JPH06123150A - 外壁コーナーパネルの支持装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 取付け時の左右及び上下の調整を容易に行う
ことができるようにした外壁コーナーパネルの支持装置
を提供する。 【構成】 コーナーパネル（５）裏面の取付けプレート
（４）と支持プレート（８）とを上下方向のボルト（1
1）で連結し、更に、その支持プレート（８）のルーズ
穴（９）に差し込んだ上下方向のボルト（19）で梁（1
6）へ固定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、断面Ｌ型の外壁コー
ナーパネルを梁へ取り付けるための支持装置に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】コーナー部分に限らず、外壁パネルを並
列して外壁を構築するカーテンウオール構造の建物にお
いては、取付けの際に、ＰＣ板（プレキャストコンクリ
ート板）等からなる外壁パネル裏面と梁との間に取付け
金具を介在させるのが一般である。従来、このような取
付け手段として、実公平 2-33532号公報にも記載されて
いるように、外壁パネルの裏面に垂直断面Ｌ型の金具の
垂直部を重ねてその垂直部をボルトでパネル裏面に固定
するとともに、同じく金具の水平部分を梁の上面部等へ
固定するようにしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】この種の外壁パネル構
造の建築物においては、現場で取付けた際に、各外壁パ
ネル間の左右の縦目地及び上下の横目地の間隔の調節を
行う必要がある。上記従来の金具においては、パネル裏
面のボルトで上下の調節を行う場合には、そのボルトを
差し込む金具の穴を上下方向に長い長穴としなければな
らず、このような構造では、パネルを吊下げ支持した場
合に下降する虞れがあり、このため、上記従来の装置で
は、取付け金具の水平部と梁との間に高さ調節ボルトを
設けて、この部分で高さ調節を行うようにしているが、
左右両側の縦目地部の隙間の調整を行うような構造とは
なっておらず、かかる調整が極めて困難であるという欠
点があった。

【０００４】この発明は、上記のような従来の欠点を解
消して、取付け時の左右及び上下の調整を容易に行うこ
とができるようにした外壁コーナーパネルの支持装置を
提供することを目的としてなされたものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明では、外壁のコーナーを構成する断面Ｌ型
のパネル本体の裏面に、そのパネル本体のコーナーを挟
んだ各片に水平な取付けプレートを固着するとともに、
建物躯体側の梁の先端コーナー部上面に、支持プレート
を上下方向に差し込んだ一本のボルトで固定し、同じく
支持プレートの先端とその下側の前記取付けプレートと
を上下方向に差し込んだボルトで固定してなることを特
徴とする。

【０００６】同じくこの出願の請求項２の発明は、支持
プレートを梁に固定するためのボルト穴をルーズ穴とし
たことを特徴としている。

【０００７】

【作用】支持プレートを梁に固定するボルトを締め付け
る前に、そのボルトを中心として支持プレートを左右方
向に回動させて、左右方向の目地隙間の調整を行なう、
次いで、支持プレート先端と取付けプレートを連結する
上下方向のボルト部分で、パネル全体の高さ調整を行な
う。

【０００８】また、支持プレートを梁に固定するボルト
穴をルーズ穴とすることによって、コーナーパネルの内
外の出入りの調整を行なうことができる。

【０００９】

【実施例】図１及び図２は、この発明の出隅用外壁コー
ナーパネル（５）を裏面から見たもので、断面Ｌ型に形
成されたコンクリート製パネル本体（１）の裏面には、
コーナー部を挟んだ各片の上端に、垂直片（２）とその
垂直片上端の水平片（３）とからなる取付けプレート
（４）が、垂直片（２）をパネル本体（１）裏面へ接合
して取り付けられている。水平片（３）には、図７で示
すように、予めボルト穴（６）が形成されている。

