JP3283121B2 - 超音波モータの駆動回路 - Google Patents

超音波モータの駆動回路

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JP3283121B2 JP24935393A JP24935393A JP3283121B2 JP 3283121 B2 JP3283121 B2 JP 3283121B2 JP 24935393 A JP24935393 A JP 24935393A JP 24935393 A JP24935393 A JP 24935393A JP 3283121 B2 JP3283121 B2 JP 3283121B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は超音波モータの駆動回路
に係り、特に、超音波モータへの印加電圧値を変化させ
ることによって超音波モータの出力を制御する超音波モ
ータの駆動回路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より超音波振動を駆動力とする超音
波モータが知られている。超音波モータの一種である進
行波型の超音波モータでは、円環状の弾性体に圧電体が
貼付されてステータが形成されており、このステータに
は駆動軸に取付けられたロータが加圧接触されている。
超音波モータの駆動回路は、前記圧電体に所定周波数で
位相が90°異なる2相の駆動信号(sin 波及びcos 波)
を供給する。この2相の駆動信号によって発生する圧電
体の機械振動により、弾性体に、振動の腹及び節が弾性
体に沿って円環状に移動する超音波振動(進行波)が励
起される。この進行波により、前記弾性体に加圧接触さ
れたロータ及び駆動軸が、前記進行波の進行方向と逆の
方向に回転される。
【0003】また、超音波モータの出力(ロータの回転
速度、トルク)は、超音波振動の振幅、すなわち駆動信
号の電圧値(超音波モータへの印加電圧値)に応じて変
化する。このため、従来は超音波モータの出力の制御や
安定した出力を得ることを目的として超音波モータに供
給する駆動信号の電圧値を制御していた。例えば特開平
3-239168号公報では、駆動信号の電源回路をスイッチン
グレギュレータで構成し、スイッチングレギュレータか
らの出力電圧を2個の抵抗によって分圧し、コンパレー
タの2個の入力端の一方に入力すると共に、コンパレー
タの他方の入力端には基準電圧を入力するようにしてい
る。コンパレータは分圧されて入力された電圧が基準電
圧よりも低い場合にはスイッチングトランジスタのスイ
ッチング動作を行わせ、入力された電圧が基準電圧より
も高い場合に前記スイッチング動作を停止させる。
【0004】これにより、スイッチングトランジスタの
オンオフのデューティー比が調整され、スイッチングレ
ギュレータからの出力電圧が基準値に一致するように制
御される。上記の電源回路では、電源電圧の変動や超音
波モータに加わる負荷の変動等による出力電圧の変化に
対して非常に高速で応答し、出力電圧を常に一定電圧に
保つことができるので、一般的な電源としては有用であ
る。前記公報では、電源回路から出力された電圧から駆
動信号を発生させることにより、一定の電圧値の駆動信
号を得ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、超音波
モータは超音波モータに加わる負荷が一定であっても、
ロータが1回転する間にロータの位置によってインピー
ダンスが変化する。駆動信号の電圧値はこのインピーダ
ンスの周期的な変化の影響を受けるが、前述の電源回路
では上記のような超音波モータのインピーダンスの周期
的な変化に高速で応答し出力電圧が一定となるように制
御する。このため、駆動信号の電圧値は常に一定で圧電
体を流れる電流が変動することになり、これに伴って超
音波モータに供給される電力(すなわちエネルギー)が
変動する。従って、前述の電源回路を用いた場合には、
超音波モータのインピーダンスの周期的な変化に追従し
て超音波モータに供給するエネルギーが変動し、これに
よってロータの回転速度のむら、トルクの変動等の超音
波モータの出力の変動が発生する、という問題があっ
た。
【0006】本発明は上記事実を考慮して成されたもの
で、超音波モータのインピーダンスの周期的な変動によ
る超音波モータの出力の変動を抑制することができる超
音波モータの駆動回路を得ることが目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係る超音波モータの駆動回路は、駆動信号を
供給して超音波モータを駆動すると共に超音波モータの
駆動状態を検出し、該駆動状態の検出結果に基づいて前
記超音波モータの駆動を制御する超音波モータ駆動回路
であって、前記駆動信号を供給することで超音波モータ
に印加される電圧を検出する検出手段と、前記検出手
段によって検出された印加電圧印加電圧の目標値
との差が小さい場合には印加電圧値が低速で徐々に変化
、検出された印加電圧と前記目標値との差が大きい
場合には印加電圧値が高速で変化して、印加電圧が前
記目標値に一致するように制御する印加電圧制御手段
と、を備えたことを特徴としている。
【0008】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の発明において、印加電圧制御手段は、検出手段に
よって検出された印加電圧と前記印加電圧の目標値
との差が大きくなるに従って前記印加電圧の変化速度
速くなるように制御することを特徴としている。
【0009】また、請求項3記載の発明は、請求項1記
載の発明において、印加電圧制御手段は、検出手段に
よって検出された印加電圧と前記印加電圧の目標値
との差が所定値以上のときに、前記差が所定値未満のと
きよりも印加電圧の変化速度の変化率が増大するよう
前記印加電圧の変化速度を制御することを特徴と
している
【0010】
【作用】本発明では、駆動信号を供給することで超音波
モータに印加される電圧値を検出し、検出した印加電圧
印加電圧の目標値との差が小さい場合には印加
値が低速で徐々に変化、検出印加電圧と前記
