる温
    度を検出する温度センサと、その温度センサの検出値が
    入力され、その温度に応じて上記三方比例制御弁の分流
    比を制御すべく電−空変換器に電気信号を出力する温度
    調節計とを備えたことを特徴とする精密温調装置。
  2. 【請求項2】 圧縮機の吐出側に三方比例制御弁が接続
    され、その三方比例制御弁の一方の出口ポートに凝縮器
    が接続され、他方の出口ポートに再加熱器が接続され、
    その再加熱器の出口側が凝縮器の入口側に接続されて合
    流される請求項1記載の精密温調装置。
  3. 【請求項3】 再加熱器の出口と凝縮器の入口側を結ぶ
    ラインに逆止弁が接続され、三方比例制御弁の入口ポー
    トと再加熱器の出口ポートとがキャピラリー管等の圧力
    バランスラインで接続された請求項2記載の精密温調装
    置。
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