【００１０】（８）は、金属板からなるＬ字形の水平支
持プレートであり、その各先端と屈曲部分にそれぞれボ
ルト穴（９）（10）（10）が形成してある。そして、前
記取付けプレート（４）先端のボルト穴（６）に下側か
ら差し込んだボルト（11）の先端を、支持プレート
（８）先端のボルト穴（10）に差し込んで、その上部に
螺合したナット（12）で取付けプレート（４）を連結す
るとともに、この取付けプレート（４）を介して、コー
ナーパネル（５）を吊り下げ状に支持するようにしてい
る。この支持プレート（８）は、予め取付けプレート
（４）へ取り付けた状態で、現場へ搬入するようになっ
ている。その際、取付けプレート（４）と支持プレート
（８）との間には、側面から見てコの字型のスペーサ
（13）がボルトへ嵌合するようにして取り付けられてい
る。

【００１１】上記のようにして予め支持プレート（８）
を取り付けた状態で搬入されたコーナーパネル（５）
は、支持プレート（８）の屈曲部分を、建物のコーナー
部分に位置するＨ形鋼製の梁（16）先端へ、その梁（1
6）の上部フランジ（17）へ載せるようにして設置し、
そのフランジ（17）へ形成したボルト穴（18）へ下方よ
り差し込んだ取付けボルト（19）を、支持プレート
（８）のボルト穴（９）へ挿入するとともに、そのボル
ト（19）の先端に螺合したナット（20）を締め付けて、
梁（16）へ固定するものである。その際、支持プレート
（８）のボルト穴（９）は、ボルト（19）に対して直径
の大きいルーズ穴となっており、このルーズ穴の範囲で
内外の出入りの調整を行なうとともに、そのボルト（1
9）部分を中心として左右方向に回動させ或いは移動さ
せることで、左右の縦目地の調整を行ない、その調整が
終った段階でナット（20）を正式に締め付ける。

【００１２】次に、支持プレート（８）と取付けプレー
ト（４）との間に介装されているスペーサ（13）を取外
し、この先端部分に差し込んだボルト（11）のナット
（12）を回転させることによって、コーナーパネル
（５）全体の高さ調整行なって取付け作業を終える。

【００１３】更に、このコーナーパネル（５）の上部に
別のパネルが取り付けられる場合には、図６及び図７の
ように、その上部のパネル（５）下端の取付けプレート
（４）における水平片（３）に形成したボルト穴（21）
へ、支持プレート（８）先端に差し込んだボルト（11）
の上端を挿入して、その上部にナット（22）を螺合して
締め付け固定する。

【００１４】

【発明の効果】このように、この発明では、支持プレー
トを回転させることで簡単に左右方向の目地隙間の調整
を行なうことができ、他方、支持プレート先端のボルト
部分でそのナットを回転させるなどによって、パネルの
高さ調整を行なうことができ、そのため、簡単な作業で
目地隙間の揃った外壁を施工できるという効果がある。

【００１５】更に、この出願の請求項２の発明では、支
持プレートを固定するボルト穴をルーズ穴としているの
で、このルーズ穴の範囲でパネルの内外の出入りの調整
を簡単に行なえる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明のコーナーパネルを裏面から見た斜視
図である。

【図２】コーナーパネルを梁へ取り付ける前の状態を示
すパネル上端部分の斜視図である。

【図３】コーナーパネルの支持プレートを梁上に設置し
た状態の平面図である。

【図４】同じく支持プレートを設置してボルトの先端に
ナットを螺合した状態の平面図である。

【図５】同じく裏面から見た斜視図である。

【図６】上端を取り付けたコーナーパネルの上部に更に
別のコーナーパネルを取り付ける際の取付け方法を示す
要部の斜視図である。

【図７】コーナーパネル取付け部の要部縦断面図であ
る。

【符号の説明】

（１） パネル本体 （４） 取付けプレート （５） コーナーパネル （８） 支持プレート （11） ボルト （16） 梁

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】外壁のコーナーを構成する断面Ｌ型のパネ
   ル本体の裏面に、そのパネル本体のコーナーを挟んだ各
   片に水平な取付けプレートを固着するとともに、建物躯
   体側の梁の先端コーナー部上面に、支持プレートを上下
   方向に差し込んだ一本のボルトで固定し、同じく支持プ
   レートの先端とその下側の前記取付けプレートとを上下
   方向に差し込んだボルトで固定してなることを特徴とす
   る外壁コーナーパネルの支持装置。
2. 【請求項２】支持プレートを梁に固定するためのボルト
   穴をルーズ穴とした請求項１の外壁コーナーパネルの支
   持装置。