目標値との差が大きい場合には印加電圧値が高速で変化
て、印加電圧が前記目標値に一致するように制御す
る。これにより、印加電圧値が目標値に一致又は近い通
常の場合には、超音波モータのインピーダンスの周期的
な変動により、検出された印加電圧と目標値とに若干
の差が生じても印加電圧が低い変化速度で緩やかに変
化されるので、超音波モータに供給されるエネルギーの
変動も緩やかとなり、超音波モータの出力の変動を抑制
することができる。
【0011】また、印加電圧値と目標値との差が大きい
場合には、印加電圧を高速で変化させるので、電源電
圧や超音波モータに加わる負荷等が急激に大きく変動し
た等の場合には印加電圧が短時間で目標値に一致する
ように高速で応答する。従って、超音波モータの圧電体
の破壊や劣化を防止することができ、超音波モータを適
正な駆動状態に保つことができる。
【0012】なお印加電圧の変化速度は、例えば請求
項2に記載したように、検出された印加電圧値と目標値
との差が大きくなるに従って印加電圧の変化速度
なるように制御することができる。また、請求項3に
記載したように、検出された印加電圧値と目標値との差
が所定値以上のときに、前記差が所定値未満のときより
印加電圧の変化速度の変化率が増大するように印加
電圧の変化速度を制御するようにしてもよい。これに
より、特に電源電圧や超音波モータに加わる負荷等が急
激に大きく変動した等の場合の応答性が向上し、印加
を目標値に一致させる迄の時間を更に短縮すること
ができる。
【0013】また、印加電圧の変化のさせ方は上記に
限定されるものではなく、例えば検出された印加電圧
と目標値との差が大きくなるに従って、印加電圧の変
化速度を段階的に速くするようにしてもよい。
【0014】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0015】〔第1実施例〕 図1には、本第1実施例に係る進行波型の超音波モータ
10が示されている。超音波モータ10は銅合金等から
構成される円環状の弾性体12を備え、この弾性体12
に圧電体14が貼付されてステータが形成されている。
【0016】圧電体14は電気信号を機械振動に変換す
る圧電材料から成り、多数の電極により円環状に分割、
配列されて構成されている。一方、駆動軸16に取付け
られたロータ18は、アルミ合金等から成るロータリン
グ20に円環状のスライダ22が接着されて形成されて
おり、スプリング24によってスライダ22が前記弾性
体12に加圧接触されている。このスライダ22として
は、安定した摩擦力、摩擦係数を得るために、例えばエ
ンジニアリングプラスチック等が用いられ、これにより
高効率でロータ18を駆動することができる。
【0017】また、弾性体12には圧電素子26(図2
参照)が貼付されている。図2に示すように圧電素子2
6は、一端が超音波モータ駆動回路30の周波数制御回
路32の入力端に接続され、他端が接地されている。圧
電素子26は弾性体12の振動を検出し、該振動に応じ
た振幅、周期の交流信号を周波数制御回路32へ出力す
る。周波数制御回路32の出力端はスイッチング制御回
路34の入力端に接続されており、スイッチング制御回
路34の出力端は駆動制御回路36に接続されている。
【0018】図3に示すように、駆動制御回路36は直
流電源40を備えている。直流電源40のマイナス端子
は接地されており、プラス端子はコイル42の一端に接
続されている。コイル42の他端には、エミッタが接地
されたNPN型のトランジスタ44のコレクタと、ダイ
オード46のアノードと、が接続されている。ダイオー
ド46のカソードには、一端が接地されたコンデンサ4
8の他端が接続されている。またダイオード46のカソ
ードには、電源線50を介してPNP型のトランジスタ
52、54、56、58のエミッタが各々接続されてい
る。
【0019】トランジスタ52のコレクタには圧電体1
4Aの一端が接続されており、圧電体14Aの他端はト
ランジスタ54のコレクタに接続されている。また、ト
ランジスタ52、54のコレクタには各々NPN型のト
ランジスタ60、62のコレクタが接続されており、ト
ランジスタ60、62のエミッタは接地されている。ま
た、トランジスタ56のコレクタには圧電体14Bの一
端が接続されており、圧電体14Bの他端はトランジス
タ58のコレクタに接続されている。これらの圧電体1
4A、14Bは超音波モータ10の圧電体14を構成し
ている。
【0020】また、トランジスタ56、58のコレクタ
には各々NPN型のトランジスタ64、66のコレクタ
が接続されており、トランジスタ64、66のエミッタ
は接地されている。また、トランジスタ52、54、5
6、58、60、62、64、66のベースは前述のス
イッチング制御回路34に各々接続されており、各トラ
ンジスタはスイッチング制御回路34から入力されるス
イッチング制御信号に応じてオンオフされる。
【0021】一方、ダイオード46のカソードには抵抗
68の一端が接続されており、抵抗68の他端には、一
端が接地された抵抗70の他端が接続されている。抵抗
68と抵抗70との間は、本発明の印加電圧制御手段
の一部を構成する電圧値制御回路38Aの入力端39A
に接続されている。入力端39Aには抵抗72の一端が
接続されており、抵抗72の他端はオペアンプ74の反
転入力端に接続されている。オペアンプ74の非反転入
力端には、電圧値制御回路38Aの入力端39Bを介し
て図示しない外部回路から超音波モータ10の駆動信号
の目標値に対応する大きさの電圧が入力される。オペア
ンプ74の反転入力端にはコンデンサ76の一端が接続
されており、コンデンサ76の他端はオペアンプ74の
出力端に接続されている。
【0022】オペアンプ74の出力端は、電圧値制御回
路38Aの出力端39Cを介してオペアンプ78の非反
転入力端に接続されている。オペアンプ78の反転入力
端は発振器80の出力端に接続されている。発振器80
は波形がのこぎり波でかつ一定の振幅及び周波数の基準
信号を出力する。オペアンプ78の出力端は抵抗43を
介してトランジスタ44のベースに接続されている。
