JP3282969B2 - カーテンウォールの壁体支持装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、カーテンウォール
の壁体支持装置に係り、特にコンクリート外壁等の壁材
に隣接して配置されたＤＰＧ（ドット・ポイント・グレ
イジング）方式のカーテンウォールにおけるガラスパネ
ル、金属パネル等の壁体を支持する支持装置に関する。

【０００２】

【背景技術】近年、特開平７−２１７０４２号公報に記
載されているように、ガラスパネル等の壁体の四隅に貫
通孔を形成し、互いに隣接する４枚の壁体の４つの貫通
孔を、躯体に取り付けられた正面略「Ｘ」字形や「工」
字形の壁体支持装置に固定して取り付けるＤＰＧ方式の
カーテンウォールが用いられるようになった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、建物によっ
ては、ＤＰＧ方式のカーテンウォールだけではなく、コ
ンクリート板等からなる外壁を設置する必要がある場合
があった。この際、ＤＰＧ方式のカーテンウォールと、
コンクリート板等の壁材との接続部分の処理がうまくで
きなかったため、このような部分を簡単にかつ確実に処
理できる壁体支持装置が求められていた。

【０００４】本発明の目的は、ＤＰＧ方式のカーテンウ
ォールと、コンクリート板等の壁材との接続部分を簡単
にかつ確実に処理できるカーテンウォールの壁体支持装
置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、カーテンウォ
ールの壁体を躯体に支持する壁体支持装置であって、躯
体に取り付けられるとともに前記壁体を貫通して支持す
る支持部を有する壁体支持具と、この壁体支持具で支持
された壁体の端縁を保持する保持部および前記壁体に隣
接して配置される壁材に対して基準となる面を備えた枠
体と、前記壁体支持具から延出されて前記枠体を支持す
る支持アームとを備えることを特徴とするものである。

【０００６】このような本発明によれば、カーテンウォ
ールの壁体を支持する壁体支持具に、前記壁体の端縁を
保持する保持部と隣接配置されるコンクリート板等の壁
材の基準面とを備える枠体をアームを介して取り付けて
いるので、壁体の端縁を保持部で保持するとともに、隣
接配置される壁材を枠体を基準に配置できるため、壁体
および壁材の接合部における納まりを向上することがで
きる。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下に、本発明の一実施の形態を
図面に基づいて説明する。本実施の形態のカーテンウォ
ール１は、図１および図２に示すように、壁体であるガ
ラスパネル２を壁体支持装置３，３Ａを用いてＨ型鋼等
の躯体に取り付けたＤＰＧ方式のカーテンウォール１で
ある。

【０００８】このカーテンウォール１において、４枚の
ガラスパネル２が集まる部分は、従来と同様の正面略
「Ｘ」字状の壁体支持装置３Ａで躯体に取り付けられて
いる。

【０００９】一方、壁材であるコンクリート板５が隣接
配置されるガラスパネル２の端縁部分は、図２〜４に示
すような壁体支持装置３で支持されている。壁体支持装
置３は、躯体４の室外面に溶接で固定されたベース部材
１１と、このベース部材１１に螺合されて室内外方向に
位置調整可能な壁体固定部材１２とからなる壁体支持具
１０を備えている。

【００１０】壁体固定部材１２は、上下に延出された２
本のアーム部１３を備えている。これら各アーム部１３
の先端には、図示しないボールジョイントを介して向き
調整可能に連結された壁体受け部１４が設けられてい
る。そして、壁体受け部１４に、ガラスパネル２の隅部
に形成された貫通孔２Ａを介して壁体保持部材１５を固
定してガラスパネル２を挟持することで、ガラスパネル
２は壁体固定部材１２に固定されている。従って、壁体
受け部１４および壁体保持部材１５により、ガラスパネ
ル２が固着される支持部１６が形成されている。

【００１１】この壁体固定部材１２には、図２，４に示
すように、コンクリート板５側に向かって延長された支
持アーム２０が溶接等で固着されている。支持アーム２
０の先端に設けられた接続板２１には、枠体３０がボル
ト止めされている。

【００１２】枠体３０は、接続板２１にボルト止めされ
た本体部３１と、この本体部３１にはめ込まれるカバー
片３２とを備えている。そして、このカバー片３２およ
び本体部３１でガラスパネル２の端縁を保持する凹溝状
の保持部３３が形成されている。この保持部３３には、
バックアップ材３４およびシーリング材３５が充填され
て前記ガラスパネル２の端縁が保持されている。

【００１３】また、本体部３１のコンクリート板５側の
面は、コンクリート板５を配置する際の基準面３１Ａと
され、この基準面３１Ａとコンクリート板５との隙間に
は、バックアップ材３４およびシーリング材３５が充填
されて防水処理されている。

【００１４】なお、枠体３０の長さ寸法は、複数枚、例
えば４枚のガラスパネル２を保持できる長さ寸法とされ
ている。従って、４枚以上のガラスパネル２が配置され
る場合には、複数の枠体３０を配置している。この際、
図５に示すように、２本の枠体３０の端部部分に配置さ
れた支持アーム２０の接続板２１は、各枠体３０に跨っ
て配置されて各枠体３０の端部を支持している。また、
接続板２１と枠体３０とをボルト止めするため、枠体３
０内には断面コ字形に折り曲げられた裏板３６が挿入さ
れてビス止めされている。そして、この裏板３６内に固
着されたナット３７に、接続板２１側からボルト３８を
ねじ込むことで接続板２１と枠体３０とをボルト止めし
ている。

【００１５】この接続板２１で連結された各枠体３０の
端縁間は、図示しないバックアップ材や枠体３０の保持
部３３部分に各枠体３０に跨って配置されたジョイント
材を兼用したシール受けと、その周囲に充填されたシー
リング材３９が設けられてシールされている。さらに、
各ガラスパネル２間にも、シーリング材３９が充填され
て目地処理がなされている。