【0023】次に本第1実施例の作用として、最初に駆
動制御回路36及び周波数制御回路32の動作について
説明する。超音波モータ10の駆動が指示されると、ス
イッチング制御回路34では駆動制御回路36にスイッ
チング制御信号を供給し、駆動制御回路36の電源線5
0を介して、圧電体14A、14Bの各々に超音波モー
タ10の駆動周波数帯域(図4参照)よりも充分高い所
定周波数(図4に示す駆動開始時の周波数)の方形波形
の駆動信号が供給されるように各トランジスタをオンオ
フさせる(なお、電源線50の電圧値、すなわち駆動信
号の電圧値の制御については後述する)。
【0024】すなわち、圧電体14Aに接続されたトラ
ンジスタ52、54、60、62に対しては、前記所定
周波数の半周期に対応する期間トランジスタ54、60
をオフさせると共に前記半周期に対応する期間中に所定
時間だけトランジスタ52、62をオンさせ、次に前記
半周期に対応する期間トランジスタ52、62をオフさ
せると共に前記半周期に対応する期間中に所定時間だけ
トランジスタ54、60をオンさせることを交互に繰り
返し、圧電体14Aを流れる電流の向きを交互に切り替
える。これにより圧電体14Aには、各パルスの電圧値
が電源線50の電圧値に対応する一定値でかつ前記所定
周波数の方形波形の駆動信号が供給される。
【0025】圧電体14Bに接続されたトランジスタ5
6、58、64、66の制御についても上記とほぼ同様
であるが、圧電体14Bに供給される方形波形の駆動信
号の位相が圧電体14Aに供給される駆動信号の位相と
90°異なるようにタイミングをずらしてオンオフす
る。これにより、超音波モータ10の弾性体12に進行
波が励起されて駆動軸16及びロータ18が回転され
る。また、弾性体12の振動は圧電素子26によって電
気信号に変換され、駆動回路30の周波数制御回路32
に入力される。
【0026】周波数制御回路32では、圧電素子26か
ら入力された信号に基づいて、該信号の周波数が超音波
モータ10の最適駆動周波数に徐々に近づいて一致し、
かつ一致した後は前記最適駆動周波数を追従するよう
に、周波数の目標値を表す周波数制御信号をスイッチン
グ制御回路34に出力する。スイッチング制御回路34
は、駆動信号の周波数が入力された周波数制御信号が表
す周波数に一致するように、各トランジスタのオンオフ
を制御する。
【0027】次に、駆動信号の電圧値(すなわち超音波
モータ10への印加電圧値)の制御について説明する。
駆動制御回路36の直流電源40、コイル42、トラン
ジスタ44、ダイオード46及びコンデンサ48は、周
知の昇圧型DC−DCコンバータを構成している。すな
わち、トランジスタ44がオンしているときには、直流
電源40からの電流がコイル42からトランジスタ44
へ流れてコイル42にエネルギーが蓄えられ、トランジ
スタ44がオフしたときに、コイル42に蓄えられたエ
ネルギーが直流電源40に重畳されてコイル42、ダイ
オード46を通って、コンデンサ48及び電源線50を
介して負荷回路(この場合はトランジスタ52、54、
56、58、60、62、64、66及び圧電体14
A、14Bから成る回路)に供給される。また、トラン
ジスタ44がオフしている状態ではコンデンサ48に充
電されているエネルギーが負荷回路に供給される。
【0028】ここで、トランジスタ44を高周波でオン
オフさせるものとし、電源電圧をVi 、トランジスタ4
4のデューティー比をαとし、かつ各素子における損失
を無視し、コイル42のインダクタンスが大きいとする
と、コイル42には一定電流が流れ、コンデンサ48及
び電源線50に供給される電圧V0(すなわち駆動信号
電圧値)は、 V0=Vi ÷(1−α) …(1) となり、ほぼ一定となる。デューティー比αは0<α<
1であるので、デューティー比αが高くなるに従って駆
動信号の電圧値0 は高くなる。
【0029】一方、抵抗68、70は本発明の検出手段
の一部を構成し、オペアンプ74の反転入力端には、駆
動信号の電圧値0が抵抗68、70によって分圧され
た電圧VINが抵抗72を介して入力される。電圧値制御
回路38Aを構成する抵抗72、コンデンサ76及びオ
ペアンプ74は所謂積分回路として動作し、オペアンプ
74の非反転入力端に入力される基準電圧をVM、コン
デンサ76の静電容量をC、抵抗72の電気抵抗をRと
すると、電圧値制御回路38Aのオペアンプ74から出
力される信号の電圧VOUT及び電圧VOUTを時間で微分し
た値である電圧VOUTの変化速度は、
【0030】
【数1】
【0031】となり、(3)式を線図で表すと図5のよ
うになる。従って、オペアンプ74では、駆動信号の
圧値0を分圧した電圧VINが基準電圧VMに等しい場合
にはオペアンプ74の出力電圧VOUTの変化速度を
「0」とする(出力電圧VOUTを変化させない)。ま
た、電圧VINが基準電圧VMより大きい場合には出力電
圧VOUTを低くし、電圧VINが基準電圧VMより小さい場
合には出力電圧VOUTを高くすると共に、電圧VINと基
準電圧VMとの差が小さい場合には出力電圧VOUTを低い
変化速度で徐々に変化させ、電圧VINと基準電圧VM
の差が大きくなるに従って出力電圧VOUTを変化させる
速度を速くする。
【0032】電圧VOUTはオペアンプ78に供給され
る。オペアンプ78はコンパレータとして動作し、発振
器80から入力された基準信号の電圧値が電圧VOUT
りも高いときは出力信号をローレベルとし、基準信号の
電圧値が電圧VOUTよりも低いときには出力信号をハイ
レベルとする。従って、図6(A)に示すように電圧V
OUTが低い場合は、図6(B)に示すようにオペアンプ
78から出力される信号のハイレベルとなっている期間
が短く、デューティー比は低い。また、図6(C)に示
すように電圧VOUTが高い場合には、図6(D)に示す
ようにオペアンプ78から出力される信号のハイレベル
となっている期間が長く、デューティー比は高い。
【0033】なお、オペアンプ78、抵抗43及びトラ
ンジスタ44も本発明の印加電圧制御手段を構成して
いる。トランジスタ44はオペアンプ78から入力され
た信号がハイレベルのときにオンするので、図6(B)
のように入力された信号のデューティー比が低い場合に
は、トランジスタ44のオンオフ動作のデューティー比
も低くなり、(1)式からも明らかなように駆動信号の
電圧値0は低くなる。また、図6(D)に示すように
トランジスタ44に入力された信号のデューティー比が
高い場合には、トランジスタ44のオンオフ動作のデュ
ーティー比も高くなり、駆動信号の電圧値0は高くな
る。
【0034】また、前述の駆動信号の電圧値0を分圧
した電圧VINと、基準電圧VMと、の差に応じて出力電
圧VOUTの変化速度が変更されることに伴って、電圧V
INと基準電圧VMとの差が小さい場合には駆動信号の
圧値0も徐々に変化する。従って、駆動信号の電圧値
0が目標値に一致又は近い値である場合には、超音波
モータ10のインピーダンスの周期的な変動により、一
時的に電圧値0に目標値に対する差が生じても、駆動
信号の電圧値0 (超音波モータ10への印加電圧値)
は緩やかに変化することになり、超音波モータ10に供
給されるエネルギーの変動も緩やかとなるので、超音波
モータ10の出力の変動が抑制される。
【0035】一方、電圧VINと基準電圧VMとの差が大
きい場合には出力電圧VOUTが高速で変化され、これに
伴って駆動信号の電圧値0も高速で変化する。従っ
て、直流電源40の電圧や超音波モータ10に加わる負
荷等が急激に大きく変動した等の場合には、駆動信号の
電圧値0 (超音波モータ10への印加電圧値)が短時
間で目標値に一致するように高速で応答することにな
り、超音波モータ10を適正な駆動状態に保つことがで
きる。
【0036】〔第2実施例〕 次に本発明の第2実施例について説明する。なお、第1
実施例と同一の部分には同一の符号を付し、説明を省略
する。本第2実施例では、駆動回路30が図7に示すよ
うに構成されている。
【0037】すなわち、周波数制御回路32の出力端は
駆動制御回路84の入力端に接続されており、周波数制
御回路32から出力された周波数制御信号は、駆動制御
回路84の発振器80(図8参照)に入力される。発振
器80は出力する基準信号の周波数を、入力された周波
数制御信号が表す周波数の目標値に応じて変更する。発
振器80の出力端はリングカウンタ86のクロック信号
入力端に接続されており、前記基準信号はリングカウン
タ86に入力される。
【0038】リングカウンタ86の4個の出力端は、各
々AND回路88、90、92、94の2個の入力端の
一方に接続されている。リングカウンタ86は4個の出
力端のうちの何れか1つから出力する信号をハイレベル
にすると共に、クロック信号入力端から入力された基準
信号に同期して、出力信号をハイレベルとしている出力
端を所定周期毎に順次切り替える。これにより、ハイレ
ベルの信号が入力されるAND回路は、所定周期毎にA
ND回路88、92、90、94の順に切り替わること
になる。
【0039】AND回路88、90、92、94の出力
端は、各々ソースが接地されたFET96、98、10
0、102のゲートに接続されている。FET96のド
レインはトランス104の1次側コイルの一端に接続さ
れており、他端にはFET98のドレインが接続されて
いる。また、FET100のドレインはトランス106
の1次側コイルの一端に接続されており、他端にはFE
T102のドレインが接続されている。トランス10
4、106の1次側コイルの中点は各々直流電源40の
プラス端子に接続されており、直流電源40のマイナス
端子は接地されている。
【0040】トランス104の2次側コイルの両端は、
一端が接地された圧電体14Aの両端に接続されてお
り、トランス106の2次側コイルの両端は、同じく一
端が接地された圧電体14Bの両端に接続されている。
また、圧電体14Aの一端には抵抗108の一端が接続
されており、抵抗108の他端はダイオード112のア
ノードに接続されている。同様に、圧電体14Bの一端
には抵抗110の一端が接続されており、抵抗110の
他端はダイオード114のアノードに接続されている。
なお、抵抗108と抵抗110との電気抵抗値は等しく
されている。ダイオード112のカソードとダイオード
114のカソードとはP1 点で互いに接続され電圧値
御回路38Aの入力端39Aに接続されており、この入
力端39Aには一端が接地された抵抗116の他端、及
び一端が接地されたコンデンサ118の他端が接続され
ている。これらのダイオード112、114、抵抗10
8、110、116、コンデンサ118は本発明の検出
手段に対応している。
【0041】電圧値制御回路38Aは第1実施例と同一
の構成である。電圧値制御回路38Aの出力端39C
は、第1実施例と同様にコンパレータとして動作するオ
ペアンプ78の非反転入力端に接続されている。オペア
ンプ78の反転入力端は発振器80の出力端に接続され
ており、基準信号が入力される。また、オペアンプ78
の出力端は4つに分岐されており、各々AND回路8
8、90、92、94の入力端に接続されている。
【0042】次に本第2実施例の作用を説明する。超音
波モータ10の駆動が指示されると、駆動制御回路84
の発振器80では、超音波モータ10の駆動開始時の駆
動信号の周波数の整数倍の所定周波数の基準信号を出力
する。この基準信号はリングカウンタ86にクロック信
号として入力される。リングカウンタ86では、入力さ
れたクロック信号のパルスをカウントし、ハイレベルの
信号を出力するAND回路をAND回路88、92、9
0、94の順に所定周期毎に切り替える。
【0043】後述するが、各AND回路には、オペアン
プ78から所定のデューティー比のパルス信号が入力さ
れる。従って、リングカウンタ86からハイレベルの信
号が入力されているAND回路からは前記所定のデュー
ティー比のパルス信号が出力され、このパルス信号を出
力するAND回路がAND回路88、92、90、94
の順に切り替わることにより、トランス104、106
の2次側コイルには、各々周波数が前記駆動開始時の周
波数で、前記AND回路から出力されるデューティー比
に対応する振幅で、かつ位相が90°異なる交流信号
(駆動信号)が誘起される。