【００１６】このような本実施形態においては、建物の
躯体４に支持アーム２０が固着されている壁体支持具１
０を取り付け、この壁体支持具１０の支持アーム２０に
枠体３０をボルト止めして取り付ける。そして、壁体支
持具１０にガラスパネル２を取り付けるとともに、枠体
３０の基準面３１Ａを基準としてコンクリート板５を躯
体側に取り付ける。

【００１７】この際、コンクリート板５に隣接するガラ
スパネル２の端縁を枠体３０の保持部３３内に配置し、
カバー片３２を本体部３１にはめ込み、さらにバックア
ップ材３４、シーリング材３５を充填してシール処理を
行う。また、コンクリート板５と基準面３１Ａ間にも、
バックアップ材３４およびシーリング材３５を充填して
シール処理する。

【００１８】なお、４枚のガラスパネル２が集まる部分
では、従来と同様のＤＰＧ方式の壁体支持装置３Ａで各
ガラスパネル２の隅部を支持する。

【００１９】このような本実施の形態によれば、ガラス
パネル２とコンクリート板５との接続部分に枠体３０を
配置し、この枠体３０の保持部３３にガラスパネル２の
端縁を保持するとともに、基準面３１Ａを基準としてコ
ンクリート板５を配置しているので、ガラスパネル２お
よびコンクリート板５の端部処理を簡単にかつ確実に行
うことができ、意匠性も向上することができる。

【００２０】また、枠体３０は、ガラスパネル２を支持
する壁体支持具１０にアーム２０を介して支持されてい
るので、枠体３０の設置作業やその支持構造も簡単にな
り、ガラスパネル２およびコンクリート板５の接続部分
の構造も簡易にすることができる。

【００２１】さらに、各枠体３０の端部においては、接
続板２１が各枠体３０に跨って取り付けられるため、各
枠体３０を接続板２１を基準に取り付けることができ、
各枠体３０間の位置合わせなども容易に行うことができ
る。

【００２２】また、枠体３０内に裏板３６を配置して接
続板２１とボルト止めしているので、その接続強度を高
めることができ、壁体支持具１０によって枠体３０を確
実に支持することができる。

【００２３】なお、本発明は、前述の実施の形態に限定
されない。例えば、前記実施形態では、ガラスパネル２
の横にコンクリート板５が配置される場合について説明
したが、ガラスパネル２の上側や下側にコンクリート板
５が配置される場合でも本発明を適用することができ
る。このような場合には、枠体３０をガラスパネル２の
上端縁や下端縁部分に沿って配置すればよい。

【００２４】また、壁体支持具１０で支持する壁体は、
ガラスパネル２に限らず、金属パネル、樹脂パネルなど
でもよい。要するに、本発明は壁体に貫通穴を設けて保
持するＤＰＧ方式のカーテンウォールに広く適用するこ
とができる。さらに、壁体に隣接配置される壁材も前記
実施形態のようにコンクリート板５に限らず、石材等の
各種材質の壁材を用いることができる。

【００２５】また、外壁支持具１０、アーム２０、枠体
３０の形状、構造等は、前記実施形態のものに限らず、
実施にあたって適宜設定すればよい。例えば、壁面の隅
部に配置されるような１枚のガラスパネル２のみを支持
すればよい場合には、外壁支持具としてはアーム部１３
や支持部１６が１つのみ設けられた外壁支持具を用いれ
ばよい。また、枠体３０の形状も、ガラスパネル２など
の壁体の端縁を保持可能な保持部と、コンクリート板５
等の外壁材を取り付ける際の基準面とを備えていればよ
く、具体的な構造は実施にあたって適宜設定すればよ
い。

【００２６】また、アーム２０も、例えば外壁支持具１
０に２本のアームを固着して構成してもよく、具体的な
構造、形状は適宜設定すればよい。

【００２７】

【発明の効果】このような本発明のカーテンウォールの
壁体支持装置によれば、ＤＰＧ方式のカーテンウォール
と、コンクリート板等の壁材との接続部分を簡単にかつ
確実に処理することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態におけるカーテンウォール
を示す正面図である。

【図２】前記実施の形態における壁体支持装置を示す斜
視図である。

【図３】図１におけるＡ−Ａ線に沿った縦断面図であ
る。

【図４】図１におけるＢ−Ｂ線に沿った横断面図であ
る。

【図５】前記実施の形態における枠体の連結構造を示す
縦断面図である。

【符号の説明】

１…カーテンウォール、２…壁体であるガラスパネル、
３…壁体支持装置、４…躯体、５…壁材であるコンクリ
ート板、１０…壁体支持具、１１…ベース部材、１２…
壁体固定部材、１６…支持部、２０…支持アーム、２１
…接続板、３０…枠体、３１…本体部、３１Ａ…基準
面、３２…カバー片、３３…保持部、３６…裏板。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 カーテンウォールの壁体を躯体に支持す
   る壁体支持装置であって、躯体に取り付けられるととも
   に前記壁体を貫通して支持する支持部を有する壁体支持
   具と、この壁体支持具で支持された壁体の端縁を保持す
   る保持部および前記壁体に隣接して配置される壁材の基
   準面を備えた枠体と、前記壁体支持具から延出されて前
   記枠体を支持する支持アームとを備えることを特徴とす
   るカーテンウォールの壁体支持装置。
2. 【請求項２】 請求項１に記載のカーテンウォールの壁
   体支持装置において、支持アームは２本の枠体の端部に
   各枠体に跨って取り付けられていることを特徴とするカ
   ーテンウォールの壁体支持装置。