【0044】この駆動信号が圧電体14A、14Bに供
給されることにより、超音波モータ10の弾性体12に
進行波が励起され駆動軸16及びロータ18が回転され
る。また、弾性体12の振動は圧電素子26によって電
気信号に変換され、周波数制御回路32に入力され、周
波数制御回路32からは第1実施例と同様に駆動信号の
周波数の目標値を表す周波数制御信号が発振器80へ出
力される。発振器80では周波数制御信号に基づいて基
準信号の周波数を変更する。
【0045】一方、圧電体14Aに供給された駆動信号
は抵抗108を介してダイオード112に入力され、ダ
イオード112によって半波整流される。また、圧電体
14Bに供給された駆動信号は抵抗110を介してダイ
オード114に入力され、ダイオード114によって半
波整流される。ここで、ダイオード112のカソードと
ダイオード114のカソードとはP1 点で互いに接続さ
れているので、P1 点における電圧VINは、各々ダイオ
ード112、114で半波整流された2相の駆動信号の
電圧値の平均値を抵抗108、110と、抵抗116
と、で分圧した値に等しい。電圧VINはコンデンサ11
8によって平滑化されて電圧値制御回路38Aに入力さ
れる。
【0046】電圧値制御回路38Aは第1実施例と同一
の構成であるので、オペアンプ74の反転入力端に入力
される電圧値INと、オペアンプ74から出力される電
圧VOUTの変化速度と、は図5に示す関係となる。オペ
アンプ78から出力される信号は、電圧VOUTが低い場
合はハイレベルとなっている期間が短く、デューティー
比は低い。また、電圧VOUTが高い場合にはオペアンプ
78から出力される信号のハイレベルとなっている期間
が長く、デューティー比は高い。従って、電圧VOUT
大きさに応じてAND回路88、90、92、94から
出力される信号のデューティー比、更にはFETの各々
のオンオフのデューティー比も変化する。トランス10
4、106の2次側コイルに誘起される駆動信号の振幅
電圧値0)はFETのオンオフのデューティー比に
応じて変化し、デューティー比が低い場合には電圧値
0が低くなり、デューティー比が高い場合には電圧値0
は高くなる。
【0047】従って、駆動信号の電圧値0 (超音波モ
ータ10への印加電圧値)は第1実施例と同様に変化さ
れ、第1実施例と同様に、駆動信号の電圧値0が目標
値に一致又は近い値である場合には、超音波モータ10
のインピーダンスの周期的な変動により一時的に電圧値
0に目標値に対する差が生じても、駆動信号の電圧値
0は緩やかに変化することになり、超音波モータ10
に供給されるエネルギーの変動も緩やかとなるので、超
音波モータ10の出力の変動が抑制される。また、直流
電源40の電圧や、超音波モータ10に加わる負荷等が
急激に大きく変動した等の場合には、駆動信号の電圧値
0が短時間で目標値に一致するように高速で応答し、
超音波モータ10を適正な駆動状態に保つことができ
る。
【0048】〔第3実施例〕 次に本発明の第3実施例について説明する。なお、本第
3実施例以降では、第1実施例で説明した駆動制御回路
36及び第2実施例で説明した駆動制御回路84に適用
可能な電圧値制御回路38のバリエーションを説明す
る。このため、電圧値制御回路以外の部分、及び電圧値
制御回路において第1実施例及び第2実施例と同一の部
分には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0049】図9に示すように、本第3実施例に係る
圧値制御回路38Bは、入力端39Aに抵抗72及び抵
抗122の一端が各々接続されている。抵抗122の他
端には、ダイオード124のアノード及びダイオード1
26のカソードが各々接続されており、ダイオード12
4のカソード、ダイオード126のアノード及び抵抗7
2の他端は、各々オペアンプ74の反転入力端に接続さ
れている。
【0050】次に電圧値制御回路38Bの作用を説明す
る。コンデンサ76の静電容量をC、抵抗72、122
の電気抵抗値を各々R1、R2、ダイオード124、12
6が所謂オン状態となるための順方向電圧を電圧VF
すると、電圧値制御回路38Bにおいて入力電圧VIN
変化に対する出力電圧VOUTの変化は次の(4)〜
(6)式で表される。
【0051】
【数2】
【0052】入力電圧VINと基準電圧VMとの差の絶対
値が電圧VFよりも小さい場合(上記の場合)には、
ダイオード124及び126がオン状態とならないの
で、抵抗122には電流が流れず抵抗72のみを通って
電流が流れる。従って、出力電圧VOUTの変化速度は比
較的低速である。一方、入力電圧VINが基準電圧VM
りも大きく、かつ基準電圧VMとの差が電圧VFよりも大
きい場合(上記の場合)には、ダイオード124がオ
ン状態となり抵抗122を電流が流れるので、入力電圧
INの変化に対するコンデンサ76への充電電流の変化
はの場合よりも大きくなり、これに伴って出力電圧V
OUTの変化速度は高速となる。
【0053】また、入力電圧VINが基準電圧VMよりも
小さく、かつ基準電圧VMとの差が電圧VFよりも大きい
場合(上記の場合)には、ダイオード126がオン状
態となり抵抗122を電流が流れるので、上記と同様に
出力電圧VOUTの変化速度は速くなる。この入力電圧V
INと出力電圧VOUTの変化速度との関係を図10に示
す。図10と図5とを比較すると、入力電圧VINと基準
電圧VMとの差が大きい場合(及びの場合)の出力
電圧VOUTの変化速度の傾き(変化率)が、前記差が小
さい場合の傾きより大きくなっている。
【0054】従って、抵抗72、122の電気抵抗値及
びコンデンサ76の静電容量として適切な数値を選択す
れば、第1及び第2実施例で説明した電圧値制御回路3
8Aと比較して、入力電圧VINと基準電圧VMとの差が
小さい場合の出力電圧VOUTの変化速度をより遅くし、
入力電圧VINと基準電圧VMとの差が大きい場合の出力
電圧VOUTの変化速度をより速くすることができ、超音
波モータ10の駆動状態をより安定させることができ
る。
【0055】次に、電圧値制御回路38Bのバリエーシ
ョンを図11に示す。図11に示す電圧値制御回路38
Cでは、抵抗72とオペアンプ74の反転入力端との間
に抵抗122が挿入されており、ダイオード124、1
26は抵抗122に並列に接続されている。なお電圧値
制御回路38Bと同様に、ダイオード124はカソード
がオペアンプ74側となるように配置され、ダイオード
126はアノードがオペアンプ74側となるように配置
されている。
【0056】電圧値制御回路38Cでは、入力電圧VIN
の変化に対する出力電圧VOUTの変化が次の(7)〜
(9)式のようになる。
【0057】
【数3】
【0058】電圧値制御回路38Cでは、入力電圧VIN
と基準電圧VMとの差が大きい場合(上記又はの場
合)には、ダイオード124又はダイオード126がオ
ン状態となり抵抗122が短絡したに等しくなるので、
電圧値制御回路38Bと同様に出力電圧VOUTの変化速
度が速くなり、電圧値制御回路38Bと同様の効果が得
られる。
【0059】〔第4実施例〕 次に本発明の第4実施例について説明する。図12には
本第4実施例に係る電圧値制御回路38Dが示されてい
る。電圧値制御回路38Dでは、抵抗122とダイオー
ド124の直列回路が、抵抗72に並列に接続されてい
る。なお、ダイオード124はカソードがオペアンプ側
となるように配置されている。
【0060】電圧値制御回路38Dでは、入力電圧VIN
の変化に対する出力電圧VOUTの変化が次の(10)、(1
1)式のようになる。
【0061】
【数4】
【0062】電圧値制御回路38Dにおける入力電圧V
INと出力電圧VOUTの変化速度との関係を図13に示
す。図13からも明らかなように、電圧値制御回路38
Dでは入力電圧VINが基準電圧VMよりも大きく、かつ
差が電圧VFよりも大きい場合(上記の場合)にダイ
オード124がオン状態となり抵抗72に加えて抵抗1
22にも電流が流れ、出力電圧VOUTの変化速度が速く
なる。
【0063】従って、直流電源40の電圧が急激に上昇
した場合や、負荷の変動により超音波モータ10のイン
ピーダンスが急激に変化して駆動信号の電圧値が急激に
上昇した等の場合に、出力電圧VOUTを高速で変化させ
て前記上昇を抑制することができるので、超音波モータ
10の圧電体14の破壊等を防止することができる。ま
た、通常は出力電圧VOUTの変化速度が低いので、超音
波モータ10のインピーダンスの周期的な変動による超
音波モータ10の出力の変動を抑制することができる。
【0064】次に、電圧値制御回路38Dのバリエーシ
ョンを図14に示す。図14に示す電圧値制御回路38
Eでは、抵抗72とオペアンプ74の反転入力端との間
に、抵抗122とダイオード124とが並列接続された
回路が挿入されている。ダイオード124はカソードが
オペアンプ74側となるように配置されている。電圧値
制御回路38Eでは、入力電圧VINの変化に対する出力
電圧VOUTの変化が次の(12)、(13)式のようになる。
【0065】
【数5】
【0066】電圧値制御回路38Eでは、入力電圧VIN
が基準電圧VMよりも大きく、かつ差が電圧(R1
2)÷R2×VFよりも大きい場合(上記の場合)に
は、ダイオード124がオン状態となり抵抗122が短
絡したに等しくなるので、電圧値制御回路38Dと同様
に出力電圧VOUTの変化速度が速くなり、電圧値制御回
路38Dと同様の効果が得られる。
【0067】また、電圧値制御回路38Dの他のバリエ
ーションを図15に示す。図15に示す電圧値制御回路
38Fでは、入力端39Aに抵抗72の一端とオペアン
プ128の非反転入力端が接続されている。抵抗72の
他端はオペアンプ74の反転入力端に接続されている。
また、オペアンプ128の出力端はダイオード124の
アノードに接続されており、ダイオード124のカソー
ドは抵抗122を介してオペアンプ74の反転入力端に
接続されている。更にダイオード124のカソードはオ
ペアンプ128の反転入力端に接続されている。
【0068】オペアンプ128とダイオード124と
は、アノードが入力端39A側にカソードがオペアンプ
74側に配置された理想的なダイオードと等価である。
従って、電圧VF≒0Vとなる。従って、電圧値制御回
路39Fでは、入力電圧VINの変化に対する出力電圧V
OUTの変化は次の(14)、(15)式のようになる。
【0069】
【数6】
【0070】電圧値制御回路38Fにおける入力電圧V
INと出力電圧VOUTの変化速度との関係を図16に示
す。図16と電圧値制御回路38Dに対応する図13と
を比較すると、図16では入力電圧VINが基準電圧VM
より大きくなった時点で、出力電圧VOUTを速い変化速
度で変化させるので、直流電源40の電圧が急激に上昇
したり、駆動信号の電圧値が急激に上昇した等の場合
に、電圧値制御回路38Dよりも早く応答して前記上昇
を抑制することができる。
【0071】次に電圧値制御回路38Eのバリエーショ
ンを図17に示す。図17に示す電圧値制御回路38G
では、電圧値制御回路38Eのダイオードに代えて、前
記と同様にダイオード124及びオペアンプ128から
成る、理想的なダイオードと等価な回路を用いている。
電圧値制御回路38Gでは、入力電圧VINの変化に対す
る出力電圧VOUTの変化は次の(16)、(17)式のようにな
る。
【0072】
【数7】
【0073】これにより、電圧値制御回路38Fの場合
と同様に、直流電源40の電圧が急激に上昇したり、駆
動信号の電圧値が急激に上昇した等の場合に、電圧値
御回路38Eよりも早く応答して前記上昇を抑制するこ
とができる、という効果が得られる。
【0074】〔第5実施例〕 次に本発明の第実施例について説明する。図18には
本第5実施例に係る電圧値制御回路38Hが示されてい
る。電圧値制御回路38Hでは、抵抗122とダイオー
ド126の直列回路が、抵抗72に並列に接続されてい
る。なお、ダイオード126はアノードがオペアンプ側
となるように配置されている。電圧値制御回路38Hで
は、入力電圧VINの変化に対する出力電圧VOUTの変化
が次の(18)、(19)式のようになる。
【0075】
【数8】
【0076】電圧値制御回路38Hにおける入力電圧V
INと出力電圧VOUTの変化速度との関係を図19に示
す。図19からも明らかなように、電圧値制御回路38
Hでは入力電圧VINが基準電圧VMよりも小さく、かつ
差が電圧VFよりも大きい場合(上記の場合)にダイ
オード126がオン状態となり抵抗72に加えて抵抗1
22にも電流が流れ、出力電圧VOUTの変化速度が速く
なる。
【0077】従って、直流電源40の電圧が急激に低下
した場合や、負荷の変動により超音波モータ10のイン
ピーダンスが急激に変化して駆動信号の電圧値が急激に
低下した等の場合に、出力電圧VOUTを高速で変化させ
て前記低下を抑制することができるので、超音波モータ
10の駆動の停止や出力の急激な低下を防止することが
できる。また、通常は出力電圧VOUTの変化速度が低い
ので、超音波モータ10のインピーダンスの周期的な変
動による超音波モータ10の出力の変動を抑制すること
ができる。
【0078】次に、電圧値制御回路38Hのバリエーシ
ョンを図20に示す。図20に示す電圧値制御回路38
Iでは、抵抗72とオペアンプ74の反転入力端との間
に、抵抗122とダイオード126とが並列接続された
回路が挿入されている。ダイオード126はアノードが
オペアンプ74側となるように配置されている。電圧値
制御回路38Iでは、入力電圧VINの変化に対する出力
電圧VOUTの変化が次の(20)、(21)式のようになる。
【0079】
【数9】
【0080】電圧値制御回路38Iでは、入力電圧VIN
が基準電圧VMよりも小さく、かつ差が電圧(R1
2)÷R2×VFよりも大きい場合(上記の場合)に
ダイオード126がオン状態となり抵抗122が短絡し
たに等しくなるので、電圧値制御回路38Hと同様に出
力電圧VOUTの変化速度が速くなり、電圧値制御回路3
8Hと同様の効果が得られる。
【0081】また、電圧値制御回路38Hの他のバリエ
ーションを図21に示す。図21に示す電圧値制御回路
38Jでは、電圧値制御回路38Hと比較してダイオー
ド126と抵抗122の位置が入れ替わっており、かつ
ダイオード126に代えて、ダイオード126とオペア
ンプ128とから成る、理想的なダイオードと等価な回
路を用いている。電圧値制御回路38Jでは、入力電圧
INの変化に対する出力電圧VOUTの変化は次の(22)、
(23)式のようになる。
【0082】
【数10】
【0083】電圧値制御回路38Jにおける入力電圧V
INと出力電圧VOUTの変化速度との関係を図22に示
す。図22と電圧値制御回路38Hに対応する図19と
を比較すると、図22では入力電圧VINが基準電圧VM
より小さくなった時点で、出力電圧VOUTを速い変化速
度で変化させるので、直流電源40の電圧が急激に低下
したり、駆動信号の電圧値が急激に低下した等の場合
に、電圧値制御回路38Hよりも早く応答して前記低下
を抑制することができる。
【0084】次に電圧値制御回路38Iのバリエーショ
ンを図23に示す。図23に示す電圧値制御回路38K
では、電圧値制御回路38Iのダイオード126に代え
て、前記と同様にダイオード126及びオペアンプ12
8から成る、理想的なダイオードと等価な回路を用いて
いる。電圧値制御回路38Kでは、入力電圧VINの変化
に対する出力電圧VOUTの変化は次の(24)、(25)式のよ
うになる。
【0085】
【数11】
【0086】これにより、電圧値制御回路38Jの場合
と同様に、直流電源40の電圧が急激に低下したり、駆
動信号の電圧値が急激に低下した等の場合に、電圧値
御回路38Iよりも早く応答して前記低下を抑制するこ
とができる、という効果が得られる。
【0087】〔第6実施例〕 次に本発明の第6実施例について説明する。図24には
本第6実施例に係る電圧値制御回路38Lが示されてい
る。電圧値制御回路38Lでは、入力端39Aに抵抗7
2、抵抗122A、抵抗122Bの各々の一端が接続さ
れている。抵抗122Aの他端にはダイオード124の
アノードが接続されている。抵抗122Bの他端はダイ
オード126のカソードが接続されている。また、抵抗
72の他端、ダイオード124のカソード、ダイオード
126のアノードは、各々オペアンプ74の反転入力端
に接続されている。
【0088】抵抗122Aの電気抵抗値をR2、抵抗1
22Bの電気抵抗値をR3とすると、電圧値制御回路3
8Lにおける入力電圧VINの変化に対する出力電圧V
OUTの変化は、次の(26)〜(28)式のようになる。
【0089】
【数12】
【0090】電圧値制御回路38Lにおける入力電圧V
INと出力電圧VOUTの変化速度との関係を図25に示
す。図25からも明らかなように、電圧値制御回路38
Lでは、入力電圧VINが基準電圧VMよりも大きくかつ
基準電圧VMとの差が電圧VFよりも大きい場合(上記
の場合)の出力電圧VOUTの変化速度の傾きは、抵抗1
22Aの電気抵抗値R2に依存し、入力電圧VINが基準
電圧VMよりも小さくかつ基準電圧VMとの差が電圧VF
よりも大きい場合(上記の場合)の出力電圧VOUT
変化速度の傾きは、抵抗122Bの電気抵抗値R3に依
存している。
【0091】従って、電圧値制御回路38A、38Bと
比較して、抵抗122A、抵抗122Bの電気抵抗値と
して適切な値を選択することにより、直流電源40の電
圧が急激に上昇したり、駆動信号の電圧値が急激に上昇
した等の場合の出力信号VOUTの変化速度の変化率、及
び直流電源40の電圧が急激に低下したり、駆動信号の
電圧値が急激に低下した等の場合の出力信号VOUTの変
化速度の変化率を、各々最適値に調整することが可能に
なり、超音波モータ10の超音波モータ10の駆動状態
を更に安定させることができる。
【0092】なお、電圧値検出回路38の構成は上記に
限定されるものではなく、例えば電圧値検出回路をマイ
クロコンピュータによって構成してもよい。マイクロコ
ンピュータでは、入力電圧VINと基準電圧VMとの差
と、出力電圧VOUTの値と、を対応させたマップを予め
記憶しておき、前記差を演算し前記マップを参照するこ
とで出力電圧VOUTの値を決定するようにしてもよい。
【0093】また、入力電圧VINと基準電圧VMとの差
の変化に伴う出力電圧VOUTの変化速度の変化率の変化
は、図10等に示す変化に限定されるものではなく、例
えば前記差の増大に伴って前記変化率(電圧VOUTの変
化速度の傾き)を2次関数的に、或いは指数関数的に増
大させるようにしてもよい。また、前記差の変化に伴っ
て、出力電圧VOUTの変化速度を段階的に変更するよう
にしてもよい。
【0094】また、上記では進行波型の超音波モータを
例に説明したが、超音波モータの形式は上記に限定され
るものではなく、例えば定在波型の超音波モータ等の駆
動に本発明を適用することも可能である。
【0095】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、駆動信号
を供給することで超音波モータに印加される電圧値を検
出し、検出した印加電圧値と目標値との差が小さい場合
には印加電圧値が低速で徐々に変化、検出された印加
電圧と前記目標値との差が大きい場合には印加電圧
高速で変化て、印加電圧が前記目標値に一致する
ように制御したので、超音波モータのインピーダンスの
変動による超音波モータの出力の変動を抑制することが
できる、という優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 超音波モータの概略構成を示す斜視図であ
る。
【図2】 第1実施例に係る超音波モータ駆動回路の全
体構成を概略的に示すブロック図である。
【図3】 第1実施例に係る駆動制御回路の構成を示す
回路図である。
【図4】 駆動信号の周波数の変化に伴う超音波モータ
のインピーダンスの変化を示す線図である。
【図5】 電圧値制御回路38Aにおける入力電圧VIN
と基準電圧VMとの差と、出力電圧VOUTの変化速度と、
の関係を示す線図である。
【図6】 (A)及び(B)は、電圧値制御回路の出力
電圧VOUTが低い場合の、コンパレータにおける基準信
号のレベルとの比較、及びトランジスタのスイッチング
信号を各々示す線図、(C)及び(D)は、出力電圧V
OUTが高い場合の、コンパレータにおける基準信号のレ
ベルとの比較、及びトランジスタのスイッチング信号を
各々示す線図である。
【図7】 第2実施例に係る超音波モータ駆動回路の全
体構成を概略的に示すブロック図である。
【図8】 第2実施例に係る駆動制御回路の構成を示す
回路図である。
【図9】 第3実施例に係る電圧値制御回路38Bの構
成を示す回路図である。
【図10】 電圧値制御回路38Bにおける入力電圧V
INと基準電圧VMとの差と、出力電圧VOUTの変化速度
と、の関係を示す線図である。
【図11】 第3実施例に係る電圧値制御回路38Cの
構成を示す回路図である。
【図12】 第4実施例に係る電圧値制御回路38Dの
構成を示す回路図である。
【図13】 電圧値制御回路38Dにおける入力電圧V
INと基準電圧VMとの差と、出力電圧VOUTの変化速度
と、の関係を示す線図である。
【図14】 第4実施例に係る電圧値制御回路38Eの
構成を示す回路図である。
【図15】 第4実施例に係る電圧値制御回路38Fの
構成を示す回路図である。
【図16】 電圧値制御回路38Fにおける入力電圧V
INと基準電圧VM との差と、出力電圧VOUT の変化速度
と、の関係を示す線図である。
【図17】 第4実施例に係る電圧値制御回路38Gの
構成を示す回路図である。
【図18】 第5実施例に係る電圧値制御回路38Hの
構成を示す回路図である。
【図19】 電圧値制御回路38Hにおける入力電圧V
INと基準電圧VMとの差と、出力電圧VOUTの変化速度
と、の関係を示す線図である。
【図20】 第5実施例に係る電圧値制御回路38Iの
構成を示す回路図である。
【図21】 第5実施例に係る電圧値制御回路38Jの
構成を示す回路図である。
【図22】 電圧値制御回路38Jにおける入力電圧V
INと基準電圧VMとの差と、出力電圧VOUTの変化速度
と、の関係を示す線図である。
【図23】 第5実施例に係る電圧値制御回路38Kの
構成を示す回路図である。
【図24】 第6実施例に係る電圧値制御回路38Lの
構成を示す回路図である。
【図25】 電圧値制御回路38Lにおける入力電圧V
INと基準電圧VMとの差と、出力電圧VOUTの変化速度
と、の関係を示す線図である。
【符号の説明】
10 超音波モータ 30 駆動回路 36 駆動制御回路 38 電圧値制御回路 84 駆動制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02N 2/00 - 2/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動信号を供給して超音波モータを駆動
    すると共に超音波モータの駆動状態を検出し、該駆動状
    態の検出結果に基づいて前記超音波モータの駆動を制御
    する超音波モータ駆動回路であって、 前記 駆動信号を供給することで超音波モータに印加され
    電圧を検出する検出手段と、 前記検出手段によって検出された印加電圧印加電圧
    の目標値との差が小さい場合には印加電圧値が低速で
    徐々に変化、検出された印加電圧と前記目標値との
    差が大きい場合には印加電圧値が高速で変化して、印加
    電圧が前記目標値に一致するように制御する印加電圧
    制御手段と、 を備えたことを特徴とする超音波モータの駆動回路。
  2. 【請求項2】 前記印加電圧制御手段は、前記検出手
    段によって検出された印加電圧と前記印加電圧の目
    標値との差が大きくなるに従って前記印加電圧の変化
    速度速くなるように制御することを特徴とする請求項
    1記載の超音波モータの駆動回路。
  3. 【請求項3】 前記印加電圧制御手段は、前記検出手
    段によって検出された印加電圧と前記印加電圧の目
    標値との差が所定値以上のときに、前記差が所定値未満
    のときよりも前記印加電圧の変化速度の変化率が増大
    するように前記印加電圧の変化速度を制御すること
    を特徴とする請求項1記載の超音波モータの駆動回路。
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